JP2009244367A - 調光合わせガラス用中間膜及び調光合わせガラス - Google Patents
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Abstract
【課題】単独で調光機能を発現させることができ、かつ、柔軟性が高い調光合わせガラス用中間膜及び該調光合わせガラス用中間膜を用いた調光合わせガラスを提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂を含有する最外層2、透明導電層3、エレクトロクロミック層4、電解質層5、透明導電層及び熱可塑性樹脂を含有する最外層が順次積層された調光合わせガラス用中間膜1であって、透明導電層は、導電性高分子、又は、導電性繊維を含有する。
【選択図】図1
【解決手段】熱可塑性樹脂を含有する最外層2、透明導電層3、エレクトロクロミック層4、電解質層5、透明導電層及び熱可塑性樹脂を含有する最外層が順次積層された調光合わせガラス用中間膜1であって、透明導電層は、導電性高分子、又は、導電性繊維を含有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、単独で調光機能を発現させることができ、かつ、柔軟性が高い調光合わせガラス用中間膜及び該調光合わせガラス用中間膜を用いた調光合わせガラスを用いた調光合わせガラスに関する。
電圧を印加することにより光の透過率が変化する調光体は、広く用いられている。調光体を建築物等や、電光板等の表示装置に応用するため、調光体に関する検討が重ねられてきた。
調光体は、液晶材料を用いた調光体と、エレクトロクロミック材料を用いた調光体とに大別される。なかでも、エレクトロクロミック材料を用いた調光体は、液晶材料を用いた調光体に比べて光散乱が少ない。また、エレクトロクロミック材料を用いた調光体は、偏光が少ない。
調光体は、液晶材料を用いた調光体と、エレクトロクロミック材料を用いた調光体とに大別される。なかでも、エレクトロクロミック材料を用いた調光体は、液晶材料を用いた調光体に比べて光散乱が少ない。また、エレクトロクロミック材料を用いた調光体は、偏光が少ない。
エレクトロクロミック材料は、無機エレクトロクロミック材料と、有機エレクトロクロミック材料とが挙げられる。また、有機エレクトロクロミック材料は、低分子量の有機エレクトロクロミック材料と、高分子量の有機エレクトロクロミック材料とが挙げられる。
従来のエレクトロクロミック材料を用いた調光体は、対向する一対の電極基板の間に、エレクトロクロミック層と電解質層とが挟持されていた。例えば、特許文献1及び特許文献2には、無機酸化物を含有するエレクトロクロミック層、イオン伝導層、無機酸化物を含有するエレクトロクロミック層の3層が順次積層された積層体が、2枚の導電性基板間に挟持された構造を有する調光体が開示されている。また、特許文献3及び特許文献4には、対向する一対の電極基板の間に、有機エレクトロクロミック材料を含有するエレクトロクロミック層と電解質層とが挟持された構造を有する調光体が開示されている。
近年、自動車等の車内の温度を制御するために、調光体をルーフガラス等の窓ガラスに用いることが提案されている。このような調光体を用いることにより、窓ガラスの光線透過率が制御できる。
しかしながら、従来の調光体は、電極基板の透明導電層として、酸化インジウムスズ(以下、ITOとする)等の赤外線吸収率が高い材料が使用されていた。ITOを含有する透明導電層は柔軟性が低いため、透明導電層を曲げると、クラックが発生するという問題があった。
特開2004−062030号公報
特開2005−062772号公報
特表2002−526801号公報
特表2004−531770号公報
しかしながら、従来の調光体は、電極基板の透明導電層として、酸化インジウムスズ(以下、ITOとする)等の赤外線吸収率が高い材料が使用されていた。ITOを含有する透明導電層は柔軟性が低いため、透明導電層を曲げると、クラックが発生するという問題があった。
本発明は、単独で調光機能を発現させることができ、かつ、柔軟性が高い調光合わせガラス用中間膜及び該調光合わせガラス用中間膜を用いた調光合わせガラスを提供することを目的とする。
本発明は、熱可塑性樹脂を含有する最外層、透明導電層、エレクトロクロミック層、電解質層、透明導電層及び熱可塑性樹脂を含有する最外層が順次積層された調光合わせガラス用中間膜であって、前記透明導電層は、導電性高分子、又は、導電性繊維を含有する調光合わせガラス用中間膜である。
以下に本発明を詳述する。
以下に本発明を詳述する。
本発明の調光合わせガラス用中間膜は、熱可塑性樹脂を含有する最外層、透明導電層、エレクトロクロミック層、電解質層、透明導電層及び熱可塑性樹脂を含有する最外層が順次積層された構造を有する。
図1に本発明の調光合わせガラス用中間膜の一例を示す。
図1に示すように、本発明の調光合わせガラス用中間膜1は、熱可塑性樹脂を含有する最外層2、透明導電層3、エレクトロクロミック層4、電解質層5、透明導電層3及び熱可塑性樹脂を含有する最外層2が順次積層された構造を有する。そして、本発明の調光合わせガラス用中間膜1を構成する1対の透明導電層3に、所定のリード線等を結線して電圧を印加することで、エレクトロクロミック層に電子が授受され、光学特性が変化する。
また、調光合わせガラス用中間膜1の両面にガラス6を積層することで、調光合わせガラスとすることができる。
