JP2013218955A - 有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法、並びに、面状発光装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法、並びに、面状発光装置 Download PDF

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成正 岩本
Kimimichi Takano
仁路 高野
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裕子 松久
Masanao Kamakura
將有 鎌倉
Hiroshi Kubota
浩史 久保田
Yoshikazu Kuzuoka
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Abstract

【課題】発光面積の割合が高く、発光が面内でより均一で、水分の浸入が抑制され、発光性と信頼性に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。
【解決手段】有機エレクトロルミネッセンス素子Aは、基板1の表面に、第1電極7と有機発光層8と第2電極9とをこの順で有する有機発光体10が形成され、有機発光体10は、基板1に接着された封止材2によって覆われて封止されている。封止材2は、外周側面に開口する凹部4が、第1電極7及び第2電極9の少なくとも一方と電気的に接続され端部に引き出された電極引き出し部5に接して設けられている。外周側面に、基板1と封止材2との境界部を跨って金属膜3が設けられている。金属膜3は、凹部4において電極引き出し部5と接触している。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法に関する。また、有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた面状発光装置に関する。
近年、有機エレクトロルミネセンス素子(以下「有機EL素子」ともいう)が照明パネルなどの用途に応用されている。有機EL素子としては、透光性の第1電極(陽極)と、発光層を含む複数の層により構成される有機層と、第2電極(陰極)とが、この順で透光性基板の表面に積層形成されたものが知られている。有機EL素子では、陽極と陰極の間に電圧を印加することによって、発光層で発した光が透光性の電極及び基板を通して外部に取り出される。
特開2011−192544号公報
図12は、従来の有機EL素子及びその製造方法の一例を示している。有機EL素子Aは、基板1の表面に、第1電極7と、有機発光層8と、第2電極9とをこの順で有する有機発光体10が形成され、有機発光体10は、基板1に接着された封止材2によって覆われて封止されたものである。発光領域は、第1電極7と有機発光層8と第2電極9とが積層された領域となる。
図12(a)に示すように、有機EL素子Aの製造にあたっては、透明な導電層20がパターン形状に表面に形成された基板1を用いる。そして、導電層20の表面に補助電極として金属層40を周状に設ける。次に、図12(b)に示すように、基板1における導電層20の中央領域を第1電極7として構成し、この第1電極7の表面に、有機発光層8及び第2電極9を積層させることにより、有機発光体10を形成する。そして、図12(c)に示すように、封止材2によって有機発光体10を封止する。封止材2は、ガラス基板が接着材料などによって接着されて形成されている。
有機EL素子Aでは、基板面積が大きくなると、第1電極7を構成する導電層20のシート抵抗が高くなる。導電層20の抵抗が高くなると、電流が均一に流れにくくなり、面内の発光にばらつきが生じやすくなる。そのため、図12(b)に示すように、面内においてより均一な発光を得る目的で、有機発光体10の外周部における導電層20の表面に、補助電極として低抵抗の金属層40を設けるようにしている。金属層40を設けることにより導電層20の通電性が高まって、発光を面内においてより均一に近づけることができる。
しかしながら、金属層40が設けられた領域は有機発光体10の外周の非発光領域となる部分であり、金属層40によって外周部のスペースが占有されると、非発光領域が有機EL素子Aの外周において額縁状に形成されることになる。非発光領域の割合が大きくなると、有機EL素子Aの全体面積に対する面内の発光割合が小さくなり、面内の有効発光率が低下するおそれがある。
また、有機EL素子では、第1電極7及び第2電極9を介して有機発光層8に電気を供給するために、通常、各電極と電気的に接続される電極引き出し部5を有機EL素子の端部に設け、この電極引き出し部5に電気を供給することが行われている。図12に示すように、電極引き出し部5は、第1電極7と電気的に接続する第1電極引き出し部5aと、第2電極9と電気的に接続する第2電極引き出し部5bとによって構成されている。そして、各電極引き出し部5の表面に、給電端子部6が、金属層40により補助電極の機能を兼ねて形成されている。そして、給電端子部6に外部電源を接続することにより有機発光層8に給電できるようにしている。しかしながら、給電端子部6が基板端部にせり出して配置されると、給電端子部6は非発光領域となるために、非発光領域の割合が増えて、有機EL素子Aにおける面内の有効発光率がさらに低下するおそれがある。
特許文献1には、電極を側面に引き出して側面電極を設けることが開示されている。しかしながら、この文献の方法では、側面電極は、接着部材の外側に配置された電気接続部材を介して電極に接続されており、電気接続部材は非発光領域となるため、非発光領域を小さくすることには限界があった。また、電気接続部材を用いずに基板表面に形成された電極の側面で、側面電極が接するようにすることも考えられる。しかしながら、電極の厚みは薄いため、電極側面で接触させるようにしたものでは電極同士の導通性が悪くなるおそれがあり、導通したとしても接触部分がわずかであるので、十分な導通性を得ることができない。
ところで、有機EL素子Aにおいては、有機発光層8が水分によって劣化しやすいため、素子内部に水分を浸入させないようにすることが重要である。水分によって有機発光層8が劣化すると、発光不良等の原因となり、有機EL素子Aの信頼性を低下させてしまう。そのため、有機発光層8を水分から保護するために、有機発光層8を含む積層体(有機発光体10)は、通常、基板1と封止材2とによって挟まれて封止され、外部から遮断されている。ここで、封止材料としてガラス材料を用いると、ガラス材料は水分を透過させにくいため、この部分を介しての水分の浸入は少ない。しかし、基板1と封止材2とを接着させるために樹脂を用いた場合、通常、樹脂はガラス材料に比べて水分の透過性が高いため、この材料を介しての内部への水分の侵入が問題となる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、発光面積の割合が高く、発光が面内でより均一で、水分の浸入が抑制され、発光性と信頼性に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子及び面状発光装置を提供することを目的とするものである。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板の表面に、第1電極と有機発光層と第2電極とをこの順で有する有機発光体が形成され、前記有機発光体は、前記基板に接着された封止材によって覆われて封止されている有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記封止材は、外周側面に開口する凹部が、前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方と電気的に接続され端部に引き出された電極引き出し部に接して設けられ、前記外周側面に、前記基板と前記封止材との境界部を跨って金属膜が設けられ、前記金属膜は、前記凹部において前記電極引き出し部と接触していることを特徴とするものである。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子にあっては、前記金属膜は、前記凹部における前記電極引き出し部を被覆していることが好ましい。また、前記金属膜は、前記凹部を被覆していることがさらに好ましい。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子にあっては、前記封止材は、前記基板に対向する封止基板を有し、前記凹部は、前記封止基板の端部に掘り込み部が設けられることにより形成されていることが好ましい一形態である。