JP2013507534A - 低フィブリル化セルロース誘導体繊維を製造するプロセス - Google Patents

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Abstract

本発明は、ドライジェット湿式スピンプロセスによって低フィブリル化セルロース繊維を生産するプロセスを提供する。当該プロセスの中で、セルロースを100〜120度Cの温度に維持されているスピナレットの中でイミダゾリウムイオン塩を含む溶媒を使って処理し、スパン繊維をイオン性塩を含む凝固浴槽に5以下の延伸比で引き出して、3以下のフィブリル化インデックスを持つファイバーを生産する。

Description

本公開特許は非フィブリル化セルロース誘導体繊維を生成させるプロセスとそのプロセスによって生成させたセルロース誘導体繊維に関する。
定義
ビスコース法なる用語は、(アルカリ)水酸化ナトリウム、二硫化炭素および酸性溶液のような溶剤の使用し、繊維の湿式紡糸によって人造セルロース繊維を生成させるのに使用するプロセスを意味する。
Lyocell法なる用語は、セルロースを溶かすN−メチル モーポホリン オキサイド (NMMO)のような直接溶剤を使用するステップを含むセルロース繊維の製造プロセスおよびファイバーのドライ ジェット式湿式紡糸を意味する。
現公開特許の文脈中に使用した湿式紡糸法なる用語は、液体浴槽中に直接ドープして行うポリマーの紡績を含むプロセスを意味する。
現公開特許の文脈中に使用した「Dry−Jet−Wet紡糸法」なる用語は、液体浴槽中に空気ギャップを通してドープして行うポリマーの紡績を含む紡績プロセスを意味する。
イオン液なる用語は、熱に対する安定性に優れ且つ和蒸気圧が極めて低く、安定した液体の塩を意味する。
コットン、レイヨンやリオセルのようなセルロース誘導体繊維は織物や不織布の製造に使われている。
セルロース誘導体繊維の商業生産に使う従来の方法はビスコース法である。セルロース誘導体繊維の製造に使われる従来の方法の1つでは、木材パルプから生成させたセルロースをナトリウム水酸化物で処理した後、二硫化炭素で処理して、セルロースキサントゲン酸塩を形成させる。このようにして生成させたセルロースキサントゲン酸塩を希釈したナトリウム水酸化物の溶液に溶かして、ビスコースを呼ばれる濃厚な溶液を得る。ビスコースはその後、出糸突起中の小さな開口部を通して酸性溶液中に押し込まれ、繊維の微細な束となって凝固する。湿式紡糸法によるプロセスには、ポリマーを直接液体浴槽の中にドープする紡糸ステップが含まれている。ビスコースプロセスで取得されたセルロース誘導体繊維は、非フィブリル化セルロースであるが、その強さは低い。ビスコースプロセスには、二硫化炭素や亜硫酸のような危険な液体を使用するステップが含まれているので、このプロセス全体は環境に友好的ではない。
セルロース誘導体繊維を製造する従来のもう1つのプロセスでは、セルロースをクプラモニウム溶液に溶解させて、水中に沈めた紡糸口金を通して、繊維を形成する凝固剤として作用する亜硫酸の希釈溶液の中に押し込む。プロセスの主な欠点はアンモニアの効率的な回収が難しく、レーヨンプロセスより高価であることである。
セルロース/リコセル繊維は、N−メチル モフォリン N−オキサイド ハイドレートを使ったドライジェット湿式紡績技術を使って取得されるものとして有名である。ドライジェット湿式紡績技術は繊維に従来の湿式ジェット紡績プロセスより高い頑強性と剛性を付与するが、NMMOは熱的に不安定で、高温で爆発して劣化や繊維の白色性に影響を及ぼす有色化合物を生成し、繊維コストの増加をもたらし、上記のプロセスによって生成させた繊維は高いフィブリル化傾向を示し、このような繊維で作った製品の外観が影響を受ける事実によって、NMMOの使用は望まれない。フィブリル化傾向を低下させるため、従来の繊維には、クロスリンク剤を使うか、機械的、化学的あるいは酵素的方法によって処理することが要求されるので、当該処理により、プロセスのトータルコストが更に増加する。
2009年5月22日に公開されたBASFの特許WO 2009/062723は紡績プロセスに関するもので、EMIM octanoateおよびイミダゾリウム−ジアルキル燐酸塩の使用を開示している。
TITKの特許WO 2006/000197およびWO 2007/128268はイオン液中で行うセルロースの紡績プロセスを開示している。
日清紡の特許WO 2008/133269はイオン液を開示し、当該特許では、(イミダゾリウムを含む)陽イオンには、少なくとも1つのアルコキシアルキル グループが含まれ、陰イオンはフタル酸ジメチルで、セルロースに対し優れた溶解度を持ち、繊維が明細や例を使わないで言及されている。