図1に示すように、本発明の調光合わせガラス用中間膜1は、熱可塑性樹脂を含有する最外層2、透明導電層3、エレクトロクロミック層4、電解質層5、透明導電層3及び熱可塑性樹脂を含有する最外層2が順次積層された構造を有する。そして、本発明の調光合わせガラス用中間膜1を構成する1対の透明導電層3に、所定のリード線等を結線して電圧を印加することで、エレクトロクロミック層に電子が授受され、光学特性が変化する。
また、調光合わせガラス用中間膜1の両面にガラス6を積層することで、調光合わせガラスとすることができる。
上記最外層は、熱可塑性樹脂を含有する。
上記熱可塑性樹脂は特に限定されず、ガラスに対する接着力が高いため、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂が好ましい。
上記熱可塑性樹脂は特に限定されず、ガラスに対する接着力が高いため、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂が好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化して得られるポリビニルアセタール樹脂であれば特に限定されないが、ポリビニルブチラール樹脂が好適である。また、必要に応じて2種以上のポリビニルアセタール樹脂を併用してもよい。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度の好ましい下限は40モル%、好ましい上限は85モル%であり、より好ましい下限は60モル%、より好ましい上限は75モル%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度の好ましい下限は40モル%、好ましい上限は85モル%であり、より好ましい下限は60モル%、より好ましい上限は75モル%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化することにより製造できる。
また、上記ポリビニルアルコールの重合度の好ましい下限は200、好ましい上限は3000である。上記重合度が200未満であると、合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。上記重合度が3000を超えると、ポリビニルアセタール樹脂層の成形が困難となることがある。上記重合度のより好ましい下限は500、より好ましい上限は2000である。
また、上記ポリビニルアルコールの重合度の好ましい下限は200、好ましい上限は3000である。上記重合度が200未満であると、合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。上記重合度が3000を超えると、ポリビニルアセタール樹脂層の成形が困難となることがある。上記重合度のより好ましい下限は500、より好ましい上限は2000である。
上記アルデヒドは特に限定されないが、一般には、炭素数が1〜10のアルデヒドが好適に用いられる。上記炭素数が1〜10のアルデヒドは特に限定されず、例えば、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。なかでも、n−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−バレルアルデヒドが好ましく、炭素数が4のn−ブチルアルデヒドがより好ましい。これらのアルデヒドは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂は、酢酸ビニル成分を18〜35重量%含有することが好ましい。上記酢酸ビニル成分の含有量が18重量%未満であると、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂層の透明性が低下することがある。上記酢酸ビニル成分の含有量が35重量%を超えると、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂層の引っ張り強度が低下することがある。
また、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂のメルトインデックス(MI)は、1〜200であることが好ましい。上記メルトインデックスが1未満であると、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂層の流動性が低下することがある。上記メルトインデックスが200を超えると、合わせガラスの耐衝撃性が低下することがある。
上記透明導電層は、エレクトロクロミック層に電圧を印加するための導電層である。本発明において、上記透明導電層は、導電性高分子、又は、導電性繊維を含有する。従来のITOを含有する透明導電層と比較して、上記透明導電層は柔軟性を大幅に高めることができる。
なお、本明細書において透明とは、400〜800nmの波長領域における全光線透過率が60%以上であることを意味する。
なお、本明細書において透明とは、400〜800nmの波長領域における全光線透過率が60%以上であることを意味する。
上記導電性高分子は特に限定されず、例えば、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリアニリン、ポリアセン、ポリエチレンジオキシチオフェン等が挙げられる。なかでも、ポリエチレンジオキシチオフェンが好ましく、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)にポリスチレンスルホン酸をドープした高分子が特に好ましい。
上記導電性高分子を含有する透明導電層を形成する方法は特に限定されず、例えば、上記導電性高分子を分散又は溶解させた溶液を塗工・乾燥する方法等が挙げられる。