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子にあっては、前記封止材は、前記基板に対向する封止基板と、前記有機発光体の厚み以上の接着層とを有し、前記凹部は、前記基板と前記封止基板との間に前記接着層が形成されない領域が設けられることにより形成されていることが好ましい一形態である。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子にあっては、前記基板と前記封止材とは、前記外周側面が平面視において略同じ位置になるように配置されていることが好ましい。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子にあっては、前記金属膜によって給電端子部が設けられていることが好ましい。この場合、前記金属膜が封止材に沿って延伸されることにより、前記封止材における前記有機発光体とは反対側の表面に前記給電端子部が設けられていることがさらに好ましい。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子にあっては、前記金属膜は、前記第1電極と電気的に接続された第1金属膜と、前記第2電極と電気的に接続された第2金属膜とによって構成され、前記第1金属膜は、異なる位置の前記凹部において前記電極引き出し部に接触したものが前記封止材における前記有機発光体とは反対側の表面において接合され、前記第2金属膜は、異なる位置の前記凹部において前記電極引き出し部に接触したものが前記封止材における前記有機発光体とは反対側の表面において接合されていることが好ましい一形態である。
本発明に係る面状発光装置は、上記の有機エレクトロルミネッセンス素子が、複数個、面状に配設され、前記有機発光体が発光するように各電極が電気的に接続されていることを特徴とするものである。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、基板の表面に、第1電極と、有機発光層と、第2電極とをこの順で有する有機発光体が形成され、前記有機発光体は、前記基板に接着された封止材によって覆われて封止されている有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、外周側面に開口する凹部を、前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方と電気的に接続され端部に引き出された電極引き出し部に接するように設けて前記封止材を形成する封止材形成工程と、前記基板と前記封止材との境界部を跨って金属膜を前記外周側面に設け、前記金属膜を前記凹部において前記電極引き出し部と接触させる金属膜形成工程と、を有する工程により製造することを特徴とするものである。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法にあっては、前記金属膜をめっきによって形成することが好ましい。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法にあっては、前記封止材は、前記基板に対向する封止基板を有し、前記封止材形成工程は、前記封止基板の端部表面に、前記凹部を構成する掘り込み部を形成する掘り込み工程と、前記掘り込み部が形成された面を前記有機発光体側に配置して、前記封止基板と前記基板とを接着させる基板接着工程と、を有することが好ましい一形態である。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法にあっては、前記封止材は、前記基板に対向する封止基板と、前記有機発光体の厚み以上の接着層とを有し、前記封止材形成工程は、前記基板と前記封止基板との間に前記接着層が形成されない領域を設けて前記基板と前記封止基板とを接着することにより前記凹部を形成することが好ましい一形態である。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法にあっては、前記金属膜の一部を除去して前記金属膜を分離する金属膜分離工程を有することが好ましい一形態である。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法にあっては、マスクキングにより前記金属膜を分離して形成することが好ましい一形態である。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法にあっては、前記基板の表面に前記有機発光体を複数形成し、複数の前記有機発光体の全体を覆う大きさの封止材を前記基板に接着することによって、複数の前記有機発光体を封止して有機エレクトロルミネッセンス連結体を作製する連結体作製工程と、前記有機エレクトロルミネッセンス連結体の前記基板及び前記封止材を分断して前記有機発光体を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を個別化する個別化工程と、を有することが好ましい一形態である。
本発明によれば、外周側面に金属膜を設けることにより、発光面積の割合を高くすることができ、また、発光を面内でより均一にすることができ、また、水分の浸入を抑制することができる。その結果、発光性と信頼性に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができる。また、発光性と信頼性に優れた面状発光装置を得ることができる。
(a)〜(d)は斜視図であり、(a)は有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示し、(b)及び(c)は(a)の有機エレクトロルミネッセンス素子を分解した形態の一例を示し、(d)は(b)の素子の一部を拡大した一例を示す。 (a)〜(c)は有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の各一例を示す部分拡大断面図である。 (a)〜(c)は有機エレクトロルミネッセンス素子の製造の一例を示す平面図である。 (a)〜(c)は有機エレクトロルミネッセンス素子の製造の一例を示す平面図である。 (a)〜(c)は有機エレクトロルミネッセンス素子の製造の一例を示す斜視図である。 (a)及び(b)は有機エレクトロルミネッセンス素子の製造の一例を示す平面図である。 (a)及び(b)は有機エレクトロルミネッセンス素子の製造の一例を示す斜視図である。 (a)〜(c)は有機エレクトロルミネッセンス素子の製造の一例を示す斜視図である。 (a)〜(d)は有機エレクトロルミネッセンス素子の製造の一例を示す斜視図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す斜視図である。 面状発光装置の実施形態の一例を示す斜視図である。 (a)〜(c)は従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造の一例を示す斜視図である。
図1(a)は、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)Aの実施形態の一例を示している。図1(b)は、図1(a)の有機EL素子Aを分解した素子を示し、金属膜3を設けていない途中状態の有機EL素子A’の一例を示すものである。図1(c)は、図1(b)の有機EL素子A’を分解した様子を示している。図1(d)は、図1(b)の有機EL素子A’の一部を拡大して図示したものである。
図1(c)に示すように、有機EL素子Aは、基板1の表面に、第1電極7と有機発光層8と第2電極9とをこの順で有する有機発光体10が形成され、有機発光体10は、基板1に接着された封止材2によって覆われて封止されている。また、図1(b)に示すように、封止材2は、外周側面に開口する凹部4が、第1電極7及び第2電極9の少なくとも一方と電気的に接続され端部に引き出された電極引き出し部5に接して設けられている。そして、図1(a)に示すように、本形態の有機EL素子Aは、外周側面に、基板1と封止材2との境界部を跨って金属膜3が設けられ、この金属膜3は、凹部4において電極引き出し部5と接触している。
本形態では、外周側面に金属膜3を設けることにより、この金属膜3を補助電極として機能させることができ、基板端部の表面に有機発光体10を取り囲むような幅広の補助電極を必ずしも設けなくてもよい。そのため、外周部の非発光領域の割合を少なくして発光領域の割合を高くすることができ、素子の発光面積の割合を高くすることができる。また、外周側面に金属膜3を設けることにより、この金属膜3を補助電極として機能させることができ、電極に対する通電性を高めることができる。そのため、面内においてバラツキが少なくより均一な量で電圧を印加することができるため、面内での発光をより均一に近づけることができる。また、金属膜3が基板1と封止材2との境界部を跨って設けられていることにより、水分の浸入経路を遮断することができる。そのため、接着部分を介して水分が内部に浸入するのを抑制することができ、有機発光層8の劣化を低減することができる。その結果、本形態の有機EL素子Aは、発光性と信頼性に優れたものとなるのである。以下、さらに本形態の有機EL素子Aについて説明する。
