JP5355293B2 - ビード部材の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Description
その一方法(第1の方法)として、例えば、上金型と下金型間で形成される環状のキャビティ中にビードコアを配置し、その上下金型をビードフィラー構成用の硬質ゴム(JISK6253のデュロメータ硬さ試験(Aタイプ)による硬さが70°以上のゴム)の流動性が確保できるように加熱し、射出機構によりキャビティ内に上記硬質ゴムを充填してビード部材を形成し、その後上下金型を冷却して成型された未加硫状態のビード部材を取り出す方法が知られている(特許文献2参照)。
この方法では、シート状のゴムを未加硫状態で成型に使用する場合と、半加硫して成型に使用する場合があるが、加硫する場合は綿やナイロンの布を捲き加硫缶(加圧、加熱容器)に入れて、半加硫して形状を形成している。
また、上記第3の方法では、高圧条件は必要ではないが、ビードコアの周囲にシート状のゴムを巻き付け重ね、それによって所望の断面形状を形成するため、積層間にエア入りの可能性があり、また、任意の形状(曲面形状)を作るのが困難であるなどの問題がある。
(2)他の発明は、上記(1)に記載されたビード部材の製造方法において、前記原料ゴムは前記成型溝内に並んで配置される複数のゴムシート部材からなることを特徴とするビード部材の製造方法である。
(3)他の発明は、上記(1)又は(2)に記載されたビード部材の製造方法において、前記金型キャビティ内のビード部材と前記逃がし溝に溜まったゴムとの間をつなぐ前記余分なゴムで形成されたフィルム状のゴム片を形成する工程を更に有することを特徴とするビード部材の製造方法である。
(4)他の発明は、上記(1)ないし(3)のいずれかに記載されたビード部材の製造方法において、前記ビード部材の成型と加硫を同じ金型で行う工程を有することを特徴とするビード部材の製造方法である。
(5)他の発明は、ビードコアの周りをゴム層で被覆したビード部材を、金型を用いて製造するビード部材の製造装置であって、成型用の一対の金型に、それぞれ同心状に配置された、ビード部材を成型するための成型溝と、前記成型溝に沿って間隔を置いて配置され、ビードコアを前記成型溝から距離を置いて支持する板体からなる複数の支持手段と、前記成型溝の内周側又は外周側に間隔をおいて設けた一対の金型の型締め時に発生する余分な原料ゴムを逃がす逃がし溝と、金型を加圧する手段と、を有することを特徴とするビード部材の製造装置である。
(6)他の発明は、上記(5)に記載されたビード部材の製造装置において、前記原料ゴムは前記成型溝内に並んで配置される複数のゴムシート部材からなることを特徴とするビード部材の製造装置である。
(7)他の発明は、上記(5)又は(6)に記載されたビード部材の製造装置において、請求項5又は6に記載されたビード部材の製造装置において、さらに金型を加熱する手段を有し、前記ビード部材の成型と加硫を同じ金型で行うことを特徴とするビード部材の製造装置である。
本発明は、上記従来のように、射出機構によりキャビティ内に硬質ゴムを充填してビード部材を形成したり、押出機によりケーブルビードの周面に均一なゴムを被覆したり、或いはビードコアの周りにシート状のゴムを、例えば螺旋状に巻き付け重ねて所望の断面形状のビード部材を形成する方法に依らず、金型にビードコアとゴム材料(原料ゴム)を配置してする成型、好ましくはコンプレッション成型(金型を例えば熱板間にはさみ、加圧しながらゴムを加硫して成形する方法)により、ビード部材を形成するビード部材の製造方法及び同装置に関するものである。
10bは、本実施形態に係るコンプレッション成型用の一対の金型のうち一方の金型、ここでは下金型であって、それぞれ円環状の成型溝12b、とその内外周側に成型溝12bから所定距離離間して逃がし溝12(1)b、12(2)bが同心状に設けられている。なお、上記逃がし溝12(1)b、12(2)bは、内外周側両方に設けられていることが好ましいがその一方だけであってもよく、また、上記構成は、上金型10a(図3B)についても同様である(上金型は下金型の符号bの代わりにaを付して表す)。
なお、図示例では、ビードコア支持具22は下金型10bに設けられビードコア20を下側から支えているが、下金型のみに限らず上金型のみ或いはその両方に設けてもよい。また、ビードコア支持具22に磁性を持たせ、他方ビードコア20を磁力で吸引される金属製のものにすれば、ビードコア支持具22の配置位置に関わりなく、ビードコア支持具22とビードコア20との位置決め及び支持が確実に行われる。
本実施形態で使用する上記上下の金型10a、10bは、図示しないコンプレッション成型で用いる温度調節可能な任意の加熱装置によって、例えば100〜170°C(温度は原料ゴムGや配合剤等により調節する)に加熱する。具体的には図示しない加熱手段で加熱される上下の熱板の間で上下の金型10a、10bを挟み、その状態で図示しないコンプレッション成型で用いる加圧手段である油圧(油圧プレス)や真空(真空プレス)で加圧して成型する。上記加熱手段及び加圧手段はいずれも周知のものである。
