JP2013254639A - 非水二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 4.3V以上の高電圧で使用しても長寿命であり、かつ安全性に優れた非水二次電池を提供する。
【解決手段】 Ni、Co、MnおよびMgとAl、Ba、Sr、TiおよびZrよりなる群から選択される少なくとも1種の元素とを特定組成で含有するリチウム含有複合酸化物(A)と、CoとAl、Mg、Zr、TiおよびZrよりなる群から選択される少なくとも1種の元素とを特定組成で含有し、平均粒子径D50が15μmのリチウムコバルト複合酸化物(B)とを、(A)/(B)が0.1以上0.7以下の質量比で含有する正極を備えており、使用前に4.30Vを超える終止電圧で定電流−定電圧充電が行われる非水二次電池により、前記課題を解決する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、4.3V以上の高電圧で使用しても長寿命であり、かつ安全性に優れた非水二次電池に関するものである。
近年、携帯電話、ノート型パソコンなどの携帯型電子機器の発達や、電気自動車の実用化などに伴って、小型軽量でかつ高容量のリチウム二次電池などの非水二次電池が必要とされるようになってきた。
非水二次電池の高容量化を図るに当たり、例えば、従来から汎用されているコバルト酸リチウム(LiCoO)よりも容量の大きなリチウム含有複合酸化物を、正極活物質に使用する方法が検討されている。
例えば、特許文献1には、Ni量の多いリチウム含有複合酸化物を正極活物質に使用したリチウム二次電池などの電気化学素子が提案されている。
また、特許文献2には、Alなどの添加元素を含有するCo系酸化物を正極活物質に試用したリチウム二次電池が提案されている。
国際公開第2010/147179号 特開2001−167763号公報
ところで、非水二次電池の高容量化にあたっては、容量の大きな正極活物質を使用することに加えて、充電電圧を高める手法も考えられる。しかし、その一方で、非水二次電池の充電電圧を高めると、正極活物質が劣化して、非水二次電池の充放電サイクル特性の低下を引き起こすといった問題もある。
例えば、特許文献1に記載のNi量の多いリチウム含有複合酸化物を用いた非水二次電池では、充電電圧の上限値を、通常採用されている4.2V程度よりも高めても、リチウム含有複合酸化物の劣化の程度が大きく変わるものではないが、もともと充放電サイクル特性が劣るといった問題がある。
一方、特許文献2に記載のCo系化合物を用いた非水二次電池は、例えば、充電電圧の上限値を4.2Vよりも高く設定しても、充放電サイクル特性の低下をある程度抑制できる。しかしながら、使用機器の高機能化などに伴って、非水二次電池の長寿命化の要請は日増しに高まっており、特許文献2に記載の技術においても、こうした要請への対応に関しては、未だ改善の余地がある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、4.3V以上の高電圧で使用しても長寿命であり、かつ安全性に優れた非水二次電池を提供することにある。
前記目的を達成し得た本発明の非水二次電池は、正極、負極、セパレータおよび非水電解質を備え、使用前に4.30Vを超える終止電圧で定電流−定電圧充電が行われるものであって、前記正極は、下記一般組成式(1)
Li1+x (1)
[前記一般組成式(1)中、−0.3≦x<0.3であり、かつMは、Ni、Co、MnおよびMgと、Al、Ba、Sr、TiおよびZrよりなる群から選択される少なくとも1種の元素とを含有する5種以上の元素群を表し、Mを構成する各元素中で、Ni、Co、MnおよびMgの割合(mol%)を、それぞれa、b、cおよびdとし、Al、Ba、Sr、TiおよびZrの合計割合(mol%)をeとしたとき、70≦a≦97、0.5<b<30、0.5<c<30、0.5<d<30、−10<c−d<10、−8≦(c−d)/d≦8およびe<10である]で表されるリチウム含有複合酸化物(A)と、下記一般組成式(2)
LiCo1−y (2)
[前記一般組成式(2)中、0<y≦0.05であり、Mは、Al、Mg、Sr、TiおよびZrよりなる群から選択される少なくとも1種の元素である]で表され、平均粒子径D50が15μm以上のリチウムコバルト複合酸化物(B)とを、少なくとも含有する正極合剤層を、集電体の片面または両面に有しており、前記正極合剤層における前記リチウム含有複合酸化物(A)と前記リチウムコバルト複合酸化物(B)との質量比(A)/(B)が、0.1以上0.7以下であることを特徴とするものである。
本発明によれば、4.3V以上の高電圧で使用しても長寿命であり、かつ安全性に優れた非水二次電池を提供することができる。
本発明の非水二次電池の一例を表す模式図であり、(a)平面図、(b)部分断面図である。 図1の斜視図である。
本発明の非水二次電池は、正極活物質や導電助剤、バインダなどを含有する正極合剤層を、集電体の片面または両面に有する正極を有している。
そして、本発明に係る正極の正極合剤層は、正極活物質として、前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物(A)と、前記一般組成式(2)で表されるリチウムコバルト複合酸化物(B)とを含有している。
前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物(A)は、例えば、非水二次電池用の正極活物質として汎用されているLiCoOに比べて容量(例えば、電池の充電電圧が4.2V以下での容量)が大きく、また、電池の充電電圧が4.3V以上の状況下においても、充電電圧がそれより低い場合と比較して、安定性が大きく変わることはないが、例えばLiCoOに比べると安定性が低いといった性質を有している。
また、前記一般組成式(2)で表されるリチウムコバルト複合酸化物は、充電電圧を高めることで容量が向上するが、その一方で、高電圧下での安定性が低く、充電電圧を高めた際に金属イオン(主にCoイオン)が非水電解質中に溶出して劣化しやすく、電池の充放電サイクル特性の低下の原因となる虞がある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、前記一般組成式(2)で表されるリチウムコバルト複合酸化物が、特定の形態とすることで、高電圧充電状態での金属イオンの溶出を抑えることができ、このリチウムコバルト複合酸化物〔リチウムコバルト複合酸化物(B)〕と、前記一般組成式(1)で表されるリチウム複合酸化物(A)とを、特定比率で併用して非水二次電池を構成することで、高電圧充電条件下での充放電サイクル特性の低下を抑制し得ること、および安全性を高め得ることを見出し、寿命を長くしつつ高容量化を図り、更に、高い安全性を確保し得た非水二次電池の提供を可能とした。
前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物(A)において、Niは、その容量向上に寄与する成分である。
リチウム含有複合酸化物(A)を表す前記一般組成式(1)における元素群Mの全元素数を100mol%としたとき、Niの割合aは、リチウム含有複合酸化物(A)の容量向上を図る観点から、70mol%以上とし、80mol%以上とすることがより好ましい。ただし、元素群M中のNiの割合が多すぎると、例えば、CoやMn、Mgの量が減って、これらによる効果が小さくなる虞がある。よって、リチウム含有複合酸化物(A)を表す前記一般組成式(1)における元素群Mの全元素数を100mol%としたとき、Niの割合aは、97mol%以下とする。
なお、リチウム含有複合酸化物(A)において、Niの平均価数が小さくなるほど、電気伝導性が小さくなる。よって、リチウム含有複合酸化物(A)は、後記の実施例で示す方法により測定されるNiの平均価数が、2.5〜3.2価であることが好ましい。また、これにより、より高容量のリチウム含有複合酸化物(A)とすることができる。
また、リチウム含有複合酸化物(A)を表す前記一般組成式(1)において、結晶格子中にCoを存在させると、非水二次電池の充放電でのLiの挿入脱離によるリチウム含有複合酸化物の相転移から起こる不可逆反応を緩和でき、リチウム含有複合酸化物の結晶構造の可逆性を高めることができるため、充放電サイクル寿命の長い非水二次電池を構成することが可能となる。
前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)における元素群Mの全元素数を100mol%としたとき、Coの割合bは、Coによるリチウム含有複合酸化物の結晶構造の可逆性向上効果をより良好に確保する観点から、0.5mol%より大きく、1mol%以上であることが好ましい。ただし、元素群M中のCoの割合が多すぎると、例えば、NiやMn、Mgの量が減って、これらによる効果が小さくなる虞がある。よって、リチウム含有複合酸化物(A)を表す前記一般組成式(1)における元素群Mの全元素数を100mol%としたとき、Coの割合bは、30mol%未満とする。
なお、リチウム含有複合酸化物(A)におけるCoの平均価数は、Coによる前記の効果をより良好に確保する観点から、後記の実施例で示す方法により測定される値で、2.5〜3.2価であることが好ましい。
また、リチウム含有複合酸化物(A)は、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Mnの割合c(mol%)およびMgの割合d(mol%)を、0.5<c<30、0.5<d<30、−10<c−d<10および−8≦(c−d)/d≦8として、その結晶格子中にMnおよびMgを含有している。これにより、Liの脱離および挿入によってリチウム含有複合酸化物(A)の相転位が起こる際に、Mg2+がLiサイトに転位することから不可逆反応が緩和され、空間群R3−mとして表されるリチウム含有複合酸化物(A)の層状の結晶構造の可逆性が向上する。また、4価のMnが2価のMgを安定させることから、充放電サイクル寿命のより長い非水二次電池を構成することが可能となる。
