JP2014167864A - 有機elモジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な構成で、従来に比べて光量が大きい有機ELモジュールを提供する。
【解決手段】
第2電極層16側から光を取り出すトップエミッション型の第1有機ELパネル2と、第2基板32側から光を取り出すボトムエミッション型の第2有機ELパネル3を、第1基板12と第2基板32が対向し、且つ、第1有機ELパネル2の第1発光領域と第2有機ELパネル3の第2発光領域が積層方向に略一致するように重ねて一体化し、第1有機ELパネル2から発せられる光及び第2有機ELパネル3から発せられる光を同一方向に照射可能する構成とする。
【選択図】図9

Description

本発明は、有機ELモジュールに関するものである。特に、トップエミッション型の有機ELパネルとボトムエミッション型の有機ELパネルを重ねて配置した有機ELモジュールに関する。
近年、白熱灯や蛍光灯に代わる照明装置として有機ELモジュールが注目され、多くの研究がなされている。
ここで、有機ELモジュールは、有機ELパネルを組み合わせたものである。有機ELパネルは、有機EL装置に封止構造やケーシングを施したものである。有機EL装置は、ガラス基板等の基材上に有機EL素子を積層し、当該有機EL素子への給電構造を設けたものである。
また、有機EL素子は、一方又は双方が透光性を有する2つの電極を対向させ、この電極の間に有機化合物からなる発光層を積層したものである。有機EL装置は、電気的に励起された電子と正孔との再結合のエネルギーによって発光する。
有機ELパネルは、自発光デバイスであり、発光層の材料を適宜選択することにより、種々の波長の光を発光させることができる。また、白熱灯や蛍光灯に比べて厚さが極めて薄く、且つ面状に発光するので、設置場所の制約が少ない。
照明装置として使用される有機ELパネルは、一般的に1枚の基板に有機EL素子を積層することによって、一方の主面(片面)側を発光する構成となっている。すなわち、主面に発光面を有しており、その発光面が居住空間等の空間に向くことによって、当該空間が照らされる。
また、有機ELパネルは、面発光であるため、一点に集光するLED照明等に比べて空間内に照射される光の光量が小さく、光の光量を如何にして増大させるかが課題となっている。そこで、有機ELパネルの光量を増加させる方策として、特許文献1の技術が開示されている。
すなわち、特許文献1に記載の照明装置(有機ELパネル)では、従来の有機EL素子の積層構造を変更し、有機EL素子内の光取出し効率および輝度を向上させることによって、照明装置全体として光量を増加させている。
特開2010−192472号公報
しかしながら、特許文献1に記載の照明装置は、従来の有機EL素子の層構造を変更することによって光量を向上させるものであるから、既存の有機ELパネルを使用することができず、汎用性が低いという問題がある。
また、特許文献1に記載の照明装置は、発光面積が大きくなると、陽極と陰極間の電気抵抗等に起因して、輝度むらが生じるおそれがある。
この問題について詳説すると、有機ELパネルの発光面内において、外部端子から給電される部位(以下、給電部ともいう)からの距離が離れた位置と近い位置とで発光層に流れる電流値が異なる。つまり、前記給電部から離れた位置では電流が流れにくく、前記給電部に近い位置に電流が集中しやすい。そのため、前記給電部から離れた位置では輝度が低くなり、前記給電部に近い位置では輝度が高くなる。
このように、特許文献1に記載の照明装置は、光量を向上できるものの、発光面積が大きくなると輝度むらが生じる可能性がある。
そこで、本発明は、簡便な構成で、従来に比べて光量が大きい有機ELモジュールを提供することを課題とする。
上記の課題を解決するための請求項1に記載の発明は、第1基板の表面上に第1電極層と、第1有機発光層と、第2電極層を備えた第1積層体を有する第1有機ELパネルと、第2基板の表面上に第3電極層と、第2有機発光層と、第4電極層を備えた第2積層体を有する第2有機ELパネルを備えた有機ELモジュールにおいて、前記第1有機ELパネルは、第2電極層側から光を取り出すトップエミッション型有機ELパネルであって、第1基板と第1電極層と第2電極層のいずれもが透光性を有しており、前記第2有機ELパネルは、第2基板側から光を取り出すボトムエミッション型有機ELパネルであって、少なくとも第2基板と第3電極層が透光性を有しており、第1有機ELパネルと第2有機ELパネルは、第1基板の裏面と第2基板の裏面が対向し、且つ、第1有機ELパネルの点灯時に発光する発光領域と第2有機ELパネルの点灯時に発光する発光領域が積層方向に略一致するように重ねて一体化されており、第1有機ELパネルから発せられる光及び第2有機ELパネルから発せられる光を同一方向に照射可能であることを特徴とする有機ELモジュールである。
ここでいう「第1有機ELパネルの発光領域と第2有機ELパネルの発光領域が積層方向に略一致する」とは、第1有機ELパネルの発光領域及び第2有機ELパネルの発光領域の重畳部位の面積が第1有機ELパネルの発光領域の面積又は第2有機ELパネルの発光領域の面積の95パーセント以上占めている状態を表す。
本発明の構成によれば、第1有機ELパネルは、第1基板と第1電極層と第2電極層のいずれもが透光性を有しているので、駆動時に第1有機発光層で発生する光は、少なくとも第2電極層を透過する。
さらに、本発明の構成によれば、第2有機ELパネルは、第2基板と第3電極層が透光性を有しているので、駆動時に第2有機発光層で発生する光は、少なくとも第3電極層を透過する。