基板1は、光透過性を有する透明な基板1であることが好ましく、ガラス基板などを用いることができる。基板1をガラス基板で構成した場合、ガラスは水分の透過性が低いので、封止領域の内部に水分が浸入することを抑制することができる。基板1の表面における第1電極7との界面には、光取り出し層が設けられていてもよい。光取り出し層が設けられることにより、光取り出し性を高めることができる。光取り出し層は、ガラスよりも屈折率の高い樹脂層や、光散乱粒子を含む樹脂層や、高屈折率ガラスなどによって形成することができる。本形態では、基板1は、矩形状のものが用いられている。
有機発光体10は、第1電極7、有機発光層8及び第2電極9の積層体である。有機発光体10の設けられる領域は、平面視(基板表面と垂直な方向から見た場合)において、基板1の中央部の領域である。有機EL素子Aでは、平面視における有機発光体10が設けられた領域が発光領域となる。
第1電極7及び第2電極9は、互いに対となる電極であり、一方が陽極を構成し、他方が陰極を構成する。本形態では、第1電極7により陽極を構成し、第2電極9により陰極を構成することができるが、その逆であってもよい。第1電極7は、光透過性を有することが好ましく、その場合、第1電極7は光取り出し側の電極となる。第1電極7は、透明な導電層20によって構成することができる。導電層20の材料としては、ITO、IZOなどが例示される。また、第2電極9は光反射性を有していてもよい。その場合、第2電極9側に向って発せられる発光層からの光を、第2電極9で反射させて基板1側から取り出すことができる。また、第2電極9は光透過性の電極であってもよい。第2電極9が光透過性の場合、封止材2側の面から光を取り出す構造にすることが可能である。あるいは、第2電極9が光透過性の場合、第2電極9における有機発光層8とは反対側の面に光反射性の層を設けることによって、第2電極9の方向に進行した光を反射させて、基板1側から取り出すことが可能である。第2電極9は、例えば、AlやAgなどにより形成することができる。
有機発光層8は、発光を生じさせる機能を有する層であり、ホール注入層、ホール輸送層、発光層(発光材料を含有する層)、電子輸送層、電子注入層、中間層などから適宜選ばれる複数の機能層によって構成されるものである。
有機EL素子Aでは、第1電極7と第2電極9とに電圧を印加し、有機発光層8(発光材料含有層)において正孔と電子を結合させて発光を生じさせる。そのため、第1電極7及び第2電極9のそれぞれと導通する電極を基板端部に引き出して設ける必要がある。引き出された電極は、外部電極と電気的に接続するための端子と導通するものとなる。本形態では、基板1の表面に、第1電極7及び第2電極9と導通する電極引き出し部5を設け、有機発光層8に電圧を印加できるようにしている。
電極引き出し部5は、基板1の端部表面に形成されている。電極引き出し部5は、第1電極7と導通する第1電極引き出し部5aと、第2電極9と導通する第2電極引き出し部5bとによって構成されている。本形態では、電極引き出し部5は、第1電極7を構成する導電層20によって形成されている。
第1電極引き出し部5aは、第1電極7を構成する導電層20が基板1の端部側に分断されずに引き出され外側に向かって延出されることによって形成されている。すなわち、第1電極7を構成する導電層20は、第1電極引き出し部5aが設けられる端部では基板1の表面外縁まで形成されている。第1電極7と導通する第1電極引き出し部5aが基板1の外縁まで延出されることにより、封止領域の外部と素子内部とを電気的に接続させることが可能になる。このように、第1電極7を延長することによって第1電極引き出し部5aを形成すると、簡単に第1電極引き出し部5aを形成することができる。
また、本形態では、第2電極引き出し部5bは、第1電極7を形成するための導電層20の一部が第1電極7から分離されるとともに、基板1の端部側に引き出され外側に向かって延出されることによって形成されている。すなわち、第2電極引き出し部5bを構成する導電層20は、第1電極7から分離されるとともに、基板1の表面外縁まで形成されている。第2電極9と導通する第2電極引き出し部5bが基板1の外縁まで延出されることにより、封止領域の外部と素子内部とを電気的に接続させることが可能になる。そして、パターン形成された導電層20によって第2電極引き出し部5bを形成すると、簡単に第2電極引き出し部5bを形成することができる。第2電極引き出し部5bは、素子の内部において、積層された第2電極9と接触しており、それにより第2電極引き出し部5bと第2電極9とが導通する構造となっている。
第1電極7、第1電極引き出し部5a及び第2電極引き出し部5bは、同じ導電材料を用いて形成することができる。それにより、有機EL素子Aを簡単に製造することができる。第1電極7の導電層20は、例えば、透明金属酸化物により形成することができる。具体的には、例えば、この導電層20をITOで構成することができる。導電層20の厚みは、特に限定されるものではないが、0.01〜0.5μmの範囲にすることができる。例えば、導電層20の厚みを0.15μm程度にすることができる。
封止材2は、水分の透過性が低い基板材料を用いて形成することができる。封止材2としては、例えば、ガラス基板を用いることができる。ガラス基板を用いることにより、水分が浸入するのを抑制することができる。封止材2は、接着材料によって基板1に接着されている。
図1(b)に示すように、封止材2には、外周側面に開口する凹部4が複数設けられている。凹部4は、封止材2における基板1側の表面端部に設けられている。この凹部4は、封止材2の外縁部において段状に設けられている。また、凹部4は側面に沿って切り欠いた溝状に形成されている。図1(c)では、基板1表面における凹部4に対応する領域を破線で示している。図1(b)及び(c)に示すように、凹部4は、電極引き出し部5に接して形成されている。封止材2に凹部4が設けられることにより、基板1の表面において電極引き出し部5が封止材2から外部側にはみ出すことになる。すなわち、凹部4における電極引き出し部5は、基板1と封止材2とに挟まれておらず、封止領域よりも外側にはみ出しており、金属膜3が設けられていないと仮定すると、外部に露出することになる。ここで、もし仮に凹部4が設けられていないと、電極引き出し部5と外部電極との電気的接続は、基板1と封止材2とに挟まれた状態で外周側面に露出する電極引き出し部5の側面で行わなければならなくなる。しかしながら、本形態では、電極引き出し部5に接するように凹部4が設けられているので、電極引き出し部5に封止材2によって覆われない部分が形成されることになる。そして、封止材2に覆われていない電極引き出し部5において電気接続をすることが可能になる。そのため、電極引き出し部5に対する電気接続性を高めることができ、通電性の高めることができるものである。
図1(b)に示すように、凹部4は、第1電極引き出し部5aに接する凹部4と、第2電極引き出し部5bに接する凹部4とを含んだ複数の凹部4によって構成されている。凹部4は一方の電極引き出し部5(5a又は5b)に接するものだけが設けられてもよいが、このように、両方の電極引き出し部5(5a及び5b)に接するように、凹部4を複数設けることにより、各電極に対する通電性をより高めることができる。
また、凹部4は、一つの凹部4が第1電極引き出し部5aと第2電極引き出し部5bとの両方に接するように設けられてもよいが、第1電極引き出し部5aに接する凹部4と、第2電極引き出し部5bに接する凹部4とが分けられて設けられていることが好ましい。一つの凹部4が第1電極引き出し部5aと第2電極引き出し部5bとの両方に接しないことにより、金属膜3を形成したときに、凹部4内で金属膜3が連通したりすることによって電極引き出し部5が導通してショート不良するのを抑制することができる。
また、封止材2として平面視において矩形状のものが用いられる場合、凹部4は、矩形状の封止材2の角部に設けられないことが好ましい。角部に凹部4が設けらないことにより、基板1と封止材2との接合部分の中でも外部からの力がかかりやすい角部において封止材2と基材1とを密着させて接合することができ、有機EL素子Aの強度を高めることができる。
