JP6061661B2 - 調光材料、調光シート、電解質シート、調光体、合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents

調光材料、調光シート、電解質シート、調光体、合わせガラス用中間膜及び合わせガラス Download PDF

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本発明は、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間が極めて短い調光材料、調光シート、該調光材料を構成する電解質シート、該調光材料を用いてなる調光体、合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスに関する。
電圧を印加することにより光の透過率が変化する調光体は、広く用いられている。
上記調光体は、液晶材料を用いた調光体と、エレクトロクロミック化合物を用いた調光体とに大別される。エレクトロクロミック化合物を用いた調光体は、液晶材料を用いた調光体に比べて光散乱が少なく、偏光が少ないという特徴がある。
エレクトロクロミック化合物を用いた調光体として、対向する一対の電極基板の間に、エレクトロクロミック層と電解質層とを有する調光材料が挟み込まれている調光体が提案されている。例えば、特許文献1及び特許文献2には、無機酸化物を含有するエレクトロクロミック層、イオン伝導層、無機酸化物を含有するエレクトロクロミック層の3層が順次積層された積層体が、2枚の導電性基板間に挟み込まれている調光体が開示されている。また、特許文献3及び特許文献4には、対向する一対の電極基板の間に、有機エレクトロクロミック材料を含有するエレクトロクロミック層と電解質層とが挟み込まれている調光体が開示されている。
近年、調光体を合わせガラス用中間膜として用いた合わせガラスを自動車用窓ガラスや建築用窓ガラスに用いることが提案されている。このような合わせガラス用中間膜を用いれば、合わせガラスの光線透過率を制御して、車内や室内の温度を調整することができると考えられる。
しかしながら、従来の調光体は、電圧を印加してから光の透過率の変化が完了するまでに時間を要するという応答性の問題があった。
特開2004−062030号公報 特開2005−062772号公報 特表2002−526801号公報 特表2004−531770号公報
本発明は、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間が極めて短い調光材料、調光シート、該調光材料を構成する電解質シート、該調光材料を用いてなる調光体、合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスを提供することを目的とする。
本発明は、電解質層と、エレクトロクロミック化合物を含有するエレクトロクロミック層とを有する調光材料であって、前記電解質層は、支持電解質、バインダー樹脂、及び、下記式(1)で表される化合物を含有する調光材料である。
Figure 0006061661
式(1)中、n=2〜6の整数を表し、R、Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜8の有機基を表し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表す。
以下に本発明を詳述する。
本発明の発明者は、鋭意検討の結果、調光材料を構成する電解質層中に、上記式(1)で表される化合物を配合することにより、応答性を著しく向上させることができることを見出し、本発明を完成した。
本発明の調光材料は、電解質層とエレクトロクロミック層とを有する。
上記電解質層は、イオンを伝導することにより上記エレクトロクロミック層に電圧を印加し、エレクトロクロミック層の光の透過率を変化させる役割を有する。
上記電解質層は、支持電解質、バインダー樹脂、及び、上記式(1)で表される化合物を含有する。上記電解質層が上記式(1)で表される化合物を溶媒として含有することにより、本発明の調光材料は、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間が極めて短い。これは、上記式(1)に示される化合物を含有することによって、支持電解質の解離度が増大し、イオンの移動度が上昇するためではないかと考えられる。
上記式(1)中、nは2〜6の整数を表す。nが2未満であると、上記式(1)で表される化合物をバインダー樹脂中に分散させることが困難となる。nが6を超えると、得られる調光材料の電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間を短くする効果が得られない。nの好ましい上限は4である。
式(1)中、R、Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜8の有機基を表す。
