JP2923754B2 - マグネシウム合金のめっき方法 - Google Patents
マグネシウム合金のめっき方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマグネシウム合金の
めっき方法に関する。さらに詳しくは、毒性の強いシア
ン浴を用いずに密着性のよい、強固なめっきを施すこと
ができ、また、得られるめっき合金のリサイクル性に優
れるマグネシウム合金のめっき方法に関する。
めっき方法に関する。さらに詳しくは、毒性の強いシア
ン浴を用いずに密着性のよい、強固なめっきを施すこと
ができ、また、得られるめっき合金のリサイクル性に優
れるマグネシウム合金のめっき方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マグネシウム合金は、軽量で寸法安定性
に優れるなどの利点から、自動車や携帯用電子機器、情
報処理機器、航空宇宙機器など、軽量化が図られている
機器の材料として注目されている。耐食性に劣り、異種
金属腐食を生ずるため、めっきではなく化成処理やアノ
ード処理で防食して使用することが多いが、表面に機械
的強度を付与するためにめっきが必要な場合もあり、そ
のようなときにはシアン化銅浴を用いるめっきが行われ
ている。
に優れるなどの利点から、自動車や携帯用電子機器、情
報処理機器、航空宇宙機器など、軽量化が図られている
機器の材料として注目されている。耐食性に劣り、異種
金属腐食を生ずるため、めっきではなく化成処理やアノ
ード処理で防食して使用することが多いが、表面に機械
的強度を付与するためにめっきが必要な場合もあり、そ
のようなときにはシアン化銅浴を用いるめっきが行われ
ている。
【0003】従来のめっきの方法は、まずマグネシウム
合金の研摩、脱脂を行い、酸浸漬、アルカリ浸漬後、濃
度の低い亜鉛の錯イオン溶液に浸漬して表面に亜鉛を化
学置換させ、ここにシアン化銅浴を用いて銅めっきを施
すものである。銅めっきのままでは変色したり、機械的
強度が弱かったりするため、通常、ここにさらにニッケ
ルをめっきする。シアンは劇物であるので、シアン化銅
浴を用いることは作業面や廃液の処理等に問題がある
が、シアン浴以外の銅めっきでは密着性が悪く、シアン
浴を用いずに密着しためっきのできる方法の開発が望ま
れていた。また、めっきに用いた銅とニッケルは、これ
らが合金成分として含まれるとマグネシウム合金の耐食
性を低下させるため、マグネシウム合金をリサイクルす
る際にはめっきした合金が混入しないようにしなければ
ならないが、今後はリサイクルされる割合が増加してい
くことが考えられるため、銅−ニッケルに代わる、マグ
ネシウム合金に混入してもその耐食性に悪影響を及ぼさ
ない金属でのめっき方法の開発が望まれていた。
合金の研摩、脱脂を行い、酸浸漬、アルカリ浸漬後、濃
度の低い亜鉛の錯イオン溶液に浸漬して表面に亜鉛を化
学置換させ、ここにシアン化銅浴を用いて銅めっきを施
すものである。銅めっきのままでは変色したり、機械的
強度が弱かったりするため、通常、ここにさらにニッケ
ルをめっきする。シアンは劇物であるので、シアン化銅
浴を用いることは作業面や廃液の処理等に問題がある
が、シアン浴以外の銅めっきでは密着性が悪く、シアン
浴を用いずに密着しためっきのできる方法の開発が望ま
れていた。また、めっきに用いた銅とニッケルは、これ
らが合金成分として含まれるとマグネシウム合金の耐食
性を低下させるため、マグネシウム合金をリサイクルす
る際にはめっきした合金が混入しないようにしなければ
ならないが、今後はリサイクルされる割合が増加してい
くことが考えられるため、銅−ニッケルに代わる、マグ
ネシウム合金に混入してもその耐食性に悪影響を及ぼさ
ない金属でのめっき方法の開発が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、シアン浴を用いずに密着しためっき層を形成できる