凹部4のサイズは、特に限定されるものではないが、例えば、有機発光体10の積層方向と同じ方向の長さ(厚み)が、発光積層体10の厚み以上にすることができる。あるいは、凹部4の厚みは、封止材2の厚みの1/10以上又は1/5以上にすることもできる。凹部4の厚みの上限は、特に限定されないが、封止材2の厚みの半分以下にしてもよい。また、凹部4の深さ、すなわち凹部4の開口部分から凹部4の奥部の内壁までの基板1表面に沿った方向の長さは、特に限定されるものではないが、例えば、凹部4の厚みよりも大きくしたりすることができる。凹部4のサイズは、大きいほど通電性を高めることができる。凹部4の深さの上限は特に限定されるものではないが、例えば、凹部4の深さを封止材2の厚みと同じ長さ以下にすることができる。凹部4のサイズは、通電性、発光面積割合、強度、形成のしやすさ、などを考慮して適宜設定されるものであってよい。
図1(a)に示すように、本形態の有機EL素子Aは、外周側面に、基板1と封止材2との境界部を跨って金属膜3が設けられている。有機EL素子Aの外周側面には凹部4が形成されているが、金属膜3は、凹部4の周囲を取り囲むように形成されている。そして、金属膜3は、凹部4において電極引き出し部5と接触している。金属膜3が封止材2の凹部4において電極引き出し部5と接触することにより、金属膜3と電極引き出し部5との通電性が高まる。金属膜3は、いわば側面電極となるものである。そして、金属膜3と電極引き出し部5とが接していることにより、金属膜3を補助電極として機能させることができ、導電層20(第1電極7及び電極引き出し部5)に対する通電の補助効果を高めることができる。金属膜3は、補助電極としての機能を有するものである。また、金属膜3が基板1と封止材2との境界部分を跨いで形成されていることにより、外部からの水分の浸入経路となりやすい基板1と封止材2との接着部分を金属膜3で被覆することができ、水分の浸入を抑制することができる。金属膜3は、防湿性の膜としても機能することができるものである。
本形態では、有機EL素子Aは平面視において矩形状に形成されており、この矩形状の角部を跨って金属膜3が設けられている。そのため、隣り合う側面における金属膜3の導通性を高めることができ、高く通電を補助することができる。また、水分の浸入経路となりやすい角部からの水分の浸入を抑制することができる。さらに、本形態では、封止材2の側面と表面とに跨って、封止材2の外周部を囲うように、封止材2の表面側に延伸している。したがって、金属膜3の面積が大きくなり、通電補助効果をさらに高めることができる。なお、金属膜3は少なくとも外周側面に設けられていればよく、封止材2の表面に設けられていなくてもよい。
金属膜3は、第1電極7と電気的に接続された第1金属膜3aと、第2電極9と電気的に接続された第2金属膜3bとによって構成されている。すなわち、第1金属膜3aは、第1電極引き出し部5aに接するように設けられ、第2金属層3bは、第2電極引き出し部5bに接するように設けられている。第1金属膜3a及び第2金属膜3bは、互いに接触しておらず、電気的に絶縁されている。
図2は、金属膜3と電極引き出し部5との接触の各一例を示している。図2(a)の形態では、金属膜3は、基板1及び封止材2の側面に形成されるとともに、凹部4の内部に入り込んで基板1表面における電極引き出し部5と接触している。このように、凹部4の内壁に金属膜3が形成されることにより、電極引き出し部5の側面だけではなく、電極引き出し部5の表面において金属膜3と電極引き出し部5とが接触するため、導通性を高めることができる。図2(a)の形態では、電極引き出し部5は、凹部4内において外部に露出することになる。
図2(b)に示すように、導通性をさらに高めるためには、金属膜3は、凹部4における電極引き出し部5を被覆していることがさらに好ましい。電極引き出し部5の表面が金属膜3で被覆されることによって、電極引き出し部5と金属膜3との接触面積が大きくなる。そのため、図2(a)の形態よりも導通性を高めることができる。また、接触部分が増えるため補助電極としての機能を高めることができる。
図2(c)に示すように、さらに、金属膜3は、凹部4を被覆していることが好ましい。すなわち、凹部4の内壁全体を金属膜3が覆っている状態である。このとき、金属膜3は、基板1の側面と封止材2の側面と架け渡して設けられることになる。金属膜3により凹部4が被覆されると、電極引き出し部5は、基板1の側面に形成された金属膜3に加えて、封止材2の側面に形成された金属膜3が凹部4に沿って延長した部分にも電気的に接続される。そのため、基板1及び封止材2の側面に形成された金属膜3で電極引き出し部5の通電を補助することができ、高い通電補助効果を得ることができる。また、凹部4が金属膜3で被覆されていると、凹部4内における基板1と封止材2との接合箇所が金属膜3で被覆されるため、水分の浸入をさらに効果的に抑制することができる。なお、図2(c)では、凹部4の内壁の表面に沿って金属膜3が形成された様子を示しているが、凹部4が金属膜3の材料で充填されていてもよい。
図1(a)に示すように、金属膜3は、第1金属膜3aと第2金属膜3bとの境界で分断されている以外は、外周側面に亘って形成され、有機発光体10の外周部を取り囲むように形成されている。そして、凹部4は外周側面に基板1表面に沿って水平方向に切り欠かれた溝状に形成されており、電極引き出し部5と金属膜3との接触部分は、有機発光体10を取り囲んで設けられている。こうして、金属膜3と電極引き出し部5との接触する部分が有機発光体10を取り囲むことにより、第1電極7に対する面内の通電補助効果が高まり、面内においてより均一に近づいた電流を有機発光体10に流すことができる。そのため、面内の発光をより均一に近づけることができる。
本形態では、金属膜3が外周側面に形成され、この金属膜3が補助電極として機能するため、基板1の表面に金属層を積層させて補助電極を設けなくてもよい。そのため、基板1及び封止材2によって挟まれた封止領域における有機発光体10の占める領域(発光領域)の面積をより大きくすることができ、発光領域の割合が大きい有機EL素子Aを形成することができる。また、発光領域を有機EL素子Aの基板1の外周端部に、より近づけることができ、非発光領域である額縁を狭くして、狭額縁の素子を得ることができる。
有機EL素子Aは一つの素子で面状の発光装置として使用することができる。また、有機EL素子Aは、複数並設して面状発光装置(照明装置)を構成することもできる。その場合、有機EL素子A間に設けられる非発光領域の面積割合を小さくすることができるので、連結箇所を目立ちにくくすることができ、照明性の優れた発光装置を得ることができる。
金属膜3の厚みは、1〜100μmの範囲にすることができるが、これに限定されるものではない。例えば、金属膜3の厚みは10μm程度にすることができる。
金属膜3の材料としては、導電性の金属を用いることができる。例えば、銅、ニッケル、銀、金などを用いることができる。めっきにより金属膜3を形成する場合は、金属膜3の材料としてめっき性に優れたものを用いることができる。
図1(a)の有機EL素子Aでは、基板1と封止材2とは、外周側面が平面視(基板表面に垂直な方向から見た場合)において略同じ位置になるように配置されていることが好ましい。基板1と封止材2との外周側面が同じ位置に近づくことにより、金属膜3を形成した際に、金属膜3を基板1と封止材2との境界部で分断させずに形成することがより可能となる。それにより、金属膜3が分断されて導通性が低下することを抑制し、導通性を高めることができる。また、金属膜3が境界部で分断されていないと、基板1と封止材2との境界部を被覆できるので、水分が内部に浸入するのをさらに抑制することができる。平面視における基板1と封止材2との外縁間の距離は、目視においてずれのない程度のものであればよく、例えば、3mm以下、1mm以下、0.5mm以下又は0.1mm以下にすることができるが、これに限定されるものではない。
また、有機EL素子Aでは、金属膜3によって給電端子部6が設けられていることが好ましい。金属膜3の一部を給電端子部6として機能させ、この金属膜3によって形成された給電端子部6と外部電極とを接続することにより、電気接続性を向上することができる。
図1(a)に示すように、本形態では、外周側面に形成された金属膜3の一部が封止材2に沿って内部側に延伸されることにより、封止材2における有機発光体10とは反対側の表面に給電端子部6が設けられている。すなわち、給電端子部6は、光取り出し側の基板1とは反対側である有機EL素子Aの背面に設けられている。このように、封止材2の表面に給電端子部6を設けることにより、図12(c)のように給電端子部6を基板1の表面における封止材2からはみ出した部分に形成しなくてもよく、給電端子部6により形成される非発光領域を取り除くことが可能になる。そのため、発光領域の割合の大きい有機EL素子Aを形成することができる。また、封止材2の表面に給電端子部6設けるようにすれば、有機EL素子Aの背面(光取り出し側とは反対側の面)において外部電極に接続することができるため、容易に外部電源と電気接続することができる。なお、外周側面の金属膜3を給電端子部6として用いてももちろんよい。
