JP2011144105A - 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents

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大輔 中島
Tsutomu Ando
努 安藤
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和幸 矢原
Keigo Owashi
圭吾 大鷲
Keiichi Osano
恵市 小佐野
Atsushi Wada
敦 和田
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Abstract

【課題】電圧を印加することにより光の透過率が変化し、かつ、高い安全性を有する合わせガラスを製造できる合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスを提供する。
【解決手段】電解質層と、前記電解質層の少なくとも片面に形成されたエレクトロクロミック化合物を含有するエレクトロクロミック層と、前記エレクトロクロミック層上に部分的に形成された熱可塑性樹脂を含有する接着層とを有する合わせガラス用中間膜であって、前記エレクトロクロミック層の面積に対する前記接着層の面積が10〜90%であり、かつ、前記接着層の最大厚みが50μm以下である合わせガラス用中間膜。
【選択図】なし

Description

本発明は、電圧を印加することにより光の透過率が変化し、かつ、高い安全性を有する合わせガラスを製造できる合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスに関する。
電圧を印加することにより光の透過率が変化する調光体は、広く用いられている。
上記調光体は、液晶材料を用いた調光体と、エレクトロクロミック化合物を用いた調光体とに大別される。エレクトロクロミック化合物を用いた調光体は、液晶材料を用いた調光体に比べて光散乱が少なく、偏光が少ないという特徴がある。
エレクトロクロミック化合物を用いた調光体として、対向する一対の電極基板の間に、エレクトロクロミック層と電解質層とが挟み込まれている調光体が提案されている。例えば、特許文献1及び特許文献2には、無機酸化物を含有するエレクトロクロミック層、イオン伝導層、無機酸化物を含有するエレクトロクロミック層の3層が順次積層された積層体が、2枚の導電性基板間に挟み込まれている調光体が開示されている。また、特許文献3及び特許文献4には、対向する一対の電極基板の間に、有機エレクトロクロミック材料を含有するエレクトロクロミック層と電解質層とが挟み込まれている調光体が開示されている。
近年、調光体を合わせガラス用中間膜として用いた合わせガラスを自動車用窓ガラスや建築用窓ガラスに用いることが提案されている。このような合わせガラス用中間膜を用いれば、合わせガラスの光線透過率を制御して、車内や室内の温度を調整することができると考えられる。
自動車用、建築用途にかかわらず合わせガラスには、高い安全性が求められる。とりわけ合わせガラスを自動車用ガラスに用いる場合には、高い耐貫通性が求められる。合わせガラスが高い耐貫通性を発揮するためには、ガラス板と合わせガラス用中間膜とが適度に密着することが求められる。しかしながら、従来の調光体を合わせガラス用中間膜として用いた場合、ガラス板に対する密着性が低く、高い耐貫通性を発揮できないばかりか、使用中にガラス板と合わせガラス用中間膜とが剥離してしまう危険性があった。
特開2004−062030号公報 特開2005−062772号公報 特表2002−526801号公報 特表2004−531770号公報
本発明は、上記現状に鑑み、電圧を印加することにより光の透過率が変化し、かつ、高い安全性を有する合わせガラスを製造できる合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスを提供することを目的とする。
本発明は、電解質層と、前記電解質層の少なくとも片面に形成されたエレクトロクロミック化合物を含有するエレクトロクロミック層と、前記エレクトロクロミック層上に部分的に形成された熱可塑性樹脂を含有する接着層とを有する合わせガラス用中間膜であって、前記エレクトロクロミック層の面積に対する前記接着層の面積が10〜90%であり、かつ、前記接着層の最大厚みが50μm以下である合わせガラス用中間膜である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、従来の調光体を合わせガラス用中間膜として用いた場合に、ガラス板との密着性が低い原因について検討した。その結果、調光体を構成するエレクトロクロミック層と、ガラス板の表面の導電膜との密着性が低いことが原因であることを見出した。
これに対して本発明者は、エレクトロクロミック層の表面に接着層を設けることにより、エレクトロクロミック層と導電膜との密着性を向上させることを検討した。しかしながら、エレクトロクロミック層の表面に接着層を設けると、エレクトロクロミック性が低下し、電圧を印加しても光の透過率を変化させることができなくなるという問題があった。
そこで本発明者は、エレクトロクロミック層の面積に対する接着層の面積が一定の範囲になるように部分的に接着層を設け、かつ、該接着層の最大厚さを一定の範囲にすることにより、エレクトロクロミック性に影響することなく導電膜に対する密着性を向上できることを見出し、本発明を完成した。
本発明の合わせガラス用中間膜は、電解質層と、該電解質層の少なくとも片面に形成されたエレクトロクロミック層と、該エレクトロクロミック層上に部分的に形成された接着層とを有する。
上記電解質層は、イオンを伝導することにより上記エレクトロクロミック層に電圧を印加し、エレクトロクロミック層の光の透過率を変化させる役割を有する。
上記電解質層は、支持電解質塩とバインダー樹脂とを含有することが好ましい。例えば、上記電解質層は、バインダー樹脂と支持電解質塩とを含有する樹脂組成物を用いて形成されることが好ましい。
上記電解質層は、更に、下記式(1)で表される化合物又は下記式(2)で表される化合物を含有することが好ましい。上記電解質層に上記特定の構造を有する化合物を添加することにより、更に応答性が高く、電圧を印加してから光の透過率の変化が完了するまでの時間が極めて短い合わせガラス用中間膜が得られる。
Figure 2011144105
式(1)中、n=2〜4の整数を表し、Rは水素原子、炭素数1〜7の有機基を有するアシル基又は炭素数1〜8の有機基を表し、Rはエチレン基又はプロピレン基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜7の有機基を有するアシル基又は炭素数1〜8の有機基を表し、少なくともR又はRの何れかはアシル基を有する。
Figure 2011144105
式(2)中、Rは炭素数2〜8であり、酸素原子を有する有機基を表し、Rは炭素数2〜8のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基を表し、Rは炭素数2〜8であり、酸素原子を有する有機基を表す。R及びRは同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式(1)で表される化合物又は上記式(2)で表される化合物は、単独で用いてもよく、併用してもよい。なかでも、耐久性が向上し、かつ、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間がより短い合わせガラス用中間膜が得られることから、上記式(1)で表される化合物を含有することが好ましい。
上記式(1)中、Rは水素原子、炭素数1〜7の有機基を有するアシル基又は炭素数1〜8の有機基を表す。なかでも、上記バインダー樹脂との相溶性がより向上することから、Rは炭素数1〜7の有機基を有するアシル基又は炭素数1〜8の有機基であることが好ましく、炭素数1〜7の有機基を有するアシル基であることがより好ましく、炭素数1〜7のアルキル基を有するアシル基であることが更に好ましい。
