JP2013252710A5 - - Google Patents
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Description
(技術分野)
本発明の織物(fabric:布、繊維)は主に、ギザギザ付の器具又はノコギリ歯状の器具により長期間加えられる過剰な力及び衝撃においてさえ、切断力、剪断力、及び斬撃力を含む貫通力に対する、優れた防御及び保護を付与するのに有用である。本発明の織物は、鋭利な穿刺力及び刺突力に対する優れたレベルの貫通抵抗性も提供する。
本発明の織物(fabric:布、繊維)は主に、ギザギザ付の器具又はノコギリ歯状の器具により長期間加えられる過剰な力及び衝撃においてさえ、切断力、剪断力、及び斬撃力を含む貫通力に対する、優れた防御及び保護を付与するのに有用である。本発明の織物は、鋭利な穿刺力及び刺突力に対する優れたレベルの貫通抵抗性も提供する。
繊維は複数の層からなっており、少なくとも1つの層は複数のプレートの配列を有している。配列中のプレートは、材料基質によって互いに空隙のある関係を維持している。
本発明の耐侵入性を有する繊維は、切断、せん断、切裂、穿刺及び他の侵入力に耐えるために着用される衣類及び保護カバーの製造に適している。この繊維からなる衣類としては、医療、産業、研磨、アウトドア及び侵入力が加えられるその他の環境において着用されるグローブ等の保護衣料が挙げられる。本発明の繊維が抵抗しうる侵入力の例には、高速回転ブレード等のブレードや鋸による切断;はさみやブレードによるせん断;ナイフや、鋭い刃、研磨性若しくは鋸状の歯を有する物体による切裂;及び針やピンによる穿刺や貫通が含まれる。
(背景技術)
柔軟性、可撓性、屈曲性、捩り性、及び触知性を有する耐侵入性繊維を製造するために様々な試みがなされてきた。切断、せん断、切裂、穿刺及び貫通に対して耐性を有する本発明の繊維は、これらの必要とされる目的の全てを達成するものである。本発明の更なる利点は、通常のリキッドバリアと共に用いるために容易に適合可能であるという点である。本発明の繊維の更なる利点は、着用者の快適さ、特に、本発明の繊維からなる保護衣類を長期間使用する場合の快適さを高めるために、通気性の材料を用いて製造することが可能であるという点である。
柔軟性、可撓性、屈曲性、捩り性、及び触知性を有する耐侵入性繊維を製造するために様々な試みがなされてきた。切断、せん断、切裂、穿刺及び貫通に対して耐性を有する本発明の繊維は、これらの必要とされる目的の全てを達成するものである。本発明の更なる利点は、通常のリキッドバリアと共に用いるために容易に適合可能であるという点である。本発明の繊維の更なる利点は、着用者の快適さ、特に、本発明の繊維からなる保護衣類を長期間使用する場合の快適さを高めるために、通気性の材料を用いて製造することが可能であるという点である。
本発明の繊維の特に効果的で且つ非常に望ましい用途は、保護グローブ、エプロン、スリーブ、フットウェア及び他の衣料である。本発明の繊維から構成されるグローブ及び衣料の用途は、外科手術用グローブのような、高いレベルの触知性が要求される医療産業用途において見出される。本発明の繊維は、また、釣りや狩りまたそれと同様の活動をするスポーツや野外活動を行う人々にとっても有用である。本発明の繊維から構成されるグローブや衣料は、工場、建設現場、固体廃棄物取扱施設及びその他の危険な環境において、着用者を労働災害から守るためにも有用である。
ナイフ及びその他の切断機器により生じる数多くの負傷により、これらの身体を切断、せん断、切裂及び貫通する道具に対する効果的で且つ使い心地の良い保護バリアへの強い要求がある。更に、身体、死体、衣類又は他の物体を物理的に検査・調査しなければならない公安職員(警察官、消防士、救急隊員及び第一応答者)も、生命にかかわる感染性有機体により汚染されている可能性がある刺激性物体からの保護を非常に必要としている。
現在入手可能である通気性の保護グローブ及び身体防護具は、一般的に編物や織物からなっている。編物や織物は、ナイフのような刃物による切断に対して最小限の保護を与えるが、鋸歯状のナイフ、鋸、鋸歯状の金属やガラスのような研磨性又は鋸歯状の機器に対しては充分な保護を提供できない。また、編物や織物は、事実上、穿刺や貫通に対する保護を与えることはできない。
無孔性、すなわち通気性のない合成物質は、現在入手可能な幾つかの保護グローブ及び身体防護具の構造を構成している。そのような合成物質には、ケブラー(登録商標)のようなアラミド、スペクトラ(登録商標)のようなポリエステルが含まれる。このような合成物質は、弾丸のような身体貫通発射体を止めるときに有効であるかもしれないが、ナイフや他の鋭い鋸歯状の物体による負傷を食い止めるには有効ではない。そのような合成物質は、着用者の肌からの発汗の蒸発を妨げるため、快適ではない。
本発明の繊維の他の利点は、(i)充分な耐侵入性を与え、その一方で(ii)可撓性、屈曲性及び捩れ性により動き易くし、更に(iii)場合によっては、通気性材料から製造され発汗の蒸発を可能とする点にある。また、本発明の繊維をリキッドバリア材料から製造することも可能である。
(発明の開示)
本発明の繊維は、複数の層を並べることにより、可撓性、屈曲性、捩れ性及び任意の伸長性を示し、少なくとも1つの層は、一般に二次元シートを形成するために結合された複数のプレートの配列である。
本発明の繊維は、複数の層を並べることにより、可撓性、屈曲性、捩れ性及び任意の伸長性を示し、少なくとも1つの層は、一般に二次元シートを形成するために結合された複数のプレートの配列である。
プレートは、砕け難く、壊れ難い強靭で、硬く、強い基質からなる。個々のプレートにおける基質の種類及び厚さは、繊維を切断しなければならないか否か等の用途、また、耐侵入性及び抵抗力のレベル及び種類に応じて異なる。
該織物は複数の層を含み、それらの層の少なくとも1つは、複数のプレートの配列を有する。1つの配列中のプレートは、材料基材により、相互の間隔の関係を保っている。
材料基材は、プレートが貼付または添付された結合材料(connecting material)であってよく、配列中のプレートのおのおのの総体部分(integral part)になりえる。結合材料はプレート間を結合し、配列の全体にわたってプレートが互いに離れて配置される。結合材料は、また、織物または周囲のプレートの間の織物の中の1つまたは複数のプレートに衝突するいかなる力をも妨げるという重要な目的に寄与し、それによって、1つのプレートまたはプレートの群から、衝突力の全体の荷重を取り除く。より高密度のプレート材料、より厚いプレート材料、プレート配列の追加の層、より強いプレート材料、またはその他の強力向上性能を有するものの何れを用いた場合も、可撓性、触知性(tactility)、曲げ性、ねじれ性、任意の伸び性が低下し、コストが上昇するが、前記の力の分配により、これらのものの何れもを必要とすることなく、織物の強度が向上する。結合材料は、また、固体プレートの間に高度に可撓性の媒体を供給することにより、プレート配列層の可撓性という重要な性質も付加する。本開示中でギャップと称されるプレート間の間隔を結合材料が提供するという事実により、可撓性は大きな部分で(in a large measure)で必要である。これらの空隙により、プレート間の曲げとヒンジング(hinging)が可能となり、織物に柔軟性を与える。本発明の織物の記載において、結合材料はプレート層の連続部分と称されることがあり、プレート自体はプレート層の不連続部分と称されることがある。
材料基材は、プレートが貼付または添付されたベース材料であってもよく、配列中のプレートのおのおのの総体部分になりえる。ベース材料はプレート間を結合し、配列の全体にわたってプレートが互いに離れて配置される。ベース材料も、結合材料と同様に(ただし、結合材料より低い程度で)、織物または周囲のプレートの間の織物の中の1つまたは複数のプレートに衝突するいかなる力をも妨げるという重要な目的に寄与し、それによって、1つのプレートまたはプレートの群から、衝突力の全体の荷重を取り除く。ベース材料も、結合材料と同様に(ただし、結合材料より低い程度で)、織物に可撓性を付与する。ベース材料は、ベース材料のシートの垂直方向に圧縮性であり得る。この性質は、クリーニング、スクラビング、研磨、またはその他の摩擦目的に、本発明の織物が使用される時のような、特定の用途で望ましいであろう。これらの用途では、プレートは柔軟なベース材料中に沈み込むことができ、クラッキングを防止する。換言すれば、ベース材料はショックアブソーバーのような働きをする。
結合材料とベース材料は、プレート表面の片面または両面をサポートしてもよい。
本発明の織物においては、ベース材料は、結合材料で結合されたプレートの1つまたはそれ以上の層と組み合わされ、サポートを与えることができる。代替的に、プレートの層は結合材料と共に、それ自体のみをサポートすることができ、結合材料と共にプレートの1つまたはそれ以上の追加の層をサポートしてもよい。本発明の織物は、1つまたはそれ以上の結合材料と共に積み重ねられた1つまたはそれ以上のベース材料を含んでいてもよい。該織物は、異なる種類のベース材料と異なる種類の結合材料と、それら各々とプレートの配列との1つまたはそれ以上の組み合わせを含んでいてもよい。これらの層は様々なアレンジで重ね合わせてよく、それぞれの層は様々なプレート構成を有してよい。ベース材料または結合材料は、不織布または織布であってよい。ベース材料または結合材料は、通気性であっても液体に対しバリアーであってもよい。
単一の結合材料の上に単一のプレート層を単一のベース材料と共に有する織物の代表的な製法は、ベース材料の上に結合材料を配することから始まる。ついで、プレート層配列のテンプレートが結合材料の上に配される。プレートの形成に適した物質が、テンプレートのプレートパターン配列を通して結合材料上にプリントされ、テンプレートが取り除かれる。プレートの物質に応じて、硬化やその他のパターニングの後の処理をプレートに施してよい。
結合材料が弾性材料の場合は、織物の伸張度は限定されなければならない。織物が過度に伸張すると、プレートの間隔が大きくなり、望ましくない浸入が許容されてしまうことがある。伸張を制限するためのアレンジが幾つか利用できる。弾性の結合材料に非伸張性の繊維を貼付し、織物が伸張されていない状態では、繊維がたるみを持つようにする。織物が伸張すると、このたるみが減る。最終時点では、非伸張性の繊維のたるみはなくなり、弾性体のさらなる伸張を繊維が防止する。過度の伸張を制限する他の手段としては、プレート配列の選択された部分に非伸張性または伸張制限性の結合材料を、織物の最終用途をよく考慮して使用することが挙げられる。
本発明の織物は、物体の上にかぶせるように作ることができる。または、織物を、切断用、剪断用、またはスラッシング(slashing)用の器具を包んで保護し、それらの器具の鋭利なエッジ表面が損傷するのを防止したり、人間や周囲の環境に損害を与えるのを防止するように使用してもよい。
本発明の織物は、物体の上にかぶせるように作ることができる。または、織物を、切断用、剪断用、またはスラッシング(slashing)用の器具を包んで保護し、それらの器具の鋭利なエッジ表面が損傷するのを防止したり、人間や周囲の環境に損害を与えるのを防止するように使用してもよい。
本発明に係る繊維は、様々な応用のためのデザイン、強度、大きさ、及び他の規格を満足する必要はあるが、複数の異なる材料を含んでいてもよい。本発明に係る繊維の大きな特徴は、プレートそれ自身は硬いものである一方、結合材料は高度に柔軟性、屈曲性、ねじり性、及び、伸張性を有することである。換言すれば、本繊維は局所的に硬く(すなわちプレートが硬い)という特性を有する一方、硬いプレート間の結合材料の柔軟性とベース材料の軟らかさ及び柔軟性に起因した、繊維の広がりを通した広範囲に及ぶ柔軟性を維持する特性を有する。さらに、本発明の繊維は、覆われる筐体や物品に対する比較的な柔軟性及び順応性を示す。適当な液体バリア層(liquid barrier layer)の付加または耐液性物質での繊維の処理によって、繊維における流体の移動が妨げられる。
本発明のさらなる目的及び利点は、以下に記載された本明細書の発明の詳細な説明の記載によって、当業者にとって容易に明らかになるであろう。本発明を解説するために、本明細書の発明の詳細な説明は、本発明のいくつかの実施形態を開示し、説明するものである。しかし、本発明の繊維は、本発明の範囲を離れることなく、本繊維の種々の使用の要求に合致するようなそれの構成要素の多数の配列が可能であることが理解されるであろう。例えば、本繊維はプレート配列の一つまたはそれより多くの層を使用してもよい。本繊維のプレートの幾何配列は、いかなる一つの層においても、また複数の層に及んでも、同じであっても異なっていてもよい。プレート層配列、ベース材料、及び結合材料の種々の積層が、本発明の繊維を含んでよい。従って、図面及び発明の詳細な説明に記載された本発明の記載は、本質として解釈されるものであって、限定されて解釈されるものではない。