上記の有機EL素子Aの製造方法について説明する。図3〜8は、有機EL素子Aの製造の一例を示している。
上記の有機EL素子Aは、封止材形成工程と金属膜形成工程とを有する工程により製造することができる。封止材形成工程は、有機EL素子Aの外周側面に開口する凹部4を、第1電極7及び第2電極9の少なくとも一方と電気的に接続され端部に引き出された電極引き出し部5に接するように設けて封止材2を形成する工程である。金属膜形成工程は、基板1と封止材2との境界部を跨って金属膜3を外周側面に設け、金属膜3を凹部4において電極引き出し部5と接触させる工程である。
有機EL素子Aの製造方法においては、連結体作製工程と個別化工程とを有する工程で作製することが好ましい。連結体作製工程は、基板1の表面に有機発光体10を複数形成し、複数の有機発光体10の全体を覆う大きさの封止材2を基板1に接着することによって、複数の有機発光体10を封止して有機エレクトロルミネッセンス連結体21を作製する工程である。個別化工程は、有機エレクトロルミネッセンス連結体21の基板1及び封止材2を分断して有機発光体10を有する有機エレクトロルミネッセンス素子A’を個別化する工程である。このように、複数の有機エレクトロルミネッセンス連結体(以下「有機EL連結体」といもいう)21を形成した後に個別化するようにすると、有機発光体10の積層形成及び封止を複数の素子で同時に行うことができ、製造効率を高めることができる。なお、有機EL素子Aの製造では、基板1表面に有機発光体10を一つ形成するようにしてももちろんよい。
図3は、基板1の表面に複数の有機発光体10を形成する例を示している。有機発光体10の形成にあたっては、図3(a)に示すように、まず、複数の有機発光体10を形成することのできる大きさの基板1の表面に、導電層20がパターン状に形成された基板材料(導電層付き基板)を準備する。この基板材料は、基板1の表面に導電層20を積層形成することにより得ることができる。導電層20のパターン形成は、パターンマスクなどを用いてパターン状に導電層20を積層させて行ってもよいし、基板1の表面全体に導電層20を積層した後、導電層20をパターン状に除去することにより行ってもよい。導電層20の一部の除去によるパターン形成は、エッチングやレーザ加工やフォトリソ加工などにより行うことができる。
図3では、有機発光体10を縦2個で横2個の合計4個で配設して形成する様子を示しているが、有機発光体10の数はこれに限られない。また、隣り合う有機EL素子Aの境界線である有機EL素子Aが分断されて個別化されるときの線を分断線Tとして破線で示している。図3の形態では、基板1の端部も切断して切り落とすようにしている。基板材料の端部は傷などが付きやすい部分であるが、端部を切り落とすことにより、有機EL素子Aを作製したときに基板1の端部の不良を抑制することができる。導電層20のうち、分断線Tによって区画分けされた領域の中央部分が、第1電極7となる。また、導電層20においては、分断線Tによって区画分けされた領域の端部のうち、第1電極7と連続した導電層20が第1電極引き出し部5aとなり、第1電極7と分断された導電層20が第2電極引き出し部5bとなる。なお、連結体作製及び個別化をしない場合は、有機発光体10を基板1の表面に一つ形成することができる。
次に、図3(b)に示すように、導電層20を有する基板材料の第1電極7の表面に、有機発光層8を形成する。有機発光層8は、導電層20の区画分けされた領域の中央部分である第1電極7の表面に形成するようにする。有機発光層8は、蒸着や塗布により、有機発光層8を構成する各層を順次に積層することにより形成することができる。有機発光層8は、第2電極引き出し部5bが設けられた端部側においては、第1電極7を少しはみ出すように形成する。それにより、第2電極9を第1電極7と接触しないように形成することができる。
次に、図3(c)に示すように、有機発光層8の表面に第2電極9を形成する。第2電極9は、第1電極7とは接触しないようにするとともに、第2電極引き出し部5b側に延長して第2電極引き出し部5bの表面にも積層させるようにする。有機発光層8と第2電極9の積層により、有機発光体10が積層形成される。
図4は、封止材2の作製の一例を示している。図4の形態では、封止基板11に掘り込み部14を設けることにより、凹部4を形成するようにしている。
有機EL素子Aにおいては、封止材2は、基板1に対向する封止基板11を有し、凹部4が、封止基板11の端部に掘り込み部14が設けられることにより形成されていることが好ましい一形態である。それにより、掘り込み部14により構成される凹部4によって電極引き出し部5を封止材2から簡単に露出させることができる。また、封止基板11を厚みの薄い接着層12で接着することができるので、水分の浸入経路を小さくして封止性を向上することができる。
凹部4が掘り込み部14によって形成される封止材2を有する有機EL素子Aは、上記の封止材形成工程が、掘り込み工程と基板接着工程とを有するようにすることにより作製することができる。掘り込み工程は、封止基板11の端部表面に、凹部4を構成する掘り込み部14を形成する工程である。基板接着工程は、封止基板11の掘り込み部14が形成された面を有機発光体10側に配置して、封止基板11と基板1とを接着させる工程である。有機EL連結体を形成する場合には、掘り込み部14を設ける封止基板11の端部は、有機EL素子Aごとに区画分けされた領域の端部にすることができる。
図4(a)に示すように、封止材2の作製にあたっては、まず、複数の有機発光体10の全体を覆う大きさの封止基板11を準備する。封止基板11としてはガラス基板を用いることができる。それにより、封止性を高めることができる。図4(a)の封止基板11は、図3の形態のような、4個の有機発光体10が積層形成された基板1を封止するものである。また、図4では、隣り合う有機EL素子Aの境界線である有機EL素子Aが分断されて個別化されるときの線を分断線Tとして示している。また、封止基板11の端部は、素子の切断の際に切り落とされるようにしている。基板材料の端部は傷などが付きやすい部分であるが、端部を切り落とすことにより、有機EL素子Aを作製したときに封止基板11の端部の不良を抑制することができる。また、端部を切り落とす場合、掘り込み加工を封止基板11の外縁ではなく内部に行えばよく、掘り込み部14を簡単に精度よく形成することができる。
次に、図4(b)に示すように、封止基板11の表面を掘り込み加工(ザグリ加工)を行うことにより、掘り込み部14を形成する。このとき、掘り込み部14は、分断線Tを跨るように形成する。それにより、基板1と封止基板11とを接着して有機発光体10を封止した際に、掘り込み部14から側面に開口する凹部4を形成することができる。また、掘り込み部14が分断線Tを跨るようにすると、隣り合う有機EL素子Aの凹部4を同時に形成することができる。掘り込み部14の深さは、凹部4の厚みと同じであってよい。掘り込み部14は、分断線Tに沿って溝状に設けることができる。また、複数の凹部4を形成するために、複数の掘り込み部14を設けることができる。
掘り込み加工の際には、掘り込み部14の形成とともに、区画分けされた領域の中央部分を掘り込んで有機発光体10を収納するための収納凹部となる収納部13を形成することができる。収納部13の深さは、有機発光体10の厚み以上にすることができる。収納部13の深さ(厚み)と掘り込み部14の深さ(厚み)とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。収納部13の深さと掘り込み部14の深さとが同じであると、掘り込み加工を簡単に行うことができる。
掘り込み部14は、基板1と接合した際に、凹部4が電極引き出し部5に接するように設けられる。掘り込み部14は、第1電極引き出し部5aに接するように設けられる掘り込み部14と、第2電極引き出し部5bに接するように設けられる掘り込み部14とによって構成されている。それにより、第1電極引き出し部5a及び第2電極引き出し部5bが形成された位置に、それぞれに対応する凹部4を設けることができる。
封止基板11の掘り込み加工は、エッチングやサンドブラストや機械加工によって行うことができる。掘り込み加工を行う際には、掘り込む部分以外の部分をマスクし、マスクされていない部分を掘り込むようにしてもよい。エッチングにはフッ酸などのエッチング剤を使用することができる。サンドブラストでは、サンド(砂)を噴き付けることができる。機械加工は、掘り込み装置により封止基板11の表面の一部を機械的に除去することによって行うことができる。
こうして、表面が掘り込まれて、区画分けされた領域の端部に掘り込み部14が形成され、区画分けされた領域の中央部に収納部13が形成された封止基板11を得ることができる。
