JPH08241790A - 有機el表示パネル - Google Patents

有機el表示パネル

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Publication number
JPH08241790A
JPH08241790A JP7044211A JP4421195A JPH08241790A JP H08241790 A JPH08241790 A JP H08241790A JP 7044211 A JP7044211 A JP 7044211A JP 4421195 A JP4421195 A JP 4421195A JP H08241790 A JPH08241790 A JP H08241790A
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JP
Japan
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organic
display panel
conductive
sealing plate
electrode
Prior art date
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Application number
JP7044211A
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English (en)
Inventor
Chishio Hosokawa
地潮 細川
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パネルの側面から背面にかけて形成された取
出し電極を有し、かつ、有機EL素子を破壊することな
く作製することが容易な有機EL表示パネルを提供す
る。 【構成】 本発明の有機EL表示パネルは、透明基板
と、この透明基板上に形成された複数の有機EL素子
と、これらの有機EL素子の各々を駆動させるための電
気信号を該有機EL素子に伝播させるために前記透明基
板上に形成された複数本の配線と、前記複数の有機EL
素子の各々を覆う封止層と、この封止層上に設けられた
電気絶縁性の封止板と、この封止板の側面に形成された
複数の取出し電極と、これらの取出し電極の各々を前記
複数本の配線のいずれかと電気的に接続するために前記
透明基板の縁部上に配置された1個または複数個の接続
スペーサーとを備えていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機エレクトロルミネッ
センスパネル(以下、エレクトロルミネッセンスをEL
と略記する)に係り、特に、複数枚を並列に配置して大
型の表示パネルを作製するのに好適な有機EL表示パネ
ルに関する。
【0002】
【従来の技術】EL素子は自己発光素子であることから
液晶表示素子に比べて視認性が高い。このため、現在ま
でに、発光材料として無機化合物を用いた種々の無機E
L素子や、発光材料として有機化合物(以下、この化合
物を有機発光材料という)を用いた種々の有機EL素子
が提案されており、かつ、当該EL素子を画素とする表
示装置の実用化が進められている。
【0003】EL素子を画素とする表示装置を作製する
ためには、画素となる所望数のEL素子を所定の配列パ
ターンで基板上に形成するとともに、これらのEL素子
の各々を駆動させるための電気信号を当該EL素子に伝
播させるための複数の配線を前記の基板上に形成し、更
に、前記複数の配線と所定の駆動回路とを電気的に接続
するための複数の取出し電極を設けて表示パネルを得る
必要がある。
【0004】ここで、本明細書でいう前記の配線とは、
EL素子が単純マトリックス駆動タイプのものである場
合には、所定本数の走査電極および所定本数の信号電極
を意味する。また、EL素子がアクティブマトリックス
駆動タイプのものである場合には、画素電極(薄膜トラ
ンジスタ,ダイオード等のアクティブ素子を含める)に
前記の電気信号を伝播させるための所定本数の走査線お
よび所定本数の信号線並びに対向電極に前記の電気信号
を伝播させるための所定本数の配線(取出し電極と対向
電極とが無線結合の場合を含み、この場合には前記の対
向電極が当該配線を兼ねる)を意味する。
【0005】上記のEL表示パネルの例としては、例え
ば実公平2−20797号公報に開示されているものが
知られている。図10に示すように、当該公報に開示さ
れているEL表示パネル50では、所定本数の透明下部
電極51上に発光層52を介して前記の透明下部電極5
1と直交する所定本数の上部電極53を形成することに
より、単純マトリックス駆動タイプのEL素子が所定の
配列パターンで基板54上に形成されている。そして、
このEL表示パネル50では、EL素子が形成されてい
る領域の水平方向の外側に延びるようにして、各透明下
部電極51の端部上および各上部電極53の端部上に外
部接続用電極(取出し電極)55が設けられている。な
お、同公報には記載されていないが、前記の透明下部電
極51および上部電極53のいずれか一方(通常は透明
下部電極51)が信号電極として使用され、他方が走査
電極として使用される。また、図10において符号56
は封止板を示し、符号57は封止板56を基板54上に
載置するための接着剤層を示す。
【0006】ところで、近年、表示装置の画面は大型化
する傾向にあり、これに伴いEL表示パネルについても
その大型化が進められている。大型のEL表示パネルの
作製方法は2つに大別することができる。1つは、1枚
の大型基板上に所望数のEL素子およびこれらのEL素
子を駆動させるための電気信号を当該EL素子に伝播さ
せるための複数の配線並びに複数の取出し電極を形成す
ることにより、大型のEL表示パネルを作製する方法で
ある。この方法では、多数のEL素子を大面積に亘って
均一に形成することが困難であることや、単純マトリッ
クス駆動タイプのEL素子では走査電極および信号電極
の電気抵抗が非常に大きくなって各素子における印加電
圧に大小の差が生じ易いこと等から、最終的に得られる
EL表示パネルに輝度ムラが生じ易い。
【0007】もう1つの方法は、形所定数のEL素子を
形成した小型のEL表示パネルを複数枚並列に配置して
大型のEL表示パネルを得る方法である。この方法で
は、小型のEL表示パネルの各々についてEL素子を均
一に形成することが容易であり、かつ、EL素子間で印
加電圧に大小の差が生じるのを抑止し易いこと等から、
最終的に得られるEL表示パネルに輝度ムラが生じるこ
とを防止し易い。しかしながら、当該方法には次のよう
な難点がある。すなわち、各小型EL表示パネルを作製
する際に、取出し電極の形成を図10に示したようにE
L素子が形成されている領域の水平方向の外側に延びる
ようにして行うと、小型EL表示パネル同士の継ぎ目お
よびその近傍においてEL素子が形成されない領域が広
くなるので、当該継ぎ目部分が無表示部として視認され
易くなる。
【0008】上記の難点を解決し得る有機EL表示パネ
ルとして、特開平5−205876号公報に開示されて
いるものが知られている。図11に示すように、当該公
報に開示されている有機EL表示パネル60では、所定
本数の透明電極61上に有機EL層62を介して前記の
透明電極61と直交する所定本数の金属電極63を形成
することにより、単純マトリックス駆動タイプの有機E
L素子が所定の配列パターンで基板64上に形成されて
いる。基板64の側面には透明電極61の延長部61a
が形成されており、金属電極63上には電気絶縁層65
を介して配線部(取出し電極)66が形成されている。
そして、配線部66の一端(接続部66a)は電気絶縁
層65の側面を経て基板64の側方に達しており、ここ
で前記の延長部61aと接着されている。また、接続部
66a上には電気絶縁層67が設けられている。
【0009】この有機EL表示パネル60では、基板6
4の側面からパネルの背面にかけて取出し電極(配線部
66)が形成されているので、基板の端縁部まで有機E
L素子を形成することができる。その結果として、有機
EL表示パネルの端縁部において有機EL素子が形成さ
れない領域を狭くすることができる。このため、上記の
有機EL表示パネル60を複数枚並列に配置して大型の
表示パネルを得た場合でも、各有機EL表示パネル同士
の継ぎ目部分が無表示部として視認されるのを防止する
ことができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】特開平5−20587
6号公報に開示されている有機EL表示パネルでは、有
機EL素子上に一旦電気絶縁層を形成し、この後に、前
記の電気絶縁層上から基板側面に達する取出し電極(配
線部)を形成する必要がある。しかしながら、有機EL
素子は薄膜であることから、上面からの衝撃に対する機
械的強度は強くはない。したがって、取出し電極(配線
部)の形成過程で有機EL素子が破壊されないように細
心の注意をはらう必要がある。
【0011】本発明の目的は、パネルの側面から背面に
かけて形成された取出し電極を有し、かつ、有機EL素
子を破壊することなく作製することが容易な有機EL表
示パネルを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の有機EL表示パネルは、透明基板と、この透明基
板上に形成された複数の有機EL素子と、これらの有機
EL素子の各々を駆動させるための電気信号を当該有機
EL素子に伝播させるために前記の透明基板上に形成さ
れた複数本の配線と、前記複数の有機EL素子の各々を
覆う封止層と、この封止層上に設けられた電気絶縁性の
封止板と、この封止板の側面に形成された複数の取出し
電極と、これらの取出し電極の各々を前記複数本の配線
のいずれかと電気的に接続するために前記の透明基板の
縁部上に配置された1個または複数個の接続スペーサー
とを備えていることを特徴とするものである。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
有機EL表示パネルの最大の特徴は、有機EL素子を覆
う封止層上に側面に複数の取出し電極が形成された封止
板を設け、有機EL素子を駆動させるための電気信号を
当該有機EL素子に伝播させるための複数本の配線と前
記複数の取出し電極との電気的な接続を、有機EL素子
が形成されている透明基板の縁部上に1個または複数個
の接続スペーサーを配置することにより行っている点に
あるので、まず、前記の封止板および接続スペーサーに
ついて説明する。
【0014】本発明の有機EL表示パネルを構成する上
記の封止板は、電気絶縁性を有し、かつ、水分や酸素の
透過性が低いものであればよい。当該封止板の具体例と
しては、アルミナ,窒化ケイ素,窒化ホウ素等のセラミ