(発明の詳細な説明)
(序章)
本発明の主要な目的は、高い度合いの織物可撓性を同時に維持する一方で、より優れた貫通抵抗性を有した織物を提供することである。所期の用途に応じて、本織物はまた、研削抵抗性(abrasion−resistance:磨耗抵抗性)、研削性(abrasiveness:磨耗性、摩損性)、増強されたグリップ特性、通気性、及びその他の望ましい特性をもたらすように構築することもできる。
(序章)
本発明の主要な目的は、高い度合いの織物可撓性を同時に維持する一方で、より優れた貫通抵抗性を有した織物を提供することである。所期の用途に応じて、本織物はまた、研削抵抗性(abrasion−resistance:磨耗抵抗性)、研削性(abrasiveness:磨耗性、摩損性)、増強されたグリップ特性、通気性、及びその他の望ましい特性をもたらすように構築することもできる。
用語の説明
本発明の織物の理解を助けるために、本開示において使用されている用語の幾つかについて説明が提供される。これらの用語の説明は、これらの用語についての規定又は徹底的な説明のいずれも意図していない。それらの用語の十全な理解は、当業者によるそれらの用語の一般的理解と共に、本発明について書かれた明細書全体、図面、及び、本開示中に記載された特許請求の範囲といった説明から得るべきである。
本発明の織物の理解を助けるために、本開示において使用されている用語の幾つかについて説明が提供される。これらの用語の説明は、これらの用語についての規定又は徹底的な説明のいずれも意図していない。それらの用語の十全な理解は、当業者によるそれらの用語の一般的理解と共に、本発明について書かれた明細書全体、図面、及び、本開示中に記載された特許請求の範囲といった説明から得るべきである。
「有孔部」(“aperture”:開口部、開口、穴)とは、2つ以上のプレート層が互いの上に載置されているときに、いずれのプレートにもカバーされていない織物の領域を指し、又は言い換えると、互いの上に載置された2つ以上のプレート層を有する織物の中で隙間が重なり合っている領域である。
「有孔プレート」(“aperture plates”:開口プレート、開口板、アパーチャプレート)とは、通常、防護プレートより小さな領域を有し且つより小さな織物の広がりをカバーしているプレートである。一般に、有孔プレートは、載置された複数の防護プレート層によりカバーされていない有孔部をカバーするように、位置決めされる。
「母材」(“base material”:基礎材料、ベース材料、基材)とは、一般的に不織布であるシート状材料を指す。結合材料を有した層は、母材上に支持され得る。母材は、織物の引裂に対する抵抗性、及び総体的な強度を織物にもたらす。母材は、本発明の織物から作製された最終製品の使用に応じて、他の特性の中でもとりわけ、可撓性、強度、プレート物質との接合特性、圧縮性、液体不透過性、耐薬品性、通気性、及び洗浄性に関して選択され得る。母材は、水平な一体化及び任意選択による垂直な一体化を織物にもたらす。複数のプレートが母材上に確立されたとき、母材が結合材料を支持しているか否かに関わらず、母材は、プレートの物質が母材中に浸透すること、及び/又は母材に接着することを可能にする。母材は、複数のプレートとの最適な接合を実現するためにプレート物質が浸透していてもよいが、必要なことではない。母材に適した材料の例は、ナイロン、ポリエステル、ポリアラミド、アクリル、及びセルロース材料である。
「結合材料」(“connecting material”:連結用材料、連結材料、接続材料、結合材、連絡材料)とは、多孔質可撓性材料を指す。結合材料は、緩く織られた織物であってもよいし、または、繊維若しくは紐(band)のウェブであってもよい。本発明の特定の織物に関しては、複数のプレートの配列が結合材料上に確立される。特定の本発明の織物に関しては、結合材料は、母材上に支持されてもよい。適切な結合材料の代表例は、ポリエステルシフォン(chiffon)である。結合材料は、その多孔度及び可撓性に関して選択される。結合材料はまた、ある層の中の複数のプレート間の結合を実現するその能力に関しても選択されるし、個々のプレートに及ぼされた剥離応力に対するプレートの抵抗性を、単一のプレート又は数枚のプレートへの剥離力の集中ではなく、複数のプレートの配列の全体にわたっての剥離力の拡散により増強するその能力に関しても選択される。これらのプレートが結合材料上に確立されたとき、結合材料が母材上に支持されているか否かに関わらず、結合材料は、結合材料中に、プレートの物質が浸透すること又はプレートのための接着剤の接合が入り込むことを可能にする。
「織物」(“fabric”:布、繊維)とは、本開示の本発明の織物を指す。それは、少なくとも1つの層の並べ方であり、ここで、この層は、規則化された複数のプレートの配列である。各プレート配列は、ある材料により、所定の位置に維持及び安定化されている。各プレート配列は、結合材料の上、母材の上、又は母材上に支持された結合材料の上に確立され得る。
「隙間」(“gap”:間げき、ギャップ、間隔)とは、プレートによりカバーされていない、プレート層の中の領域である。
「防護プレート」(“guard plates”:防禦プレート、保護プレート、ガードプレート)とは、通常、有孔プレートより大きな領域を有し且つより大きな織物の広がりをカバーしているプレートである。
用語「層」は、結合材料または母材に埋め込まれた複数のプレートの配列を指す。あるプレート層において、複数のプレートはお互いに直接連結していない。結合材料または母材は、ある配列において、複数のプレートの位置を互いに対して維持しており、かつ隣接した複数のプレート間の隙間を維持している。
「プレート」(“plate”:板)とは、個々の板状物体を指す。プレートは、任意の適切な形状を有し得る。プレートは、一般に平板状であるが、必要なことではない。本発明の貫通抵抗性織物中では、プレートは、貫通抵抗性物質から構築される。プレートは、任意選択により、増強されたグリップ及び研削抵抗性等、その他の特性を有し得る。プレートという用語は、防護プレートと有孔プレートの両方を指す。
用語「レジストレーション(registration)」は、重ね合わせまたは積み重ね、お互いに適当な関係の位置における2つ以上のプレート層を言及しており、それにより抗浸透性布に針状物またはナイフ状物に対する最大の切断および穴あけ抵抗性が提供される。一般的に、プレート層をお互いに重ね合わせ、布のサイズおよび空間を最小にする。
用語「材料」は、スタッフ(staff)、マター(matter)またはプレートが例えば元素、化合物アロイまたは組成物によって構成される構成部分を言及している。材料は、強じん、硬質および強度があり、適用によりもろくまたは壊れない。材料のタイプおよびプレートの厚さは針浸透抵抗性、切断抵抗性、および出合う力のレベルによる他の力に対する抵抗性によって異なる。
(発明の原理)
本発明の織物の代表的な態様は、各層の中にある基材とまたは基材および結合材の被覆とに結合された各層内の保護プレートと保護プレートの多重層を含む織物である。保護プレートは透過に対する抵抗のためおよび場合によりグリップ増強および耐摩擦性の追加された特徴のために選択された物質から製造されている。その基材は、引き裂きおよび過剰伸張に対する抵抗を含む、全体強度をその織物に与える。それはその柔軟度ならびに強度のために、そのプレート物質との結合する能力のために、およびその他の望ましい特徴のために選択される。その他の特性、例えば、通気性および洗濯適性、は本発明の織物からから作られる最終製品の用途に応じて、その基材のために重要になることがあろう。結合材はその多孔性と柔軟性について選択される。ある層内におけるプレート間の結合を与える能力について、およびそのプレート配列と基材との間の結合の強さを増す能力についてもまた選択される。
本発明の織物の代表的な態様は、各層の中にある基材とまたは基材および結合材の被覆とに結合された各層内の保護プレートと保護プレートの多重層を含む織物である。保護プレートは透過に対する抵抗のためおよび場合によりグリップ増強および耐摩擦性の追加された特徴のために選択された物質から製造されている。その基材は、引き裂きおよび過剰伸張に対する抵抗を含む、全体強度をその織物に与える。それはその柔軟度ならびに強度のために、そのプレート物質との結合する能力のために、およびその他の望ましい特徴のために選択される。その他の特性、例えば、通気性および洗濯適性、は本発明の織物からから作られる最終製品の用途に応じて、その基材のために重要になることがあろう。結合材はその多孔性と柔軟性について選択される。ある層内におけるプレート間の結合を与える能力について、およびそのプレート配列と基材との間の結合の強さを増す能力についてもまた選択される。
本発明の織物の複合物特性は、局部的に(すなわちプレート水準において)固い、破壊および切断に抵抗力ある板の特徴を実現することを可能にする。同時に、その織物は全体的(すなわち隅から隅までの)軟らかさおよびその軟らかさの度による可撓性、および基材と特定の用途のために選択された結合材の可撓性を示すことができよう。
材料の慎重な選択により、本発明の織物は広い範囲の弾道下衝撃力に抵抗することができる。この織物はその本来の設計により衝撃力に抵抗するように設計されない。大型のそして極めて高速度の弾道衝撃力は、弾道衝撃は高度の引っ張り伸びおよび銃弾の大きさよりも遥かに広い範囲にわたるストレス波エネルギーの消散を含むことを指令する。このことは、弾道抵抗材料は高い引っ張り強度、弾性率、破壊に対するエネルギーを有する繊維を使用しなければならないことを決定的に重要とならしめる。類似の状況は先の丸い試料による織物に孔をあける際におこる。もし先の丸い試料の先端の大きさは十分に大きければ、貫通の支配的様式はその織物の中の繊維の伸張と破断である。ある織物を通す針の貫通の過程において、その針の鋭い先端は単に織り糸の間の隙間を広げることにより織物を貫通することができる。したがって、針の貫通の過程は、必ずしも織物繊維の引っ張り伸張と破断を含まない。その設計哲学は基本的に異なるものでなくてはならない。
貫通抵抗を与えるために、一つの手段は、針またはその他の貫通器具が孔あけ抵抗プレートに出会う確立を増すために貫通抵抗プレートによる高度の掩蔽を得ることである。本発明の織物はプレートは三層のプレートによる100%のプレート掩蔽を与えるであろう。用語「プレート」は防禦プレートおよび有孔プレートの両方をいう。典型的には、それらの三枚のプレートはまた100%の掩蔽を達成するために精確に大きさをとりかつ配置されなければならない。それらの織物は図1−4、図5−8、図11と12、図18と19、図20と21、図22−24、および図25と26に図示されている織物はすべて三層集成体である。これらの三層集成体は織物表面に対し垂直方向に100%のプレート掩蔽を達成する。
図9と10、図13−15、図16と17、図28と29、図31と32は二層集成体である。二層集成体による織物表面のプレート掩蔽は100%ではないけれども、その織物の解放部分はただ数パーセントに制限されることができる。これはプレートとの大きさの比率、開孔の位置を調整することにより、および開孔の大きさを最小にするために二つのプレートを相殺することによりなされる。例えば、図9−10の正六角形の掩蔽プレートにおいて、その六角形の掩蔽プレートのより小さい直径は80ミルであり、そして隣接する掩蔽プレートの間の隙間は12ミルである。その結果は、記載された二層集成体の織物の解放面積は約3.4%である。さらに一層内の隣接するプレートの間の隙間の大きさを調整して二層集成体の織物における開孔の大きさを探り針の直径よりも小さく減らすことができる。開孔の大きさの最小化は開孔位置における開孔抵抗を増加させる利益を有する。本発明の織物の三層集成体と比較すると、二層集成体は製造コストがより小さい。二層集成体にとって最適の登録を達成しかつ維持することは重要である。例えば、正六角形プレートのための開孔の大きさは集成織物におけね各層の異なる抵抗のために著しく変動し易い。