次に、図4(c)に示すように、収納部13と掘り込み部14との間の領域に、収納部13の外周部全体に亘って接着材料を塗布する。図4(c)では、接着材料が設けられる領域を斜線で示している。接着材料は、封止基板11と基板1とを接着させるものであり、硬化することにより、接着層12が形成される。接着材料としては、例えば、樹脂性の接着材料を用いることができる。樹脂性の接着材料は、防湿性を有しているものが好ましい。例えば、乾燥剤を含有することにより防湿性を高めることができる。樹脂性の接着材料は、熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂などを主成分とするものであってもよい。なお、封止材2は、封止基板11と考えることもできるし、封止基材11と接着層12の複合材料と考えることもできる。
接着層12の形成される領域は、有機発光体10の外周を取り囲む領域にすることができる。それにより、基板1と封止基板11とを外周に亘って接着層12で接着し、有機発光体10を封止して外部から遮断することができる。周状に接着層12を形成した場合、有機発光体10を封止したときに、収納部13には封止間隙が設けられる。この封止間隙には、充填剤を充填してもよいし、封止空間にしてもよい。封止空間にする場合には、封止空間に乾燥剤を設けることができる。それにより、封止空間に水分が浸入したとしても、浸入した水分を吸収することができる。また、充填剤で充填する場合には、乾燥剤を含んだ充填剤を用いることができる。それにより、素子内部に水分が浸入したとしても、浸入した水分を吸収することができる。
図5は、基板1と封止材2とを接合させる工程を示している。図3に示す方法により、図5(a)に示すような、有機発光体10が表面に複数形成された基板1が得られる。そして、この基板1に、図4(c)に示すような封止材2を重ねて接着することにより、図5(b)に示すような、基板1と封止材2とが接合された有機EL連結体21が得られる。なお、図5(a)及び(b)では、構造が分かりやすくなるように、基板1と封止材2の端部を切り落とした形状にして図示しているが、基板1と封止材2との接合は端部を切り落とさずに行うことができる。基板1と封止材2との接合にあたっては、掘り込み部14が電極引き出し部5と接するように接合を行う。また、掘り込み部14が、導電層20が分断されて露出する基板1の表面と接しないようにして接合することが好ましい。基板1と封止材2との接合により、基板1と封止材2との境界部分に側方に開口する凹部4が形成される。そして、図5(c)に示すように、有機EL連結体21を分断線Tで切断して個別化する。有機EL連結体21の切断は、スクライバなどの切断具を用いて行うことができる。なお、樹脂が凹部4に侵入して凹部4が塞がれる場合には、凹部4に侵入してきた接着層12を除去する工程を行ってもよい。
こうして、図5(c)に示すような、凹部4が外周側面に形成された、金属膜3を形成する前の有機EL素子A’を得ることができる。この有機EL素子A’では、電極引き出し部5が凹部4において外部に露出している。
ここで、上記では、凹部4が、封止基板11に設けられた掘り込み部13で構成される例を示したが、凹部4の形成方法はこれに限定されるものではない。
図6は、封止材2の作製の他の一例を示している。図6の形態では、接着層12の厚みを厚くし、接着層12を設けない領域を形成することにより、凹部4を形成するようにしている。本形態の場合、封止材2は、封止基板11と接着層12との複合材料と考えることができる。
有機EL素子Aにおいては、封止材2は、基板1に対向する封止基板11と、有機発光体10の厚み以上の接着層12とを有し、凹部4が、基板1と封止基板11との間に接着層12が形成されない領域が設けられることにより形成されていることが好ましい一形態である。それにより、接着層12のパターンにより簡単に凹部4を形成することができる。また、封止基板11に掘り込み加工を行うことなく平坦な表面の封止基板11を用いて封止材2に凹部4を形成することができ、簡単に外周側面に開口する凹部4を形成することができる。
図6に示すような封止材2を有する有機EL素子Aは、上記の封止材形成工程が、基板1と封止基板11との間に接着層12が形成されない領域を設けて基板1と封止基板11とを接着することにより凹部4を形成する工程を有することにより作製できる。接着層12の設けられない領域は、基板1と封止基板11とが接着されない部分であり、非接着部15となる。
図6(a)に示すように、封止材2の作製にあたっては、まず、複数の有機発光体10の全体を覆う大きさの封止基板11を準備する。封止基板11としてはガラス基板を用いることができる。それにより、封止性を高めることができる。図6(a)の封止基板11は、図3の形態のような、4個の有機発光体10が積層形成された基板1を封止するものである。また、図6では、隣り合う有機EL素子Aの境界線である有機EL素子Aが分断されて個別化されるときの線を分断線Tとして破線で示している。
次に、図6(b)に示すように、封止基板11の表面に、接着層12を形成するための接着材料を塗布する。図6(b)では、接着材料が設けられる領域を斜線で示している。接着材料は、封止基板11と基板1とを接着させるものである。接着材料としては、例えば、樹脂性の接着材料を用いることができる。樹脂性の接着材料は、防湿性を有しているものが好ましい。例えば、乾燥剤を含有することにより防湿性を高めることができる。樹脂性の接着材料は、熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂などを主成分とするものであってもよい。接着材料が硬化することにより、接着層12が形成される。
接着層12の厚みは有機発光体10の厚み以上になるようにする。それにより、有機発光体10を基板1と封止基板11とで挟み込むとともに、外周部を接着層12で取り囲んで有機発光体10を封止することができる。接着層12の厚みは、素子が形成されたときの厚み(硬化後の厚み)として考えることができる。なお、接着層12の厚みは、位置によって変化する場合があるが、外周部における基板1と封止基板11との間の距離として考えることができる。
接着層12の厚みは、有機発光体10の厚み以上であれば特に限定されるものではないが、例えば、0.01〜1mmの範囲にすることができる。具体的には接着層12の厚みは約0.1mmであってよい。肉薄の接着層12によって凹部4を形成することにより、めっき液が浸入しやすくなり、電極引き出し部5と金属膜3とを電気接続させるためのクリアランスを確保することができる。
接着材料を塗布する際には、分断線Tを跨る位置に、接着層12を設けないようにして非接着部15を形成するようにする。それにより、封止した際に非接着部15から側面に開口する凹部4を形成することができる。また、非接着部15が分断線Tを跨るようにすると、隣り合う有機EL素子Aの凹部4を同時に形成することができる。
本形態では、接着層12の形成される領域は、有機発光体10全体を被覆する領域である。それにより、有機発光体10は、基板1と封止基板11とが、厚みの厚い接着層12で接着されて封止される。このように、接着層12を有機発光体10と接するように形成した場合、基板1と封止基板11との間には、接着層12が隙間なく形成されて有機発光体10が封止される。したがって、接着層12の材料は充填剤としての機能も有すると考えることができる。
そして、図5に示すように、封止基板11の表面に接着層12が設けられた封止材2と、有機発光体10が表面に複数形成された基板1とを重ねることにより、図5(b)に示すような有機EL連結体21が得られる。このとき、非接着部15が接着材料で充填されないようにして、外周側面(区画分けされた領域の端部)に接着層12が形成されない非接着の部分を形成する。それにより、非接着部15から凹部4を形成することができる。そして、図5(c)に示すように、有機EL連結体21を分断線Tで切断して個別化する。なお、樹脂が非接着部15に侵入して凹部4が塞がれる場合には、凹部4を形成する部分の接着層12を除去する工程を行ってもよい。
こうして、図5(c)に示すような、凹部4が外周側面に形成された、金属膜3を形成する前の有機EL素子A’を得ることができる。この有機EL素子A’では、電極引き出し部5が凹部4において外部に露出している。
図7は、金属膜形成工程の一例を示している。金属膜3は、めっきによって形成することが好ましい。金属膜3は、スパッタや蒸着などの金属積層方法によって形成することも可能であるが、めっきで形成した場合、簡単に金属膜3を形成することができる。
金属膜3の形成は、図7(a)に示すように、有機EL素子Aの金属膜3を形成しない領域をマスク30で被覆し、露出した部分をめっき金属材料でめっきすることにより形成することができる。マスク30の被覆は、金属膜3が基板1と封止材2との境界部を跨ぐものとなるようなパターンで行う。マスク30は基板1の光取り出し側の表面にも設けることができる。また、マスク30は給電端子部6が形成される部分に設けないように形成することできる。
