JP2013212624A - 洗浄方法および洗浄装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インク供給路を洗浄した直後であっても、再充填したインクの高い吐出安定性を確保する。
【解決手段】インクカートリッジからインクが供給される記録装置におけるインク供給路の洗浄方法であって、上記インクの洗浄作用を有する洗浄液Aおよび気体の気液混合体を上記インク供給路に供給して洗浄する第1洗浄工程と、上記第1洗浄工程後に抑気泡作用を有する洗浄液Bを上記インク供給路に供給して洗浄する第2洗浄工程と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、インクジェット記録装置に適した洗浄方法および洗浄装置に関する。
インクジェット記録装置は、カートリッジホルダおよび記録ヘッドを備え、カートリッジに装着されたインクカートリッジからインク供給路を経て記録ヘッドにインクが供給され、紙などの被記録媒体に画像を形成するための印刷データに対応して記録ヘッドからインク滴を吐出するように構成されている。
このようなインクジェット記録装置では、製品出荷前においては印字テストが実行されることによりインク供給路にインクが残留する。インク供給路にインクが残留したまま長時間放置すると、記録ヘッドにインクの目詰まりを発生させるなどの問題が発生し得る。
インク供給路からインクを除去するために、製品出荷前の印字テストが終了した時点でカートリッジホルダから記録ヘッドに至るインク供給路を洗浄する操作を実行してから、出荷するようにしている。インク供給路の洗浄は、洗浄液が封入された洗浄液カートリッジをカートリッジホルダに装着し、または、洗浄液が供給されるチューブをカートリッジホルダに接続して、洗浄液をインク供給路に導入することで実行される。
近年の大型なインクジェット記録装置では、カートリッジホルダから記録ヘッドに至るインク供給路が比較的長くなっているため、洗浄効率を向上させことが必要となっている。洗浄効率を向上させる方法として、インク供給路に導入する洗浄液に空気を混入させて洗浄作用を強くする洗浄方法が提案されている。例えば、特開2003−211702号公報(特許文献1)には、洗浄液に対して空気が混入された混入体を連続して生成することができる混入体生成ユニットと、混入体生成ユニットより生成された洗浄液に対する空気の混入体を記録装置のインク供給路に導入するようにした洗浄方法が記載されている(段落0009)。また、特開2010−228297号公報(特許文献2)には、洗浄液と気体とを混合して気液二相剤を生成する気液二相剤生成手段と、インク供給管のインクが流れる方向の上流側端部に接続され、気液二相剤生成手段によって生成された気液二相剤をインク供給管に供給する気液二相剤供給手段とを備えた洗浄ユニットが記載されている(段落0008)。
特開2003−211702号公報 特開2010−228297号公報
特許文献1および特許文献2に記載されたような洗浄方法では、洗浄後に、気体が混合された洗浄液(以下「気液混合体」という。)がインク供給路に残留する。この状態で記録装置が出荷されると、ユーザがインクカートリッジを装着してインクを再充填する際に、洗浄液に含まれていた気泡がインクへ混入してしまう可能性があった。気泡が混入したインクで印刷すると、インクの吐出時に圧力損失が生じるため、インク滴の飛行曲がりやインク滴が吐出不全によるインクドットの抜け等の不良を招く可能性がある。
そこで本発明は、インク供給路を洗浄した直後であっても、再充填したインクの高い吐出安定性を確保することができる洗浄方法およびインクジェット記録装置を提供することを目的の一つとする。
本願発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した。特定の洗浄液に気泡を抑制させる機能があることを利用することに想到し、インク供給路に残留する気液混合体から気泡を除去することができる洗浄方法およびそのための装置の構成を考案するに至った。
(1)上記課題を解決するための本発明の洗浄方法は、インクカートリッジからインクが供給される記録装置におけるインク供給路の洗浄方法であって、上記インクの洗浄作用を有する洗浄液Aおよび気体の気液混合体を上記インク供給路に供給して洗浄する第1洗浄工程と、上記第1洗浄工程後に抑気泡作用を有する洗浄液Bを上記インク供給路に供給して洗浄する第2洗浄工程と、を備えることを特徴としている。
また上記課題を解決するための本発明の洗浄装置は、インクカートリッジからインクが供給される記録装置のためのインク供給路の洗浄装置であって、上記インクの洗浄作用を有する洗浄液Aと気体とを混合して気液混合体を生成する気液混合体生成手段と、上記気液混合体または抑気泡作用を有する洗浄液Bのいずれかを選択して上記インク供給路に導入する選択部と、を備え、上記選択部は、上記気液混合体を上記インク供給路に供給して上記インク供給路を洗浄した後に、上記洗浄液Bを上記インク供給路に導入するように構成されている。
本発明によれば、洗浄液および気体の気液混合体によるインク供給路の効果的な洗浄の後に、抑気泡作用を有する洗浄液Bがインク供給路に供給されるので、インク供給路に残留している気液混合体から気泡を効率的に除去することができる。そのため、その後のインク再充填時に、残留した気泡に起因する吐出不全の発生を未然に防止し、高い吐出安定性を確保することができる。
本発明は、所望により、以下の特徴を含むことができる。
(2)上記洗浄液Bは、HLB値6以下の界面活性剤を消泡剤として含む、(1)に記載の洗浄方法。
(3)上記洗浄液Bは、窒素の溶存量が10ppm以下に調整されている、(1)または(2)に記載の洗浄方法。
(4)上記洗浄液Aとして上記洗浄液Bを用いる、(1)〜(3)のいずれかに記載の洗浄方法。
(5)上記洗浄液Bは、20℃における粘度が2〜8mPa・sとなるように調整されている、(1)〜(4)のいずれかに記載の洗浄方法。
(6)上記洗浄液Bを0.1mL/(秒・mm2)以上の流速で導入する、(1)〜(5)のいずれかに記載の洗浄方法。
(7)上記第1洗浄工程において、上記気液混合体は、上記インク供給路へ導入可能に構成された接続手段により導入される、(1)〜(6)のいずれかに記載の洗浄方法。
(8)インクカートリッジからインクが供給されるインク供給路の洗浄方法であって、(1)〜(7)のいずれかに記載の洗浄方法における上記洗浄液Bである、洗浄液。
本発明の各実施形態で使用可能な記録装置の概略構成図。 本発明の実施形態1における記録装置および洗浄装置の接続構成図。 本発明の実施形態1における洗浄装置の構成図。 本発明の実施形態2における洗浄装置の構成図。 本発明の実施形態3における洗浄装置の構成図。 本発明の実施形態4における洗浄装置の構成図。 本発明の実施形態5における洗浄装置の構成図。 本発明の実施形態6における洗浄装置の構成図。
以下に本発明の実施形態の例を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものである。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