図27はワイヤーメッシュを使用する強化防禦プレートを製造する方法を示す。典型的には、ワイヤーメッシュは金属であるが、その他の材料も用途により使用されることができよう。図27の織物はポリマーの防禦プレートのための強化材としてワイヤーメッシュを使用して製造されている。そのワイヤーメッシュは樹脂の硬化の前に防禦プレート樹脂の中に埋めこまれている。その方法は接続する材料の上にワイヤーメッシュを置くこと、そのワイヤーメッシュを含む複合体の上に防禦プレート樹脂を注ぐこと、ワイヤーメッシュを繋ぐ材料の組合せの上に防禦プレートの配列の形に模様づけされたホトマスクを置き、そのホトマスクが防禦プレート配置に孔を有するようにすること、その防禦プレートを紫外光により硬化させること、防禦プレートの間に(隙間に)ある未硬化の樹脂を洗いさること、および防禦プレートの間に(隙間に)ある露光されたメタルメッシュをエッチングで除去することなどを含む。この方法により製造された織物は、隙間の間にそして防禦プレートを通して広がっている、接合材により接合された一連のメタルワイヤーメッシュ強化防禦プレートを有する。
この開示において、本発明の織物の実施態様は、ときには引用の容易のために記号SF11,SF12,SF13などにより引用される。
八角形および四角形配置は、層の位置合わせが予定された初めの位置から離れているときに開孔の大きさの変動における感度が著しく減らされる利点を有し、それはより大きい抵抗の許容差を許す。例えば、正八角形―四角形防禦プレートにおける図16と17(SF18)において、八角形防禦プレートの直径は80ミルであり、そして隣接する防禦プレートの間の間隔は12ミルである。この位置合わせされた二層の織物集成の孔面積は約3.4%であり、図9と10(SF18)の織物の二層六角形配置のそれと同じである。しかし、SF15とSF18の多層織物における開孔の大きさと密度は異なる。SF18の二層八角形と四角形の配置はSF15の二層六角形配置よりも小さいが多数の開孔を有する。同じ防禦プレートと開孔の大きさについて、SF18の織物における個々の開孔の大きさはSF15の織物についての開孔よりも約80%小さくかつ多数である。
本発明の織物用のプレート材料としてポリマー樹脂が適当である。ポリマー樹脂をプレート物質として選択するとき、ポリマー樹脂と母材との間に強固な接合を確保することが重要である。プレートの構築に適したポリマー樹脂は、(i)織物の用途に適した穿刺抵抗性及び切断抵抗性をもたらし、(ii)スクリーン印刷可能であり、(iii)可撓性でありながら強固でもあり、(iv)母材に結合することができ、(iii)印刷及び硬化中に良好な形状の画定を有するように配合された、一液型熱硬化性エポキシ樹脂である。このような樹脂は、これらの基準を満たすように容易に配合され、例えば、Fielco Industries, Inc.、1957 Pioneer Rd.、Huntingdon Valley、PA19006から入手可能であり、これは、この段落に記載された特性を満たす樹脂を配合しており、TR21(及びTR84)という名称をそれに与えている。適切な母材は、Clarino America Corp.、489Fifth Ave.、31st Floor、New York、NY10017から入手可能なAmara(登録商標)等、不織布型ポリウレタン及びナイロン合成皮革である。他の適した材料は、織布及び不織布材料、ナイロン、ポリエステル、ポリアラミド、アクリル、セルロースおよび同様の材料を含む。
ガードプレートおよび開口プレートは、とても細く、織物が使用されるためのおよびそれが設計されるためのタイプおよびレベルのカット力により起こるのと同等の浸入力に対して抵抗性のあるように選択された物質である。
複数のポリマー樹脂プレートが母材上に直接印刷されたならば、これらのポリマー樹脂プレートは、プレートが使用中に剪断力又は研削力を受けたときに容易に剥離(debond)する傾向があるのは公知になっている。しかしながら、プレート層配列を確立する前に結合材料の層が母材の上に敷かれた場合、プレート層と母材との間の接合が顕著に改善されることが、本発明によって予期せず発見された。例えば、結合材料は、母材の頂上に並べられる。プレート層配列は、結合材料の頂上にプレート層配列のテンプレートを配置し、適切なポリマー樹脂を用いてプレート層配列を印刷することによって確立される。ポリマー樹脂は、結合材料に完全に浸透し、母材の表面部分に浸透し続ける。これにより、結合材料が、プレート層配列の一体部分になる。これらのプレート及びプレート層配列の一体部分としての結合材料による、配列の個々のプレート間の相互結合のため、個々のプレートを剥離させる傾向がある、織物表面上に及ぼされるあらゆる力は、結合材料を介した個々のプレートの互いへの結合により消散される。
接続材料は、多孔質の可とう性材料であればいかなるものでもよく、その材料はウェブとしてみなされることがある。接続材料は、その中にプレート材料が一体的に接合することのできるような材料であればいかなるものでも良いかも知れない。適切な接続材料は、市販されている典型的なシホン(chiffon)であればいかなるものでもよい。接続材料によって、隣接する諸プレートの間の織物の表面に加わる(摩擦力を含む)あらゆる力は分散する。接続材料によって与えられる横方向の接続によって、各々の、個々のプレートによる剥離性応力ボーン(debonding stress borne)は減少する。接続材料は、層状態の諸プレートの間に相互接続与えるその接続材料の能力と、諸プレートと基材の間の結合力を高めるその接続材料の能力とによって選定される。それらプレートは、接続材料の上に、また、接続材料によって形成されるのであるから、接続材料が存在することによって、各プレートを、繊維のネットワークで補強するという更なる利点が提供される。接続材料を基材と一緒に使用すれば、織物の耐破壊性及び切断抵抗が高められることが実証される。
本発明による織物は、織物の表面に対して約90°の角度で(実質的には90°未満の角度で)織物上に突き当たる針に対して、針穿刺抵抗を与えることができる。貫入の可能性は、低角度の針又は類似のプローブより大きい場合がある。低角度の針は、プレートを織物表面から引き上げる傾向、又は、隙間を通って頂部の織物層の下に貫入する傾向を持つ場合がある。諸プレート間の隙間大きさ;重なった諸層における空領域;及び、織物の諸層間の縦方向の距離;を最小限に維持することによって、低角度貫入(low-angle penetration)に対してさえも、貫入抵抗が高まる。図32は、織物の諸金属プレート間にほんのわずかに貫入した後、織物の1つの態様によって停止している、医療用途に使用されるタイプの針を表わしている。
隙間の最小大きさは、保護プレートに使用される材料と、保護プレートの厚さとに左右される。通常、隙間の大きさは、可とう性を維持するために、保護プレートの厚さより小さくてはいけない。保護プレートの厚さは、ポリマーで5〜20ミル、金属で1〜5ミルの範囲である。諸層の間の縦の距離は、両方のミル以下にして、角度貫入(angle penetration)の可能性を低下させ、同時に、それら層の間の接着結合強度を依然として十分に維持しなければならない。
本発明の織物の種々の諸特性は、相互にバランスが取れていて、所望の、織物の全体的な可とう性を確保しなければならない。
貫入抵抗を達成するためのもう1つのアプローチは、わずか1つの層の貫入抵抗性プレートを使用することである。このアプローチには、織物の可とう性が一層大きくなる可能性があり、複数層アプローチの場合よりも製造が容易になるという利点がある。諸プレートの複数層が存在しないために、複数層アプローチの場合に比べて、ガス空間が高い割合で残される。しかし、その隙間大きさが、典型的なプローブの先端の構造(geometry)及び大きさに関して、十分に狭いとき、その隙間の位置でさえ、著しいレベルの貫入抵抗を期待することができる。
図32は、金属の保護プレートを用いている、単層の貫入抵抗性織物の事例を示す。図32において、密接な間隔で配置されている金属保護プレートは、可とう性接着剤によって基体(substrate)に結合されている。基体は、基材;又は、接続織物と基材とを組み合わせたもの;である場合がある。保護プレートとして金属を使用する利点は、諸プレートを著しく薄くすることができ、同時に、著しいレベルの貫入抵抗を提供することができることである。例えば、静荷重に関し、2ミル厚さの304ステンレス鋼シートは、21ゲージ(21 gauge)医療針に対して穿刺抵抗性がある。なぜなら、その金属が破損する前に、その針は曲がるからである。これによって、織物全体の可とう性を損なうことなく、諸保護プレート間の隙間を2ミルもの狭さにすることができる。
図32に示す通り、21ゲージ医療針の先端は、26°の角度で切断されている。このことは、その針が材料の中に2ミル貫入すれば、その材料の断面の大きさは1ミルだけ広げられることを意味する。21ゲージ医療針が、幅2ミルの隙間に直接突き刺されば(図32)、その先端が2枚の金属保護プレートの端にぶつかるとき、その先端は4ミル貫入する。説明を更に進めると、その針は、(i)金属プレートを変形させるか若しくは層間剥離させるか、又は(ii)下層の基体を引伸ばす必要がある。さもなければ、金属の保護プレートによって押しつぶされるであろう。金属プレートを変形させることによって、実質的な抵抗を受ける。基体が、引伸ばし(stretching)に強く抵抗するように設計され、また、金属を基体に結合するのに強い接着剤が使用されるならば、単層織物に対して、高レベルの貫入抵抗を期待することが可能となる。ここに、基体は2つの機能:即ち、基体によって横方向寸法に関する全体の完全性が保持され、また、基体によって厚さ方向におけるクッションを与えて、針が織物を完全に貫入する前に、針が著しい抵抗に遭遇するという機能を与える。
積層化(結合)及びエッチングから成る2段階プロセス(two-step process)は、金属の保護プレートを用いた単層織物を造るのに使用される。金属シート(例えば、2〜5ミル厚のステンレス鋼)を、可とう性基体[例えば、シホン織物、合成皮革 アマラ(Amara)]に結合する。両方の側面にフォトレジスト膜を施し、金属にはエッチングを行って、途切れ途切れの(disconnected)保護プレートにする。エッチング技術によれば、隙間の大きさは、金属シートの厚さまで精確に制御することができる。これによって、隙間が非常に狭く、著しく強固な保護プレートの組み合わせ物が製造される。
切断抵抗に対する100%のプレート適用範囲は、穿刺抵抗の場合ほど重要ではない。切断抵抗性織物に対しては、それらプレートを切断抵抗性材料で造ることが重要である。本発明の切断抵抗性織物のプレートのための優れた切断抵抗性物質の例は、無機物粒子又は金属粒子で強化された、金属、セラミック及びポリマー樹脂である。適切なポリマー樹脂は、一部加熱硬化性(one-part heat-curable)エポキシ樹脂[この樹脂は、「フィールコ工業社(Fielco Industries, Inc.),1957 Pioneer Rd.,Huntingdon Valley,PA 19006」によって、種々の織物の適用性に関するニーズを満足させるように調製することができる];又は、例えば「ITW Devcon,30 Endicott St.,Danvers,MA 01923」製の「Devcon PlasticSteel(登録商標)パテ(Patty)(A)」のような、金属充填済みエポキシパテ若しくは無機物充填済みエポキシパテ;である。
切断抵抗に関しては、プレートによって被覆されていない、織物の直線領域が全く存在しないことも重要である。従って、決定因子は、(i)それらプレートのパターン、(ii)それらプレートの形状、(iii)それらプレートの大きさ、及び(iv)それらプレート間の隙間の大きさを選定することにある。織物の具体例を設計する場合、これらの相互関連因子の全てを制御して、露出した非被覆織物の直線部(即ち、諸プレートによって覆われていない、織物の直線部)が確実に全く存在しないようにしなければならない。例えば、図9の保護プレート層に見られるような、六角形パターンによって、[プレート]対[隙間の大きさ]比が十分に大きい優れた事例が提供される。
柔軟性は本発明の好結果の織物に対する別の重要な属性である。多数層織物では、各プレート層は柔軟でなければならない。基礎物質および連結物質の柔軟性、プレート幾何学および寸法、およびプレート間の開口寸法のすべてが織物の柔軟性に寄与する。本発明織物の全体的柔軟性に対する重要な調整要素は層の統合、すなわち相互に重ねた層の位置および接着剤の位置、密度および物質の統合である。キュアリングした接着剤は柔軟のままでなければならない。SF11(図1〜4)およびSF12織物(図5〜8)では、指示スポットにおける層の接着は説明したプレート整列により織物に対し最高柔軟性を達成する。図1〜8で説明した接着案は、接着剤が異る層でプレートを相互に連結しないことを注目せよ。接着剤は単独では連結および/または異る層の基礎物質間で相互連結する。この配列は織物の柔軟性を増強し、最高化する。一般に、本発明の2層織物は3層織物より一層柔軟性である。織物に付加的層の存在は侵入抵抗性、特に低角度侵入に対し増加する。しかし、付加的層の存在は、多数層のプレート間の最小開口寸法を維持するために層間に一層正確な登録を必要とする。層およびプレート間の相対的移動は相互結合を切断し全体的柔軟性を最高化できる。相互結合の切断は連結および/または基礎物質の柔軟性に多くは基づく。双方のこれら物質は織物の各層を引き伸ばす。接着は他の層に対する1層の伸びを限定し、しかし接着は隣接層のプレート間では生ぜす、連結および/または基礎物質間で起こる事実のため多数層織物の望む柔軟性を阻害する程ではない。
