JP6106474B2 - 有機el装置 - Google Patents

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Description

本発明は、有機EL(Electro Luminescence)装置に関するものである。特にトップエミッション型有機EL装置に関するものである。
近年、白熱灯や蛍光灯に代わる照明装置として有機EL装置が注目され、多くの研究がなされている。
ここで、有機EL装置は、主に、支持基板上に有機EL素子を積層し、有機EL素子を封止する構造及び有機EL素子へ給電する構造を備えたものである。
また、有機EL素子は、一方又は双方が透光性を有する2つの電極を対向させ、この電極の間に有機化合物からなる発光層を積層したものである。有機EL装置は、電気的に励起された電子と正孔との再結合のエネルギーによって発光する。
有機EL装置は、自発光デバイスであり、発光層の材料を適宜選択することにより、種々の波長の光を発光させることができる。また、白熱灯や蛍光灯に比べて厚さが極めて薄く、且つ面状に発光するので、設置場所の制約が少ない。
また、有機EL装置は、支持基板側から有機EL素子で発生した光を取り出す、いわゆるボトムエミッションと称される有機EL装置と、支持基板と反対側から有機EL素子で発生した光を取り出す、いわゆるトップエミッションと称される有機EL装置がある。
トップエミッション型の有機EL装置は、ボトムエミッション型の有機EL装置に比べて、光の取出効率が高いという利点がある。
ところで、有機EL装置は、上記したように、有機EL素子への水分や酸素(以下、水等ともいう)の進入を防止するために有機EL素子を外部の雰囲気から遮断する封止構造を備えている。しかしながら、有機EL素子の封止機能が不十分な場合には、有機EL装置を長期間使用すると、ダークスポットと呼ばれる非発光点が発生する。このダークスポットについて詳説すると、有機EL素子の封止が不十分な場合、水等が封止構造内に進入し、有機EL素子が水等に晒された状態となる。この状態で使用(点灯)すると、有機EL素子を構成する電極あるいは電極界面付近の有機化合物層の一部が酸化され、表面に絶縁性の酸化被膜が形成される。この酸化被膜が形成されると、形成箇所は部分的に絶縁化されるため、点灯時に当該箇所が発光せず、ダークスポットが形成される。
すなわち、有機EL装置のダークスポットの形成を防止するためには、有機EL素子への水等の進入を確実に防止することが必要となる。
そこで、従来から、有機EL素子への水等の進入を防止するための封止構造を備えたトップエミッション型の有機EL装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2006−49057号公報
トップエミッション型の有機EL装置は、光取出面が支持基板と反対側から有機EL素子で発生した光を取り出すため、特許文献1の構造と同様、膜封止によって、有機EL素子を封止するためには、光取出側に封止層を形成する必要がある。
しかしながら、トップエミッション型の有機EL装置は、透光性を有した封止層しか使用できないため、材料が限られている。つまり、支持基板及び封止層の種類によっては、接合性が悪く、支持基板と封止層の接着強度が十分でない場合がある。
また、照明装置としてトップエミッション型の有機EL装置を使用した場合において、点灯及び消灯を繰り返すと発生する熱によって、各部材で熱膨張・熱収縮が生じる。封止層と支持基板間で、熱膨張係数が大きく異なる場合、封止層と支持基板との界面に隙間ができる場合もある。
すなわち、これらの場合には、封止層と支持基板との界面から水等が進入するおそれがあった。
そこで、本発明は、トップエミッション型の有機EL装置において、封止層と支持基板の相性に関わらず、従来に比べて封止性が高い有機EL装置を提供するものである。
上記の課題を解決するための請求項1に記載の発明は、金属電極基板上に有機発光層と透明電極層が積層した積層体を備えたトップエミッション型の有機EL装置において、前記金属電極基板は、金属板、金属板と金属電極層の積層構造、及び、絶縁基板と金属電極層の積層構造のいずれかによって形成されており、前記積層体の一部又は全部を封止する封止層を有し、当該封止層は前記積層体の大部分を覆うように積層し、封止層の一部が前記金属電極基板と直接接触しており、金属電極基板と封止層との界面を塞ぐように硬化性接着樹脂が被覆しており、金属電極基板を平面視すると、駆動時に発光する発光領域を有し、前記封止層は、前記発光領域内の積層体を封止する第2封止層を有し、当該第2封止層は、透光性を有するものであって、かつ、金属電極基板と封止部材との間に介在されて、封止部材との間に空間を形成しており、前記発光領域内の透明電極層上に直接接触する本体部を有した補助電極層を備え、当該本体部は、メッシュ状の部位であって、かつ、前記透明電極層よりも高い導電率を有するものであり、前記補助電極層の一部は、前記第2封止層に埋没されていることを特徴とする有機EL装置である。
すなわち、本発明は、金属電極基板上に有機発光層と透明電極層が積層した積層体を備えたトップエミッション型の有機EL装置において、前記金属電極基板は、金属板、金属板と金属電極層の積層構造、及び、絶縁基板と金属電極層の積層構造のいずれかによって形成されており、前記積層体の一部又は全部を封止する封止層を有し、当該封止層は、前記積層体を覆うように積層して、封止層の一部が前記金属電極基板と直接接触しており、金属電極基板と封止層との界面を塞ぐように硬化性接着樹脂が被覆している。
ここでいう「金属板」とは、薄膜ではなく、金属製の板状部材であって、自然環境下で変形しないものである。すなわち、所定の剛性があり、少なくとも100μm以上の平均厚みを有したものである。