そして、本発明の構成によれば、第1有機ELパネルと第2有機ELパネルは、第1基板の裏面と第2基板の裏面が対向し、且つ、第1有機ELパネルの点灯時に発光する発光領域と第2有機ELパネルの点灯時に発光する発光領域が積層方向に略一致するように重ねて一体化されている。すなわち、第2有機ELパネルから発せられる光は、第1有機ELパネルの第1基板と第1電極層と第2電極層を透過して第1有機ELパネルから発せられる光と同一方向に照射可能であるため、第1有機ELパネルの発光領域及び第2有機ELパネルの発光領域の重なり部位では、第1有機ELパネルの第2電極層側から発せられる光量が、第1有機ELパネルから発せられる光及び第2有機ELパネルから発せられる光が重なることによって増幅される。それ故に、有機ELモジュール全体の単位面積当たりの光量を増加することができる。
請求項2に記載の発明は、前記第4電極層は、少なくとも第2有機発光層側の面が鏡面であることを特徴とする請求項1に記載の有機ELモジュールである。
本発明の構成によれば、第4電極層は、少なくとも第2有機発光層側の面が鏡面である。すなわち、第2有機ELパネルから発生する光のほぼ全てを第1有機ELパネルの第2電極層側に照射することができ、さらに、第1有機ELパネルから第2有機ELパネル側に向かって発せられる光も第2有機ELパネルの第4電極層によって反射され、ほぼ全てを第1有機ELパネルの第2電極層側に照射することができるので、さらに有機ELモジュール全体の単位面積当たりの光量を増加することができる。
請求項3に記載の発明は、前記第1電極層は、第1積層体の負極を担うものであり、前記第3電極層は、第2積層体の正極を担うものであり、前記第1電極層と前記第3電極層は、第1有機ELパネル及び第2有機ELパネルの側面の近傍を経由して電気的に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機ELモジュールである。
「第1有機ELパネル及び第2有機ELパネルの側面の近傍」とは、第1有機ELパネル及び第2有機ELパネルの側面から5mm以内の距離にあることをいい、第1有機ELパネル及び第2有機ELパネルの側面に接触している場合だけではなく、第1有機ELパネル及び第2有機ELパネルの側面から少し離れた位置にある場合も含む。
本発明の構成によれば、第1積層体と第3電極層は、第1有機ELパネル及び第2有機ELパネルの側面の近傍を経由して電気的に直列接続されているので、第1有機ELパネル及び第2有機ELパネルを同時に1系統の定電流駆動で調光可能となる。
請求項4に記載の発明は、前記第1有機ELパネルは、前記第2電極層よりも導電率が大きなフィンガー電極を有しており、当該フィンガー電極は、第2電極層に接触し、前記第1有機ELパネルの側面側と対向する側面側に向かって延びていることを特徴とする請求項3に記載の有機ELモジュールである。
本発明の構成によれば、第1有機ELパネルにおいて、第2電極層よりもフィンガー電極が、第2電極層上を前記第1有機ELパネルの側面側と反対側に位置する側面側に向かって延びている。そのため、たとえ第2電極層が導電率の低い材料によって形成されていても、フィンガー電極によって、第2電極層内の電気伝導を補助することができるので、駆動時(給電時)の低電力ロスが小さく、輝度むらが少なくすることができる。
請求項5に記載の発明は、前記第1有機ELパネルと前記第2有機ELパネルは、透明樹脂によって接着されており、前記透明樹脂の屈折率は、1.3以上1.5以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の有機ELモジュールである。
本発明の構成によれば、前記第1有機ELパネルと前記第2有機ELパネルは、屈折率が1.3以上1.5以下の透明樹脂によって接着されているため、光が透過しやすい。それ故に、第2有機ELパネルからの光の取り出し効率が向上し、有機ELモジュール全体の輝度が向上する。
請求項6に記載の発明は、第1有機ELパネルは、正孔注入性を有した金属酸化物層を有し、前記金属酸化物層は、前記第1有機発光層と第2電極層の間であって、第2電極層に直接接触しており、前記金属酸化物層の平均厚みは、1nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の有機ELモジュールである。
本発明の構成によれば、第1有機ELパネルは、前記第1有機発光層と第2電極層の間に正孔注入性を有した金属酸化物層が位置し、当該金属酸化物層は、第2電極層に直接接触している。そのため、例えば、CVD法等によって第2電極層を形成する場合に、第1有機発光層に加わるダメージを金属酸化物層によって保護することが可能である。また、金属酸化物層は正孔注入性を有しているため、駆動時において、第2電極層から容易に正孔を取り出すことが可能であるため、第1有機ELパネルの発光効率が高まり、有機ELモジュール全体の輝度が向上する。
請求項6に記載の有機ELモジュールにおいて、前記金属酸化物層は、酸化モリブデンを含んでいることが好ましい(請求項7)。
請求項8に記載の発明は、前記第1電極層と前記第1有機発光層との間に金属薄膜層が介在しており、前記金属薄膜層の平均層厚みは3nm以上50nm以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の有機ELモジュールである。
本発明の構成によれば、前記第1電極層と前記第1有機発光層との間に金属薄膜層が介在しており、前記金属薄膜層の平均層厚みは3nm以上50nm以下であるため、第2有機ELパネルからの光の透過を確保しつつ、第1有機ELパネルの発光特性を向上させることができ、発光効率も向上する。
請求項8に記載の有機ELモジュールにおいて、前記金属薄膜層は、銀を含んでいることが好ましい(請求項9)。
本発明の有機ELモジュールによれば、トップエミッション型の第1有機ELパネルとボトムエミッション型の第2有機ELパネルを重ねるという簡便な構成で、全体の光量の増加が可能である。