BASFの特許WO2007076979は、炭水化物の形の生重合体のための溶液システムおよび溶けたイオン液を含む溶液システムを開示すると共に、溶液システムにオプションとして含められる添加物も述べている。この溶液システムはプロトン性溶媒や幾つかのプロトン性溶媒の混紡物を含み、プロトン性溶媒が単に水である場合、それは溶液システム中に約5重量%より多い量が存在する。特許は再生されたセルロースの非フィブリル化紡ぎ繊維のためのプロセスを提供する。
従って、セルロースの非フィブリル化繊維を生成させるプロセスで、シンプルで、コスト効果が高く、環境に優しく且つ従来のプロセスの欠点を危険な溶剤の使用を求めることなく除去したものを開発する必要がある。現在の公開特許は、イオン液を溶剤としてセルロースに対して使用した特定紡績条件で、ドライジェット湿式紡績法で、低フィブリル化セルロース誘導体繊維を製造するプロセスを述べている。
現公開特許中の少なくとも1つの具体化の要件を満たす非限定目的の幾つかは以下の通りである:
シンプルで、効率およびコスト効果が高い非フィブリル化セルロース誘導体繊維を製造するプロセスを提供することが本公開特許の目的である。
環境に優しい非フィブリル化セルロース誘導体繊維を生成するプロセスを提供することも本公開特許のもう1つの目的である。
環境に優しい非フィブリル化セルロース誘導体繊維を生成するプロセスを提供することも本公開特許のもう1つの目的である。
高温に耐え且つ高温で劣化された製品を形成しない溶剤を使用して非フィブリル化セルロース誘導体繊維を製造するプロセスを提供することが本公開特許の更なる目的である。
リサイクルや再利用が可能な溶剤が使用できる非フィブリル化セルロース誘導体繊維を製造するプロセスを提供することも本公開特許の更なる目的である。
ドライジェット湿式技術によって非フィブリル化セルロース誘導体繊維を生成するプロセスを提供することも本公開特許の更なるもう1つの目的である。
総括
従って、本公特許は以下のステップを含むドライジェット湿式紡績プロセスによって低フィブリル化セルロース繊維を生成させるプロセスを提供する:
a. 少なくとも1つのイオン液を低くとも50重量%含む溶剤システムの中にセルロースを溶解させて、100から10000000ポイズまで範囲に収まる大きさのゼロ剪断粘度の重合体溶液を形成するステップ。この場合、1から20まで範囲に収まる数の炭素原子を持つアルキルグループによって置き換えられた各窒素原子がRa−COO−なる式のカルボン酸塩の陰イオンからなるグループの中から選んだ少なくとも1つであることを条件として、イオン液は1個または2個の窒素原子を含む複素環システムの付いた陽イオンを持っている。但し、Raは、1から20まで範囲に収まる数の炭素原子持つアルキルグループおよびRb−Rc−P04−なる式の燐酸塩陰イオンで、当該炭素原子の数はなるべく7から9までの範囲に収める。RbとRcは、1から20までの範囲に収まる数の炭素原子を持つアルキルグループで、当該炭素の数はなるべく1から5までの範囲に収める。陰イオンと陽イオン中のアルキルグループの中に含まれる炭素原子の合計は、少なくとも5個であるが、出来れば少なくとも5個とし、少なくとも9個とすることが最も好適である。
b. 80度Cから140度Cまでの範囲に収まる温度でスピナレットの中で前述のポリマー溶液から繊維をつぐむステップ。この場合、当該温度の範囲を100度Cから120度Cの範囲の中で、なるべく90度Cから130度Cまでの範囲にする。
c. スピナレットから2mmから150mmまでの範囲に収まる大きさのエアーギャップを通して、スパンファイバーを引き出すステップ。ここでは、当該大きさをなるべく5mmから50mmまでの範囲に収める、この場合、5mmから30mmまでの範囲に収めるともっと好適になる。但し、前述のイオン液を最高70重量%含む凝固浴槽への引き込みのレシオは、0.5と5.0の間に収まる値とするが、なべく0.5と4.0の間に収まる値にする。しかし、1と3.5の間の値にすると最も好適である。当該凝固浴槽には、イオン液をなるべく10重量%から40重量%までの範囲に収まる量含める;および
d.引き抜いたファイバーを洗浄して乾燥させるプロセス。
ポリマー溶液中のセルロースの量は大抵6%から20%までの範囲に収まるが、なるべく8%から16%までの範囲に収める。しかし、10%から14%までの範囲に収めると最も好適である。
セルロースの重合化の重量平均度は100から4000までの範囲に収まるが、なるべく200から 1200までの範囲に収める。
