JP2013213857A - 電解質膜、調光シート、調光体、合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents

電解質膜、調光シート、調光体、合わせガラス用中間膜及び合わせガラス Download PDF

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Tsutomu Ando
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Abstract

【課題】電解質膜から有機溶剤のブリードアウトがなく、かつ、0℃程度の低温下であっても、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間が短い調光体を製造することができる電解質膜、該電解質膜を用いてなる調光シート、調光体、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを提供する。
【解決手段】支持電解質、バインダー樹脂、及び、有機溶剤を含有する電解質膜であって、前記有機溶剤の添加部数が50phr以下であり、前記電解質膜のガラス転移温度が15℃以下である電解質膜。
【選択図】なし

Description

本発明は、電解質膜から有機溶剤のブリードアウトがなく、かつ、0℃程度の低温下であっても、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間が短い調光体を製造することができる電解質膜、該電解質膜を用いてなる調光シート、調光体、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを提供することを目的とする。
電圧を印加することにより光の透過率が変化する調光フィルムを備える調光体は、広く用いられている。この調光体を建築物等や、電光板等の表示装置に応用することを目的とする検討が重ねられてきた。近年、自動車等の車内の温度を制御するために、調光フィルムを合わせガラス用中間膜として用いた合わせガラスが提案されている。このような合わせガラス用中間膜を用いることにより、合わせガラスの光線透過率を制御することができると考えられている。
上記調光体は、液晶材料を用いた調光体と、エレクトロクロミック化合物を用いた調光体とに大別される。なかでも、エレクトロクロミック化合物を用いた調光体は、液晶材料を用いた調光体に比べて光散乱が少なく、偏光の影響を受けない等の優れた性質を有している。
エレクトロクロミック化合物として、無機エレクトロクロミック化合物と、有機エレクトロクロミック化合物とが知られている。また、有機エレクトロクロミック化合物として、低分子量の有機エレクトロクロミック化合物と、エレクトロクロミック性を示す高分子化合物とが検討されている。
エレクトロクロミック化合物を用いた調光体として、対向する一対の電極基板の間に、エレクトロクロミック層と電解質膜とが挟み込まれている調光体が提案されている。例えば、特許文献1及び特許文献2には、無機酸化物を含有するエレクトロクロミック層、イオン伝導層、無機酸化物を含有するエレクトロクロミック層の3層が順次積層された積層体が、2枚の導電性基板間に挟み込まれている調光体が開示されている。また、特許文献3及び特許文献4には、対向する一対の電極基板の間に、有機エレクトロクロミック化合物を含有するエレクトロクロミック層と電解質膜とが挟み込まれている調光体が開示されている。
しかしながら、従来の調光体は、応答性が劣るため、電圧を印加しても光の透過率の変化が完了するまでに時間を要するという問題があった。特に0℃以下の低温下では、応答性が著しく劣ってしまう。
特開2004−062030号公報 特開2005−062772号公報 特表2002−526801号公報 特表2004−531770号公報
本発明は、電解質膜から有機溶剤のブリードアウトがなく、かつ、0℃程度の低温下であっても、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間が短い調光体を製造することができる電解質膜、該電解質膜を用いてなる調光シート、調光体、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを提供することを目的とする。
本発明は、支持電解質、バインダー樹脂、及び、有機溶剤を含有する電解質膜であって、前記有機溶剤の添加部数が50phr以下であり、前記電解質膜のガラス転移温度が15℃以下である電解質膜である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、鋭意検討の結果、有機溶剤の添加部数50phr以下で、ガラス転移温度が15℃以下である電解質膜を用いれば、得られる調光体の低温下における応答性を著しく改善できることを見出し、本発明を完成した。
本発明の電解質膜は、支持電解質、バインダー樹脂、及び、有機溶剤を含有する。