ックス、無アルカリガラス,アルカリガラス等のガラ
ス、または石英等からなる厚さ100μm〜3mmの平
板もしくは後述する肉厚100μm〜3mmの座グリ基
板が挙げられる。封止板が平板からなる場合、その厚さ
があまりに薄いと撓み等により当該封止板が有機EL素
子に接触し、素子破壊を生じる可能性がある。一方、そ
の厚さがあまりに厚いと表示パネル自体が重くなり、平
面素子である有機EL素子を利用した表示パネルの有利
性を失う。封止板が平板からなる場合の当該封止板の厚
さは200μm〜1.5mmであることがより好まし
く、300μm〜1.1mmであることが特に好まし
い。また、封止板が平板からなる場合および座グリ基板
からなる場合のいずれにおいても、その平面視上の形状
は、後述する透明基板(有機EL素子が形成されるも
の)の平面視上の形状と同形もしくは若干小さい相似形
であることが好ましい。
【0015】上記の封止板の側面には、前述のように複
数の取出し電極が形成される。当該取出し電極は、導電
性金属もしくは導電性合金または導電性ペーストからな
ることが好ましい。耐食性の点から、前記の導電性金属
としてはCr,Ni,AlまたはAuが好ましく、前記
の導電性合金としてはCr,NiおよびAlからなる群
より選択された2種または3種からなるものが好まし
く、前記の導電性ペーストとしてはAu粒子またはAg
粒子を樹脂に混合してなる導電性ペーストが好ましい。
【0016】取出し電極は、封止板の厚さ方向の上端か
ら下端に達するようにして当該封止板の側面に設けられ
ていてもよいし、封止板の側面からその一端または両端
を封止板の主表面まで所望長だけ延長させて設けられて
いてもよい。ここで、封止板の主表面とは封止板の表て
面(有機EL素子が設けられている透明基板の側を表示
パネルにおける正面としたときの当該表示パネルの背面
に相当する面)および封止板の裏面(有機EL素子を覆
っている封止層側の面)を意味する。
【0017】取出し電極の一端を封止板の裏面まで延長
して当該取出し電極を形成した場合には、裏面に達して
いる部分の厚さを所定の厚さ、すなわち、後述する接続
スペーサーに要求される高さとすることにより、当該取
出し電極に接続スペーサーを兼ねさせることができる。
また、封止板として後述する座グリ基板を用いた場合に
は、この座グリ基板の側面に形成された取出し電極およ
び当該取出し電極が形成されている座グリ基板側壁に接
続スペーサーを兼ねさせることができる。
【0018】取出し電極の形成は、当該取出し電極を導
電性金属もしくは導電性合金によって形成する場合に
は、例えば、メッキ法、真空蒸着法、スパッタリング法
等によって所定箇所に導電性金属膜もしくは導電性合金
膜を形成した後、当該導電性金属膜もしくは導電性合金
膜を湿式エッチング法、乾式エッチング法等によって所
望形状にパターニングすることにより行うことができ
る。あるいは、所定のマスクを用いたメッキ法、真空蒸
着法、スパッタリング法等によって、所定箇所に直接形
成することもできる。また、導電性ペーストによって形
成する場合には、例えば、スクリーン印刷法等によって
所定箇所に所望形状の導電性ペースト膜を設けることに
より行うことができる。
【0019】上述した取出し電極の外側面上には、必要
に応じて、破壊電圧が50V程度の電気絶縁膜を設けて
もよい。ここで、取出し電極の外側面とは、有機EL表
示パネルとしての側面に位置する面、すなわち、側面に
取出し電極を形成した後の封止板について当該封止板を
前記の側面の側から見たときに見える取出し電極表面を
意味する。
【0020】有機EL表示パネルを複数枚並列に配置し
て大型の表示パネルを得る場合、後述するように、取出
し電極の外側面上に電気絶縁膜を設けなくても、隣接す
る有機ELパネル間で無用の導通が生じるのを防止する
ことが可能である。しかしながら、隣接する有機ELパ
ネル間で無用の導通が生じるのをより確実に防止するう
えからは、取出し電極の外側面上に上述の電気絶縁膜を
設けることが好ましい。このような電気絶縁膜として
は、例えば、ポリイミド,ポリアミド,ポリエチレンテ
レフタレート,ポリエーテルスルホン等からなる厚さ1
00〜200μmのフィルムや、UV(紫外線)硬化性
樹脂,絶縁ワニス等からなる厚さ100〜200μmの
塗膜が挙げられる。
【0021】封止板に形成された上記の取出し電極と後
述する配線とを電気的に接続する接続スペーサーは、取
出し電極の各々をそれぞれ所定の配線に電気的に接続す
ることができ、かつ、所定の高さを有するものであれば
よい。1つの接続スペーサーは、1組の電気的接続、す
なわち、1つの取出し電極とこれに電気的に接続される
べき1つの配線との電気的接続のみを行うためのもので
あってもよく、この場合には取出し電極の数および配線
の数に応じて必要個の接続スペーサーを配置する。ま
た、1つの接続スペーサーは、複数組の電気的接続、す
なわち、1つの取出し電極とこれに電気的に接続される
べき1つの配線との電気的接続を複数組行うためのもの
であってもよく、この場合には取出し電極の数および配
線の数並びに1つの接続スペーサーで行うことができる
電気的接続の組数に応じて必要個の接続スペーサーを配
置する。
【0022】接続スペーサーの高さ、すなわち、使用時
における透明基板(有機EL素子が設けられているも
の)から封止板に向かう方向の肉厚は、封止板を封止層
の直上もしくは封止層よりやや高い位置に支持すること
ができる高さとすることが好ましい。接続スペーサーの
高さを前記のようにすることにより、封止板側からの衝
撃に対する有機EL表示パネルの機械的強度を向上させ
ることができる。取出し電極の一端を封止板の裏面まで
延長して形成することにより当該取出し電極に接続スペ
ーサーを兼ねさせる場合には、封止板の裏面に達してい
る部分の厚さを、前記封止板を封止層の直上もしくは封
止層よりやや高い位置に支持することができる厚さとす
ることが好ましい。また、後述する座グリ基板からなる
封止板の側面に形成された取出し電極および当該取出し
電極が形成されている座グリ基板側壁に接続スペーサー
を兼ねさせる場合には、座グリ基板自体がそもそも封止
層の直上に設けられていることから、当該接続スペーサ
の高さは必然的に封止板(座グリ基板)を封止層の直上
に支持することができる高さとなる。
【0023】一方、接続スペーサーの使用時における有
機EL表示パネルの内側からその外側に向かう方向の肉
厚(以下、接続スペーサーの厚さという)については、
当該有機EL表示パネルを複数枚並列に配置して大型の
表示パネルを作製したときに有機EL表示パネル同士の
継ぎ目部分が無表示部として視認されるのを防止するう
えから、できるだけ薄くすることが好ましい。当該接続
スペーサーの厚さは、個々の有機EL表示パネルにおけ
る有機EL素子の形成仕様にもよるが、有機EL表示パ
ネルにおける有機EL素子の配列ピッチ以下とすること
が好ましい。
【0024】接続スペーサーの構造の具体例としては、
例えば図2〜図9に示すものが挙げられる。図2(a)
は封止板の側面に形成した取出し電極に接続スペーサー
を兼ねさせた例を示す断面図であり、図2(b)は図2
(a)に示した封止板をその裏面からみた平面図であ
る。図2(a)および図2(b)に示した接続スペーサ
ー10は、一端11aを封止板12の裏面まで延長させ
て形成した取出し電極11からなり、取出し電極11に
おいて封止板12の裏面に達している端部11aの厚さ
が、後述する配線の表面から封止層の表面までの高さの
値と同じか若干厚めとなっている。なお、取出し電極1
1の他端は、封止板12の表て面まで延長させて形成さ
れている。
【0025】図3(a)は、座グリ基板からなる封止板
の側面に形成された取出し電極および当該取出し電極が
形成されている座グリ基板側壁に接続スペーサーを兼ね
させた一例を示す断面図であり、図3(b)は図3
(a)に示した封止板をその裏面からみた平面図であ
る。図3(a)および図3(b)に示した接続スペーサ
ー15は、座グリ基板からなる封止板16の側面に形成
された取出し電極17と当該取出し電極17が形成され
ている座グリ基板側壁16aとからなる。取出し電極1
7は、座グリ基板からなる封止板16に予め設けられた
取出し電極形成用の凹部中に形成されており、当該取出
し電極17における封止板16裏面側の一端は、封止板
16の裏面(この場合、側壁16aの下面)まで延長さ
れている。なお、取出し電極17の形成は、座グリ基板
からなる封止板16に前記の凹部を設けることなく行っ
てもよい。
【0026】図4(a)は、所定間隔で配置された複数
個の導電性微小球20と、使用時における前記導電性微
小球20の封止板21側および透明基板(図示せず)側
の各端部が露出するようにして当該導電性微小球20を
被覆する電気絶縁性樹脂22とからなる接続スペーサー
23の例を示す側面図であり、図4(b)は図4(a)
に示したA−A線断面図である。図4(a)および図4
(b)に示した接続スペーサー23は、導電性微小球2
0の露出した一方の端部を取出し電極24と電気的に接
続し、露出した他方の端部を配線(図示せず)と電気的
に接続することによって取出し電極24と配線とを電気
的に接続する。
【0027】なお、導電性微小球20の使用時における
外側面(有機EL表示パネルとしての側面に位置する
面)は、必ずしも電気絶縁性樹脂22によって覆われて
いなくてもよい。導電性微小球20の使用時における前
記の外側面を電気絶縁性樹脂22によって覆わない場合
には、必要に応じて、当該外側面上に電気絶縁膜を設け
てもよい。
【0028】図5(a)は、所定間隔で立設された複数
個の導電性柱状体25と、使用時における前記導電性柱
状体25の封止板26側および透明基板(図示せず)側
の各端部が露出するようにして当該導電性柱状体25を
被覆する電気絶縁性樹脂27とからなる接続スペーサー
28の例を示す側面図であり、図5(b)は図5(a)
に示したB−B線断面図である。図5(a)および図5
(b)に示した接続スペーサー28は、導電性柱状体2
5の露出した一方の端部を取出し電極29と電気的に接
続し、露出した他方の端部を配線(図示せず)と電気的
に接続することによって取出し電極29と配線とを電気
的に接続する。
【0029】なお、導電性柱状体25の使用時における
外側面(有機EL表示パネルとしての側面に位置する
面)は、必ずしも電気絶縁性樹脂27によって覆われて
いなくてもよい。導電性柱状体25の使用時における前
記の外側面を電気絶縁性樹脂27によって覆わない場合
には、必要に応じて、当該外側面上に電気絶縁膜を設け
てもよい。
【0030】図6(a)は、所定間隔で臥設された複数
個の導電性柱状体30と、使用時における前記導電性柱
状体30の封止板31側および透明基板(図示せず)側
の各端部が露出するようにして当該導電性柱状体30を
