WO2018124120A1 - 水系インク用の洗浄液 - Google Patents

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Abstract

顔料と水不溶性ポリマーを含む水系インク用の洗浄液であって、該洗浄液が、EOの平均付加モル数が0~2モルのアセチレングリコール(A)と、EOの平均付加モル数が4モル以上のアセチレングリコール、及び炭素数が8以上のアルキル基を有するポリエチレングリコールアルキルエーテルから選ばれる1種以上の化合物(B)と、水溶性有機溶媒(C)と、水とを含有し、水溶性有機溶媒(C)が沸点90℃以上の水溶性有機溶媒を1種以上含有し、水溶性有機溶媒(C)の沸点が、加重平均値で250℃以下であり、水溶性有機溶媒(C)の含有量が20質量%以下である、洗浄液、その製造方法及び該洗浄液を用いた水系インクの洗浄方法に関する。

Description

水系インク用の洗浄液
 本発明は、水系インク用の洗浄液に関する。
 インクジェット印刷法は、インクジェットプリンターを用いて、非常に微細なノズルからインク液滴を記録媒体に直接吐出し、付着させて、文字や画像が記録された印刷物を得る方法である。インクジェットプリンターの使用現場では、ノズルの吐出不良等が生じた際には、ノズル面や吐出口に付着した余分なインクを除去するために不織布等に洗浄液をしみこませ拭き取りが行われる。また、種類の異なるインクを使用する場合には、インク変更の前後にプリンター内のインク経路を洗浄液で洗浄する必要がある。また、長期間記録ヘッドを使用しない場合には記録ヘッドからインクを抜き取り、該記録ヘッドに洗浄液を充填しキャッピングして保存すること等が行われる。
 グラビア印刷では、インクを受容するセルを形成したグラビア版シリンダーを用いて、インクを記録媒体に転写するが、セルの深さやセルの間隔(線数)によって印刷の品質をコントロールすることができる。ここで、グラビア版シリンダーが汚損するとグラビアプリンターから外し、洗浄液を用いてインクを溶解させながら、ブラシ等を用いて洗浄する必要がある。そこで、界面活性剤を含む種々の洗浄液が提案されてきた。
 例えば、特開2013-241552号(特許文献1)では、濡れ性と洗浄性等に優れ、印字に顔料インクを使用した場合においても、該インクとの相溶性に優れ、インクを再充填した際に吐出不良を起こさないインクジェット記録装置用洗浄液兼充填液として、界面活性剤が少なくともフッ素系界面活性剤とエチレンオキシドの平均付加モル数が0~30であるアセチレングリコール系界面活性剤とを含むインクジェット記録装置用洗浄液兼充填液が開示されている。
 特開2014-79932号(特許文献2)では、溶解安定性及び保存安定性に優れるメンテナンス液として、主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのアルキレンオキシド付加物と、主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコールと、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとを含む、メンテナンス液が開示されている。
 本発明は、顔料と水不溶性ポリマーを含む水系インク用の洗浄液であって、
 該洗浄液が、エチレンオキシドの平均付加モル数が0モル以上2モル以下のアセチレングリコール(A)と、エチレンオキシドの平均付加モル数が4モル以上のアセチレングリコール(b-1)、及び炭素数が8以上のアルキル基を有するポリエチレングリコールアルキルエーテル(b-2)から選ばれる1種以上の化合物(B)と、水溶性有機溶媒(C)と、水とを含有し、
 水溶性有機溶媒(C)が沸点90℃以上の水溶性有機溶媒を1種以上含有し、
 水溶性有機溶媒(C)の沸点が、各水溶性有機溶媒の含有量(質量%)で重み付けした加重平均値で250℃以下であり、
 水溶性有機溶媒(C)の該洗浄液中の含有量が20質量%以下である、水系インク用の洗浄液に関する。