SF15(図9〜10)、SF17(図13〜15)およびSF22(図18〜19)のような織物では、ある厚さの基礎材料は、異なるプレート層に対して支持を与える。連結材料は各々の層のガードプレートを相互間の相対的位置に保持する。比較的柔らかい基礎材料の厚さは、基礎材料によって隔てられている層内のプレートの動きの間の干渉を制限するクッションとして機能し、このため織物の可撓性が増大する。
本発明の織物は液体バリアーを付与するように構成されることもできる。織物に基礎材料が使用される場合、基礎材料そのものは液体不透過性であってよく、あるいは基礎材料そのものが、シリコーンおよびポリウレタンのような商業的に入手可能な適切な任意の液体不透過性コーティングによって処理されてよい。あるいは別に、織物そのものが、追加的な液体不透過性バリアー層、例えばラテックスまたはポリウレタンによって構成されることができる。
本発明の織物が使用される環境次第で、通気性も、織物の他の重要な特性であり得る。複数のプレート間の隙間では、結合材料が非常に多孔性であるので、結合材料のみを用いる層で構成される織物は本来的に通気性を有する。母材を使用する層によって構成される織物の場合、母材が通気性であるように選定されるならば、その織物は通気性である。
織物の局部的特性(硬い)および全体的特性(しなやか)のため、上記した耐透過性に加えて、好ましい他の特質を織物に含ませることが容易になる。例えば、プレートのためのポリマー樹脂は、織物と木材、鋼、魚、ガラスまたは他の表面との間の静摩擦を最大にするように選定することができる。静摩擦は、把持することが重要な考慮事項である産業用途および戸外スポーツ用途のための手袋において特に重要である。ポリマー樹脂プレートを摩擦係数が大きい材料で被覆すると把持強度をさらに増大することができる。従って、応用における把握に必要な摩擦に適合するプレート材料を選定することにより、特定のそれぞれの応用に対して手袋を特別誂えすることができる。把握強度が大きい様々な応用に対して樹脂を処方するのは容易である。Fielcoはステンレス鋼の表面に対して良好な把持をもたらす樹脂をたやすく処方した。Devronはメッキ鋼の表面にたいして良好な樹脂を提供している。本発明の織物の有用な製品の別な例は、擦過性を最大にするために企図された特別にインプリントされたプレートを有する可撓性の清拭布である。例えば、擦過性表面を付与するために金属充填剤を有するポリマーを使用することができる。本発明の擦過性織物は、連結材料の被覆層を有する基礎材料上に作成された単一プレート層配置であってよい。好ましい織物の手袋、モップ、布、パッドまたは類似の物品は比較的硬い表面を清拭するのに好適である。好ましい擦過性の織物は、湿式または乾式研摩にも役立つ。本発明の織物のプレートの擦過特性および基礎材料の可撓性は、最終製品に望む使用特性に従って、やはり個別的に最適化されることができる。基礎材料のしなやかさおよび圧縮性は、擦過性を目的として使用される織物を設計するのに特に重要であることが見いだされている。擦過性織物が擦過されるべき表面に沿って移動するにつれ、個々のプレートが基礎材料中に圧入されることができ、従って、擦過された表面の凹凸に適合する。この圧縮特性がないなら、擦過性織物は、擦過された表面上を滑らかに動きそして、清拭であるにせよ研摩であるにせよその機能を果たす能力がさほど効果的でないであろう。
織物の構造に関する詳細な説明
織物の構造に関する詳細な説明
本発明の耐透過性織物の様々な態様の構造に関する以下の詳細な説明は、当業者が本発明を実施しまた使用することを可能にし、また本発明を実施するのに本発明者が最善と考える方式について記載する。しかしながら、本発明の織物に関して記載する態様の様々な変形は、本発明の原理がここに行う記述中に規定されているので、当業者には容易に明らかになろう。
本記載では織物の態様は、指示を容易にするために時によってはSF11、SF12およびSF13などの呼称によって指し示す。
図1から4は本発明の発明的特質を表す3層織物10の態様、SF11を示す。図1から3に見るごとく、十字架状の同一な保護プレート12が互いに隔てられて位置し、また連結材料15を有する第1の保護プレート層14中に配列されている。十字架状プレート12の4つの腕はすべて同じである。第2の保護プレート層18は層14と同じであり、やはり連結材料15を有する。2つの層14および18は重畳されまた、第1および第2の層14および18の間のプレート間間隔20のレジストレーション(registration)を最小にするように互いに配置されている。図2に見るように、この配置では、プレート間間隔20は、角が丸くなった概ね正方形の形状の開口22の相互連結的でない網状構造を形成する。図4Aおよび図4Bは、それぞれ図1および3の直線AおよびBに沿って得られた図1から3のSF11織物の断面図であり、保護層12の第1および第2の層14および18を示し、また層14および18を相互に結合するための結合スポット27の位置を示し、また層24を層18に結合するための結合スポット29の位置とともに開口プレート26の第3の層24を示す。図4Aに示す層14および18の間の垂直方向の間隔は、例示のためだけに図4Bに示す間隔とは異なる。結合スポット27および29は、それらが互いにそのまま垂直線上にあることがないように、それぞれ位置されていることに留意されたい。このことによって織物の可撓性が強化される。さらに、結合スポットは、結合されている層を連結する露出した材料が重なる位置にある。可撓性を維持するために、結合は2つの硬いプレート間でなくこれらの位置で行われる。
図1は、連結材料15を有する円形の開口プレート26の層24が上にある、重畳された保護層14、18を示す。図4Aおよび4Bは、連結材料5の置きかたを一層よく説明する。層24は、開口プレート26が、第1および第2の層14、18の間のプレート間間隔20の上にあってそれを覆うように、重畳された層14および18の上に位置する。図2および4Bは、開口プレート26の層24を保護プレート12の層18に取り付けるための結合スポット29を位置決めを示す。図1および3に見るとおり、層14および18の保護プレート12と層24の開口プレート26とは織物10全体を一緒に覆う。図3は図1と本質的に同じであるが、ただし第1の保護プレート層を第2の保護プレート層に結合するための結合スポット27の位置が示されている。
SF11織物はシフォン織物を金属フレームに取り付けることにより製造することができる。プレートの配置の形状(例えば六角形)をしたパターンを有するステンシルがシフォン上に置かれる。シフォンは剥離フィルムで裏打ちされ、そしてステンシルを通じてポリマー樹脂(本明細書で一層詳細に記載されるようにFielcoまたはDeveonによって処方されることができるような)によって印刷され、シフォン上に保護プレートまたは開口プレートが形成される。樹脂は通常、シフォンを通過して浸透しプレートをシフォン内に機械的に固定する。印刷された樹脂は次いで硬化され(樹脂の仕様に従って要求されるであろうように、熱、室温、水分、または紫外線)、そして剥離フィルムが除去されてプレート層が形成される。織物を使用すべき応用によって必要とされる設計パラメータに応じて、多層のプレートが互いに積層されてよい。プレート間間隔を最小にする(つまり、層の積層物全体を通じて伸びる穴の数および寸法を最小にする)ための層相互間の適切なレジストレーションを達成するために、金属フレームは層を適切にずらすためのレジストレーション用の穴を含む。本明細書中に記載する織物の他の態様を製造することに関して、この製造方法は当業者に容易に明らかになるであろういくつかの変形または追加的工程を用いて適用可能である。プレート層を製造するための別法の例では、プレートを作成するためにステンシル法でなくフォトマスク法が用いられる。この方法では、金属のレジストレーションフレームに連結材料のシートが取り付けられ、ついで連結材料が剥離フィルム上に取り付けられる。次に紫外線硬化性樹脂が連結材料のフレーム側に注入される。樹脂の上に別な剥離フィルムが置かれそして樹脂が拡げられて、連結材料を内に埋め込んだ薄いフィルムがつくられる。フィルムの厚さは典型的に5〜10ミルの範囲であり、また樹脂を拡げるのに用いるブレードを加圧することにより制御できる。次にフォトマスクを剥離フィルム上に置き、そしてクリップを用いて組み立て物全体を互いに固定する。マスクによって遮断されなかった樹脂は次に紫外線ランプ下で硬化される。樹脂の硬化されていない部分は、次にアルコールのような有機溶媒を使用して洗浄除去される。乾燥の後プレート層が得られる。フォトマスク法は慣用のスクリーン印刷と比較し、部分間の間隙寸法の解像制御がより良いという利点がある。同一のフォトマスク法を使用するとして、紫外線硬化性樹脂はグラスファイバーと予め混合されることができる。洗浄工程の後、プレートの間の間隙にグラスファイバーがいくらか残留するであろう。このグラスファイバーをエッチングで除去するために追加的なエッチング工程が用いられる。ガラスで強化されたプレートは強力化されており、また破裂および切断への耐性が一層大きい。
図5〜8は、本発明の、SF12とも認められる、織物の実施態様30を表すものである。SF12織物は、SF11織物10におけるのと同じ層から構成されるが、この層は異なる配置で互いの上に重ね合わせられている。図5に見られる通り、同じ十字形の形をしたガード板12は、互いに間を置いて、接続物質15と共に、第一のガード板層14中に配向させられて、ガード板12の配列を維持している。十字形のガード板12の全4つのアーム16は、同じである。第二のガード板層18は、ガード板12の配列を維持するために、接続物質15も有し、層14と同一である。2つの層14及び18は、重ね合わせられ、互いに配向させられて、第一の層14と第三の層又は最上層18との間の、板間の間隔20の記載を最小限にしている。開口板26の配列を維持するために、接続物質15を有する環状の開口板26の第二の層24が、層14及び18の間に挿入されている。図5及び7において見られる通り、層14及び18のガード板配列12、及び、層24の開口板26は共に、織物30の全体を覆っている。
図8A及び8Bは、図5〜7のSF12織物の断面図であり、第一及び第二のガード板層14及び18、並びに、開口板26層24を示しており、それぞれの層はガード板層18及び14、並びに、開口板層24を維持するために、接続物質15を有している。層14及び24を互いに結合するための結合点27、及び層24及び18を互いに結合するための結合点29が、図8Bに見られる。図6もまた、結合点29の位置及びデザインを示すものである。
図1から図8、特には図4A、4B、8A及び8Bの断面図は、板12及び26の層14、18及び24のそれぞれが配列される接続物質15を示すものである。接続物質15は、模様、及び様々な層14、18及び24の板12及び26の板間の間隔を維持している。それぞれの層14、18及び24の配列の形成に関する接続物質15の構造及び機能は、製造方法に関して更に説明されるであろう。
図9及び10は、本発明の新規な特徴を具現化する、SF15と認められる、織物40を表すものである。図9に見られる通り、同じ正六角形の形をしたガード板42は、互いに間を置いて、接続物質15と共に、第一のガード板層44中に配向させられている。第二の層46も、同じ正六角形の形をしたガード板からなる配列であり、接続物質15にも貼り合わされている。接続物質15は、模様、及び層44及び46のそれぞれの板42の板間の間隔を維持している。2つの層44及び46は、重ね合わせられ、互いに配向させられて、第一の層と第三の層44及び46との間の、板間の間隔48の記載を最小限にしている。図9に見られる通り、この配向において、板間の間隔48は、6点の星の形をした穴50の相互連結していない網目を形成している。接続物質15がベース物質47の両表面49の上を覆っている、ベース物質47の層が、層44及び46の間に挿入されている。図10A及び10Bは、それぞれA及びBの線に沿った、図9の断面図である。図9に見られる通り、層44及び46のガード板42は、織物10の全体を覆っていないが、6点の星の形をした穴50の相互連結していない網目を覆わないままである。穴50は、最適なガード板の適用範囲を保証する程度に小さくなくてはならず、またその層は穴50の大きさを最小限にするように記載されなければならない。