ここでいう「金属電極層」とは、金属板に対して厚みが薄い薄膜である。すなわち、少なくとも100μm未満の平均厚みを有したものであり、蒸着金属膜や電気めっきや無電解めっきで形成した金属膜が好ましく採用できる。
「絶縁基板」とは、薄膜ではなく、絶縁性を有した板状部材であって、自然環境下で変形しないものである。
本発明の構成によれば、前記金属電極基板は、金属板、金属板と金属電極層の積層構造、及び、絶縁基板と金属電極層の積層構造のいずれかによって形成されている。すなわち、金属電極基板が金属基板によって形成されている場合には、金属板が電極として機能し、金属電極基板が金属板と金属電極層によって形成されている場合には、金属電極層が電極として機能し、金属電極基板が絶縁基板と金属電極層によって形成されている場合には、金属電極層が電極として機能する。
本発明の構成によれば、前記積層体上に封止層が積層されており、前記金属電極基板と封止層との界面を塞ぐように硬化性接着樹脂が被覆しているため、金属電極基板と封止層との界面の接着強度が小さくても、硬化性接着樹脂によって金属電極基板と封止層との界面からの水等の進入を防止でき、封止性が高く、十分な耐湿性を有する。それ故に、ダークスポットの発生と成長を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、有機発光層を基準として、前記封止層の外側に透光性及びガス非透過性を有した封止部材を有し、当該封止部材と前記金属電極基板は、前記硬化性接着樹脂によって接着されていることを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置である。
本発明の構成によれば、透光性及びガス非透過性を有する封止部材によって封止されているため、さらに封止機能が高い。また、金属電極基板と封止層の界面を覆う硬化性接着樹脂によって、金属電極基板に対して封止部材を接着しているため、部品点数が少なく、コストを低減できる。
請求項3に記載の発明は、陥入部を有した陥入部材を有し、当該陥入部は、少なくとも内側面を有した穴であって、内部に金属電極基板が設置されており、前記内側面と金属電極基板の端面との間には、前記硬化性接着樹脂が充填されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機EL装置である。
本発明の構成によれば、陥入部内に金属電極基板が収納されており、陥入部の内側面と金属電極基板との間に硬化性接着樹脂が充填されているため、より金属電極基板の主面方向に水等が進入しにくく、封止性が高く、十分な耐湿性を有する。それ故に、さらにダークスポットの発生と成長を抑制することができる。また、金属電極基板が陥入部材の陥入部内で位置ずれしにくい。
上記した発明は、金属電極基板を平面視すると、駆動時に発光する発光領域を有し、前記陥入部材は、発光領域内の透明電極層と電気的に接続された正極端子と、発光領域内の金属電極基板と電気的に接続された負極端子を備えていてもよい
の構成によれば、陥入部材は、発光領域内の透明電極層と電気的に接続された正極端子と、発光領域内の金属電極基板と電気的に接続された負極端子を備えているため、正極端子及び負極端子に給電することによって発光領域内の積層体に容易に給電することができる。
ところで、トップエミッション型の有機EL装置に使用される透明電極層は、一般的に透明導電性酸化物が使用されており、金属に比べて内部抵抗値が高い。そのため、抵抗損失が大きいという問題がある。
そこで、請求項に記載の発明は、金属電極基板を平面視すると、駆動時に発光する発光領域を有し、前記発光領域内の積層体を封止する第2封止層を有し、当該第2封止層は、透光性を有するものであって、かつ、金属電極基板と封止部材との間に介在されて、封止部材との間に空間を形成しており、前記発光領域内の透明電極層上に直接接触する本体部を有した補助電極層を備え、当該本体部は、メッシュ状の部位であって、かつ、前記透明電極層よりも高い導電率を有するものであり、前記補助電極層の一部は、前記第2封止層に埋没されている。
本発明の構成によれば、金属電極基板と封止部材との間に介在されている補助電極層の本体部はメッシュ状であり、かつ、第2封止層は、透光性を有するため、発光領域内の積層体から発せられる光を透過することが可能であり、有機EL装置全体の光取出をほとんど妨げない。また、当該本体部は、透明電極層よりも導電率が高く、透明電極層内の電気伝導を補助することが可能であるため、たとえ、透明電極層の内部抵抗が大きくても、抵抗損失を抑えることができる。
また、本発明の構成によれば、前記補助電極層の一部は、前記第2封止層に埋没されているため、ノイズ等が入りにくく、高信頼性の有機EL装置が実現できる。
請求項に記載の発明は前記積層体を複数有し、一の積層体の金属電極基板と他の積層体の金属電極基板は、対向するように配されており、前記一の積層体と他の積層体は、駆動時に互いに異なる方向に光が取り出されることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の有機EL装置である。
本発明の構成によれば、両面発光の有機EL装置となり、発光面積を2倍にすることができる。
本発明の有機EL装置によれば、金属電極基板と封止層の相性に関わらず、封止性が高い。