上記電解質膜は、ガラス転移温度が15℃以下である。ガラス転移温度が15℃以下である電解質膜を用いることにより、得られる調光体の低温下における応答性を著しく改善できる。
なお、本明細書においてガラス転移温度とは、直径8mmの試験片を用いて、せん断法にて、歪み量1.0%及び周波数1Hzの条件下において、昇温速度3℃/分で動的粘弾性測定を行った際の損失正接(tanδ)のピーク温度を意味し、粘弾性測定装置(レオメトリックス社製「ARES」)を用いて測定することができる。
上記バインダー樹脂は、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリ三フッ化エチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。なかでも、ビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましく、ビニルアセタール樹脂がより好ましい。
上記バインダー樹脂がビニルアセタール樹脂である場合、有機溶剤の添加部数50phr以下で、ガラス転移温度が15℃以下とするためには、例えば、水酸基の含有率が20モル%以下であるビニルアセタール樹脂を用いる。水酸基量の下限は特にないが、実質的な下限は5モル%である。炭素数が4〜12のアルデヒドを用いてアセタール化したビニルアセタール樹脂を用いること等が挙げられる。
上記炭素数4〜12のアルデヒドは、例えば、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘプチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド、n−ウンデシルアルデヒド、n−ドデシルアルデヒド等が挙げられる。上記アルデヒドは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記支持電解質としては、リチウム塩、カリウム塩又はナトリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましい。上記アルカリ金属塩は、無機酸とアルカリ金属の塩又は有機酸とアルカリ金属の塩であることが好ましい。例えば、上記無機酸とアルカリ金属の塩として、無機酸アニオンリチウム塩、無機酸アニオンカリウム塩、又は、無機酸アニオンナトリウム塩等が挙げられ、上記有機酸とアルカリ金属の塩として、有機酸アニオンリチウム塩、有機酸アニオンカリウム塩、又は、有機酸アニオンナトリウム塩等が挙げられる。
なかでも、上記支持電解質はリチウム塩であることが好ましく、過塩素酸リチウム、ホウフッ化リチウム、リンフッ化リチウム等の無機酸アニオンリチウム塩、又は、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ビストリフルオロメタンスルホン酸イミドリチウム等の有機酸アニオンリチウム塩であることがより好ましい。
上記支持電解質は、アンモニウムカチオンと、アニオンとの塩であってもよい。
上記アンモニウムカチオンとしては、例えば、テトラエチルアンモニウム、トリメチルエチルアンモニウム、メチルプロピルピロリジニウム、メチルブチルピロリジニウム、メチルプロピルピペリジニウム、メチルブチルピペリジニウム等のアルキルアンモニウムカチオンや、エチルメチルイミダゾリウム、ジメチルエチルイミダゾリウム、メチルピリジニウム、エチルピリジニウム、プロピルピリジニウム、ブチルピリジニウム等が挙げられる。
上記アニオンとしては、過塩素酸アニオン、ホウフッ化アニオン、リンフッ化アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ビストリフルオロメタンスルホン酸イミドアニオン等が挙げられる。
本発明の電解質膜中における上記支持電解質の配合量は、上記バインダー樹脂100重量部に対する好ましい下限が3重量部、好ましい上限が60重量部である。上記支持電解質の配合量が3〜60重量部であると、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間がより一層短くなる。上記支持電解質の配合量のより好ましい下限は10重量部、更に好ましい下限は20重量部であり、より好ましい上限は50重量部、更に好ましい上限は40重量部である。
上記有機溶剤としては、例えば、アセトニトリル、ニトロメタン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン等のエステル化合物や、2−メチルテトラヒドロフラン等の置換テトラヒドロフラン化合物や、1,3−ジオキソラン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン、t−ブチルエーテル、イソブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン等のエーテル化合物や、エチレングリコール、ポリエチレングリコールスルホラン、3−メチルスルホラン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
