JP2013235236A - 調光材料、調光シート、電解質シート、調光体、合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電解質層と、エレクトロクロミック化合物を含有するエレクトロクロミック層とを有する調光材料であって、前記電解質層は、支持電解質、バインダー樹脂、及び、下記式(1)で表される化合物を含有する調光材料。
[化1]
式(1)中、n=2〜6の整数を表し、R1、R3はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜8の有機基を表し、R2は炭素数2〜4のアルキレン基を表す。
【選択図】 なし
Description
上記調光体は、液晶材料を用いた調光体と、エレクトロクロミック化合物を用いた調光体とに大別される。エレクトロクロミック化合物を用いた調光体は、液晶材料を用いた調光体に比べて光散乱が少なく、偏光が少ないという特徴がある。
しかしながら、従来の調光体は、電圧を印加してから光の透過率の変化が完了するまでに時間を要するという応答性の問題があった。
以下に本発明を詳述する。
上記電解質層は、イオンを伝導することにより上記エレクトロクロミック層に電圧を印加し、エレクトロクロミック層の光の透過率を変化させる役割を有する。
上記炭素数1〜8の有機基は、直鎖構造を有する有機基、又は、分岐構造を有する有機基であってもよく、直鎖構造を有するアルキル基、又は、分岐構造を有するアルキル基であることが好ましい。
上記炭素数1〜8の有機基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基等が挙げられる。なかでも、メチル基、エチル基、n−プロピル基が好ましい。
上記式(1)で表される化合物以外の溶媒としては、例えば、トリエチレングリコールジブチレート(3GB)、トリエチレングリコールジプロピオネート(3GP)、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、ジヘキシルアジペート(DHA)や、アセトニトリル、ニトロメタン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン等のエステル類や、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の置換テトラヒドロフラン類や、1,3−ジオキソラン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン、t−ブチルエーテル、イソブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン等のエーテル類や、エチレングリコール、ポリエチレングリコールスルホラン、3−メチルスルホラン、蟻酸メチル、酢酸メチル、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
なお、上記式(1)で表される化合物が他の溶媒と併用される場合、該化合物の溶媒全体量に対する最小比率は0.1重量%が好ましく、1重量%がより好ましい。
上記バインダー樹脂は、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリ三フッ化エチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。なかでも、ビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましく、ビニルアセタール樹脂がより好ましい。透明性が高い電解質層が得られることから、ポリビニルアルコールをアセタール化して得られたビニルアセタール樹脂が更に好適である。特に、上記ビニルアセタール樹脂は、ビニルブチラール樹脂が好適である。
上記ビニルアセタール樹脂は、水酸基量が30mol%以下であることが好ましい。上記ビニルアセタール樹脂の水酸基量が30mol%を超えると、上記溶媒との相溶性が低下し、電解質層の透明性が低下することがある。
なお、上記アセチル基量及び上記水酸基量は、JIS K 6728に準じて、滴定法により求めることができる。
上記ビニルアルコール樹脂の平均重合度の好ましい下限は500、好ましい上限は5000である。上記ビニルアルコール樹脂の重合度が500未満であると、上記電解質層の形状を維持できないことがあり、5000を超えると、イオン伝導性が低くなって、電圧を印加してもエレクトロクロミック層の光の透過率が変化しないことがある。
上記アンモニウムカチオンとしては、例えば、テトラエチルアンモニウム、トリメチルエチルアンモニウム、メチルプロピルピロリジニウム、メチルブチルピロリジニウム、メチルプロピルピペリジニウム、メチルブチルピペリジニウム等のアルキルアンモニウムカチオンや、エチルメチルイミダゾリウム、ジメチルエチルイミダゾリウム、メチルピリジニウム、エチルピリジニウム、プロピルピリジニウム、ブチルピリジニウム等が挙げられる。