Mnにおける2価のMgを安定させる効果をより良好に確保する観点からは、リチウム含有複合酸化物(A)を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Mnの割合cは、1mol%以上であることが好ましく、2mol%以上であることがより好ましく、また、10mol%以下であることが好ましく、7mol%以下であることがより好ましい。
また、Mgによるリチウム含有複合酸化物(A)の層状の結晶構造の可逆性向上効果をより良好に確保する観点からは、リチウム含有複合酸化物(A)を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Mgの割合dは、1mol%以上であることが好ましく、2mol%以上であることがより好ましく、一方、充放電容量の点からは、Mgの割合dは、15mol%以下であることが好ましく、10mol%以下であることがより好ましく、7mol%以下であることが更に好ましい。
そして、リチウム含有複合酸化物(A)では、MnとMgとの組成比の差が小さいことが望ましく、−3≦c−d≦3であることが好ましく、また、−2≦(c−d)/d≦2であることが好ましい。
リチウム含有複合酸化物(A)において、Mgの平均価数は、リチウム含有複合酸化物(A)の結晶構造の可逆性をより高める観点から、後記の実施例で示す方法により測定される値で、1.8〜2.2価であることが好ましい。
また、リチウム含有複合酸化物(A)において、Mnの平均価数は、Mgを安定化させて、その作用をより有効に発揮させ得るようにする観点から、後記の実施例で示す方法により測定される値で、3.5〜4.2価であることが好ましい。
リチウム含有複合酸化物(A)は、元素群Mとして、Ni、Co、MnおよびMgとともに、Al、Ba、Sr、TiおよびZrのうちの少なくとも1種の元素を含有している。
リチウム含有複合酸化物(A)において、結晶格子中にAlを存在させると、リチウム含有複合酸化物(A)の結晶構造を安定化させることができ、その熱的安定性を向上させ得るため、より安全性の高い非水二次電池を構成することが可能となる。また、Alがリチウム含有複合酸化物(A)の粒子の粒界や表面に存在することで、その経時安定性や非水電解液との副反応を抑制することができ、より長寿命の非水二次電池を構成することが可能となる。
Alを含有させることによる前記の効果を良好に確保するには、リチウム含有複合酸化物(A)を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Alの割合は0.01mol%以上であることが好ましく、一方、充放電容量の点からは、Alの割合は10mol%以下であることが好ましい。
リチウム含有複合酸化物(A)の粒子中にBa、Srといったアルカリ土類金属元素を含有させると、一次粒子の成長が促進され、リチウム含有複合酸化物(A)の結晶性が向上するため、非水電解質との副反応が抑制されて高温貯蔵時に膨れの生じ難い電池を構成できるようになる。アルカリ土類金属元素としては、Baが特に好適である。リチウム複合酸化物(A)を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、BaおよびSrのうちの少なくとも一方の割合(両方を含む場合は、それらの合計割合)は、10mol%以下であることが好ましく、5mol%以下であることがより好ましく、3mol%以下であることが更に好ましい。また、BaやSrを含有させることによる前記の効果を良好に確保するには、リチウム含有複合酸化物(A)を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、BaおよびSrのうちの少なくとも一方の割合(両方を含む場合は、それらの合計割合)は、0.01mol%以上とすることが好ましい。
リチウム含有複合酸化物(A)の粒子中にTiを含有させると、LiNiO型の結晶構造において、酸素欠損などの結晶の欠陥部に配置されて結晶構造を安定化させるため、リチウム含有複合酸化物(A)の反応の可逆性が高まり、より充放電サイクル特性に優れた非水二次電池を構成できるようになる。
Tiによる前記の効果を良好に確保するためには、リチウム含有複合酸化物(A)を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Tiの割合を、0.01mol%以上とすることが好ましく、0.1mol%以上とすることがより好ましい。また、リチウム含有複合酸化物(A)を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Tiの割合は、10mol%以下であることが好ましく、5mol%以下であることがより好ましく、2mol%以下であることが更に好ましい。
リチウム含有複合酸化物(A)がZrを含有する場合、これがリチウム含有複合酸化物(A)の粒子の粒界や表面に存在することで、リチウム含有複合酸化物(A)の電気化学特性を損なうことなく、その表面活性を抑制する。そのため、電池の充放電サイクルに伴うMnの溶出をより良好に抑制できると考えられる。また、Zrによる粒子表面の活性抑制効果によって、より貯蔵性に優れ長寿命の非水二次電池を構成することが可能となる。
Zrを含有させることによる前記の効果をより良好に確保するには、リチウム含有複合酸化物(A)を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Zrの割合を、0.01mol%以上であることが好ましく、0.1mol%以上であることがより好ましく、一方、充放電容量の点からは、Zrの割合は3mol%以下であることが好ましい。
リチウム含有複合酸化物(A)は、元素群Mとして、Al、Ba、Sr、TiおよびZrより選ばれる少なくとも1種の元素を、Ni、Co、MnおよびMgとともに含有していればよい。具体的には、リチウム含有複合酸化物(A)は、Al、Ba、Sr、TiおよびZrのうち、1種の元素のみを含有していてもよく、2種以上の元素を含有していてもよい。ただし、リチウム含有複合酸化物(A)を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Al、Ba、Sr、TiおよびZrの合計割合eは、10mol%未満とする。
また、リチウム含有複合酸化物(A)を表す前記一般組成式(1)における元素群Mは、Ni、Co、Mn、Mg、Al、Ba、Sr、TiおよびZr以外の元素を含んでいてもよく、例えば、Cr、Fe、Cu、Zn、Ge、Sn、Ca、Ag、Ta、Nb、Mo、B、P、W、Gaなどの元素を含んでいても構わない。ただし、本発明の効果を十分に得るためには、元素群Mの全元素数を100mol%としたときの、Ni、Co、Mn、Mg、Al、Ba、Sr、TiおよびZr以外の元素の割合は、10mol%以下とすることが好ましく、3mol%以下とすることがより好ましい。元素群MにおけるNi、Co、Mn、Mg、Al、Ba、Sr、TiおよびZr以外の元素は、リチウム含有複合酸化物(A)中に均一に分布していてもよく、また、粒子表面などに偏析していてもよい。
前記の組成を有するリチウム含有複合酸化物(A)は、その真密度が4.55〜4.95g/cmと大きな値になり、高い体積エネルギー密度を有する材料となる。なお、Al、Mnを一定範囲で含むリチウム含有複合酸化物の真密度は、その組成により大きく変化するが、前記のような狭い組成範囲では安定して合成でき前記のような大きな真密度となるものと考えられる。また、リチウム含有複合酸化物(A)の質量当たりの容量を大きくすることができ、可逆性に優れた材料とすることができる。
リチウム含有複合酸化物(A)は、特に化学量論比に近い組成のときに、その真密度が大きくなるが、具体的には、前記一般組成式(1)において、−0.3≦x≦0.3とすることが好ましく、xの値をこのように調整することで、真密度および可逆性を高めることができる。xは、−0.1以上0.1以下であることがより好ましく、この場合には、リチウム含有複合酸化物(A)の真密度を4.6g/cm以上と、より高い値にすることができる。
リチウム含有複合酸化物(A)は、Li含有化合物(水酸化リチウムなど)、Ni含有化合物(硫酸ニッケルなど)、Co含有化合物(硫酸コバルトなど)、Mn含有化合物(硫酸マンガンなど)、Mg含有化合物(硫酸マグネシウムなど)および元素群Mに含まれる元素を含有する化合物(酸化物、水酸化物、硫酸塩など)などを混合し、この原料混合物を焼成するなどして製造することができる。なお、より高い純度でリチウム含有複合酸化物(A)を合成するには、Ni、Co、Mn、Mgおよび元素群Mに含まれる元素のうちの複数の元素を含む複合化合物(水酸化物、酸化物など)と、他の原料化合物(Li含有化合物など)とを混合し、この原料混合物を焼成することが好ましい。
リチウム含有複合酸化物(A)を合成するための原料混合物の焼成条件は、例えば、800〜1050℃で1〜24時間とすることができるが、一旦焼成温度よりも低い温度(例えば、250〜850℃)まで加熱し、その温度で保持することにより予備加熱を行い、その後に焼成温度まで昇温して反応を進行させることが好ましい。予備加熱の時間については特に制限はないが、通常、0.5〜30時間程度とすればよい。また、焼成時の雰囲気は、酸素を含む雰囲気(すなわち、大気中)、不活性ガス(アルゴン、ヘリウム、窒素など)と酸素ガスとの混合雰囲気、酸素ガス雰囲気などとすることができるが、その際の酸素濃度(体積基準)は、15%以上であることが好ましく、18%以上であることが好ましい。
前記一般組成式(2)で表されるリチウムコバルト複合酸化物(B)において、Coは、その容量向上に寄与する成分である。
また、前記一般組成式(2)で表されるリチウムコバルト複合酸化物(B)は、Al、Mg、Sr、TiおよびZrよりなる群から選択される少なくとも一種の元素Mを含有しているが、元素Mの作用によって、製造されるリチウムコバルト複合酸化物(B)の粒径を大きくすることができるため、リチウムコバルト複合酸化物(B)から非水電解質への金属イオンの溶出を抑制することが可能となる。