また、上記有機溶剤として、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、ジヘキシルアジペート(DHA)等の液状可塑剤を用いてもよい。
本発明の電解質膜中における上記有機溶剤の配合量は、上記バインダー樹脂100重量部に対する上限が50重量部である。上記有機溶媒の配合量が50重量部以下であると、電解質膜から有機溶剤のブリードアウトがなく、調光体の耐貫通性も高くなる。
本発明の電解質膜は、熱線吸収剤を含有してもよい。
上記熱線吸収剤は、例えば、錫ドープ酸化インジウム粒子、アンチモンドープ酸化錫粒子、亜鉛以外の元素がドープされた酸化亜鉛粒子、六ホウ化ランタン粒子、アンチモン酸亜鉛粒子、及び、フタロシアニン構造を有する赤外線吸収剤からなる群より選択される少なくとも1種が好適である。
本発明の電解質膜は、接着力調整剤を含有してもよい。
上記接着力調整剤は、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、マグネシウム塩等が挙げられる。なかでも、炭素数2〜16のカルボン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びマグネシウム塩が好適であり、具体的には例えば、ビス(酢酸)マグネシウム、酢酸カリウム、ビス(プロピオン酸)マグネシウム、プロピオン酸カリウム、ビス(2−エチルブタン酸)マグネシウム、2−エチルブタン酸カリウム、ビス(2−エチルヘキサン酸)マグネシウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等が挙げられる。これらの接着力調整剤は単独で用いられてもよく、併用されてもよい。上記バインダー樹脂としてビニルアセタール樹脂を用いる場合、本発明の電解質膜は接着力調整剤を含有することが好ましい。
本発明の電解質膜は、ガラス転移温度が−30〜15℃であることが好ましい。本発明の電解質膜のガラス転移温度がこの範囲内であると、0℃以下の低温下における、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間がより短い調光体を製造することができる。ガラス転移温度が−30℃未満であると、0℃での光透過率の変化が完了するまでの時間がかかってしまう。ガラス転移温度が、15℃を超えると、電解質膜の強度が充分でなくなる。
本発明の電解質膜の厚さは、好ましい下限が0.01mm、好ましい上限が3.0mmである。本発明の電解質膜の厚さが0.01〜3.0mmであると、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間がより一層短くなる。本発明の電解質膜の厚さのより好ましい下限は0.1mm、より好ましい上限は2.0mm、更に好ましい下限は0.3mm、更に好ましい上限は1.0mmである。
本発明の電解質膜を製造する方法としては、例えば、上記有機溶剤に上記支持電解質を溶解した溶液を調製し、得られた溶液を上記バインダー樹脂と混合した混合物を熱プレス等の方法により電解質膜を形成する方法や、該混合物を押出機により押出成形し電解質膜を形成する方法等が挙げられる。
本発明の電解質膜の少なくとも片面に、エレクトロクロミック層を形成することにより調光シートを得ることができる。
本発明の電解質膜と、該電解質膜の少なくとも片面に形成されたエレクトロクロミック層とを有する調光シートもまた、本発明の1つである。
上記エレクトロクロミック化合物は導電性高分子であることが好ましい。
上記導電性高分子は、例えば、ポリピロール化合物、ポリアセチレン化合物、ポリチオフェン化合物、ポリパラフェニレンビニレン化合物、ポリアニリン化合物、ポリエチレンジオキシチオフェン化合物等が挙げられる。なかでも、ポリアセチレン化合物が好ましく、芳香族側鎖を有するポリアセチレン化合物がより好ましい。
上記芳香族側鎖を有するポリアセチレン化合物は、エレクトロクロミック性と導電性とを有し、かつ、エレクトロクロミック層の形成が容易である。従って、芳香族側鎖を有するポリアセチレン化合物を用いれば、優れた調光性能を有するエレクトロクロミック層を容易に形成できる。また、芳香族側鎖を有するポリアセチレン化合物は、構造が変化することにより、吸収特性の変化を示す。その結果、吸収スペクトルが近赤外線の波長領域に及ぶため、エレクトロクロミック層は広い波長領域について優れた調光性能を有する。
上記芳香族側鎖を有するポリアセチレン化合物としては、例えば、一置換又は二置換の芳香環を側鎖に有するポリアセチレン化合物等が好適である。