マグネシウム合金に対するめっき方法を提供することを
目的とする。さらに本発明は、リサイクル後、マグネシ
ウム合金に混入してもその耐食性に悪影響を及ぼしにく
い金属でのマグネシウム合金のめっき方法を提供するこ
とを目的とする。
は、シアン浴を用いずに密着しためっき層を形成できる
マグネシウム合金に対するめっき方法を提供することを
目的とする。さらに本発明は、リサイクル後、マグネシ
ウム合金に混入してもその耐食性に悪影響を及ぼしにく
い金属でのマグネシウム合金のめっき方法を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題に鑑
み鋭意研究した結果、マグネシウム合金の成分である亜
鉛と、マグネシウム合金に混入してもその耐食性に悪影
響を及ぼしにくい錫で、銅−ニッケルめっきに代わり得
る強固なめっき層を形成しうることを見出し、この知見
に基づき本発明をなすに至った。すなわち、本発明は、
マグネシウム合金からなる被めっき物に、表面を亜鉛に
化学置換する前処理を行った後、ピロリン酸亜鉛を含ん
でいる水溶液を亜鉛めっき浴として使用して電解亜鉛め
っきを行い、さらに錫酸を含んでいる水溶液を錫めっき
浴として使用して電解錫めっきを行うことを特徴とする
マグネシウム合金のめっき方法を提供するものである。
み鋭意研究した結果、マグネシウム合金の成分である亜
鉛と、マグネシウム合金に混入してもその耐食性に悪影
響を及ぼしにくい錫で、銅−ニッケルめっきに代わり得
る強固なめっき層を形成しうることを見出し、この知見
に基づき本発明をなすに至った。すなわち、本発明は、
マグネシウム合金からなる被めっき物に、表面を亜鉛に
化学置換する前処理を行った後、ピロリン酸亜鉛を含ん
でいる水溶液を亜鉛めっき浴として使用して電解亜鉛め
っきを行い、さらに錫酸を含んでいる水溶液を錫めっき
浴として使用して電解錫めっきを行うことを特徴とする
マグネシウム合金のめっき方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明方法の対象となる被めっき
物はマグネシウム合金からなり、マグネシウム基合金で
亜鉛を含むものあればその組成については特に制限はな
い。マグネシウム合金には大別してMg−Al系、Mg
−Zn系、Mg−R.E.(希土類元素)系およびMg
−Th系があるが、本発明方法ではいずれのマグネシウ
ム合金もめっきすることができる。特にMg−Al系が
好ましい。被めっき物であるマグネシウム合金は、常法
にしたがって、前記の従来法と同様の前処理を行う。具
体的にはまず、被めっき物の表面の研磨、脱脂を行った
後、酸浸漬、アルカリ浸漬を行い、さらに濃度の低い亜
鉛の錯イオン溶液に浸漬して表面に亜鉛を化学置換させ
る。濃度の低い亜鉛の錯イオン溶液にマグネシウム合金
を浸漬すると、イオン化傾向の違いにより金属亜鉛がマ
グネシウム合金の上に析出する。亜鉛でマグネシウム合
金の表面を被覆したことにより、その上にめっきを施し
やすくなる。
物はマグネシウム合金からなり、マグネシウム基合金で
亜鉛を含むものあればその組成については特に制限はな
い。マグネシウム合金には大別してMg−Al系、Mg
−Zn系、Mg−R.E.(希土類元素)系およびMg
−Th系があるが、本発明方法ではいずれのマグネシウ
ム合金もめっきすることができる。特にMg−Al系が
好ましい。被めっき物であるマグネシウム合金は、常法
にしたがって、前記の従来法と同様の前処理を行う。具
体的にはまず、被めっき物の表面の研磨、脱脂を行った
後、酸浸漬、アルカリ浸漬を行い、さらに濃度の低い亜
鉛の錯イオン溶液に浸漬して表面に亜鉛を化学置換させ
る。濃度の低い亜鉛の錯イオン溶液にマグネシウム合金
を浸漬すると、イオン化傾向の違いにより金属亜鉛がマ