SF15織物及びベース物質を有する本発明の織物の他の実施態様の製造は、ベース物質が金属フレームに初めに取り付けられ、接続物質がそのベース物質の上に置かれる以外は、SF11織物に関して記載されるのと同様の方法を使用してなされる。板用の樹脂は、接続物質及びベース物質からなる複合体上にステンシルで模様を刷られている。樹脂は、接続物質に浸透し、硬化によってベース物質に付く。同じ方法を、ベース物質の反対側に繰り返して、他の対抗する板層を作り得る。
図11及び12は、同じ3枚の重ねあわされたガード板42の層44、46及び92を有する、本発明の織物90、即ちSF16の他の実施態様の、それぞれ平面図及び断面図であり、それらはまた互いに点で結合させられている。図11に見られる通り、同じ正六角形の形をしたガード板42が、互いに間を置いて、接続物質15と共に、第一のガード板層44中に配向させられている。第二のガード板層46は、接続物質15も有し、層44と同じである。第三のガード板層92は、接続物質15も有し、層44及び46と同じである。接続物質15は、模様、及び層44、46及び92のそれぞれの板42の板間の間隔を維持している。2つの層44及び46は、重ね合わせられ、互いに配向させられて、第一の層と第二の層44及び46との間の、板間の間隔48の記載を最小限にしている。図11に見られる通り、この配向において、板間の間隔48は、6点の星の形をした穴50の相互連結していない網目を形成している。第三の層92のガード板42は、層44及び46のガード板42と共に、織物90を完全に覆っている。図12A及び12Bは、図11の織物90の断面図であり、ガード板の3つの層44、46及び92、並びに、3つの接続物質15を示している。図11及び12は、SF16織物における結合点の位置を示していない。結合位置は、ガード板の配列とは一致していない。即ち、結合点の模様は、ガード板の配列の模様には対応していない。織物層は、共に結合して、層の積み重ねからなる連続した層における結合点の垂直な配列を最小限にしている。異なる層において互いの上に垂直な幾つかの結合点が付帯的に生じることにより、織物の柔軟性が幾分減る傾向がある。しかしながら、全体より少ない結合を使用することにより、多層じゅうの結合点の垂直な配置が付帯的に生じることが補われる。
図13〜15は、本発明の新規な特徴を具現化する、SF17と認められる、織物60を表すものである。図13に描かれている通り、織物の第一の層62は、3つの交互に凹上に曲がった角を有する正六角形の形をしたガード板64の模様である。3つの隣接するガード板64は共に、環状の穴を形成し、環状のガード板66を与える。模様全体が、互いから間隔を置いた同じ数のそれぞれのガード板64及び66を有し、接続物質15と共に、第一のガード板層62中に配向させられていることに注目しなさい。
図14は、層62の上に重ねあわされる、図9に示されるガード板層44と同じ、第二の層44を表すものである。層44は、互いに間を置いた、同じ正六角形の形をしたガード板42を有し、図15A及び15Bの断面図において見られる通り、接続物質15と共に、ガード板層44中に配向させられている。2つの層44及び62は、重ね合わせられ、ガード板42、64及び66は、互いに配向させられて、第一の層と第二の層44及び46との間の、板間の間隔68の記載を最小限にしている。図14に示される配向において、板間の間隔68は、環状に曲がったアームからなる相互連結していない網目を形成している。図15A及び15Bは、それぞれA及びBの線に沿った、図14のSF17織物60の断面図である。図15A及び15Bに見られる通り、接続物質15がベース物質47の両表面49の上を覆っている、ベース物質47が、層44及び46の間に挿入されている。図14において見られる通り、層44及び62のガード板42、64及び66は、曲がったアームの板間の間隔68からなる相互連結していない網目のために、織物60の全体を覆っていない。SF15のスタイルの織物よりもSF17のスタイルの織物において、位置の制御がしやすく、また穴の大きさを最小限にしやすいことが決定された。それ故に、SF17での耐破壊性の閾値は、SF15でのものよりも大きい。
図16および17は、SF18として識別される、本発明の新規な特長を具体化している布帛120の態様を図解するものである。図16に見られるように、等しい数の正方形126が挟まれている等辺六角形124のアレイの層122がガードプレート124および126を構成している。ガードプレート124および126は互いに一定間隔を置いて配置され、そして接続材料15を有する第二ガードプレート層122の中に指向されている。第一ガードプレート層128は層122と同一であって、これも接続材料15を有する。接続材料15が層122および128の各々のプレート124および126のパターンとプレート間間隔を維持している。2つの層122および128は、第一層128と第二層122との間のプレート間間隔130の位置合わせを最小限に抑えるために、互いに互いに重なり合い、かつ向き合っている。図16に見えるように、層122および128のガードプレート124および126は布帛120全体を覆ってはいない。プレート間間隔130が四角形の開口131の非相互接続網状構造を形成している。開口131は布帛の最適ガードプレート被覆範囲を確実に得るために十分に小さくなくてはならない。層122と128との間には基材47が挟まれ、その基材47の両表面に接続材料15が貼り付けられている。図17Aおよび17Bはそれぞれ線AおよびBに沿って取った図16の断面図である。
図18および19は、それぞれ、ガードプレート42の第一および第三の重ね合わされた千鳥配置層44および46、並びに開口プレート74の第二の介在層72を有する本発明の布帛70、即ちSF22のもう1つの態様の平面図および断面図である。図18に見られるように、同一の等辺六角形状ガードプレート42は互いに一定間隔を置いて配置され、そして接続材料15の相互接続を有する第一ガードプレート層44の中に指向されている。第三層は層44と同一であるガードプレート層46であって、これも接続材料15を有する。ガードプレート42の2つの層44は前記の図9に示された層と同じである。接続材料15が層44および46の各々のプレート42のパターンとプレート間間隔を維持している。2つの層44および46は、第一層44と第三層46との間のプレート間間隔48の位置合わせを最小限に抑えるために、互いに互いに重ね合わされ、かつ向き合わされている。図9に見られるように、この向きにおいて、プレート間間隔48は6尖頭星状開口50の非相互接続網状構造を形成している。図19Aおよび19Bは図18のSF22布帛の断面図である。層44および46の間には、図19Aおよび19Bに見られるように、単一の接続材料15を有する基材47の2つのシートが挟まれている。接続材料15は、各々が開口50の上に重なっている円形開口プレート74の第二層72を相互に接続している。図18に見られるように、層44および46のガードプレート42と層72の開口プレート74とが一緒になって布帛70全体を覆っている。
或いはまた、この発明の態様の布帛は、円形開口プレート74の第二層72に対する接続材料なしでも集成することができる。開口プレート74は、それらが表面プレートであるとすれば受けていたであろう剥離応力を受けないので、第二層72は接続材料15を省略できるのである。接続材料ありまたはなしで、円形開口プレート74の第二層72が基材の第一シートの上に設けられる。基材の第二シートが、次に、層72の上に押しつけ、その集成体全体を必要な程度まで硬化させる。
図20〜21は、それぞれ、ガードプレート42の第一および第三の重ね合わされた千鳥配置層44および46、並びに開口プレート74の第二介在層72を有する、SF24とも示される本発明の布帛80の更にもう1つの態様の平面図および断面図である。図20に見られるように、同一の等辺六角形状ガードプレート42は互いに一定間隔を置いて配置され、そして接続材料15を有する第一ガードプレート層44の中に指向されている。ガードプレート42から構成される第三層46は層44と同一であって、これも接続材料15を有する。接続材料15が層44および46の各々のプレート42のパターンとプレート間間隔を維持している。2つの層44および46は、層44と46との間のプレート間間隔48の位置合わせを最小限に抑えるために、互いに互いに重ね合わされ、かつ向き合わされている。図9に見られるように、この向きにおいて、プレート間間隔48は6尖頭星状開口50の非相互接続網状構造を形成している。共に同一のガードプレート42から構成される第一層44および第二層46並びに開口プレート74の第二介在層72は図14に示されるものと同じに配向され、かつ一定間隔で配置されている。図21Aおよび21Bは図20のSF24布帛の断面図である。層44と46との間には基材47が挟まれている。図21Aは基材47の1つの表面に埋め込まれた開口プレート74の層72を示す。プレート72は上記基材上に整列状態で配置され、次いでその基材中に押し込まれる。プレート74の基材中への押入は、それらプレートが未硬化であるか、または一部若しくは完全に硬化されているときに行うことができる。プレート74が基材中に押し込まれる前に完全には硬化されていない場合、次にその集成体全体は必要とされるように硬化される。プレートを基材中に埋入して有する布帛のこの態様は柔軟性の低いものである。プレートを基材中に埋め込むこの方法は表面プレートに、特に最適の柔軟性が必要とされる場合には使用されないだろう。
接続材料15は、図21Aおよび21Bに見られるように、基材47の表面の上に重なっている。ガードプレート42は基材47に対して接続材料15により適用されている。図20に見られるように、層44および46のガードプレート42と層72の開口プレート74とが一緒になって布帛70全体を覆っている。
図22および23は本発明の布帛100、即ちSF25の態様の平面図であり、そして図24A、24Bおよび24Cは、それぞれ、図22線A、BおよびCにそれぞれ沿って取られた上記SF25の態様の断面図である。布帛SF25は、ガードプレート42の第一および第三の重ね合わされた千鳥配置層44および46、並びに円形開口プレート74の第二介在層72を有する。図22に見られるように、同一の等辺六角形状ガードプレート42は互いに一定間隔を置いて配置され、そして接続材料15を有する第一ガードプレート層44の中に指向されている。ガードプレート42から構成される第三層46は層44と同一であって、これも接続材料15を有する。ガードプレート42の2つの層44および46は図9、11、17および20に示されるものと同じである。開口プレート74の層72は図18および20に示されるものと同じである。接続材料15が層44および46の各々のプレート42の、また層72の開口プレート74のパターンとプレート間間隔を維持している。2つの層44および46は、第一層44と第二層46との間のプレート間間隔48の位置合わせを最小限に抑えるために、互いに互いに重ね合わされ、かつ向き合わされている。図9に見られるように、この向きにおいて、プレート間間隔48は6尖頭星状開口50の非相互接続網状構造を形成している。図22および24に図解されるように、層44および46のガードプレート42、および層72の開口プレート74の大きさと配置は開口50の全てを完全に覆い、そのため布帛SF25はプレート42および74の組み合わせにより完全に覆われる。図23は、ガードプレート42の層44に重ね合わされた開口プレート74の層72の図であって、ガードプレート層44を層72に結合するための結合場所102の位置を示している。図24A、24Bおよび24Cを参照することにより、層44のガードプレート42および層46のガードプレート42は共に布帛SF25の外面に配向されていることに留意されたい。層44と72との間には結合場所102が挟まれ、また層72と46との間には結合場所104が挟まれている。層44と46との間には、各々が開口50の上に重なっている円形開口プレート74の第三層72が存在する。
図25および26は、それぞれ、本発明の布帛110の更なる態様の平面図および断面図である。この態様もこの開示においてSF26と称されている。等辺六角形状ガードプレート42の第三および第二の千鳥配置層46および44が、円形開口プレート74の第三重ね合わせ層と共に互いに重なり合っている。図9に見られるように、同一の等辺六角形状ガードプレート42は互いに一定間隔を置いて配置され、そして接続材料15を有する第二ガードプレート層44の中に指向されている。第三層ガードプレート層46は層44と同じであって、これも接続材料15を有する。ガードプレート42の2つの層44は前記の図9に示された層と同じである。接続材料15が層44および46の各々のプレート42のパターンとプレート間間隔を維持している。2つの層44および46は、第三層46と第二層44との間のプレート間間隔48の位置合わせを最小限に抑えるために、互いに互いに重ね合わされ、かつ向き合わされている。