上記芳香族側鎖を構成する置換基としては、例えば、フェニル、p−フルオロフェニル、p−クロロフェニル、p−ブロモフェニル、p−ヨードフェニル、p−ヘキシルフェニル、p−オクチルフェニル、p−シアノフェニル、p−アセトキシフェニル、p−アセトフェニル、ビフェニル、o−(ジメチルフェニルシリル)フェニル、p−(ジメチルフェニルシリル)フェニル、o−(ジフェニルメチルシリル)フェニル、p−(ジフェニルメチルシリル)フェニル、o−(トリフェニルシリル)フェニル、p−(トリフェニルシリル)フェニル、o−(トリルジメチルシリル)フェニル、p−(トリルジメチルシリル)フェニル、o−(ベンジルジメチルシリル)フェニル、p−(ベンジルジメチルシリル)フェニル、o−(フェネチルジメチルシリル)フェニル、p−(フェネチルジメチルシリル)フェニル等のフェニル基や、ビフェニル基や、1−ナフチル、2−ナフチル、1−(4−フルオロ)ナフチル、1−(4−クロロ)ナフチル、1−(4−ブロモ)ナフチル、1−(4−ヘキシル)ナフチル、1−(4−オクチル)ナフチル等のナフチル基や、ナフタレン基や、1−アントラセン、1−(4−クロロ)アントラセン、1−(4−オクチル)アントラセン等のアントラセン基や、1−フェナントレン等のフェナントレン基や、1−フルオレン等のフルオレン基や、1−ペリレン等のペリレン基等が挙げられる。
上記エレクトロクロミック層は、熱線吸収剤や接着力調整剤を含有してもよい。従来公知の熱線吸収剤や接着力調整剤を用いることができる。
上記エレクトロクロミック層の厚さは、好ましい下限が0.05μm、好ましい上限が4μmである。上記エレクトロクロミック層の厚さが0.05μm未満であると、上記エレクトロクロミック層に電圧を印加しても充分に光の透過率が変化しないことがあり、4μmを超えると、調光体の透明性が低下することがある。上記エレクトロクロミック層の厚さのより好ましい下限は0.1μm、より好ましい上限は3μmである。
上記エレクトロクロミック層はバインダー樹脂を含有してもよい。上記バインダー樹脂は上述した本発明の電解質膜に含まれるバインダー樹脂と同様のバインダー樹脂を用いることができる。
本発明の調光シートを製造する方法としては、上記エレクトロクロミック化合物並びに任意に配合される成分を有機溶剤に溶解させた溶液を調製し、得られた溶液を本発明の電解質膜の少なくとも一方の面に塗布し、有機溶剤を揮発させる方法が挙げられる。
本発明の調光シートが、導電膜が形成されている一対のガラス板の間に、それぞれの導電膜と接するように挟み込まれている調光体もまた、本発明の1つである。
本発明の調光シートは、合わせガラス用中間膜として使用することができる。上記調光シートを用いる合わせガラス用中間膜もまた、本発明の1つである。
本発明の合わせガラス用中間膜は、本発明の調光シートの構成以外に、必要に応じて、紫外線吸収剤を含有する紫外線吸収層や、熱線吸収剤を含有する赤外線吸収層等を有してもよい。
本発明の合わせガラス用中間膜が、導電膜が形成されている一対のガラス板の間に、それぞれの導電膜と接するように挟み込まれている合わせガラスもまた、本発明の1つである。上記ガラス板は、一般に使用されている透明板ガラスを使用することができる。例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入りガラス、線入り板ガラス、着色された板ガラス、熱線吸収ガラス、熱線反射ガラス、グリーンガラス等の無機ガラスが挙げられる。また、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアクリレート等のプラスチックからなる有機ガラスを用いることもできる。
上記ガラス板として、2種類以上のガラス板を用いてもよい。例えば、透明フロート板ガラスと、グリーンガラスのような着色されたガラス板とで、本発明の調光シート又は合わせガラス用中間膜を挟持した調光体又は合わせガラスが挙げられる。また、上記ガラス板として、2種以上の厚さの異なるガラス板を用いてもよい。
上記導電膜は、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)等を含む透明導電膜が好ましい。
本発明の合わせガラスは、自動車用ガラスとして使用する場合は、サイドガラス、リアガラス、ルーフガラスとして用いることができる。本発明の合わせガラスは、また、住宅用窓ガラス、住宅天井用窓ガラス、店舗ショーウィンドウ、店舗窓ガラス、パーティション等にも用いることができる。
本発明によれば、電解質膜から有機溶剤のブリードアウトがなく、かつ、0℃程度の低温下であっても、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間が短い調光体を製造することができる電解質膜、該電解質膜を用いてなる調光シート、調光体、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
(1)ビニルアセタール樹脂の調製
アセチル化度20モル%、ブチラール化度41モル%、水酸基の含有率39モル%のビニルアセタール樹脂(平均重合度2300)をピリジンに溶解し、溶解したビニルアセタール樹脂に対し、22モル当量の無水酢酸を加え、80℃の環境下で120分間攪拌した。ピリジンを除去したビニルアセタール樹脂を水洗し、乾燥させることにより、ビニルアセタール樹脂Aを得た。得られたビニルアセタール樹脂Aのアセチル化度は43モル%、ブチラール化度は41モル%、水酸基の含有率は16モル%であった。
