JP2013245356A - 接合体、金属の防食処理方法及び金属母材 - Google Patents

接合体、金属の防食処理方法及び金属母材 Download PDF

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Abstract

【課題】炭素繊維強化樹脂と接合される金属母材のガルバニック腐食を防止する。
【解決手段】金属母材2よりもイオン化傾向が大きい犠牲金属5を金属母材2に付することで、犠牲金属5を陽極として作用させ、金属母材2及び炭素繊維強化樹脂3を陰極として作用させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属母材と炭素繊維強化樹脂とを接合した接合体において、金属母材の腐食が防止された接合体、金属母材の腐食を防止する金属の防食処理方法、及びこの金属の防食処理方法が施された金属母材に関する。
近年、航空機、自動車、スポーツ遊具等の多様な分野において、炭素繊維強化樹脂(Carbon Fiber-Reinforced Plastic 略称CFRP)を代表とする複合材料が積極的に利用されている。炭素繊維強化樹脂は、軽量化、高い剛性、高い強度の特性を有する(特許文献1参照。)。
この炭素繊維強化樹脂は、接着剤を介して金属母材と接合されるか、又は金属母材と接合した後、金属母材と共に接着剤や絶縁塗料で覆われて使用される。このような炭素繊維強化樹脂と金属母材とが接合された接合体では、金属母材を腐食してしまう場合がある。
図5に示すように、例えばアルミ合金のような金属母材10と炭素繊維強化樹脂11とが接着剤12で接合されている接合体13では、金属母材10が腐食し、腐食部分14が発生する。この腐食の原因は、炭素繊維強化樹脂11と金属母材10との間で、それぞれの電位が異なるため、酸化還元電位が小さい炭素繊維強化樹脂11が陰極となり、これよりも酸素還元電位が大きい金属母材10が陽極となり、空気中の水分や湿気等が電解質となり電池が形成され、金属母材10と炭素繊維強化樹脂11とが導通することで、陽極側の金属母材10が腐食してしまう。これは、いわゆるガルバニック腐食である。金属母材10が腐食してしまうと、破断等が生じるようになり、金属母材10の性能が低下して不具合が発生してしまう。
そこで、このように炭素繊維強化樹脂11と金属母材10との接合体において、金属母材10の腐食を防止する防食処理方法が求められている。
特開平7−205310号公報
そこで、本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、金属母材と炭素繊維強化樹脂とが接合された接合体において、金属母材の腐食が防止された接合体、金属母材の腐食を防止する金属の防食処理方法、及びこの金属の防食処理方法が施された金属母材を提供することを目的とする。
上述した目的を達成する本発明に係る接合体は、金属母材と炭素繊維強化樹脂とが接合された接合体であり、金属母材に、該金属母材よりもイオン化傾向が大きい犠牲金属が付されていることを特徴とする。
上述した目的を達成する本発明に係る金属の防食処理方法は、炭素繊維強化樹脂と接合される金属母材の腐食を防止する金属の防食処理方法であり、金属母材よりもイオン化傾向が大きい犠牲金属を金属母材に付することを特徴とする。
上述した目的を達成する本発明に係る金属母材は、炭素繊維強化樹脂と接合される金属母材であり、該金属母材よりもイオン化傾向が大きい犠牲金属が付されていることを特徴とする。
本発明では、炭素繊維強化樹脂と接合される金属母材に、金属母材よりもイオン化傾向が大きい犠牲金属を付することで、犠牲金属が陽極として作用し、金属母材及び炭素繊維強化樹脂が陰極として作用し、金属母材及び炭素繊維強化樹脂から犠牲金属に向って電流が流れるようになるため、犠牲金属が腐食され、金属母材を腐食から防止することができる。
本発明を適用した犠牲金属を金属母材に接着剤で取り付けた接合体の断面図である。 本発明を適用した犠牲金属を金属母材にねじで取り付けた接合体の断面図である。 本発明を適用した犠牲金属製のねじを金属母材に取り付けた接合体の断面図である。 本発明を適用した金属母材に犠牲金属のめっき膜を形成した接合体の断面図である。 従来の接合体の断面図である。