上記炭素数1〜8の有機基は、直鎖構造を有する有機基、又は、分岐構造を有する有機基であってもよく、直鎖構造を有するアルキル基、又は、分岐構造を有するアルキル基であることが好ましい。
上記炭素数1〜8の有機基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基等が挙げられる。なかでも、メチル基、エチル基、n−プロピル基が好ましい。
上記式(1)中、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表す。
上記電解質層は、上記式(1)で表される化合物以外の溶媒を配合してもよい。上記溶媒を併用することにより、上記電解質層に柔軟性が付与され、透明電極基板等に対する接着性が向上する。
上記式(1)で表される化合物以外の溶媒としては、例えば、トリエチレングリコールジブチレート(3GB)、トリエチレングリコールジプロピオネート(3GP)、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、ジヘキシルアジペート(DHA)や、アセトニトリル、ニトロメタン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン等のエステル類や、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の置換テトラヒドロフラン類や、1,3−ジオキソラン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン、t−ブチルエーテル、イソブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン等のエーテル類や、エチレングリコール、ポリエチレングリコールスルホラン、3−メチルスルホラン、蟻酸メチル、酢酸メチル、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
上記電解質層中における上記式(1)で表される化合物及び任意に配合される他の溶媒との合計配合量は、上記ビニルアセタール樹脂100重量部に対する好ましい下限が15重量部、好ましい上限が200重量部である。上記合計配合量が15重量部未満であると、得られる調光材料の電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間を短くする効果が得られず、200重量部を超えると、電解質層が形状を維持できないことがある。上記合計配合量のより好ましい下限は30重量部、より好ましい上限は100重量部である。
なお、上記式(1)で表される化合物が他の溶媒と併用される場合、該化合物の溶媒全体量に対する最小比率は0.1重量%が好ましく、1重量%がより好ましい。
上記バインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂であることが好ましい。
上記バインダー樹脂は、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリ三フッ化エチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。なかでも、ビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましく、ビニルアセタール樹脂がより好ましい。透明性が高い電解質層が得られることから、ポリビニルアルコールをアセタール化して得られたビニルアセタール樹脂が更に好適である。特に、上記ビニルアセタール樹脂は、ビニルブチラール樹脂が好適である。
上記ビニルアセタール樹脂は、アセチル基量が15mol%以下であることが好ましい。上記ビニルアセタール樹脂のアセチル基量が15mol%を超えると、疎水性が低くなりすぎ、電解質層の白化の原因となることがある。
上記ビニルアセタール樹脂は、水酸基量が30mol%以下であることが好ましい。上記ビニルアセタール樹脂の水酸基量が30mol%を超えると、上記溶媒との相溶性が低下し、電解質層の透明性が低下することがある。
なお、上記アセチル基量及び上記水酸基量は、JIS K 6728に準じて、滴定法により求めることができる。
上記ビニルアセタール樹脂は、透明性が高い電解質層が得られることから、炭素数が4又は5のアルデヒドによりビニルアルコール樹脂をアセタール化して得られたビニルアセタール樹脂が好適である。
上記ビニルアルコール樹脂の平均重合度の好ましい下限は500、好ましい上限は5000である。上記ビニルアルコール樹脂の重合度が500未満であると、上記電解質層の形状を維持できないことがあり、5000を超えると、イオン伝導性が低くなって、電圧を印加してもエレクトロクロミック層の光の透過率が変化しないことがある。