層46と44との間には、図26Aおよび26Bの断面図に見られるように、基材47が存在する。図9に見られるように、この向きにおいて、プレート間間隔48は6尖頭星状開口50の非相互接続網状構造を形成している。円形開口プレート74の第三層72は層44および46の一方の上に重なり、この場合その開口プレートはSF26布帛の外面に指向されている。図25は結合場所112の平面図である。図25に見られるように、層46および44のガードプレート42と層72の開口プレート74とが一緒になって布帛70全体を覆っている。
図28は、六角形の第一層144及び平行四辺形148の第二層146を有する本発明の織物140のもう一つの態様の平面図である。図29A及び29Bは、それぞれ図28のA線及びB線に沿ってとった図28の断面図である。図29A及びBに示す通り、織物は基材(base material)47及び第一層144の六角形142の列を互いに結合する結合材料15も有する。当該結合材料はまた、第二層146の平行四辺形148も互いに結合させる。織物層144及び146は、織物用途のデザインのニーズに合うように、基材47に何らかの適当な方法によって結合している。織物は、四角の形状にある互いに結合していないギャップ143を有する。
図27A、B及びCは、医用素材のために特に適した、金属ワイヤー強化ガードプレート層を作成する方法を記載する。医用手袋のための耐刺し傷素材は、医療関係者の手先の器用さを保つために柔らかく、かつ柔軟性を有する必要があるものの、一方で鋭い医用針及びナイフに対する高いレベルの刺し傷、切り傷耐性を提供しなければならない。柔らかさ及び柔軟性の必要性のため、素材が相当に薄くなければならない(好ましくは1mmより薄い)ということが定まる。もし多層が用いられる場合、各プレート層の厚さは1mm未満へと減らす必要があるが、それは医療環境において遭遇する、刺す又は切る力に耐える程に十分強くないかもしれない。厚さ、柔軟性及び強さの所望の組み合わせを達成するために、重合体プレートは金属プレートにより強化されるか、又は置き換えられなければならない。図27A、B及びCに図解した織物では、プレートを加工するために、重合体樹脂中に埋め込んだ金属ワイヤーの網を使用している。金属以外のワイヤーの網もまた、その型や特徴によって有効となり得る。典型的な金属ワイヤーの網は10ミル未満の厚さを有し、スチール製である。図27Cは本発明の態様である織物50を図解する。図27A及び27Bは織物50製造方法における中間工程を図解している。
図27Cの織物は、ガードプレート54の重合体樹脂が硬化する前に、ガードプレート54中に埋め込んだ金属ワイヤー網52で加工されている。当該方法は、結合材料15のシートを金属ワイヤー網52で覆うこと、及び、次いで重合体樹脂53を図27Aに示すワイヤー網−結合材料の組み合わせの上に注ぐことを含む。次に、ガードプレート54の配列の形状へとパターン化したフォトマスクを、ワイヤー網52−結合材料15−樹脂53の組み合わせの上に置く。フォトマスクのパターンは、ガードプレート54の位置が完成した織物50の中になるような開口を有している。次にフォトマスクされた材料を紫外線に暴露して、フォトマスクで覆われていない樹脂53、つまり、ガードプレート54の配列、を硬化させる。次いで、ギャップ内の暴露されていない、未硬化の樹脂53を洗い流し、図27Bに図解した中間の織物を得る。ここで、当該中間の織物は、ガードプレート54の間にギャップ55を有する。ガードプレート54の間(ギャップ55の中)の露出された金属の網52をここで、例えば、塩化第二鉄等を用いてエッチングにより取り除き、図27Cに示した本発明の織物50を製造する。この方法により製造された織物50は、金属ワイヤー網により一体的に強化されたガードプレート54の配列を有する。そして、ガードプレート54は結合材料15により互いに結合し、そして当該結合材料はギャップの間、ガードプレート54を通じて、かつ、ガードプレートと一体となるように及んでいる。
図30A及びBは、金属ガードプレート層151を有する本発明のもう一つの態様の断面図である。金属ガードプレート152は、例えば2から5ミルの厚さを有するステンレススチールシートを用いて加工されていてもよい。金属シート155は、図30Aに示す通り、ポリウレタン等の柔軟性のある結合剤153により結合材料15を完全に被覆することにより、例えば柔軟性のある基質シフォン等の結合材料15に結合される。完全な被覆の方法は、結合剤153が結合材料15の両面を被覆するような、結合材料15の飽和を与える。フォトレジストフィルムを図30Aに示した複合材料の両面にガードプレート配列パターンで適用し、次いで金属シート155をエッチングにより取り除いて、図30Bに示すような、互いに切り離されたガードプレート152の配列を残す。フォトレジスト材料はエッチング工程の後に取り除かれる。ガードプレート配列は、柔軟性のある結合剤153によってガードプレートに結合されている結合材料15によって、あらかじめ定められた空間的関係に維持される。織物50の強さをさらに増強するため、金属シート155を結合材料15の両面に結合し、次いで本段落中上記で説明した通りに、金属に結合した結合材料15の両面において加工工程を行うことにより、ガードプレート152の二重層を作成することもできる。
前段落で記載した、結合材料15を結合剤153で完全に被覆することによる金属シート155を結合材料15に結合する方法の代替方法としては、完成した織物150においてガードプレートが位置することになる場所のみで、結合材料を金属シートにスポット結合することである。この結合方法では、強力で、通常硬い、エポキシ構造の接着剤が効果的であった。ギャップの位置にはスポット結合接着剤は塗布されない。結合剤153を結合材料15上に刷り込む(stencil)ことができ、その後、結合剤153が硬化する前に金属シート155を結合剤量15へ結合する。スポット結合手段は一定のデザイン規準に合う織物150を与えるものの、好ましい結合方法は、結合剤153の連続的な層を用いるものである。スポット結合方法では、スポット結合のために用いる結合剤接着剤のレオロジー及びこれら接着剤のスクリーン印刷方法における固有の変動性により、ガードプレートの大きさ及び形状、並びにガードプレート152間のギャップ154の正確さに限界がある。結合剤の連続的な塗布の使用は、非常に正確なエッチング工程により限定されるに過ぎない。結合剤153の連続的な塗布の使用は、ガードプレートの間において、金属シート155の厚さ程までもの、狭いギャップの作成を可能にする。これにより、織物150の刺し傷及び貫通に対する耐性が増す。
最終織物の任意の態様の適当な柔軟性を維持するために、織物の屈撓中圧縮または延伸できる物質から保護プレート間のギャップが自由になることが重要である。保護プレート物質は通例固く、屈撓性がないので、織物を曲げることにより生ずる大部分の張りはギャップ部分に集中する。ギャップ部分の柔軟な物質でさえ、ギャップ部分で張りが増強するので織物全体の固さに有意に寄与することができる。ギャップが非常に狭い場合織物を屈撓すると隣接する保護プレートのジャミングは織物の屈撓性を解決することもできる。この隣接する保護プレートのジャミングはギャップの寸法が保護プレートの厚さより小さくなる場合起こる。しかし厚さの範囲が2〜5ミルの金属プレートでは、全体の屈撓性を解決せずに保護プレートの厚さを小さくして保護プレート間のギャップ寸法を狭くすることができる。ギャップの狭少化は、ギャップが小さい程侵入器具は本発明の織物に侵入する機会が小さいので値打ちのあるゴールである。2〜5ミルの範囲の金属シートの厚さのギャップを加工できるエッチングテクノロジーは十分に正確である。2〜5ミルのギャップ寸法は図32に示すインスリン針に対する13ミルから21ゲージ針156に対する31ミルの範囲の、一般的医学用針よりはるかに小さい。2ミルのプレート間のギャップは21ゲージ針が着用者の皮膚にギャップを通して侵入することを止めるであろう。および、織物の柔軟性はプレートの厚さがギャップ寸法より小さい場合増強されるので、プレートの厚さは2ミルより小さくすべきである。5ミルより大きいギャップ寸法は21ゲージ針が織物を通して侵入するのを制止しないであろうし、プレートの厚さがギャップ寸法より大きくあるべきではないので、5ミルギャップ寸法を使用する場合、プレートの厚さは5ミルを超えるべきではない。停止する寸法にギャップを小さくするために、21ゲージ針を従って2〜5ミルの範囲のプレートの厚さを必要とする。一般にポリマープレートは5ミル以下の厚さではプレートへの侵入に抵抗するだけの十分の強さがない。他方、2〜5ミルの厚さ範囲の金属プレートは侵入に対し十分な強さの抵抗性がある。
図32に図示した21ゲージ医学用針は鋭い先端次いで切断エッジから成る。先端の角度は約26°であるので、金属保護プレート間の1ミルのギャップ寸法毎に、針の先端は2ミル前進できる。金属保護プレート間のギャップ寸法が2ミルであり、その場合織物は厚さが4ミル以上である場合、針の先端は織物に侵入するためにギャップ周囲の保護プレートを破壊しなければならない。針の先端が直接ギャップに当る場合でさえ、針がギャップを通して侵入するには或るレベルの力が要る。これは金属保護プレートを曲げ、および変形し、接着剤を薄く裂き、基礎物質の引き伸ばすことを含むからである。各種適用に対し織物をデザインする場合、デザインパラメータを最高化することにより、織物のもっとも弱い点においてさえ保護プレート間のギャップに大きい抵抗性を得ることができる。保護プレート間のギャップ寸法はギャップの穴開け抵抗性が適当であるように十分に小さい場合、金属プレート表面の針先端の滑りは発行物より小さい。このような場合、針の滑りの抵抗処理をしない固体金属シートは使用でき、尚高いレベルの穴開き抵抗性を維持する。
金属プレートに適する物質は2〜5ミルの厚さを有するステンレス鋼シートである。H.B.Fuller UR−2139およびCiba 2040ポリウレタンの接着剤は有効であることが分かった。これらの接着剤はその柔軟性、その接着強度、およびエッチング処理後良好な接着強度を維持するその能力に対し選択される。金属プレート組立てにより、メッシュ補強し、またはせずに使用した基礎織物の例はアマラである。接着剤に埋蔵するに適する連結物質はシフォン織物である。
図9および10に示したSF15織物は図30AおよびBの金属処理保護プレートアプローチを使用して製造できる。2つの金属保護プレート152層は使用できる。各保護プレート152層はSF15織物と関連して記載した他のものからの分れである。各金属保護プレート間で152層は図31に示した基礎物質47である。基礎物質47は合成皮革物質アマラでありうる。金属シート155は接着剤155を使用して基礎物質に接着できる。2重金属プレート織物の別の態様は連結し、または連結せずに相互に接着した2つの金属シートまたはそれら間の基礎物質を含む。柔軟性接着物質はもっとも有効であるが、固い接着物質が使用される場合、2つのシートの連続接着よりむしろスポット接着が柔軟性織物を得るのに必要である。2つの金属シートの態様では、光硬化性樹脂フィルムは両側面に適用され、金属はエッチングして不連続プレートを残こし、柔軟性プレート層を形成する。
図33AおよびBはワイアメッシュで補強した金属保護プレートを含む本発明織物の態様を示す。図33Aはワイアメッシュ織物160で補強した金属保護プレートの製造方法の中間工程である。中間工程は柔軟性接着剤のような接着剤153により、シフォンのような連結物質15に接着した金属シート155の複合物から成り、これらは順次適当な接着剤153によりワイアメッシュ52に接着し、接着剤153はワイアメッシュ52の底部に示され、接着剤153が多孔性ワイアメッシュ52に注加されると、ワイアメッシュ52を通して流れる、事実により形成する。図27および30に引用した上記組立て方法中、図33Bの織物160が形成され、これはワイアメッシュ52で補強され、保護プレート層162の不可部分である連結物質15により相互に連結した金属保護プレート152から成る。特別の適用に対し必要の場合、多数層の保護プレート層162は相互に積み重ねることができ、多数層織物を通して延びる開口は数および寸法が最少であることができ、または全体的に削除できるように相互に登録できる。