また以下の実施形態は、例示に過ぎず、本発明の有する技術的範囲を限定するものと解されるべきではない。本発明の課題を解決し、本発明の作用効果を奏するその他の態様についても、本願発明を種々に変形して適用することが可能である。
(定義)
本願明細書で使用される用語を以下のとおり定義する。
「気液混合体」とは、積極的に気体を気泡等の形態で混入させた洗浄液をいい、洗浄液と気体とを混合する方法に限定されないものである。洗浄液の組成にも気体の組成にも特に限定されない。
「抑気泡作用」とは、液体に混合されている気泡を減少させる作用をいう。気泡の含有量を減少させる作用があればよく、気泡を完全に除去できなくてもよい。
「HLB値」とは、Hydrophile-Lipophile Balanceの略であって、界面活性剤の水と不溶性の有機化合物との親和性の程度を表す、親水親油バランスのことをいう。
「消泡剤」とは、抑気泡作用を有する組成物を含み、HLB値が6以下の界面活性剤が典型的な例である。
<実施形態1>
本発明の実施形態1は、フロート部材を利用した気液混合体生成装置の一例に関する。
(1.記録装置の構成)
以下に説明するインクジェット記録装置の構成は、後述する各実施形態において説明する洗浄装置を接続して本発明の洗浄方法を適用することが可能に構成されている。但し、本発明の洗浄方法および洗浄装置は、以下のインクジェット記録装置の構成に限定されず、インクカートリッジよりインク供給路を介してインクを供給可能に構成された記録装置全般に適用可能である。
図1は、実施形態に係るインクジェット記録装置の概略的な構成を示す平面図である。図1に示すように、本実施形態のインクジェット記録装置100は、キャリッジ1、キャリッジモータ2、タイミングベルト3、ガイド部材4、紙送り部材5、カートリッジホルダ8、キャッピング部材11、およびワイピング部材12を備えている。
キャリッジ1は、キャリッジモータ2によって駆動されるタイミングベルト3によって駆動可能に系止され、ガイド部材4に案内されながら、紙送り部材5の長手方向に沿って往復駆動されるように構成されている。キャリッジ1は、紙送り部材5に対向するインク吐出面の記録ヘッド6を備え、インク吐出面の反対側の面(図面手前)に記録ヘッド6に供給するインクを一時的に保管するダンパー7を備える。
カートリッジホルダ8には、複数色のインクカートリッジが装着されるように構成されている。例えば図1に示すように、ブラック、シアン、マゼンタおよびイエローの各インクをそれぞれ供給するカラーインクカートリッジ9B、9C、9M、9Yが着脱可能に装着されている。
インク供給路10は、可撓性素材により構成され、カートリッジホルダ8とダンパー7との間を接続する管路であり、各インクカートリッジ9からのインクをダンパー7に供給するように構成されている。インク供給路10は、本発明の洗浄方法により主として洗浄対象となる部材である。
キャッピング部材11は、キャリッジ1が走査可能な範囲であって印字をしない非印字領域に設けられており、キャリッジ1が当該非印字領域に移動した時に上昇して記録ヘッド6のノズル形成面を封止するように構成されている。キャッピング部材11は、記録装置の休止期間中において記録ヘッド6のノズル形成面を封止する蓋体として機能し、記録ヘッド6のノズル開口よりインク溶媒が揮散するのを防止するように働く。
キャッピング部材11は、図2で説明する吸引ポンプ13に接続されており、吸引ポンプ13から負圧が印加されると、記録ヘッド6のノズル形成面に負圧を及ぼしてノズル、ダンパー7、およびインク供給路10に貯留されているインクを吸引するように構成されている。このインクの吸引は、記録ヘッド6のノズルの目詰まりを回復させるクリーニング機能の他、本発明に係る洗浄方法を実行させるものである。
なお吸引ポンプ13は、後述する洗浄装置200と接続された状態で駆動されることにより、洗浄液Aおよび洗浄液Bを0.1mL/(秒・mm2)以上の流速で流通させることが可能な駆動能力を備えていることが好ましい。0.1mL/(秒・mm2)以上の流速であれば、インク供給路10および記録ヘッド6の内壁の洗浄能力を高められるからである。
ワイピング部材12は、キャッピング手段11に隣接する印刷領域に配置されており、ゴムなどの弾性素材が短冊状に成形された部材である。ワイピング部材12は、キャリッジ1がキャッピング部材11まで往復移動する際に、記録ヘッド6の移動経路に水平方向に進入して、記録ヘッド6のノズル形成面を払拭して清掃するワイピング動作を実行するように構成されている。
(2.洗浄装置の構成)
図2に、本実施形態におけるインクジェット記録装置と洗浄装置の接続構成図を示す。図2に示すように、本実施形態におけるインクジェット記録装置100は、カートリッジホルダ8にダミーカートリッジ9Dを装着することにより、洗浄装置200と接続されるように構成されている。図2は、本発明に関係する構成要素を概略示した概念図である。図2には、1種類のインクについてのカートリッジホルダ8、インク供給路10、ダンパー7、および記録ヘッド6を一組例示している。
既に上述したように、インクジェット記録装置100は、カートリッジホルダ8がインク供給路10を介してダンパー7および記録ヘッド6に接続されている。キャッピング部材11は吸引ポンプ13を介して廃棄回収ボックス14に接続されている。キャッピング部材11は、記録ヘッド6のノズル形成面を封止するように移動可能(矢印で示す)に構成されている。
一方、洗浄装置200は、気液混合体生成装置20、洗浄液タンク21、選択弁22、およびダミーカートリッジ9Dを備えて構成されている。
洗浄液タンク21は、本発明に係る洗浄液Bを貯留する容器であり、洗浄液Bを供給可能に構成されており、その形状材質に限定はない。洗浄液タンク21は選択弁の他方の選択口(「2側」とする。)に供給路24を介して接続されている。
選択弁22は、本発明に係る選択部であり、1側に接続された供給路23または2側に接続された供給路24のいずれか一方を選択して、0側に接続された供給路25と接続するように構成されている。選択弁22は、オペレータが手動で切り換えるように構成してもよいが、制御手段により切換制御されるように構成されていてもよい。この制御手段は、本発明に係る選択方法を実行させるためのソフトウェアプログラムをコンピュータに実行させることにより機能的に実現される。
ダミーカートリッジ9Dは、インクカートリッジ9と同一の外形寸法を有しており、内部に中継供給路25が設けられている。中継供給路25の一端は、選択弁22の出口である共通口(「0側」とする。)に接続されており、中継供給路25の他端は、ダミーカートリッジ9Dの内部を通り、カートリッジホルダ8に装着時にインク供給ロ10の接続口に対向することとなる位置に開口部を形成している。
気液混合体生成装置20は、本発明に係る気液混合体生成手段であり、洗浄液Aに気体を混入させた気液混合体Mを生成し供給するように構成されており、後述の実施形態で詳述する。気液混合体生成装置2によって生成された気液混合体Mは選択弁22の一方の選択口(「1側」とする。)に供給路23を介して接続されている。