上記式(1)中のRを表す炭素数1〜7の有機基を有するアシル基における、有機基の炭素数の好ましい下限は2、好ましい上限は6である。上記炭素数が2以上であると、電解質層の耐久性が向上し、6以下であると、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間がより短い合わせガラス用中間膜が得られる。上記炭素数のより好ましい下限は3、より好ましい上限は5であり、更に好ましい上限は4である。
上記炭素数1〜7の有機基は、直鎖構造を有する有機基、又は、分岐構造を有する有機基であってもよく、直鎖構造を有するアルキル基、又は、分岐構造を有するアルキル基であることが好ましい。上記分岐構造を有する有機基又は分岐構造を有するアルキル基において、有機基又はアルキル基の分岐鎖の炭素数は3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1以下であることが更に好ましい。
電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間が更に一層短い合わせガラス用中間膜が得られることから、上記炭素数1〜7の有機基が直鎖構造を有する場合は、上記炭素数1〜7の有機基を有するアシル基は、炭素数1〜7であり、かつ、直鎖構造を有する有機基を有するアシル基、又は、炭素数1〜7であり、かつ、直鎖構造を有するアルキル基を有するアシル基であることが好ましい。
電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間が更に一層短い合わせガラス用中間膜が得られることから、上記炭素数1〜7の有機基が分岐構造を有する場合は、上記炭素数1〜7の有機基を有するアシル基は、炭素数1〜7であり、かつ、分岐構造を有する有機基を有するアシル基、又は、炭素数1〜7であり、かつ、分岐構造を有するアルキル基を有するアシル基であることが好ましく、炭素数1〜7であり、分岐構造を有し、かつ、分岐鎖の炭素数が3以下であるアルキル基を有するアシル基であることがより好ましく、炭素数1〜7であり、分岐構造を有し、かつ、分岐鎖の炭素数が2以下であるアルキル基を有するアシル基であることが更に好ましく、炭素数1〜7であり、分岐構造を有し、かつ、分岐鎖の炭素数が1以下であるアルキル基を有するアシル基であることが特に好ましい。
なお、上記炭素数1〜7の有機基を有するアシル基とは、該有機基の炭素数が1〜7であることを意味し、上記炭素数1〜7のアルキル基を有するアシル基とは、該アルキル基の炭素数が1〜7であることを意味する。
上記式(1)中のRが炭素数1〜8の有機基である場合、上記バインダー樹脂との相溶性がより向上することから、上記炭素数1〜8の有機基は炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましい。
上記式(1)中のRを表す炭素数1〜8の有機基における炭素数の好ましい下限は2、好ましい上限は7である。上記炭素数が2以上であると、電解質層の耐久性が向上し、7以下であると、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間がより短い合わせガラス用中間膜が得られる。上記炭素数のより好ましい下限は3、より好ましい上限は6であり、更に好ましい下限は4、更に好ましい上限は5である。
上記炭素数1〜8の有機基は、直鎖構造を有する有機基、又は、分岐構造を有する有機基であってもよく、直鎖構造を有するアルキル基、又は、分岐構造を有するアルキル基であることが好ましい。上記分岐構造を有する有機基又は分岐構造を有するアルキル基において、有機基又はアルキル基の分岐鎖の炭素数は3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1以下であることが更に好ましい。
電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間が更に一層短い合わせガラス用中間膜が得られることから、上記炭素数1〜8の有機基が直鎖構造を有する場合は、上記炭素数1〜8の有機基は、炭素数1〜8であり、かつ、直鎖構造を有するアルキル基であることが好ましい。
電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間が更に一層短い合わせガラス用中間膜が得られることから、上記炭素数1〜8の有機基が分岐構造を有する場合は、上記炭素数1〜8の有機基は、炭素数1〜8であり、かつ、分岐構造を有するアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜8であり、分岐構造を有し、かつ、分岐鎖の炭素数が3以下であるアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜8であり、分岐構造を有し、かつ、分岐鎖の炭素数が2以下であるアルキル基であることが更に好ましく、炭素数1〜8であり、分岐構造を有し、かつ、分岐鎖の炭素数が1以下であるアルキル基であることが特に好ましい。
上記式(1)中、Rはエチレン基又はプロピレン基を表す。上記プロピレン基はn−プロピレン基であってもよく、イソプロピレン基であってもよい。電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間がより短い調光体が得られることから、Rはエチレン基であることが好ましい。
上記式(1)中、Rは水素原子、炭素数1〜7の有機基を有するアシル基又は炭素数1〜8の有機基を表す。なかでも、上記バインダー樹脂との相溶性がより向上することから、Rは炭素数1〜7の有機基を有するアシル基又は炭素数1〜8の有機基であることが好ましく、炭素数1〜7の有機基を有するアシル基であることがより好ましく、炭素数1〜7のアルキル基を有するアシル基であることが更に好ましい。
上記式(1)中のRを表す炭素数1〜7の有機基を有するアシル基における炭素数の好ましい下限は2、好ましい上限は6である。上記炭素数が2以上であると、電解質層の耐久性が向上し、6以下であると、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間がより短い合わせガラス用中間膜が得られる。上記炭素数のより好ましい下限は3、より好ましい上限は5であり、更に好ましい上限は4である。
上記炭素数1〜7の有機基は、直鎖構造を有する有機基、又は、分岐構造を有する有機基であってもよく、直鎖構造を有するアルキル基、又は、分岐構造を有するアルキル基であることが好ましい。上記分岐構造を有する有機基又は分岐構造を有するアルキル基において、有機基又はアルキル基の分岐鎖の炭素数は3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1以下であることが更に好ましい。
電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間が更に一層短い合わせガラス用中間膜が得られることから、上記炭素数1〜7の有機基が直鎖構造を有する場合は、上記炭素数1〜7の有機基を有するアシル基は、炭素数1〜7であり、かつ、直鎖構造を有する有機基を有するアシル基、又は、炭素数1〜7であり、かつ直鎖構造を有するアルキル基を有するアシル基であることが好ましい。
電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間が更に一層短い合わせガラス用中間膜が得られることから、上記炭素数1〜7の有機基が分岐構造を有する場合は、上記炭素数1〜7の有機基を有するアシル基は、炭素数1〜7であり、かつ、分岐構造を有する有機基を有するアシル基、又は、炭素数1〜7であり、かつ、分岐構造を有するアルキル基を有するアシル基であることが好ましく、炭素数1〜7であり、分岐構造を有し、かつ、分岐鎖の炭素数が3以下であるアルキル基を有するアシル基であることがより好ましく、炭素数1〜7であり、分岐構造を有し、かつ、分岐鎖の炭素数が2以下であるアルキル基を有するアシル基であることが更に好ましく、炭素数1〜7であり、分岐構造を有し、かつ、分岐鎖の炭素数が1以下であるアルキル基を有するアシル基であることが特に好ましい。
なお、上記炭素数1〜7の有機基を有するアシル基とは、該有機基の炭素数が1〜7であることを意味し、上記炭素数1〜7のアルキル基を有するアシル基とは、該アルキル基の炭素数が1〜7であることを意味する。