本発明の第1実施形態に係る有機EL装置の概念図である。 図1の有機EL装置の分解斜視図である。 図2の有機ELユニットの分解斜視図である。 図1の有機EL装置のA−A断面図である。 図1の有機EL装置のB−B断面図である。 図1の有機EL装置のC−C断面図である。 図2の有機ELユニットを別の方向からみた斜視図である。 図1の有機EL装置の各領域の説明図である。 図1の有機EL装置の製造工程を表す説明図であり、(a)は有機EL素子を形成した際の平面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。 図1の有機EL装置の製造工程を表す説明図であり、(a)は第1無機封止層を形成した際の平面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。 図1の有機EL装置の製造工程を表す説明図であり、(a)は補助電極層を形成した際の平面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。 図1の有機EL装置の製造工程を表す説明図であり、(a)は第2無機電極層を形成した際の平面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。 図1の有機EL装置の製造工程を表す説明図であり、(a)は有機ELユニットを回路基板に設置した際の平面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。 図1の有機EL装置の製造工程を表す説明図であり、(a)は有機ELユニットと回路基板をワイヤーボンディングで接続して取り付けた際の平面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。 図1の有機EL装置の製造工程を表す説明図であり、(a)は硬化性樹脂を塗布した際の平面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。 図1の有機EL装置の製造工程を表す説明図であり、(a)は封止部材で封止した際の平面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。 図1の有機EL装置に外部電源を接続した際の電流の流れを表す説明図であり、電流を矢印で表す。 図17の補助電極層内の電流の流れを表す説明図であり、電流を矢印で表す。 本発明の第2実施形態に係る有機EL装置の断面図である。 図19の有機EL装置の分解斜視図である。
本発明は、主に照明装置として使用される有機EL装置に係るものである。図1は、本発明の第1実施形態に係る有機EL装置1を示している。以下、上下左右の位置関係は、特に断りのない限り、図1の姿勢を基準に説明する。すなわち、有機EL装置1の点灯時における光取り出し側が上である。また、下記に記載する物性は、特に断りの無い限り、標準状態での物性を表し、図面は、理解を容易にするために全体的に実際の大きさ(長さ、幅、厚さ)に比べて誇張して描写していることがある。
本実施形態の有機EL装置1は、図1,図2のように有機ELユニット2を回路基板3の内部に収納して、封止部材4によって封止したものである。また、回路基板3と封止部材4は、図4のように硬化性接着樹脂21によって一体化されている。
本実施形態の有機EL装置1は、回路基板3と反対側、すなわち、封止部材側から光を取り出すトップエミッション型の有機EL装置である。
有機ELユニット2は、図3のように透光性を有した金属電極基板10の主面上に機能層11(有機発光層)、透明電極層12が積層されて有機EL素子15を形成しており、この有機EL素子15上に第1無機封止層16又は補助電極層17が積層し、さらにその上を第2無機封止層18が積層したものである。なお、以下の説明においては、第1無機封止層16と第2無機封止層18をまとめて無機封止層14(封止層)と呼ぶ。
また、有機ELユニット2と回路基板3は、図4のようにボンディングワイヤー19,20によって電気的に接続されている。このボンディングワイヤー19,20は、硬化性接着樹脂21によって、全部又はその大部分が埋没されている。
有機ELユニット2と封止部材4との間には、図4,図5,図6のように間隔維持部材6が配されており、有機ELユニット2と封止部材4の間には、発光空間7が形成されている。この発光空間7は、駆動時に有機ELユニット2から発せられる光が通過する空間である。発光空間7内には、窒素やアルゴンなどの不活性ガスが充填されている。
また、有機EL装置1は、図8のように、有機ELユニット2が位置するユニット領域40と、その外側の非ユニット領域41を有している。
ユニット領域40は、図8のように、有機ELユニット2が駆動時(点灯時)に実際に発光する発光領域42と、発光しない非発光領域43を有している。
発光領域42は、図4のように有機EL素子15が無機封止層14の一部たる第1無機封止層16から露出した領域であって、かつ、金属電極基板10と機能層11と透明電極層12が重畳した領域である。すなわち、実際に有機ELユニット2から光を取り出せる領域である。
非発光領域43は、発光領域42内の有機EL素子15の金属電極基板10に給電可能な第1内側給電領域44と、発光領域42内の有機EL素子15の透明電極層12に給電可能な第2内側給電領域45を有している。
非ユニット領域41は、外部電源と電気的に接続可能な領域であり、図4のように第1内側給電領域44と電気的に接続可能な第1外側給電領域46と、第2内側給電領域45と電気的に接続可能な第2外側給電領域47を有している。具体的には、第1外側給電領域46は、給電部材9が位置する領域であり、第2外側給電領域47は、給電部材8が位置する領域である。
各領域の位置関係について説明すると、ユニット領域40は、図8のように有機EL装置1の中央に位置し、非ユニット領域41は、ユニット領域40の周囲を囲むように位置している。また、ユニット領域40においては、図8のように中央に発光領域42が位置し、発光領域42の周囲を囲むように非発光領域43が位置している。第1内側給電領域44と第2内側給電領域45は、発光領域42を挟んで長さ方向lにおいて対向する関係となっている。