以下、本発明を適用した接合体、金属の防食処理方法及び金属母材について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、特に限定がない限り、以下の詳細な説明に限定されるものではない。
接合体1は、図1に示すように、金属母材2と炭素繊維強化樹脂3とを接着剤4で接合したものである。この接合体1には、金属母材2の腐食を防止するために金属の防食処理が施されている。金属の防食処理方法は、金属母材2に、金属母材2よりもイオン化傾向が大きい犠牲金属5を付することによって、金属母材2の腐食を防止する。
ここで、金属母材2に犠牲金属5が付されていない場合には、接合体1に付着している水分や接合体1の周囲の水分や湿気等が電解質となって、酸化還元電位が大きい炭素繊維強化樹脂3が陰極となり、酸化還元電位が小さい、即ちイオン化傾向が大きい金属母材2が陽極となり、電池が形成される。これにより、接合体1では、金属母材2に電流が流れるようになるため、金属母材2が腐食してしまう。
一方、本実施の形態のように、金属母材2に犠牲金属5が付されている場合には、犠牲金属5のイオン化傾向が金属母材2よりも大きいため、犠牲金属5が陽極となり、金属母材2及び炭素繊維強化樹脂3が陰極となり、図1に示すように、金属母材2及び炭素繊維強化樹脂3から犠牲金属5に向って電流が流れるようになる。これにより、犠牲金属5が腐食され、金属母材2が腐食することを防止できる。
具体的に、金属母材2は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、チタン、チタン合金、鉄、鉄合金等が挙げられ、航空機、自動車、スポーツ遊具等の多様な分野に用いられる金属を挙げることができる。
炭素繊維強化樹脂3は、炭素繊維を樹脂の中に入れて強度を向上させた複合材料であり、優れた比弾性率、強度を有し、化学的にも極めて安定であり、導電性、耐熱性を有するといった優れた特性を有する。炭素繊維強化樹脂3は、導電性が良好であり、金属母材2よりも酸化還元電位が大きいものである。航空機、自動車、スポーツ遊具等の多様な分野で用いられる一般的な炭素繊維強化樹脂3を用いることができる。
接着剤4としては、金属母材2と炭素繊維強化樹脂3とを接合する一般に用いられている接着剤を使用することができる。例えば、商品名EC−3924B(住友スリーエム株式会社製)、商品名AZ15+HZ15(日本チバガイギー株式会社製)等を用いることができる。
犠牲金属5は、金属母材2よりもイオン化傾向が大きい、即ち酸化還元電位が小さいものである。即ち、この犠牲金属5は、炭素繊維強化樹脂3よりも酸化還元電位が小さい金属である。このような酸化還元電位の差から、犠牲金属5は、図1に示すように、陽極として作用し、金属母材2及び炭素繊維強化樹脂3が陰極として作用するようになる。
犠牲金属5としては、マグネシウム、チタン、カルシウム、バリウム等の金属やそれらの金属テープを用いることができる。犠牲金属5としては、上述したように、使用する金属母材2及び炭素繊維強化樹脂3よりも酸化還元電位が小さければ、これらに限定されず、用いる金属母材2及び炭素繊維強化樹脂3の酸化還元電位によって適宜決定することができる。
犠牲金属5を金属母材2に付する方法としては、図1に示すように、例えば板状あるいはテープ状に形成した犠牲金属部材5aを金属母材2に接着剤6、又は図2に示すようにねじ7で取り付ける方法がある。接着剤6としては、犠牲金属部材5aを金属母材2に貼付け、剥離が可能なものであることが好ましい。犠牲金属部材5aを接着剤6やねじ7で取り付けることで、腐食した犠牲金属部材5aを取り外し、腐食していない犠牲金属部材5aと容易に交換することができる。
また、図3に示すように、犠牲金属製のねじ8を金属母材2に取り付けるようにしてもよい。上述した犠牲金属部材5aと同様に、腐食したねじ8を取り外して、腐食していないねじ8と容易に交換することができる。
更には、図4に示すように、金属母材2に犠牲金属5のめっき処理を施して、めっき膜9を形成することで、金属母材2に犠牲金属5を取り付けるようにしてもよい。めっき膜9としては、カルシウム又はバリウムが好ましい。
めっき処理は、金属のめっき処理に用いられる一般的な方法を用いることができる。めっき処理の方法としては、例えば、カルシウムやバリウム等の犠牲金属5の塩類等を含むめっき液を用いた電解めっき法を挙げることができる。
