JP2013513496A - タイヤ生産のためのビードワイヤの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、タイヤを製造するためのビードワイヤ(4)を製造する方法に関する。本発明によれば、ビードワイヤは、ビードワイヤの周方向にそれ自体オーバーラップする領域を形成するコーティング(54)を有する。この領域の一区分の周囲と接触状態にある少なくとも3つのジョー(8,10,12,14)によってビードワイヤを加圧する。

Description

本発明は、車両用タイヤを製造に用いられるのを目的とするビードワイヤの製造に関する。
タイヤは、タイヤをリムに取り付けるために用いられる各ビード内に環状補強ビードワイヤを有している。重量物運搬車両では、このビードワイヤは、製造中、生タイヤを付形しやすくするためにゴムでコーティングされた長方形断面の金属補強材を有している。このコーティングは、補強材上にその周方向に被着される。補強材の全長を覆うと、コーティングの2つの周方向端部は、重ね合わされて余分の厚みを生じる。
現在、この幾何学的特異性により、車両の運転中、振動が生じ、したがって、これをなくすための措置が講じられる。これを行うため、プレスの2つのジョー相互間のオーバーラップ領域を加圧することを想定することが可能である。しかしながら、この加圧により、コーティングを形成しているゴムがジョー相互間で流動し、それにより幾何学的特異性が過剰に生じてプレス残留物が過剰に生じる。
本発明の目的は、コーティングを有するビードワイヤの幾何学的特異性を処理する仕方を改良することにある。
この目的のため、本発明は、タイヤの生産に用いられるようになったビードワイヤを製造する方法において、ビードワイヤがビードワイヤの周方向にそれ自体オーバーラップする領域を形成するコーティングを有する場合、領域の一区分の周囲全体と接触状態にある少なくとも3つのジョーを用いてビードワイヤを加圧することを特徴とする方法を提供する。
かくして、コーティング材料の流動に対する良好な制御を提供することが可能であり、これにより、ビードワイヤのその周囲に沿う輪郭形状の均一性が向上する。これにより、車両内で感じられる振動を減少させることが可能である。
好ましくは、ジョーの数は、少なくとも4個である
かくして、ジョーの2つ対の各々の対相互間でビードワイヤを加圧することができる。
有利には、ビードワイヤは、ジョーのうちの1つ、即ち、下側のジョー上に配置される。
好ましくは、先ず最初に、2つの互いに向かい合ったジョー、好ましくは下ジョー及び上ジョーによって加圧すると共にジョーのうちの2つ以上、好ましくは側ジョーをビードワイヤから遠ざけて保持する。
この場合、これにより、加圧中における材料の流動に対する制御が向上する。
有利には、2つの向かい合ったジョー相互間での加圧後、これらジョーをビードワイヤに対して不動化し、他の2つのジョーをビードワイヤに近づける。
好ましくは、2つの向かい合ったジョー相互間での加圧後、ジョー全てを用いてビードワイヤを加圧する。
有利には、加圧中、ビードワイヤにマークを付けてビードワイヤの2つの軸方向フェースを互いに区別することができるようにする。
かくして、生タイヤ中へのビードワイヤの次の配置中、オペレータは、ビードワイヤを生タイヤ内で適切に配向させるために各ビードワイヤの2つの軸方向フェースの各々を容易に認識することができよう。
有利には、ビードワイヤは、多角形断面の補強材を有する。
好ましくは、コーティングは、パディング層及びクラッディング層を含む。
本発明は又、タイヤの生産に用いられるようになったビードワイヤ用のプレスにおいて、プレスは、少なくとも3つのジョーを有し、ジョーは、互いに対して動くことができると共にジョーを相互間に閉じられた断面のキャビティを形成することができる状態で設けられていることを特徴とするプレスを提供する。
本発明のプレスは、次に記載する特徴のうちの少なくとも任意の1つを更に有するのが良い。
‐プレスは、上ジョー、下ジョー及び2つの側ジョーを有する。
‐プレスは、ジョーのうちの1つ、好ましくは下ジョーに対して動くことができる状態で設けられている装置を有し、この装置は、他のジョーを支持している。
‐この装置内において、ジョー相互間でビードワイヤを加圧するよう配置されたジョーのうちの2つ、好ましくは、側ジョーは、第3のジョーに対して動くことができる状態で設けられている。
‐ジョーは、プレスのフレームに対して摺動状態で動くことができる状態で設けられ、キャビティは、ジョーの摺動方向に対して傾けられた主対称軸線を備えた断面を有する。
‐各ジョーは、少なくとも1つの非粘着性層でコーティングされている。