なお、本実施形態では、ダミーカートリッジ9Dを接続アダプターとして利用し、外部に設けられた洗浄装置200から洗浄液をインクジェット記録装置100に供給する形態を例示する。ただし、ダミーカートリッジ9Dのパッケージ内部に、気液混合体生成装置20、洗浄液タンク21、選択弁22の一部または全部を設けるように構成することも可能である。
また本実施形態では、説明を簡単にするため、選択弁22から洗浄液が供給されるダミーカートリッジ9Dが1つであるという前提で説明しているが、装着可能なインクカートリッジ9の数だけダミーカートリッジ9Dを設け、選択弁22から共通して洗浄液を供給可能に構成してもよい。このように構成すれば、複数のインク供給路10総てについて同時に洗浄することが可能である。
図3に、本実施形態1における洗浄装置の具体的な構成図を示す。図3に示すように、本実施形態1における洗浄装置200Aの気液混合体生成装置20Aは、気液混合体生成ユニット201を備える。気液混合体生成ユニット201は、内部に洗浄液Aが充填されている。洗浄液Aの液面には、フロート部材202が浮上するように設けられている。フロート部材202は、上半分が洗浄液の液面より露出し、下半分が洗浄液に沈むように浮力が調整されている。供給路23は、気液混合体先生ユニット201の上部から導入され、下側からフロート部材202に接続されている。フロート部材202の内部には、図示しないが供給路23に連通させた流通路が形成されており、フロート部材202が洗浄液Aに浮上した状態において洗浄液面と空気との境界部となる位置に流通路の吸い込み口が開口している。
(3.洗浄液)
次に本実施形態で用いる洗浄液の組成について説明する。洗浄液Aおよび洗浄液Bに共通した組成を説明し、次に洗浄液Bに特徴的な組成および特徴について説明する。
本実施形態で用いる洗浄液Aおよび洗浄液Bは、浸透剤、粘度調整剤を共通して備える。
〔浸透剤〕
本実施形態の洗浄液としては、界面活性剤や水溶性浸透溶剤等の浸透剤を含む。浸透剤は、インク供給路の内壁に洗浄液を均一に広げる作用を備える。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、特に限定されないが、ノニオン系界面活性剤であることが好ましい。ノニオン系界面活性剤の中でも、以下に限定されないが、例えば、アセチレングリコール系、シリコン系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル系、多環フェニルエーテル系、ソルビタン誘導体、及びフッ素系の界面活性剤が挙げられ、中でもアセチレングリコール系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤のうち少なくともいずれかが好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤は、他のノニオン系界面活性剤と比較して、表面張力及び界面張力を適正に保つ能力に優れており、かつ起泡性がほとんどないという特性を有する。特にアセチレングリコール系界面活性剤はインク供給路に対して良好な親和性(濡れ性)を示すため、洗浄液として適する。
アセチレングリコール系界面活性剤として、例えばサーフィノール104、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、104S、420、440、465、485、SE、SE−F、504、61、DF37、CT111、CT121、CT131、CT136、TG、GA、DF−110D、82(以上全て商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)、オルフィンB、Y、P、A、STG、SPC、E1004、E1010、PD−001、PD−002W、PD−003、PD−004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、EXP.4300、AF−103、AF−104、AK−02、SK−14、AE−3(以上全て商品名、日信化学工業株式会社製)、アセチレノールE00、E00P、E40、E100(以上全て商品名、川研ファインケミカル株式会社製)等が挙げられる。
シリコン系界面活性剤は、他のノニオン系界面活性剤と同様に、洗浄液を均一に拡げる作用に優れる。シリコン系界面活性剤としては、特に限定されないが、ポリシロキサン系化合物が好ましく挙げられる。当該ポリシロキサン系化合物としては、特に限定されないが、例えばポリエーテル変性オルガノシロキサンが挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリシロキサン系化合物等が好ましく用いられ、ポリエーテル変性オルガノシロキサン等が挙げられる。より詳しくは、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学株式会社製)等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤は、他のノニオン系界面活性剤と同様に、洗浄液を均一に拡げる作用に優れる。フッ素系界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えばS-144、S-145(旭硝子株式会社製);FC-170C、FC-430、フロラード-FC4430(住友スリーエム株式会社製);FSO、FSO-100、FSN、FSN-100、FS-300(Dupont社製);FT-250、251(株式会社ネオス製)などが挙げられる。これらの中でも、Dupont社製のFSO、FSO-100、FSN、FSN-100、FS-300が良好な印字品質、保存性を提供でき好ましい。これらノニオン系のフッ素系界面活性剤である前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの界面活性剤の含有量は、洗浄液の総質量(100質量%)に対して、0.1質量%以上3質量%以下の範囲であることが、好適な洗浄作用を奏するために好ましい。
(水溶性浸透溶剤)
水溶性浸透溶剤としては、1価アルコール、または多価アルコールおよびその誘導体が挙げられる。
1価アルコールとしては、特に炭素数1〜4の1価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、またはn−ブタノールなどを用いることができる。
多価アルコールおよびその誘導体としては、炭素数2〜6の2価〜5価アルコール、およびそれらと炭素数1〜4の低級アルコールとの完全または部分エーテルを用いることができる。ここで多価アルコール誘導体とは、少なくとも1個のヒドロキシル基がエーテル化されたアルコール誘導体であり、エーテル化されたヒドロキシル基を含まない多価アルコールそれ自体を意味するものではない。