非ユニット領域41の第1外側給電領域46と第2外側給電領域47は、図8のようにユニット領域40を挟んで対向する関係となっている。
第1外側給電領域46は、発光領域42を基準として、第1内側給電領域44の外側に位置しており、第2外側給電領域47は、発光領域42を基準として、第2内側給電領域45の外側に位置している。
すなわち、有機EL装置1は、図8のように長さ方向lにおいて、片方側から第2外側給電領域47、第2内側給電領域45、発光領域42、第1内側給電領域44、第1外側給電領域46の順に並んでいる。
本実施形態の有機EL装置1は、図4のように有機ELユニット2の金属電極基板10と無機封止層14との界面に沿って硬化性接着樹脂21が形成されており、この硬化性接着樹脂21によって有機ELユニット2内の有機EL素子15への水等の進入を防止していることを特徴の一つとしている。
このことを踏まえて、以下、有機EL装置1の詳細な構造について説明する。
回路基板3は、図2のように陥入部材5と、給電部材8,9から形成されている。
陥入部材5は、上方が開放した箱状体であって、中央に有機ELユニット2を収納可能な陥入部25を有している。
陥入部25は、底面部26と、底面部26の各辺から上方に向かって延びた周壁部27,28,29,30から形成されている。見方を変えると、陥入部25は、厚み方向に延びた有底穴であるとも言える。
底面部26は、金属電極基板10の主面と相似形状をしており、具体的には、多角形状をしている。本実施形態では、四角形状をしている。陥入部25の底面積は、金属電極基板10の主面の面積よりも大きい。
周壁部27,28,29,30の内側面は、陥入部25の内壁を形成している。
陥入部材5の材質としては、絶縁性を有していれば特に限定されるものではなく、例えば、ガラス・エポキシ基板等が採用できる。
給電部材8,9は、外部電源に電気的に接続可能な部位であって、かつ、陥入部25の内部に設置される有機ELユニット2とボンディングワイヤー19,20を介して電気的に接続されている。すなわち、給電部材8,9は、外部からの給電端子として機能する部位である。
本実施形態では、給電部材8は、発光領域42内の透明電極層12と電気的に接続可能な正極端子を担い、給電部材9は、発光領域42内の金属電極基板10と電気的に接続可能な負極端子を担う。
給電部材8,9は、図2のように陥入部25以外の部位であって、陥入部材5の上面にそれぞれ設けられている。具体的には、給電部材8は、周壁部27の突出方向先端面に配されており,給電部材9は、周壁部29の突出方向先端面に配されている。すなわち、給電部材8,9は、陥入部25の底面部26と高さ方向に段差があり、給電部材8,9は、陥入部25の底面部26よりも高い位置(封止部材4側の位置)にある。
また、給電部材8,9は、陥入部材5の長さ方向lにおいて、陥入部25を挟んで対向している。
給電部材8,9は、導電性を有した箔状の部材である。給電部材8,9の材料は特に限定されるものではなく、例えば、銅箔、銀箔、金箔、白金箔、アルミニウム箔などの金属箔が使用できる。また、給電部材8,9は、ボンディングワイヤー20,19を物理的に接続可能となっている。
有機ELユニット2は、上記したように、金属電極基板10上に機能層11、透明電極層12が積層しており、図3のように、金属電極基板10が機能層11から張り出した張出部35,36を有している。張出部35は、長さ方向lに張り出した部位であり、張出部36は、幅方向wに張り出した部位である。そして、金属電極基板10は、図7のように、この張出部35の一部であって、無機封止層14から露出した第2電極パッド部60が存在する。
金属電極基板10は、電気伝導性を有した導電性基板であって、金属を含んだ基板である。具体的には、金属電極基板10は、金属板、金属板と金属電極層の積層構造、及び、絶縁基板と金属電極層の積層構造のいずれかによって形成されている。
金属基板及び金属電極層を構成する金属としては、特に限定されないが、例えば銀(Ag)やアルミニウム(Al)などの金属が挙げられる。
また、絶縁基板を構成するものしては、ソーダ石灰ガラスや無アルカリガラス製のガラス基板などが採用できる。
本実施形態の金属電極基板10は、図3のように、絶縁基板22上に金属電極層23が積層したものを採用している。勿論、機能層11側が金属電極層23である。
金属電極基板10は、面状に広がりをもっている。具体的には、多角形又は円形をしており、四角形であることが好ましい。本実施形態では金属電極基板10は、図3のように長方形状となっている。
機能層11は、図3のように金属電極基板10と透明電極層12との間に設けられ、少なくとも一つの発光層を有している層である。機能層11は、主に有機化合物からなる発光層を含んだ複数の層から構成されている。この機能層11は、一般的な有機EL装置に用いられている低分子系色素材料や、共役系高分子材料などの公知のもので形成することができる。また、この機能層11は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などの複数の層からなる積層多層構造であってもよい。
透明電極層12の材質は、透光性を有するものであって導電性を有していれば、特に限定されるものではなく、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化錫(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)等の透明導電性酸化物などが採用される。機能層11内の発光層から発生した光を効果的に取り出せる点では、透明性が高いITOあるいはIZOが特に好ましい。本実施形態では、ITOを採用している。