被覆する電気絶縁性樹脂32とからなる接続スペーサー
33の例を示す側面図であり、図6(b)は図6(a)
に示したC−C線断面図である。図6(a)および図6
(b)に示した接続スペーサー33は、導電性柱状体3
0の露出した一方の端部を取出し電極34と電気的に接
続し、露出した他方の端部を配線(図示せず)と電気的
に接続することによって取出し電極34と配線とを電気
的に接続する。なお、導電性柱状体30の使用時におけ
る外側面(有機EL表示パネルとしての側面に位置する
面)上には、必要に応じて電気絶縁膜を設けてもよい。
【0031】図7(a)は、封止板35の所定面上に形
成された電気絶縁性の基体36と、この基体36の外側
面(使用時において有機EL表示パネルとしての側面に
位置する面)に形成された1つの導電膜37とからなる
接続スペーサー38の例を示す側面図であり、図7
(b)は図7(a)に示したD−D線断面図である。図
7(a)には複数の接続スペーサー38が示されてお
り、これらの接続スペーサー38の各々における導電膜
37は、封止板35の側面に形成された取出し電極39
との一体成形物である。これらの接続スペーサー38
は、導電膜37(取出し電極39)における透明基板
(図示せず)側の一端37aを配線(図示せず)と電気
的に接続することによって取出し電極39と配線とを電
気的に接続する。
【0032】なお、導電膜37(取出し電極39)の使
用時における外側面(有機EL表示パネルとしての側面
に位置する面)上には、必要に応じて電気絶縁膜を設け
てもよい。また、導電膜37(取出し電極39)の使用
時における透明基板側の端部37aは、基体36の側面
からに透明基板側の面(下面)まで延長されて形成され
ていてもよい。さらに、基体36は封止板35の所定面
上に形成されたものでなくて、それぞれが独立して形成
されたものであってもよい。基体36を封止板35の所
定面上に形成することなく、それぞれを独立に形成する
場合、導電膜37と取出し電極39とは一体成形物とし
て形成してもよいし、別部材として形成してもよい。
【0033】図8(a)は、封止板40の所定面上に形
成された電気絶縁性の基体41と、この基体41の外側
面(使用時において有機EL表示パネルとしての側面に
位置する面)に所定間隔で形成された複数の導電膜42
とからなる接続スペーサー43の例を示す側面図であ
り、図8(b)は図8(a)に示したE−E線断面図で
ある。図8(a)および図8(b)に示した接続スペー
サー43における導電膜42は、封止板40の側面に形
成された取出し電極44との一体成形物であり、当該導
電膜42(取出し電極44)における透明基板(図示せ
ず)側の一端42aを配線(図示せず)と電気的に接続
することによって取出し電極44と配線とを電気的に接
続する。
【0034】なお、導電膜42(取出し電極44)の使
用時における外側面(有機EL表示パネルとしての側面
に位置する面)上には、必要に応じて電気絶縁膜を設け
てもよい。また、導電膜42(取出し電極44)の使用
時における透明基板側の端部42aは、基体41の側面
からに透明基板側の面(下面)まで延長されて形成され
ていてもよい。さらに、基体41は封止板35の所定面
上に形成されたものでなくて、独立して形成されたもの
であってもよい。基体41を封止板40の所定面上に形
成することなく独立に形成する場合、導電膜42と取出
し電極44とは一体成形物として形成してもよいし、別
部材として形成してもよい。
【0035】図9(a)は、電気絶縁性の基体45と、
この基体45の内側面(使用時において有機EL表示パ
ネルとしての側面に位置する面の反対側の面)から上面
(使用時において封止板側に位置する面)にかけて所定
間隔で形成された複数の導電膜46とからなる接続スペ
ーサー47の例を示す側面図であり、図9(b)は図9
(a)に示したF−F線断面図である。図9(a)およ
び図9(b)に示した接続スペーサー47は、導電膜4
6における前記の上面上の一端46aを封止板48の側
面に形成された取出し電極49と電気的に接続し、透明
基板(図示せず)側の一端46bを配線(図示せず)と
電気的に接続することによって取出し電極49と配線と
を電気的に接続する。
【0036】なお、導電膜46の使用時における外側面
(有機EL表示パネルとしての側面に位置する面)上に
は、必要に応じて電気絶縁膜を設けてもよい。また、導
電膜46の使用時における透明基板側の端部46bは、
基体45の側面からに透明基板側の面(下面)まで延長
されて形成されていてもよい。さらに、基体45の上面
(封止板48側の面)に導電膜46形成用の開口部を設
けた状態で当該基体45を封止板35の所定面上に形成
してもよく、この場合には導電膜46と取出し電極48
とを一体成形物とすることが可能である。
【0037】本発明の有機EL表示パネルを構成する接
続スペーサーの製造方法は特に限定されるものではな
く、その構造に応じて適宜選択される。例えば、図2お
よび図3に示した接続スペーサーは取出し電極を兼ねた
ものであるので、当該接続スペーサーは前述した取出し
電極の形成方法に従って製造することができる。
【0038】また、図4に示した接続スペーサーは、例
えば、所望数の導電性微小球を所定の成形型内、すなわ
ち、導電性微小球の垂直上方および垂直下方については
所定の空間を形成し、当該微小球の水平方向については
その両端を支持する成形型内に配置した後、当該成形型
に熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂等の電気絶縁性樹脂のプ
レポリマーを注入し、当該プレポリマーを前記の成形型
内で硬化させることにより製造することができる。この
とき使用する導電性微小球の具体例としては、Ag,A
u,Cu,Al,Cr等の導電性金属からなる直径1μ
m〜500μmの微小球や、ポリスチレン,ポリメタク
リレート,ポリカーボネート,ABS樹脂,ポリイミ
ド,ポリアミド,ポリアセタール等からなる樹脂製微小
球の表面に前記の導電性金属からなるメッキ膜を形成し
てなる直径1μm〜500μmの微小球が挙げられる。
【0039】図5に示した接続スペーサーは、例えば、
容器底面から所定の距離だけ離して必要本数の導線を所
定の間隔で水平に張設し、この容器に熱硬化性樹脂や光
硬化性樹脂等の電気絶縁性樹脂のプレポリマーを所定量
注入して硬化させた後、前記の導線および電気絶縁性樹
脂をレーザー光等によって所定の長さに切断することに
より製造することができる。このとき使用する導線の具
体例としては、Ag,Au,Cu,Al,Cr等の導電
性金属からなる直径2μm〜500μmの導線や、ポリ
スチレン,ポリメタクリレート,ポリカーボネート,A
BS樹脂,ポリイミド,ポリアミド,ポリアセタール等
からなる樹脂製線材の表面に前記の導電性金属からなる
メッキ膜を形成してなる直径2μm〜500μmの導線
が挙げられる。導電の断面形状は円形に限定されるもの
ではなく、矩形等の多角形であってもよい。
【0040】図6に示した接続スペーサーは、例えば、
導線をその長手方向に亘って支持するための溝を所定本
有し、かつ、互いに隣接する導線間に所定の空間を形成
しつつ当該導線を支持する所定の成形型の中に所望本数
の導線を配置した後、当該成形型に熱硬化性樹脂や光硬
化性樹脂等の電気絶縁性樹脂のプレポリマーを注入して
硬化させ、この後、前記の導線および電気絶縁性樹脂を
レーザー光等によって所定の長さに切断することにより
製造することができる。このとき使用する導線の具体例
としては、図5に示した接続スペーサーを製造する際に
使用する導線として例示したものと同じものが挙げられ
る。
【0041】図7に示した接続スペーサーは、例えば、
封止板の所定の縁部にフォトレジスト等によって断面が
所定の矩形を呈する電気絶縁層を形成し、この電気絶縁
層をフォトリソグラフィー法等によって所定のパターン
に成形して複数の基体を得た後、これらの基体の外側面
に前述した取出し電極の形成方法に従って導電膜を形成
するとともに、当該導電膜との一体成形によって封止板
の側面に取出し電極を形成することにより製造すること
ができる。
【0042】図8に示した接続スペーサーは、例えば、
封止板の所定の縁部にフォトレジスト等によって断面が
所定の矩形を呈する電気絶縁層を形成した後、当該電気
絶縁層を形成した封止板に取出し電極と接続スペーサー
用の導電膜とを前述した取出し電極の形成方法に従って
一体成形することにより製造することができる。
【0043】そして、図9に示した接続スペーサーは、
例えば、熱硬化性樹脂,熱可塑性樹脂,光硬化性樹脂等
によって断面が所定の矩形を呈する長尺の電気絶縁物を
形成した後、当該電気絶縁物の所定面上に前述した取出
し電極の形成方法に従って所定パターンの導電膜を形成
することにより製造することができる。
【0044】なお、接続スペーサーを構成する導電性微
小球、導電性柱状体または導電膜(取出し電極を含む)
の使用時における外側面(有機EL表示パネルとしての
側面に位置する面)が露出している場合には、前述のよ
うに、当該外側面に電気絶縁膜を設けてもよい。この場
合の電気絶縁膜としては、取出し電極の外側面上に設け
る電気絶縁膜として例示したものと同じものが挙げら
れ、当該電気絶縁膜は取出し電極の外側面上に設けられ
た電気絶縁膜との一体成形物であってもよい。
【0045】本発明の有機EL表示パネルを構成する上
述の接続スペーサーは、前述のように、封止層上に設け
られた封止板の側面に形成されている取出し電極と、透
明基板上に形成された複数の有機EL素子の各々を駆動
させるための電気信号を当該有機EL素子に伝播させる
ために前記の透明基板上に形成されている複数本の配線
とを電気的に接続するために、前記の透明基板の縁部上
に配置される。
【0046】ここで、本発明の有機EL表示パネルを構
成する透明基板、有機EL素子、配線および封止層につ
いては特に限定されるものではない。例えば、有機EL
素子が形成される透明基板は、少なくとも有機EL素子
からの発光(EL光)に対して高い透過性(概ね80%
以上)を与える電気絶縁性物質からなっていればよく、
その具体例としてはアルカリガラス,無アルカリガラス
等の透明ガラス、ポリエチレンテレフタレート,ポリカ
ーボネート,ポリエーテルスルホン,ポリエーテルエー
テルケトン,ポリフッ化ビニル,ポリアクリレート,ポ
リプロピレン,ポリエチレン,非晶質ポリオレフィン,
フッ素系樹脂等の透明樹脂または石英等からなる板状物
やシート状物、あるいはフィルム状物が挙げられる。ど
のような透明基板を用いるかは、目的とする有機EL表
示パネルの用途等に応じて適宜選択可能である。
【0047】また、透明基板上に形成される有機EL素
子の層構成は、透明基板側を光の取出し面とするタイプ
の有機EL素子として機能するものであれば特に限定さ
れるものではない。当該層構成の具体例としては、透明