本発明の第1実施形態に係る有機ELモジュールの概念図である。 図1の有機ELモジュールのA−A断面図である。 図1の有機ELモジュールの分解斜視図である。 図1の第1有機ELパネルと第2有機ELパネルを展開した状態を示す説明図である。 図4の状態から第1有機ELパネルをさらに分解した分解斜視図である。 図4の状態から第2有機ELパネルをさらに分解した分解斜視図である。 図4の第1有機ELパネル及び第2有機ELパネルの各領域の説明図である。 図1の有機ELモジュールに外部電源を接続した場合における有機ELモジュール内での電流の流れを表す概念図である。 図1の有機ELモジュールの各有機ELパネルの光の流れを表す説明図であり、(a)は第1有機ELパネルから発せられる光の光路を表し、(b)は第2有機ELパネルから発せられる光の光路を表す。 他の実施形態における有機ELモジュールの概念図であり、(a),(b)はそれぞれ異なる実施形態の概念図である。 他の実施形態における有機ELモジュールの概念図である。 他の実施形態における有機ELモジュールの概念図であり、(a)は斜視図を表し、(b)は(a)の断面図を表す。
本発明は、有機ELモジュールに係るものである。図1は、本発明の第1実施形態に係る有機ELモジュール1を示している。以下、上下左右の位置関係は、特に断りのない限り、図1の姿勢を基準に説明する。すなわち、有機ELモジュール1の点灯時における光取り出し側が上である。
本実施形態の有機ELモジュール1は、図1,図3のように、第1有機ELパネル2と、第2有機ELパネル3を透明接着樹脂4によって貼り合わせて一体化し、同一方向から光を取り出すものである。また、第1有機ELパネル2と第2有機ELパネル3は、接続部材5を介して、電気的に接続されている。
第1有機ELパネル2は、第2電極層16側から光を取り出すトップエミッション型の有機ELパネルである。
第1有機ELパネル2は、図2のように第1基板12の表面(主面)上に、第1電極層13と金属薄膜層14と第1機能層15と第2電極層16がこの順に積層された第1有機EL素子20が積層している。さらに第1有機ELパネル2は、図5のように第2電極層16上に給電部材17が設けられており、その上から第1無機封止層18によって、第1有機EL素子20の大部分が封止されている。
金属薄膜層14の厚みは、光を透過する程度に薄くなっている。
第1有機ELパネル2は、図2,図7のように、第1基板12を平面視したときに、駆動時(点灯時)に発光する第1発光領域25と、発光しない第1非発光領域26を有している。
第1発光領域25は、第1電極層13と第1機能層15と第2電極層16の重畳部位が位置する領域である。
第1非発光領域26は、図7のように第1発光領域25の周りを囲むように形成された額縁状の領域であり、図2のように第1発光領域25内の第1電極層13と電気的に接続された第1給電領域27と、第1発光領域25内の第2電極層16と電気的に接続された第2給電領域28を有している。
第1給電領域27と第2給電領域28は、図7のように横方向sにおいて第1発光領域25を挟んで対向する位置に設けられている。
給電部材17は、図5のようにバスバー電極21と、複数のフィンガー電極22から形成されている。
バスバー電極21は、長尺状の導電部材であって、外部電源と電気的に接続可能となっている。バスバー電極21の長手方向は、縦方向l(厚み方向及び横方向sに対して直交する方向)に向いている。
フィンガー電極22は、バスバー電極21からバスバー電極21の長手方向に対して交差する方向に延びた線状の導電部材であって、第2電極層16内の電気伝導を補助する部材である。
本実施形態では、フィンガー電極22は、バスバー電極21から横方向s(バスバー電極21の長手方向に対して直交方向)に延びている。
バスバー電極21の材料としては、導電性を有していれば、特に限定されないが、抵抗率が低いという観点から、金、銀、銅、ニッケル、クロムなどの金属材料が好ましい。
フィンガー電極22の材料としては、第2電極層16よりも高い導電性を有していれば、特に限定されないが、抵抗率が低いという観点から、金、銀、銅、ニッケル、クロムなどの金属材料が好ましい。
また、バスバー電極21の幅は、フィンガー電極22の幅よりも極めて大きく、接続されるフィンガー電極22の数によって適宜選択されるが、1mm以上5mm以下であることが好ましく、1mm以上3mm以下であることがより好ましい。
フィンガー電極22の幅は、設けられるフィンガー電極22の数及び間隔によって適宜選択されるが、50μm以上100μm以下であることが好ましく、50μm以上80μm以下であることがより好ましい。
100μmより大きくなると、駆動時(点灯時)に第1機能層15内で発生した光及び第2機能層35内で発生した光を遮り、光取り出し効率が低下するおそれがある。50μm未満になると、十分に電気伝導ができない、あるいは、通電時(駆動時)に断線するおそれがある。
第2有機ELパネル3は、第2基板32側から光を取り出すボトムエミッション型の有機ELパネルである。
第2有機ELパネル3は、図2のように第2基板32の主面(図2では下面)上に、第3電極層33と第2機能層35と第4電極層36がこの順に積層された第2有機EL素子40が積層している。その上から第2無機封止層38によって、第2有機EL素子40の大部分が封止されている。
第4電極層36は、少なくとも第2機能層35側の面が鏡面になっている。
第2有機ELパネル3は、図2,図7のように、第2基板32を平面視したときに、第1有機ELパネル2と同様、駆動時に発光する第2発光領域41と、発光しない第2非発光領域42を有している。
第2発光領域41は、図2のように第3電極層33と第2機能層35と第4電極層36の重畳部位が位置する領域である。