上記式(1)中のRが炭素数1〜8の有機基である場合、上記バインダー樹脂との相溶性がより向上することから、上記炭素数1〜8の有機基は炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましい。
上記式(1)中のRを表す炭素数1〜8の有機基における炭素数の好ましい下限は2、好ましい上限は7である。上記炭素数が2以上であると、電解質層の耐久性が向上し、7以下であると、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間がより短い合わせガラス用中間膜が得られる。上記炭素数のより好ましい下限は3、より好ましい上限は6であり、更に好ましい下限は4、更に好ましい上限は5である。
上記炭素数1〜8の有機基は、直鎖構造を有する有機基、又は、分岐構造を有する有機基であってもよく、直鎖構造を有するアルキル基、又は、分岐構造を有するアルキル基であることが好ましい。上記分岐構造を有する有機基又は分岐構造を有するアルキル基において、有機基又はアルキル基の分岐鎖の炭素数は3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1以下であることが更に好ましい。
電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間が更に一層短い合わせガラス用中間膜が得られることから、上記炭素数1〜8の有機基が直鎖構造を有する場合は、上記炭素数1〜8の有機基は、炭素数1〜8であり、かつ、直鎖構造を有するアルキル基であることが好ましい。
電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間が更に一層短い合わせガラス用中間膜が得られることから、上記炭素数1〜8の有機基が分岐構造を有する場合は、上記炭素数1〜8の有機基は、炭素数1〜8であり、かつ、分岐構造を有するアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜8であり、分岐構造を有し、かつ、分岐鎖の炭素数が3以下であるアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜8であり、分岐構造を有し、かつ、分岐鎖の炭素数が2以下であるアルキル基であることが更に好ましく、炭素数1〜8であり、分岐構造を有し、かつ、分岐鎖の炭素数が1以下であるアルキル基であることが特に好ましい。
上記式(1)において、少なくともR又はRの何れかはアシル基を有する。これにより、上記バインダー樹脂との高い相溶性が得られる。なかでも、Rは炭素数1〜7のアルキル基を有するアシル基を表し、Rはエチレン基又はプロピレン基を表し、Rは炭素数1〜7のアルキル基を有するアシル基を表すことがより好ましい。
上記式(1)で表される化合物の具体例を下記式(1−1)〜(1−28)に示す。
Figure 2011144105
Figure 2011144105
Figure 2011144105
上記式(2)中、Rは炭素数2〜8であり、酸素原子を有する有機基を表す。
上記式(2)中のRを表す炭素数2〜8であり、酸素原子を有する有機基の炭素数の好ましい下限は3、好ましい上限は7である。上記炭素数が3以上であると、電解質層の耐久性が向上し、7以下であると、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間がより短い合わせガラス用中間膜が得られる。上記炭素数のより好ましい下限は4、より好ましい上限は6である。
上記式(2)中、Rは炭素数2〜8のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基を表す。なかでも、上記バインダー樹脂との相溶性が更に向上することから、Rは炭素数2〜8のアルキレン基であることが好ましい。
上記式(2)中のRを表す炭素数2〜8のアルキレン基の炭素数の好ましい下限は3、好ましい上限は7である。上記炭素数が3〜7であると、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間がより短い合わせガラス用中間膜が得られる。上記炭素数のより好ましい下限は4、より好ましい上限は6である。
上記式(2)中のRを表す炭素数6〜12のアリーレン基の炭素数の好ましい上限は10である。上記炭素数が10以下であると、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間がより短い合わせガラス用中間膜が得られる。上記炭素数のより好ましい上限は8である。
上記式(2)中、Rは炭素数2〜8であり、酸素原子を有する有機基を表す。
上記式(2)中のRを表す炭素数2〜8であり、酸素原子を有する有機基の炭素数の好ましい下限は3、好ましい上限は7である。上記炭素数が3以上であると、電解質層の耐久性が向上し、7以下であると、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間がより短い合わせガラス用中間膜が得られる。上記炭素数のより好ましい下限は4、より好ましい上限は6である。
上記式(2)で表される化合物の具体例を下記式(2−1)に示す。
Figure 2011144105
上記電解質層中における上記式(1)で表される化合物及び上記式(2)で表される化合物の配合量は特に限定されないが、上記バインダー樹脂100重量部に対する好ましい下限は15重量部、好ましい上限は200重量部である。上記式(1)で表される化合物及び上記式(2)で表される化合物の配合量が15重量部以上であると、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間がより一層短くなる。上記式(1)で表される化合物及び上記式(2)で表される化合物の配合量が200重量部以下であると、合わせガラスの耐貫通性が高くなる。上記式(1)で表される化合物及び上記式(2)で表される化合物の配合量のより好ましい下限は30重量部、更に好ましい下限は40重量部、特に好ましい下限は60重量部であり、より好ましい上限は150重量部、更に好ましい上限は120重量部、特に好ましい上限は100重量部である。
上記支持電解質塩は特に限定されず、リチウム塩、カリウム塩又はナトリウム塩等のアルカリ金属塩であることが好ましい。上記アルカリ金属塩は、無機酸とアルカリ金属の塩又は有機酸とアルカリ金属の塩であることが好ましい。例えば、上記無機酸とアルカリ金属の塩として、無機酸アニオンリチウム塩、無機酸アニオンカリウム塩、又は、無機酸アニオンナトリウム塩等が挙げられ、上記有機酸とアルカリ金属の塩として、有機酸アニオンリチウム塩、有機酸アニオンカリウム塩、又は、有機酸アニオンナトリウム塩等が挙げられる。
なかでも、上記支持電解質塩はリチウム塩であることが好ましく、過塩素酸リチウム、ホウフッ化リチウム、リンフッ化リチウム等の無機酸アニオンリチウム塩、又は、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ビストリフルオロメタンスルホン酸イミドリチウム等の有機酸アニオンリチウム塩であることがより好ましい。
上記支持電解質塩は、アンモニウムカチオンと、アニオンとの塩であってもよい。
上記アンモニウムカチオンは特に限定されず、例えば、テトラエチルアンモニウム、トリメチルエチルアンモニウム、メチルプロピルピロリジニウム、メチルブチルピロリジニウム、メチルプロピルピペリジニウム、メチルブチルピペリジニウム等のアルキルアンモニウムカチオンや、エチルメチルイミダゾリウム、ジメチルエチルイミダゾリウム、メチルピリジニウム、エチルピリジニウム、プロピルピリジニウム、ブチルピリジニウム等が挙げられる。
上記アニオンは特に限定されず、過塩素酸アニオン、ホウフッ化アニオン、リンフッ化アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ビストリフルオロメタンスルホン酸イミドアニオン等が挙げられる。
上記電解質層中における上記支持電解質塩の配合量は特に限定されないが、上記バインダー樹脂100重量部に対する好ましい下限は3重量部、好ましい上限は60重量部である。上記支持電解質塩の配合量が3〜60重量部であると、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間がより一層短くなる。上記支持電解質塩の配合量のより好ましい下限は10重量部、更に好ましい下限は20重量部であり、より好ましい上限は50重量部、更に好ましい上限は40重量部である。