これらの多価アルコールおよびそれらの低級アルキルエーテルの具体例としては、1,2−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,3−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,3−オクタンジオール、1,2−ペンタンジオール等のジオール類、モノ、ジ若しくはトリエチレングリコール−モノ若しくはジ−アルキルエーテル、モノ、ジ若しくはトリプロピレングリコール−モノ若しくはジ−アルキルエーテルが挙げられ、好ましくは1,2−ヘキサンジオール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノペンチルエーテル、またはプロピレングリコールモノブチルエーテルなどを挙げることができる。
上記浸透剤の含有量は、被記録媒体への濡れ性を良好にするため、洗浄液の総質量(100質量%)に対して、0.05〜15質量%が好ましい。当該含有量が0.05質量%以上であると、洗浄液の濡れ性が良好となる。また、当該含有量が15質量%以下であると、洗浄液が低粘度化してインク供給路や記録ヘッドの目詰まり除去効果を高くすることができ、かつ、保存安定性が良好となる。
[粘度調整剤]
本実施形態の洗浄液Aおよび洗浄液Bは、粘度調整剤を含むことが好ましい。粘度調整剤としては、グリセリン、エチルアルコール、2−プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−ブタン、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、2,3−ブタンジオール等の多価アルコール、または糖類および糖アルコール等が挙げられる。。粘度調整剤の含有量は、洗浄液の総量に対して好ましくは1〜50質量%であり、より好ましくは5〜40質量%である。
[洗浄液Bの特徴]
本実施形態における洗浄液Bは、消泡剤としての界面活性剤を含むことにより、抑気泡作用を奏するように調整されていることが好ましい。
〔HLB値〕
本実施形態の洗浄液Bとしては、HLB値が6以下の界面活性剤を消泡剤として含むことが好ましい。
良好な消泡性を有する消泡剤として、例えば、シリコーン消泡剤、ポリエーテル消泡剤、脂肪酸エステル消泡剤、アセチレン系消泡剤などが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点でシリコーン消泡剤、アセチレン系消泡剤が好ましい。
上述に記載した消泡性を有する界面活性剤はグリフィン法に基づくHLB値は6以下であることが好ましく、より好ましくは5以下である。HLB値が6以下の界面活性剤は、親油性が高く、洗浄時においてインク流路での泡の発生を抑制できるため、泡の混入による記録用インク組成物の吐出不良を低減することができる。特に、ピエゾ方式のインクジェット記録装置を用いた場合には、インク流路内の泡の発生により吐出不良が生じやすくなるので、HLB値が6以下の界面活性剤を用いることが好ましい。
ここで、本実施形態において用いられる界面活性剤のHLB値は、グリフィンが提唱した化合物の親水性を評価する値であり、下記の式(1)によって算出される値をいう。グリフィン法によるHLB値は、0〜20の範囲内の値を示し、数値が大きい程、化合物が親水性であることを示す。
HLB値=20×(親水基の質量%)=20×(親水基の式量の総和/界面活性剤の分子量) ・・・(1)
HLB値が6以下の界面活性剤としては、具体的にはサーフィノール104、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、104S、420、DF−110D、82(以上全て商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)、BYK−011、BYK−012、BYK−017、BYK−018、BYK−019、BYK−020、BYK−021、BYK−022、BYK−023、BYK−024、BYK−025、BYK−028、BYK−038、BYK−044、BYK−080A、BYK−093、BYK−094、BYK−1610、BYK−1615、BYK−1650、BYK−1660、BYK−1730、BYK−1770(以上全て商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製が挙げられる。
これら界面活性剤の添加量は、抑消泡作用の観点から、洗浄液Bの全量に対して0.01質量%〜3質量%の範囲が好ましく、0.1質量%〜2質量%の範囲がより好ましい。0.01質量%以上であれば、洗浄液Bの抑消泡作用を実現でき、3質量%以下であれば、洗浄液Bに安定的に溶存させることができ、保存安定性を確保できる。
〔気体溶存量〕
また本実施形態の洗浄液Bとしては、窒素の溶存量が10ppm以下に調整されていることが好ましい。窒素の溶存量が10ppm以下であれば、洗浄液B自らに溶解している気体の量が僅かであるため、洗浄液Bを高い流速で供給したとしても新たな気泡を発生する可能性を些少に抑えることができる。また、インク供給路に残留した気泡を洗浄液Bに溶解させることで、インク供給路の抑気泡作用を効果的に実現できる。
〔粘度〕
さらに本実施形態の洗浄液Bは、20℃における粘度が2〜8mPa・sとなるように調整されていることが好ましい。粘度がこの範囲内であれば,好適な抑気泡作用が気体できるからである。粘度がこの範囲を超えると、粘度が上昇し、インク供給路、記録ヘッドその他の流通路に残留した場合に詰まりの原因となる。また粘度のこの範囲を下回ると流動性が高すぎて、抑気泡作用が減少するばかりか、新たな気泡を発生させる可能性がでてくるからである。洗浄液Bは、上記粘度調整剤を適用添加することにより、上記粘度が得られるように調整される。
なお、上記HLB値、気体溶存量、および粘度の要件を満たす洗浄液は、インク供給路の洗浄機能をも有する場合がある。このため、後述の実施形態2〜4で説明するように、洗浄液Bを洗浄液Aとして用いることも可能である。
[その他の添加剤]
本実施形態における洗浄液Aおよび洗浄液Bは、上記に挙げた添加剤以外に、更にバランスとして水を含有することができる。
水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、または超純水を用いることが好ましい。特に、これらの水を、紫外線照射または過酸化水素添加等により滅菌処理した水は、長期間に亘ってカビやバクテリアの発生が防止されるので好ましい。
本実施形態における洗浄液Aおよび洗浄液Bには、更に必要に応じて、溶解助剤、pH調整剤、防腐剤、防かび剤、防錆剤、キレート剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤等のように、インクジェット用インク組成物において通常用いることができる各種添加剤の一種または二種以上を含有させることができる。