基板上の積層順が下記(1)〜(4)のものが挙げられ
る。 (1)陽極(透明電極)/発光層/陰極(対向電極) (2)陽極(透明電極)/発光層/電子注入層/陰極
(対向電極) (3)陽極(透明電極)/正孔注入層/発光層/陰極
(対向電極) (4)陽極(透明電極)/正孔注入層/発光層/電子注
入層/陰極(対向電極) ここで、発光層は通常1種または複数種の有機発光材料
により形成されるが、有機発光材料と正孔注入材料およ
び/または電子注入材料との混合物等により形成される
場合もある。
【0048】陽極(透明電極)、陰極(対向電極)、発
光層、正孔注入層、電子注入層、保護層の材料として
は、それぞれ種々の材料を用いることができる。例え
ば、陽極材料としては仕事関数が大きい(例えば4eV
以上)金属、合金、電気伝導性化合物、またはこれらの
混合物が好ましく用いられる。具体例としては金,ニッ
ケル等の金属や、CuI,ITO,SnO2 ,ZnO等
の誘電性透明材料等が挙げられる。陽極の膜厚は材料に
もよるが、通常10nm〜1μmの範囲内で適宜選択可
能である。
【0049】また、陰極材料としては仕事関数の小さい
(例えば4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、
またはこれらの混合物等が好ましく用いられる。具体例
としてはナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグ
ネシウム、リチウム、マグネシウムと銀との合金または
混合金属、アルミニウム、Al/AlO2 、インジウ
ム、イッテルビウム等の希土類金属等が挙げられる。陽
極の膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1μmの範
囲内で適宜選択可能である。陽極および陰極のいずれに
おいても、そのシート抵抗は数百Ω/□以下が好まし
い。なお、陽極材料および陰極材料を選択する際に基準
とする仕事関数の大きさは4eVに限定されるものでは
ない。
【0050】発光層の材料(有機発光材料)は、有機E
L素子用の発光層、すなわち電界印加時に陽極または正
孔注入層から正孔を注入することができると共に陰極ま
たは電子注入層から電子を注入することができる注入機
能や、注入された電荷(電子と正孔の少なくとも一方)
を電界の力で移動させる輸送機能、電子と正孔の再結合
の場を提供してこれを発光につなげる発光機能等を有す
る層を形成することができるものであればよい。その具
体例としては、ベンゾチアゾール系,ベンゾイミダゾー
ル系,ベンゾオキサゾール系等の系の蛍光増白剤や、金
属キレート化オキシノイド化合物、スチリルベンゼン系
化合物、ジスチリルピラジン誘導体、ポリフェニル系化
合物、12−フタロペリノン、1,4−ジフェニル−
1,3−ブタジエン、1,1,4,4−テトラフェニル
−1,3−ブタジエン、ナフタルイミド誘導体、ペリレ
ン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アルダジン誘導
体、ピラジリン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ピ
ロロピロール誘導体、スチリルアミン誘導体、クマリン
系化合物、芳香族ジメチリディン化合物、8−キノリノ
ール誘導体の金属錯体等が挙げられる。発光層の厚さは
特に限定されるものではないが、通常は5nm〜5μm
の範囲内で適宜選択される。
【0051】正孔注入層の材料(正孔注入材料)は正孔
の注入性と電子の障壁性のいづれかを有しているもので
あればよい。その具体例としては、トリアゾール誘導
体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポ
リアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾ
ロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミ
ン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘
導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導
体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘
導体、ポリシラン系化合物、アニリン系共重合体、チオ
フェンオリゴマー等の導電性高分子オリゴマー、ポルフ
ィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、スチリルア
ミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物等が挙げら
れる。正孔注入層の厚さも特に限定されるものではない
が、通常は5nm〜5μmの範囲内で適宜選択される。
正孔注入層は上述した材料の1種または2種以上からな
る一層構造であってもよいし、同一組成または異種組成
の複数層からなる複数層構造であってもよい。
【0052】電子注入層は陰極から注入された電子を発
光層に伝達する機能を有していればよく、その材料(電
子注入材料)の具体例としては、ニトロ置換フルオレノ
ン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキ
ノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレン
ペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジ
イミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノ
ジメタン誘導体、アントロン誘導体、オキサジアゾール
誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体、メタルフ
リーフタロシアニンやメタルフタロシアニンあるいはこ
れらの末端がアルキル基やスルホン基等で置換されてい
るもの、ジスチリルピラジン誘導体等が挙げられる。電
子注入層の厚さも特に限定されるものではないが、通常
は5nm〜5μmの範囲内で適宜選択される。電子注入
層は上述した材料の1種または2種以上からなる一層構
造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層
からなる複数層構造であってもよい。
【0053】また、有機EL素子を構成する各層(陽極
および陰極を含む)の形成方法についても特に限定され
るものではない。陽極、陰極、発光層、正孔注入層、電
子注入層の形成方法としては、例えば真空蒸着法、スピ
ンコート法、キャスト法、スパッタリング法、LB法等
を適用することができるが、発光層についてはスパッタ
リング法以外の方法(真空蒸着法、スピンコート法、キ
ャスト法、LB法等)を適用することが好ましい。発光
層は、特に分子堆積膜であることが好ましい。ここで分
子堆積膜とは、気相状態の材料化合物から沈着され形成
された薄膜や、溶液状態または液相状態の材料化合物か
ら固化され形成された膜のことであり、通常この分子堆
積膜は、LB法により形成された薄膜(分子累積膜)と
は凝集構造、高次構造の相違や、それに起因する機能的
な相違により区分することができる。スピンコート法等
により発光層を形成する場合には、樹脂等の結着剤と材
料化合物とを溶剤に溶かすことによりコーティング溶液
を調製する。
【0054】本発明の有機EL表示パネルでは、前述し
た透明基板上に上述した有機EL素子が複数個形成され
ているわけであるが、各有機EL素子の発光色は同一で
あってもよいし異なっていてもよい。どのような発光色
の有機EL素子を形成するかは、目的とする有機EL表
示パネルの用途等に応じて適宜選択可能である。また、
上述した有機EL素子は単純マトリックス駆動タイプの
ものであってもよいし、アクティブマトリックス駆動タ
イプのものであってもよい。どのようなタイプの有機E
L素子を形成するかは、目的とする有機EL表示パネル
の用途等に応じて適宜可能である。
【0055】透明基板上に単純マトリックス駆動タイプ
の有機EL素子を所望個形成した場合、本明細書でいう
「透明基板上に形成された複数の有機EL素子の各々を
駆動させるための電気信号を当該有機EL素子に伝播さ
せるために前記の透明基板上に形成された複数本の配
線」とは、所定本数の走査電極および所定本数の信号電
極を意味する。また、透明基板上にアクティブマトリッ
クス駆動タイプの有機EL素子を所望個形成した場合、
本明細書でいう前記の配線とは、画素電極(薄膜トラン
ジスタ,ダイオード等のアクティブ素子を含める)に前
記の電気信号を伝播させるための所定本数の走査線およ
び所定本数の信号線並びに対向電極に前記の電気信号を
伝播させるための所定本数の配線(取出し電極と対向電
極とが無線結合の場合を含み、この場合には前記の対向
電極が当該配線を兼ねる)を意味する。
【0056】本発明の有機EL表示パネルでは、上述し
た有機EL素子は封止層によって覆われている。この封
止層は有機EL素子への水分や酸素などの侵入を防止す
るためのものであり、その厚さは封止材料に応じて適宜
選択される。当該封止層の材料の具体例としては、下記
(1)〜(5)のものが挙げられる。
【0057】(1)液状フッ素化炭素(パーフルオロア
ルカン,パーフルオロアミン,パーフルオロポリエーテ
ル等)等の不活性液体からなる層で、溶存酸素濃度が1
ppm以下である層。または、前記のフッ活性液体から
なり、溶存酸素濃度が1ppm以下、水分量が10pp
m以下である層。
【0058】(2)テトラフルオロエチレンと少なくと
も1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合さ
せて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する
含フッ素共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリユリア、ポ
リテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエ
チレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリ
フルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共
重合体、エポキシ樹脂、光硬化性樹脂等の有機高分子か
らなる単層構造または複数層構造の層。
【0059】(3)上記(2)の有機高分子からなる1
層または複数層と、MgO,SiO,SiO2 ,Al2
3 ,GeO,NiO,CaO,BaO,Fe23