上記電解質層は溶媒を含有することが好ましい。上記溶媒は特に限定されず、例えば、アセトニトリル、ニトロメタン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン等のエステル化合物や、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の置換テトラヒドロフラン化合物や、1,3−ジオキソラン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン、t−ブチルエーテル、イソブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン等のエーテル化合物や、エチレングリコール、ポリエチレングリコールスルホラン、3−メチルスルホラン、蟻酸メチル、酢酸メチル、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等の有機溶媒が挙げられる。
また、上記溶媒として、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート等のジエステル化合物を使用してもよい。
上記電解質層中における溶媒の配合量は特に限定されないが、上記バインダー樹脂100重量部に対する好ましい下限は30重量部、好ましい上限は150重量部である。上記溶媒の配合量が30重量部以上であると、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間がより一層短くなる。上記溶媒の配合量が150重量部以下であると、調光体の耐貫通性が高くなる。上記溶媒の配合量のより好ましい下限は50重量部、より好ましい上限は100重量部である。
上記バインダー樹脂は特に限定されないが、熱可塑性樹脂であることが好ましい。
上記バインダー樹脂は、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリ三フッ化エチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。なかでも、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましく、ポリビニルアセタール樹脂がより好ましい。透明性が高い電解質層が得られることから、ポリビニルアルコールをアセタール化して得られたポリビニルアセタール樹脂が更に好適である。特に、上記ポリビニルアセタール樹脂はポリビニルブチラール樹脂であることが好適である。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、アセチル基量が15mol%以下であることが好ましい。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル基量が15mol%を超えると、電解質層が白化することがある。
上記ポリビニルアセタール樹脂は水酸基量が30mol%以下であることが好ましい。上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量が30mol%を超えると、上記溶媒との相溶性が低下し、電解質層の透明性が低下することがある。
なお、上記アセチル基量及び上記水酸基量はJIS K 6728に準拠して、滴定法により求めることができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアルデヒドによりアセタール化することで得られる。上記アルデヒドは炭素数4又は5のアルデヒドであることが好ましい。上記ポリビニルアルコールの平均重合度の好ましい下限は500、好ましい上限は5000である。上記ポリビニルアルコールの平均重合度が500以上であると、調光体の耐貫通性が高くなる。上記ポリビニルアルコールの平均重合度が5000以下であると、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間がより一層短くなる。
上記ポリビニルアルコールの平均重合度は、GPC法(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算により求めた上記ポリビニルアルコールの重量平均分子量をポリビニルアルコール1セグメント当りの分子量で除して求められる。GPC法によってポリスチレン換算による重量平均分子量を測定する際のカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。
上記電解質層が上記式(1)で表される化合物又は上記式(2)で表される化合物を含有する場合には、上記式(1)で表される化合物及び上記式(2)で表される化合物が上記電解質層から析出することを防止できることから、上記ポリビニルアセタール樹脂は、アセチル基量が5モル%以上であるポリビニルアセタール樹脂(以下、「ポリビニルアセタール樹脂A」ともいう。)、アセタール化度が70〜85モル%であるポリビニルアセタール樹脂(以下、「ポリビニルアセタール樹脂B」ともいう。)、又は、炭素数が6以上のアルデヒドを用いてポリビニルアルコールをアセタール化することにより得られるポリビニルアセタール樹脂(以下、「ポリビニルアセタール樹脂C」ともいう。)であることが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂Aのアセチル基量の好ましい下限は6モル%、好ましい上限は30モル%である。上記アセチル基量が6モル%以上であると、上記式(1)で表される化合物及び上記式(2)で表される化合物が上記電解質層から析出することをより一層防止することができる。上記アセチル基量が30モル%以下であると、上記ポリビニルアセタール樹脂Aの製造効率を高めることができる。上記アセチル基量のより好ましい下限は8モル%、より好ましい上限は28モル%であり、更に好ましい下限は10モル%、更に好ましい上限は25モル%であり、特に好ましい下限は12モル%、特に好ましい上限は23モル%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂Aは、アセタール化度の好ましい下限が50モル%、好ましい上限が80モル%である。上記アセタール化度が50モル%以上であると、上記式(1)で表される化合物及び上記式(2)で表される化合物が上記電解質層から析出することを更に一層防止することができる。上記アセタール化度が80モル%以下であると、上記ポリビニルアセタール樹脂Aの製造効率を高めることができる。上記アセタール化度のより好ましい下限は55モル%、より好ましい上限は78モル%であり、更に好ましい下限は60モル%、更に好ましい上限は76モル%であり、特に好ましい下限は65モル%、特に好ましい上限は74モル%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂Aは、ポリビニルブチラール樹脂であることが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂Bのアセタール化度の好ましい下限は71モル%、好ましい上限は84モル%である。上記アセタール化度が71モル%以上であると、上記式(1)で表される化合物及び上記式(2)で表される化合物が上記電解質層から析出することを更に一層防止することができる。上記アセタール化度が84モル%以下であると、上記ポリビニルアセタール樹脂Bの製造効率を高めることができる。上記アセタール化度のより好ましい下限は72モル%、より好ましい上限は83モル%であり、更に好ましい下限は73モル%、更に好ましい上限は82モル%であり、特に好ましい下限は74モル%、特に好ましい上限は81モル%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂Bは、アセチル基量の好ましい下限が0.1モル%、好ましい上限が20モル%である。上記アセチル基量が0.1モル%以上であると、上記式(1)で表される化合物及び上記式(2)で表される化合物が上記電解質層から析出することを更に一層防止することができる。