上記導電性繊維は特に限定されず、例えば、金、銀、クロム、銅、タングステン、アルミニウム等の金属繊維や、酸化スズ、酸化亜鉛等の金属酸化物繊維や、カーボンナノチューブ等が挙げられる。
上記バインダー樹脂は、透明な樹脂であれば特に限定されないが、例えば、ポリビニルアセタール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリ三フッ化エチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等が挙げられる。なかでも、接着力が優れることから、ポリビニルアセタール、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。
また、上記バインダー樹脂として、上記導電性高分子を用いてもよい。例えば、上記導電性高分子と、上記導電性繊維とを混合して、上記透明導電層を形成してもよい。
上記透明導電層中の導電性繊維の含有量の好ましい下限は10重量%、好ましい上限は70重量%である。上記導電性繊維の含有量が10重量%未満であると、充分な導電性が得られず、70重量%を超えると、透明導電層の透明性が低下することがある。
上記導電性繊維を含有する透明導電層を形成する方法は特に限定されず、例えば、上記導電性繊維をバインダー樹脂中に分散させた組成物を基板に塗工し、乾燥させる方法、溶融したバインダー樹脂に上記導電性繊維を分散させて、シートに成形する方法等が挙げられる。
上記透明導電層の表面抵抗の好ましい下限が0.5Ω/□、好ましい上限が200Ω/□である。上記表面抵抗が0.5Ω/□未満であると、エレクトロクロミック層が劣化することがあり、上記表面抵抗が200Ω/□を超えると、調光体の調光機能が発現しないことがある。
上記エレクトロクロミック層は、上記透明導電層が電圧を印加することにより、光学特性が変化する(以下、エレクトロクロミック性ともいう)。
上記エレクトロクロミック層は、上記電圧を印加することにより、光学特性が変化する物質のみで構成されるエレクトロクロミック層であってもよく、上記電圧を印加することにより、光学特性が変化する物質と、バインダー樹脂とを含有する組成物で構成されるエレクトロクロミック層でもよい。
上記バインダー樹脂は、透明な樹脂であれば特に限定されないが、例えば、ポリビニルアセタール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリ三フッ化エチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等が挙げられる。なかでも、接着力が優れることから、ポリビニルアセタール、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。
上記エレクトロクロミック層は、上記電圧を印加することにより、光学特性が変化する物質のみで構成されるエレクトロクロミック層であってもよく、上記電圧を印加することにより、光学特性が変化する物質と、バインダー樹脂とを含有する組成物で構成されるエレクトロクロミック層でもよい。
上記バインダー樹脂は、透明な樹脂であれば特に限定されないが、例えば、ポリビニルアセタール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリ三フッ化エチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等が挙げられる。なかでも、接着力が優れることから、ポリビニルアセタール、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。
上記エレクトロクロミック性を有する物質は、特に限定されず、無機化合物であってもよく、有機化合物であってもよい。例えば、Mo2O3、Ir2O3、NiO、V2O5、WO3等の無機化合物が挙げられる。また、上記エレクトロクロミック性を有する物質として、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリアニリン、ポリアセン、ポリエチレンジオキシチオフェン、金属フタロシアニン、ビオロゲン、ビオロゲン塩、フェロセン、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル等が挙げられる。
上記エレクトロクロミック性を有する物質は、芳香族側鎖を有するポリアセチレンが好ましい。上記芳香族側鎖を有するポリアセチレンは、エレクトロクロミック性と、導電性とを有する。更に、上記芳香族側鎖を有するポリアセチレンは容易にフィルム等に成形できる。従って、芳香族側鎖を有するポリアセチレンを用いれば、優れた調光性能を有するエレクトロクロミック層が形成できる。また、芳香族側鎖を有するポリアセチレンは、構造が変化することにより、吸収特性の変化を示す。その結果、吸収スペクトルが近赤外線の波長領域にも及ぶため、調光体は広い波長領域について優れた調光性能を有する。
上記芳香族側鎖を有するポリアセチレンは特に限定はされないが、例えば、一置換又は二置換の芳香族を側鎖に有するポリアセチレン等が好適である。