カルシウムめっき膜9を形成する場合には、例えば、塩化カルシウムの濃度が200〜800g/L、メチルアルコール及びジエチレングリコールの濃度が100〜800mL/L、トリメチルアミン塩酸塩又はm−フェニレンジアミン硫酸塩の濃度が0.5〜5g/L、クエン酸ナトリウム又はクエン酸カリウム、酒石酸ナトリウム又は酒石酸カリウムの濃度が5〜10g/L、純水の濃度が300〜900mL/lとなるように調整した溶液に、pHが10〜14となるように炭酸カルシウム又はカセイソーダを添加しためっき液を用いる。めっき液中の塩化カルシウムの濃度が200g/Lよりも小さいと、十分なカルシウムめっき膜を形成することができないおそれがあり、800g/Lよりも大きいと、カルシウムがめっき液に溶解しにくくなり、不均一となってしまい、めっき膜にクラックが発生してしまう。また、錯化剤のトリメチルアミン塩酸塩又はm−フェニレンジアミン硫酸塩、クエン酸ナトリウム又はクエン酸カリウム、酒石酸ナトリウム又は酒石酸カリウムが5g/Lよりも少ないと、カルシウムの沈澱物が生成するおそれがあり、これらの濃度が高すぎると、めっきの際にカルシウムの析出を阻害し、めっき膜にクラックが発生してしまう。めっき条件は、めっき浴の温度が15〜50℃、電流密度は0.5〜5.0A/cmである。
バリウムめっき膜9を形成する場合には、例えば、塩化バリウムの濃度が150〜800g/L、イソプロピルアルコールの濃度が12〜60mL/L、エチルアルコールの濃度が20〜80mL/L、トリメチルアミン塩酸塩又はm−フェニレンジアミン硫酸塩の濃度が0.5〜5g/L、クエン酸ナトリウム又はクエン酸カリウム、酒石酸ナトリウム又は酒石酸カリウムの濃度が5〜10g/L、純水の濃度が200〜500mL/Lとなるように調整した溶液に、pHが10〜14となるように炭酸カルシウム又はカセイソーダを添加しためっき液を用いる。めっき液中の塩化バリウムの濃度が150g/Lよりも小さいと、十分なバリウムめっき膜を形成することができないおそれがあり、800g/Lよりも大きいと、バリウムがめっき液に溶解しにくくなり、不均一となってしまい、めっき膜にクラックが発生する原因となる。また、錯化剤のトリメチルアミン塩酸塩又はm−フェニレンジアミン硫酸塩、クエン酸ナトリウム又はクエン酸カリウム、酒石酸ナトリウム又は酒石酸カリウムが5g/Lよりも少ないと、バリウムの沈澱物が生成するおそれがあり、これらの濃度が高すぎると、めっきの際にバリウムの析出を阻害し、めっき膜にクラックが発生してしまう。めっき条件は、カルシウムめっき膜9を形成する場合と同様である。なお、めっき液については、上記組成のめっき液に限らず、形成するめっき膜9やめっき条件等によって適切な組成とする。
犠牲金属5の取り付け方法は、上述した犠牲金属部材5aを取り付ける方法、犠牲金属5製のねじ8を取り付ける方法、犠牲金属5のめっき膜9を形成する方法のうち、いずれか1つの方法に限らず、これらを組み合わせてもよい。
以上のように、金属の防食処理方法は、炭素繊維強化樹脂3と接着剤4で接合される金属母材2に、金属母材2よりもイオン化傾向が大きい犠牲金属5からなる犠牲金属部材5aや犠牲金属5製のねじ8を取り付けたり、犠牲金属5からなるめっき膜9を形成する。これにより、この金属の防食処理方法では、酸化還元電位が一番小さい犠牲金属部材5a等が陽極となり、この犠牲金属5よりも酸化還元電位が大きい金属母材2や炭素繊維強化樹脂3が陰極となり、周囲の水分や湿気等を電解質とすることで電池が形成され、金属母材2及び炭素繊維強化樹脂3から犠牲金属部材5a等に向って腐食の原因となる電流が流れるようになる。したがって、この金属の防食処理方法では、犠牲金属部材5a等が腐食され、金属母材2は腐食されないため、金属母材2を保護することができる。これにより、金属母材2に破断等が生じず、金属母材2の性能が低下することを防止できる。
また、この金属の防食処理方法では、犠牲金属部材5aやねじ8等の腐食を維持管理することで、犠牲金属部材5aやねじ8等が腐食したら、腐食した犠牲金属部材5aやねじ8等を取り外して、腐食していないものと交換することで金属母材2の腐食防止を維持することができる。