‐プレスは、ジョーを加熱する手段を有する、請求項9〜14のうちいずれか一に記載のプレス。
本発明の別の特徴及び別の利点は、添付の図面を参照して非限定的な例として与えられている一実施形態の以下の説明から一層明らかになろう。
本発明の方法を実施する前のビードワイヤの主断面を示す断面図である。 コーティングをビードワイヤの補強材に被着する前の図1のビードワイヤのコーティングの断面図である。 開放状態にある本発明のプレスの立面図である。 閉鎖状態にある本発明のプレスの立面図である。 閉鎖位置にあるプレスのジョーの拡大正面図である。 開放位置にあるプレスのジョーの拡大正面図である。 図5のジョーの斜視図である。 図5の上ジョーの下から見た図である。 図5の上ジョーの垂直断面図である。 本発明の方法を実施した後のオーバーラップ領域におけるビードワイヤの断面形状を示す図である。
以下において、直交座標系X,Y,Zを用い、この直交座標系では、方向X,Yは、水平であり且つ互いに垂直であり、方向Zは、垂直である。
先ず最初に、図3〜図9を参照して、本発明の実施形態としてのプレス2を説明する。プレスは、ビードワイヤ4を製造するために用いられ、ビードワイヤ4は、これら自体、車両、例えば重量物運搬車両用の生タイヤの製造に必要である。
プレス2は、固定フレーム6を有している。このプレスは、少なくとも3つのジョー、この特定の場合、4つのジョーを備えている。かくして、下ジョー8、上ジョー10、左側ジョー12及び右側ジョー14が設けられている。
この特定の場合、下ジョー8は、フレーム6に剛性的に固定されている。
プレスは、フレームに対して垂直方向Zに摺動する状態で動くことができるよう設けられた装置15を有している。装置15は、特に、上ジョー10及び2つの側ジョー12,14を支持した定盤(プラテン)16を有している。上ジョー10は、定盤16に剛性的に固定されている。2つの側ジョー12,14は各々、定盤16に対して方向Yに摺動状態で動くことができる状態で且つ互いに対して同軸に設けられている。プレスは、定盤16をフレームに対して垂直方向に動かす空気圧案内ユニット11及び側ジョーの各々を定盤16に対して動かす空気圧案内ユニット13を有している。
ジョーの各々は、これを容易に取り外すことができ、再び取り付けることができ、そして必要ならば交換することができるようシャーシに対して取り外し可能に設けられている。プレスは、例えば図示されていない電気カートリッジを用いて各ジョーを加熱する手段を有している。かくして、プレスは、ジョーの各々を例えば120℃〜150℃の温度に保つことができる。
特に図5及び図6を参照すると、下ジョー8及び上ジョー10は各々、付形フェース18,19によって中央領域が途切れた状態になっている水平の平坦な主フェース16,17を有している。下ジョーのフェース16は、上方に向き、上ジョーのフェース17は、下方に向いている。側ジョー12,14は各々、下方に向いた下の水平の平坦なフェース20及び上方に向いた上側の水平の平坦なフェース22を有している。フェース16,20は、互いに向かい合っており、フェース17,22も同様である。水平フェース16,20は、プレスの作動中、相互に面と面を突き合わせた接触関係をなすよう設計されており、その結果、各フェース20は、フェース16に対して方向Yに摺動するようになっている。同じことがフェース17,22について当てはまる。左側ジョーの水平フェース20,22は各々、左側が肩30によって境界付けられており、肩30は、下ジョー8及び上ジョー10のそれぞれの縁32のための端停止部を形成している。したがって、この当接により、左側ジョー12の移動端に右側寄りにマークが付けられる。右側ジョー14は、同じ仕方で下ジョー及び上ジョーのフェースと協働して右側ジョー14の左側で走行端をマーク付けする。
左側ジョー12は、上下がフェース20,22によって画定された付形フェース24を有し、付形フェース24は、フェース20,22と一緒になって、コーナーエッジを形成している。同じことは、水平フェース20,22に関し右側ジョー14の付形フェース26について当てはまる。付形フェース18,19は、互いに向かい合った状態で且つ互いに或る程度の距離を置いて延びている。同じことは、付形フェース24,26について当てはまる。
プレスは、閉鎖位置では、4つのジョーが互いに最も近接して位置する図5に示された形態にあるとき、4つの付形フェース18,24,19,26がこの順序で連続して位置する閉じられた連続体を形成するよう構成されており、この閉じられた連続体は、方向Xに2つの軸方向端が開かれているが、方向Y,Zに平行な任意の垂直断面平面が閉じられたキャビティ40を構成する。この平面における断面は、円ではなく、方向Y,Zの各々に対して傾けられた主対称軸線42を有している。この断面は、特に、真っ直ぐなベース44、ベース44の端から延びる2つの面取り部46,48及び面取り部の端を互いに接合する凹状湾曲弓形部50を有している。付形フェース18は、セグメント44及び左側面取り部46に対応している。弓形部50は、フェース24,19によって構成される。フェース26は、弓形部及び左側面取り部48の一部を構成する。