グネシウム合金の上に析出する。亜鉛でマグネシウム合
金の表面を被覆したことにより、その上にめっきを施し
やすくなる。
【0007】本発明方法では、この前処理後、亜鉛めっ
きを施す。このときの亜鉛めっき浴としては、ピロリン
酸亜鉛を含む水溶液を用いることができる。これらのめ
っき浴の濃度、pHなどは、通常用いられているものを
用いることができ、特に制限はないが、例えば、硫酸亜
鉛30〜40g/リットル及びピロリン酸カリウム14
0〜160g/リットルを調製して得られる水溶液を用
いることができる。硫酸亜鉛のかわりにピロリン酸亜鉛
45〜50g/リットルを用いてもよい。この亜鉛めっ
き浴には、通常のめっき浴に添加される光沢剤等の他の
成分を適宜添加することができる。
きを施す。このときの亜鉛めっき浴としては、ピロリン
酸亜鉛を含む水溶液を用いることができる。これらのめ
っき浴の濃度、pHなどは、通常用いられているものを
用いることができ、特に制限はないが、例えば、硫酸亜
鉛30〜40g/リットル及びピロリン酸カリウム14
0〜160g/リットルを調製して得られる水溶液を用
いることができる。硫酸亜鉛のかわりにピロリン酸亜鉛
45〜50g/リットルを用いてもよい。この亜鉛めっ
き浴には、通常のめっき浴に添加される光沢剤等の他の
成分を適宜添加することができる。
【0008】亜鉛めっき浴によるめっき条件は、被めっ
き物であるマグネシウム合金の組成や形状、浸漬液の組
成などにより異なるが、好ましくは、40〜50℃で、
電流密度1〜2A/dm2 において、10〜20分行
う。前記の前処理で化学置換しただけでは、亜鉛層は薄
く、ピンホールが多数存在し、その上に直に他の金属を
めっきした場合、ピンホールの部分の密着性が悪く、剥
離やふくれが発生しやすくなる。しかし、本発明では、
化学置換した亜鉛層の上にさらに亜鉛めっきを行うの
で、被めっき物の表面に均一に密着した亜鉛層を形成す
ることができ、その上に形成されるめっき層は強固に密
着して剥離やふくれが生じにくい。
き物であるマグネシウム合金の組成や形状、浸漬液の組
成などにより異なるが、好ましくは、40〜50℃で、
電流密度1〜2A/dm2 において、10〜20分行
う。前記の前処理で化学置換しただけでは、亜鉛層は薄
く、ピンホールが多数存在し、その上に直に他の金属を
めっきした場合、ピンホールの部分の密着性が悪く、剥
離やふくれが発生しやすくなる。しかし、本発明では、
化学置換した亜鉛層の上にさらに亜鉛めっきを行うの
で、被めっき物の表面に均一に密着した亜鉛層を形成す
ることができ、その上に形成されるめっき層は強固に密
着して剥離やふくれが生じにくい。
【0009】亜鉛めっきのみではめっき層が傷つきやす
いので、ここにさらに他の金属をめっきすることが好ま
しく、特に、リサイクルした場合にマグネシウム合金の
耐食性に悪影響を及ぼすことの少ない錫をめっきするこ
とが好ましい。錫めっき浴には、錫酸を含む水溶液を用
いることができる。この錫めっき浴についても、濃度、
pHなどは、通常用いられているものを用いることがで
き、特に制限はないが、以下のような条件の水溶液を好
ましく用いることができる。錫酸を含む水溶液の錫酸イ
オン濃度は好ましくは40〜60g/リットルで、pH
は好ましくは11〜13である。具体的には、例えば、
錫酸ナトリウム70〜90g/リットル及び水酸化ナト
リウム10〜15g/リットルを含んでなる。錫酸ナト
リウムのかわりに同量の錫酸カリウムを用いてもよい。
また、水酸化ナトリウムのかわりに水酸化カリウム20
〜25g/リットルを用いてもよい。亜鉛めっき浴と同
様に、これらの錫めっき浴にも他の添加剤を適宜加える
ことができる。錫めっき浴によるめっき条件も、被めっ
き物であるマグネシウム合金の組成や形状、浸漬液の組
成などにより異なるが、好ましい条件は、温度は50〜
60℃、電流密度は1〜2A/dm2 、浸漬時間は1