 一方、インクジェットプリンターやグラビアプリンターに用いられる水系インクとして、顔料の分散性の向上や得られる印刷物の定着性を向上するために、顔料と水不溶性ポリマーを含む水系インクが用いられる。このような水系インクの顔料と水不溶性ポリマーが固化すると、顔料とポリマー間、又はポリマー間の結合が強固となる。そのため、顔料と水不溶性ポリマーを含む水系インクに対してより高い洗浄性を有する洗浄液が望まれる。また、顔料や水不溶性ポリマーに対する洗浄性を高めるため、固化した水不溶性ポリマーと親和性の高い界面活性剤を用いると洗浄液中の該界面活性剤の溶解性が低下する。さらに、洗浄後にノズル、インク経路、記録ヘッド、グラビア版シリンダー等の被洗浄部材に洗浄液が残留すると吐出不良が発生したり、印刷品質の低下の原因となる。そのため、被洗浄部材に残留し難い洗浄液が求められている。
 本発明は、水系インクの洗浄性及び界面活性剤の溶解性に優れ、被洗浄部材に残留し難い水系インク用の洗浄液、その製造方法及び該洗浄液を用いた水系インクの洗浄方法に関する。
 本発明者は、エチレンオキシドの平均付加モル数が特定の範囲のアセチレングリコールと、該アセチレングリコールよりエチレンオキシドの平均付加モル数が大きいアセチレングリコール又は特定の炭素数のアルキル基を有するポリエチレングリコールアルキルエーテルと、特定の水溶性有機溶媒を含有する洗浄液により、水系インクの洗浄性及び界面活性剤の溶解性が向上し、洗浄液が被洗浄部材に残留し難くなることを見出した。
 すなわち、本発明は、次の[1]~[3]に関する。
[1] 顔料と水不溶性ポリマーを含む水系インク用の洗浄液であって、
 該洗浄液が、エチレンオキシドの平均付加モル数が0モル以上2モル以下のアセチレングリコール(A)と、エチレンオキシドの平均付加モル数が4モル以上のアセチレングリコール(b-1)、及び炭素数が8以上のアルキル基を有するポリエチレングリコールアルキルエーテル(b-2)から選ばれる1種以上の化合物(B)と、水溶性有機溶媒(C)と、水とを含有し、
 水溶性有機溶媒(C)が沸点90℃以上の水溶性有機溶媒を1種以上含有し、
 水溶性有機溶媒(C)の沸点が、各水溶性有機溶媒の含有量(質量%)で重み付けした加重平均値で250℃以下であり、
 水溶性有機溶媒(C)の該洗浄液中の含有量が20質量%以下である、水系インク用の洗浄液。
[2] 顔料と水不溶性ポリマーを含む水系インクに対して、前記[1]に記載の洗浄液を接触させる、水系インクの洗浄方法。
[3] エチレンオキシドの平均付加モル数が0モル以上2モル以下のアセチレングリコール(A)と、エチレンオキシドの平均付加モル数が4モル以上のアセチレングリコール(b-1)、及び炭素数が8以上のアルキル基を有するポリエチレングリコールアルキルエーテル(b-2)から選ばれる1種以上の化合物(B)と、水溶性有機溶媒(C)と、水とを配合してなる、水系インク用の洗浄液の製造方法であって、
 水溶性有機溶媒(C)が沸点90℃以上の水溶性有機溶媒を1種以上含有し、
 水溶性有機溶媒(C)の沸点が、各水溶性有機溶媒の含有量(質量%)で重み付けした加重平均値で250℃以下であり、
 水溶性有機溶媒(C)の洗浄液中の含有量が20質量%以下である、水系インク用の洗浄液の製造方法。
 本発明によれば、水系インクの洗浄性及び界面活性剤の溶解性に優れ、被洗浄部材に残留し難い水系インク用の洗浄液、その製造方法及び該洗浄液を用いた水系インクの洗浄方法を提供することができる。
[水系インク用の洗浄液]
 本発明の水系インク用の洗浄液(以下、単に「洗浄液」ともいう)は、顔料と水不溶性ポリマー(以下、単に「ポリマー」ともいう)を含む水系インク用の洗浄液であって、該洗浄液が、エチレンオキシド(以下、「EO」ともいう)の平均付加モル数が0モル以上2モル以下のアセチレングリコール(A)(以下、「アセチレングリコール(A)」又は「(A)成分」ともいう)と、EOの平均付加モル数が4モル以上のアセチレングリコール(b-1)(以下、「アセチレングリコール(b-1)」ともいう)、及び炭素数が8以上のアルキル基を有するポリエチレングリコールアルキルエーテル(b-2)(以下、単に「ポリエチレングリコールアルキルエーテル(b-2)」ともいう)から選ばれる1種以上の化合物(B)(以下、単に「化合物(B)」又は「(B)成分」ともいう)と、水溶性有機溶媒(C)(以下、「(C)成分」ともいう)と、水とを含有し、水溶性有機溶媒(C)が沸点90℃以上の水溶性有機溶媒を1種以上含有し、水溶性有機溶媒(C)の沸点が、各水溶性有機溶媒の含有量(質量%)で重み付けした加重平均値で250℃以下であり、水溶性有機溶媒(C)の該洗浄液中の含有量が20質量%以下である。