図7の形態のように、金属膜3の形成は、マスクキングにより金属膜3を分離して形成することが好ましい一形態である。金属膜3は、第1金属膜3aと第2金属膜3bとによって構成されるものであり、電極がショートしないためには、これらは分離される必要があるが、マスキングで金属膜3を分離して形成することにより、簡単に金属膜3を分離させることができる。また、第1金属膜3aと第2金属膜3bとが連通しないようなパターンで金属膜3を形成することにより、第1金属膜3aと第2金属膜3bとの間でショートすることを抑制することができる。
図7(b)で示すように、めっきは、有機EL素子A’をめっき液31に入れるめっき浴の方法により行うことができる。めっき処理の方法としては、無電解めっき、電気めっきなどを用いることができる。好ましくは、無電解めっきを行った後に、電気めっきを行うようにする。それにより、金属膜3を簡単に形成することができる。無電解めっきでは絶縁性を有する基板材料の側面に簡単に金属のめっき被膜を形成することができる。また、電気めっきでは、めっき被膜の表面(側面)に簡単に厚みのあるめっき層を形成することができる。
無電解めっきは、例えば、CuやNiの無電解めっき液を用いて、側面のみめっき液の核付けを行うようにしてめっきを行うことができる。そして、無電解めっきの後に電気めっきを行うことができる。電気めっきは、例えば、無電解めっき液で形成された下地金属に、通電を行い、CuやNiの電気めっき液を浸漬することによって形成することができる。このとき、電気めっき液と無電解めっき液とは同一の金属のめっき液にすることが好ましい。また、有機EL素子の耐熱性を考慮すると、無電解めっき及び電気めっきの際の液温は80℃以下にすることが好ましい。めっき液の温度の下限は特に限定されないが、室温以上であってよい。
めっき処理後に、マスク30を除去することにより、図1(a)に示すような有機EL素子Aを得ることができる。
ここで、金属膜3は、基板1と封止材2との境界部を跨ぐように形成されるが、金属膜3は、接着層12の側面を被覆するものであることが好ましい。接着層12は、樹脂などによって構成されるものであり、外部からの水分の浸入経路となりやすいが、接着層12が金属膜3によって被覆されることにより、接着層12からの水分の浸入を抑制することができる。特に、図6の形態のように封止材2が厚みの厚い接着層12を有して構成された場合、接着層12を介して水分が浸入しやすくなるが、接着層12の側面を被覆することによって、水分の浸入を抑制することができる。また、金属膜3が基板1と封止基板11との間を跨って接着層12を被覆していることがさらに好ましい。接着層12と基板1との境界部分、及び、接着層12と封止基板11との境界部分が金属膜3によって被覆されていると、界面をつたって水分が内部に浸入するのを抑制することができ、水分の浸入抑制効果を高めることができる。また、さらに、金属膜3は、有機EL素子Aの外周側面の厚み方向の全体に亘って設けられていることが好ましい。金属膜3は補助電極として機能することができるものであり、金属膜3の厚みが厚くなることにより、通電の補助機能を高めることができる。
金属膜形成工程により、金属膜3は、基板1と封止材2との境界部を跨って有機EL素子Aの外周側面に設けられる。そして、金属膜3は、凹部4において電極引き出し部5と接触する。めっきによれば、簡単に凹部4の内部の壁面に金属膜3を形成することができ、電極引き出し部5と金属膜3とを接触させることができる。
図8は、金属膜形成工程の他の一例を示している。本形態では、マスク30を有機EL素子の外周側面に設けない以外は、図7の形態と同様に、めっき処理で金属膜3を形成する。このように、封止材2の表面と基板1の表面とにマスク30を設けるようにすると、パターン状に形成しにくい側面にマスク30を形成しなくてもよいので、簡単にマスキングを行うことができる。
金属膜3の形成にあたっては、図8(a)に示すように、まず、基板1及び封止材2の表面をマスク30で被覆する。本形態では、外周側面にはマスク30を設けなくてもよい。また、金属膜3を形成する領域である給電端子部6が設けられる部分には、マスク30を設けないようにすることができる。そして、図8(b)に示すように、有機EL素子A’をめっき液31に入れてめっき処理を施して、マスキングされていない外周側面全体を含む範囲に金属膜3を形成する。めっき処理は、図7の形態と同様の方法により行うことができる。その後、研磨具32により、金属膜3を研磨して削りとって分離させる。研磨具32としてはダイヤモンドなどの研磨石などを用いることができる。回転により研磨する研磨具32を用いてもよい。それにより効率よく研磨することができる。金属膜3の分離は、第1金属膜3aと第2金属膜3bとに分離するように行う。
このように、有機EL素子Aの製造にあっては、金属膜3の一部を除去して金属膜3を分離する金属膜分離工程を有することが好ましい一形態である。それにより、マスキングが容易になり、素子の製造を簡単に行うことができる。なお、図7の形態は、研磨する工程を必要としない点に利点がある。よって、製造のしやすさやコスト等の観点から、図7及び図8の方法を適宜に選択するようにすればよい。
以上の方法により、図1(a)に示すような、金属膜3が外周側面に形成された有機EL素子Aを製造することができる。
図9(d)は、有機EL素子Aの実施の形態の他の一例を示している。図9(a)〜(c)は、図9(d)の形態の有機EL素子Aを作製する途中状態を示している。図10は、図9(d)の有機EL素子Aを電源18に接続した様子を示している。図1(a)の形態と同様の構成には、同じ符号を付して説明を省略する。
有機EL素子Aでは、第1金属膜3aは、異なる位置の凹部4において電極引き出し部5に接触したものが封止材2における有機発光体10とは反対側の表面において接合されていることが好ましい一形態である。また、第2金属膜3bは、異なる位置の凹部4において電極引き出し部5に接触したものが封止材2における有機発光体10とは反対側の表面において接合されていることが好ましい一形態である。金属膜3が封止材2の表面で接合することにより、給電を行う部分を減らすことができ、電源18との接続を簡単に行うことができる。また、金属膜3が封止材2の表面で接合されていると、金属膜3の面積が大きくなって通電補助の効果を高めることができる。
図9(a)に示すように、本形態の有機EL素子Aでは、第2電極引き出し部5bは二つ設けられ、この二つの第2電極引き出し部5bは、有機EL素子Aの一端側に寄せられて設けられている。また、第1電極引き出し部5aは、基板1の外周の3辺に連続して形成されたものと、二つの第2電極引き出し部5bの間に形成されたものとにより構成されている。電極引き出し部5は、導電層20によって形成されるものである。導電層20がこのようなパターン形状で形成されることにより、第2電極引き出し部5bが一端側に偏在するので、封止基材1の表面において金属膜3を接合しやすくすることができる。
封止材2の凹部4は電極引き出し部5に接するように設けられており、第1電極引き出し部5aと第2電極引き出し部5bのパターン形状に合せたパターン形状で、封止材2の外周端部に設けられている。
図9(a)に示すように、複数の有機発光体10が形成された基板1と封止基材2とを接合することにより、図9(b)に示すような有機EL連結体21を得ることができる。そして、有機EL連結体21を分断して個別化することにより、図9(c)に示すような有機EL素子A’を得ることができる。そして、さらに、図7又は図8と同様の方法で金属膜3を形成することによって、図9(d)に示すような、金属膜3で被覆された有機EL素子Aを得ることができる。金属膜3の分離は、マスキングにより分離させたり、研磨具32によって研磨したりすることによって行うことができる。マスキングと研磨とを併用してもよい。
そして、図10に示すように、封止材2の表面における金属膜3を給電端子部6として構成し、この給電端子部6にコネクタ16などを設け、コネクタ16と電源18とを電気配線17で繋ぐことにより、有機EL素子Aを面状の照明装置などとして構成することができる。図10に示すように、本形態では、金属膜3が封止材2の表面で接合されているため、給電端子部6を2個設けて一箇所に給電すればよいので、電気供給が容易になりデバイスの駆動を簡単にすることができる。また、金属膜3は、第1金属膜3aと第2金属膜3bとの境界で分断されている以外は、封止材2の表面全体を覆っている。そして、封止材2を被覆して接合された金属膜3は、外周全体において、電極引き出し部5と接続されている。そのため、通電補助効果を高めることができ、面内においてより均一な発光をさせることができる。