上記支持電解質としては、過塩素酸リチウム、ホウフッ化リチウム、リンフッ化リチウム等の無機酸アニオンリチウム塩や、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ビストリフルオロメタンスルホン酸イミドリチウム等の有機酸アニオンリチウム塩が挙げられる。
上記支持電解質は、アンモニウムカチオンと、アニオンとの塩であってもよい。
上記アンモニウムカチオンとしては、例えば、テトラエチルアンモニウム、トリメチルエチルアンモニウム、メチルプロピルピロリジニウム、メチルブチルピロリジニウム、メチルプロピルピペリジニウム、メチルブチルピペリジニウム等のアルキルアンモニウムカチオンや、エチルメチルイミダゾリウム、ジメチルエチルイミダゾリウム、メチルピリジニウム、エチルピリジニウム、プロピルピリジニウム、ブチルピリジニウム等が挙げられる。
上記アニオンとしては、過塩素酸アニオン、ホウフッ化アニオン、リンフッ化アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ビストリフルオロメタンスルホン酸イミドアニオン等が挙げられる。
上記電解質層中における上記支持電解質の配合量は、上記ビニルアセタール樹脂100重量部に対する好ましい下限が3重量部、好ましい上限が60重量部である。上記支持電解質の配合量が3重量部未満であると、イオン伝導性が低くなって、電圧を印加してもエレクトロクロミック層の光の透過率が変化しないことがあり、60重量部を超えると、エレクトロクロミック層の応答性が低くなることがある。上記支持電解質の配合量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は50重量部である。
上記電解質層は熱線吸収剤を含有してもよい。
上記熱線吸収剤としては、錫ドープ酸化インジウム粒子、アンチモンドープ酸化錫粒子、亜鉛以外の元素がドープされた酸化亜鉛粒子、六ホウ化ランタン粒子、アンチモン酸亜鉛粒子、及び、フタロシアニン構造を有する赤外線吸収剤からなる群より選択される少なくとも1種が好適である。
上記電解質層は接着力調整剤を含有してもよい。
上記接着力調整剤としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等が挙げられる。なかでも、炭素数2〜16のカルボン酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩が好適であり、具体的には例えば、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、プロピオン酸マグネシウム、プロピオン酸カリウム、2−エチルブタン酸マグネシウム、2−エチルブタン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等が挙げられる。これらの接着力調整剤は単独で用いられてもよく、併用されてもよい。
上記電解質層は単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。上記電解質層が多層構造である場合、例えば、上記溶媒の含有量の異なる電解質層を積層したり、水酸基量の異なるビニルアセタール樹脂を含有する電解質層を積層したりすることにより、得られる調光体及び合わせガラスの遮音性等を向上させることができる。
上記電解質層の厚さは、好ましい下限が0.1mm、好ましい上限が3.0mmである。上記電解質層の厚さが0.1mm未満であると、上記エレクトロクロミック層に電圧を印加しても光の透過率が変化しないことがあり、3.0mmを超えると、上記エレクトロクロミック層に電圧を印加した場合、光の透過率の変化速度が低下することがある。上記電解質層の厚さのより好ましい下限は0.3mm、より好ましい上限は1.0mmである。
上記電解質層を形成する方法としては、例えば、上記式(1)で表される化合物(及び、必要に応じて配合するその他の溶媒)に上記支持電解質を溶解した溶液を調製し、得られた溶液を上記ビニルアセタール樹脂と混合した後、該混合物を熱プレス等の方法によりシート化する方法や、該混合物を押出機により押出成形してシート化する方法等が挙げられる。
上記電解質層からなる電解質シートもまた、本発明の1つである。
上記エレクトロクロミック層に含有されるエレクトロクロミック化合物は、エレクトロクロミック性を有する化合物であれば、無機化合物であってもよく、有機化合物であってもよく、混合原子価錯体であってもよい。
上記エレクトロクロミック性を有する無機化合物としては、例えば、Mo、Ir、NiO、V、WO等が挙げられる。
上記エレクトロクロミック性を有する有機化合物としては、例えば、ポリピロール化合物、ポリチオフェン化合物、ポリパラフェニレンビニレン化合物、ポリアニリン化合物、ポリアセチレン化合物、ポリエチレンジオキシチオフェン化合物、金属フタロシアニン化合物、ビオロゲン化合物、ビオロゲン塩化合物、フェロセン化合物、テレフタル酸ジメチル化合物、テレフタル酸ジエチル化合物等が挙げられる。なかでも、ポリアセチレン化合物が好ましく、芳香環を側鎖に有するポリアセチレン化合物がより好ましい。