 なお、「水系」とは、インクに含有される媒体中で、水が最大割合を占めていることを意味するものであり、以下において「水系インク」は単に「インク」ともいう。また、EOの平均付加モル数が0モル以上2モル以下のアセチレングリコール(A)と、EOの平均付加モル数が4モル以上のアセチレングリコール(b-1)、及び炭素数が8以上のアルキル基を有するポリエチレングリコールアルキルエーテル(b-2)から選ばれる1種以上の化合物(B)とを含有する洗浄液とは、アセチレングリコール(A)と化合物(B)を配合してなる洗浄液であってよい。
 また、本発明でいうアセチレングリコールとは、広義の意味で用いられている、いわゆるアセチレングリコール系界面活性剤のことであり、アセチレン基を中央に持ち、水酸基以外に炭化水素基を有してもよい構造の非イオン性界面活性剤を意味する。該炭化水素基の炭素数は、好ましくは1以上であり、そして好ましくは6以下である。
 本発明の洗浄液は、インクの洗浄性及び界面活性剤の溶解性に優れ、被洗浄部材に残留し難い効果を奏する。その理由は定かではないが、以下のように考えられる。
 アセチレングリコール(A)は、EOの平均付加モル数が小さいため、疎水的であり水不溶性ポリマーとの親和性が高い。このため、アセチレングリコール(A)は、ポリマーへの浸透性に優れ、水溶性有機溶媒(C)と共に顔料とポリマー間、又はポリマー間の結合を低下させ、顔料及び水不溶性ポリマーを含むインクに対する洗浄性が向上する。その反面、アセチレングリコール(A)は水系溶媒に対する溶解性に劣る。一方、化合物(B)として用いるアセチレングリコール(b-1)はアセチレングリコール(A)よりEOの平均付加モル数が大きく、また、ポリエチレングリコールアルキルエーテル(b-2)は炭素数が8以上のアルキル基を有し、ポリエチレングリコール鎖を有するため、アセチレングリコール(A)に対する親和性を有すると共に水系溶媒に対する溶解性を向上させる。さらに、水溶性有機溶媒(C)の沸点を特定の範囲及びその含有量を特定の範囲とすることにより、水溶性有機溶媒(C)が被洗浄部材に残留し難くなる。本発明はこれらの相乗効果により、インクの洗浄性と、界面活性剤の溶解性とを両立し、さらに洗浄液が被洗浄部材に残留し難い効果を奏すると考えられる。
<アセチレングリコール(A)>
 本発明の洗浄液は、インクの洗浄性を向上させる観点から、界面活性剤としてEOの平均付加モル数が0モル以上2モル以下のアセチレングリコール(A)を含有する。
 アセチレングリコール(A)のEOの平均付加モル数は、インクの洗浄性を向上させる観点から、0モル以上であり、そして、2モル以下であり、好ましくは1.5モル以下、より好ましくは1モル以下、更に好ましくは0である。
 アセチレングリコール(A)は、好ましくは2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、3,6-ジメチル-4-オクチン-3,6-ジオール、2,5-ジメチル-3-ヘキシン-2,5-ジオール、2,5,8,11-テトラメチル-6-ドデシン-5,8-ジオール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール、及びこれらのEO付加物から選ばれる1種以上であり、より好ましくは2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、3,6-ジメチル-4-オクチン-3,6-ジオール、2,5-ジメチル-3-ヘキシン-2,5-ジオール、及びこれらのEO付加物から選ばれる1種以上であり、更に好ましくは、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール及びこのEO付加物である。
 2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、3,6-ジメチル-4-オクチン-3,6-ジオール、及び2,5-ジメチル-3-ヘキシン-2,5-ジオールは、アセチレンと、目的とするアセチレングリコールに対応するケトン又はアルデヒドとを反応させることにより合成することができ、例えば藤本武彦著、全訂版「新・界面活性剤入門」(三洋化成工業株式会社出版、1992年)94頁~107頁等に記載の方法で得ることができる。
 アセチレングリコールのEO付加物は、上記の方法で得られたアセチレングリコールにEOを所望の付加数となるように付加反応を行うことにより得ることができる。