溶解助剤は、洗浄液Bに添加している消泡剤と相溶する水溶性溶剤から選ばれる。用いる消泡剤によって最適な組み合わせはあるが、例えば、水溶性の複素環式化合物、水溶性のアルキレングリコールアルキルエーテル等が好ましく、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、および2−ピロリドン等のピロリドン類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、ε−カプロラクタム等のラクタム類、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸イソプロピル、および乳酸ブチル等のエステル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルエーテル、ジエチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、およびジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等のオキシアルキレングリコールエーテル類、1,4−ジオキサン等の環式エーテル類が好ましい。特に、洗浄液Bの保存安定性の点で、ピロリドン類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル類が特に好ましい。
pH調整剤としては、例えば、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
防腐剤・防かび剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン等が挙げられる。市販品では、プロキセルXL2、プロキセルGXL(以上商品名、アビシア社製)や、デニサイドCSA、NS−500W(以上商品名、ナガセケムテックス株式会社製)等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
キレート化剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸及びそれらの塩類(エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム塩等)、イミノジコハク酸及びそれらの塩類等が挙げられる。
さらに、本実施形態の洗浄液Bは、色材を含有してもよい。洗浄液Bを着色させることで、出荷前にヘッドの正常吐出を検査するために用いられる検査インクとしても使用できる。これにより、出荷時にインク流路を再度洗浄液Bで置き換える等の煩雑な工程が省略できる。
色材としては、例えば、顔料や染料等が挙げられる。
具体的には、顔料は、公知の無機顔料、有機顔料、カーボンブラックを用いることができ、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料などのアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料などの多環式顔料、染料キレート、染色レーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料などを用いることができる。上記顔料は、1種単独でも、2種以上併用して用いることもできる。
また、染料としては、例えば、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料等の通常インクジェット記録に使用する各種染料を使用することができる。上記染料は、1種単独でも、2種以上併用して用いることもできる。
色材を添加する場合には、その含有量は、洗浄液の全質量に対して、0.5質量%以下であることが好ましく、0.001質量%以上0.5質量%以下であることがより好ましい。色材の含有量が0.5質量%以下であることで、洗浄液B自身をインクジェットプリンター用ヘッドの吐出確認用検査液として使用するのに足りる印刷濃度を確保することができ、またその後の工程において記録用の所望のインク組成物に置換する際にもインク混色による不具合が発生しにくいため好ましい。
本発明による洗浄液Bは、洗浄性と抑気泡作用の観点から、表面張力が18〜40mN/mであることが好ましく、20〜32mN/mであることが更に好ましい。なお、表面張力の測定は、例えば、自動表面張力計CBVP−Z(商品名、協和界面科学株式会社製)を用いて、20℃の環境下で白金プレートをインク組成物で濡らしたときの表面張力を確認することにより測定することができる。
また、同様の観点から、洗浄液Bの20℃における粘度は、2〜8mPa・sであることが好ましく、2〜5mPa・sであることが更に好ましい。なお、粘度の測定は、例えば、粘弾性試験機MCR−300(商品名、Pysica社製)を用いて、20℃の環境下での粘度を測定することができる。さらに、洗浄液の20℃における粘度は、洗浄されるインク組成物の20℃における粘度よりも高くする事が好ましい。これによって、一層洗浄性が向上する。
表面張力および粘度を前記範囲内とするには、前記浸透剤や前記粘度調整剤の種類や添加量等を調整する手段等を用いることができる。
(4.洗浄方法の実施手順)
以上の構成において、洗浄方法の実施手順について説明する。洗浄装置200Aは、本発明の洗浄方法を実施するように構成されている。すなわち、気液混合体Mをインク供給路10に供給してインク供給路10を洗浄し(第1洗浄工程)、その後に、洗浄液Bをインク供給路10に導入する(第2洗浄工程)ように構成されている。
[第1洗浄工程]
第1洗浄工程は、インクの洗浄作用を有する洗浄液Aおよび気体の気液混合体Mをインク供給路10に供給して洗浄する工程である。
まず図2および図3に示すように、洗浄装置200Aのダミーカートリッジ9Dを洗浄対象となっているインクジェット記録装置100のカートリッジホルダ8に装着する。ダミーカートリッジ9Dがカートリッジホルダ8に装着されると、カートリッジホルダ8のインク供給路10の接続口に設けられた接続部材81がダミーカートリッジ9Dに設けられた供給路25の開口部に挿入され、洗浄装置200Aの供給路25とインクジェット記録装置100のインク供給路10が連結された状態となる。
次いで洗浄装置200Aにおいて、選択弁22を1側の供給路23を選択するように切り換える。この切換により、インクジェット記録装置100のインク供給路10が供給路25および供給路23を介して気液混合体生成装置20Aに接続された状態となる。
この状態において、インクジェット記録装置100のキャッピング部材11を駆動して記録ヘッド6のノズル形成面を封止し、次いで吸引ポンプ13を駆動する。吸引ポンプ13の駆動によって、キャッピング部材11を介してインク供給路10に負圧が印加される。この負圧により、気液混合体生成装置20Aの気液混合体生成ユニット201には負圧が印加される。そして負圧により、フロート部材202内部の吸い込み口から洗浄液Aおよび空気が同時に吸い込まれ、空気が洗浄液Aに断続的に導入された気液混合体Mが生成される。この気液混合体Mは、供給路23、選択弁22、供給路25を介してインク供給路10に供給される。気液混合体Mは、高い洗浄作用を発揮してインク供給路10の内壁を洗浄する。洗浄後の廃液は、キャッピング部材11を介して吸引され、廃液回収ボックス14に排出される。
ここで第1洗浄工程によってインク供給路10を流通し洗浄した気液混合体Mは、インク供給路10に若干量残留する。この気液混合体Mは気泡を多量に含むものであるため、気液混合体Mが残留した状態でインクが供給されると、インク供給路10に残留した気液混合体Mがインクに混ざることによって気泡が混入し、印刷時の吐出安定性が阻害される。そこで以下の第2洗浄工程を実施する。