リチウムコバルト複合酸化物(B)における元素Mの量yは、0より大きいが、元素Mによる前記の作用を良好に発揮させる観点から、0.01以上であることが好ましい。ただし、リチウムコバルト複合酸化物(B)における元素Mの量が多すぎると、Coの量が少なくなって、非水二次電池の高容量化効果が小さくなる。よって、リチウムコバルト複合酸化物(B)における元素Mの量yは、0.05以下であり、0.04以下であることが好ましい。
リチウムコバルト複合酸化物(B)は、特に化学量論比に近い組成にときに、その真密度が大きくなり、より高いエネルギー体積密度を有する材料となるが、具体的には、前記組成式において、−0.3≦y≦0.3とすることが好ましく、yの値をこのように調節することで、真密度および充放電時の可逆性を高めることができる。
リチウムコバルト複合酸化物(B)は、その平均粒子径D50が、15μm以上である。非水二次電池に使用されているリチウムコバルト複合酸化物(例えば、LiCoO)の平均粒子径は、通常、10μm以下程度であるが、本発明に係るリチウムコバルト複合酸化物(B)では、平均粒子径を前記のように大きくして、電池内での非水電解質への金属イオンの溶出を抑制している。
なお、本発明に係る正極は、正極活物質、導電助剤およびバインダなどを含む正極合剤を溶媒に分散させて正極合剤層形成用組成物(塗料)を調製し、これを集電体上に塗布し、乾燥などする工程を経て製造されることが一般的であるが、リチウムコバルト複合酸化物(B)の粒子径が大きすぎると、正極合剤層形成用組成物の調製や、均一な正極合剤層の形成が困難となる。よって、リチウムコバルト複合酸化物(B)の平均粒子径は、30μm以下であることが好ましく、25μm以下であることがより好ましい。
本明細書でいうリチウムコバルト複合酸化物(B)の平均粒子径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(例えば、日機装社製「マイクロトラックHRA」など)により測定される体積基準の積算分率における50%での粒径(D50)である。
リチウムコバルト複合酸化物(B)は、Li含有化合物(水酸化リチウムなど)、Co含有化合物(硫酸コバルトなど)、および元素Mを含有する化合物(酸化物、水酸化物、硫酸塩など)を混合し、この原料混合物を焼成するなどして合成することができる。なお、より高い純度でリチウムコバルト複合酸化物(B)を合成するには、Coおよび元素Mを含む複合化合物(水酸化物、酸化物など)とLi含有化合物などとを混合し、この原料混合物を焼成することが好ましい。
リチウムコバルト複合酸化物(B)を合成するための原料混合物の焼成条件も、リチウム含有複合酸化物(A)を合成するための原料混合物の焼成条件と同様に、例えば、800〜1050℃で1〜24時間とすることができるが、一旦焼成温度よりも低い温度(例えば、250〜850℃)まで加熱し、その温度で保持することにより予備加熱を行い、その後に焼成温度まで昇温して反応を進行させることが好ましい。予備加熱の時間については特に制限はないが、通常、0.5〜30時間程度とすればよい。また、焼成時の雰囲気は、酸素を含む雰囲気(すなわち、大気中)、不活性ガス(アルゴン、ヘリウム、窒素など)と酸素ガスとの混合雰囲気、酸素ガス雰囲気などとすることができるが、その際の酸素濃度(体積基準)は、15%以上であることが好ましく、18%以上であることが好ましい。
本発明の非水二次電池において、正極合剤層におけるリチウム含有複合酸化物(A)とリチウムコバルト複合酸化物(B)との質量比(A)/(B)は、0.1以上、好ましくは0.2以上であって、0.7以下、好ましくは0.6以下である。リチウム含有複合酸化物(A)とリチウムコバルト複合酸化物(B)とを前記の質量比で使用することで、高電圧充電での使用時の電池の充放電サイクル特性の低下を抑制して長寿命としつつ高容量化を図ることができ、また、高い安全性を確保することもできる。
また、正極活物質には、LiCoOなどのリチウムコバルト酸化物;LiMnO、LiMnOなどのリチウムマンガン酸化物;LiMn、Li4/3Ti5/3などのスピネル構造のリチウム含有複合酸化物;LiFePOなどのオリビン構造のリチウム含有複合酸化物;前記の酸化物を基本組成とし各種元素で置換した酸化物〔ただし、リチウム含有複合酸化物(A)およびリチウムコバルト複合酸化物(B)以外のもの〕;などを、リチウム含有複合酸化物(A)およびリチウムコバルト複合酸化物(B)と共に使用することもできる。
正極活物質には、リチウム含有複合酸化物(A)およびリチウムコバルト複合酸化物(B)のみを使用することが特に好ましい。
正極活物質に、リチウム含有複合酸化物(A)およびリチウムコバルト複合酸化物(B)と他の活物質とを併用する場合、リチウム含有複合酸化物(A)およびリチウムコバルト複合酸化物(B)の使用による効果をより良好に確保する観点から、正極活物質全量中のリチウム含有複合酸化物(A)とリチウムコバルト複合酸化物(B)との合計量を90質量%以上とすることが好ましい。
正極合剤層は、例えば、前記の通り、リチウム含有複合酸化物(A)およびリチウムコバルト複合酸化物(B)、導電助剤およびバインダを、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの有機溶媒や水といった溶媒に添加してペースト状やスラリー状の正極合剤層形成用組成物を調製し(ただし、バインダは溶媒に溶解していてもよい)、これを種々の塗工方法によって集電体上に塗布し、乾燥し、更にプレス工程によって正極合剤層の厚みや密度を調整することにより形成することができる。ただし、正極は、前記の製造方法で製造されたものに限定される訳ではなく、他の方法で製造したものであってもよい。
正極合剤層に係るバインダの具体例としては、例えば、非水二次電池内で化学的に安定なものであれば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリヘキサフルオロプロピレン(PHFP)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、または、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体およびそれら共重合体のNaイオン架橋体などが挙げられ、これらを1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、非水二次電池内での安定性や非水二次電池の特性などを考慮すると、PVDF、PTFE、PHFPが好ましく、また、これらを併用したり、これらのモノマーにより形成される共重合体を用いたりしてもよい
また、正極合剤層に係る導電助剤の具体例としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛などのグラファイト、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(商品名)、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック;炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維;アルミニウム粉などの金属粉末;フッ化炭素;酸化亜鉛;チタン酸カリウムなどからなる導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料;などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、導電性の高い黒鉛と、吸液性に優れたカーボンブラックが好ましい。また、導電助剤の形態としては、一次粒子に限定されず、二次凝集体や、チェーンストラクチャーなどの集合体の形態のものも用いることができる。このような集合体の方が、取り扱いが容易であり、生産性が良好となる。
正極の集電体の材質は、構成された非水二次電池において化学的に安定な電子伝導体であれば特に限定されない。例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、炭素、導電性樹脂などの他に、アルミニウム、アルミニウム合金またはステンレス鋼の表面に炭素層またはチタン層を形成した複合材などを用いることができる。これらの中でも、アルミニウムまたはアルミニウム合金が特に好ましい。これらは、軽量で電子伝導性が高いからである。正極の集電体には、例えば、前記材質からなるフォイル、フィルム、シート、ネット、パンチングシート、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体などが使用される。また、集電体の表面に、表面処理を施して凹凸を付けることもできる。集電体の厚みは特に限定されないが、通常1〜500μmである。
正極合剤層形成用組成物を集電体表面に塗布する際の塗工方法としては、例えば、ドクターブレードを用いた基材引き上げ方式;ダイコータ、コンマコータ、ナイフコータなどを用いたコータ方式;スクリーン印刷、凸版印刷などの印刷方式:などを採用することができる。
正極合剤層においては、リチウム含有複合酸化物(A)およびリチウムコバルト複合酸化物(B)を含む全活物質の含有量を、80〜99質量%とすることが好ましく、バインダの含有量を、0.5〜10質量%とすることが好ましく、導電助剤の含有量を、0.5〜10質量%とすることが好ましい。
また、プレス処理後において、正極合剤層の厚みは、集電体の片面あたり、15〜200μmであることが好ましい。
また、本発明に係る正極には、必要に応じて、非水二次電池内の他の部材と電気的に接続するためのリード体を、常法に従って形成してもよい。
本発明の非水二次電池は、正極、負極、セパレータおよび非水電解質を備えており、正極が前記の正極であればよく、その他の構成および構造については特に制限はなく、従来から知られている非水二次電池で採用されている構成および構造を適用することができる。
負極には、例えば、負極活物質およびバインダ、更には必要に応じて導電助剤を含有する負極合剤からなる負極合剤層を、集電体の片面または両面に有する構造のものが使用できる。