ファイバーを空気か窒素ガス、ヘリウムガスやアルゴンガスのような不活性ガスと接触させ、エアーギャップ中の温度を−5度Cから50度Cまでの範囲に収まる値に維持するが、当該温度をなるべく5度Cから30度Cまでの範囲に収める。エアーギャップ中の絶対湿度を1立方メーターあたり75グラム未満に維持する。
凝固浴槽には大抵、少なくとも30%の水、メタノール、エタノール、グリセロール、n−プロパノール、イソ−プロパノールおよびこれらの混合物のようなプロトン性溶媒が含まれる。
凝固浴槽の温度は、マイナス5度Cから60度Cまでの範囲に収めなければならないが、なるべく5度Cから40度Cまで、あるいは、もっとなるべく、20度Cから40度Cまでの範囲に収める。
溶媒システムには、溶媒の少なくとも70重量%のイオン液を含める。溶媒システムには、水、ジメチル・スルホキシド、ジメチル・アセトアミド、ジメチル・ホルムアミド、N−メチルピロリドンおおびこれらの混合物からなるグループから選んだ少なくとも1つの溶媒が更に含まれる。
イオン液は大抵、化学式Iの1,3−ジ置換イミダゾリウム塩である
但し、
R1とR3は1から20までの範囲に収まる数の炭素原子を持つ有機グループで、各々互いに独立している。
R2、R4およびR5は水素原子あるいは1から20までの範囲に収まる数の炭素原子を持つ有機グループで、各々互いに独立している。
Xは、Ra−COO−なる化学式のカルボン酸塩アニオンあるいは、Rb−Rc−P04− なる化学式の燐酸塩アニオンである。但し、Raは1個ら20個までの範囲に収まる数の炭素原子を持つアエルキルグループでなければならがいが、なるべく6個から9個までの範囲に収まる数の炭素原子を持たせたグループとし、RbとRcは1個から20個までの数の炭素原子を持つアルキルグループでなければならないが、1個から5個までの範囲に収まる数の炭素原子を持たせたグループとする; および n は1、 2または3である。
本公開特許の或る具体化では、R1とR3は同じである。
陽イオンと陰イオン中のアルキルグループの中に含まれる炭素原子の合計数は、最大で30であるが、なるべく最大26にする。しかし、22にすることが最も望ましい。
Xは大抵 Octanoateである。
本公開特許の好適な実施形態の要件を満たすイオン液は大抵、ジブチル イミダゾリウム アセテート、ジペンチル イミダゾリウム アセテート、ジヘキスルイミダゾリウム アセテート、ジブチル イミダゾリウム アセテート、l−エチルl−3−メチルイミダゾリウム アセテート、ジプロピル イミダゾリウム アセテート、l−エチルl−3−メチル イミダゾリウム アセテート、l−エチルl−3−メチル イミダゾリウム アセテート、l−エチル−3−メチル イミダゾリウム アセテート、l−エチルl−3−メチル イミダゾリウム undecanoate、l−エチルl−3−メチル イミダゾリウム dodecanoate、l−エチルl−3−メチル イミダゾリウム ジエチル 燐酸塩、ジエチル イミダソリウム octanoate、およびl−デシルl−3−メチル イミダゾリウム アセテートからなるグループから選んだ少なくとも1つである。
低フィブリル化セルロース誘導体繊維を製造するプロセスには以下のステップが含まれる;
?少なくとも1つのイオン液を少なくとも50%含む溶媒中にセルロースを溶かしてポリマー溶液を形成するステップ、
? 80度Cら110度Cまでの範囲に収まる温度に保ったスピナレットの中でファイバーを紡ぐステップ、
?紡いだ繊維を5未満の延伸比でスピナレットから、2mmから150mmまでの範囲に収まる大きさのエアーギャップを通して凝固浴槽の中に引き出すステップ;および
?引き出した繊維を洗って乾かすステップ。
紡ぐ温度は80度Cから140度Cまでの範囲に収めなければながないが、なるべく90度Cから130度Cまでの範囲に収める。100度Cから120度Cまでの範囲に収めるとより好適である。
イオン液は、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピラゾリウムを限定することなく含んで、少なくとも1個の窒素原子を持つ複素環システムの付いた陽イオンを含む。但し、各窒素原子は、2個から20個までの範囲に収まる数の炭素原子を持つアルキル族と置換され、陽イオンと陰イオンのアルキル族中の炭素原子の合計数は少なくとも6である。
イオン液は、一般式Iで示されるような化学構造を持っている。
R1とR3は1から20までの範囲に収まる数の炭素原子を持つ有機グループで、各々互いに独立している。
R2、R4およびR5は水素原子あるいは1から20までの範囲に収まる数の炭素原子を持つ有機グループで、各々互いに独立している。