2 3,TiO2 等の金属酸化物の層とからなる複数
層構造のもの。このときの積層順は問わない。
【0060】(4)有機EL素子の陰極(対向電極)上
に形成された活性金属層と、当該活性金属層上に形成さ
れた上記(2)の有機高分子からなる1層または複数層
とからなるもの。ここで、前記の活性金属の具体例とし
てはBa,Ca,K,Na,Mg,Al,Li等が挙げ
られる。
【0061】(5)有機EL素子の陰極(対向電極)上
に形成された有機物−金属混合層と、当該有機物−金属
混合層層上に形成された上記(2)の有機高分子からな
る1層または複数層とからなるもの。ここで、前記の有
機物の具体例としてはポリクロロトリフルオロエチレ
ン,ポリジクロロジフルオロエチレン等のフッ素系樹脂
が挙げられる。また、前記の金属の具体例としてはB
a,Ca,K,Na,Mg,Al,Li等が挙げられ
る。そして、前記の有機物−金属混合層の具体例として
は、前記の有機物中に前記の金属を10〜80wt%分
散させたものが挙げられる。
【0062】封止層の形成方法は、封止層の材料に応じ
て適宜選択可能である。例えば上記(1)の不活性液体
からなる封止層は、透明基板上に形成されている有機E
L素子の外側に、当該有機EL素子との間に空隙を形成
しつつ前記の透明基板と共同して有機EL素子を覆うハ
ウジング材を設け、前記の透明基板と前記のハウジング
材とによって形成された空間内に不活性液体を充填する
ことにより形成することができる。不活性液体の充填
は、ハウジング材または透明基板に予め設けられた注入
口から前記の空間内に不活性液体を注入することにより
行うことができ、前記の注入口は不活性液体の注入後に
封止する。
【0063】前記のハウジング材は封止しようとする有
機EL素子の外寸よりも大きい内寸の凹部を有するキャ
ップ状物、板状物(例えば座グリ基板)、シート状物あ
るいはフィルム状物であり、当該ハウジング材は前記の
透明基板と共同して実質的な密閉空間を形成するように
して透明基板上に固着される。このとき、封止対象の有
機EL素子は前記の凹部内に収納された状態となる。そ
して、ハウジング材として前記の座グリ基板等の板状物
や前記のキャップ状物を用いた場合には、当該ハウジン
グ材を封止板として兼用することができる。ハウジング
材を封止板として兼用する場合には、封止に先立って当
該ハウジング材の所定箇所に取出し電極を形成しておく
ことが好ましい。
【0064】本発明の有機EL表示パネルでは、透明基
板上に複数個の有機EL素子が形成されているわけであ
るが、前記のハウジング材は有機EL素子毎に設けても
よいし、全ての有機EL素子に共通するものを1枚のみ
設けてもよいし、全ての有機EL素子のうちの複数個に
共通するものを複数枚設けてもよい。同様に、ハウジン
グ材に形成される前記の凹部は、個々の有機EL素子に
対応したものであってもよいし、全ての有機EL素子を
収納し得る大きさのものであってもよいし、全ての有機
EL素子のうちの複数個を収納し得る大きさのものであ
ってもよい。
【0065】透明基板上へのハウジング材の固着は、エ
ポキシ樹脂系接着剤やアクリレート樹脂系接着剤等、種
々の接着剤を用いて行うことができる。中でも水や酸素
を透過しにくいものが好ましく、その具体例としてはア
ラルダイトAR−R30(チバガイギー社製のエポキシ
樹脂系接着剤の商品名)が挙げられる。また、熱硬化性
樹脂や光硬化性樹脂等、種々の樹脂を上記の接着剤の代
わりに用いることもできる。
【0066】ハウジング材の材質はガラス、樹脂等の電
気絶縁性物質であることが好ましく、その具体例として
はソーダ石灰ガラス、硼硅酸塩ガラス、硅酸塩ガラス、
シリカガラス、無蛍光ガラス、石英、アクリル系樹脂、
スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系
樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、シリコーン系樹脂
等が挙げられる。また、有機EL素子の各々を駆動させ
るための電気信号を当該有機EL素子に伝播させるため
に前記の透明基板上に形成された複数本の配線を絶縁被
覆した場合や、透明基板上へのハウジング材の固着を電
気絶縁性の接着剤あるいは電気絶縁性の樹脂により行っ
た場合には、ハウジング材としてステンレス鋼やアルミ
ニウム合金等の導電性金属からなるものを用いてもよ
い。
【0067】有機EL素子が設けられている前記の透明
基板と前記のハウジング材とによって形成された空間内
への不活性液体の充填は大気中で行ってもよいが、充填
操作時に不活性液体中に酸素や水分が溶解するのを防止
するうえからは、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気
等の不活性ガス雰囲気中で行うほうがより好ましい。ま
た、いわゆる真空注入法(特願平6−214718号明
細書第28〜32段参照)により行ってもよい。
【0068】なお、不活性液体の注入に際しては、注入
方法の種類を問わず、当該不活性液体を加熱してその流
動性を高めてもよい。また、不活性液体の注入後に行わ
れる注入口の封止についても、大気中で行うよりは窒素
ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気等の不活性ガス雰囲気
中で行うほうがより好ましい。注入口の封止は、ハウジ
ング材を透明基板に固着させる際に使用するものとして
例示した前記の接着剤あるいは前記の樹脂により注入口
を塞ぐことにより行うことができる。
【0069】一方、前述した(2)〜(5)の封止層の
形成にあたっては、その材料に応じて、真空蒸着法、ス
ピンコート法、スパッタリング法、キャスト法、MBE
(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、
イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起
イオンプレーティング法)、反応性スパッタリング法、
プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガ
スソースCVD法等を適宜適用することができる。
【0070】本発明の有機EL表示パネルでは、上述し
た封止層上に前述の封止板(側面に複数の取出し電極を
形成したもの)が設けられており、当該封止板の側面に
形成されている複数の取出し電極の各々と前述した配線
のいずれかとの電気的な接続が、透明基板の縁部上に配
置された前述の接続スペーサーによってなされている。
封止層上に封止板を設けるにあたっては、封止層上に封
止板を単に載せるだけでもよいし封止板の安定性を高め
るために接着材等によって固定してもよい。
【0071】また、接続スペーサーと取出し電極との電
気的な接続は、接続スペーサーを構成する導電部材(導
電性微小球、導電性柱状体または導電膜)と取出し電極
とを単に当接させるだけでもよいが、前記の導電性部材
と取出し電極とをハンダ,導電性接着剤等によって固着
させるか圧着させるほうがより好ましい。なお、接続ス
ペーサーを構成する前記の導電性部材が導電膜であり、
かつ、この導電膜が取出し電極との一体成形物である場
合には、当然のことながら、接続スペーサーと取出し電
極との電気的な接続を改めて図る必要はない。
【0072】一方、接続スペーサーと前述の配線との電
気的な接続は、接続スペーサーを構成する前記の導電部
材と前述の配線とを単に当接させるだけでもよいが、取
出し電極との電気的な接続を図る場合と同様に、前記の
導電性部材と配線とをハンダ,導電性接着剤等によって
固着させるか圧着させるほうがより好ましい。このと
き、配線の端部において前記の導電性部材と当接または
固着させようとする部分には、予め電気的接続用のパッ
ドを形成しておいてもよい。
【0073】封止板の側面に形成されている複数の取出
し電極の各々と前述した配線との電気的な接続を前述し
た接続スペーサーによって行うにあたって、当該接続ス
ペーサーの全てを透明基板の1つの辺の縁部上に配置す
る必要はない。例えば、有機EL素子が単純マトリック
ス駆動タイプのものである場合には、矩形の透明基板に
おいて互いに対向する1組の辺のそれぞれの縁部上に走
査電極と取出し電極とを電気的に接続するための接続ス
ペーサーを所定個配置し、透明基板において互いに対向
する他の1組の辺のそれぞの縁部上に信号電極と取出し
電極とを電気的に接続するための接続スペーサーを所定
個配置することができる。
【0074】上述のようにして取出し電極と配線(走査
電極および信号電極)との電気的な接合を行った場合に
は、本発明の有機EL表示パネルを複数枚並列に配置し
て大型の表示パネルを得るにあたって、走査電極と取出
し電極との電気的な接合を行っている面同士、あるいは
信号電極と取出し電極との電気的な接合を行っている面
同士が隣接しないようにして必要枚数の有機EL表示パ
ネルを並列に配置することにより、取出し電極や接続ス
ペーサーの外側面上に電気絶縁膜を設けなくても、隣接
する有機ELパネル間で導通が生じるのを防止しつつ容
易に大型の表示パネルを得ることができる。勿論、取出
し電極や接続スペーサーの外側面上に電気絶縁膜を設け
てもよい。
【0075】また、有機EL素子が単純マトリックス駆
動タイプのものである場合には、次のようにして取出し
電極と配線との電気的な接続を行うこともできる。すな
わち、複数の走査電極の内の奇数電極(所定方向から数
えたときの配列順番が奇数の走査電極)とこれらに対応
する取出し電極との電気的な接合については矩形の透明
基板の1つの辺の縁部上に配置した所定個の接続スペー
サーによって行い、複数の走査電極の内の偶数電極(所
定方向から数えたときの配列順番が偶数の走査電極)と
これらに対応する取出し電極との電気的な接合について
は透明基板の前記の辺に対向する辺の縁部上に配置した
所定個の接続スペーサーによって行う。そして、この場
合における複数の信号電極の内の奇数電極(所定方向か
ら数えたときの配列順番が奇数の信号電極)とこれらに
対応する取出し電極との電気的な接合については透明基
板の残りの2辺の内の一方の辺の縁部上に配置した所定
個の接続スペーサーによって行い、複数の信号電極の内
の偶数電極(所定方向から数えたときの配列順番が偶数
の信号電極)とこれらに対応する取出し電極との電気的
な接合については透明基板の残りの1辺の縁部上に配置
した所定個の接続スペーサーによって行う。
【0076】上述のようにして取出し電極と配線(走査
電極および信号電極)との電気的な接合を行った場合に
は、走査電極の内の奇数電極と取出し電極との電気的な
接合を行っている面と、走査電極の内の偶数電極と取出
し電極との電気的な接合を行っている面とが隣接するよ
うに、かつ、信号電極の内の奇数電極と取出し電極との