負極活物質としては、例えば、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭、リチウムと合金化可能な金属(Si、Snなど)またはその合金、酸化物などが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を用いることができる。
前記の負極活物質の中でも、特に電池の高容量化を図るには、SiとOとを構成元素に含む材料(ただし、Siに対するOの原子比zは、0.5≦z≦1.5である。以下、当該材料を「SiO」という)を用いることが好ましい。
SiOは、Siの微結晶または非晶質相を含んでいてもよく、この場合、SiとOの原子比は、Siの微結晶または非晶質相のSiを含めた比率となる。すなわち、SiOには、非晶質のSiOマトリックス中にSi(例えば、微結晶Si)が分散した構造のものが含まれ、この非晶質のSiOと、その中に分散しているSiを合わせて、前記の原子比pが0.5≦z≦1.5を満足していればよい。例えば、非晶質のSiOマトリックス中にSiが分散した構造で、SiOとSiのモル比が1:1の材料の場合、z=1であるので、構造式としてはSiOで表記される。このような構造の材料の場合、例えば、X線回折分析では、Si(微結晶Si)の存在に起因するピークが観察されない場合もあるが、透過型電子顕微鏡で観察すると、微細なSiの存在が確認できる。
なお、SiOは導電性が低いことから、例えば、SiOの表面を炭素で被覆して用いてもよく、これにより負極における導電ネットワークを、より良好に形成することができる。
SiOの表面を被覆するための炭素には、例えば、低結晶性炭素、カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維などを使用することができる。
なお、炭化水素系ガスを気相中で加熱し、炭化水素系ガスの熱分解により生じた炭素を、SiO粒子の表面上に堆積する方法〔気相成長(CVD)法〕で、SiOの表面を炭素で被覆すると、炭化水素系ガスがSiO粒子の隅々にまで行き渡り、粒子の表面や表面の空孔内に、導電性を有する炭素を含む薄くて均一な皮膜(炭素被覆層)を形成できることから、少量の炭素によってSiO粒子に均一性よく導電性を付与できる。
CVD法で使用する炭化水素系ガスの液体ソースとしては、トルエン、ベンゼン、キシレン、メシチレンなどを用いることができるが、取り扱いやすいトルエンが特に好ましい。これらを気化させる(例えば、窒素ガスでバブリングする)ことにより炭化水素系ガスを得ることができる。また、メタンガスやエチレンガス、アセチレンガスなどを用いることもできる。
CVD法の処理温度としては、例えば、600〜1200℃であることが好ましい。また、CVD法に供するSiOは、公知の手法で造粒した造粒体(複合粒子)であることが好ましい。
SiOの表面を炭素で被覆する場合、炭素の量は、SiO:100質量部に対して、5質量部以上であることが好ましく、10質量部以上であることがより好ましく、また、95質量部以下であることが好ましく、90質量部以下であることがより好ましい。
なお、SiOは、他の高容量負極材料と同様に電池の充放電に伴う体積変化が大きいため、負極活物質には、SiOと黒鉛とを併用することが好ましい。これにより、SiOの使用による高容量化を図りつつ、電池の充放電に伴う負極の膨張収縮を抑えて、充放電サイクル特性をより高く維持することが可能となる。
負極活物質にSiOと黒鉛とを併用する場合、負極活物質全量中におけるSiOの割合は、SiOの使用による高容量化効果を良好に確保する観点から0.5質量%以上とすることが好ましく、また、SiOによる負極の膨張収縮を抑制する観点から10質量%以下とすることが好ましい。
また、負極のバインダおよび導電助剤には、正極に使用し得るものとして先に例示したものと同じものが使用できる。
負極は、例えば、負極活物質およびバインダ、更には必要に応じて使用される導電助剤を、NMPや水などの溶媒に分散させたペースト状やスラリー状の負極合剤層形成用組成物を調製し(ただし、バインダは溶媒に溶解していてもよい)、これを種々の塗工方法によって集電体上に塗布し、乾燥し、更にプレス工程によって正極合剤層の厚みや密度を調整することにより形成することができる。ただし、負極は、前記の製造方法で製造されたものに限定される訳ではなく、他の方法で製造したものであってもよい。
負極の集電体としては、銅製やニッケル製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、銅箔が用いられる。この負極集電体は、高エネルギー密度の電池を得るために負極全体の厚みを薄くする場合、厚みの上限は30μmであることが好ましく、機械的強度を確保するために下限は5μmであることが望ましい。
負極合剤層の厚みは、例えば、集電体の片面あたり10〜100μmであることが好ましい。また、負極合剤層の組成としては、例えば、負極活物質を80.0〜99.8質量%とすることが好ましく、バインダを0.1〜10質量%とすることが好ましい。更に、負極合剤層に導電助剤を含有させる場合には、負極合剤層における導電助剤の量を0.1〜10質量%とすることが好ましい。
また、負極には、必要に応じて、非水二次電池内の他の部材と電気的に接続するためのリード体を、常法に従って形成してもよい。
本発明の非水二次電池に係るセパレータには、80℃以上(より好ましくは100℃以上)170℃以下(より好ましくは150℃以下)において、その孔が閉塞する性質(すなわちシャットダウン機能)を有していることが好ましく、通常の非水二次電池などで使用されているセパレータ、例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン製の微多孔膜を用いることができる。セパレータを構成する微多孔膜は、例えば、PEのみを使用したものやPPのみを使用したものであってもよく、また、PE製の微多孔膜とPP製の微多孔膜との積層体であってもよい。
なお、本発明の非水二次電池に係るセパレータには、熱可塑性樹脂を主体とする多孔質層(I)と、耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含む耐熱多孔質層(II)とを有する積層型のセパレータを使用することが好ましい。ここで、「耐熱温度が150℃以上」とは、少なくとも150℃において軟化などの変形が見られないことを意味している。
前記積層型のセパレータに係る多孔質層(I)は、主にシャットダウン機能を確保するためのものであり、非水二次電池が多孔質層(I)の主体となる成分である樹脂の融点以上に達したときには、多孔質層(I)に係る樹脂が溶融してセパレータの空孔を塞ぎ、電気化学反応の進行を抑制するシャットダウンを生じる。
多孔質層(I)の主体となる熱可塑性樹脂としては、融点、すなわち、JIS K 7121の規定に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される融解温度が140℃以下の樹脂が好ましい。このような熱可塑性樹脂としては、例えば、PEが挙げられる。
多孔質層(I)の形態としては、前述の非水二次電池に用いられる微多孔膜や、不織布などの基材にPEの粒子を含む分散液を塗布し、乾燥するなどして得られるものが挙げられる。ここで、多孔質層(I)の全構成成分中において、主体となる熱可塑性樹脂の体積は、50体積%以上であり、70体積%以上であることがより好ましい。なお、例えば多孔質層(I)を前記PEの微多孔膜で形成する場合は、熱可塑性樹脂の体積が100体積%となる。
前記積層型のセパレータに係る耐熱多孔質層(II)は、非水二次電池の内部温度が上昇した際にも正極と負極との直接の接触による短絡を防止する機能を備えたものであり、耐熱温度が150℃以上のフィラーによって、その機能を確保している。すなわち、電池が高温となった場合には、喩え多孔質層(I)が収縮しても、収縮し難い耐熱多孔質層(II)によって、セパレータが熱収縮した場合に発生し得る正負極の直接の接触による短絡を防止することがでる。また、この耐熱性の耐熱多孔質層(II)がセパレータの骨格として作用するため、多孔質層(I)の熱収縮、すなわちセパレータ全体の熱収縮自体も抑制できる。
耐熱多孔質層(II)に係るフィラーは、耐熱温度が150℃以上で、電池の有する非水電解質に対して安定であり、更に電池の作動電圧範囲において酸化還元されにくい電気化学的に安定なものであればよいが、分散などの点から微粒子であることが好ましく、また、アルミナ、シリカ、ベーマイトといった無機フィラーが好ましい。アルミナ、シリカ、ベーマイトは、耐酸化性が高く、粒径や形状を所望の数値などに調整することが可能であるため、耐熱多孔質層(II)の空孔率を精度よく制御することが容易となる。なお、耐熱温度が150℃以上のフィラーは、例えば前記例示のものを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
耐熱多孔質層(II)に係る耐熱温度が150℃以上のフィラーの形状については特に制限はなく、略球状(真球状を含む)、略楕円体状(楕円体状を含む)、板状などの各種形状のものを使用できる。
また、耐熱多孔質層(II)に係る耐熱温度が150℃以上のフィラーの平均粒子径は、小さすぎるとイオンの透過性が低下することから、0.3μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましい。また、耐熱温度が150℃以上のフィラーが大きすぎると、電気特性が劣化しやすくなることから、その平均粒子径は、5μm以下であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましい。本明細書でいう耐熱温度が150℃以上のフィラーの平均粒子径は、前記フィラーを溶解したりしない溶媒に分散させた状態で、リチウムコバルト複合酸化物(B)と同じ方法で測定されるD50である。
耐熱多孔質層(II)において、耐熱温度が150℃以上のフィラーは、耐熱多孔質層(II)に主体として含まれるものであるため、これらの耐熱多孔質層(II)における量は、耐熱多孔質層(II)の構成成分の全体積中、50体積%以上であり、70体積%以上であることが好ましく、80体積%以上であることがより好ましく、90体積%以上であることが更に好ましい。耐熱多孔質層(II)中のフィラーを前記のように高含有量とすることで、非水二次電池が高温となった際にも、セパレータ全体の熱収縮を良好に抑制することができ、正極と負極との直接の接触による短絡の発生をより良好に抑制することができる。