0〜20分である。
いので、ここにさらに他の金属をめっきすることが好ま
しく、特に、リサイクルした場合にマグネシウム合金の
耐食性に悪影響を及ぼすことの少ない錫をめっきするこ
とが好ましい。錫めっき浴には、錫酸を含む水溶液を用
いることができる。この錫めっき浴についても、濃度、
pHなどは、通常用いられているものを用いることがで
き、特に制限はないが、以下のような条件の水溶液を好
ましく用いることができる。錫酸を含む水溶液の錫酸イ
オン濃度は好ましくは40〜60g/リットルで、pH
は好ましくは11〜13である。具体的には、例えば、
錫酸ナトリウム70〜90g/リットル及び水酸化ナト
リウム10〜15g/リットルを含んでなる。錫酸ナト
リウムのかわりに同量の錫酸カリウムを用いてもよい。
また、水酸化ナトリウムのかわりに水酸化カリウム20
〜25g/リットルを用いてもよい。亜鉛めっき浴と同
様に、これらの錫めっき浴にも他の添加剤を適宜加える
ことができる。錫めっき浴によるめっき条件も、被めっ
き物であるマグネシウム合金の組成や形状、浸漬液の組
成などにより異なるが、好ましい条件は、温度は50〜
60℃、電流密度は1〜2A/dm2 、浸漬時間は1
0〜20分である。
【0010】錫めっき層の上にさらにニッケル等の他の
金属を常法に従いめっきしてもよく、そのめっき層の構
成は用途等に応じて適宜選択でき、特に制限はない。
金属を常法に従いめっきしてもよく、そのめっき層の構
成は用途等に応じて適宜選択でき、特に制限はない。
【0011】本発明において、光沢亜鉛めっき及び錫め
っきを十分厚く施すが、めっき厚はそれぞれのめっき後
に自然電位を測定することによりチェックでき、目安と
しては、銀・塩化銀電極電位基準で、亜鉛めっきでは−
1.05V、錫めっきでは−0.805Vより貴な電位
(よりプラスな電位)を示すようにする。
っきを十分厚く施すが、めっき厚はそれぞれのめっき後
に自然電位を測定することによりチェックでき、目安と
しては、銀・塩化銀電極電位基準で、亜鉛めっきでは−
1.05V、錫めっきでは−0.805Vより貴な電位
(よりプラスな電位)を示すようにする。
【0012】
【発明の効果】本発明方法によれば、シアン化物を用い
ることなく、マグネシウム合金に均一で密着性のよいめ
っきを施すことができる。また本発明方法では、マグネ
シウム合金にもともと含まれる亜鉛と、リサイクル後の
マグネシウム合金の耐食性に悪影響を及ぼしにくい錫を
めっきするので、本発明方法によれば、リサイクルしや
すい優れためっきマグネシウム合金を得ることができ
る。
ることなく、マグネシウム合金に均一で密着性のよいめ
っきを施すことができる。また本発明方法では、マグネ
シウム合金にもともと含まれる亜鉛と、リサイクル後の
マグネシウム合金の耐食性に悪影響を及ぼしにくい錫を
めっきするので、本発明方法によれば、リサイクルしや
すい優れためっきマグネシウム合金を得ることができ
る。
【0013】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明する。 実施例1 表面を研磨、脱脂したマグネシウム合金(AZ80A
(ASTM規格):Al7.8〜9.2%、Zn 0.
2〜0.8%)の板(たて3cm×よこ3.3cm×厚
さ0.5cm)を被めっき物として、常法に従い以下の
前処理を行った。 (酸浸漬) 室温で60秒 (COOH)2 10g/リットル (アルカリ浸漬) 60℃で60秒 K4 P2 O7 65g/リットル Na2 CO3 15g/リットル (亜鉛置換) 65℃で180秒 ZnSO4 ・7H2 O 50g/リットル K2 P2 O7 50g/リットル KF 7g/リットル Na2 CO3 5g/リットル
に説明する。 実施例1 表面を研磨、脱脂したマグネシウム合金(AZ80A
(ASTM規格):Al7.8〜9.2%、Zn 0.