X は以下を条件とする陰イオンである;すなわち、イオン液の中の陰イオンは、Ra−COO−なる化学式のカルボン酸塩陰イオンである。但し、Raは、1個から20個までの範囲に収まる数の炭素原子を持つアルキル族あるいはRb−Rc−P04−なる化学式のジアルキル燐酸塩陰イオンで、RbおよびRcは、1個から20個までの数の炭素原子を持つアルキル族である。ここでは、RbとRcをなるべく、1個から5個までの範囲に収まる数の炭素原子を独立して持つアルキル族とする; および nは1、2 または3である。
陰イオンと陽イオンのアルキル族中の炭素原子の合計数は、少なくとも5であるが、なるべく少なくとも7とする。しかし、少なくとも9にするとより快適となる。陰イオンと陽イオン中のアルキル族の中の炭素原子の合計数は、少なくとも30であるが、これをなるべく最大26とする。しかし、最大22とするとより快適となる。
本公開特許の好適な実施形態の要件を満たすイオン液は、ジブチル イミダゾリウム アセテート、ジペンチル イミダゾリウム アセテート、ジヘキル イミダゾリウム アセテート、キブチル イミダゾリウム octanoate、l−エチルl−3−メチルイミダゾリウム heptanoate、ジプロピル イミダゾリウム octanoate、l−エチルl−3−メチル イミダゾリウム octanoate、l−エチルl−3−メチル イミダゾリウム nonanoate、l−エチルl−3−メチル イミダゾリウム decanoate、l−エチル−3−メチル イミダゾリウム undecanoate、l−エチルl−3−メチル イミダゾリウム dodecanoate、l−エチルl−3−メチル イミダゾリウム ジエチル 燐酸塩、ジエチル イミダゾリウム octanoate、およびl−デシル−3−メチル イミダゾリウム アセテートおよびl−デシルl−3−メチル イミダゾリウム アセテートからなるグループの中から選ばれる。
処方中に含めたセルロースの濃度は、6%から20%までの範囲に収めなければならいが、なるべく8%から14%までの範囲に収める。セルロースの重合化の度合いは、100から4000までの範囲に収まらなければならないが、なるべく200から1200までの範囲に収める。
溶媒システムには、水、ジメチル・スルホキシド、ジメチル・アセトアミド、ジメチル・ホルムアミド、N−メチルピロリドンおおびこれらの混合物からなるグループから選んだ少なくとも1つの溶媒が更に含まれる。
繊維は5以下の延伸比で引き出されなければならないが、なるべく2から3までの範囲に収まる延伸比で引き出す。スピナレットと凝固浴槽の間のエアーギャップの距離は、2mmから150mmまでの範囲に収めなければならないが、なるべく5mmから50mmまでの範囲に収める。しかし、5mmから30mmまでの範囲に収めるとより好適になる。スピナレットから出る繊維を空気あるいは不活性ガスと接触させる。エアーギャップの温度は、マイナス5度Cから50度Cまでの範囲に収まる値に維持しなければならないが、なるべく5度Cから30度Cまでの範囲に収める。エアー中の絶対湿度は75g/立法メーター未満である。繊維は最高70重量%のイオン液を含む凝固浴槽の中に引き出される。
凝固浴槽には更に、水、メタノール、エタノール、グリセロール、n−プロパノール、イソ−プロパノールおよびこれらの混合物のようなプロトン性溶媒が少なくとも30%含まれる。凝固浴槽の温度は、マイナス5度Cから60度Cまでの範囲に収まらなければならないが、なるべく5度Cから40度Cまでの範囲に収める。

重合化の度合いが700のセルロースを(表1に示す)イオン液に溶かして、12%溶液を形成し、これをスピナレットの60ミクロンの穴から、10mmのエアーギャップを通して、イオン液を20%含み、30度Cの温度に維持した凝固浴槽の中に紡ぎ込んで繊維を形成した。下の表に表示されている引き込みレシオは、巻き取り速度およびスピナレットにおけるフィラメントの線形速度として計算される。表1中のTCは、溶媒システム中のイオン液の陰イオンと陽イオンのアルキルグループ中の炭素原子の合計数である。紡績温度、延伸比および紡いだ繊維のフィブリル化特性は表1に示す通りである。

フィブリル化:
内径1.5cm、高さ10cmのポリプロピレン製試験管の中に5mlの蒸留水と一緒に約0.003gのロングカット繊維を入れた。チューブをシェーカーに取り付け、これに振幅12cm、周波数80ヘルツの振動を90分間与えた。処理した繊維をガラスのスライド上に載せて、顕微鏡で観察した。
長さ100ミクロンの繊維の上に光学顕微鏡を使って観察された微小繊維の数がフィブリル化インデックスである。フィブリル化インデックスが3より大きい場合、高フィブリル化、3以下の場合、低フィブリル化とそれぞれ判定される。