下金型10bの成型溝12b内に配置されたビードコア20(図2A、B参照)に対して、図3Aに示すように、複数枚(図示例では2枚の)原料ゴムG(その断面形状などの形状は任意であるが、図示例では略半円形断面に成形されている)を、ドーナツ状にビードコア20の周り(図中その左右側)に、つまりビードコアに並んで、つまりそれに沿って配置する。原料ゴムGは、一体リング状であっても、或いは成型溝12b内に配置されるビードコア支持具22の数に応じて、周方向に分割したものであってもよい。つまり、原料ゴムGはビードコア支持具22が配置されている下側ではその数に応じて分割したものが用いられる。例えば、図3Aの図示例では原料ゴムGは図示左右に分けて配置されているため、それぞれ周方向に4分割されている。しかし、原料ゴムGを、図3Cに示すように上側と下側に分けて配置すれば、上側の原料ゴムGは、ビードコア支持具22の数に関係なく一体リング状のものを用いることができる、この場合、原料ゴムの製造工程は分割工程がないため工程数を低減でき有利である。
本実施形態では、原料ゴムGをビードコアに沿って配置する際に、ビードコア+原料ゴムGの容積が、上下の金型10a、10bを締めたときに上下の成型溝12a、12bで形成されるキャビティ容積よりもわずかに(例えば1〜5%)大きくなるように、投入する原料ゴムGの容量を決める。つまり、上下の金型10a、10bを締めたときに原料ゴムGが上記キャビティからはみ出すようにしている。
なお、原料ゴムGは、図3Aの断面でみて左右に2枚配置されているが、これに限らない、しかし、1枚配置だとビードコア20に巻き付けるのに手間が掛かり、或いは成型溝12b内への配置が困難でビードコア20を十分に囲うことが困難である。そのため2枚配置以上が好ましい。
このフィルム状のゴム片G3は、被覆層G1から上記はみ出して溜まったゴムG2を例えば手でちぎって除去する際の切り離し部となる。
(1)ビード部材の成型時に金型キャビティ(12a、12b)から意図的に原料ゴムGをはみ出させることで、例えば上記第3の方法による場合のように、成形されたビード部材のエア入りが発生するのを確実に防止することができる。
(2)上記従来の第1〜第3の方法は、いずれも成形と加硫工程とは別工程として行われるため、成形に時間が掛かるという問題があるが、本実施形態では、ビード部材の成型と加硫とを同じ金型で行うため、上記第1〜3の方法と比して、ビード部材の製造時間を短縮することができる。
(3)成型されたビード部材は、上述のようにフィルム状のゴム片G3を手で千切って容易に除去することができる。
(4)ビードコアを被覆する被覆層の合わせ目が連続した状態のビード部材を得ることができる。
(5)成型溝の断面形状を変更するだけで、ビードコアを被覆する被覆層の断面形状を容易に変更可能である。例えば、上記第2の方法のように、押出機の口金を換える場合に比して、変更に要する時間やコストを低減することができる。
Claims (7)
- ビードコアの周りをゴム層で被覆したビード部材を、金型を用いて製造するビード部材の製造方法であって、
成型用の一対の金型のうち少なくとも一方の金型の成型溝内において、前記成型溝に沿って間隔を置いて配置され、ビードコアを前記成型溝から距離を置いて支持する板体からなる複数の支持手段で支持し、かつ前記少なくとも一方の金型の溝壁から離間させて配置する工程と、
前記一対の金型の前記成型溝で形成される金型キャビティ内におけるビード部材の成型に要する原料ゴム量よりも多い量の原料ゴムを、前記ビードコアの周りに配置する工程と、
前記一対の金型の型締め時に発生する余分な量の原料ゴムを逃がし溝に逃がす工程と、を有することを特徴とするビード部材の製造方法。 - 請求項1に記載されたビード部材の製造方法において、
前記原料ゴムは前記成型溝内に並んで配置される複数のゴムシート部材からなることを特徴とするビード部材の製造方法。 - 請求項1又は2に記載されたビード部材の製造方法において、
前記金型キャビティ内のビード部材と前記逃がし溝に溜まったゴムとの間をつなぐ前記余分なゴムで形成されたフィルム状のゴム片を形成する工程を更に有することを特徴とするビード部材の製造方法。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載されたビード部材の製造方法において、
前記ビード部材の成型と加硫を同じ金型で行う工程を有することを特徴とするビード部材の製造方法。 - ビードコアの周りをゴム層で被覆したビード部材を、金型を用いて製造するビード部材の製造装置であって、
成型用の一対の金型に、それぞれ同心状に配置された、ビード部材を成型するための成型溝と、
前記成型溝に沿って間隔を置いて配置され、ビードコアを前記成型溝から距離を置いて支持する板体からなる複数の支持手段と、
前記成型溝の内周側又は外周側に間隔をおいて設けた一対の金型の型締め時に発生する余分な原料ゴムを逃がす逃がし溝と、
金型を加圧する手段と、を有することを特徴とするビード部材の製造装置。 - 請求項5に記載されたビード部材の製造装置において、
前記原料ゴムは前記成型溝内に並んで配置される複数のゴムシート部材からなることを特徴とするビード部材の製造装置。 - 請求項5又は6に記載されたビード部材の製造装置において、
さらに金型を加熱する手段を有し、
前記ビード部材の成型と加硫を同じ金型で行うことを特徴とするビード部材の製造装置。
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