2〜0.8%)の板(たて3cm×よこ3.3cm×厚
さ0.5cm)を被めっき物として、常法に従い以下の
前処理を行った。 (酸浸漬) 室温で60秒 (COOH)2 10g/リットル (アルカリ浸漬) 60℃で60秒 K4 P2 O7 65g/リットル Na2 CO3 15g/リットル (亜鉛置換) 65℃で180秒 ZnSO4 ・7H2 O 50g/リットル K2 P2 O7 50g/リットル KF 7g/リットル Na2 CO3 5g/リットル
【0014】この被めっき物に、次のようにして亜鉛め
っきと錫めっきを行った。(亜鉛めっき浴) 50℃、
pH10、電流密度1A/dm2 で15分 K2 P2 O7 150g/リットル ZnSO4 30g/リットル (錫めっき浴) 60℃、pH12、電流密度1.2A
/dm2 で15分 Na2 SnO3 ・3H2 O 80g/リットル NaOH 10g/リットル
っきと錫めっきを行った。(亜鉛めっき浴) 50℃、
pH10、電流密度1A/dm2 で15分 K2 P2 O7 150g/リットル ZnSO4 30g/リットル (錫めっき浴) 60℃、pH12、電流密度1.2A
/dm2 で15分 Na2 SnO3 ・3H2 O 80g/リットル NaOH 10g/リットル
【0015】以上のようにして、亜鉛めっき厚3μm、
錫めっき厚4μmの均一で密着しためっき層を有するマ
グネシウム合金を得た。
錫めっき厚4μmの均一で密着しためっき層を有するマ
グネシウム合金を得た。
【0016】 実施例2 実施例1と同じマグネシウム合金を被めっき物とし、実
施例1と全く同様にして前処理を行った後、次のように
して亜鉛めっきと錫めっきを行った。 (亜鉛めっき浴) 50℃、pH10、電流密度1.5
A/dm2 で20分 K2 P2 O7 150g/リットル ZnSO4 30g/リットル (錫めっき浴) 60℃、pH12、電流密度1.5A
/dm2 で10分 Na2 SnO3 ・3H2 O 80g/リットル NaOH 10g/リットル 亜鉛めっき厚5μm、錫めっき厚4μmの均一で密着し
ためっき層を有するマグネシウム合金が得られた。
施例1と全く同様にして前処理を行った後、次のように
して亜鉛めっきと錫めっきを行った。 (亜鉛めっき浴) 50℃、pH10、電流密度1.5
A/dm2 で20分 K2 P2 O7 150g/リットル ZnSO4 30g/リットル (錫めっき浴) 60℃、pH12、電流密度1.5A
/dm2 で10分 Na2 SnO3 ・3H2 O 80g/リットル NaOH 10g/リットル 亜鉛めっき厚5μm、錫めっき厚4μmの均一で密着し
ためっき層を有するマグネシウム合金が得られた。
【0017】 実施例3 実施例1と同じマグネシウム合金を被めっき物とし、実
施例1と全く同様にして前処理を行った後、次のように
して亜鉛めっきと錫めっきを行った。 (亜鉛めっき浴) 40℃、pH10、電流密度1.5
A/dm2 で10分 K2 P2 O7 150g/リットル ZnSO4 30g/リットル (錫めっき浴) 50℃、pH12、電流密度1A/d
m2 で20分 Na2 SnO3 ・3H2 O 80g/リットル NaOH 10g/リットル 亜鉛めっき厚2.5μm、錫めっき厚5μmの均一で密
着しためっき層を有するマグネシウム合金が得られた。
施例1と全く同様にして前処理を行った後、次のように
して亜鉛めっきと錫めっきを行った。 (亜鉛めっき浴) 40℃、pH10、電流密度1.5
A/dm2 で10分 K2 P2 O7 150g/リットル ZnSO4 30g/リットル (錫めっき浴) 50℃、pH12、電流密度1A/d
m2 で20分 Na2 SnO3 ・3H2 O 80g/リットル NaOH 10g/リットル 亜鉛めっき厚2.5μm、錫めっき厚5μmの均一で密
着しためっき層を有するマグネシウム合金が得られた。
【0018】 比較例1 実施例1と同じマグネシウム合金を被めっき物とし、実
施例1と全く同様にして前処理を行った後、次のように
して銅めっきとニッケルめっきを行った。 (銅めっき浴)60℃、pH13、電流密度2A/dm
2 で20分 シアン化銅 30g/リットル シアン化カリウム 50g/リットル 水酸化カリウム 5g/リットル (ニッケルめっき浴)55℃、pH5、電流密度5A/
dm2 で10分 硫酸ニッケル 240g/リットル 塩化ニッケル 45g/リットル ホウ酸 30g/リットル 銅めっき厚5μm、ニッケルめっき厚10μmのめっき
層を有するマグネシウム合金を得た。
施例1と全く同様にして前処理を行った後、次のように
して銅めっきとニッケルめっきを行った。 (銅めっき浴)60℃、pH13、電流密度2A/dm