第2非発光領域42は、図7のように第2発光領域41の周りを囲むように形成された額縁状の領域であり、図2のように第2発光領域41内の第3電極層33と電気的に接続された第3給電領域43と、第2発光領域41内の第4電極層36と電気的に接続された第4給電領域44を有している。
第3給電領域43と第4給電領域44は、図7のように第2発光領域41を挟んで対向する位置に設けられている。
接続部材5は、図2,図4のように、第1有機ELパネル2の第1電極層13と第2有機ELパネル3の第3電極層33を接続する部材であり、第1有機ELパネル2及び第2有機ELパネル3の側面を覆うことが可能となっている。
接続部材5は、図4のように、導電性を有した箔状の部材である。接続部材5の材料は、導電性を有していれば、特に限定されるものではないが、抵抗率が低いという観点から、金、銀、銅、ニッケル、クロム、アルミニウムなどの金属材料が好ましい。
接続部材5は、第1基板12及び第2基板32の厚みからの光の放出を抑える観点から、少なくとも一方の面に光を反射可能な鏡面を有していることが好ましい。
透明接着樹脂4は、上記したように第1有機ELパネル2の第1基板12と第2有機ELパネル3の第2基板32を接着する部材であり、具体的には、透光性を有した接着材である。
ここでいう「接着材」とは液状の接着剤だけではなく、固体状の粘着材も含む。
透明接着樹脂4の屈折率は、1.3以上1.5以下であることが好ましい。
この範囲であれば、第2有機ELパネル3から照射される光が透明接着樹脂4との界面で全反射することを抑制することができる。
透明接着樹脂4は、固化前(接着前)の形状が液状又はシート状(固体状)の接着材が使用できる。
透明接着樹脂4を形成する液状の接着材としては、熱を加えて硬化する熱硬化性樹脂やUV光等を照射して硬化する光硬化性樹脂などを採用することができる。
ここで、第1機能層15及び第2機能層35は、少なくとも発光層が有機物を含有するので、第1機能層15及び第2機能層35のUV光による劣化を防止する観点から、熱硬化性樹脂で形成されることが好ましい。
また、熱硬化性樹脂を用いて硬化させる場合において、硬化温度は、摂氏100度以下であることが好ましい。
摂氏100度より高い温度で硬化させると、有機物を含有する第1機能層15や第2機能層35が劣化し、各有機ELパネル2,3の発光特性を低下させる可能性がある。
透明接着樹脂4を形成する固体状の接着材としては、例えば、透明樹脂の表面に粘着剤が塗布されているものが採用できる。
本実施形態では、透明接着樹脂4は、図3のように、接着前の形状がシート状の接着材を採用している。そのため、例えば発光面積の大きな有機ELパネル2,3を用いたとしても、透明接着樹脂4の厚さを均一とすることができる。
また、固体状の接着材を使用しているので、液体の接着材を用いて透明接着樹脂4を形成する場合とは異なり、固化時に接着材の内部に空気が侵入する、いわゆる、エアかみの問題が生じにくい。さらに、液体の接着材を用いて透明接着樹脂4を形成する場合に比べて、パネル面積拡大に伴う塗布時間の増加を抑えることができ、製造効率を向上させることができる。
続いて、第1有機ELパネル2と第2有機ELパネル3の各部位の位置関係について説明する。
まず、第1有機ELパネル2に注目すると、第1電極層13は、図2のように、第1機能層15から横方向sに両側に張り出しており、第1張出部50と、第2張出部51を有している。
第1張出部50は、図2のように第1発光領域25から第2給電領域28に張り出した部位である。本実施形態では、第1張出部50の端部は、第1基板12の片方端部まで至っている。
第1張出部50は、図5のように第1発光領域25と第2給電領域28の境界に縦方向l全体に延伸した第1電極分離溝29が形成されている。言い換えると、第1電極分離溝29は、第1発光領域25と第2給電領域28を分離する溝とも言える。
第2張出部51は、図2のように、第1発光領域25から第1給電領域27に張り出した部位である。第2張出部51は、第1無機封止層18を超えて張り出しており、本実施形態では、第2張出部51の端部は、第1基板12の他方端部(前記第1張出部50と反対側端部)まで至っている。
第1電極層13上(上面側)に位置する金属薄膜層14は、図2,図5のように、第1発光領域25内の第1電極層13の表面(光取出側の面)全体に位置している。すなわち、金属薄膜層14は、第1発光領域25内に留まっており、第1給電領域27及び第2給電領域28に至っていない。当然、金属薄膜層14は、第1電極分離溝29の手前(中央側)までに収まっている。
第1電極層13又は金属薄膜層14上に位置する第1機能層15は、図2のように、第1発光領域25と第2給電領域28に跨がって形成されており、第1電極分離溝29を跨がって外側(端部側)まで延在している。また、第1機能層15は、第1電極分離溝29内に充填されており、第1電極分離溝29内を経由して第1基板12と直接接触している。そのため、第1発光領域25内の第1電極層13と第2給電領域28内の第1電極層13(第1張出部50)は、第1機能層15によって縁切りされている。一方、第1機能層15は、第1給電領域27に至っていない。
第1機能層15上(上面側)に位置する第2電極層16は、図2のように第1発光領域25と第2給電領域28に跨がって形成されており、第2給電領域28において第1機能層15の横方向の端部を超えて外側(端部側)まで延在している。
本実施形態では、第2電極層16は、第1基板12の片側端部まで至っている。すなわち、第2給電領域28において、第2電極層16の第1機能層15からの延在部位は、第1電極層13(第1張出部50)上に直接積層されており、第1電極層13と第2電極層16が直接物理的に接続されている。
一方、第2電極層16は、第1機能層15と同様、第2給電領域28に至っていない。
第2電極層16上(上面側)に位置する給電部材17は、図5のように第2電極層16の表面(光取出面側の面)全体に均等に分布して形成されている。