図11は面状発光装置の実施形態の一例である。この面状発光装置は、図10の有機EL素子Aを複数個面状に配設し、有機発光体10が発光するように各電極を電気的に接続したものである。図11では、縦3個及び横3個の合計9個の有機EL素子Aが配設されているが、有機EL素子Aの個数はこれに限定されるものではない。各有機EL素子Aは、コネクタ16によって接続されている。各コネクタ16は、第1金属膜3aに取り付けられたコネクタ16同士で接合されるとともに、第2金属膜3bに取り付けられたコネクタ16同士で接合されている。コネクタ16は、差込み接合するものを用いることができる。差込み接合のコネクタ16を用いた場合、差し込みにより簡単に有機EL素子Aを接続させることができる。面状発光装置の両端部には支持体19が設けられ、支持体19によって複数の有機EL素子Aが支持固定されている。
面状発光装置では、上記のような発光面積割合の大きい有機EL素子Aを用いているので、有機EL素子Aの連結部分での非発光領域が目立たない面状発光装置を得ることができる。そして、図10に示す有機EL素子Aを用いた場合には、給電端子部6を少数化できるため、電気接続を容易にすることができ、簡単に大型のデバイスを得ることができる。例えば、各有機EL素子Aの第1電極7及び第2電極9が、それぞれの電極に対応するコネクタ16によって接続されていると、図11に示すように、プラスとマイナスの給電を一箇所で行うことが可能であり、給電を簡単にすることができる。また、図10に示す有機EL素子Aを用いた場合、補助電極として機能する金属膜3が、封止材2を覆って設けられているので、通電性が高まり、複数の有機EL素子Aを接続したものにおいて給電箇所を減少させても、面内においてより均一な発光を得ることができる。
A 有機エレクトロルミネッセンス素子
1 基板
2 封止材
3 金属膜
3a 第1金属膜
3b 第2金属膜
4 凹部
5 電極引き出し部
6 給電端子部
7 第1電極
8 有機発光層
9 第2電極
10 有機発光体
11 封止基板
12 接着層
13 収納部
14 掘り込み部
15 非接着部
16 コネクタ
17 ケーブル
18 電源
19 支持体
20 導電層
21 有機エレクトロルミネッセンス連結体
30 マスク
31 めっき浴
32 研磨具

Claims (17)

  1. 基板の表面に、第1電極と有機発光層と第2電極とをこの順で有する有機発光体が形成され、前記有機発光体は、前記基板に接着された封止材によって覆われて封止されている有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記封止材は、外周側面に開口する凹部が、前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方と電気的に接続され端部に引き出された電極引き出し部に接して設けられ、
    前記外周側面に、前記基板と前記封止材との境界部を跨って金属膜が設けられ、
    前記金属膜は、前記凹部において前記電極引き出し部と接触していることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記金属膜は、前記凹部における前記電極引き出し部を被覆していることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記金属膜は、前記凹部を被覆していることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記封止材は、前記基板に対向する封止基板を有し、
    前記凹部は、前記封止基板の端部に掘り込み部が設けられることにより形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記封止材は、前記基板に対向する封止基板と、前記有機発光体の厚み以上の接着層とを有し、
    前記凹部は、前記基板と前記封止基板との間に前記接着層が形成されない領域が設けられることにより形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記基板と前記封止材とは、前記外周側面が平面視において略同じ位置になるように配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記金属膜によって給電端子部が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記金属膜が封止材に沿って延伸されることにより、前記封止材における前記有機発光体とは反対側の表面に前記給電端子部が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 前記金属膜は、前記第1電極と電気的に接続された第1金属膜と、前記第2電極と電気的に接続された第2金属膜とによって構成され、
    前記第1金属膜は、異なる位置の前記凹部において前記電極引き出し部に接触したものが前記封止材における前記有機発光体とは反対側の表面において接合され、
    前記第2金属膜は、異なる位置の前記凹部において前記電極引き出し部に接触したものが前記封止材における前記有機発光体とは反対側の表面において接合されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子が、複数個、面状に配設され、前記有機発光体が発光するように各電極が電気的に接続されていることを特徴とする面状発光装置。
  11. 基板の表面に、第1電極と、有機発光層と、第2電極とをこの順で有する有機発光体が形成され、前記有機発光体は、前記基板に接着された封止材によって覆われて封止されている有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
    外周側面に開口する凹部を、前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方と電気的に接続され端部に引き出された電極引き出し部に接するように設けて前記封止材を形成する封止材形成工程と、
    前記基板と前記封止材との境界部を跨って金属膜を前記外周側面に設け、前記金属膜を前記凹部において前記電極引き出し部と接触させる金属膜形成工程と、を有する工程により製造することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  12. 前記金属膜をめっきによって形成することを特徴とする請求項11に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  13. 前記封止材は、前記基板に対向する封止基板を有し、
    前記封止材形成工程は、前記封止基板の端部表面に、前記凹部を構成する掘り込み部を形成する掘り込み工程と、
    前記掘り込み部が形成された面を前記有機発光体側に配置して、前記封止基板と前記基板とを接着させる基板接着工程と、を有することを特徴とする請求項11又は12に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  14. 前記封止材は、前記基板に対向する封止基板と、前記有機発光体の厚み以上の接着層とを有し、
    前記封止材形成工程は、前記基板と前記封止基板との間に前記接着層が形成されない領域を設けて前記基板と前記封止基板とを接着することにより前記凹部を形成することを特徴とする請求項11又は12に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  15. 前記金属膜の一部を除去して前記金属膜を分離する金属膜分離工程を有することを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  16. マスクキングにより前記金属膜を分離して形成することを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  17. 前記基板の表面に前記有機発光体を複数形成し、複数の前記有機発光体の全体を覆う大きさの封止材を前記基板に接着することによって、複数の前記有機発光体を封止して有機エレクトロルミネッセンス連結体を作製する連結体作製工程と、
    前記有機エレクトロルミネッセンス連結体の前記基板及び前記封止材を分断して前記有機発光体を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を個別化する個別化工程と、を有することを特徴とする請求項11〜16のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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