技術の進歩
本公開特許に基づくプロセスは、布地や不織布のような様々アプリケーションに使用されるフィブリル化されていないセルロース誘導体繊維の形成をもたらす。本公開特許のプロセスに使用されるイオン液は再生および再利用が可能なので、全プロセスを効率的且つ経済的にする。本公開特許のプロセスは有害な廃棄プロダクトを生成しないので、環境に優しい。
好適な具体化の持つ特別な特徴とそれに関する改良をかなり強調してきたが、公開特許の原則から外れるとこなく、好適な具体化の中で改良を行うことができることは高く評価される。その技術に熟練した人たちには、本公開特許の性質中のこれらとその他の改良は本仕様から明白である。よって、前述の説明事項は、制限でなく、単なる例証としてだけ解釈すべきと明らかに理解されるべきである。

Claims (18)

  1. 以下のステップ:
    a.セルロースを少なくとも1種類のイオン液を含む溶媒システムに溶かして重合体溶液を形成させるステップ。但し、イオン液は、1つか2つの窒素原子を含む複素環システムの付いた陽イオンを、各々が1個から20個までの範囲に収まる数の炭素原子を持つアルキルグループによって置換されたこような窒素と共に持ち、陰イオンは、Ra−COO”なる化学式のカルボン酸塩陰イオンからなるグループから選んだ少なくとも1つであり、Raは、1個から20個までの範囲に収まる数の炭素原子を持つアルキルグループでなければならないが、なるべく5個から90個までの範囲に収まる数の炭素原子を持たせたアルキルグループとし、更に、Rb−Rc−Pなる化学式の燐酸塩陰イオンは、1個から20個までの範囲に収まる数の炭素原子を持たなければならないが、なるべく1個から5個までの範囲に収まる数の炭素原子をも持たせたアルキルグループで、陰イオンと陽イオンのアルキルグループ中の炭素原子の合計数は、少なくとも5個でなければならないが、なるべく少なくとも7個とし、少なくとも9個にするともっと好適になり
    b.80度Cから140度Cまでの範囲に収まる温度でスピナレットの中で前述のポリマー溶液から繊維を紡ぐステップ。但し、当該温度を100度Cから120度Cまでの範囲の中で、なるべく90度Cから130度Cまでの範囲に収め
    c.紡いだ繊維をスピナレットから、2mmから50mmまでの範囲に収まる大きさのエアーギャップを通して凝固浴槽の中に引き出すステップ。但し、当該エアーギャップの大きさをなるべく5mmから30mmまでの範囲に収まる大きさとし、延伸比は0.5と5.0のも間に収まらなければならないが、なるべく05と0.4の間に収まる値とし、1と3.5の間に収まる値にすると最も好適となり、当該凝固浴槽には、最高70重量%の当該イオン液を含ませなければならないが、なるべく10重量%から40重量%までの範囲に収まる量にし、および
    d.引き出した繊維を洗って乾かすステップ
    を含むドライジェット湿式紡績プロセスによって低フィブリル化セルロース繊維を生産するプロセス。
  2. 重合体溶液中のセルロースの濃度値は、6%から20%までの範囲に収まる値でなければならないが、なるべく8%から16%までの範囲に収まる値とし、6%から20%までの範囲に収まる値にするともっと好適になることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
  3. セルロースの重合化の重量平均度合いは100から4000までの範囲に収めなければならないが、なるべく200から1200までの範囲に収まるようにしたことを特徴とした、請求項1に記載のプロセス。
  4. 溶媒システムがイオン液を少なくともその50重量%含まなければならないが、少なくとも70重量%含めることが好適であることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
  5. 溶媒システムが、水、ジメチル・スルホキシド、ジメチル・アセトアミド、ジメチル・ホルムアミド、N−ピロロリドンおよびこれらの混合物からなるグループから選んだ少なくとも1つの溶媒を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
  6. 繊維をエアーギャップの中で、エアーあるいは窒素ガス、ヘリウムガスおよびアルゴンガスからなるグループから選んだ不活性ガスと接触させることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
  7. エアーギャップ中の温度がマイナス5度Cから50度Cまでの範囲に収まる温度に維持されなければならないが、なるべく5度Cから30度Cまでの範囲に収まる温度に維持されることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