具体的には、給電部材17のバスバー電極21は、図2のように第2給電領域28内であって、第1張出部50の部材厚方向の投影面上に位置している。本実施形態では、バスバー電極21は、図5のように第2電極層16上に縦方向l全体に亘って設けられており、第2電極層16の縦方向lに延びた縁に沿って形成されている。
フィンガー電極22は、上記したようにバスバー電極21から横方向sに向かって延伸しており、第2給電領域28から第1発光領域25に跨がって形成されている。本実施形態では、図5のように第2電極層16の横方向s全体に亘って設けられている。
また、フィンガー電極22は、図5のようにバスバー電極21から縦方向lに所定の間隔を空けて複数形成されており、縦方向lに隣接するフィンガー電極22間の距離は0.5mm以上10mm以下であることが好ましく、1mm以上5mm以下であることがより好ましい。
隣接するフィンガー電極22,22間の距離が0.5mm未満になると、フィンガー電極22が密集しすぎて、有機ELパネル2,3から発生する光が十分に取り出せず、光取り出し効率が著しく低下する虞があり、10mmより大きくなると、第2電極層16全体に均等に電流を流すことができず、第1有機ELパネル2内で輝度むらが発生するおそれがある。
フィンガー電極22及び第1基板12上に位置する第1無機封止層18は、図2のように第1発光領域25から第1給電領域27及び第2給電領域28の両領域に跨がって形成されている。
第1無機封止層18は、図2のように第2給電領域28において、第1電極分離溝29の部材厚方向の投影面上を超えて外側に延在しており、第1機能層15の横方向の端部まで至っている。しかし、第1無機封止層18は、第2給電領域28において、第2電極層16の横方向の端部まで至っていない。
給電部材17に対しては、第1無機封止層18は、図2のように、フィンガー電極22の全部又が大部分を被覆しているが、バスバー電極21の全部又は大部分を被覆していない。言い換えると、図4のようにバスバー電極21の全部又は大部分は、第1無機封止層18から露出している。
一方、第1給電領域27においては、第1無機封止層18は、図2のように第1機能層15及び第2電極層16の横方向の端部を超えて被覆しており、第1電極層13の第2張出部51と直接接触している。
しかし、第1電極層13の第2張出部51の大部分は、第1無機封止層18に被覆されていない。すなわち、図5のように、第2張出部51の大部分が第1無機封止層18から露出した第1露出部59が存在する。
続いて、第2有機ELパネル3に注目すると、第3電極層33は、図2のように第2機能層35から横方向に両側に張り出しており、第3張出部55と、第4張出部56を有している。
第3張出部55は、第2発光領域41から第3給電領域43に張り出した部位である。第3張出部55は、第2無機封止層38を超えて張り出しており、本実施形態では、第3張出部55の端部は、第2基板32の片側端部まで至っている。
第4張出部56は、第2発光領域41から第4給電領域44に張り出した部位である。本実施形態では、第4張出部56の端部は、第2基板32の他方側端部(第3張出部55と反対側端部)まで至っている。
第4張出部56は、図6のように第2発光領域41と第4給電領域44の境界部位に縦方向l全体に延伸した第3電極分離溝39が形成されている。言い換えると、第3電極分離溝39は、図2のように第2発光領域41と第4給電領域44を分離する溝であるともいえる。
第3電極層33上(下面側)に位置する第2機能層35は、図2のように第2発光領域41と第4給電領域44に跨がって形成されており、第3電極分離溝39を跨がって外側(端部側)まで延在している。また、第2機能層35は、第3電極分離溝39内に充填されており、第3電極分離溝39内を経由して第2基板32と直接接触している。そのため、第2発光領域41内の第3電極層33と第4給電領域44内の第3電極層33(第4張出部56)は、第2機能層35によって縁切りされている。
一方、第2機能層35は、第3給電領域43に至っていない。
第2機能層35上(下面側)に位置する第4電極層36は、図2のように第2発光領域41と第4給電領域44に跨がって形成されており、第4給電領域44において、第2機能層35の横方向の端部を超えて外側(端部側)まで延在している。本実施形態では、第4電極層36は、第2基板32の端部まで至っている。すなわち、第4給電領域44において、第4電極層36の第2機能層35からの延在部位は、第3電極層33上に直接接触しており、第3電極層33と第4電極層36が直接物理的に接続されている。
一方、第4電極層36は、第2機能層35と同様、第3給電領域43に至っていない。
第4電極層36及び第2基板32上(下面側)に位置する第2無機封止層38は、図2のように第2発光領域41から第3給電領域43及び第4給電領域44の両領域に跨がって形成されている。
第2無機封止層38は、第4給電領域44において、第3電極分離溝39の部材厚方向の投影面上を超えて外側に延在しており、第2機能層35の横方向sの端部まで至っている。しかし、第2無機封止層38は、第4給電領域44において、第4電極層36の横方向sの端部まで至っていない。すなわち、第4電極層36の一部は、図6のように、第2無機封止層38から露出した第3露出部61を形成している。
一方、第2無機封止層38は、図2のように、第3給電領域43において、第2機能層35及び第4電極層36の横方向の端部を超えて被覆しており、第3電極層33の第3張出部55と直接接触している。
しかし、第3電極層33の第3張出部55の大部分は、第2無機封止層38に被覆されていない。すなわち、第3給電領域43には、図6のように第3張出部55の大部分が第2無機封止層38から露出した第2露出部60が存在する。