電気的な接合を行っている面と、信号電極の内の偶数電
極と取出し電極との電気的な接合を行っている面とが隣
接するようにして必要枚数の有機EL表示パネルを並列
に配置することにより、取出し電極や接続スペーサーの
外側面上に電気絶縁膜を設けなくても、隣接する有機E
Lパネル間で導通が生じるのを防止しつつ容易に大型の
表示パネルを得ることができる。勿論、取出し電極や接
続スペーサーの外側面上に電気絶縁膜を設けてもよい。
【0077】さらに、有機EL素子が単純マトリックス
駆動タイプのものである場合には、走査電極毎および信
号電極毎にその両端から同じ電気信号を印加することも
できる。この場合には、矩形の透明基板において互いに
対向する1組の辺のそれぞれの縁部上に、走査電極毎に
その両端から同じ電気信号を印加するための取出し電極
と前記の走査電極とを電気的に接続するための接続スペ
ーサーを所定個配置し、透明基板において互いに対向す
る他の1組の辺のそれぞれの縁部上に、信号電極毎にそ
の両端から同じ電気信号を印可するための取出し電極と
前記の信号電極とを電気的に接続するための接続スペー
サーを所定個配置する。
【0078】上述のようにして取出し電極と配線(走査
電極および信号電極)との電気的な接合を行った場合に
は、走査電極と取出し電極との電気的な接合を行ってい
る面同士が接すること自体および信号電極と取出し電極
との電気的な接合を行っている面同士が接すること自体
がそれぞれ大きな問題を引き起こさないので、必要枚数
の有機EL表示パネルを並列に配置して容易に大型の表
示パネルを得ることができる。勿論、取出し電極や接続
スペーサーの外側面上に電気絶縁膜を設けてもよい。
【0079】一方、有機EL素子がアクティブマトリッ
クス駆動タイプのものである場合にも、接続スペーサー
の全てを透明基板の1つの辺の縁部上に配置する必要は
なく、透明基板の3〜4つの辺それぞれの縁部上に配置
した接続スペーサーによって取出し電極と配線との電気
的な接合を行うことが好ましい。
【0080】取出し電極と配線との電気的な接合が接続
スペーサーによって上述のようにしてなされる本発明の
有機EL表示パネルでは、接続スペーサーの厚さを容易
に薄くすることができ、これに伴って透明基板の端縁部
において有機EL素子が形成されない領域を容易に狭く
することができるので、当該有機EL表示パネルを複数
枚並列に配置して大型の表示パネル作製した場合でも有
機EL表示パネル同士の継ぎ目部分が視認されるのを容
易に防止することができる。
【0081】また、本発明の有機EL表示パネルは、
(1) 取出し電極が有機EL素子および封止層とは別個に
作製される、(2) 接続スペーサーによって封止板が封止
層の直上もしくは封止層より若干高めの位置に支持され
るので、封止板側から衝撃が加えられたときに当該接続
スペーサーが緩衝材として働く、ことから、有機EL素
子を破壊することなく作製することが容易である。
【0082】さらに、有機EL表示パネルの作製後にお
いても、封止板側からの衝撃に対する当該有機EL表示
パネルの機械的強度が高いので、この有機EL表示パネ
ルを駆動回路と接続する際等に封止板側からの衝撃によ
って有機EL素子が破壊されるのを防止することができ
る。
【0083】なお、本発明の有機EL表示パネルと駆動
回路との電気的な接続は、例えば、(a) 有機EL表示パ
ネルの取出し電極の各々と所定の配線基板に形成された
配線とをハンダや導電性接着剤等によって固着させ、こ
の配線基板を所定の駆動回路に接続する、(b) 有機EL
表示パネルの取出し電極の各々にTAB(テープキャリ
アボンディング)法によってインナーリードおよびアウ
ターリードを形成した後、これらのアウターリードを所
定の駆動回路と接続する、(c) 有機EL表示パネルの取
出し電極の各々に接続端子用のピンを立設し、これらの
ピンを所定の配線基板中の所定の孔に差し込んでハンダ
や導電性接着剤等によって固着させ、この配線基板を所
定の駆動回路に接続する、等の方法によって行うことが
できる。
【0084】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 実施例1 (1)有機EL素子の形成 まず、透明基板としてのガラス基板(無アルカリガラス
からなる75mm×75mm×1.1mmの大きさのも
の)上に膜厚100nmのITO膜を蒸着法により成膜
したものを用意した(以下、これを透明支持基板とい
う)。この透明支持基板の光透過率を島津製作所社製の
UV−3100PCで測定したところ、400〜600
nmの波長域で約80%であった。次に、湿式エッチン
グ法によって上記のITO膜をパターン化して、ライン
ピッチ1.1mm、ライン幅1mmの平行ラインを所定
本数形成した。これらの平行ラインは、後述するように
信号電極として使用される。この後、上記の平行ライン
が形成された透明支持基板をイソプロピルアルコール中
で5分間、次いで純水中で5分間、それぞれ超音波洗浄
し、さらに、(株)サムコインターナショナル研究所製
の装置用いてUVオゾン洗浄を10分間行った。
【0085】次に、洗浄後の透明支持基板を市販の蒸着
装置(日本真空技術(株)製)の基板ホルダーに固定す
る一方で、モリブデン製の抵抗加熱ボートにN,N′−
ビス(3−メチルフェニル−N,N′−ジフェニル
[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン(以
下、TPDと略記する)を200mg入れ、また、違う
モリブデン製の抵抗加熱ボートに4,4′−ビス(2,
2′−ジフェニルビニル)ビフェニル(以下、DPVB
iと略記する)を200mg入れた後、真空槽を1×1
-4Paまで減圧した。次いで、TPD入りの前記ボー
トを215〜220℃まで加熱し、TPDを蒸着速度
0.1〜0.3nm/sで前記ITO膜上に蒸着させ
て、膜厚60nmの正孔輸送層を形成した。このときの
基板温度は室温であった。これを真空槽より取り出すこ
となく、正孔輸送層の成膜に引き続きDPVBi入りの
前記ボートを240℃まで加熱し、DPVBiを蒸着速
度0.1〜0.3nm/sで前記正孔輸送層上に蒸着さ
せて、膜厚40nmの発光層を形成した。このときの基
板温度も室温であった。
【0086】これを真空槽より取出し、上記発光層の上
にステンレススチール製のマスクを設置し、再び基板ホ
ルダーに固定した。前記のマスクはラインピッチ1.1
mm、ライン幅1mmの平行ラインを開口部として保有
するものであり、当該マスクは、マスク中の前記平行ラ
インと透明支持基板上の平行ライン(ITOからなるも
の)とが平面視上直交するようにして設置した。次い
で、モリブデン製ボートにトリス(8−キノリノール)
アルミニウム(以下、Alq3 と略記する)を200m
g入れ、また、違うモリブデン製ボートにマグネシウム
リボン1gを入れ、さらに、タングステン製バスケット
に銀ワイヤー500mgを入れて、これらのボートを真
空槽に装着した。そして、真空槽を1×10-4Paまで
減圧してからAlq3 入りの前記ボートを230℃まで
加熱し、Alq3 を蒸着速度0.01〜0.03nm/
sで前記発光層上に蒸着させて、膜厚20nmの電子注
入層を形成した。さらに、銀を蒸着速度0.1nm/s
で前記接着層上に蒸着させると同時に、マグネシウムを
蒸着速度1.4nm/sで前記接着層上に蒸着させて、
マグネシウムと銀の混合金属からなる膜厚150nmの
対向電極(陰極)を形成した。当該対向電極は、ITO
からなる前記の平行ラインと平面視上直交する所定本数
の平行ライン状に形成されており、ラインピッチは1.
1mm、ライン幅は1mmである。これらの対向電極
は、後述するように走査電極として使用される。
【0087】上述のようにして対向電極まで形成するこ
とにより、目的とする単純マトリックス駆動タイプの有
機EL素子がガラス基板上に所定個形成された。これら
の有機EL素子は、ガラス基板の一主表面上に陽極(透
明電極)としてのITO膜、正孔輸送層としてのTPD
層、発光層としてのDPVBi層、電子注入層としての
Alq3 層、および対向電極(陰極)としてのマグネシ
ウム−銀混合金属層が順次積層されてなるものである。
なお、ガラス基板上には、走査電極(平行ライン状に形
成された対向電極)の長手方向の端部と接続されるよう
にして、走査電極の長手方向の端部の総数と同数のIT
O製取出しパッドを予め形成しておいた。これらのIT
Oパッドの一側面は前記の長手方向に位置するガラス基
板側面と実質的に同じ平面上にあり、ITOパッドと最
寄りの有機EL素子との中心間距離は0.6mmであ
る。
【0088】(2)接続スペーサーを兼ねた取出し電極
の形成 まず、封止板としてガラス製の座グリ基板(豊和産業社
製)を用意した。この座グリ基板は、内寸が74mm×
74mm×1mmの凹部を1個有し、その外寸は75m
m×75mm×1.8mmである。また、この座グリ基
板の凹部の底には不活性液体を注入するための注入口が
設けられている。次に、上記の座グリ基板における4つ
の側面の各々に、所定のマスクを用いた無電解メッキ法
により幅1mm、膜厚20μmのNiからなる取出し電
極を形成した。このとき、各取出し電極の一方の端部は
座グリ基板の表て面(有機EL素子が設けられている透
明基板の側を表示パネルにおける正面としたときの当該
表示パネルの背面に相当する面)まで100μm程延長
させて形成し、各取出し電極の他方の端部は座グリ基板
の裏面(有機EL素子が設けられている透明基板の側の
面。本実施例では側壁の上面に相当する面)まで500
μm程延長させて形成した。なお、上記の取出し電極
は、当該取出し電極が形成された座グリ基板側壁と共に
接続スペーサーを兼ねている。
【0089】(3)接続スペーサーと配線との接続およ
び封止層の形成 まず、全ての有機EL素子が座グリ基板の前記の凹部内
に納まるようにして、かつ、座グリ基板の側面に形成し
た各取出し電極が所定の信号電極または走査電極(走査
電極についてはその端部と接続している前述のITO製
パッド)と当接するようにして、有機EL素子が形成さ
れているガラス基板と上記の座グリ基板とをUV硬化性
樹脂系接着剤を用いて紫外線照射しながら貼り合わせ
た。このとき、UV硬化性樹脂系接着剤は座グリ基板の
端部に塗布した。また、有機EL素子は座グリ基板の凹
部とガラス基板とによって形成された空間内に在り、有
機EL素子と座グリ基板とは非接触の状態にある。上述
のようにしてガラス基板と座グリ基板とを貼り合わせる
ことにより、各取出し電極(接続スペーサーを兼ねたも
の)と配線(信号電極および走査電極)との接続がなさ
れた。
【0090】接着剤の硬化後、真空デシケータを用いて
真空乾燥した。真空乾燥後のものを窒素ガス雰囲気のグ
ローブボックス内に移し、このグローブボックス内で前
記の座グリ基板に設けられている注入口から不活性液体