図34は多数層を相互に接着する別法を説明する。この接着方法は特別の織物の用途の特定目的による織物のほとんど任意の態様により使用できる。この接着方法または配列に対する目的はこの開示で説明した他の方法、すなわち多数層織物の全体的柔軟性をぎせいにせずに、相互に確実に層を接着する方法と同じである。図34の接着方法80は隣接する相互に垂直の不連結線形を有する不連結線(または伸びた長方形または同様の形状)81形の整列して配列された柔軟性接着剤を使用することによりこの目的を達成する。
(織物試験の記載)
試験装置および方法
針穴開け試験は本明細書に記載の織物試料でイマダ パンクチュアー レジスタンス テスター、型番号 DPS−44R、イマダ会社、450 Skokie Blvd.,Suite 503.Northbrook,IL 60062から入手できる、を使用して行った。パンクチュアー テスターは0〜44ポンドの範囲の力を測定することができる。織物試料はテスターの金属ベースの上部に置く。針(一般的に円錐形先端を有し、直径20ミル)はテスター プローブに取り付け、これは織物試料上に垂直に位置する。プローブは固定速度(例えば、80mm/分)で織物試料の方向に移動する。パンクチュアー テスターは穴開け中到達したピークの力を測定し、記録する。テスターは試験針が織物試料に突き当たる角度を調整して変えることができる。
試験装置および方法
針穴開け試験は本明細書に記載の織物試料でイマダ パンクチュアー レジスタンス テスター、型番号 DPS−44R、イマダ会社、450 Skokie Blvd.,Suite 503.Northbrook,IL 60062から入手できる、を使用して行った。パンクチュアー テスターは0〜44ポンドの範囲の力を測定することができる。織物試料はテスターの金属ベースの上部に置く。針(一般的に円錐形先端を有し、直径20ミル)はテスター プローブに取り付け、これは織物試料上に垂直に位置する。プローブは固定速度(例えば、80mm/分)で織物試料の方向に移動する。パンクチュアー テスターは穴開け中到達したピークの力を測定し、記録する。テスターは試験針が織物試料に突き当たる角度を調整して変えることができる。
切り裂き抵抗性(cut resistance)試験機は、本明細書において特許請求の範囲に記載された繊維の切り裂き抵抗性を試験するためにデザインされ構成された。切り裂き抵抗性試験機は、ASTM F1790-97、Standard Test Method for Measuring Cut Resistance of Materials Used in Protective Clothingに記載された標準的な切り裂き抵抗性試験機と同様である。繊維試料は、試験機の真鍮シートでカバーされた木製のドラムの上に載せられた。切り裂き試験機のレバーアームに取り付けられたかみそりの刃が繊維の表面にあてられる。所定の重量がレバーにかけられ、通常の切り裂きの力を生成させる。かみそりの刃が、繊維に対して、4インチの距離でそれに平行に切りこまれる。かみそりの刃が4インチ以内に試料を切りこむ場合は、しきい値切りこみ力(threshold cut-through force)が測定され、記録される。かみそりの刃が4インチ以内に試料を切りこまない場合、テスト結果は、「非−切りこみ」(“no-cut”)のように記載される。新品のかみそりの刃が各々の試験で使用される。
パンク及び切りこみ試験機を使った繊維試料の試験結果
パンク及び切りこみ試験機を使った繊維試料の試験結果
SF15繊維(SF15Fabric)
SF15繊維は、図9及び10を参照して上記で解説され開示される。Amara(登録商標)、不織ポリウレタン及びナイロン合成レザーは、SF15の試料を調製するためのベース材料として使用される。Amara(登録商標)ベース材料は約20ミルズ(mils/すなわち、20×1000×1インチ)の厚さである。ポリエステルシフォン結合材料は、Amara(登録商標)の頂上に据えられ、そしてポリマー樹脂プレートは、10ミルの厚さのステンレス鋼の型板を使った材料の上にスクリーンプリント(screen print)される。プリントパターンは、複数の80ミルの六角形(小さい直径)をもった六角形配列である。六角形間の間隔のサイズは14ミルズである。ポリマー樹脂は、本明細書で前述されたように、Fielco Industries, Inc., 1957 Pioneer Rd., Huntingdon Valley, PA19006によって形成され、TR21として指定される、一部の熱硬化性エポキシ樹脂である。その樹脂は1時間120℃で熱硬化される。それから、図9に見られるSF15の繊維を得るために、図10Bに示されるように適当に登録された六角形配列で、同様の型板プリントが他のAmara(登録商標)の表面上で行われる。結果としてのSF15繊維は柔軟であり、約45ミルズの厚さを有する。
SF15繊維は、図9及び10を参照して上記で解説され開示される。Amara(登録商標)、不織ポリウレタン及びナイロン合成レザーは、SF15の試料を調製するためのベース材料として使用される。Amara(登録商標)ベース材料は約20ミルズ(mils/すなわち、20×1000×1インチ)の厚さである。ポリエステルシフォン結合材料は、Amara(登録商標)の頂上に据えられ、そしてポリマー樹脂プレートは、10ミルの厚さのステンレス鋼の型板を使った材料の上にスクリーンプリント(screen print)される。プリントパターンは、複数の80ミルの六角形(小さい直径)をもった六角形配列である。六角形間の間隔のサイズは14ミルズである。ポリマー樹脂は、本明細書で前述されたように、Fielco Industries, Inc., 1957 Pioneer Rd., Huntingdon Valley, PA19006によって形成され、TR21として指定される、一部の熱硬化性エポキシ樹脂である。その樹脂は1時間120℃で熱硬化される。それから、図9に見られるSF15の繊維を得るために、図10Bに示されるように適当に登録された六角形配列で、同様の型板プリントが他のAmara(登録商標)の表面上で行われる。結果としてのSF15繊維は柔軟であり、約45ミルズの厚さを有する。
プローブ(probe)としてグラビット針(grabbit needle)を使用して、SF15試料繊維のパンク抵抗性は、90度の角度で繊維を突く針の動きについて、3.5±0.7lbs.であり、30度の角度で繊維を突く針の動きについて、3.1±0.7lbs.であると決定された。切り裂き抵抗性は約7lbsであると測定された。グラビット針またはピンは、ある事務用品店で入手されるものである。それは直径約20ミルズであり、円錐型の先端を有する。それは、形状と厚さの故にパンクのプルーブとして使用される。
SF16繊維(SF16Fabric)
SF16繊維は、図11及び12を参照して本明細書で解説され開示される。Devcon Plastic Steel(登録商標)Putty(A)は、ガードプレート層を得るために、10ミルの厚さのステンレス鋼の型板を使って、解放された背面(release backing)上で支持されたポリエステルシフォン繊維上にスクリーンプリントされる。繊維は45分間70℃で熱硬化され、続いてその後4時間室温で硬化される。3つの同じ層が、Zeller International,623 Ellen Dr., Winter Park,FL 32789から入手されるFlesh Tex(登録商標) ポリウレタン樹脂を使用して、図12A及び12Bに示されるように、
適当に登録された位置で一緒に結合される。Flesh Tex(登録商標)は、ポリウレタンタイプの複数部(2または3部)からなる熱硬化性樹脂である。Flesh Tex(登録商標)は、30分間70℃で熱硬化される。SF16繊維試料の全体的厚さは約65ミルズであった。
SF16繊維は、図11及び12を参照して本明細書で解説され開示される。Devcon Plastic Steel(登録商標)Putty(A)は、ガードプレート層を得るために、10ミルの厚さのステンレス鋼の型板を使って、解放された背面(release backing)上で支持されたポリエステルシフォン繊維上にスクリーンプリントされる。繊維は45分間70℃で熱硬化され、続いてその後4時間室温で硬化される。3つの同じ層が、Zeller International,623 Ellen Dr., Winter Park,FL 32789から入手されるFlesh Tex(登録商標) ポリウレタン樹脂を使用して、図12A及び12Bに示されるように、
適当に登録された位置で一緒に結合される。Flesh Tex(登録商標)は、ポリウレタンタイプの複数部(2または3部)からなる熱硬化性樹脂である。Flesh Tex(登録商標)は、30分間70℃で熱硬化される。SF16繊維試料の全体的厚さは約65ミルズであった。
SF16試料は、グラビットピンを使用してパンクの試験がされた。2.0lb.の力をかけた場合で、90度、52度、及び30度の角度の突き刺しに対して貫通は観察されなかった。試料の切り裂き抵抗性は14lbs.であった。
SF17繊維(SF17Fabric)
SF17繊維は、図13〜15を参照して本明細書で解説され開示される。20ミルの厚さをもったArama(登録商標)がベース繊維である。使用される材料及びプリントプロセスは、SF15繊維とタイトルされた本明細書のセクションで上述された通りである。しかし、層62のプリントは、図13に示されるように、SF17ガードプレート64及び66を刻み込む(imprint)ために型板パターンを使用する。結果としてのSF17繊維は柔軟であり、約45ミルズの厚さを有する。
SF17繊維は、図13〜15を参照して本明細書で解説され開示される。20ミルの厚さをもったArama(登録商標)がベース繊維である。使用される材料及びプリントプロセスは、SF15繊維とタイトルされた本明細書のセクションで上述された通りである。しかし、層62のプリントは、図13に示されるように、SF17ガードプレート64及び66を刻み込む(imprint)ために型板パターンを使用する。結果としてのSF17繊維は柔軟であり、約45ミルズの厚さを有する。
プローブ(probe)としてグラビット針(grabbit needle)を使用して、このSF17繊維試料のパンク抵抗性は、90度の角度で繊維を突く針の動きについて、3.4±0.7lbs.であり、30度の角度で繊維を突く針の動きについて、3.1±0.7lbs.であると決定された。切り裂き抵抗性は約8lbs.であると測定される。
SF22繊維(SF22Fabric)
SF22繊維は、図18及び19を参照して解説される。10ミルの厚さをもったArama(登録商標)がベース材料47として使用される。結合材料15として使用されるポリエステルシフォンは、SF15とタイトルされたセクションで前述されたように、Arama(登録商標)の頂上に配され、Fielcoポリマー樹脂で型板成形されて、図19Bに見られるようなガードプレート42配列層44が形成される。ポリマー樹脂は、SF15とタイトルされたセクションで述べたように硬化される。二つのそのようなガードプレート42配列層44及び46が形成される。層44の上で、円形のアパーチャプレート74の層72は、図19で解説されるようにプリントされる。シフォン層なしで層72をプリントすることも可能ではあるけれども、図19A及び19Bのように、層72はシフォン層15を通じてプリントされてもよい。最適に性能を発揮させるために、アパーチャ層72は、結合材料15を含むべきである。
SF22繊維は、図18及び19を参照して解説される。10ミルの厚さをもったArama(登録商標)がベース材料47として使用される。結合材料15として使用されるポリエステルシフォンは、SF15とタイトルされたセクションで前述されたように、Arama(登録商標)の頂上に配され、Fielcoポリマー樹脂で型板成形されて、図19Bに見られるようなガードプレート42配列層44が形成される。ポリマー樹脂は、SF15とタイトルされたセクションで述べたように硬化される。二つのそのようなガードプレート42配列層44及び46が形成される。層44の上で、円形のアパーチャプレート74の層72は、図19で解説されるようにプリントされる。シフォン層なしで層72をプリントすることも可能ではあるけれども、図19A及び19Bのように、層72はシフォン層15を通じてプリントされてもよい。最適に性能を発揮させるために、アパーチャ層72は、結合材料15を含むべきである。
層44、46及び72は、図19に示されるように、適当に登録された位置で、共に結合される。層72のガードプレート74配列は、層44、46及び72を共に結合する前に硬化されてもよいし、そうしなくてもよい。層72が層44、46及び72を結合させる前に硬化されない場合は、SF22繊維70はその後硬化される。結果としてのSF22繊維は柔軟であり、約50ミルズの厚さを有する。