続いて、有機ELモジュール1全体に注目すると、上記したように第1基板12と第2基板32が貼り合わせられている。すなわち、透明接着樹脂4を基準とすると、図3のように第1基板12の外側に第1有機EL素子20が積層されており、第2基板32の外側に第2有機EL素子40が積層されている。
第1有機ELパネル2の第1露出部59と第2有機ELパネル3の第2露出部60は、図2,図3のように第1基板12と第2基板32を挟んで対応する位置にあり、接続部材5を介して物理的に接続されている。具体的には、接続部材5は、表面(光取出面)の第1露出部59から第1基板12及び第2基板32の側面近傍を経由して裏側の面に位置する第2露出部60に接続している。
本実施形態では、接続部材5は、図1のように、縦方向lにおいて、第1露出部59の露出面、第1基板12及び第2基板32の側面、第2露出部60の露出面を全面被覆している。そのため、当該被覆部位においては、第1基板12及び第2基板32の面方向(第1基板12及び第2基板32の界面方向)に光が取り出されず、発光量のロスが少ない。
第1基板12を平面視すると、第1有機ELパネル2の第1発光領域25は、図2,図7のように、第2有機ELパネル3の第2発光領域41と重なっている。同様に、第1給電領域27は第3給電領域43と重なっており、第2給電領域28は第4給電領域44と重なっている。
すなわち、第1有機ELパネル2内での光取り出し部位は、第2有機ELパネル3内での光取り出し部位の部材厚方向の投影面上にある。
続いて、有機ELモジュール1に外部電源を接続した場合の電流の流れについて説明する。
図8に示される有機ELモジュール1は、外部電源の正極端子をバスバー電極21に接続し、外部電源の負極端子を第3露出部61に接続している。
まず、外部電源から供給された電流は、図8のようにバスバー電極21を介して各フィンガー電極22に伝わり、各フィンガー電極22によって面状に広がりをもって第2給電領域28から第1発光領域25内の第2電極層16に伝わる。第1発光領域25内の第2電極層16に伝わった電流は、第1機能層15及び金属薄膜層14を通過して第1電極層13に伝わる。このとき、第1機能層15に電圧が印加され、ホールと電子が再結合して、第1機能層15内の発光層が発光する。
第1発光領域25内の第1電極層13に伝わった電流は、第1給電領域27内の第1電極層13(第2張出部51)に伝わり、第1露出部59に至る。第1露出部59に伝わった電流は、第1露出部59から接続部材5を介して、裏側の第2有機ELパネル3の第2露出部60に伝わる。第2露出部60に伝わった電流は、第3電極層33内を拡散し第3給電領域43から第2発光領域41内の第3電極層33全体に伝わる。第2発光領域41内の第3電極層33に伝わった電流は、第2機能層35を通過して第4電極層36に伝わる。このとき、第2機能層35に電圧が印加され、ホールと電子が再結合して、第2機能層35内の発光層が発光する。
第2発光領域41内の第4電極層36に伝わった電流は、第4電極層36内で第2発光領域41から第4給電領域44に至り、第3露出部61に伝わる。そして、電流は、第3露出部61から外部電源に戻る。
続いて、有機ELモジュール1の点灯時の光路について説明する。
まず、第1有機ELパネル2から発せられる光について説明すると、第1機能層15で発生した光は、図9(a)の実線と破線で示されるように第1電極層13側と第2電極層16側に照射される。図9(a)の破線で示される第1電極層13側に照射された光は、第1電極層13、第1基板12、透明接着樹脂4、第2基板32、第3電極層33、第2機能層35がいずれも透光性を有しており、金属薄膜層14は光が透過する程度に薄いので、これらの各部位を通過し、第4電極層36に至る。第4電極層36に至った光は、第4電極層36の表面が鏡面となっているので、第1有機ELパネル2側に全反射する。そして、第2有機ELパネル3の第2機能層35、第3電極層33、第2基板32、透明接着樹脂4、及び、第1有機ELパネル2の各部位を透過し、第1有機ELパネル2の第2電極層16側から光が取り出される。
一方、図9(a)の実線で示される第2電極層16側に照射された光は、そのまま、第2電極層16側から光が取り出される。
このように、第1有機ELパネル2から発せられる光はほぼ全て第1有機ELパネル2の第2電極層16側から光が取り出される。
まず、第2有機ELパネル3から発せられる光について説明すると、第2機能層35で発生した光は、図9(b)の実線と破線で示されるように第3電極層33側と第4電極層36側に照射される。図9(b)の実線で示される第3電極層33側に照射された光は、第2有機ELパネル3の第3電極層33と第2基板32、透明接着樹脂4、及び、第1有機ELパネル2の各部位を通過して、第1有機ELパネル2の第2電極層16から取り出される。
一方、図9(b)の破線で示される第4電極層36側に照射された光は、第4電極層36の表面が鏡面となっているので、第1有機ELパネル2側に全反射する。そして、第2有機ELパネル3の第2機能層35と第3電極層33と第2基板32、透明接着樹脂4、第1有機ELパネル2を透過し、第1有機ELパネル2の第2電極層16側から光が取り出される。
このように、第2有機ELパネル3から発せられる光もほぼ全て第1有機ELパネル2の第2電極層16側から光が取り出される。
以上のように、有機ELモジュール1で発生する光のほぼ全てが第1有機ELパネル2の第2電極層16から照射されるので、有機ELパネル2,3の両方を白色の発光色を呈する有機ELパネルを使用したり、有機ELパネル2,3をそれぞれ異なる発光色を呈する有機ELパネルを組み合わせて、光を加色混合して白色発光させたりすることにより、輝度を向上させることができる。
また、本実施形態の有機ELモジュール1は、それぞれの有機ELパネル2,3を別の工程によって形成することができるので、製造効率を向上させることができる。