を注入して、座グリ基板の凹部とガラス基板とによって
形成されている空間内に前記の不活性液体を充填した。
このときの不活性液体としては、常温真空脱気法によっ
て溶存酸素濃度を0.05ppm、水分量を5ppm以
下としたパーフルオロポリエーテル(常温真空脱気に供
したものはダイキン工業株式会社製のデムナムS−2
0)を用いた。
【0091】不活性液体の充填後、前記のグローブボッ
クス内において前記の注入口をエポキシ系接着剤(チバ
ガイギー社製のアラルダイトAR−R30)により塞
ぎ、接着剤が固化するまで3時間ほどグローブボックス
中に放置した。座グリ基板の凹部とガラス基板とによっ
て形成された空間内に上述のようにして不活性液体を充
填したことにより、各有機EL素子の外周には不活性液
体からなる封止層が形成された。また、これにより、目
的とする有機EL表示パネルが得られた。
【0092】上記の有機EL表示パネルの断面の概略を
図1(a)に示し、当該有機EL表示パネルの概略の背
面図(座グリ基板側からみた平面図)を図1(b)に示
す。図1(a)および図1(b)に示したように、上で
得られた有機EL表示パネル1は、透明基板としてのガ
ラス基板2と、この透ガラス基板2上に形成された所定
個数の有機EL素子3と、これらの有機EL素子3の各
々を駆動させるための電気信号を当該有機EL素子に伝
播させるための所定本数の走査電極4aおよび信号電極
4bと、有機EL素子3の各々を覆う不活性液体(所定
のパーフルオロポリエーテル)からなる封止層5と、こ
の封止層5を覆う座グリ基板6と、この座グリ基板6封
止板の側面に形成された複数の取出し電極7とを備えて
いる。
【0093】この有機EL表示パネル1においては、各
有機EL素子3は単純マトリックス駆動タイプのもので
あり、信号電極4aおよび走査電極4bが、有機EL素
子3の各々を駆動させるための電気信号を当該有機EL
素子3に伝播させるための配線に相当する。また、座グ
リ基板6が封止板であり、当該座グリ基板6において取
出し電極7が形成されている側壁6aと当該取出し電極
7とが接続スペーサー8を兼ねている。ガラス基板2と
座グリ基板6とはUV硬化性樹脂系接着剤(図示せず)
によって固着されており、これにより接続スペーサー8
がガラス基板2の縁部上に配置されている。
【0094】各有機EL素子3は、陽極(透明電極)と
してのITO膜、正孔輸送層としてのTPD層、発光層
としてのDPVBi層、電子注入層としてのAlq
3 層、および対向電極(陰極)としてのマグネシウム−
銀混合金属層が順次積層されてなるものであり、陽極
(透明電極)としてのITO膜は信号電極4aの一部、
対向電極(陰極)としてのマグネシウム−銀混合金属層
は走査電極4bの一部である。図1(a)において、T
PD層、DPVBi層およびAlq3 層をまとめて符号
3aで示す。
【0095】また、各信号電極4aの長手方向における
両方の端部は、信号電極4a毎に同じ電気信号をその両
端から印加するための所定の取出し電極7とそれぞれ密
着されており、これにより信号電極4aと取出し電極7
との電気的な接続が図られている。また、各走査電極4
bの長手方向における両方の端部はそれぞれ所定のIT
Oパッド9と接続しており、これらのITOパッド9の
各々と所定の取出し電極7とが密着されていることによ
り走査電極4bと取出し電極7との電気的な接続が図ら
れている。
【0096】実施例2 (1)有機EL素子の形成 実施例1と同条件で、ガラス基板上に所定個の単純マト
リックス駆動タイプの有機EL素子を形成した。
【0097】(2)接続スペーサーを兼ねた取出し電極
の形成 まず、封止板として75mm×75mm×1.8mmの
大きさのガラス基板を用意した。次に、このガラス基板
における4つの側面の各々に、幅1mm,膜厚20μm
のCr膜からなる取出し電極を所定のマスクを用いた無
電界メッキ法により1.1mmピッチで所定個形成し
た。このとき、各取出し電極の端部はガラス基板の両方
の主表面までそれぞれ100μm程延長させて形成し
た。また、ガラス基板において互いに対向する1組の側
面のそれぞれには、信号電極毎にその両端から同じ電気
信号を印可するための取出し電極を所定個形成し、ガラ
ス基板において互いに対向する他の1組の側面のそれぞ
れには、走査電極毎にその両端から同じ電気信号を印可
するための取出し電極を所定個形成した。
【0098】上記の取出し電極は、その両端をガラス基
板の主表面までそれぞれ延長させて形成されており、か
つ、ガラス基板の主表面上に位置している端部の膜厚が
20μmであることから、いずれの面を封止層側に向け
て前記のガラス基板を配置したとしても、当該取出し電
極が接続スペーサーを兼ねる。なお、接続スペーサーを
兼ねている前記の取出し電極の構造は、その大きさおよ
び各取出し電極間のピッチを除いて、図2に示した接続
スペーサー10と同様である。
【0099】(3)封止層の形成および接続スペーサー
と配線との接続 まず、封止層の材料として、可溶性フッ素樹脂(デュポ
ン社製のテフロンAF)をパーフルオロアルカン(住友
スリーエム社製のフロリナートFC−72)にその濃度
が10wt%となるように溶解させて、コーティング溶
液を調製した。次に、前記(1)でガラス基板上に形成
された有機EL素子の上に上記のコーティング溶液を滴
下し、スピンコート法によって、全ての有機EL素子を
覆う膜厚2μmのコーティング層を形成した。また、上
記(2)でガラス基板の側面に形成した各取出し電極
(接続スペーサーを兼ねているもの)について、前記の
ガラス基板の主表面上まで延長されて形成されている一
方の端部にそれぞれ導電性接着剤(スリーボンド社製の
3300導電性銀接着剤)を塗布した。
【0100】そして、前記のコーティング層中のパーフ
ルオロアルカンが完全に蒸発してしまう前に、前記のガ
ラス基板(接続スペーサーを兼ねた取出し電極が形成さ
れているもの)を当該コーティング層上に貼り合わせ
た。このとき、取出し電極の各々において導電性接着剤
を塗布した方の端部が所定の信号電極または走査電極
(走査電極についてはその端部と接続している前述のI
TO製パッド)と当接するように位置合わせした。さら
に、封止を完全なものとするために、ガラス基板と接続
スペーサーとの接続部に当該接続部の外側から紫外線硬
化性樹脂を塗布し、硬化させた。上述のようにしてコー
ティング層上に前記のガラス基板を貼り合わせることに
より、有機EL素子を覆う封止層が形成されるとともに
当該封止層上に封止板が設けられ、同時に接続スペーサ
ーと配線との接続がなされた。これにより、目的とする
有機EL表示パネルが得られた。
【0101】実施例3 (1)有機EL素子の形成 実施例1と同条件で、ガラス基板上に所定個の単純マト
リックス駆動タイプの有機EL素子を形成した。
【0102】(2)取出し電極および接続スペーサーの
形成 まず、封止板として75mm×75mm×1.8mmの
大きさのガラス基板を用意した。次に、このガラス基板
における一方の主表面の4つの辺に沿って、厚さ6μm
のフォトレジスト層(フォトレジストは、東レ社製のフ
ォトニース)をスピンコート法によって形成した。この
とき、フォトレジスト層の外側面がガラス基板の側面と
実質的に同一平面上に位置するようにした。次いで、所
定のマスクを用いたフォトリソグラフィ法によって、前
記のフォトレジスト層を1つの大きさが6μm×100
μm×1mmで、ガラス基板の辺に沿って1.1mmピ
ッチで並ぶ所定個の柱状体にパターニングした。これら
の柱状体の1つ1つが、接続スペーサーの基体となる。
そして、これらの基体のうちでガラス基板において互い
に対向する1組の辺それぞれの縁部上に形成されたもの
が、信号電極毎にその両端から同じ電気信号を印加する
ための取出し電極と前記の信号電極とを電気的に接続す
るための接続スペーサーを最終的に構成し、ガラス基板
において互いに対向する他の1組の辺それぞれの縁部上
に形成されたものが、走査電極毎にその両端から同じ電
気信号を印可するための取出し電極と前記の走査電極と
を電気的に接続するための接続スペーサーを最終的に構
成する。
【0103】この後、上記の基体が形成されたガラス基
板の側面から上記の基体の外側面に亘って、所定のマス
クを用いた真空蒸着法によって、幅1mm,膜厚5μm
のAl膜を1.1mmピッチで所定個形成した。ガラス
基板の側面にAl膜を形成することにより取出し電極が
形成され、上記の基体の外側面にAl膜を形成すること
により前記の基体と前記のAl膜とからなる所定個の接
続スペーサーが形成された。これらの接続スペーサーに
おけるAl膜と前記の取出し電極とは一体成形物であ
る。なお、各取出し電極の一端はガラス基板の一方の主
表面(前記の基体を設けた主表面とは反対側の主表面)
までそれぞれ100μm程延長させて形成した。取出し
電極との一体成形物からなるAl膜を備えた前記の接続
スペーサーの構造は、その大きさおよび接続スペーサー
間のピッチを除いて、図7に示した接続スペーサー38
と同様である。
【0104】(3)封止層の形成および接続スペーサー
と配線との接続 実施例2(3)と同条件で、全ての有機EL素子を覆う
コーティング層を形成した。また、各接続スペーサーの
底面にそれぞれ導電性接着剤(スリーボンド社製の33
00導電性銀接着剤)を塗布した。そして、実施例2
(3)と同様にして、取出し電極および接続スペーサが
形成された前記のガラス基板を前記のコーティング層上
に貼り合わせた。このとき、接続スペーサーの各々にお
ける導電性接着剤を塗布した方の面が所定の信号電極ま
たは走査電極(走査電極についてはその端部と接続して
いる前述のITO製パッド)と当接するように位置合わ
せした。さらに、封止を完全なものとするために、ガラ
ス基板と接続スペーサーとの接続部に当該接続部の外側
から紫外線硬化性樹脂を塗布し、硬化させた。上述のよ
うにしてコーティング層上に前記のガラス基板を貼り合
わせることにより、有機EL素子を覆う封止層が形成さ
れるとともに当該封止層上に封止板が設けられ、同時に
接続スペーサーと配線との接続がなされた。これによ
り、目的とする有機EL表示パネルが得られた。
【0105】駆動試験 実施例1で作製した有機EL表示パネルの取出し電極の
各々と所定のプリント配線基板に形成された配線とをハ
ンダ付けし、このプリント配線基板を所定の駆動回路に
接続して、前記の有機EL表示パネルを構成する各有機
EL素子を駆動させた。また、実施例2で作製した有機
EL表示パネルを構成する各有機EL素子および実施例
3で作製した有機EL表示パネルを構成する各有機EL
素子についても、同様にして駆動させた。この結果、い
ずれの実施例で得られた有機EL表示パネルにおいて
も、破壊された有機EL素子は認められず、全ての有機
EL素子が正常に駆動した。さらに、各有機EL表示パ