上記アニオンとしては、過塩素酸アニオン、ホウフッ化アニオン、リンフッ化アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ビストリフルオロメタンスルホン酸イミドアニオン等が挙げられる。
上記熱線吸収剤としては、錫ドープ酸化インジウム粒子、アンチモンドープ酸化錫粒子、亜鉛以外の元素がドープされた酸化亜鉛粒子、六ホウ化ランタン粒子、アンチモン酸亜鉛粒子、及び、フタロシアニン構造を有する赤外線吸収剤からなる群より選択される少なくとも1種が好適である。
上記接着力調整剤としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等が挙げられる。なかでも、炭素数2〜16のカルボン酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩が好適であり、具体的には例えば、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、プロピオン酸マグネシウム、プロピオン酸カリウム、2−エチルブタン酸マグネシウム、2−エチルブタン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等が挙げられる。これらの接着力調整剤は単独で用いられてもよく、併用されてもよい。
上記電解質層からなる電解質シートもまた、本発明の1つである。
上記エレクトロクロミック性を有する有機化合物としては、例えば、ポリピロール化合物、ポリチオフェン化合物、ポリパラフェニレンビニレン化合物、ポリアニリン化合物、ポリアセチレン化合物、ポリエチレンジオキシチオフェン化合物、金属フタロシアニン化合物、ビオロゲン化合物、ビオロゲン塩化合物、フェロセン化合物、テレフタル酸ジメチル化合物、テレフタル酸ジエチル化合物等が挙げられる。なかでも、ポリアセチレン化合物が好ましく、芳香環を側鎖に有するポリアセチレン化合物がより好ましい。
上記エレクトロクロミック性を有する混合原子価錯体としては、例えばプルシアンブルー型錯体(KFe[Fe(CN)6]等)が挙げられる。
上記側鎖を構成する芳香環を有する置換基としては、例えば、フェニル、p−フルオロフェニル、p−クロロフェニル、p−ブロモフェニル、p−ヨードフェニル、p−ヘキシルフェニル、p−オクチルフェニル、p−シアノフェニル、p−アセトキシフェニル、p−アセトフェニル、ビフェニル、o−(ジメチルフェニルシリル)フェニル、p−(ジメチルフェニルシリル)フェニル、o−(ジフェニルメチルシリル)、p−(ジフェニルメチルシリル)フェニル、o−(トリフェニルシリル)フェニル、p−(トリフェニルシリル)フェニル、o−(トリルジメチルシリル)フェニル、p−(トリルジメチルシリル)フェニル、o−(ベンジルジメチルシリル)フェニル、p−(ベンジルジメチルシリル)フェニル、o−(フェネチルジメチルシリル)フェニル、p−(フェネチルジメチルシリル)フェニル等のフェニル基や、ビフェニル基や、1−ナフチル、2−ナフチル、1−(4−フルオロ)ナフチル、1−(4−クロロ)ナフチル、1−(4−ブロモ)ナフチル、1−(4−ヘキシル)ナフチル、1−(4−オクチル)ナフチル等のナフチル基や、ナフタレン基や、1−アントラセン、1−(4−クロロ)アントラセン、1−(4−オクチル)アントラセン等のアントラセン基や、1−フェナントレン等のフェナントレン基や、1−フルオレン等のフルオレン基や、1−ペリレン等のペリレン基等が挙げられる。
上記電解質層の少なくとも片面にエレクトロクロミック化合物を含有するエレクトロクロミック層が形成されている調光シートもまた、本発明の1つである。
上記部分的に形成された接着層の形状としては、網目状、線状又は斑点状等が挙げられる。
上記接着層は、更に、支持電解質を含有することが好ましい。支持電解質を含有することにより、上記接着層にイオン伝導性が付与され、上記接着層によって合わせガラスのエレクトロクロミック性が低下するのを防止することができる。
上記溶媒、支持電解質は、上記電解質層に用いるのと同様の溶媒、支持電解質を用いることができる。
上記ガラス基板としては、一般に使用されている透明板ガラスを使用することができる。例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入りガラス、線入り板ガラス、着色された板ガラス、熱線吸収ガラス、熱線反射ガラス、グリーンガラス等の無機ガラスが挙げられる。また、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアクリレート等の有機プラスチックスからなる有機ガラス板を用いることもできる。
上記ガラス基板として、2種類以上のガラス基板を組み合わせて用いてもよい。例えば、透明フロート板ガラスと、グリーンガラスのような着色されたガラス板とを組み合わせてもよいし、無機ガラスと有機ガラスとを組み合わせてもよい。また、2種以上の厚さの異なるガラス基板を組み合わせてもよい。