上記芳香族側鎖を構成する置換基は特に限定はされないが、例えば、フェニル、p−フルオロフェニル、p−クロロフェニル、p−ブロモフェニル、p−ヨードフェニル、p−ヘキシルフェニル、p−オクチルフェニル、p−シアノフェニル、p−アセトキシフェニル、p−アセトフェニル、ビフェニル、o−(ジメチルフェニルシリル)フェニル、p−(ジメチルフェニルシリル)フェニル、o−(ジフェニルメチルシリル)、p−(ジフェニルメチルシリル)フェニル、o−(トリフェニルシリル)フェニル、p−(トリフェニルシリル)フェニル、o−(トリルジメチルシリル)フェニル、p−(トリルジメチルシリル)フェニル、o−(ベンジルジメチルシリル)フェニル、p−(ベンジルジメチルシリル)フェニル、o−(フェネチルジメチルシリル)フェニル、p−(フェネチルジメチルシリル)フェニル等のフェニル基や、ビフェニル基や、1−ナフチル、2−ナフチル、1−(4−フルオロ)ナフチル、1−(4−クロロ)ナフチル、1−(4−ブロモ)ナフチル、1−(4−ヘキシル)ナフチル、1−(4−オクチル)ナフチル等のナフチル基や、ナフタレン基や、1−アントラセン、1−(4−クロロ)アントラセン、1−(4−オクチル)アントラセン等のアントラセン基や、1−フェナントレン等のフェナントレン基や、1−フルオレン等のフルオレン基や、1−ペリレン等のペリレン基等が挙げられる。
上記電解質層は、イオンを伝導する。
上記電解質層は特に限定されず、例えば、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタン等の無機誘電体薄膜が挙げられる。
また、上記電解質として、支持電解質を有機溶媒に溶解した液層電解質を用いて、上記電解質層を形成してもよい。また、支持電解質を高分子化合物に分散させた高分子電解質を用いて、上記電解質層を形成してもよい。
上記支持電解質は特に限定されず、例えば、無機イオン塩、4級アンモニウム塩、環状4級アンモニウム塩等が挙げられる。上記無機イオン塩は特に限定されず、例えば、アルカリ(土類)金属塩等が挙げられる。また、上記アルカリ(土類)金属塩は特に限定されず、例えば、テトラフルオロ硼酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、過塩素酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、ヘキサフルオロ砒酸塩、トリフルオロスルホン酸イミド塩、ハロゲン化塩等が挙げられる。
上記有機溶媒は特に限定されず、例えば、アセトニトリル、ニトロメタン、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ブチレン、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、γ-ブチロラクトン等のエステル類や、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の置換テトラヒドロフラン類や、1,3−ジオキソラン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン、t−ブチルエーテル、イソブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン等のエーテル類や、エチレングリコール、ポリエチレングリコールスルホラン、3−メチルスルホラン、アセトニトリル、蟻酸メチル、酢酸メチル、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
上記高分子化合物は特に限定されず、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリ三フッ化エチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキサイド、ポリスチレンスルホン酸、ポリグリコール骨格を有する高分子等が挙げられる。
なかでも、柔軟な調光合わせガラス用中間膜が得られることから、上記電解質層は高分子電解質を用いて形成することが好ましい。特に、接着力が優れることから、上記高分子化合物は、ポリビニルアセタール、又は、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。
上記電解質層は特に限定されず、例えば、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタン等の無機誘電体薄膜が挙げられる。
また、上記電解質として、支持電解質を有機溶媒に溶解した液層電解質を用いて、上記電解質層を形成してもよい。また、支持電解質を高分子化合物に分散させた高分子電解質を用いて、上記電解質層を形成してもよい。
上記支持電解質は特に限定されず、例えば、無機イオン塩、4級アンモニウム塩、環状4級アンモニウム塩等が挙げられる。上記無機イオン塩は特に限定されず、例えば、アルカリ(土類)金属塩等が挙げられる。また、上記アルカリ(土類)金属塩は特に限定されず、例えば、テトラフルオロ硼酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、過塩素酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、ヘキサフルオロ砒酸塩、トリフルオロスルホン酸イミド塩、ハロゲン化塩等が挙げられる。