[第2洗浄工程」
第2洗浄工程は、抑気泡作用を有する洗浄液Bをインク供給路10に供給して洗浄する工程である。
インク供給路10を洗浄するために設定した時間が経過したら、インクジェット記録装置100において吸引ポンプ13の駆動を一旦停止する。そして洗浄装置200Aにおいて、選択弁22を2側の供給路24を選択するように切り換える。この切換により、インクジェット記録装置100のインク供給路10が供給路25および供給路24を介して洗浄液タンク21に接続された状態となる。
この状態において、再びインクジェット記録装置100のキャッピング部材11を駆動して記録ヘッド6のノズル形成面を封止し、次いで吸引ポンプ13を駆動する。吸引ポンプ13の駆動によって、キャッピング部材11を介してインク供給路10に負圧が印加される。この負圧により、今度は洗浄液タンク21から洗浄液Bが供給路24、選択弁22、供給路25を介してインク供給路10に供給される。洗浄液Bは、抑気泡作用を有する洗浄液であるため、インク供給路10に残留していた気液混合体Mを排出する際に気泡を除去し、気泡の発生を抑制するように機能する。残留していた気液混合体Mと混ざって気泡を除去した洗浄液Bは、キャッピング部材11を介して吸引され、廃液回収ボックス14に排出される。
(4.効果)
実施形態1の洗浄方法および洗浄装置によれば、以下の効果を奏する。
(1)上記洗浄方法によれば、洗浄方法として第1洗浄工程に続いて第2洗浄工程を実施してインク供給路10内に残留していた気液混合体Mから効果的に気泡を除去することができる。そのため、インクジェット記録装置100を出荷後に、顧客が初めてインクカートリッジを装着してインクを再充填して印字をする際に、当初からインクに混入する気泡の量を些少に抑えることができ、残留した気泡に起因するインク滴の飛行曲がりやインク滴が吐出不全によるインクドットの抜け等の不良を防止し、高い吐出安定性を確保することができる。
(2)上記洗浄方法および洗浄装置によれば、第1洗浄工程において、洗浄液と気体との気液混合体Mがインク供給路10に供給されるので、印字テストなどでインク供給路10内に充填されていた高濃度のインクは、気体によって早急に押し出される。これにより、インク供給路内に存在するインクの濃度は洗浄液によって早急に低下し、空気と混合して供給される洗浄液Aによって、インク供給路内は効果的に洗浄される。
(3)上記洗浄方法および洗浄装置によれば、洗浄液と気体との気液混合体Mを用いるので、洗浄作業に要する時間を短縮することができると共に、より少ない洗浄液により効率的に洗浄操作を行うことが可能となる。
(4)上記洗浄方法および洗浄方法によれば、気液混合体Mを利用して洗浄効率を高めることができるので、インクジェット記録装置100に装備された廃液回収ボックス14に廃棄される廃液量を可及的に少なくさせることができる。よって、製品出荷時において、すでに廃液回収ボックス14の有効回収容量を低下させるという不都合も回避することができる。
<実施形態2>
本発明の実施形態2は、三方管構造により気液混合体Mを生成する気液混合体生成装置の変形例に関する。
図4に、本実施形態2における洗浄装置の構成図を示す。本実施形態2における洗浄装置200Bは、気液混合体生成装置20Bに特徴を有する。洗浄液タンク21、選択弁22、およびダミーカートリッジ9Dについては、実施形態1と同様であり説明を省略する。
図4に示すように、本実施形態2における気液混合体生成装置20Bは、洗浄液タンク205および三方管209を備える。洗浄液タンク205は、内部に洗浄液Aが充填されている。三方管209は、管部a、管部b、および管部cから構成されたT字型に形成されており、三方向から供給路を接続可能に構成されている。三方管209の管部aには、洗浄液タンク205からの供給路206が接続されている。三方管209の管部bには、供給路207の一端が接続されている。管部bに接続された供給路207の一端には、三方管209の中央付近においてノズル210が形成されている。また供給路207の他端は、気液混合体生成装置20Bの外側にまで延在しており、空気を取り込むことが可能に開口している。三方管209の管部cには、選択弁22と連通している供給路23が接続されている。
上記構成において、本発明の洗浄方法を実行する場合の作用を説明する。
第1洗浄工程において、洗浄装置200Bのダミーカートリッジ9Dをインクジェット記録装置100のカートリッジホルダ8に装着する。次いで洗浄装置200Bにおいて、選択弁22を1側の供給路23を選択するように切り換える。この切換により、インクジェット記録装置100のインク供給路10が供給路25および供給路23を介して気液混合体生成装置20Bに接続された状態となる。
この状態において、インクジェット記録装置100のキャッピング部材11を駆動して記録ヘッド6のノズル形成面を封止し、吸引ポンプ13を駆動することによって、気液混合体生成装置20Bの三方管209に負圧が印加される。三方管209の内部が負圧になると、供給路206からは洗浄液タンク205の洗浄液Aが、供給路207からは空気が吸引されるが、供給路207の一端のノズル210が供給路206から供給路23に至る洗浄液の流路中に突き出ているので、洗浄液Aが三方管209内部を流れる際に、エゼクタ効果によって、供給路207から供給された空気が洗浄液Aに引き込まれ、洗浄液内に気泡を発生する。この作用により、供給路23には、洗浄液Aと空気とが混合した気液混合体Mが生成される。この気液混合体Mは、インク供給路10に流通して高い洗浄作用を発揮し、キャッピング部材11を介して吸引され、廃液回収ボックス14に排出される。
次いで、第2洗浄工程に移行し、インクジェット記録装置100において吸引ポンプ13の駆動を一旦停止してから、洗浄装置200Bにおいて、選択弁22を2側の供給路24を選択するように切り換える。この切換により、インクジェット記録装置100のインク供給路10が供給路25および供給路24を介して洗浄液タンク21に接続された状態となる。
この状態において、再びインクジェット記録装置100のキャッピング部材11を駆動して記録ヘッド6のノズル形成面を封止し、吸引ポンプ13を駆動することによって、キャッピング部材11を介してインク供給路10に負圧が印加される。この負圧により、今度は洗浄液タンク21から洗浄液Bが供給路24、選択弁22、供給路25を介してインク供給路10に供給される。洗浄液Bは、抑気泡作用を有する洗浄液であるため、インク供給路10に残留していた気液混合体Mを排出する際に気泡を除去し、キャッピング部材11を介して吸引され、廃液回収ボックス14に排出される。
本実施形態2によれば、気液混合体生成装置20Bがエゼクタ効果を利用して気液混合体Mを生成するので、第1洗浄工程において、洗浄液Aに空気が気泡として分散混入した洗浄能力の高い気液混合体Mを提供可能である。そして第2洗浄工程において、インク供給路10に残留した気液混合体Mから気体を効果的に除去することが可能である。
<実施形態3>
本発明の実施形態3は、実施形態1と同じ構成において、洗浄液の組成を共通とした変形例に関する。