 2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールの市販品としては、エアープロダクツアンドケミカル社のサーフィノール104(EO平均付加モル数:0モル、有効分100質量%)、同104PG-50(2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールのプロピレングリコール50質量%希釈品、EO平均付加モル数:0モル)が挙げられる。また、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールのEO付加物の市販品としては、エアープロダクツアンドケミカル社のサーフィノール420(EO平均付加モル数:1.3、有効分100質量%)等が挙げられる。
<化合物(B)>
 本発明の洗浄液は、インクの洗浄性及び界面活性剤の溶解性を向上させる観点から、界面活性剤として、EOの平均付加モル数が4モル以上のアセチレングリコール(b-1)、及び炭素数が8以上のアルキル基を有するポリエチレングリコールアルキルエーテル(b-2)から選ばれる1種以上の化合物(B)を含有する。
〔アセチレングリコール(b-1)〕
 アセチレングリコール(b-1)のEOの平均付加モル数は、界面活性剤の溶解性を向上させる観点から、4モル以上であり、好ましくは6モル以上、より好ましくは7モル以上、更に好ましくは9モル以上であり、そして、インクの洗浄性を向上させる観点から、好ましくは35モル以下、より好ましくは30モル以下、更に好ましくは25モル以下、より更に好ましくは20モル以下、より更に好ましくは15モル以下である。
 アセチレングリコール(b-1)は、好ましくは2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールのEO付加物、3,6-ジメチル-4-オクチン-3,6-ジオールのEO付加物、2,5-ジメチル-3-ヘキシン-2,5-ジオール、2,5,8,11-テトラメチル-6-ドデシン-5,8-ジオールのEO付加物、及び3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オールのEO付加物から選ばれる1種以上であり、より好ましくは2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールのEO付加物、3,6-ジメチル-4-オクチン-3,6-ジオールのEO付加物、及び2,5-ジメチル-3-ヘキシン-2,5-ジオールのEO付加物から選ばれる1種以上であり、更に好ましくは、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールのEO付加物である。
 また、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールのEO付加物の市販品としては、エアープロダクツアンドケミカル社のサーフィノール465(EO平均付加モル数:10、有効分100質量%)、同485(EO平均付加モル数:30、有効分100質量%)、川研ファインケミカル株式会社製のアセチレノールE81(EO平均付加モル数:8.1)、アセチレノールE100(EO平均付加モル数:10)、アセチレノールE200(EO平均付加モル数:20)等が挙げられる。
〔ポリエチレングリコールアルキルエーテル(b-2)〕
 ポリエチレングリコールアルキルエーテル(b-2)は、下記式(1)で表される。
 RO-(EO)n-H   (1)
(式(1)中、Rは炭素数8以上のアルキル基を示し、EOはエチレンオキシド基を示し、nはEOの平均付加モル数を示す。)
 アルキル基であるRの炭素数は、インクの洗浄性を向上させる観点から、8以上であり、好ましくは10以上であり、そして、界面活性剤の溶解性を向上させる観点から、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは14以下、より更に好ましくは12である。
 アルキル基であるRは、直鎖又は分岐鎖でもよく、インクの洗浄性及び界面活性剤の溶解性を向上させる観点から、好ましくは直鎖のアルキル基であり、より好ましくは、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基又はオクタデシル基であり、更に好ましくはオクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基又はヘキサデシル基であり、より更に好ましくはデシル基、ドデシル基又はテトラデシル基である、より更に好ましくはドデシル基である。