本実施形態の有機ELモジュール1は、図8のように、第1有機ELパネル2と第2有機ELパネル3が電気的に直列接続されている。さらに、第1有機ELパネル2に電流が供給される部位(バスバー電極21)と第2有機ELパネル3に電流が供給される部位(第4電極層36の第3露出部61)が部材厚方向に対向する位置にあり、かつ、バスバー電極21及び第3露出部61は、第1露出部59及び第2露出部と、第1発光領域25及び第2発光領域41を挟んで対向する位置にあるため、第1有機ELパネル2内での電流が流れる方向と第2有機ELパネル3内での電流が流れる方向が逆方向に流れることとなる。それ故に、第1有機ELパネル2から発せられる光の輝度むらと第2有機ELパネル3から発せられる光の輝度むらを互いに補完して、輝度を均一にすることができる。
本実施形態の有機ELモジュール1は、接続部材5を利用することにより第1有機ELパネル2と第2有機ELパネル3が電気的に直列接続されているため、一対の給電端子により外部から給電可能である。
本実施形態の有機ELモジュール1の有機ELパネル2,3は、従来の構成の有機ELパネルも使用できるため、汎用性が高く、コストを低減できる。
最後に、有機ELモジュール1の各層の構成について説明する。
第1基板12及び第2基板32は、透光性及び絶縁性を有したものであり、具体的には、ソーダ石灰ガラスや、無アルカリガラスなどが採用できる。
第1基板12及び第2基板32は、円形又は多角形状をしており、その中でも四角形であることが好ましい。本実施形態では、正方形状のガラス基板を採用している。
第1電極層13、第2電極層16、第3電極層33の材料は、光透過性及び導電性を有していれば、特に限定されるものではなく、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化錫(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)等の透明導電性酸化物などが採用される。第1機能層15又は第2機能層35内の発光層から発生した光を効果的に取り出せる点では、透明性が高いITOあるいはIZOが特に好ましい。本実施形態では、ITOを採用している。
また、第1電極層13、第2電極層16、第3電極層33はスパッタ法によって成膜されていることが好ましい。
第1機能層15は、第1電極層13と第2電極層16との間に設けられ、少なくとも一つの発光層を有している層である。第1機能層15は、主に有機化合物からなる複数の層から構成されている。
本実施形態の第1機能層15は、図2のように第2電極層16側から金属薄膜層14側に向かって正孔注入層65と、正孔輸送層66、発光層67、電子輸送層68、電子注入層69が積層されたものである。
正孔注入層65(金属酸化物層)は、正極(第2電極層16)から正孔を取り入れる層である。正孔注入層65としては、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン等の金属酸化物を採用できる。その中でも、本実施形態では、上記したように第2電極層16としてITOを採用しているので、効率良く正孔を注入する観点から正孔注入層65として酸化モリブデンを主成分とする金属酸化物を採用している。
正孔注入層65の平均膜厚は、1nm以上100nm以下であり、極めて薄い。そのため、光を透過することができる。
正孔輸送層66は、正孔注入層側から正孔を効率的に輸送しつつ、正極側(第2電極層16側)への電子の移動を制限する層である。
発光層67は、正孔輸送性又は電子輸送性の少なくとも1つの性質を有した発光層であって、電界を印加することにより、正孔輸送層66から流入する正孔と、電子輸送層68から流入する電子とが結合して発光性励起子が発生する層である。
電子輸送層68は、電子注入層69側から電子を効率的に輸送しつつ、負極(第1電極層13)側への正孔の移動を制限する層である。
電子注入層69は、金属薄膜層14から電子を取り入れる層である。
第2機能層35は、第3電極層33と第4電極層36との間に設けられ、少なくとも一つの発光層を有している層である。第2機能層35は、主に有機化合物からなる複数の層から構成されている。この第2機能層35は、一般的な有機EL装置に用いられている低分子系色素材料や、共役系高分子材料などの公知のもので形成することができる。また、この第2機能層35は、第1機能層15と同様、第3電極層33側から第4電極層36側に向かって、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などの複数の層からなる積層多層構造であってもよい。
金属薄膜層14は、第1電極層13から電子を取り入れる層である。
金属薄膜層14の材料は、電子伝導性を有していれば、特に限定されるものではなく、例えば銀(Ag)やアルミニウム(Al)などの金属が挙げられる。
本実施形態の金属薄膜層14は、銀を主成分とする金属(例えば、銀単体)によって形成されている。金属薄膜層14の電気伝導率(導電率)は、第1電極層13よりも大きい。
また金属薄膜層14の平均膜厚は3nm以上50nm以下となっており、極めて薄い。そのため、光を透過することができる。
第4電極層36の材料は、導電性を有していれば、特に限定されるものではなく、例えば銀(Ag)やアルミニウム(Al)などの金属が挙げられる。
本実施形態の第4電極層36は、Agによって形成されており、スパッタ法又は真空蒸着法によって形成されている。そのため、第4電極層36は、少なくとも第2機能層側が鏡面となっている。
また、第4電極層36の電気伝導率(導電率)は、第3電極層33よりも大きい。