上記アセチル基量が20モル%以下であると、上記ポリビニルアセタール樹脂Bの製造効率を高めることができる。上記アセチル基量のより好ましい下限は0.5モル%、より好ましい上限は15モル%であり、更に好ましい下限は0.8モル%、更に好ましい上限は8モル%であり、特に好ましい下限は1モル%、特に好ましい上限は7モル%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂Bは、ポリビニルブチラール樹脂であることが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂A及びポリビニルアセタール樹脂Bは、ポリビニルアルコールをアルデヒドによりアセタール化することで得られる。上記アルデヒドは炭素数1〜10のアルデヒドであることが好ましく、炭素数4又は5のアルデヒドであることがより好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂Cは、炭素数が6以上のアルデヒドを用いてポリビニルアルコールをアセタール化することにより得られる。上記炭素数が6以上のアルデヒドは特に限定されないが、例えば、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、又は、n−デシルアルデヒド等が挙げられる。
上記ポリビニルアセタール樹脂Cは、アセタール化度の好ましい下限が50モル%、好ましい上限が80モル%である。上記アセタール化度が50モル%以上であると、上記式(1)で表される化合物及び上記式(2)で表される化合物が上記電解質層から析出することを更に一層防止することができる。上記アセタール化度が80モル%以下であると、上記ポリビニルアセタール樹脂Cの製造効率を高めることができる。上記アセタール化度のより好ましい下限は55モル%、より好ましい上限が78モル%であり、更に好ましい下限は60モル%、更に好ましい上限は76モル%であり、特に好ましい下限は65モル%、特に好ましい上限は74モル%である。
上記電解質層は熱線吸収剤を含有してもよい。
上記熱線吸収剤は、赤外線を遮蔽する性能を有すれば特に限定されないが、錫ドープ酸化インジウム粒子、アンチモンドープ酸化錫粒子、亜鉛以外の元素がドープされた酸化亜鉛粒子、六ホウ化ランタン粒子、アンチモン酸亜鉛粒子、及び、フタロシアニン構造を有する赤外線吸収剤からなる群より選択される少なくとも1種が好適である。
上記電解質層は接着力調整剤を含有してもよい。
上記接着力調整剤は、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、マグネシウム塩等が挙げられる。なかでも、炭素数2〜16のカルボン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びマグネシウム塩が好適であり、具体的には例えば、ビス(酢酸)マグネシウム、酢酸カリウム、ビス(プロピオン酸)マグネシウム、プロピオン酸カリウム、ビス(2−エチルブタン酸)マグネシウム、2−エチルブタン酸カリウム、ビス(2−エチルヘキサン酸)マグネシウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等が挙げられる。これらの接着力調整剤は単独で用いられてもよく、併用されてもよい。上記電解質層にバインダー樹脂としてポリビニルアセタール樹脂を含有する場合、上記電解質層は接着力調整剤を含有することが好ましい。
上記電解質層は単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。上記電解質層が多層構造であるとは、上記電解質層が2層以上積層された構造であることを意味する。
上記電解質層が多層構造である場合、上記電解質層は、上記支持電解質塩と、上記式(1)で表される化合物又は上記式(2)で表される化合物と、上記バインダー樹脂として、熱可塑性樹脂とを含有することが好ましい。上記式(1)で表される化合物又は上記式(2)で表される化合物としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、ジヘキシルアジペート(DHA)等の液状可塑剤が挙げられる。
例えば、上記液状可塑剤の含有量の異なる電解質層を積層したり、上記バインダー樹脂として水酸基量の異なるポリビニルアセタール樹脂を含有する電解質層を積層したりすることにより、得られる合わせガラスの遮音性等を向上させることができる。
上記電解質層の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は0.01mm、好ましい上限は3.0mmである。上記電解質層の厚さが0.01〜3.0mmであると、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間がより一層短くなる。上記電解質層の厚さのより好ましい下限は0.1mm、より好ましい上限は2.0mm、更に好ましい下限は0.3mm、更に好ましい上限は1.0mmである。
上記電解質層を形成する方法は特に限定されず、例えば、上記溶媒、上記式(1)で表される化合物(1)又は上記式(2)で表される化合物(2)に上記支持電解質塩を溶解した溶液を調製し、得られた溶液を上記バインダー樹脂と混合した混合物を熱プレス等の方法により電解質層を形成する方法や、該混合物を押出機により押出成形し電解質層を形成する方法等が挙げられる。
上記エレクトロクロミック層に含有されるエレクトロクロミック化合物は、エレクトロクロミック性を有する化合物であれば特に限定されず、無機化合物であってもよく、有機化合物であってもよい。なお、エレクトロクロミック性を有するとは、電圧を印加することにより光の透過率が変化する性質を有することを意味する。
上記エレクトロクロミック性を有する無機化合物は、例えば、Mo、Ir、NiO、V、WO等が挙げられる。
上記エレクトロクロミック性を有する有機化合物は、例えば、ポリピロール化合物、ポリアセチレン化合物、ポリチオフェン化合物、ポリパラフェニレンビニレン化合物、ポリアニリン化合物、ポリエチレンジオキシチオフェン化合物、金属フタロシアニン化合物、ビオロゲン化合物、ビオロゲン塩化合物、フェロセン化合物、テレフタル酸ジメチル化合物等が挙げられる。なかでも、ポリアセチレン化合物が好ましく、芳香族側鎖を有するポリアセチレン化合物がより好ましい。
上記芳香族側鎖を有するポリアセチレン化合物は、エレクトロクロミック性と導電性とを有し、かつ、エレクトロクロミック層の形成が容易である。従って、芳香族側鎖を有するポリアセチレン化合物を用いれば、優れた調光性能を有するエレクトロクロミック層を容易に形成できる。また、芳香族側鎖を有するポリアセチレン化合物は、構造が変化することにより、吸収特性の変化を示す。その結果、吸収スペクトルが近赤外線の波長領域に及ぶため、エレクトロクロミック層は広い波長領域について優れた調光性能を有する。
上記芳香族側鎖を有するポリアセチレン化合物は特に限定されないが、例えば、一置換又は二置換の芳香族を側鎖に有するポリアセチレン化合物等が好適である。
上記芳香族側鎖を構成する置換基は特に限定されないが、例えば、フェニル、p−フルオロフェニル、p−クロロフェニル、p−ブロモフェニル、p−ヨードフェニル、p−ヘキシルフェニル、p−オクチルフェニル、p−シアノフェニル、p−アセトキシフェニル、p−アセトフェニル、ビフェニル、o−(ジメチルフェニルシリル)フェニル、p−(ジメチルフェニルシリル)フェニル、o−(ジフェニルメチルシリル)フェニル、p−(ジフェニルメチルシリル)フェニル、o−(トリフェニルシリル)フェニル、p−(トリフェニルシリル)フェニル、o−(トリルジメチルシリル)フェニル、p−(トリルジメチルシリル)フェニル、o−(ベンジルジメチルシリル)フェニル、p−(ベンジルジメチルシリル)フェニル、o−(フェネチルジメチルシリル)フェニル、p−(フェネチルジメチルシリル)フェニル等のフェニル基や、ビフェニル基や、1−ナフチル、2−ナフチル、1−(4−フルオロ)ナフチル、1−(4−クロロ)ナフチル、1−(4−ブロモ)ナフチル、1−(4−ヘキシル)ナフチル、1−(4−オクチル)ナフチル等のナフチル基や、ナフタレン基や、1−アントラセン、1−(4−クロロ)アントラセン、1−(4−オクチル)アントラセン等のアントラセン基や、1−フェナントレン等のフェナントレン基や、1−フルオレン等のフルオレン基や、1−ペリレン等のペリレン基等が挙げられる。