上記エレクトロクロミック性を有する混合原子価錯体としては、例えばプルシアンブルー型錯体(KFe[Fe(CN)6]等)が挙げられる。
上記芳香環を側鎖に有するポリアセチレン化合物は、エレクトロクロミック性と導電性とを有し、かつ、エレクトロクロミック層の形成が容易である。従って、芳香環を側鎖に有するポリアセチレン化合物を用いれば、優れた調光性能を有するエレクトロクロミック層を容易に形成できる。また、芳香環を側鎖に有するポリアセチレン化合物は、構造が変化することにより、吸収特性の変化を示す。その結果、吸収スペクトルが近赤外線の波長領域に及ぶため、エレクトロクロミック層は広い波長領域について優れた調光性能を有する。
上記芳香環を側鎖に有するポリアセチレン化合物としては、例えば、一置換又は二置換の芳香環を側鎖に有するポリアセチレン化合物等が好適である。
上記側鎖を構成する芳香環を有する置換基としては、例えば、フェニル、p−フルオロフェニル、p−クロロフェニル、p−ブロモフェニル、p−ヨードフェニル、p−ヘキシルフェニル、p−オクチルフェニル、p−シアノフェニル、p−アセトキシフェニル、p−アセトフェニル、ビフェニル、o−(ジメチルフェニルシリル)フェニル、p−(ジメチルフェニルシリル)フェニル、o−(ジフェニルメチルシリル)、p−(ジフェニルメチルシリル)フェニル、o−(トリフェニルシリル)フェニル、p−(トリフェニルシリル)フェニル、o−(トリルジメチルシリル)フェニル、p−(トリルジメチルシリル)フェニル、o−(ベンジルジメチルシリル)フェニル、p−(ベンジルジメチルシリル)フェニル、o−(フェネチルジメチルシリル)フェニル、p−(フェネチルジメチルシリル)フェニル等のフェニル基や、ビフェニル基や、1−ナフチル、2−ナフチル、1−(4−フルオロ)ナフチル、1−(4−クロロ)ナフチル、1−(4−ブロモ)ナフチル、1−(4−ヘキシル)ナフチル、1−(4−オクチル)ナフチル等のナフチル基や、ナフタレン基や、1−アントラセン、1−(4−クロロ)アントラセン、1−(4−オクチル)アントラセン等のアントラセン基や、1−フェナントレン等のフェナントレン基や、1−フルオレン等のフルオレン基や、1−ペリレン等のペリレン基等が挙げられる。
上記エレクトロクロミック層は、熱線吸収剤や接着力調整剤を含有してもよい。上記熱線吸収剤は、上記電解質層に含有される熱線吸収剤と同様の熱線吸収剤を用いることができる。上記接着力調整剤は、上記電解質層に含有される接着力調整剤と同様の接着力調整剤を用いることができる。
上記エレクトロクロミック層の厚さは、好ましい下限が0.05μm、好ましい上限が2μmである。上記エレクトロクロミック層の厚さが0.05μm未満であると、上記エレクトロクロミック層に電圧を印加しても充分に光の透過率が変化しないことがあり、2μmを超えると、調光材料の透明性が低下することがある。上記エレクトロクロミック層の厚さのより好ましい下限は0.1μm、より好ましい上限は1μmである。
本発明の調光材料を製造する方法としては、例えば、上記エレクトロクロミック化合物を有機溶剤に溶解させた溶液を調製し、得られた溶液を上記電解質層の少なくとも一方の面に塗布し、有機溶剤を揮発させる方法が挙げられる。このような方法により、上記電解質層の少なくとも片面にエレクトロクロミック化合物を含有するエレクトロクロミック層が形成された調光シートを得ることができる。
上記電解質層の少なくとも片面にエレクトロクロミック化合物を含有するエレクトロクロミック層が形成されている調光シートもまた、本発明の1つである。
本発明の調光材料を電極面が対向する一対の透明電極基板の間に挟持して調光体を製造する場合には、上記エレクトロクロミック化合物を有機溶剤に溶解させた溶液を調製し、得られた溶液を、一方の透明電極基板の電極面上に塗布し、有機溶剤を揮発させた後、得られたエレクトロクロミック層上に上記電解質層を積層してもよい。このような製造方法によれば、より均質なエレクトロクロミック層を形成することができる。
本発明の調光材料は、上記エレクトロクロミック層上の透明電極基板に接する側の面に部分的に熱可塑性樹脂を含有する接着層が形成されていてもよい。上記接着層を部分的に形成することにより、エレクトロクロミック性を損なうことなく、導電膜に対する密着性を向上させることができる。
上記部分的に形成された接着層の形状としては、網目状、線状又は斑点状等が挙げられる。
上記接着層に含有される熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリ三フッ化エチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。なかでも、ビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましく、ビニルアセタール樹脂がより好ましい。