なお、後述するように、耐熱多孔質層(II)には有機バインダも含有させることが好ましいため、耐熱温度が150℃以上のフィラーの耐熱多孔質層(II)における量は、耐熱多孔質層(II)の構成成分の全体積中、99.5体積%以下であることが好ましい。
耐熱多孔質層(II)には、耐熱温度が150℃以上のフィラー同士を結着したり、耐熱多孔質層(II)と多孔質層(I)との一体化などのために、有機バインダを含有させることが好ましい。有機バインダとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、酢酸ビニル由来の構造単位が20〜35モル%のもの)、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのエチレン−アクリル酸共重合体、フッ素系ゴム、SBR、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋アクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが挙げられるが、特に、150℃以上の耐熱温度を有する耐熱性のバインダが好ましく用いられる。有機バインダは、前記例示のものを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記例示の有機バインダの中でも、EVA、エチレン−アクリル酸共重合体、フッ素系ゴム、SBRなどの柔軟性の高いバインダが好ましい。このような柔軟性の高い有機バインダの具体例としては、三井デュポンポリケミカル社の「エバフレックスシリーズ(EVA)」、日本ユニカー社のEVA、三井デュポンポリケミカル社の「エバフレックス−EEAシリーズ(エチレン−アクリル酸共重合体)」、日本ユニカー社のEEA、ダイキン工業社の「ダイエルラテックスシリーズ(フッ素ゴム)」、JSR社の「TRD−2001(SBR)」、日本ゼオン社の「BM−400B(SBR)」などがある。
なお、前記の有機バインダを耐熱多孔質層(II)に使用する場合には、後述する耐熱多孔質層(II)形成用の組成物の溶媒に溶解させるか、または分散させたエマルジョンの形態で用いればよい。
前記積層型のセパレータは、例えば、耐熱温度が150℃以上のフィラーなどを含有する耐熱多孔質層(II)形成用組成物(スラリーなどの液状組成物など)を、多孔質層(I)を構成するための微多孔膜の表面に塗布し、所定の温度に乾燥して耐熱多孔質層(II)を形成することにより製造することができる。
耐熱多孔質層(II)形成用組成物は、耐熱温度が150℃以上のフィラーの他、必要に応じて有機バインダなどを含有し、これらを溶媒(分散媒を含む。以下同じ。)に分散させたものである。なお、有機バインダについては溶媒に溶解させることもできる。耐熱多孔質層(II)形成用組成物に用いられる溶媒は、前記フィラーなどを均一に分散でき、また、有機バインダを均一に溶解または分散できるものであればよいが、例えば、トルエンなどの芳香族炭化水素、テトラヒドロフランなどのフラン類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類など、一般的な有機溶媒が好適に用いられる。なお、これらの溶媒に、界面張力を制御する目的で、アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコールなど)、または、モノメチルアセテートなどの各種プロピレンオキサイド系グリコールエーテルなどを適宜添加してもよい。また、有機バインダが水溶性である場合、エマルジョンとして使用する場合などでは、水を溶媒としてもよく、この際にもアルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)を適宜加えて界面張力を制御することもできる。
耐熱多孔質層(II)形成用組成物は、耐熱温度が150℃以上のフィラー、更には有機バインダなどを含む固形分含量を、例えば10〜80質量%とすることが好ましい。
なお、前記積層型のセパレータにおいて、多孔質層(I)と耐熱多孔質層(II)とは、それぞれ1層ずつである必要はなく、複数の層がセパレータ中にあってもよい。例えば、耐熱多孔質層(II)の両面に多孔質層(I)を配置した構成としたり、多孔質層(I)の両面に耐熱多孔質層(II)を配置した構成としてもよい。ただし、層数を増やすことで、セパレータの厚みを増やして電池の内部抵抗の増加やエネルギー密度の低下を招く虞があるので、層数を多くしすぎるのは好ましくなく、前記積層型のセパレータ中の多孔質層(I)と耐熱多孔質層(II)との合計層数は5層以下であることが好ましい。
本発明の非水二次電池に係るセパレータ(ポリオレフィン製の微多孔膜からなるセパレータや、前記積層型のセパレータ)の厚みは、例えば、10〜30μmであることが好ましい。
また、前記積層型のセパレータにおいては、耐熱多孔質層(II)の厚み[セパレータが耐熱多孔質層(II)を複数有する場合は、その総厚み]は、耐熱多孔質層(II)による前記の各作用をより有効に発揮させる観点から、3μm以上であることが好ましい。ただし、耐熱多孔質層(II)が厚すぎると、電池のエネルギー密度の低下を引き起こすなどの虞があることから、耐熱多孔質層(II)の厚みは、8μm以下であることが好ましい。
更に、前記積層型のセパレータにおいては、多孔質層(I)の厚み[セパレータが多孔
質層(I)を複数有する場合は、その総厚み。以下同じ。]は、多孔質層(I)の使用による前記作用(特にシャットダウン作用)をより有効に発揮させる観点から、6μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましい。ただし、多孔質層(I)が厚すぎると、電池のエネルギー密度の低下を引き起こす虞があることに加えて、多孔質層(I)が熱収縮しようとする力が大きくなり、セパレータ全体の熱収縮を抑える作用が小さくなる虞がある。そのため、多孔質層(I)の厚みは、25μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましく、14μm以下であることが更に好ましい。
セパレータ全体の空孔率としては、非水電解質の保液量を確保してイオン透過性を良好にするために、乾燥した状態で、30%以上であることが好ましい。一方、セパレータ強度の確保と内部短絡の防止の観点から、セパレータの空孔率は、乾燥した状態で、70%以下であることが好ましい。なお、セパレータの空孔率:P(%)は、セパレータの厚み、面積あたりの質量、構成成分の密度から、下記(3)式を用いて各成分iについての総和を求めることにより計算できる。
P ={1−(m/t)/(Σa・ρ)}×100 (3)
ここで、前記式中、a:全体の質量を1としたときの成分iの比率、ρ:成分iの密度(g/cm)、m:セパレータの単位面積あたりの質量(g/cm)、t:セパレータの厚み(cm)である。
また、前記積層型のセパレータの場合、前記(3)式において、mを多孔質層(I)の単位面積あたりの質量(g/cm)とし、tを多孔質層(I)の厚み(cm)とすることで、前記(3)式を用いて多孔質層(I)の空孔率:P(%)を求めることもできる。この方法により求められる多孔質層(I)の空孔率は、30〜70%であることが好ましい。
更に、前記積層型のセパレータの場合、前記(3)式において、mを耐熱多孔質層(II)の単位面積あたりの質量(g/cm)とし、tを耐熱多孔質層(II)の厚み(cm)とすることで、前記(3)式を用いて耐熱多孔質層(II)の空孔率:P(%)を求めることもできる。この方法により求められる耐熱多孔質層(II)の空孔率は、20〜60%であることが好ましい。
前記セパレータとしては、機械的な強度の高いものが好ましく、例えば突き刺し強度が3N以上であることが好ましい。例えば、SiやSnの合金や酸化物などは、容量の大きな負極活物質として電池の高容量化に寄与する一方で、充放電に伴う体積変化が大きい。よって、このような負極活物質を使用した場合、充放電を繰り返すことで、負極全体の伸縮によって、対面させたセパレータにも機械的なダメージが加わることになる。セパレータの突き刺し強度が3N以上であれば、良好な機械的強度が確保され、セパレータの受ける機械的ダメージを緩和することができる。
突き刺し強度が3N以上のセパレータとしては、前述した積層型のセパレータが挙げられ、特に、融点が140℃以下の樹脂を主体とした多孔質層(I)に、耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含む耐熱多孔質層(II)を積層したセパレータが好適である。それは、前記フィラーの機械的強度が高いため、多孔質層(I)の機械的強度を補って、セパレータ全体の機械的強度を高めることができるからであると考えられる。
前記突き刺し強度は以下の方法で測定できる。直径2インチの穴があいた板上にセパレータをしわやたわみのないように固定し、先端の直径が1.0mmの半円球状の金属ピンを、120mm/minの速度で測定試料に降下させて、セパレータに穴があく時の力を5回測定する。そして、前記5回の測定値のうち最大値と最小値とを除く3回の測定について平均値を求め、これをセパレータの突き刺し強度とする。
前記の正極と前記の負極と前記のセパレータとは、正極と負極との間にセパレータを介在させて重ねた積層電極体や、更にこれを渦巻状に巻回した巻回電極体の形態で本発明のリチウム電池に使用することができる。
前記の積層電極体や巻回電極体においては、前記積層型のセパレータを使用する場合、耐熱多孔質層(II)が少なくとも正極と面するように配置することが好ましい。なお、この場合、耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含み、より耐酸化性に優れる耐熱多孔質層(II)が正極と面することで、正極によるセパレータの酸化をより良好に抑制できるため、電池の高温時の保存特性や充放電サイクル特性を高めることもできる。また、VCやシクロヘキシルベンゼンなどの添加剤を非水電解質中に加えた場合、正極側で皮膜形成してセパレータの細孔を詰まらせ、電池特性の低下を引き起こす虞もある。そこで比較的ポーラスな耐熱多孔質層(II)を正極に対面させることで、細孔の目詰まりを抑制する効果も期待できる。