ジョーを機械加工した後、この場合、ジョーの各々を非粘着性コーティング、例えば参照記号FEPキシラン8840/2618で市販されている少なくとも1つの層62でコーティングする。この実施例では、各ジョーを少なくとも120℃の温度まで昇温させた後、各ジョーをこの製品の下地層でコーティングする。次に、この製品の温度を400℃に昇温させ、この製品の最終コーティングを被着させる。コーティングの全厚は、20〜30ミクロンである。コーティングは、フェース16,20,22,17上に延びてこれらフェースが互いに対して且つ付形フェース上を摺動しやすくするようにする。
本発明の方法は、この場合、次のようにして実施される。
環状ビードワイヤが図1に示されたように製造され、環状域が主軸線53を有するものと仮定する。ビードワイヤは、断面の中心部を形成する中央補強材52を有する。この補強材は、並置且つ積み重ね状態で配置された金属ストランドで構成され、この補強材は、多角形、例えば四辺形、この場合、長方形の全体形状を有している。補強材4は、コーティング54を備え、このコーティングは、この特定の場合、補強材と接触状態にある内側パディング層56と、外側クラッディング層58とから成っている。この場合、2つの層は、複雑な押し出し製品を形成し、各々ゴムを含んでいる。コーティング54は、補強材52への装着に先立って、コーティング54を平べったい状態におき、するとこのコーティングは、図2に示された開放断面を有する。被着の際、この断面を補強材の断面に巻き付ける。この被着は、補強材の周囲に沿ってぐるりと行われ、このことは、局所的にその長手方向であることを意味している。したがって、コーティングの2つの長手方向端部は、周方向の相互オーバーラップ領域を形成する。
このオーバーラップ領域を付形するための手順は次の通りである。
プレスを先ず最初に、図3に示されているように開き、即ち、装置15が下ジョー8に対して最も上の位置にあるようにする。加うるに、側ジョー12,14は、互いに且つ上ジョー10から最も遠くに離れたこれらの位置にある。水平フェース22,17は、これらの長さの一部分にわたって互いに接触状態にある。水平フェース16,20は、互いに接触状態にはない。
ビードワイヤ4をオーバーラップ領域が下ジョー8上に位置すると共に主軸線53が方向Yに平行な状態でプレス2内に配置する。
装置15を下降させてビードワイヤのオーバーラップ領域を下ジョー8と上ジョー10との間で加圧する。この領域をこれら2つのジョー相互間で加圧し、コーティングを圧縮し、それによりコーティングが側ジョーに向かって方向Yに流れる。下降中、水平フェース16,20は、これらの表面の一部にわたって互いに接触する。
次に、下ジョー8及び上ジョー10を定位置に保った状態で、側ジョーを互いに近づけて方向Yに摺動するようにする。この運動中、フェース20は、フェース16と面と面を突き合わせた接触状態に保った状態でフェース16上を摺動する。同じことは、フェース17に対するフェース22について当てはまる。かくして、側ジョーは、コーティングに接触し、側ジョーは、これらの間でコーティングを加圧する。この接触時点から、ビードワイヤは、4つのジョー相互間で同時に加圧状態になる。ジョーの運動の終わりに、4つの付形フェースは、閉じられた断面のキャビティ40を構成し、このキャビティ40内において、オーバーラップ領域が図4、図5及び図7に示されているように4つのジョー相互間で加圧されると共に加熱される。したがって、ゴムは、この断面内で流れることによって広がるようになりそれにより図10に示されているように雄型の形状を取り、この雄型の形状は、キャビティ40の雌型の形状に対応している。圧力をこの位置で数秒間維持し、それによりゴムがその定位置を取るようにする。
次に、プレスを開く。これを行うため、側ジョー12,14を互いに遠ざけ、次に、定盤16を再び上昇させ、それにより定盤と共に2つの側ジョー及び上ジョー10を運ぶ。すると、ビードワイヤを取り出すことができる。
加圧後、補強材52の平坦な下側フェースは、セグメント44により画定されるビードワイヤの断面の下側フェースに平行である。熱間圧縮(ホットプレス)法によっても、コーティングをそのオーバーラップ部分のところでそれ自体に溶接することができる。