また、この金属の防食処理方法では、金属母材2に犠牲金属5のめっき膜9を形成することで、めっき膜9により金属母材2を防食すると共に、接合体1を放射線を防ぐ部材とすることができる。例えば、めっき膜9を形成した金属母材2自体、又は金属母材2と炭素繊維強化樹脂3とを接合した接合体1を航空機の部材に採用した場合には、航空機内に放射線が入り込むことを遮蔽し、操縦士や乗務員、乗客を放射線の被爆から軽減することができる。
以上のような金属の防食処理方法が施された接合体1は、金属母材2の腐食が防止されているため、航空機、自動車、スポーツ遊具等の多様な分野で利用することができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施例について、実験結果をもとに詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
実施例1では、チタン合金からなる金属母材と炭素繊維強化樹脂とを接着剤で接合した接合体の金属母材に、金属母材のイオン化傾向よりも大きいイオン化傾向を有する金属であるマグネシウム合金製の板を犠牲金属部材として接着剤で取り付けて、野外暴露した。
実施例1では、目視により接合体を観察したところ、犠牲金属部材に腐食は生じたが、2年経過しても金属母材には腐食が生じなかった。
<実施例2>
実施例2では、実施例1における板状の犠牲金属部材をマグネシウム合金製のねじに代えて、同様に野外暴露した。実施例2においても、目視により接合体を観察したところ、犠牲金属となるマグネシウム合金製のねじに腐食は生じたが、2年経過しても金属母材には腐食が生じなかった。
<実施例3>
実施例3では、マグネシウムからなる金属母材と炭素繊維強化樹脂とを接着剤で接合した接合体の金属母材に、市販のステンレス製のねじと、マグネシウム製のねじを離して絶縁した状態で取り付けた。実施例3では、金属母材にステンレス製のねじをねじ込むことによってねじの表面の被膜が破れてしまい、金属母材と導通し、ステンレス製のねじの周囲では金属母材の腐食が生じた。一方、マグネシウム製のねじは、目視により観察したところ、腐食が生じたが、1年経過してもマグネシウム製のネジの周囲では金属母材の腐食は生じなかった。
<実施例4>
実施例4では、金属母材として鉄合金を用いた以外は実施例1と同様に接合体を野外暴露した。実施例4においても、目視により接合体を観察したところ、犠牲金属となるマグネシウム合金は少し緩やかな腐食ではあったが、1年経過しても鉄合金からなる金属母材には腐食が生じなかった。
<実施例5>
実施例5では、鉄合金の金属母材に、犠牲金属として電気めっき法によりカルシウムめっき膜を形成した。そして、めっき膜を形成した金属母材と、炭素繊維強化樹脂とを接着剤で接合した接合体を野外暴露した。カルシウムめっき膜の膜厚は、5μmとした。
使用するめっき液は、塩化カルシウムの濃度が400g/L、メチルアルコールの濃度が400mL/L、ジエチレングリコールの濃度が300mL/L、トリメチルアミン塩酸塩の濃度が3g/L、クエン酸ナトリウムの濃度が5g/L、純水の濃度が500mL/Lの範囲内となるように調整した溶液に、pHが10〜14の範囲内となるように、炭酸カルシウムを添加して作製した。めっき条件は、めっき浴の温度を30℃とし、電流密度を1A/cmの範囲内で行った。
実施例5では、1年経過しても接合体の金属母材に腐食は見られなかった。
<実施例6>
実施例6では、金属母材にチタン合金を用いたこと以外は実施例5と同様にして接合体を作製し、接合体を野外暴露した。カルシウムめっき膜の膜厚は、5μmであり、めっき液及びめっき条件も実施例5と同様である。実施例6においても、1年経過しても接合体の金属母材に腐食は見られなかった。
<実施例7>
実施例7では、金属母材に犠牲金属のバリウムめっき膜を形成したこと以外は実施例5と同様に接合体を作製し、接合体を野外暴露した。
使用するめっき液は、塩化バリウムの濃度が400g/L、イソプロピルアルコールの濃度が30mL/L、エチルアルコールの濃度が40mL/L、トリメチルアミン塩酸塩の濃度が3g/L、クエン酸カリウムの濃度が5g/L、純水の濃度が300mL/lの範囲内となるように調整した溶液に、pHが10〜14の範囲内となるようにカセイソーダを添加して作製した。めっき条件は、めっき浴の温度を30℃の範囲内とし、電流密度を1A/cmの範囲内で行った。バリウムめっき膜の膜厚は、5μmとした。