プローブとしてグラビットピンを使用して、この繊維のパンク抵抗性は、90度の角度で繊維を突く針の動きについて、3.5±0.5ポンドであり、30度の角度で繊維を突く針の動きについて、3.0±0.5ポンドであると測定された。切り裂き抵抗性は約9ポンドであると測定された。
SF16繊維(SF16Fabric)
ワイヤメッシュ強化繊維のガードプレート層は、図27に記載された方法によって製造される。UV樹脂(UV-resin)は、UCB Chemicalsから入手されるEbecryl 645である。光開始剤(photo-initiator)は、Cibaから入手されるIrgacure 184である。100部のUV樹脂は、2部の光開始剤と混合される。ワイヤメッシュは、Sefar America,Inc.から入手される。ワイヤは、インチあたり165×165数のメッシュがついたステンレス鋼316から製造される。ワイヤの直径は、0.0025インチである。開口のサイズは0.0036インチである。重量密度は、6.75Ib/sq.ftである。
ワイヤメッシュ強化繊維のガードプレート層は、図27に記載された方法によって製造される。UV樹脂(UV-resin)は、UCB Chemicalsから入手されるEbecryl 645である。光開始剤(photo-initiator)は、Cibaから入手されるIrgacure 184である。100部のUV樹脂は、2部の光開始剤と混合される。ワイヤメッシュは、Sefar America,Inc.から入手される。ワイヤは、インチあたり165×165数のメッシュがついたステンレス鋼316から製造される。ワイヤの直径は、0.0025インチである。開口のサイズは0.0036インチである。重量密度は、6.75Ib/sq.ftである。
図11及び12に示されるように、SF16のデザインにおいて、ガードプレートは60ミルの六角形である。間隔のサイズは7ミルズである。個々の層の全体的な厚さは10〜12ミルズである。
結合のために、31ミルの直径の接着点(adhesive dots)が使用される。それらは規則正しく0.34インチ毎に分離している。結合接着剤は、Zeller Internationalから入手されるFleshtexである。10部のFleshTex成分Aと10部のFleshTex成分Bが混合され、その後0.8部のCab−O−Sil流れ調整剤(flow modifier)へ加えられた。
試料は、30度の角度の動きで21ゲージ(gauge)医療用針を使用して試験された。これは、パンクテストのための最も厳しい条件をの一つを代表している。4つの試料が作成され、20回のパンクテストが各々の試料のためになされた。
(発明の詳細な説明の要約)
本発明の繊維の実施形態は、公共の安全管理者(safety officers)、機械技術者、畜産業者、外科医などのような、可能性として貫通による怪我に曝される職業に従事するひとたちの保護性の衣服に使用される。繊維の厚さ、プレートの大きさ及びスタイル、本発明の繊維が構成される物質及び材料次第で、保護性の衣服は突き刺したり切ったりすることから針に対する抵抗性までの範囲の特性をもちうる。本発明の繊維が貫通やパンクに対する抵抗のために使用される場合、プレートは硬い貫通またはパンク抵抗性の物質から製造される。好ましくは、本発明の繊維から製造される貫通またはパンク抵抗性の衣服または物品は、貫通またはパンクがあると思われる部分に向かって配向された配列である複数の硬いプレートを有するであろう。本発明による繊維のスポーツ及びアウトドア用衣服は、昆虫や蛇に噛まれることに対して抵抗性を有することができる。本発明の繊維から製造された衣服は、貫通やパンクからの保護が要求される特定の活動や環境に適しており、それは、オートバイのような解放されたカバーされていない乗り物に乗る場合の衣服、工業上の安全服、潜水服、貫通またはパンク抵抗性の靴およびヘッドカバーを含む。貫通に対する抵抗性が要求される他の物品は本発明の繊維から製造され、オイルタンカー、池、埋立地、水泳のためのプール、及びタイヤのための液体保持用の地(磨耗等を防ぐために2つの面の間にはさむもの)を含む。膨らませ用のいかだ、軽量の船舶、例えばカヌー、カヤック及びレース用のシェルのようなもの、またはエアーマットレスを含む、貫通抵抗性が要求される物品が、本発明の繊維から製造されうる。医療、歯科分野での使用だけでなく他の職業のための衣服によって、様々な貫通及びパンク抵抗性の物質及び材料の種類が要求されるだろう。繊維にかけられる力は多様であるから、プレートの種々の厚さ及び大きさが必要とされる。
本発明の繊維の実施形態は、公共の安全管理者(safety officers)、機械技術者、畜産業者、外科医などのような、可能性として貫通による怪我に曝される職業に従事するひとたちの保護性の衣服に使用される。繊維の厚さ、プレートの大きさ及びスタイル、本発明の繊維が構成される物質及び材料次第で、保護性の衣服は突き刺したり切ったりすることから針に対する抵抗性までの範囲の特性をもちうる。本発明の繊維が貫通やパンクに対する抵抗のために使用される場合、プレートは硬い貫通またはパンク抵抗性の物質から製造される。好ましくは、本発明の繊維から製造される貫通またはパンク抵抗性の衣服または物品は、貫通またはパンクがあると思われる部分に向かって配向された配列である複数の硬いプレートを有するであろう。本発明による繊維のスポーツ及びアウトドア用衣服は、昆虫や蛇に噛まれることに対して抵抗性を有することができる。本発明の繊維から製造された衣服は、貫通やパンクからの保護が要求される特定の活動や環境に適しており、それは、オートバイのような解放されたカバーされていない乗り物に乗る場合の衣服、工業上の安全服、潜水服、貫通またはパンク抵抗性の靴およびヘッドカバーを含む。貫通に対する抵抗性が要求される他の物品は本発明の繊維から製造され、オイルタンカー、池、埋立地、水泳のためのプール、及びタイヤのための液体保持用の地(磨耗等を防ぐために2つの面の間にはさむもの)を含む。膨らませ用のいかだ、軽量の船舶、例えばカヌー、カヤック及びレース用のシェルのようなもの、またはエアーマットレスを含む、貫通抵抗性が要求される物品が、本発明の繊維から製造されうる。医療、歯科分野での使用だけでなく他の職業のための衣服によって、様々な貫通及びパンク抵抗性の物質及び材料の種類が要求されるだろう。繊維にかけられる力は多様であるから、プレートの種々の厚さ及び大きさが必要とされる。
医療用の手袋においては、ガードプレート及びアパーチャプレートのサイズ及び形、及びそれらが形成される物質は、実行される特定の方法、及び種々の状況によって多様であるかもしれない。本発明のパンク抵抗性繊維で手袋全体を強化することは必要ない。繊維はハイリスクな部分だけ戦略的に強化していればよい。
本繊維は、プレートの特定の形、大きさに依存しない。本繊維は広範に種々の可能性ある使用に合わせた大きさとすることが可能である。形、大きさ、及び、それらが製造される物質、及び材料の選択はその使用法に依存し、通常の工業的な計算によって決定されうる。本発明の繊維が、適当な強度、抵抗性、及び大きさをもった物質及び材料で製造されるとき、生物災害、及びガソリンと他の石油または燃料製品を包含する発火性及び爆発性液体に対する、柔軟性で、切り裂き、パンク、及び突き刺し抵抗性の囲い込み(enclosure)を形成する。
プレートが製造される物質は、現在既製品として入手することができ、また、樹脂の場合には、種々の適用の場面における使用のため繊維に要求されるデザインパラメータに合致するよう、樹脂製造者によって容易に形成される。例えば、その物質は、金属(例えば、ステンレス鋼またはチタン)、合金、セラミック、ポリマー、高強度複合物(カーボンファイバまたはガラス複合物のようなもの)またはガラスでありうる。適用するために所望される特性を達成するために必要な選択された厚さで、特定のパンク、突き刺し、及び切り裂きの力に抵抗できる、他のどのような物質も使用することができる。適当な製品の他の例は、Darocur(登録商標)、Epon(登録商標)、またはEbecryl(登録商標)のようなエポキシ樹脂またはアクリル樹脂、他の熱硬化性樹脂、及び他のポリマとそのような樹脂の混合物、及び、任意に種々の適当な硬化剤を含む。どのような物質でも、好ましくは砕けやすくまたは脆弱であってはならない。本繊維が液体の囲い込みまたは貯蔵所を形成し、または液体の環境において使用されるとき、本繊維のために選択された物質及び材料は、包含される液体の化学的または物理的作用に対して抵抗性を有するべきである。
本発明の繊維を組み立てる方法は、現在使用されている製造技術、及び本明細書において述べられているようなベース材料の上へのプリントプレート(printing plates)を設置する新規な方法を使用する。
本開示で述べられるいずれのプレートの表面も、平面状、凹状、凸状、またはそれらの組合わせ、または特定の使用の必要性に合致するように特に構成された表面であってもよい。種々の適用のために本発明の繊維において使用されるガード及びアパーチャプレートは、本繊維が抵抗することが意図される突き刺し、または切り裂きの力に抵抗するのに十分な厚さを有する。同じ本発明の繊維の種々の層の複数のプレートは、それぞれ異なった物質で製造されてもよい。
結合材料は、繊維のプレートの間に挿入されるときに、繊維内部で、及び複数のプレートのお互いに対する規定された動きの規定された範囲内で、複数のプレートの所定の空間的関係を維持するような、どのような材料であってもよい。そのようにするため、結合材料は柔軟性を有しなければならない。結合材料は、繊維におけるプレートの配列を維持し、結合するために必要とされる機能を実行しうる限りは、連続的であっても、ある選択された不連続性を有していてもよい。繊維におけるまたは繊維で製造された有用な物品における柔軟性、屈曲性、及びねじり性、及び任意には伸張性の諸特性を増大させるために、材料におけるどのような不連続性が選択されてもよい。材料におけるどのような不連続性も、繊維の部分的または全体的な、または繊維で構成される有用な物品の、要求される貫通抵抗性が損なわれないように、選択され位置しなければならない。そのような不連続性はまた、繊維の構造的集約性に悪影響を及ぼさないように、配列のどのような部分も分離しないように、選択され位置しなければならない。その材料は、エラストマー系であっても、非エラストマー系であってもよい。材料は、柔軟性、屈曲性、及びねじり性を含む本発明の繊維の動きの所望の3つの自由度を増進させることに関連して選択される。材料はまた、本発明の繊維の耐屈曲性(elasticity)及び伸張性の所望の特性を増大させるために選択されてもよい。エラストマーのような伸張可能な材料は、この機能を実行するのに適した柔軟性のある材料の一例である。しかし、非伸張性の材料はある適用の場面では適している。材料は、製造されても自然界に存在するものであっても、またその二つのブレンドであってもよい。
本明細書に記載された他の実施形態と同様に、他の変形は、適用における機能的、実用的な必要性に合致するのに適している。そのような変形は、本発明の本質及び範囲内でなされる選択である。
本明細書は、本発明の貫通抵抗性の繊維の種々の実施形態を開示し、解説するものである。複数のプレート及び層の種々の配列が開示されている。しかし、これらの解説され及び開示された配列は、本発明の目的を実施し達成するための唯一の配列を意図するものでもないし、本発明に包含される唯一の可能な実施形態を示すものでもない。本発明は、本発明の貫通抵抗性繊維の範囲内で変形が可能であり、そしてそれ故、本発明は本明細書に記載された正確な細部に限定されるものではない。本発明は、添付の特許請求の範囲の範囲内である全ての変形、代替を含むものである。
Claims (4)
- 織物であって、
結合材料、及び、
この結合材料の表面上で間隔を空けて配されている、複数の防護プレートであって、結合材料とこの防護プレートの間に物理的な結合を付与するように結合材料の表面に部分的に貫入しているポリマー樹脂を含む防護プレート
を含み、
結合材料及び複数の防護プレートが、この織物に通気性を与えるように構成されている織物。 - 防護プレートが、5〜20ミルの厚みを有する請求項1に記載の織物。
- ポリマー樹脂が、熱硬化されたポリマー樹脂を含む請求項1に記載の織物。
- 複数の防護プレートが、その複数の防護プレートの間の間隔において、実質的に直線が形成されないように配されている請求項1に記載の織物。
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