2 で20分 シアン化銅 30g/リットル シアン化カリウム 50g/リットル 水酸化カリウム 5g/リットル (ニッケルめっき浴)55℃、pH5、電流密度5A/
dm2 で10分 硫酸ニッケル 240g/リットル 塩化ニッケル 45g/リットル ホウ酸 30g/リットル 銅めっき厚5μm、ニッケルめっき厚10μmのめっき
層を有するマグネシウム合金を得た。
【0019】 比較例2 実施例1と同じマグネシウム合金を被めっき物とし、実
施例1と全く同様にして前処理を行った後、次のように
して錫めっきのみを行った。 (錫めっき浴) 60℃、pH12、電流密度1.2A
/dm2 で15分 Na2 SnO3 ・3H2 O 80g/リットル NaOH 10g/リットル 黒変した外観で、正常な錫めっき層をめっきすることは
できなかった。
施例1と全く同様にして前処理を行った後、次のように
して錫めっきのみを行った。 (錫めっき浴) 60℃、pH12、電流密度1.2A
/dm2 で15分 Na2 SnO3 ・3H2 O 80g/リットル NaOH 10g/リットル 黒変した外観で、正常な錫めっき層をめっきすることは
できなかった。
【0020】 試験例 実施例1〜3及び比較例1、2で得ためっきマグネシウ
ム合金を、屋内に30日間放置したのち、めっき層の剥
離、ふくれを観察した。結果を表1に示す。表1の結果
より、本発明方法によって得られるめっきマグネシウム
合金は、めっき層の剥離、ふくれが生じにくく、従来の
シアン浴を用いる銅−ニッケルめっきと同等の、均一
で、密着性のよい強固なめっき層を有するマグネシウム
合金が得られることがわかる。
ム合金を、屋内に30日間放置したのち、めっき層の剥
離、ふくれを観察した。結果を表1に示す。表1の結果
より、本発明方法によって得られるめっきマグネシウム
合金は、めっき層の剥離、ふくれが生じにくく、従来の
シアン浴を用いる銅−ニッケルめっきと同等の、均一
で、密着性のよい強固なめっき層を有するマグネシウム
合金が得られることがわかる。
【0021】
【表1】
Claims (1)
- 【請求項1】 マグネシウム合金からなる被めっき物
に、その表面を亜鉛に化学置換する前処理を行った後、
ピロリン酸亜鉛を含んでいる水溶液を亜鉛めっき浴とし
て使用して電解亜鉛めっきを行い、さらに錫酸を含んで
いる水溶液を錫めっき浴として使用して電解錫めっきを
行うことを特徴とするマグネシウム合金のめっき方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23606196A JP2923754B2 (ja) | 1996-09-06 | 1996-09-06 | マグネシウム合金のめっき方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23606196A JP2923754B2 (ja) | 1996-09-06 | 1996-09-06 | マグネシウム合金のめっき方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1081993A JPH1081993A (ja) | 1998-03-31 |
JP2923754B2 true JP2923754B2 (ja) | 1999-07-26 |
Family
ID=16995157
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23606196A Expired - Lifetime JP2923754B2 (ja) | 1996-09-06 | 1996-09-06 | マグネシウム合金のめっき方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2923754B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA2378993C (en) | 2002-03-26 | 2007-12-18 | National Research Council Of Canada | Acousto-immersion coating and process for magnesium and its alloys |
JP4625944B2 (ja) * | 2004-06-10 | 2011-02-02 | 国立大学法人九州工業大学 | 耐食性に優れたマグネシウム材 |
US7704366B2 (en) * | 2005-08-17 | 2010-04-27 | Trevor Pearson | Pretreatment of magnesium substrates for electroplating |
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