図5に、本実施形態3における洗浄装置の構成図を示す。本実施形態3における洗浄装置200Cの気液混合体生成装置20Cは、実施形態1の気液混合体生成装置20Aと同じ構成を有する。但し、気液混合体生成ユニット201は、内部に洗浄液タンク21と同じ、洗浄液Bが充填されている点で異なる。
洗浄液Bは、上述したように、気体と混合されて気液混合体Mとして、好ましくは0.1mL/(秒・mm2)以上の流速で供給されることにより一定の洗浄機能を奏するため、洗浄液Aの代わりに用いることが可能である。
気液混合体生成ユニット201に充填される洗浄液Bは、第1洗浄工程において、気液混合体Mとして、好ましくは0.1mL/(秒・mm2)以上の流速でインク供給路10に供給されることにより、インク供給路10を好適に洗浄することが可能である。また洗浄液タンク21に充填される洗浄液Bは、第2洗浄工程において、インク供給路10に残留する気液混合体Mに含まれる気泡を効果的に減少することが可能である。
<実施形態4>
本発明の実施形態4は、実施形態2と同じ構成において、洗浄液の組成を共通とした変形例に関する。
図6に、本実施形態4における洗浄装置の構成図を示す。本実施形態4における洗浄装置200Dは、実施形態2の気液混合体生成装置20Bと同じ構成を有する。但し、洗浄液タンク205は、内部に洗浄液タンク21と同じ、洗浄液Bが充填されている点で異なる。
洗浄液Bは、上述したように、気体と混合されて気液混合体Mとして、好ましくは0.1mL/(秒・mm2)以上の流速で供給されることにより一定の洗浄機能を奏するため、洗浄液Aの代わりに用いることが可能である。
洗浄液タンク205に充填される洗浄液Bは、第1洗浄工程において、三方管209のエゼクタ効果により空気と混合されて気液混合体Mとなる。この気液混合体Mは、好ましくは0.1mL/(秒・mm2)以上の流速でインク供給路10に供給されることにより、インク供給路10を好適に洗浄することが可能である。また洗浄液タンク21に充填される洗浄液Bは、第2洗浄工程において、インク供給路10に残留する気液混合体Mに含まれる気泡を効果的に減少することが可能である。
<実施形態5>
本発明の実施形態5は、実施形態3と類似の構成において、洗浄液タンクを共通とした変形例に関する。
図7に、本実施形態5における洗浄装置の構成図を示す。本実施形態5における洗浄装置200Eは、実施形態3の気液混合体生成装置20Cと同じ気液混合体生成ユニット201およびフロート部材202を有する。一方、当該洗浄装置200Eは、第2洗浄工程で利用する洗浄液Bを洗浄液タンク201から供給する点で、実施形態3と異なる。すなわち、第2洗浄工程で選択される供給路24は気液混合体生成ユニット201に直接接続されている。
洗浄液Bは、上述したように、気体と混合されて気液混合体Mとして、好ましくは0.1mL/(秒・mm2)以上の流速で供給されることにより一定の洗浄機能を奏するため、洗浄液Aの代わりに用いることが可能である。
第1洗浄工程において、気液混合体生成ユニット201において洗浄液Bと気体とが混合されて生成された気液混合体Mは、供給路23、選択弁22、供給路25経由で、好ましくは0.1mL/(秒・mm2)以上の流速でインク供給路10に供給される。これにより、インク供給路10を好適に洗浄することが可能である。
また第2洗浄工程において、気液混合体生成ユニット201に充填される洗浄液Bは、供給路24、選択弁22、供給路25経由でインク供給路10に供給される。これにより、インク供給路10に残留する気液混合体Mに含まれる気泡を効果的に減少することが可能である。
<実施形態6>
本発明の実施形態6は、実施形態4と類似の構成において、洗浄液タンクを共通とした変形例に関する。
図8に、本実施形態6における洗浄装置の構成図を示す。本実施形態6における洗浄装置200Fは、実施形態4の気液混合体生成装置20Dと同じ洗浄液タンク205および三方管209、および供給管207を備えた気体混合体生成装置20Fを有する。さらに、当該洗浄装置200Fは、選択弁206および選択弁211の2つの弁で選択部22Bを構成している点で、実施形態4と異なる。選択弁206は、0側に洗浄液タンク205からの供給路が接続され、1側に三方弁209と連通する供給路が接続され、2側に供給路24が接続されている。選択弁211は、0側に供給路25が接続され、1側に供給路23が接続され、2側に供給路24が接続されている。
洗浄液Bは、上述したように、気体と混合されて気液混合体Mとして、好ましくは0.1mL/(秒・mm2)以上の流速で供給されることにより一定の洗浄機能を奏するため、洗浄液Aの代わりに用いることが可能である。
第1洗浄工程において、選択弁206が1側を選択すると、洗浄液タンク205からの洗浄液Bは、連結弁206を経て三方管209の管部aに供給される。また選択弁211が1側を選択すると、吸引ポンプ13からインク供給路10経由で供給路25に及ぼされた負圧が三方管209の管部cに及ぼされる。このため、上記実施形態2で説明したエゼクタ効果により、三方管209において気液混合体Mが生成される。この気液混合体Mは、供給路23、選択弁211、供給路25経由で、好ましくは0.1mL/(秒・mm2)以上の流速でインク供給路10に供給される。これにより、インク供給路10を好適に洗浄することが可能である。
また第2洗浄工程において、選択弁206が2側を選択すると、洗浄液タンク205は、連結弁206を介して供給路24と接続される。また選択弁211が2側を選択すると、吸引ポンプ13からインク供給路10経由で供給路24に負圧が印加される。このため、供給タンク205の洗浄液Bは、選択弁206、選択弁211、供給路25経由で、好ましくは0.1mL/(秒・mm2)以上の流速でインク供給路10に供給される。これにより、インク供給路10に残留する気液混合体Mに含まれる気泡を効果的に減少することが可能である。
なお、実施形態6を2つの選択部を用いる機構について記載をしたが、これに限定される必要は無い。つまり、洗浄液Bが流通する流路中に、気体の混合を選択に切り換える選択部が設けられていれば良い。
以下、本発明の実施形態を実施例によってさらに具体的に説明する。ただし、本実施形態はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例及び比較例において洗浄液Aおよび洗浄液Bの調整に使用した材料は、以下の通りである。
〔浸透剤〕
・BYK−348(BYK社製商品名、シリコン系界面活性剤、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、以下では「BYK348」と略記。)
・オルフィンPD−002W((日信化学工業株式会社(Nissin Chemical Industry Co., Ltd.)製、アセチレングリコール系界面活性剤、以下では「PD−002W」と略記。)
・エマルゲン707(株式会社花王(Kao Corporation)製商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル(以下では「BDG」と略記。)
・1,2−ヘキサンジオール(以下では「12HD」と略記。)