(2)電解質膜の調製
有機溶剤としてトリエチレングリコールジブチレート(3GB)50重量部に、支持電解質としてビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiTFSI)15重量部を溶解して電解質溶液を調製した。得られた電解質溶液の全量と、得られたビニルアセタール樹脂A100重量部とを混合して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シートに挟み、厚さ400μmのスペーサを介して、熱プレスにて150℃、9.8MPaの条件で5分間加圧し、厚さ400μmの電解質膜を得た。
得られた電解質膜についてガラス転移温度を測定したところ、10℃であった。
(3)調光シートの製造
窒素雰囲気下−50℃で9−エチニルフェナントレン3重量部を溶解させたテトラヒドロフラン溶液26.7重量部に30重量%のノルマルブチルリチウムのヘキサン溶液13.4重量部を添加した。次いで、−90℃に冷却後、カリウムターシャリーブトキシド1.8重量部を溶解させたテトラヒドロフラン溶液13.3重量部を添加し、−80℃で1時間撹拌し、5℃まで昇温した。次いで、−70℃で1−ヨードオクタデカン5.6重量部を滴下し、−30℃で12時間撹拌した。0℃で水100重量部を滴下し、ヘキサン300重量部を加え、生成した化合物を抽出した。このヘキサン層を蒸留水300重量部で3回洗浄後、無水硫酸マグネシウムで1時間乾燥させ、濾過後、溶媒を留去した。カラム精製後溶媒を留去し、ヘキサンを展開溶媒としてカラム精製することにより9−エチニル−10−n−オクタデシルフェナントレンを得た。
得られた9−エチニル−10−n−オクタデシルフェナントレン3.5重量部を、WCl触媒0.17重量部を用いて重合させ、ポリ(9−エチニル−10−n−オクタデシルフェナントレン)を得た。
得られたポリ(9−エチニル−10−n−オクタデシルフェナントレン)の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC法)により測定した。Waters社製の液体クロマトグラフ装置(Waters2695、RI Waters2410、UV Waters2996)を用い、カラムはShodex社製LF−804を使用した。0.2重量%となるようにクロロホルムに溶解したポリ(9−エチニル−10−n−オクタデシルフェナントレン)を100μL注入し、カラム温度40℃で移動相をクロロホルムとして測定を行った。ポリスチレン換算分子量は、数平均分子量14万7千、重量平均分子量31万5千であった。
得られたポリ(9−エチニル−10−n−オクタデシルフェナントレン)3重量部を100重量部のトルエンに溶解して溶液を調製した。この溶液を、得られた電解質膜上に、トルエンが揮発した後の厚さが0.3μmになるようにバーコーターを用いて塗布し、乾燥して厚さ0.3μmのエレクトロクロミック層を形成させて、調光シートを得た。
(4)調光体の製造
得られた調光シートを、表面にITO層を設けた2枚のガラス板(表面抵抗10Ω/□)で、それぞれのITO層が調光シートに接するように挟み、真空ラミネーターを用いて、90℃で20分間圧着し、調光体を得た。
(実施例2)
電解質膜の調製において、有機溶剤としてトリエチレングリコールジブチレートを40重量部に変更した以外は実施例1と同様にして調光体を得た。
(実施例3)
純水3000重量部に、平均重合度2300、ケン化度81モル%のポリビニルアルコール300重量部を溶解させて溶液を得た。この溶液を16℃に調節し、26重量%塩酸106重量部、n−ヘキシルアルデヒド6重量部を加え、混合物を得た。得られた混合物の溶液を8℃に調節し、n−ブチルアルデヒド35重量部と、n−ヘキシルアルデヒド18重量部とを加え、充分に混合し、40分間保持した。更に、26重量%塩酸380重量部を30分かけて溶液に滴下した。その後、混合物を50℃に調整し、3時間保持して反応を完了させ、固形分を水洗し、乾燥して、ビニルアセタール樹脂Bを得た。得られたビニルアセタール樹脂Bのアセチル化度は19モル%、ブチラール化度は63モル%、水酸基の含有率は18モル%であった。
ビニルアセタール樹脂Aに代えて、得られたビニルアセタール樹脂Bを用いた以外は、実施例1と同様にして調光体を得た。
(実施例4)
純水3000重量部に、平均重合度2300、ケン化度81モル%のポリビニルアルコール300重量部を溶解させて溶液を得た。この溶液を16℃に調節し、26重量%塩酸106重量部、n−オクチルアルデヒド8重量部を加え、混合物を得た。得られた混合物の溶液を8℃に調節し、n−ブチルアルデヒド37重量部と、n−オクチルアルデヒド23重量部とを加え、充分に混合し、40分間保持した。更に、26重量%塩酸380重量部を30分かけて溶液に滴下した。その後、混合物を50℃に調整し、3時間保持して反応を完了させ、固形分を水洗し、乾燥して、ビニルアセタール樹脂Cを得た。得られたビニルアセタール樹脂Cのアセチル化度は19モル%、ブチラール化度は61モル%、水酸基の含有率は20モル%であった。