第1無機封止層18は、第1有機EL素子20を封止する層であり、透光性及びガス非透過性を有している。第1無機封止層18としては、透光性及びガス非透過性を有していれば特に限定されるものではなく、公知の物質を使用できる。例えば、金属酸化物(M−O)、金属窒化物(M−N)、金属炭化物(M−C)などが採用できる。なお、Mは金属を表す。Si−N、Si−H、N−H等からなる窒化珪素や酸化珪素、および両者の中間固溶体である酸窒化珪素が好ましい。
第2無機封止層38は、第2有機EL素子40を封止する層であり、ガス非透過性を有している。すなわち、第2無機封止層38は、第1無機封止層18と異なり、透光性を有しないものも採用できる。第2無機封止層38としては、ガス非透過性を有していれば特に限定されるものではなく、公知の物質を使用できる。例えば、金属酸化物(M−O)、金属窒化物(M−N)、金属炭化物(M−C)などが採用できる。なお、Mは金属を表す。Si−N、Si−H、N−H等からなる窒化珪素や酸化珪素、および両者の中間固溶体である酸窒化珪素が好ましい。
上記した実施形態では、第1基板12及び第2基板32の界面全体に透明接着樹脂4を形成し貼り合わせたが、本発明はこれに限定するものではなく、図10(a)のように第1有機ELパネル2の第1非発光領域26及び第2有機ELパネル3の第2非発光領域42の重なり部位にのみに透明接着樹脂4を形成し貼り合わせてもよい。
上記した実施形態では、第1基板12及び第2基板32の界面全体に透明接着樹脂4を形成し貼り合わせたが、本発明はこれに限定されるものではなく、図10(b)のようにフレーム等の他の部材10によって第1基板12及び第2基板32を貼り合わせてもよい。
上記した実施形態では、接続部材5を第1基板12及び第2基板32の側面に沿って設置したが、本発明はこれに限定されるものではなく、接続部材5は、第1有機ELパネル2及び第2有機ELパネル3の側面の近傍を経由していればよい。例えば、図11のように第1基板12及び第2基板32の側面から少し離れていてもよいし、図12のように第1基板12及び第2基板32に開口を設けてその開口内に接続部材5を通過させてもよい。
1 有機ELモジュール
2 第1有機ELパネル
3 第2有機ELパネル
4 透明接着樹脂(透明樹脂)
5 接続部材
12 第1基板
13 第1電極層
14 金属薄膜層
15 第1機能層(第1有機発光層)
16 第2電極層
20 第1有機EL素子(第1積層体)
22 フィンガー電極
25 第1発光領域
32 第2基板
33 第3電極層
35 第2機能層(第2有機発光層)
36 第4電極層
40 第2有機EL素子(第2積層体)
41 第2発光領域
65 正孔注入層(金属酸化物層)

Claims (9)

  1. 第1基板の表面上に第1電極層と、第1有機発光層と、第2電極層を備えた第1積層体を有する第1有機ELパネルと、第2基板の表面上に第3電極層と、第2有機発光層と、第4電極層を備えた第2積層体を有する第2有機ELパネルを備えた有機ELモジュールにおいて、
    前記第1有機ELパネルは、第2電極層側から光を取り出すトップエミッション型有機ELパネルであって、第1基板と第1電極層と第2電極層のいずれもが透光性を有しており、
    前記第2有機ELパネルは、第2基板側から光を取り出すボトムエミッション型有機ELパネルであって、少なくとも第2基板と第3電極層が透光性を有しており、
    第1有機ELパネルと第2有機ELパネルは、第1基板の裏面と第2基板の裏面が対向し、且つ、第1有機ELパネルの点灯時に発光する発光領域と第2有機ELパネルの点灯時に発光する発光領域が積層方向に略一致するように重ねて一体化されており、
    第1有機ELパネルから発せられる光及び第2有機ELパネルから発せられる光を同一方向に照射可能であることを特徴とする有機ELモジュール。
  2. 前記第4電極層は、少なくとも第2有機発光層側の面が鏡面であることを特徴とする請求項1に記載の有機ELモジュール。
  3. 前記第1電極層は、第1積層体の負極を担うものであり、
    前記第3電極層は、第2積層体の正極を担うものであり、
    前記第1電極層と前記第3電極層は、第1有機ELパネル及び第2有機ELパネルの側面の近傍を経由して電気的に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機ELモジュール。
  4. 前記第1有機ELパネルは、前記第2電極層よりも導電率が大きなフィンガー電極を有しており、
    当該フィンガー電極は、第2電極層に接触し、前記第1有機ELパネルの側面側と対向する側面側に向かって延びていることを特徴とする請求項3に記載の有機ELモジュール。
  5. 前記第1有機ELパネルと前記第2有機ELパネルは、透明樹脂によって接着されており、
    前記透明樹脂の屈折率は、1.3以上1.5以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の有機ELモジュール。
  6. 第1有機ELパネルは、正孔注入性を有した金属酸化物層を有し、
    前記金属酸化物層は、前記第1有機発光層と第2電極層の間であって、第2電極層に直接接触しており、
    前記金属酸化物層の平均厚みは、1nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の有機ELモジュール。
  7. 前記金属酸化物層は、酸化モリブデンを含んでいることを特徴とする請求項6に記載の有機ELモジュール。
  8. 前記第1電極層と前記第1有機発光層との間に金属薄膜層が介在しており、
    前記金属薄膜層の平均層厚みは3nm以上50nm以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の有機ELモジュール。
  9. 前記金属薄膜層は、銀を含んでいることを特徴とする請求項8に記載の有機ELモジュール。
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