無機封止層14は、第1無機封止層16(第1封止層)と第2無機封止層18(第2封止層)から形成されている。
第1無機封止層16は、化学気相蒸着によって形成される層であり、具体的には、シランガスやアンモニアガス等を原料としてプラズマCVD法で成膜される層である。第1無機封止層16は、後述するように有機EL装置1の製造工程において、水分含量が少ない雰囲気下で、有機EL素子15の形成工程に連続して成膜できるため、空気や水蒸気に晒さずに成膜でき、使用直後の初期ダークスポットの発生を低減することができる。
第1無機封止層16の素材は、酸素、炭素、窒素の中から選ばれた1種類以上の元素と、ケイ素元素とからなるシリコン合金により形成されている。Si−O、Si−N、Si−H、N−H等の結合を含む窒化珪素や酸化珪素、及び両者の中間固溶体である酸窒化珪素であることが特に好ましい。
第2無機封止層18は、透光性を有しており、第2無機封止層18の屈折率は1.7以上2.1以下となっている。
第2無機封止層18は、Si、Al、In、Sn、Zn、Zr及びTiからなる群から選ばれる1種以上の元素と、O及びNからなる群から選ばれる1種以上の元素からなる化合物を主成分とするものであり、かつ、化学気相成長法又は原子層堆積法によって形成されるものである。
第2無機封止層18の導電性の有無は、特に限定されないが、補助電極層17の電気伝導を補助する観点から導電性があることが好ましい。
第2無機封止層18の光取出側(金属電極基板10と反対側)の表面は、図7のように複数の凸部24が形成されており、凸部24の高さ(高低差)Dは50nm以上500nm以下となっている。また、凸部24,24間の平均距離W(平均ピッチ)は、凸部24の高さDの2倍以上となっている。
また、第2無機封止層18の表面の凸部24は、設計等によって形成してもよいが、本実施形態では、上記した製造法によって形成されるため、第2無機封止層18の表面は自形によって形成できる。
補助電極層17は、図3のように本体部50と、第1電極パッド部51と、補助パッド部52,53,54から形成されている。
本体部50は、メッシュ状の部位であり、互いに交差(直交)した横導電部55と縦導電部56から形成されている。
横導電部55は、図3のように幅方向wに延びた長尺状の部位であり、幅方向wにおける透明電極層12の電気伝導を補助する部位である。
縦導電部56は、図3のように長さ方向lに延びた長尺状の部位であり、長さ方向lにおける透明電極層12の電気伝導を補助する部位である。
第1電極パッド部51は、幅方向wに延びた箔状の部位であり、幅方向wに並設した各縦導電部56のそれぞれの端部を接続する部位である。
補助パッド部52,53は、長さ方向lに延びた箔状の部位であり、長さ方向lに並設した各横導電部55のそれぞれの端部を接続する部位である。
補助パッド部54は、幅方向wに延びた箔状の部位であり、幅方向wに並設した各縦導電部56のそれぞれの端部を接続する部位である。
第1電極パッド部51の両端部は、補助パッド部52,53と物理的に接続されている。すなわち、補助パッド部52,53は、幅方向wにおいて、本体部50を挟んで対向する関係となっており、互いに平行となっている。
補助パッド部52,53の一方端部は、第1電極パッド部51と物理的に接続されており、もう一方の端部近傍は、補助パッド部54と物理的に接続されている。すなわち、第1電極パッド部51及び補助パッド部54は、長さ方向lにおいて、本体部50を挟んで対向する関係となっており、互いに平行となっている。
このように、第1電極パッド部51及び補助パッド部52,53,54は本体部50を囲むように形成されている。
第1電極パッド部51及び補助パッド部52,53,54の断面積は、いずれも本体部50の横導電部55及び縦導電部56の断面積よりも大きい。すなわち、第1電極パッド部51及び補助パッド部54は、横導電部55よりも電流を流しやすく、補助パッド部52,53は、縦導電部56よりも電流を流しやすい。
第1電極パッド部51は、図2のように、有機ELユニット2を組み立てた状態において、第2無機封止層18から補助電極層17の第1電極パッド部51が露出した露出部57を有している。露出部57は、幅方向に延びている。
補助電極層17の材質は、透明電極層12よりも高い導電率を有していれば、特に限定されるものではなく、例えば、銅、銀、金、アルミニウム、真鍮などを採用できる。
ボンディングワイヤー19,20は、電気伝導性を有した線状体である。ボンディングワイヤー19,20は、例えば、銅、金、アルミニウムから選ばれる1種以上の材料を含んでいるものが採用できる。
ボンディングワイヤー19,20の直径は、50μm以上200μm以下であることが好ましい。
ボンディングワイヤー19,20の直径が50μm未満になると、細すぎて、十分に電気を導電できない場合がある。200μmより大きくなると、太すぎて、陥入部材5と封止部材4の間の隙間が大きくなりすぎ、封止機能が低下するおそれがある。
硬化性接着樹脂21は、防水性及び接着性を有しており、複数部材を互いに接着可能な接着材である。具体的には、硬化性接着樹脂21は、有機ELユニット2と回路基板3と封止部材4を一体化する接着材である。
JIS K 6253に準じた硬化性接着樹脂21のショア硬さ(及び対応する曲げ弾性率の概算値)は、ショアA80以上、すなわち、ショアD30以上(25MPa以上)であることが好ましく、より高信頼性の有機EL装置とする観点からショアD55以上(250MPa以上)、ショアD95以下(6000MPa以下)とすることがより好ましく、ショアD80以上(1500MPa以上)、ショアD90以下(4000MPa以下)とすることがさらに好ましい。