上記接着層は、更に、溶媒を含有することが好ましい。溶媒を含有することにより、上記接着層が柔軟になり、上記エレクトロクロミック層の導電膜に対する密着性をより向上させることができる。
上記接着層は、更に、支持電解質を含有することが好ましい。支持電解質を含有することにより、上記接着層にイオン伝導性が付与され、上記接着層によって合わせガラスのエレクトロクロミック性が低下するのを防止することができる。
上記溶媒、支持電解質は、上記電解質層に用いるのと同様の溶媒、支持電解質を用いることができる。
上記エレクトロクロミック層の面積に対する上記接着層の面積の上限は90%である。上記接着層の面積が90%を超えると、エレクトロクロミック性が低下して、電圧を印加しても光の透過率がほとんど変化しなくなることがある。上記接着層の面積の好ましい上限は80%であり、より好ましい上限は70%である。
上記接着層の最大厚みの上限は50μmである。上記接着層の最大厚みが50μmを超えると、エレクトロクロミック性が低下して、電圧を印加しても光の透過率がほとんど変化しない箇所が生じることがある。上記接着層の最大厚みのより好ましい上限は20μmである。
上記接着層を形成する方法としては、例えば、適当な有機溶剤に溶解した上記熱可塑性樹脂をスクリーン印刷によりエレクトロクロミック層上に塗布した後、乾燥する方法や、適当な有機溶剤に溶解した上記熱可塑性樹脂をスプレーによりエレクトロクロミック層上に塗布した後、乾燥する方法等が挙げられる。
本発明の調光材料又は調光シートが、各電極面が対向する一対の透明電極基板の間に挟持されている調光体もまた、本発明の1つである。
上記透明電極基板は、ガラス基板上に透明電極が形成されたものである。
上記ガラス基板としては、一般に使用されている透明板ガラスを使用することができる。例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入りガラス、線入り板ガラス、着色された板ガラス、熱線吸収ガラス、熱線反射ガラス、グリーンガラス等の無機ガラスが挙げられる。また、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアクリレート等の有機プラスチックスからなる有機ガラス板を用いることもできる。
上記ガラス基板として、2種類以上のガラス基板を組み合わせて用いてもよい。例えば、透明フロート板ガラスと、グリーンガラスのような着色されたガラス板とを組み合わせてもよいし、無機ガラスと有機ガラスとを組み合わせてもよい。また、2種以上の厚さの異なるガラス基板を組み合わせてもよい。
上記透明電極としては、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)等を含む透明導電膜が挙げられる。
本発明の調光材料又は調光シートは、合わせガラス用中間膜として使用することができる。本発明の調光材料又は調光シートを用いる合わせガラス用中間膜もまた、本発明の1つである。本発明の合わせガラス用中間膜を構成要素とする合わせガラスもまた、本発明の1つである。
本発明の合わせガラス用中間膜は、本発明の調光材料又は調光シートの構成以外に、必要に応じて、紫外線吸収剤を含有する紫外線吸収層や、熱線吸収剤を含有する赤外線吸収層等を有してもよい。
本発明の合わせガラスは、自動車用ガラスとして使用する場合は、サイドガラス、リアガラス、ルーフガラスとして用いることができる。
本発明によれば、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間が極めて短い調光材料、調光シート、該調光材料を構成する電解質シート、該調光材料を用いてなる調光体、合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスを提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
(1)電解質層の調製
トリエチレングリコールジメチルエーテル47.6重量部に、支持電解質としてビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸リチウム(LiTFSI)13.4重量部を溶解して電解質溶液を調製した。得られた電解質溶液の全量と、アセチル基量13mol%、水酸基量22mol%、平均重合度が2300のビニルブチラール樹脂100重量部とを混合して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シートに挟み、厚さ400μmのスペーサを介して、熱プレスにて120℃、9.8MPaの条件で5分間加圧し、厚さ400μmの電解質層を得た。
(2)エレクトロクロミック層の調製