上記有機溶媒は特に限定されず、例えば、アセトニトリル、ニトロメタン、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ブチレン、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、γ-ブチロラクトン等のエステル類や、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の置換テトラヒドロフラン類や、1,3−ジオキソラン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン、t−ブチルエーテル、イソブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン等のエーテル類や、エチレングリコール、ポリエチレングリコールスルホラン、3−メチルスルホラン、アセトニトリル、蟻酸メチル、酢酸メチル、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
上記高分子化合物は特に限定されず、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリ三フッ化エチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキサイド、ポリスチレンスルホン酸、ポリグリコール骨格を有する高分子等が挙げられる。
なかでも、柔軟な調光合わせガラス用中間膜が得られることから、上記電解質層は高分子電解質を用いて形成することが好ましい。特に、接着力が優れることから、上記高分子化合物は、ポリビニルアセタール、又は、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。
本発明の調光合わせガラス用中間膜を製造する方法は特に限定されない。例えば、テレフタル酸ジメチル等のエレクトロクロミック性を有する物質を適当な溶媒に溶解させた溶液を作製する。得られた溶液と、バインダー樹脂とを混合した後、製膜してエレクトロクロミック層を形成し、更に電解質層を形成する。その後、導電性高分子又は導電性繊維を含有する溶液を、エレクトロクロミック層と電解質層との表面に塗布・乾燥することにより透明導電層を形成する。次いで、透明導電層の表面に、熱可塑性樹脂を含有する最外層を形成する方法等が挙げられる。
上記塗工の方法は特に限定されず、例えば、スピンコート法、キャスト法等の従来公知の方法を用いることができる。
上記塗工の方法は特に限定されず、例えば、スピンコート法、キャスト法等の従来公知の方法を用いることができる。
本発明の調光合わせガラス用中間膜は窓ガラス、サングラス、パーテーション等の各種スクリーンや、フロントガラスやルーフ等の車両用調光体や、各種表示パネル等に好適に用いることができる。
本発明の調光合わせガラス用中間膜の膜全体の厚みは、0.2〜3.0mmであることが好ましい。
また、少なくとも一対のガラス間に、本発明の調光合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させることにより、調光合わせガラスを製造することができる。本発明の調光合わせガラス用中間膜を用いてなる調光合わせガラスもまた、本発明の1つである。
上記ガラスは特に限定されず、例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入り板ガラス、線入り板ガラス、熱線吸収板ガラス、着色された板ガラス等の無機ガラス板や、アクリル板、ポリカーボネート板等の有機ガラス板等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明の調光合わせガラスの製造方法は特に限定されず、既知の方法を用いることができる。例えば、本発明の調光合わせガラス用中間膜の両側を、ガラス板で挟み込み、熱圧着し、調光合わせガラスを製造する方法等が挙げられる。
本発明は、透明導電層が形成された基板等を積層させなくても、中間膜単独で調光機能が発現する。また、本発明の調光合わせガラス用中間膜は、柔軟性に優れることから、自動車用フロントガラス等のような平板形状以外の用途にも好適に使用することができる。
更に、少なくとも一対のガラス等に、本発明の調光合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させることにより、調光合わせガラスとすることができる。
更に、少なくとも一対のガラス等に、本発明の調光合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させることにより、調光合わせガラスとすることができる。
以下に本発明の実施例を挙げて更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)エレクトロクロミック層の作製
炭酸プロピレン4gに、エレクトロクロミック色素としてテレフタル酸ジメチル700mgを溶解させ、エレクトロクロミック溶液とした。得られたエレクトロクロミック溶液をポリビニルブチラール樹脂10gと混合した後、熱プレス(150℃、15分)することにより、エレクトロクロミック層を得た。
(1)エレクトロクロミック層の作製
炭酸プロピレン4gに、エレクトロクロミック色素としてテレフタル酸ジメチル700mgを溶解させ、エレクトロクロミック溶液とした。得られたエレクトロクロミック溶液をポリビニルブチラール樹脂10gと混合した後、熱プレス(150℃、15分)することにより、エレクトロクロミック層を得た。
(2)調光合わせガラス用中間膜の作製
炭酸プロピレン5gに、支持電解質として過塩素酸リチウム1.2gを溶解させ、更に、ポリビニルブチラール樹脂10gと混合した後、熱プレス(150℃、15分)することにより、電解質層を得た。得られた電解質層を、エレクトロクロミック層の片面に圧着することにより、電解質層を形成し、エレクトロクロミック層と電解質層とを有する積層体を得た。