硬化性接着樹脂21の具体的な材質としては、熱硬化性樹脂又はUV硬化性樹脂で形成されており、溶液又はゲル状の流動体を固化して形成されるものである。
なお、本実施形態では、硬化性接着樹脂21は、熱硬化性樹脂で形成されており、その中でも、エポキシ樹脂を採用している。
封止部材4は、透光性、絶縁性、及びガス非透過性を有した板状体である。
封止部材4の材質としては、透光性、絶縁性、及びガス非透過性を有していれば特に限定されるものではなく、例えば、ガラス基板等が採用できる。
間隔維持部材6は、有機ELユニット2と封止部材4との間に空間を形成する部材であり、いわゆるスペーサーである。間隔維持部材6の形状は、取り付け時に発光領域42内にはみ出さない形状であれば、特に限定されないが、本実施形態では、球状体である。
間隔維持部材6は、絶縁性を有している。
続いて、有機EL装置1の各部材の位置関係について説明する。
有機EL装置1は、図4,図5,図6のように、陥入部材5の陥入部25の内部に有機ELユニット2が収納されており、硬化性接着樹脂21を介して、封止部材4によって密閉されている。陥入部25の底面部26には、有機ELユニット2の金属電極基板10が載置されており、封止部材4には、間隔維持部材6が当接している。すなわち、陥入部材5と封止部材4によって、有機ELユニット2と間隔維持部材6は挟持されている。
金属電極基板10の張出部35,36のうち、第2電極パッド部60では、図4のように、硬化性接着樹脂21が直接接触しており、第2電極パッド部60以外の部位では、図2のように第1無機封止層16が直接接触している。
幅方向の断面について注目すると、有機ELユニット2は、図6のように、非発光領域43において、金属電極基板10上に第1無機封止層16と第2無機封止層18が積層した第1積層構造が位置している。有機ELユニット2は、図6のように、発光領域42において、金属電極基板10上に機能層11と透明電極層12と第2無機封止層18が積層した第2積層構造が位置している。すなわち、有機ELユニット2は、発光領域42と非発光領域43において断面構造が異なる。
補助電極層17の本体部50は、図5のように発光領域42及び非発光領域43に跨がって載置されており、発光領域42内で透明電極層12と直接接触しており、非発光領域43内で第1無機封止層16と直接接触している。
また、補助電極層17の本体部50は、図5のように非発光領域43内で第1無機封止層16と第2無機封止層18に挟まれている。補助電極層17の補助パッド部52,53,54は、図5,図6のように非発光領域43に位置しており、非発光領域43内で第1無機封止層16と第2無機封止層18に挟まれている。補助電極層17の第1電極パッド部51は、図4,図5のように、非発光領域43に位置しており、第1無機封止層16と直接接触しているが、第1電極パッド部51の全部又は大部分が第2無機封止層18には被覆されていない。
ボンディングワイヤー19は、図4のように第2内側給電領域45と第2外側給電領域47に跨がって形成されており、有機ELユニット2の第1電極パッド部51と回路基板3の給電部材8を直接接続している。
ボンディングワイヤー19は、図4のように給電部材8と接触するように陥入部材5の上面(周壁部27の突出方向先端面)と封止部材4の下面によって挟持されており、その状態で硬化性接着樹脂21によって固定されている。すなわち、給電部材8、ボンディングワイヤー19、及び硬化性接着樹脂21のそれぞれの少なくとも一部が、陥入部材5及び封止部材4によって挟持されている。
ボンディングワイヤー20は、図4のように第1内側給電領域44と第1外側給電領域46に跨がって形成されており、有機ELユニット2の第2電極パッド部60と回路基板3の給電部材9を直接接続している。
ボンディングワイヤー20は、図4のように給電部材9と接触するように陥入部材5の上面(周壁部29の突出方向先端面)と封止部材4の下面によって挟持されており、その状態で硬化性接着樹脂21によって固定されている。すなわち、給電部材9、ボンディングワイヤー20、及び硬化性接着樹脂21のそれぞれの少なくとも一部が、陥入部材5及び封止部材4によって挟持されている。
硬化性接着樹脂21は、図4,図15のように、発光領域42を含む領域を囲むように設けられており、非発光領域43から非ユニット領域41に跨がって形成されている。また硬化性接着樹脂21は、陥入部材5の陥入部25と有機ELユニット2に跨って被覆している。すなわち、硬化性接着樹脂21は、陥入部25の底面部26の上面(陥入部25側の面)であって、有機ELユニット2の載置面以外の部位を被覆している。また、硬化性接着樹脂21は、図4,図6,図15のように、陥入部25の周壁部27,28,29,30のそれぞれの内側面と、有機ELユニット2における金属電極基板10と第1無機封止層16のそれぞれの端面の間の隙間を充填している。言い換えると、硬化性接着樹脂21は、金属電極基板10及び第1無機封止層16の縁に沿って囲むように設けられており、金属電極基板10と第1無機封止層16の界面を覆っている。
間隔維持部材6は、図4のように、有機ELユニット2及び封止部材4と接触しており、有機ELユニット2と封止部材4の間隔を所定の間隔になるように支持している。そして、間隔維持部材6は、支持した状態において、その一部が硬化性接着樹脂21内に埋没しており、位置決めされている。
次に、本実施形態に係る有機EL装置1の製造方法について説明する。
有機EL装置1は、図示しない真空蒸着装置及びCVD装置によって成膜し、図示しないパターニング装置(本実施形態では、レーザースクライブ装置)を使用してパターニングを行い、製造される。