  8. エアーギャップ中の絶対湿度が少なくとも75グラム/立法メーターに維持されることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
  9. 凝固浴槽が更に、水、メタノール、エタノール、グリセロール、n−プロパンノール、イソプロパノールおよびこれらの混合物からなるグループから選んだプロトン性溶媒を低くとも30重量%含むことを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
  10. エアーギャップ中の温度をマイナス5度Cから60度Cまでの範囲に収まる温度に維持されなければならないが、なるべく5度Cから40度Cまでの範囲に収まる温度に維持し、当該温度を20度Cから40度Cまでの範囲に収まる温度に維持するとより好適であることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
  11. イオン液が化学式1
    の1、3−ジ置換イミダゾリウム塩であることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
    (但し、R1とR3は1から20までの範囲に収まる数の炭素原子を持つ有機グループで、各々が互いに独立している。当該炭素原子の数を1から4までの範囲に収まる数にするとより好適である。
    R2、R4およびR5は水素原子あるいは1から20までの範囲に収まる数の炭素原子を持つ有機グループで、各々が互いに独立している。当該炭素原子の数を1から20までの範囲に収まる数にするとより好適である。
    Xは、化学式Ra−COO−のカルボン酸塩陰イオンからなるグループから選んだ少なくとも1つの陰イオンである。但し、Raは、1から20までの範囲に収まる数の炭素原子を持つアルキルグループおよび化学式Rb−Rc−P04−の燐酸塩陰イオンで、RbとRcは、1から20までの範囲に収まる数の炭素原子を持つアルキルグループである。ここでは、Raの場合、炭素原子の数をなるべく5から9までの範囲に収め、RbとRcの場合、なるべく1から5までの範囲に収める;および
    nは1、2または3である。)
  12. 陽イオンおよび陰イオン中のアルキルグループの中に含まれる炭素原子の合計数は少なくとも5個でなければならないが、なるべく少なくとも7個にし、当該数を少なくとも9個にするとより好適であることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
  13. 陽イオンと陰イオンのアルキルグループ中の炭素原子の合計数が最大30個でなければならないが、26個未満にすると好適で、22個未満にすると最も好適であることを特徴とする、請求項11に記載のプロセス。
  14. R1とR3が同じであることを特徴とする、請求項11に記載のプロセス。
  15. X がoctanoate.であることを特徴とする、請求項11に記載のプロセス。
  16. X がジエチル燐酸塩であることを特徴とする、請求項11に記載のプロセス。
  17. イオン液が以下からなるグループ;
    ジブチルイミダゾリウムアセテート、
    ジペンチル イミダゾリウム アセテート、
    ジヘキル イミダゾリウム セテート、
    ジプロピル イミダゾリウム octanoate、
    ジブチル イミダゾリウムoctanoate,
    1−エチル−3 -メチル イミダゾリウム heptanoate,
    1 -エチル−3 -メチル イミダゾリウム octanoate,
    l -エチル−3 -メチル イミダゾリウム nonanoate,
    1 -エチル−3 -メチル イミダゾリウムdecanoate,
    1 -エチル−3 -メチル イミダゾリウム undecanoate,
    1−エチル−3 -メチル イミダゾリウム dodecanoate,
    1−エチル−3 -メチル イミダゾリウム ジエチル 燐酸塩
    ジエチル イミダゾリウム octanoate、および
    1−Decy 1−3−、メチル イミダゾリウム アセテートから選んだ少なくとも1つであることを特徴とする、先行した請求項のいずれか1つに記載のプロセス。
  18. 請求項1の規定に基づき生産され、3以下のフィブリル化インデックスを持つ繊維。
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