〔粘度調整剤〕
・グリセリン(以下では「Gly」と略記。)
・プロピレングリコール(以下では「PG」と略記。)
〔消泡剤〕
・サフィノールDF−110D(日信化学工業株式会社(Nissin Chemical Industry Co., Ltd.)製、アセチレングリコール系界面活性剤、以下では「DF110D」と略記。)
〔樹脂溶解剤〕
・2−ピロリドン(以下では「2P」と略記。)
〔バランス〕
・水
(洗浄液Aおよび洗浄液Bの調製)
以下の表1に記載の組成(単位:質量%)となるように各材料を添加し、これを高速水冷式撹拌機で撹拌することにより、洗浄液A1〜A4(洗浄液A)および洗浄液B1〜B4(洗浄液B)を調製した。
なお、表1におけるHLB値は、前述したグリフィン法に基づく計測値である。また、表1における粘度は、20℃の環境下での測定値である。
Figure 2013212624
(実施例1〜9、比較例1)
以下の表2に示す組み合わせで、第1洗浄工程と第2洗浄工程に洗浄液A1−A4および洗浄液B1−B4のいずれかを適用し、実施例1−9および比較例1とした。
Figure 2013212624
(評価項目)
各実施例及び各比較例で作製した洗浄液について、インクジェットプリンター製品番号PX−G930(セイコーエプソン株式会社製)を評価対象の記録装置として、実施形態2または実施形態6の洗浄装置を装着し、以下の評価基準により、洗浄液Bにおける溶存窒素量、洗浄性、洗浄後のインク再充填時における吐出安定性を判定し表2に記載した。
(1.溶存窒素量)
第2洗浄工程で使用する洗浄液の溶存窒素量をガスクロマトグラフィーにより測定した。
(2.洗浄性)
白インクを上記プリンタに充填後に1ヶ月間自然放置し、表2記載の洗浄液を用いて第1洗浄工程および第2洗浄工程を実施した後に、インク供給路の洗浄の程度を目視により判定した。洗浄性についての評価基準は以下のとおりである。
なお、洗浄に用いた白インクの組成は、二酸化チタン顔料を8.0質量%、シリカを0.8質量%(スノーテックス XL)、スチレン−アクリル酸共重合体(分子量=7000)(分散剤)を4.0質量%、プロピレングリコールを10.0質量%、1,2−ヘキサンジオールを3.0質量%、2−ピロリドンを2.0質量%とし、残分を純水とした。
A:流路に白インクはほぼ残っておらず洗浄性は良好。最後に通液した洗浄液もほぼ透明であった。
B:流路に白インクはほぼ残っておらず、洗浄性は良好。最後に通液した洗浄液はやや白くなっているものの、問題ない範囲。
C:流路に白インクがやや残っており、最後に通液した洗浄液はやや白くなっている。
D:流路に白インクがほとんど残っており、洗浄不足。最後に通液した洗浄液も白く濁っている。
(3.吐出安定性)
実施例および比較例の洗浄液を用いて第1洗浄工程および第2洗浄工程を実施後、上記プリンタに白インクを再充填し、A4サイズの透明フィルム(エーワン社製OHPフィルム27077)に同サイズの画像パターンを50枚連続印刷した際の、ドット抜け状況を観察し、吐出安定性を評価した。
A:印刷途中でドット抜けは発生せず、ヘッドクリーニング動作なしで50枚印刷を完遂できた。
B:印刷途中でドット抜けを生じたが、2〜5回のヘッドクリーニング動作でドット抜けが解消し、50枚の印刷を完遂できた。
C:印刷途中でドット抜けを生じたため、10回以上ヘッドクリーニング動作を行ったがドット抜けは解消せず、50枚の印刷を完遂できなかった。
(4.総合評価)
以上の結果より、洗浄性については、洗浄液の流速に依存し、0.2mL/(秒・mm2)では良好な洗浄力を示し、0.5mL/(秒・mm2)以上となると高い洗浄力を示すことが判った。
吐出安定性については、HLB値6以下の界面活性剤を含む洗浄液Bを用いて第2洗浄工程を実施することで、インク再充填後に格段に吐出安定性が向上することが判った。また第2洗浄工程で使用する洗浄液Bについては、その溶存窒素量が10ppm以下であれば、インク再充填後にさらに好適な吐出安定性を示すことが判った。
1…キャリッジ、2…キャリッジモータ、3…タイミングベルト、4…ガイド部材、5…紙送り部材、6…記録ヘッド(液滴吐出装置)、7…ダンパー、8…カートリッジホルダー、9…インクカートリッジ(総称)、9D…ダミーカートリッジ、9B…ブラックインクカートリッジ、9C…シアンインクカートリッジ、9M…マゼンタインクカートリッジ、9Y…イエローインクカートリッジ、10…インク供給路、11…キャッピング部材、12…ワイピング部材、13…吸引ポンプ、14…廃液回収ボックス、20(総称)、20A−20F…気液混合体生成装置、21…洗浄液タンク、22、22B…選択弁、23−25…供給路、100…インクジェット記録装置、200(総称)、200A−200F…洗浄装置、201…気液混合体生成ユニット、202…フロート部材、205…洗浄液タンク、206−207…供給路、209、211…三方管、210…ノズル

Claims (9)

  1. インクカートリッジからインクが供給される記録装置におけるインク供給路の洗浄方法であって、
    前記インクの洗浄作用を有する洗浄液Aおよび気体の気液混合体を前記インク供給路に供給して洗浄する第1洗浄工程と、
    前記第1洗浄工程後に抑気泡作用を有する洗浄液Bを前記インク供給路に供給して洗浄する第2洗浄工程と、
    を備える、
    インク供給路の洗浄方法。
  2. 前記洗浄液Bは、HLB値6以下の界面活性剤を消泡剤として含む、
    請求項1に記載の洗浄方法。
  3. 前記洗浄液Bは、窒素の溶存量が10ppm以下に調整されている、
    請求項1または2に記載の洗浄方法。
  4. 前記洗浄液Aとして前記洗浄液Bを用いる、
    請求項1〜3のいずれかに記載の洗浄方法。
  5. 前記洗浄液Bは、20℃における粘度が2〜8mPa・sとなるように調整されている請求項1〜4のいずれかに記載の洗浄方法。
  6. 前記洗浄液Bを0.1mL/(秒・mm2)以上の流速で導入する、
    請求項1〜5のいずれかに記載の洗浄方法。
  7. 前記第1洗浄工程において、
    前記気液混合体は、前記インク供給路へ導入可能に構成された選択部により導入される、
    請求項1〜6のいずれかに記載の洗浄方法。
  8. インクカートリッジからインクが供給されるインク供給路の洗浄方法であって、
    請求項1〜7のいずれかに記載の洗浄方法における前記洗浄液Bである、洗浄液。
  9. インクカートリッジからインクが供給される記録装置のためのインク供給路の洗浄装置であって、
    前記インクの洗浄作用を有する洗浄液Aと気体とを混合して気液混合体を生成する気液混合体生成手段と、
    前記気液混合体または抑気泡作用を有する洗浄液Bのいずれかを選択して前記インク供給路に導入する選択部と、
    を備え、
    前記選択部は、
    前記気液混合体を前記インク供給路に供給して前記インク供給路を洗浄した後に、前記洗浄液Bを前記インク供給路に導入するように構成されている、
    洗浄装置。
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