まず、有機ELユニット2を形成する有機EL素子形成工程を行う。
具体的には、真空蒸着装置によって、金属電極基板10に電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層などを順次積層し、機能層11を成膜し、その後、スパッタ装置又はCVD装置によって、図9のように、この基板(金属電極基板10に機能層11が積層した基板)に透明電極層12を成膜する。
このとき、金属電極基板10は、図3に示される機能層11が張り出した張出部35,36を形成している。言い換えると、この金属電極基板10の張出部35,36は、透明電極層12に覆われておらず、外部に露出している。
続いて、無機封止層14を形成する無機封止層積層工程を行う。
まず、有機ELユニット2の上面(光取出側面)の一部をマスクで覆い、CVD装置によって、図10のように第1無機封止層16を成膜する。
このとき、第1無機封止層16は、非発光領域43内の有機EL素子15を覆っているが、発光領域42内の有機EL素子15を覆っていない。すなわち、第1無機封止層16は、発光領域42内の有機EL素子15の周囲を囲むような開口37を形成しており、当該開口37から透明電極層12が露出している。
その後、第1無機封止層16が積層された有機ELユニット2に、図11のように、補助電極層17を載置する。
このとき、第1電極パッド部51及び補助パッド部52,53,54は、いずれも第1無機封止層16上に設けられている。本体部50は、開口37から露出した透明電極層12と、その周りを囲む第1無機封止層16に跨がって設けられている。また、本体部50の横導電部55及び縦導電部56の隙間から透明電極層12が露出している。
金属電極基板10の第2電極パッド部60は、補助電極層17から露出している。
その後、補助電極層17が設置された有機ELユニット2に、図12のように、CVD装置によって、第2無機封止層18を積層する。
このとき、補助電極層17の大部分が第2無機封止層18によって被覆されている。具体的には、補助電極層17のうち、第1電極パッド部51の一部が露出して露出部57を形成しており、その他の部位は、被覆されている。また、金属電極基板10の第2電極パッド部60は、第2無機封止層18から露出している。
以上が、無機封止層積層工程である。
続いて、図13のように、陥入部材5の陥入部25内に有機ELユニット2を設置する。
このとき、陥入部25の底面部26に金属電極基板10が載置されており、面方向(縦方向及び横方向)において、金属電極基板10と、陥入部25の周壁部27,28,29,30のそれぞれの内側面の間に隙間が形成されている。
その後、図14のように、補助電極層17の第1電極パッド部51と給電部材8をボンディングワイヤー19によって接着し、金属電極基板10の第2電極パッド部60と給電部材9をボンディングワイヤー20によって接着する。
このとき、第1電極パッド部51と給電部材8は、ボンディングワイヤー19によって電気的に接続されており、第2電極パッド部60と給電部材9は、ボンディングワイヤー20によって電気的に接続されている。ボンディングワイヤー19,20は、各部材との接続点以外は、接触していない。
その後、図15のように、陥入部材5と有機ELユニット2に、硬化性接着樹脂21の原料をディスペンサーによって塗布し、図16のように、間隔維持部材6を設置した上で、封止部材4を取り付ける。そして、所定の温度T1下において硬化性接着樹脂21の原料を乾燥/硬化させることによって封止する。
このとき、非発光領域43内の有機ELユニット2の大部分は、硬化性接着樹脂21が被覆している。ボンディングワイヤー19,20は、全体が埋没しており、各部材との接続点以外は、接触していない状態となっている。また、給電部材8,9も大部分が硬化性接着樹脂21によって被覆されており、ボンディングワイヤー19,20との接続点も被覆されている。
また、このときの所定の温度T1は、硬化性接着樹脂21が硬化する温度であり、摂氏60度以上摂氏100度以下となっている。
摂氏60度未満になると、十分に硬化性接着樹脂21内の水分が蒸発せず、内部に水分が残るおそれがある。また、硬化性接着樹脂21を硬化させるのに時間がかかり、製造効率が低下するおそれがある。摂氏100度より高くなると、温度が高すぎて、有機EL素子15に悪影響を及ぼすおそれがある。
封止部材4の端面は、幅方向及び長さ方向において、陥入部材5の端面と面一となっている。
このようにして、有機EL装置1が完成する。
続いて、有機EL装置1に外部電源を接続した場合の電流の流れについて説明する。
なお、ここでの説明では、図17のように、給電部材8に外部電源の正極を取り付け、給電部材9に外部電源の負極を取り付けた場合について説明する。
外部電源から給電部材8に伝わった電流は、図17のようにボンディングワイヤー19を介して補助電極層17の第1電極パッド部51に伝わる。第1電極パッド部51に伝わった電流は、補助電極層17全体に拡散されて、発光領域42内の透明電極層12に伝わる。
このとき、図18のように、補助電極層17の本体部50内の電気伝導を補助パッド部52,53,54によって補助されており、本体部50全体が均一に同電位となっている。そのため、発光領域42内の透明電極層12に均等に電流が伝わる。
発光領域42内の透明電極層12に伝わった電流は、図17のように、発光領域42内で機能層11を通過し金属電極基板10まで至る。このとき、機能層11に電圧がかかり、機能層11内の発光層が発光する。このとき、上記したように電流が均等に拡散した状態で透明電極層12を通過しているため、機能層11内の発光層に均等に電圧が加わり、輝度むらなく発光する。