上記芳香族側鎖を構成する置換基として、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ナフタレン基、アントラセン基、フェナントレン基、フルオレン基及びペリレン基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基を有することが好ましい。なかでも、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間がより一層短くなることから、上記芳香族側鎖を構成する置換基は、ナフチル基、ナフタレン基、アントラセン基、フェナントレン基、フルオレン基又はペリレン基であることが好ましく、アントラセン基、フェナントレン基、フルオレン基又はペリレン基であることがより好ましく、フェナントレン基であることが更に好ましい。
なお、上記芳香族側鎖を構成する置換基の一部の水素原子は、水素原子以外の原子又は原子団に置換されていてもよい。
上記エレクトロクロミック層は、熱線吸収剤や接着力調整剤を含有してもよい。上記熱線吸収剤は、上記電解質層に含有される熱線吸収剤と同様の熱線吸収剤を用いることができる。上記接着力調整剤は、上記電解質層に含有される接着力調整剤と同様の接着力調整剤を用いることができる。
上記エレクトロクロミック層の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は0.05μm、好ましい上限は5μmである。上記エレクトロクロミック層の厚さが0.05〜5μmであると、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間がより一層短くなる。上記エレクトロクロミック層の厚さのより好ましい下限は0.1μm、より好ましい上限は2μmであり、更に好ましい下限は0.2μm、更に好ましい上限は1μmである。
上記接着層は、上記エレクトロクロミック層の導電膜に対する密着性を向上させる役割を有する。
上記接着層は、熱可塑性樹脂を含有する。上記接着層は、熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物(以下、「接着層用樹脂組成物」ともいう。)を用いて形成されることが好ましい。
上記接着層に含有される熱可塑性樹脂は、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリ三フッ化エチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。なかでも、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましく、ポリビニルアセタール樹脂がより好ましい。透明性が高い接着層が得られることから、炭素数が4又は5のアルデヒドによりポリビニルアルコールをアセタール化して得られたポリビニルアセタール樹脂が更に好適である。特に、上記ポリビニルアセタール樹脂はポリビニルブチラール樹脂であることが好適である。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、アセチル基量が15mol%以下であることが好ましい。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル基量が15mol%を超えると、合わせガラス用中間膜が白化することがある
上記ポリビニルアセタール樹脂は水酸基量が35mol%以下であることが好ましい。上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量が35mol%を超えると、上記溶媒との相溶性が低下し、接着層の透明性が低下することがある。上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量の好ましい上限は30mol%である。
なお、上記アセチル基量及び上記水酸基量はJIS K 6728に準拠して、滴定法により求めることができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアルデヒドによりアセタール化することで得られる。上記アルデヒドは炭素数4又は5のアルデヒドであることが好ましい。
上記ポリビニルアルコールの平均重合度の好ましい下限は500、好ましい上限は5000である。上記ポリビニルアルコールの平均重合度が500未満であると、上記接着層の形状を維持できないことがあり、5000を超えると、イオン伝導性が低くなって、電圧を印加してもエレクトロクロミック層の光の透過率が変化しないことがある。
上記ポリビニルアルコールの平均重合度は、GPC法(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算により求めた上記ポリビニルアルコールの重量平均分子量をポリビニルアルコール1セグメント当りの分子量で除して求められる。
上記接着層は、更に、上記式(1)で表される化合物、上記式(2)で表される化合物(2)又は可塑剤を含有することが好ましい。可塑剤を含有することにより、上記接着層が柔軟になり、上記エレクトロクロミック層の導電膜に対する密着性をより向上させることができる。
上記可塑剤は特に限定されず、例えば、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、ジヘキシルアジペート(DHA)等が挙げられる。
上記接着層中における上記可塑剤の配合量は特に限定されないが、上記熱可塑性樹脂100重量部に対する好ましい下限は30重量部、好ましい上限は150重量部である。上記可塑剤の配合量が30〜150重量部であると、より高い安全性を有する合わせガラスを製造できる。上記可塑剤の配合量のより好ましい下限は50重量部、より好ましい上限は100重量部である。
上記接着層は、更に、支持電解質塩を含有することが好ましい。支持電解質塩を含有することにより、上記接着層にイオン伝導性が付与され、上記接着層によって合わせガラスのエレクトロクロミック性が低下するのを防止することができる。
上記支持電解質塩は特に限定されず、リチウム塩、カリウム塩又はナトリウム塩等のアルカリ金属塩であることが好ましい。上記アルカリ金属塩は、無機酸とアルカリ金属の塩又は有機酸とアルカリ金属の塩であることが好ましい。例えば、上記無機酸とアルカリ金属の塩として、無機酸アニオンリチウム塩、無機酸アニオンカリウム塩、又は、無機酸アニオンナトリウム塩等が挙げられ、上記有機酸とアルカリ金属の塩として、有機酸アニオンリチウム塩、有機酸アニオンカリウム塩、又は、有機酸アニオンナトリウム塩等が挙げられる。
なかでも、上記支持電解質塩はリチウム塩であることが好ましく、過塩素酸リチウム、ホウフッ化リチウム、リンフッ化リチウム等の無機酸アニオンリチウム塩、又は、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ビストリフルオロメタンスルホン酸イミドリチウム等の有機酸アニオンリチウム塩であることがより好ましい。
上記支持電解質塩は、アンモニウムカチオンと、アニオンとの塩であってもよい。
上記アンモニウムカチオンは特に限定されず、例えば、テトラエチルアンモニウム、トリメチルエチルアンモニウム、メチルプロピルピロリジニウム、メチルブチルピロリジニウム、メチルプロピルピペリジニウム、メチルブチルピペリジニウム等のアルキルアンモニウムカチオンや、エチルメチルイミダゾリウム、ジメチルエチルイミダゾリウム、メチルピリジニウム、エチルピリジニウム、プロピルピリジニウム、ブチルピリジニウム等が挙げられる。
上記アニオンは特に限定されず、過塩素酸アニオン、ホウフッ化アニオン、リンフッ化アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ビストリフルオロメタンスルホン酸イミドアニオン等が挙げられる。
上記接着層中における上記支持電解質塩の配合量は特に限定されないが、上記熱可塑性樹脂100重量部に対する好ましい下限は3重量部、好ましい上限は60重量部である。