他方、前記積層型セパレータの一方の表面が多孔質層(I)である場合には、多孔質層(I)が負極に面するようにすることが好ましく、これにより、例えば、シャットダウン時に多孔質層(I)から溶融した熱可塑性樹脂が電極の合剤層に吸収されることを抑制して、効率よくセパレータの空孔の閉塞に利用することができるようになる。
本発明の非水二次電池に係る非水電解質には、電解質塩を有機溶媒に溶解させた溶液(非水電解液)を使用することができる。溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、蟻酸メチル、酢酸メチル、燐酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、ジエチルエーテル、1,3−プロパンサルトンなどの非プロトン性有機溶媒が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、これらの2種以上を併用してもよい。また、アミンイミド系有機溶媒や、含イオウまたは含フッ素系有機溶媒なども用いることができる。これらの中でも、ECとMECとDECとの混合溶媒が好ましく、この場合、混合溶媒の全容量に対して、DECを15容量%以上80容量%以下の量で含むことがより好ましい。このような混合溶媒であれば、電池の低温特性や充放電サイクル特性を高く維持しつつ、高電圧充電時における溶媒の安定性を高めることができるからである。
非水電解液に係る電解質塩としては、リチウムの過塩素酸塩、有機ホウ素リチウム塩、トリフロロメタンスルホン酸塩などの含フッ素化合物の塩、またはイミド塩などが好適に用いられる。このような電解質塩の具体例としては、例えば、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiCFSO、LiCSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiC2n+1SO(n≧2)、LiN(RfOSO2)〔ここで、Rfはフルオロアルキル基を表す。〕などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、これらの2種以上を併用してもよい。これらの中でも、LiPFやLiBFなどが、充放電特性が良好なことからより好ましい。これらの含フッ素有機リチウム塩はアニオン性が大きく、かつイオン分離しやすいので前記溶媒に溶解しやすいからである。溶媒中における電解質塩の濃度は特に限定されないが、通常0.5〜1.7mol/Lである。
また、前記の非水電解液に安全性や充放電サイクル性、高温貯蔵性といった特性を向上させる目的で、ビニレンカーボネート類、1,3−プロパンサルトン、ジフェニルジスルフィド、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、フルオロベンゼン、t−ブチルベンゼンなどの添加剤を適宜加えることもできる。本発明では、Mnを含有するリチウム含有複合酸化物(A)を使用しているが、その表面活性を安定にできることから、硫黄元素を含む添加剤を加えることが特に好ましい。
更に、非水二次電池の非水電解質には、前記の非水電解液に、ポリマーなどの公知のゲル化剤を添加してゲル化したもの(ゲル状電解質)を用いることもできる。
本発明の非水二次電池は、例えば、前記の負極と前記の正極とを、前記のセパレータを介して積層した電極積層体や、更にこれを渦巻状に巻回した電極巻回体を作製し、このような電極体と、前記の非水電解質とを、常法に従い外装体内に封入して構成される。電池の形態としては、従来から知られている非水二次電池と同様に、筒形(円筒形や角筒形)の外装缶を使用した筒形電池や、扁平形(平面視で円形や角形の扁平形)の外装缶を使用した扁平形電池、金属を蒸着したラミネートフィルムを外装体としたソフトパッケージ電池などとすることができる。また、外装缶には、スチール製やアルミニウム製のものが使用できる。
本発明の非水二次電池は、高容量であり、かつ優れた電池特性を有していることから、これらの特性を生かして、小型で多機能な携帯機器の電源を始めとして、従来から知られている非水二次電池が適用されている各種用途に好ましく用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
実施例1
<負極の作製>
SiO(体積平均粒径5.0μm)を沸騰床反応器中で約1000℃に加熱し、加熱された粒子にメタンと窒素ガスからなる25℃の混合ガスを接触させ、1000℃で60分間CVD処理を行った。このようにして前記混合ガスが熱分解して生じた炭素(以下「CVD炭素」ともいう)を複合粒子に堆積させて被覆層を形成し、SiOと炭素材料との複合体(炭素被覆SiO)を得た。
被覆層形成前後の質量変化から前記SiOと炭素材料との複合体の組成を算出したところ、SiO:CVD炭素=85:15(質量比)であった。
次に、前記のSiOと炭素材料との複合体と、黒鉛とを用いて、負極前駆体シートを作製した。前記炭素被覆SiOを7質量%(固形分全量中の含有量、以下同じ)と、黒鉛91質量%と、バインダとしてCMC1質量%と、SBR1質量%と、更に水とを混合して負極合剤含有スラリーを調製した。
ブレードコーターを用いて、前記の負極合剤含有スラリーを厚みが10μmの銅箔からなる集電体の両面に塗布し、100℃で乾燥した後ローラープレス機により圧縮成形して、片面あたりの厚みが60μmの負極合剤層を形成した。集電体上に負極合剤層を形成した電極を、真空中100℃で15時間乾燥させた。
乾燥後の電極について、更に遠赤外線ヒーターを用いて160℃で15時間熱処理を施した。熱処理後の電極では、負極合剤層と集電体との接着性は強固であり、裁断や折り曲げによっても、負極合剤層が集電体から剥離することはなかった。その後、前記電極を幅57mmに裁断して短冊状の負極を得た。
<正極の作製>
リチウム含有複合酸化物を、以下の方法により合成した。まず、硫酸ニッケル、硫酸コバルト、硫酸マンガン、および硫酸マグネシウムを、それぞれ3.78mol/dm、0.25mol/dm、0.08mol/dm、0.08mol/dmの濃度で含有する混合水溶液を調製した。次に水酸化ナトリウムの添加によってpHを約12に調整したアンモニア水を反応容器に入れ、これを強攪拌しながら、この中に、前記混合水溶液と、25質量%濃度のアンモニア水とを、それぞれ、23cm/分、6.6cm/分の割合で、定量ポンプを用いて滴下して、NiとCoとMnとMgの共沈化合物(球状の共沈化合物)を合成した。なお、この際、反応液の温度は50℃に保持し、また、反応液のpHが12付近に維持されるように、3mol/dm濃度の水酸化ナトリウム水溶液の滴下も同時に行い、更に窒素ガスを1dm/分の流量でバブリングした。
前記の共沈化合物を水洗、濾過および乾燥させて、水酸化物を得た。この水酸化物とLiOH・HOとAl(OH)とをモル比で1:1:0.01になるようにエタノール中に分散させてスラリー状にした後、遊星型ボールミルで40分間混合し、室温で乾燥させて混合物を得た。次いで、前記混合物をアルミナ製のるつぼに入れ、2dm/分のドライエアーフロー中で600℃まで加熱し、その温度で2時間保持して予備加熱を行い、更に730℃に昇温して12時間焼成することにより、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物を水で洗浄した後、大気中(酸素濃度が約20vol%)、700℃で12時間熱処理し、その後乳鉢で粉砕して粉体とした。粉砕後のリチウム含有複合酸化物は、デシケーター中で保存した。
前記リチウム含有複合酸化物について、その組成分析を、ICP(InductiveCoupledPlasma)法を用いて以下のように行った。まず、前記リチウム含有複合酸化物を0.2g採取して100mL容器に入れた。その後、純水5mL、王水2mL、純水10mLを順に加えて加熱溶解し、冷却後、さらに25倍に希釈してICP(JARRELASH社製「ICP−757」)にて組成を分析した(検量線法)。得られた結果から前記リチウム含有複合酸化物の組成を導出したところ、Li1.0Ni0.89Co0.06Mn0.02Mg0.02Al0.01で表される組成であることが判明した。
次に、リチウムコバルト複合酸化物を、以下の方法により合成した。Co(OH)とMg(OH)とLiCOとをモル比で1.98:0.02:1.02になるように混合し、大気中(酸素濃度が約20vol%)、950℃で12時間熱処理し、その後乳鉢で粉砕して粉体とした。粉砕後のリチウムコバルト複合酸化物は、デシケーター中で保存した。
前記リチウムコバルト複合酸化物について、その組成分析を、ICP法を用いて行ったところLi1.0Co0.99Mg0.01で表される組成であることが判明した。
また、前記リチウム含有複合酸化物および前記リチウムコバルト複合酸化物の平均粒子径を、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(日機装社製「マイクロトラックHRA」)を用いて測定したところ、前記リチウム含有複合酸化物の平均粒子径(D50)は18μmであり、リチウムコバルト複合酸化物の平均粒子径(D50)は15μmであった。
前記リチウム含有複合酸化物とリチウムコバルト複合酸化物を質量比10:90で混合した正極活物質96質量%(固形分全量中の含有量。以下同じ。)と、導電助剤としてケッチェンブラック2質量%と、バインダとしてPVDF2質量%と、脱水N−メチル−2−ピロリドン(NMP)とを混合して得た正極合剤含有スラリーを、厚みが15μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥後プレスして、片面あたりの厚みが70μmの正極合剤層を形成した。その後、これを幅56mmに裁断して短冊状の正極を得た。