上記透明電極としては、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)等を含む透明導電膜が挙げられる。
本発明の合わせガラス用中間膜は、本発明の調光材料又は調光シートの構成以外に、必要に応じて、紫外線吸収剤を含有する紫外線吸収層や、熱線吸収剤を含有する赤外線吸収層等を有してもよい。
(1)電解質層の調製
トリエチレングリコールジメチルエーテル47.6重量部に、支持電解質としてビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸リチウム(LiTFSI)13.4重量部を溶解して電解質溶液を調製した。得られた電解質溶液の全量と、アセチル基量13mol%、水酸基量22mol%、平均重合度が2300のビニルブチラール樹脂100重量部とを混合して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シートに挟み、厚さ400μmのスペーサを介して、熱プレスにて120℃、9.8MPaの条件で5分間加圧し、厚さ400μmの電解質層を得た。
ポリ(9−エチニル−10−n−オクタデシルフェナントレン)2.9重量部を100重量部のトルエンに溶解して溶液を調製した。この溶液を、得られた電解質層上に、トルエンが揮発した後の厚さが0.3μmになるようにバーコーターを用いて塗布し、乾燥してエレクトロクロミック層を形成し、合わせガラス用中間膜を作製した。
得られた合わせガラス用中間膜を、縦5×横5cmのサイズに切断した。切断された合わせガラス用中間膜を、縦5×横5cmの一対のITOガラス(表面抵抗120Ω)で、合わせガラス用中間膜がそれぞれの導電膜と接するように挟み込んで積層した。得られた積層体を、90℃の真空ラミネーターで圧着し、圧着後120℃、14MPaの条件でオートクレーブを用いて20分間圧着を行い、合わせガラスを得た。
電解質層の組成を表1〜3に記載されたようにした以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
ポリ(9−エチニル−10−n−オクタデシルフェナントレン)に代えて酸化タングステンを用いて、縦5×横5cmのITOガラス(表面抵抗120Ω)上に、真空蒸着法により、膜厚0.3μmになるようにエレクトロクロミック層を成膜した。成膜条件は、真空度1.0×10−3Torr、成膜速度2Å/秒とした。実施例1と同様に電解質層の調製を行い、得られた電解質層を、縦5×横5cmのサイズに切断した。切断した電解質層を、得られた酸化タングステン蒸着ガラスの酸化タングステンを蒸着した面と、縦5×横5cmのITOガラス(表面抵抗120Ω)の導電膜と接するように挟み込んで積層した。得られた積層体を、90℃の真空ラミネーターで圧着し、圧着後140℃、14MPaの条件でオートクレーブを用いて20分間圧着を行い、合わせガラスを得た。
実施例及び比較例で得られた合わせガラス及び密着性評価用サンプルについて、以下の方法で評価を行った。
得られた合わせガラスの、エレクトロクロミック層及び接着層と接している側のITOガラスに+の端子、電解質膜と接している側のITOガラスに−の端子を取り付け、直流化電源と接続した。
完全に着色した状態の合わせガラスの波長640nmの光の透過率をTC、完全に消色した状態の合わせガラスの波長640nmの光の透過率をTBとする。
完全に着色した状態の合わせガラスに+2Vの電圧を印加し、電圧を印加してから、合わせガラスの波長640nmの光の透過率がTCからT1=TC+(TB−TC)×0.8にまで変化する時間を測定して、これを応答速度とした。
なお、試験は25℃下で行い、透過率の測定には日本分光社製の分光光度計「V−670」を用いた。
結果を表1〜3に示した。
Claims (8)
- バインダー樹脂は、ビニルアセタール樹脂であることを特徴とする請求項1記載の調光材料。
- ビニルアセタール樹脂は、アセチル基量が15mol%以下であり、かつ、水酸基量が30mol%以下であることを特徴とする請求項2記載の調光材料。
- 請求項1記載の電解質層からなることを特徴とする電解質シート。
- 請求項1記載の電解質層の少なくとも片面にエレクトロクロミック化合物を含有するエレクトロクロミック層が形成されていることを特徴とする調光シート。
- 請求項1、2又は3記載の調光材料、又は、請求項5記載の調光シートが、各電極面が対向する一対の透明電極基板の間に挟持されていることを特徴とする調光体。
- 請求項1、2又は3記載の調光材料、又は、請求項5記載の調光シートを用いることを特徴とする合わせガラス用中間膜。
- 請求項7記載の合わせガラス用中間膜を構成要素とすることを特徴とする合わせガラス。
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