上記支持電解質塩の配合量が3〜60重量部であると、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間がより一層短くなる。上記支持電解質塩の配合量のより好ましい下限は10重量部、更に好ましい下限は20重量部であり、より好ましい上限は50重量部、更に好ましい上限は40重量部である。
上記接着層は、熱線吸収剤や接着力調整剤を含有してもよい。上記熱線吸収剤は、上記エレクトロクロミック層に含有される熱線吸収剤と同様の熱線吸収剤を用いることができる。上記接着力調整剤は、上記エレクトロクロミック層に含有される接着力調整剤と同様の接着力調整剤を用いることができる。
上記接着層は、上記エレクトロクロミック層上に部分的に形成されている。上記接着層を上記エレクトロクロミック層の全面に形成すると、導電膜に対する密着性は向上するものの、エレクトロクロミック性が著しく低下してしまう。上記接着層を部分的に形成することにより、エレクトロクロミック性を損なうことなく、導電膜に対する密着性を向上させることができる。
上記部分的に形成された接着層の形状は特に限定されず、網目状、線状又は斑点状等が挙げられる。
上記エレクトロクロミック層の面積に対する上記接着層の面積の下限は10%、上限は90%である。上記接着層の面積が10%未満であると、充分な密着性の向上効果が得られず、90%を超えると、エレクトロクロミック性が低下して、電圧を印加しても光の透過率がほとんど変化しなくなる。上記接着層の面積の好ましい下限は20%、好ましい上限は80%であり、より好ましい下限は30%、より好ましい上限は70%である。
なお、エレクトロクロミック層の面積に対する接着層の面積X(%)は、以下の式で表される。
X(%)=(Amm)/(10mm)×100
接着層を形成した後のエレクトロクロミック層を光学顕微鏡で観察し、接着層が形成された任意の10箇所(1mm/1箇所)における、接着層の存在する合計面積A(mm)を測定し、接着層の面積X(%)を算出する。
上記接着層の最大厚みの上限は50μmである。上記接着層の最大厚みが50μmを超えると、エレクトロクロミック性が低下して、電圧を印加しても光の透過率がほとんど変化しない部分が生じる。上記接着層の最大厚みの好ましい上限は20μmであり、より好ましい上限は15μmであり、更に好ましい上限は10μmであり、特に好ましい上限は5μmである。
なお、上記接着層の最大厚みとは、接着層を形成した後に接着層を3D測定レーザー顕微鏡(OLYMPAS社製「LEXT OLS4000」)により測定した時の接着層の厚みの最大値を意味する。
上記接着層を形成する方法は特に限定されず、例えば、適当な有機溶剤に溶解した上記熱可塑性樹脂をスクリーン印刷によりエレクトロクロミック層上に塗布した後、乾燥する方法や、適当な有機溶剤に溶解した上記熱可塑性樹脂をスプレー照射機によりエレクトロクロミック層上に塗布した後、乾燥する方法等が挙げられる。
本発明の合わせガラス用中間膜は、上記電解質層、エレクトロクロミック層、接着層以外に、必要に応じて、紫外線吸収剤を含有する紫外線吸収層や、熱線吸収剤を含有する赤外線吸収層等を有してもよい。
本発明の合わせガラス用中間膜は、表面にエンボスが形成されていることが好ましい。
上記エンボスの粗さは特に限定されないが、JIS B 0601で定義される十点平均粗さの好ましい下限が20μm、好ましい上限が50μmである。
本発明の合わせガラス用中間膜が、導電膜が形成されている、一対のガラス板の間に、それぞれの導電膜と接するように挟み込まれている合わせガラスもまた、本発明の1つである。
上記ガラス板は、一般に使用されている透明板ガラスを使用することができる。例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入りガラス、線入り板ガラス、着色された板ガラス、熱線吸収ガラス、熱線反射ガラス、グリーンガラス等の無機ガラスが挙げられる。また、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアクリレート等の有機プラスチックス板を用いることもできる。
上記ガラス板として、2種類以上のガラス板を用いてもよい。例えば、透明フロート板ガラスと、グリーンガラスのような着色されたガラス板とで、本発明の合わせガラス用中間膜を挟持した合わせガラスが挙げられる。また、上記ガラス板として、2種以上の厚さの異なるガラス板を用いてもよい。
上記ガラス板は、少なくとも一方の面に導電膜が形成されている。本発明の合わせガラスにおいて本発明の合わせガラス用中間膜は、上記ガラス板の導電膜が形成された面に接するように2枚のガラス板の間に挟持される。
上記導電膜は、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)等を含む透明導電膜が好ましい。
本発明の合わせガラスの面密度は特に限定されないが、12kg/m以下であることが好ましい。
本発明の合わせガラスは、自動車用ガラスとして使用する場合は、サイドガラス、リアガラス、ルーフガラスとして用いることができる。
本発明によれば、電圧を印加することにより光の透過率が変化し、かつ、高い安全性を有する合わせガラスを製造できる合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスを提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されない。
(実施例1)
(1)電解質層の調製
トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)2.38gにビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiTFSI)0.67gを溶解して電解質溶液を調製した。得られた電解質溶液の全量と、平均重合度が2300のポリビニルアルコールをn−ブチルアルデヒドでアセタール化して得られたポリビニルブチラール樹脂(アセチル基量13mol%、水酸基量22mol%)5.00gとを混合して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シートに挟み、厚さ400μmのスペーサを介して、熱プレスにて150℃、100kg/cmの条件で5分間加圧し、厚さ400μmの電解質層を得た。
(2)エレクトロクロミック層の調製
ポリ(9−エチニル−10−n−オクタデシルフェナントレン)0.03915gを1.305gのトルエンに溶解して溶液を調製した。この溶液を、得られた電解質層上に、トルエンが揮発した後の厚さが0.3μmになるようにバーコーターを用いて塗布し、乾燥してエレクトロクロミック層を形成した。
(3)接着層の調製
平均重合度が1700のポリビニルアルコールをn−ブチルアルデヒドでアセタール化して得られたポリビニルブチラール樹脂(アセチル基量13mol%、水酸基量22mol%)7.87g、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)5.1g及びビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiTFSI)1.56gをエタノール45gに溶解して樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を、エレクトロクロミック層上へ、スクリーン印刷法を用いて、3D測定レーザー顕微鏡(OLYMPAS社製「LEXT OLS4000」)による観察から求めた最大厚みが10μm、エレクトロクロミック層の面積に対する接着層の面積が50%となるように網目状に印刷し、乾燥して接着層を形成して、合わせガラス用中間膜を得た。
なお、エレクトロクロミック層の面積に対する接着層の面積X(%)は、以下の式で算出した。
X(%)=(Amm)/(10mm)×100
接着層を形成した後のエレクトロクロミック層を光学顕微鏡で観察し、接着層が形成された任意の10箇所(1mm/1箇所)における、接着層の存在する合計面積A(mm)を測定し、接着層の面積X(%)を算出した。
(4)合わせガラス及び密着性評価用サンプルの製造
得られた合わせガラス用中間膜を、縦5cm×横5cmのサイズ、縦2cm×横11cmのサイズにそれぞれ切断した。
縦5cm×横5cmに切断された合わせガラス用中間膜を、縦5cm×横5cmの一対のITOガラス(表面抵抗120Ω)で、合わせガラス用中間膜がそれぞれの透明導電膜と接するように挟み込んで積層した。得られた積層体を、90℃の真空ラミネーターで圧着し、圧着後140℃、14MPaの条件でオートクレーブを行い、合わせガラスを得た。