<非水二次電池の組み立て>
前記の負極と前記の正極とを、微孔性ポリエチレンフィルム製のセパレータ(厚み18μm、空孔率50%)を介して重ね合わせてロール状に巻回した後、正負極に端子を溶接し、厚み49mm、幅42mm、高さ61mm(494261型)のアルミニウム合金製正極缶に挿入し、蓋を溶接して取り付けた。その後、蓋の注液口よりEC:DEC=3:7(体積比)にビニレンカーボネートを3質量%溶解させた溶液に、更にLiPFを1mol%になるように溶解させて調製した非水電解液3.6gを容器内に注入し、密閉して、図1に示す構造で、図2に示す外観の494261型角形非水二次電池を得た。
ここで図1および図2に示す電池について説明すると、図1の(a)は平面図、(b)はその部分断面図であって、図1(b)に示すように、正極1と負極2はセパレータ3を介して渦巻状に巻回した後、扁平状になるように加圧して扁平状の電極巻回体6として、角形(角筒形)の正極缶4に非水電解液と共に収容されている。ただし、図1では、煩雑化を避けるため、正極1や負極2の作製にあたって使用した集電体としての金属箔や電解液などは図示していない。
正極缶4はアルミニウム合金製で電池の外装体を構成するものであり、この正極缶4は正極端子を兼ねている。そして、正極缶4の底部にはポリエチレンシートからなる絶縁体5が配置され、正極1、負極2およびセパレータ3からなる扁平状電極巻回体6からは、正極1および負極2のそれぞれ一端に接続された正極リード体7と負極リード体8が引き出されている。また、正極缶4の開口部を封口するアルミニウム合金製の蓋(封口用蓋板)9にはポリプロピレン製の絶縁パッキング10を介してステンレス鋼製の端子11が取り付けられ、この端子11には絶縁体12を介してステンレス鋼製のリード板13が取り付けられている。
そして、この蓋9は正極缶4の開口部に挿入され、両者の接合部を溶接することによって、正極缶4の開口部が封口され、電池内部が密閉されている。また、図1の電池では、蓋9に電解液注入口14が設けられており、この電解液注入口14には、封止部材が挿入された状態で、例えばレーザー溶接などにより溶接封止されて、電池の密閉性が確保されている(従って、図1および図2の電池では、実際には、電解液注入口14は、電解液注入口と封止部材であるが、説明を容易にするために、電解液注入口14として示している)。更に、蓋9には、電池の温度が上昇した際に内部のガスを外部に排出する機構として、開裂ベント15が設けられている。
この実施例1の電池では、正極リード体7を蓋9に直接溶接することによって正極缶4と蓋9とが正極端子として機能し、負極リード体8をリード板13に溶接し、そのリード板13を介して負極リード体8と端子11とを導通させることによって端子11が負極端子として機能するようになっているが、正極缶4の材質などによっては、その正負が逆になる場合もある。
図2は前記図1に示す電池の外観を模式的に示す斜視図であり、この図2は前記電池が角形電池であることを示すことを目的として図示されたものであって、この図1では電池を概略的に示しており、電池の構成部材のうち特定のものしか図示していない。また、図1においても、電極体の内周側の部分は断面にしていない。
実施例2
実施例1と同様にして合成したリチウム含有複合酸化物とリチウムコバルト複合酸化物とを質量比20:80で混合した正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様にして494261型角形非水二次電池を作製した。
実施例3
実施例1と同様にして合成したリチウム含有複合酸化物とリチウムコバルト複合酸化物とを質量比40:60で混合した正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様にして494261型角形非水二次電池を作製した。
実施例4
Co(OH)とMg(OH)とTiOとLiCOとをモル比1.98:0.01:0.01:1.03になるように混合し、大気中(酸素濃度が約20vol%)、950℃で12時間熱処理し、その後乳鉢で粉砕して、実施例1で行ったものと同じICP法による組成がLiCo0.99Mg0.005Ti0.005のリチウムコバルト複合酸化物を得た。このリチウムコバルト複合酸化物の、実施例1と同じ方法で測定した平均粒子径(D50)は、16μmであった。
実施例1と同様にして合成したリチウム含有複合酸化物と、前記リチウムコバルト複合酸化物とを質量比20:80で混合した正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様にして494261型角形非水二次電池を作製した。
実施例5
Co(OH)とMg(OH)とAl(OH)とSrSOとLiCOとをモル比1.98:0.012:0.004:0.004:1.03になるように混合し、大気中(酸素濃度が約20vol%)、950℃で12時間熱処理し、その後乳鉢で粉砕して、実施例1で行ったものと同じICP法による組成がLiCo0.99Mg0.006Al0.002Sr0.002のリチウムコバルト複合酸化物を得た。このリチウムコバルト複合酸化物の、実施例1と同じ方法で測定した平均粒子径(D50)は、18μmであった。
実施例1と同様にして合成したリチウム含有複合酸化物と、前記リチウムコバルト複合酸化物とを質量比20:80で混合した正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様にして494261型角形非水二次電池を作製した。
実施例6
Co(OH)とMg(OH)とZrOとLiCOとをモル比1.98:0.01:0.01:1.03になるように混合し、大気中(酸素濃度が約20vol%)、950℃で12時間熱処理し、その後乳鉢で粉砕して、実施例1で行ったものと同じICP法による組成がLiCo0.99Mg0.005Zr0.005のリチウムコバルト複合酸化物を得た。このリチウムコバルト複合酸化物の、実施例1と同じ方法で測定した平均粒子径(D50)は、16μmであった。
実施例1と同様にして合成したリチウム含有複合酸化物と前記リチウムコバルト複合酸化物とを質量比20:80で混合した正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様にして494261型角形非水二次電池を作製した。
実施例7
まず、実施例1と同様にして水酸化物を作製した。この水酸化物とLiOH・HOとAl(OH)とBaSOとをモル比で1:1.02:0.01:0.01になるようにエタノール中に分散させてスラリー状にした後、遊星型ボールミルで40分間混合し、室温で乾燥させて混合物を得たこと以外は実施例1と同様にして、実施例1で行ったものと同じICP法による組成がLi1.0Ni0.89Co0.05Mn0.02Mg0.02Al0.01Ba0.01のリチウム含有複合酸化物を合成した。このリチウム含有複合酸化物の、実施例1と同じ方法で測定した平均粒子径(D50)は、20μmであった。
前記リチウム含有複合酸化物と、実施例1と同様にして合成したリチウムコバルト複合酸化物とを質量比20:80で混合した正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様にして494261型角形非水二次電池を作製した。
実施例8
まず、実施例1と同様にして水酸化物を作製した。この水酸化物とLiOH・HOとAl(OH)とSrSOとをモル比で1:1.02:0.01:0.01になるようにエタノール中に分散させてスラリー状にした後、遊星型ボールミルで40分間混合し、室温で乾燥させて混合物を得たこと以外は実施例1と同様にして、実施例1で行ったものと同じICP法による組成がLi1.0Ni0.89Co0.05Mn0.02Mg0.02Al0.01Sr0.01のリチウム含有複合酸化物を合成した。このリチウム含有複合酸化物の、実施例1と同じ方法で測定した平均粒子径(D50)は、20μmであった。
前記リチウム含有複合酸化物と、実施例1と同様にして合成したリチウムコバルト複合酸化物とを質量比20:80で混合した正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様にして494261型角形非水二次電池を作製した。
実施例9
まず、実施例1と同様にして水酸化物を作製した。この水酸化物とLiOH・HOとAl(OH)とTiOとをモル比で1:1.02:0.01:0.01になるようにエタノール中に分散させてスラリー状にした後、遊星型ボールミルで40分間混合し、室温で乾燥させて混合物を得たこと以外は実施例1と同様にして、実施例1で行ったものと同じICP法による組成がLi1.0Ni0.89Co0.05Mn0.02Mg0.02Al0.01Ti0.01のリチウム含有複合酸化物を合成した。このリチウム含有複合酸化物の、実施例1と同じ方法で測定した平均粒子径(D50)は、18μmであった。
前記リチウム含有複合酸化物と、実施例1と同様にして合成したリチウムコバルト複合酸化物とを質量比20:80で混合した正極活物質を用いた以外は実施例1と同様にして494261型角形非水二次電池を作製した。
実施例10
まず、実施例1と同様にして水酸化物を作製した。この水酸化物とLiOH・HOとAl(OH)とZrOとをモル比で1:1.02:0.01:0.01になるようにエタノール中に分散させてスラリー状にした後、遊星型ボールミルで40分間混合し、室温で乾燥させて混合物を得たこと以外は実施例1と同様にして、実施例1で行ったものと同じICP法による組成がLi1.0Ni0.89Co0.05Mn0.02Mg0.02Al0.01Zr0.01のリチウム含有複合酸化物を合成した。このリチウム含有複合酸化物の、実施例1と同じ方法で測定した平均粒子径(D50)は、18μmであった。
前記リチウム含有複合酸化物と、実施例1と同様にして合成したリチウムコバルト複合酸化物を質量比20:80で混合した正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様にして494261型角形非水二次電池を作製した。
比較例1
リチウムコバルト複合酸化物のみを正極活物質として用いた以外は、実施例1と同様にして494261型角形非水二次電池を作製した。