実施例7では、1年経過しても接合体の金属母材に腐食は見られなかった。
<実施例8>
実施例8では、金属母材にチタン合金を用いたこと以外は実施例7と同様に接合体を作製し、接合体を野外暴露した。実施例8では、1年経過しても接合体の金属母材に腐食は見られなかった。
<実施例9>
実施例9では、金属母材にアルミニウム合金を用い、この金属母材に実施例7と同様にしてバリウムめっき膜を形成し、続けてバリウムめっき膜上に、実施例5と同様にしてカルシウムめっき膜を形成し、炭素繊維強化樹脂と接着剤で接合した接合体を作製し、接合体を野外暴露した。実施例9においても、金属母材に腐食は見られなかった。
以上の実施例の結果から、金属母材に、この金属母材よりもイオン化傾向が大きい犠牲金属からなる犠牲金属部材、テープやねじを取り付けたり、めっき膜を施すことによって、犠牲金属部材やねじ、めっき膜が陽極となり、金属母材及び炭素繊維強化樹脂が陰極となって電池が形成されるため、犠牲金属部材に電流が流れ込み、金属母材に流れ込まないため、金属母材の腐食を防止できることがわかる。更に、実施例の結果から、金属母材の腐食を長期間防止できることがわかる。
1 接合体、2 金属母材、3 炭素繊維強化樹脂、4 接着剤、5 犠牲金属、5a 犠牲金属部材、6 接着剤、7 ねじ、8 ねじ、9 めっき膜

Claims (9)

  1. 金属母材と炭素繊維強化樹脂とが接合された接合体において、
    上記金属母材に、該金属母材よりもイオン化傾向が大きい犠牲金属が付されていることを特徴とする接合体。
  2. 上記犠牲金属は、上記金属母材に、ねじ又は接着剤で該犠牲金属部材が取り付けられている、該犠牲金属製のねじが取り付けられている、該犠牲金属のめっき膜が形成されている、これらのうちいずれか1以上の状態で付されていることを特徴とする請求項1記載の接合体。
  3. 上記めっき膜の犠牲金属は、カルシウム又はバリウムであることを特徴とする請求項2記載の接合体。
  4. 炭素繊維強化樹脂と接合される金属母材の腐食を防止する金属の防食処理方法において、
    上記金属母材よりもイオン化傾向が大きい犠牲金属を上記金属母材に付することを特徴とする金属の防食処理方法。
  5. 上記犠牲金属を付する方法は、上記金属母材に、ねじ又は接着剤で該犠牲金属部材を取り付ける方法、該犠牲金属製のねじを取り付ける方法、該金属母材に該犠牲金属のめっき膜を形成する方法のうちいずれか1以上の方法であることを特徴とする請求項4記載の金属の防食処理方法。
  6. 上記めっき膜の犠牲金属は、カルシウム又はバリウムであることを特徴とする請求項5記載の金属の防食処理方法。
  7. 上記カルシウムのめっき膜を成膜する際のめっき液は、塩化カルシウムの濃度が200〜800g/L、メチルアルコール及びジエチレングリコールの濃度が100〜800mL/L、トリメチルアミン塩酸塩又はm−フェニレンジアミン硫酸塩の濃度が0.5〜5g/L、クエン酸ナトリウム又はクエン酸カリウム、酒石酸ナトリウム又は酒石酸カリウムの濃度が5〜10g/L、純水の濃度が300〜900mL/lとなるように調整した溶液に、pHが10〜14となるように炭酸カルシウム又はカセイソーダを添加した溶液であることを特徴とする請求項6記載の金属の防食処理方法。
  8. 上記バリウムのめっき膜を成膜する際のめっき液は、塩化バリウムの濃度が150〜800g/L、イソプロピルアルコールの濃度が12〜60mL/L、エチルアルコールの濃度が20〜80mL/L、トリメチルアミン塩酸塩又はm−フェニレンジアミン硫酸塩の濃度が0.5〜5g/L、クエン酸ナトリウム又はクエン酸カリウム、酒石酸ナトリウム又は酒石酸カリウムの濃度が5〜10g/L、純水の濃度が200〜500mL/Lとなるように調整した溶液に、pHが10〜14となるように炭酸カルシウム又はカセイソーダを添加した溶液であることを特徴とする請求項6記載の金属の防食処理方法。
  9. 炭素繊維強化樹脂と接合される金属母材において、
    該金属母材よりもイオン化傾向が大きい犠牲金属が付されていることを特徴とする金属母材。
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