ポリ(9−エチニル−10−n−オクタデシルフェナントレン)2.9重量部を100重量部のトルエンに溶解して溶液を調製した。この溶液を、得られた電解質層上に、トルエンが揮発した後の厚さが0.3μmになるようにバーコーターを用いて塗布し、乾燥してエレクトロクロミック層を形成し、合わせガラス用中間膜を作製した。
(3)合わせガラスの作製
得られた合わせガラス用中間膜を、縦5×横5cmのサイズに切断した。切断された合わせガラス用中間膜を、縦5×横5cmの一対のITOガラス(表面抵抗120Ω)で、合わせガラス用中間膜がそれぞれの導電膜と接するように挟み込んで積層した。得られた積層体を、90℃の真空ラミネーターで圧着し、圧着後120℃、14MPaの条件でオートクレーブを用いて20分間圧着を行い、合わせガラスを得た。
実施例3、6〜14、比較例1〜7
電解質層の組成を表1〜3に記載されたようにした以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
(実施例15)
ポリ(9−エチニル−10−n−オクタデシルフェナントレン)に代えて酸化タングステンを用いて、縦5×横5cmのITOガラス(表面抵抗120Ω)上に、真空蒸着法により、膜厚0.3μmになるようにエレクトロクロミック層を成膜した。成膜条件は、真空度1.0×10−3Torr、成膜速度2Å/秒とした。実施例1と同様に電解質層の調製を行い、得られた電解質層を、縦5×横5cmのサイズに切断した。切断した電解質層を、得られた酸化タングステン蒸着ガラスの酸化タングステンを蒸着した面と、縦5×横5cmのITOガラス(表面抵抗120Ω)の導電膜と接するように挟み込んで積層した。得られた積層体を、90℃の真空ラミネーターで圧着し、圧着後140℃、14MPaの条件でオートクレーブを用いて20分間圧着を行い、合わせガラスを得た。
(評価)
実施例及び比較例で得られた合わせガラス及び密着性評価用サンプルについて、以下の方法で評価を行った。
得られた合わせガラスの、エレクトロクロミック層及び接着層と接している側のITOガラスに+の端子、電解質膜と接している側のITOガラスに−の端子を取り付け、直流化電源と接続した。
完全に着色した状態の合わせガラスの波長640nmの光の透過率をTC、完全に消色した状態の合わせガラスの波長640nmの光の透過率をTBとする。
完全に着色した状態の合わせガラスに+2Vの電圧を印加し、電圧を印加してから、合わせガラスの波長640nmの光の透過率がTCからT1=TC+(TB−TC)×0.8にまで変化する時間を測定して、これを応答速度とした。
なお、試験は25℃下で行い、透過率の測定には日本分光社製の分光光度計「V−670」を用いた。
結果を表1〜3に示した。
Figure 0006061661
Figure 0006061661
Figure 0006061661
本発明によれば、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間が極めて短い調光材料、調光シート、該調光材料を構成する電解質シート、該調光材料を用いてなる調光体、合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスを提供することができる。

Claims (7)

  1. 電解質層と、エレクトロクロミック化合物を含有するエレクトロクロミック層とを有する調光材料であって、
    前記電解質層は、支持電解質、ビニルアセタール樹脂、及び、下記式(1)で表される化合物を含有し、前記ビニルアセタール樹脂100重量部に対する下記式(1)で表される化合物の含有量が47.6重量部以上、前記支持電解質の含有量が3〜60重量部である
    ことを特徴とする調光材料。
    Figure 0006061661
    式(1)中、n=2〜6の整数を表し、R、Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜8の有機基を表し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表す。
  2. ビニルアセタール樹脂は、アセチル基量が15mol%以下であり、かつ、水酸基量が30mol%以下であることを特徴とする請求項1記載の調光材料。
  3. 請求項1記載の電解質層からなることを特徴とする電解質シート。
  4. 請求項1記載の電解質層の少なくとも片面にエレクトロクロミック化合物を含有するエレクトロクロミック層が形成されていることを特徴とする調光シート。
  5. 請求項1又は2記載の調光材料、又は、請求項4記載の調光シートが、各電極面が対向する一対の透明電極基板の間に挟持されていることを特徴とする調光体。
  6. 請求項1又は2記載の調光材料、又は、請求項4記載の調光シートを用いることを特徴とする合わせガラス用中間膜。
  7. 請求項6記載の合わせガラス用中間膜を構成要素とすることを特徴とする合わせガラス。
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