比較例2
実施例1と同様にして合成したリチウム含有複合酸化物と実施例1と同様にして合成したリチウムコバルト複合酸化物とを質量比50:50で混合した正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様にして494261型角形非水二次電池を作製した。
比較例3
リチウム含有複合酸化物にLiNi0.6Co0.2Mn0.2〔実施例1と同じ方法で測定した平均粒子径(D50)が18μm〕を用いた以外は、実施例2と同様にして494261型角形非水二次電池を作製した。
比較例4
リチウム含有複合酸化物にLiNi0.8Co0.15Al0.05〔実施例1と同じ方法で測定した平均粒子径(D50)が16μm〕を用いた以外は、実施例2と同様にして494261型角形非水二次電池を作製した。
比較例5
Co(OH)とMg(OH)とLiCOとをモル比1.98:0.02:1.00になるように混合し、大気中(酸素濃度が約20vol%)、875℃で12時間熱処理し、その後乳鉢で粉砕して、実施例1で行ったものと同じICP法による組成がLiCo0.99Mg0.01のリチウムコバルト複合酸化物を得た。このリチウムコバルト複合酸化物の、実施例1と同じ方法で測定した平均粒子径(D50)は、10μmであった。
実施例1と同様にして合成したリチウム含有複合酸化物と前記リチウムコバルト複合酸化物とを質量比20:80で混合した正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様にして494261型角形非水二次電池を作製した。
比較例6
Co(OH)とLiCOとをモル比2:1.03になるように混合し、大気中(酸素濃度が約20vol%)、950℃で12時間熱処理し、その後乳鉢で粉砕して、実施例1で行ったものと同じICP法による組成がLiCoOのリチウムコバルト複合酸化物を得た。このリチウムコバルト複合酸化物の、実施例1と同じ方法で測定した平均粒子径(D50)は、14μmであった。
実施例1と同様にして合成したリチウム含有複合酸化物と前記リチウムコバルト複合酸化物とを質量比20:80で混合した正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様にして494261型角形非水二次電池を作製した。
比較例7
実施例1と同様にして合成したリチウム含有複合酸化物のみを正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様にして494261型角形非水二次電池を作製した。
実施例1〜10並びに比較例1〜7の非水二次電池に使用した正極活物質および負極活物質の構成を表1に、リチウム含有複合酸化物の組成を表2に、リチウムコバルト複合酸化物の組成を表3に、また、リチウム含有複合酸化物およびリチウムコバルト複合酸化物の平均粒子径を表4にそれぞれ示す。
Figure 2013254639
Figure 2013254639
Figure 2013254639
Figure 2013254639
実施例1〜10および比較例1〜7の非水二次電池について、以下の各評価を行った。それらの結果を表5に示す。
<標準容量>
実施例および比較例の各電池を、60℃で7時間保存した後、20℃で、850mAの電流値で3時間充電し、850mAの電流値で電池電圧が2.5Vに低下するまで放電する充放電サイクルを、放電容量が一定になるまで繰り返した。次いで、定電流−定電圧充電(定電流:850mA、定電圧:4.35V、総充電時間:3時間)を行い、1時間休止後に340mAの電流値で電池電圧が2.5Vとなるまで放電して標準容量を求めた。標準容量は各電池とも100個の電池について測定し、その平均値を各実施例、比較例の標準容量とした。
<充放電サイクル特性>
実施例および比較例の各電池を標準容量測定時と同じ条件で定電流−定電圧充電した後、1分休止してから1700mAの電流値で電池電圧が2.5Vになるまで放電する充放電サイクルを繰り返し、放電容量が1サイクル目の放電容量の80%に低下するまでのサイクル数を求めて、各電池の充放電サイクル特性を評価した。充放電サイクル特性における前記サイクル数は、各実施例、比較例とも10個の電池について測定し、その平均値を各実施例、比較例のサイクル数とした。
<安全性の評価>
実施例および比較例の各電池を、定電流−定電圧充電(定電流:850mA、定電圧:4.40V、総充電時間:3時間)した後に恒温槽に入れ、2時間休止後、30℃から170℃まで、毎分5℃の割合で昇温し、引き続き170℃で3時間放置して、電池の表面温度を測定した。このときの最高到達温度が180℃以下であった電池をa、180℃を超えた電池をb、最高到達温度が185℃超えた電池をcと評価した。
Figure 2013254639
表5に示す通り、前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物(A)と、前記一般組成式(2)で表され、かつ適正な平均粒子径を有するリチウムコバルト複合酸化物(B)とを、適正な比率で使用した実施例1〜10の非水二次電池は、高容量であり、かつ充放電サイクル特性および安全性が良好である。
これに対し、リチウム含有複合酸化物(A)とリチウムコバルト複合酸化物(B)との比率が適正でない正極を備えた比較例1および比較例2の非水二次電池は、充放電サイクル特性が低く、また、安全性が劣っている。組成が前記一般式(1)を満たしてないリチウム含有複合酸化物を含有する正極を備えた比較例3および比較例4の非水二次電池は、充放電サイクル特性が低く、更に比較例4の電池は安全性も劣っている。平均粒子径が適正でないリチウムコバルト複合酸化物を含有する正極を備えた比較例5の非水二次電池は、充放電サイクル特性が低く、また、安全性が劣っている。組成が前記一般式(2)を満たしてないリチウムコバルト複合酸化物を含有する正極を備えた比較例6の非水二次電池も、充放電サイクル特性が低く、また、安全性が劣っている。リチウム含有複合酸化物(A)のみを正極活物質に用いた比較例7の非水二次電池は、充放電サイクル特性が低く、安全性が劣っている。
実施例11
黒鉛98質量%と、CMC1質量%と、SBR1質量%と、水とを混合して調製した負極合剤含有スラリーを用いた以外は、実施例1と同様にして負極を作製した。そして、この負極を用いた以外は、実施例2と同様にして494261型角形非水二次電池を作製した。
比較例8
実施例11で作製したものと同じ負極を用いた以外は、比較例3と同様にして494261型角形非水二次電池を作製した。
実施例11並びに比較例8の非水二次電池に使用した正極活物質および負極活物質の構成を表6に、リチウム含有複合酸化物の組成を表7に、リチウムコバルト複合酸化物の組成を表8に、また、リチウム含有複合酸化物およびリチウムコバルト複合酸化物の平均粒子径を表9にそれぞれ示す。また、実施例11および比較例8の非水二次電池について、実施例1などの非水二次電池と同様に行った各評価の結果を表10に示す。
Figure 2013254639
Figure 2013254639
Figure 2013254639
Figure 2013254639
Figure 2013254639
実施例11および比較例8の非水二次電池は、負極活物質に黒鉛のみを用いた例であるが、表10に示す通り、前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物(A)と、前記一般組成式(2)で表され、かつ適正な平均粒子径を有するリチウムコバルト複合酸化物(B)とを、適正な比率で使用した実施例11の非水二次電池は、充放電サイクル特性および安全性が良好であり、組成が前記一般式(1)を満たしてないリチウム含有複合酸化物を含有する正極を備えた比較例8の非水二次電池に比べて、充放電サイクル特性が優れており、高容量である。
1 正極
2 負極
3 セパレータ

Claims (4)

  1. 正極、負極、セパレータおよび非水電解質を備え、使用前に4.30Vを超える終止電圧で定電流−定電圧充電が行われる非水二次電池であって、
    前記正極は、下記一般組成式(1)
    Li1+x (1)
    [前記一般組成式(1)中、−0.3≦x<0.3であり、かつMは、Ni、Co、MnおよびMgと、Al、Ba、Sr、TiおよびZrよりなる群から選択される少なくとも1種の元素とを含有する5種以上の元素群を表し、Mを構成する各元素中で、Ni、Co、MnおよびMgの割合(mol%)を、それぞれa、b、cおよびdとし、Al、Ba、Sr、TiおよびZrの合計割合(mol%)をeとしたとき、70≦a≦97、0.5<b<30、0.5<c<30、0.5<d<30、−10<c−d<10、−8≦(c−d)/d≦8およびe<10である]で表されるリチウム含有複合酸化物(A)と、下記一般組成式(2)
    LiCo1−y (2)
    [前記一般組成式(2)中、0<y≦0.05であり、Mは、Al、Mg、Sr、TiおよびZrよりなる群から選択される少なくとも1種の元素である]で表され、平均粒子径D50が15μm以上のリチウムコバルト複合酸化物(B)とを、少なくとも含有する正極合剤層を、集電体の片面または両面に有しており、
    前記正極合剤層における前記リチウム含有複合酸化物(A)と前記リチウムコバルト複合酸化物(B)との質量比(A)/(B)が、0.1以上0.7以下であることを特徴とする非水二次電池。
  2. 負極は、SiとOとを構成元素に含む材料(ただし、Siに対するOの原子比zは、0.5≦z≦1.5である)を含有する負極合剤層を、集電体の片面または両面に有している請求項1に記載の非水二次電池。
  3. セパレータは、熱可塑性樹脂を主体とする多孔質層と、耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含む耐熱多孔質層とを有している請求項1または2に記載の非水二次電池。
  4. セパレータの耐熱多孔質層が正極に対向している請求項3に記載の非水二次電池。
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