図8及び図9に示されているように、ジョーのうちの1つ、この場合、上ジョー10は、凸部又はキャビティの形態をした幾何学的異方性を有する。この場合、これは、キャビティ60である。この異方性は、オーバーラップ領域の付形に続くビードワイヤの2つの軸方向フェース64を区別することができるようにする位置及び/又は形状を有する。これらフェース64は、軸線53に垂直である。この場合、キャビティ60は、Vの形をしており、Vの対称軸線は、方向Yに平行である。キャビティ60は、付形フェース19の背の最も高い部分内に延びる。本方法を実施する場合、隆起“V”マーク59をオーバーラップ領域の一区分の頂部に作ることができる。このマークにより、オペレータは、ビードワイヤをその軸方向フェース64の所定の向きで生タイヤ中に位置決めすることができるであろう。
本発明は、軽車両、重量物運搬車両又は建設機械型の車両のホイールのためのタイヤの製造に利用できる。
当然のことながら、本発明の範囲から逸脱することなく本発明の多くの改造例を想到できる。
ちょうど3つのジョーを備えたプレスを想定することが可能である。
ジョーの運動、特にこれらジョーの方向及びこれらの運動順序を変えることができる。

Claims (15)

  1. タイヤの生産に用いられるようになったビードワイヤ(4)を製造する方法において、前記ビードワイヤが前記ビードワイヤの周方向にそれ自体オーバーラップする領域を形成するコーティング(54)を有する場合、前記領域の一区分の周囲全体と接触状態にある少なくとも3つのジョー(8,10,12,14)を用いて前記ビードワイヤを加圧する、方法。
  2. 前記ジョーの数は、少なくとも4個である、請求項1記載の方法。
  3. 先ず最初に、2つの互いに向かい合ったジョー、好ましくは下ジョー(8)及び上ジョー(10)によって加圧すると共にジョーのうちの2つ以上、好ましくは側ジョー(12,14)を前記ビードワイヤから遠ざけて保持する、請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記2つの向かい合ったジョー(8,10)相互間での加圧後、これらジョーを前記ビードワイヤに対して不動化し、他の2つのジョー(12,14)を前記ビードワイヤに近づける、請求項3記載の方法。
  5. 前記2つの向かい合ったジョー(8,10)相互間での加圧後、前記ジョー全てを用いて前記ビードワイヤを加圧する、請求項3又は4記載の方法。
  6. 加圧中、ビードワイヤにマーク(59)を付けて前記ビードワイヤの2つの軸方向フェース(64)を互いに区別することができるようにする、請求項1〜5のうちいずれか一に記載の方法。
  7. 前記ビードワイヤは、多角形断面の補強材(52)を有する、請求項1〜6のうちいずれか一に記載の方法。
  8. 前記コーティング(54)は、パディング層(56)及びクラッディング層(58)を含む、請求項1〜7のうちいずれか一に記載の方法。
  9. タイヤの生産に用いられるようになったビードワイヤ(4)用のプレス(2)において、前記プレスは、少なくとも3つのジョー(8,10,12,14)を有し、前記ジョーは、互いに対して動くことができると共に前記ジョーを相互間に閉じられた断面のキャビティ(40)を形成することができる状態で設けられている、プレス。
  10. 前記プレスは、上ジョー(10)、下ジョー(8)及び2つの側ジョー(12,14)を有する、請求項9記載のプレス。
  11. 前記プレスは、前記ジョーのうちの1つ、好ましくは下ジョー(8)に対して動くことができる状態で設けられた装置(15)を有し、前記装置は、他のジョーを支持している、請求項9又は10記載のプレス。
  12. 前記装置(15)内において、前記ジョー相互間で前記ビードワイヤを加圧するよう配置された前記ジョーのうちの2つ、好ましくは、側ジョー(12,14)は、第3のジョー(10)に対して動くことができる状態で設けられている、請求項11記載のプレス。
  13. 前記ジョーは、前記プレスのフレーム(6)に対して摺動状態で動くことができる状態で設けられ、前記キャビティ(40)は、前記ジョーの摺動方向(Y,Z)に対して傾けられた主対称軸線(42)を備えた断面を有する、請求項9〜12のうちいずれか一に記載のプレス。
  14. 各ジョー(8,10,12,14)は、少なくとも1つの非粘着性層(62)でコーティングされている、請求項9〜13のうちいずれか一に記載のプレス。
  15. 前記プレスは、前記ジョー(8,10,12,14)を加熱する手段を有する、請求項9〜14のうちいずれか一に記載のプレス。
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