一方、縦2cm×横11cmに切断した合わせガラス用中間膜を、縦2cm×横11cmのITOガラス(表面抵抗120Ω)とポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムとで、接着層側がITOガラスの透明導電膜と接するように挟み込んで積層した。得られた積層体を、90℃の真空ラミネーターで圧着し、圧着後140℃、14MPaの条件でオートクレーブを行い、密着性評価用サンプルを得た。
(実施例2〜4、比較例1〜4)
接着層の最大厚みとエレクトロクロミック層の面積に対する接着層の面積(%)とを、表1に記載したように変更した以外は実施例1と同様にして、合わせガラス用中間膜、合わせガラス及び密着性評価用サンプルを得た。
(実施例5)
(1)電解質層の調製において、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートの代わりにトリエチレングリコールジ−n−ブチレートを用いた以外は実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜、合わせガラス及び密着性評価用サンプルを得た。
(実施例6)
(1)電解質層の調製及び(3)接着層の調製において、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートの代わりにトリエチレングリコールジ−n−ブチレートを用いた以外は実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜、合わせガラス及び密着性評価用サンプルを得た。
(実施例7)
(3)接着層の調製において、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートの代わりにトリエチレングリコールジ−n−ブチレートを用いた以外は実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜、合わせガラス及び密着性評価用サンプルを得た。
(実施例8)
(1)電解質層の調製において、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートの代わりにトリエチレングリコールジ−n−ペンタノエートを用いた以外は実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜、合わせガラス及び密着性評価用サンプルを得た。
(実施例9)
(3)接着層の調製において、平均重合度が1700のポリビニルアルコールをn−ブチルアルデヒドでアセタール化して得られたポリビニルブチラール樹脂(アセチル基量13mol%、水酸基量22mol%)の代わりに、平均重合度が1700のポリビニルアルコールをn−ブチルアルデヒドでアセタール化して得られたポリビニルブチラール樹脂(アセチル基量13mol%、水酸基量20mol%)を用いた以外は実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜、合わせガラス及び密着性評価用サンプルを得た。
(実施例10)
(3)接着層の調製において、平均重合度が1700のポリビニルアルコールをn−ブチルアルデヒドでアセタール化して得られたポリビニルブチラール樹脂(アセチル基量13mol%、水酸基量22mol%)の代わりに、平均重合度が1700のポリビニルアルコールをn−ブチルアルデヒドでアセタール化して得られたポリビニルブチラール樹脂(アセチル基量0.8mol%、水酸基量31mol%)を用いた以外は実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜、合わせガラス及び密着性評価用サンプルを得た。
(評価)
実施例及び比較例で得られた合わせガラス及び密着性評価用サンプルについて、以下の方法で評価を行った。結果を表1に示した。
(1)エレクトロクロミック性の評価
得られた合わせガラスの、エレクトロクロミック層及び接着層と接している側のITOガラスに+の端子、電解質膜と接している側のITOガラスに−の端子を取り付け、直流化電源と接続した。
完全に着色した状態の合わせガラスの波長640nmの光の透過率をTC、完全に消色した状態の合わせガラスの波長640nmの光の透過率をTBとする。
完全に着色した状態の合わせガラスに+2Vの電圧を印加し、電圧を印加してから、合わせガラスの波長640nmの光の透過率がTCからT1=TC+(TB−TC)×0.8にまで変化する時間を測定して、これを消色時間とした。
得られた消色時間が50秒未満の場合を「◎」、50秒以上300秒未満の場合を「○」、300秒以上又は透過率変化が認められなかった場合を「×」と評価した。
なお、透過率の測定には、日本分光社製の分光光度計「V−670」を用いた。
(2)密着性の評価
得られた密着性評価用サンプルについて、JIS K 6854−2に準ずる方法により、透明導電膜と合わせガラス用中間膜との180°剥離強度を測定した。試験条件は、温度を25℃、剥離速度を200mm/秒とした。
Figure 2011144105
本発明によれば、電圧を印加することにより光の透過率が変化し、かつ、高い安全性を有する合わせガラスを製造できる合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスを提供することができる。

Claims (6)

  1. 電解質層と、前記電解質層の少なくとも片面に形成されたエレクトロクロミック化合物を含有するエレクトロクロミック層と、前記エレクトロクロミック層上に部分的に形成された熱可塑性樹脂を含有する接着層とを有する合わせガラス用中間膜であって、
    前記エレクトロクロミック層の面積に対する前記接着層の面積が10〜90%であり、かつ、前記接着層の最大厚みが50μm以下である
    ことを特徴とする合わせガラス用中間膜。
  2. 接着層の形状が網目状、線状又は斑点状であることを特徴とする請求項1記載の合わせガラス用中間膜。
  3. 接着層に含有される熱可塑性樹脂は、炭素数が4又は5のアルデヒドによりポリビニルアルコールをアセタール化して得られた、アセチル基量が15mol%以下、水酸基量が35mol%以下であるポリビニルアセタール樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載の合わせガラス用中間膜。
  4. 接着層は、熱可塑性樹脂100重量部に対して可塑剤30〜150重量部、支持電解質塩3〜60重量部を含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の合わせガラス用中間膜。
  5. 電解質層は、支持電解質塩、バインダー樹脂、並びに、下記式(1)で表される化合物又は下記式(2)で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の合わせガラス用中間膜。
    Figure 2011144105
    式(1)中、n=2〜4の整数を表し、Rは水素原子、炭素数1〜7の有機基を有するアシル基又は炭素数1〜8の有機基を表し、Rはエチレン基又はプロピレン基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜7の有機基を有するアシル基又は炭素数1〜8の有機基を表し、少なくともR又はRの何れかはアシル基を有する。
    Figure 2011144105
    式(2)中、Rは炭素数2〜8であり、酸素原子を有する有機基を表し、Rは炭素数2〜8のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基を表し、Rは炭素数2〜8であり、酸素原子を有する有機基を表す。R及びRは同一であってもよく、異なっていてもよい。
  6. 請求項1、2、3、4又は5記載の合わせガラス用中間膜が、導電膜が形成されている一対のガラス板の間に、それぞれの導電膜と接するように挟み込まれていることを特徴とする合わせガラス。
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