ビニルアセタール樹脂Aに代えて、得られたビニルアセタール樹脂Cを用いた以外は、実施例1と同様にして調光体を得た。
(実施例5)
純水3000重量部に、平均重合度2300、ケン化度81モル%のポリビニルアルコール300重量部を溶解させて溶液を得た。この溶液を16℃に調節し、26重量%塩酸106重量部、n−ドデシルアルデヒド11重量部を加え、混合物を得た。得られた混合物の溶液を8℃に調節し、n−ブチルアルデヒド52重量部と、n−ドデシルアルデヒド44重量部とを加え、充分に混合し、40分間保持した。更に、26重量%塩酸380重量部を30分かけて溶液に滴下した。その後、混合物を50℃に調整し、3時間保持して反応を完了させ、固形分を水洗し、乾燥して、ビニルアセタール樹脂Dを得た。得られたビニルアセタール樹脂Dのアセチル化度は19モル%、ブチラール化度は62モル%、水酸基の含有率は19モル%であった。
ビニルアセタール樹脂Aに代えて、得られたビニルアセタール樹脂Dを用いた以外は、実施例1と同様にして調光体を得た。
(実施例6)
電解質膜の調製において、有機溶剤としてトリエチレングリコールジブチレートを炭酸プロピレン(PC)に変更した以外は実施例1と同様にして調光体を得た。
(比較例1)
アセチル化度は18モル%、ブチラール化度は60モル%、水酸基の含有率は22モル%であるビニルアセタール樹脂Eを用いた以外は、実施例1と同様にして調光体を得た。
(比較例2)
電解質膜の調製において、有機溶剤としてトリエチレングリコールジブチレートを50重量部から60重量部に変更した以外は実施例1と同様にして調光体を得た。
(評価1)
実施例及び比較例で得られた調光体について、以下の方法により消色時間を測定した。
完全に着色した状態の調光体の波長640nmの光の透過率をTC、完全に消色した状態の調光体の波長640nmの光の透過率をTBとする。完全に着色した状態の調光体に+2Vの電圧を印加し、電圧を印加してから、調光体の波長640nmの光の透過率がTCからT1=TC+(TB−TC)×0.8にまで変化する時間を測定して、これを消色時間とした。
なお、透過率の測定には、日本分光社製の分光光度計「V−670」を用い、温度は0℃で測定した。
結果を表1に示した。
(評価2)
実施例及び比較例で得られた調光体について、以下の方法によりブリードアウトを測定した。
電解質膜の表面に、油性マジックで長さ8cmの4本の線を書き、マーキングした。マーキングされた電解質膜を主面が鉛直方向と平行な平面内に位置するように置いた。これを30℃の条件で4週間放置した。放置後の電解質膜を目視にて観察し、油性マジックのにじみ及び垂れが認められなかった場合を「○」、油性マジックのにじみ及び垂れが認められた場合を「×」と評価した。
結果を表1に示した。
Figure 2013213857
本発明によれば、電解質膜から有機溶剤のブリードアウトがなく、かつ、0℃程度の低温下であっても、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間が短い調光体を製造することができる電解質膜、該電解質膜を用いてなる調光シート、調光体、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを提供することができる。

Claims (8)

  1. 支持電解質、バインダー樹脂、及び、有機溶剤を含有する電解質膜であって、前記有機溶剤の添加部数が50phr以下であり、前記電解質膜のガラス転移温度が15℃以下であることを特徴とする電解質膜。
  2. バインダー樹脂は、ビニルアセタール樹脂であることを特徴とする請求項1記載の電解質膜。
  3. ビニルアセタール樹脂は、水酸基量が20モル%以下であることを特徴とする請求項2記載の電解質膜。
  4. 請求項1、2又は3記載の電解質膜と、前記電解質膜の少なくとも片面に形成されたエレクトロクロミック層とを有することを特徴とする調光シート。
  5. エレクトロクロミック層は、芳香族側鎖を有するポリアセチレン化合物を含むことを特徴とする請求項4記載の調光シート。
  6. 請求項4又は5記載の調光シートが、導電膜が形成されている一対のガラス板の間に、それぞれの導電膜と接するように挟み込まれていることを特徴とする調光体。
  7. 請求項4又は5記載の調光シートを用いることを特徴とする合わせガラス用中間膜。
  8. 請求項7記載の合わせガラス用中間膜が、導電膜が形成されている一対のガラス板の間に、それぞれの導電膜と接するように挟み込まれていることを特徴とする合わせガラス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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