ネルにおける封止層の封止効果は高く、任意に選択した
有機EL素子の初期輝度が100cd/m2 となる直流
定電流を印加しながら大気中で1000時間駆動させた
後においても、発光機能を喪失した有機EL素子の数は
1個以下であった。
【0106】実施例4 実施例1と同様にして計36枚の有機EL表示パネルを
作製し、これらの有機EL表示パネルを6×6のマトリ
ックス状に並列に配置して大型表示パネルを作製した。
そして、上記の駆動試験と同様にして当該大型表示パネ
ルを駆動させたところ、全ての有機EL素子が正常に駆
動した。このとき、3m離れた所から有機EL表示パネ
ル同士の継ぎ目を視認することはできなかった。
【0107】実施例5実施例2と同様にして計36枚の
有機EL表示パネルを作製し、これらの有機EL表示パ
ネルを実施例4と同様に配置して大型表示パネルを作製
した。そして、上記の駆動試験と同様にして当該大型表
示パネルを駆動させたところ、全ての有機EL素子が正
常に駆動した。このとき、3m離れた所から有機EL表
示パネル同士の継ぎ目を視認することはできなかった。
【0108】実施例6 実施例3と同様にして計100枚の有機EL表示パネル
を作製し、これらの有機EL表示パネルを実施例4と同
様に配置して大型表示パネルを作製した。そして、上記
の駆動試験と同様にして当該大型表示パネルを駆動させ
たところ、全ての有機EL素子が正常に駆動した。この
とき、5m離れた所から有機EL表示パネル同士の継ぎ
目を視認することはできなかった。
【0109】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の有機EL
表示パネルは有機EL素子を破壊することなく作製する
ことが容易な表示パネルである。したがって、本発明に
よれば有機EL表示パネルおよび当該有機EL表示パネ
ルを複数枚並列に配置してなる大型表示パネルを容易に
作製することが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、実施例1で作製した有機EL表
示パネルの断面の概略図であり、図1(b)は図1
(a)に示した有機EL表示パネルの背面の概略図であ
る。
【図2】図2(a)は本発明の有機EL表示パネルを構
成する接続スペーサーの構造の一例を封止板と共に示す
断面図であり、図2(b)は図2(a)に示した封止板
をその裏面からみた平面図である。
【図3】図3(a)は本発明の有機EL表示パネルを構
成する接続スペーサーの構造の他の一例を封止板(座グ
リ基板)と共に示す断面図であり、図3(b)は図3
(a)に示した封止板をその裏面からみた平面図であ
る。
【図4】図4(a)は本発明の有機EL表示パネルを構
成する接続スペーサーの構造の他の一例を封止板と共に
示す断面図であり、図4(b)は図4(a)に示したA
−A線断面図である。
【図5】図5(a)は本発明の有機EL表示パネルを構
成する接続スペーサーの構造の他の一例を封止板と共に
示す断面図であり、図5(b)は図5(a)に示したB
−B線断面図である。
【図6】図6(a)は本発明の有機EL表示パネルを構
成する接続スペーサーの構造の他の一例を封止板と共に
示す断面図であり、図6(b)は図6(a)に示したC
−C線断面図である。
【図7】図7(a)は本発明の有機EL表示パネルを構
成する接続スペーサーの構造の他の一例を封止板と共に
示す断面図であり、図7(b)は図7(a)に示したD
−D線断面図である。
【図8】図8(a)は本発明の有機EL表示パネルを構
成する接続スペーサーの構造の他の一例を封止板と共に
示す断面図であり、図8(b)は図8(a)に示したE
−E線断面図である。
【図9】図9(a)は本発明の有機EL表示パネルを構
成する接続スペーサーの構造の他の一例を封止板と共に
示す断面図であり、図9(b)は図9(a)に示したF
−F線断面図である。
【図10】図10は従来のEL表示パネルを示す断面図
である。
【図11】図11は、複数枚を並列に配置して大型の表
示パネルを作製した場合に表示パネル同士の継ぎ目が視
認されにくい従来の有機EL表示パネルを示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 有機EL表示パネル 2 ガラス基板 3 単純マトリックス駆動タイプの有機EL素子 4a 信号電極 4b 走査電極 5 封止層 6 座グリ基板 7,11,17,24,29,34,39,44,49
取出し電極 8,10,15,23,28,33,38,43,47
接続スペーサー 12,21,26,31,35,40,48 封止板 20 導電性微小球 22,27 電気絶縁性樹脂 25,30 導電性柱状体 36,41 基体 37,42 導電膜

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板と、この透明基板上に形成され
    た複数の有機EL素子と、これらの有機EL素子の各々
    を駆動させるための電気信号を該有機EL素子に伝播さ
    せるために前記透明基板上に形成された複数本の配線
    と、前記複数の有機EL素子の各々を覆う封止層と、こ
    の封止層上に設けられた電気絶縁性の封止板と、この封
    止板の側面に形成された複数の取出し電極と、これらの
    取出し電極の各々を前記複数本の配線のいずれかと電気
    的に接続するために前記透明基板の縁部上に配置された
    1個または複数個の接続スペーサーとを備えていること
    を特徴とする有機EL表示パネル。
  2. 【請求項2】 封止板の側面に形成された複数の取出し
    電極の各々の一端または両端が前記封止板の主表面まで
    延長して形成されている、請求項1に記載の有機EL表
    示パネル。
  3. 【請求項3】 封止板の側面に形成された複数の取出し
    電極の各々における封止板裏面側の一端が前記封止板の
    裏面まで延長して形成されており、当該延長された一端
    が接続スペーサーを兼ねている、請求項1または請求項
    2に記載の有機EL表示パネル。
  4. 【請求項4】 封止板が座グリ基板からなり、この座グ
    リ基板の側面に形成された複数の取出し電極の各々およ
    び該取出し電極が形成されている座グリ基板側壁が接続
    スペーサーを兼ねている、請求項1〜請求項3のいずれ
    か1項に記載の有機EL表示パネル。
  5. 【請求項5】 取出し電極が導電性金属メッキ膜からな
    る、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の有機E
    L表示パネル。
  6. 【請求項6】 封止板の側面に形成された複数の取出し
    電極の各々の外側面上に電気絶縁膜が設けられている、
    請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の有機EL表
    示パネル。
  7. 【請求項7】 接続スペーサーが、所定間隔で配置され
    た複数個の導電性微小球または導電性柱状体と、使用時
    における前記導電性微小球また導電性柱状体の封止板側
    および透明基板側の各端部が露出するようにして該導電
    性微小球または導電性柱状体を被覆する電気絶縁性樹脂
    とからなり、前記導電性微小球または導電性柱状体の露
    出した一方の端部を取出し電極と電気的に接続し、露出
    した他方の端部を配線と電気的に接続することによって
    前記取出し電極と前記配線とを電気的に接続している、
    請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の有機EL表
    示パネル。
  8. 【請求項8】 導電性微小球または導電性柱状体の使用
    時における外側面が露出している、請求項7に記載の有
    機EL表示パネル。
  9. 【請求項9】 導電性微小球または導電性柱状体の使用
    時における外側面上に電気絶縁膜が設けられている、請
    求項8に記載の有機EL表示パネル。
  10. 【請求項10】 接続スペーサーが、電気絶縁性の基体
    と、この基体の側面に形成された1つの導電膜または所
    定間隔で形成された複数の導電膜とからなり、前記導電
    膜の一端を取出し電極と電気的に接続し、他端を配線と
    電気的に接続することによって前記取出し電極と前記配
    線とを電気的に接続している、請求項1〜請求項6のい
    ずれか1項に記載の有機EL表示パネル。
  11. 【請求項11】 基体の側面に形成された導電膜の一端
    または両端が前記基体の使用時における封止板側の面お
    よび/または透明基板側の面まで延長して形成されてい
    る、請求項10に記載の有機EL表示パネル。
  12. 【請求項12】 封止板の側面に形成された複数の取出
    し電極の各々と接続スペーサーに形成された導電膜とが
    一体成形物である、請求項10または請求項11に記載
    の有機EL表示パネル。
  13. 【請求項13】 接続スペーサーに形成されている導電
    膜が導電性金属メッキ膜からなる、請求項10〜請求項
    12のいずれか1項に記載の有機EL表示パネル。
  14. 【請求項14】 接続スペーサーに形成されている導電
    膜の外側面上に電気絶縁膜が設けられている、請求項1
    0〜請求項13のいずれか1項に記載の有機EL表示パ
    ネル。
  15. 【請求項15】 封止層が液状のフッ素化炭化水素から
    なる、請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の有
    機EL表示パネル。
  16. 【請求項16】 透明基板上に形成された複数の有機E
    L素子の各々が単純マトリックス駆動タイプの有機EL
    素子であり、これらの有機EL素子の各々を駆動させる
    ための電気信号を該有機EL素子に伝播させるために前
    記透明基板上に形成された複数本の配線が複数本の走査
    電極および複数本の信号電極である、請求項1〜請求項
    15のいずれか1項に記載の有機EL表示パネル。
  17. 【請求項17】 走査電極および信号電極の各々が、そ
    れぞれ別個に接続スペーサーによって取出し電極と電気
    的に接続している請求項16に記載の有機EL表示パネ
    ル。
  18. 【請求項18】 請求項1〜請求項17のいずれか1項
    に記載の有機EL表示パネルの複数枚からなり、これら
    の有機EL表示パネルが互いに隣接した状態で並列に配
    置されていることを特徴とする大型表示パネル。
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