次いで、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)にポリスチレンスルホン酸がドープされた高分子1gが溶解している水溶液100gに、ジメチルスルホキシド5gを添加し、溶液を得た。得られた積層体の両面に、得られた溶液を塗布した後、100℃に加熱したホットプレート上で2分間乾燥させることにより、透明導電層を形成した。透明導電層の端部にAg導電ペーストを用いて電極を形成した。
炭酸プロピレン5gに、支持電解質として過塩素酸リチウム1.2gを溶解させ、更に、ポリビニルブチラール樹脂10gと混合した後、熱プレス(150℃、15分)することにより、電解質層を得た。得られた電解質層を、エレクトロクロミック層の片面に圧着することにより、電解質層を形成し、エレクトロクロミック層と電解質層とを有する積層体を得た。
次いで、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)にポリスチレンスルホン酸がドープされた高分子1gが溶解している水溶液100gに、ジメチルスルホキシド5gを添加し、溶液を得た。得られた積層体の両面に、得られた溶液を塗布した後、100℃に加熱したホットプレート上で2分間乾燥させることにより、透明導電層を形成した。透明導電層の端部にAg導電ペーストを用いて電極を形成した。
ポリビニルアセタール樹脂10gと可塑剤3GO(トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート)5gとを混合した後、熱プレス(150℃、15分)することにより、ポリビニルアセタール樹脂層を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂層を、透明導電層の両面に圧着することにより、調光合わせガラス用中間膜を得た。
得られた調光合わせガラス用中間膜は、単独で調光機能を有し、フレキシブルであるため、平板形状以外のガラス板や樹脂板と貼り合わせてエレクトロクロミックセルを製造できる。
得られた調光合わせガラス用中間膜は、単独で調光機能を有し、フレキシブルであるため、平板形状以外のガラス板や樹脂板と貼り合わせてエレクトロクロミックセルを製造できる。
得られた調光合わせガラス用中間膜の電極に+2Vの直流電圧を印加すると、透過率が変化し、青色から透明に変化した。次いで、電極に−2Vの直流電圧を印加すると、再び青色に変化した。更に、調光合わせガラス用中間膜を直径10cmの円筒に巻き付けて、+2V、又は−2Vの直流電圧を印加したところ、調光合わせガラス用中間膜の色の変化が確認された。
従来では、透明導電層がITOを含有するため、柔軟性が高い調光合わせガラス用中間膜を得ることができなかった。
従来では、透明導電層がITOを含有するため、柔軟性が高い調光合わせガラス用中間膜を得ることができなかった。
本発明によれば、単独で調光機能を発現させることができ、かつ、柔軟性が高い調光合わせガラス用中間膜及び該調光合わせガラス用中間膜を用いた調光合わせガラスを提供できる。
1 調光合わせガラス用中間膜
2 熱可塑性樹脂を含有する最外層
3 透明導電層
4 エレクトロクロミック層
5 電解質層
6 ガラス
2 熱可塑性樹脂を含有する最外層
3 透明導電層
4 エレクトロクロミック層
5 電解質層
6 ガラス
Claims (2)
- 熱可塑性樹脂を含有する最外層、透明導電層、エレクトロクロミック層、電解質層、透明導電層及び熱可塑性樹脂を含有する最外層が順次積層された調光合わせガラス用中間膜であって、
前記透明導電層は、導電性高分子、又は、導電性繊維を含有する
ことを特徴とする調光合わせガラス用中間膜。 - 請求項1記載の調光合わせガラス用中間膜を用いてなることを特徴とする調光合わせガラス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008088224A JP2009244367A (ja) | 2008-03-28 | 2008-03-28 | 調光合わせガラス用中間膜及び調光合わせガラス |
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JP2009244367A true JP2009244367A (ja) | 2009-10-22 |
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ID=41306364
Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2009244367A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011074640A1 (ja) * | 2009-12-16 | 2011-06-23 | 積水化学工業株式会社 | 調光体、調光シート、合わせガラス用中間膜及び合わせガラス |
JP2013001787A (ja) * | 2011-06-15 | 2013-01-07 | Sekisui Chem Co Ltd | 電解質膜、合わせガラス用中間膜及び調光体 |
JP2018168013A (ja) * | 2017-03-29 | 2018-11-01 | 積水化学工業株式会社 | 合わせガラス用中間膜、合わせガラス、及び、合わせガラス用中間膜の製造方法 |
-
2008
- 2008-03-28 JP JP2008088224A patent/JP2009244367A/ja active Pending
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