発光領域42内の金属電極基板10に至った電流は、発光領域42内の金属電極基板10から第1内側給電領域44内の第2電極パッド部60からボンディングワイヤー20を介して給電部材9に伝わり、外部電源に戻る。
本実施形態の有機EL装置1は、第1無機封止層16と金属電極基板10との界面上に、硬化性接着樹脂21が被覆しており、当該界面に沿って被覆しているため、第1無機封止層16と金属電極基板10の界面からの水等の進入を防止することができる。
本実施形態の有機EL装置1は、横方向wにおいて、補助パッド部52,53が縦導電部56の電気伝導を補助しており、縦方向lにおいて、補助パッド部54が横導電部55の電気伝導を補助しているため、補助電極層17の隅々まで電気が行き渡って、面内にムラなく透明電極層12に伝わるので、輝度むらを少なくすることができる。
上記した実施形態では、箱状の陥入部材5に1つの有機ELユニット2を設置したが、本発明はこれに限定されるものではなく、陥入部材内に複数の有機ELユニット2を設置してもよい。具体的には、以下に、第2実施形態として説明する。なお、第1実施形態と同様のものは同じ符番を付して説明を省略する。
第2実施形態の係る有機EL装置100は、図19,図20のように、回路基板101内に2つの有機ELユニット2が内蔵され、2枚の封止部材4で封止されたものである。
有機EL装置100は、各有機ELユニット2の金属電極基板10を対向するように重ね合わせられており、各有機ELユニット2の駆動時における光取出方向が互いに逆方向を向いている。すなわち、下方向及び上方向の両方に光が取り出される。そのため、発光面積が2倍となり、発光量を増やすことができる。
回路基板101は、回路基板3と陥入部材の形状が異なる。具体的には、回路基板101の陥入部材102は、筒状をしている。
第2実施形態の係る有機EL装置100は、厚み方向の両外側に光を取り出すことができるため、全体としての発光面積を増やすことができる。
上記した実施形態では、給電部材8,9と陥入部材5が別部材であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、一体ものであってもよい。
上記した実施形態では、封止部材4は全体が透光性を有する同一の材質によって形成されていたが、少なくとも発光領域42において透光性を有していればよいので、その他の領域は、必ずしも透光性を有する必要はない。
上記した実施形態では、第1無機封止層と第2無機封止層を別材料で形成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、同一材料によって形成してもよい。
1,100 有機EL装置
2 有機ELユニット
3,101 回路基板
4 封止部材
5,102 陥入部材
8 給電部材(正極端子)
9 給電部材(負極端子)
10 金属電極基板
11 機能層(有機発光層)
12 透明電極層
14 無機封止層(封止層)
15 有機EL素子(積層体)
17 補助電極層
18 第2無機封止層(封止層,第2封止層)
21 硬化性接着樹脂
22 絶縁基板
23 金属電極層
25 陥入部
27,28,29,30 周壁部(内側面)
42 発光領域
50 本体部

Claims (4)

  1. 金属電極基板上に有機発光層と透明電極層が積層した積層体を備えたトップエミッション型の有機EL装置において、
    前記金属電極基板は、金属板、金属板と金属電極層の積層構造、及び、絶縁基板と金属電極層の積層構造のいずれかによって形成されており、
    前記積層体の一部又は全部を封止する封止層を有し、
    当該封止層は前記積層体の大部分を覆うように積層し、封止層の一部が前記金属電極基板と直接接触しており、
    金属電極基板と封止層との界面を塞ぐように硬化性接着樹脂が被覆しており、
    金属電極基板を平面視すると、駆動時に発光する発光領域を有し、
    前記封止層は、前記発光領域内の積層体を封止する第2封止層を有し、
    当該第2封止層は、透光性を有するものであって、かつ、金属電極基板と封止部材との間に介在されて、封止部材との間に空間を形成しており、
    前記発光領域内の透明電極層上に直接接触する本体部を有した補助電極層を備え、
    当該本体部は、メッシュ状の部位であって、かつ、前記透明電極層よりも高い導電率を有するものであり、
    前記補助電極層の一部は、前記第2封止層に埋没されていることを特徴とする有機EL装置。
  2. 有機発光層を基準として、前記封止層の外側に透光性及びガス非透過性を有した封止部材を有し、
    当該封止部材と前記金属電極基板は、前記硬化性接着樹脂によって接着されていることを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置。
  3. 陥入部を有した陥入部材を有し、
    当該陥入部は、少なくとも内側面を有した穴であって、内部に金属電極基板が設置されており、
    前記内側面と金属電極基板の端面との間には、前記硬化性接着樹脂が充填されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機EL装置。
  4. 前記積層体を複数有し、
    一の積層体の金属電極基板と他の積層体の金属電極基板は、対向するように配されており、
    前記一の積層体と他の積層体は、駆動時に互いに異なる方向に光が取り出されることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の有機EL装置。
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