 前記式(1)において、EOの平均付加モル数nは、界面活性剤の溶解性を向上させる観点から、好ましくは4以上、より好ましくは8以上、更に好ましくは10以上であり、そして、インクの洗浄性を向上させる観点から、好ましくは30以下、より好ましくは25以下、更に好ましくは20以下である。
 前記式(1)で表されるポリエチレングリコールアルキルエーテル(b-2)として、具体的にはポリエチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル、ポリエチレングリコールモノオクチルエーテル、ポリエチレングリコールモノデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノドデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノテトラデシルエーテル等が挙げられる。
 これらの中でも、インクの洗浄性を向上させる観点から、好ましくはポリエチレンングリコールモノデシルエーテル、及びポリエチレングリコールモノドデシルエーテルから選ばれる1種以上であり、より好ましくはポリエチレングリコールモノドデシルエーテルである。
 ポリエチレングリコールアルキルエーテル(b-2)の市販品としては、「ノイゲン」(第一工業製薬株式会社製)、「エマルゲン」(花王株式会社製)等が挙げられる。
 本発明の洗浄液は、インクの洗浄性及び界面活性剤の溶解性に優れ、被洗浄部材に残留し難い洗浄液を得る観点から、アセチレングリコール(A)とアセチレングリコール(b-1)との組み合わせ、又はアセチレングリコール(A)とポリエチレングリコールアルキルエーテル(b-2)との組み合わせが好ましく、アセチレングリコール(A)とポリエチレングリコールアルキルエーテル(b-2)との組み合わせがより好ましい。
<水溶性有機溶媒(C)>
 本発明で用いる水溶性有機溶媒(C)(以下、単に「(C)成分」ともいう)は、沸点90℃以上の水溶性有機溶媒を1種以上含有し、水溶性有機溶媒(C)の沸点が、各水溶性有機溶媒の含有量(質量%)で重み付けした加重平均値で250℃以下である。これにより、洗浄液の乾燥を防止し、水系インクとの相溶性が良好となり、洗浄性が向上する。また、被洗浄部材に残留し難い洗浄液が得られる。
 なお、本発明において「水溶性有機溶媒」とは、有機溶媒を25℃の水100mlに溶解させたときに、その溶解量が10ml以上である有機溶媒をいう。
 水溶性有機溶媒(C)の沸点は、洗浄液の乾燥を防止する観点から、加重平均値で、好ましくは150℃以上、より好ましくは160℃以上、更に好ましくは170℃以上、より更に好ましくは180℃以上であり、そして、被洗浄部材に残留し難い洗浄液を得る観点から、好ましくは240℃以下、より好ましくは230℃以下、更に好ましくは220℃以下、更に好ましくは210℃以下である。
 沸点の低い有機溶媒ほど、特定の温度における飽和蒸気圧が高く、蒸発速度も速くなる。また、特定の温度における蒸発速度が速い有機溶媒の割合が多いほど、特定の温度における混合有機溶媒の蒸発速度は速くなる。そのため、加重平均値は、混合溶媒の蒸発速度の指標となる。
 水溶性有機溶媒(C)としては、多価アルコール、ポリエチレングリコールアルキルエーテル(b-2)以外の多価アルコールアルキルエーテル、含窒素複素環化合物、アミド、アミン、含硫黄化合物等が挙げられる。多価アルコールは多価アルコールの概念に含まれる複数を混合して用いることができ、多価アルコールアルキルエーテルも同様に複数を混合して用いることもできる。
 多価アルコールとしては、エチレングリコール(沸点197℃)、ジエチレングリコール(沸点244℃)、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール(沸点188℃)、ジプロピレングリコール(沸点232℃)、ポリプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール(沸点210℃)、1,3-ブタンジオール(沸点208℃)、1,4ブタンジオール(沸点230℃)、3-メチル-1,3-ブタンジオール(沸点203℃)、1,5-ペンタンジオール(沸点242℃)、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(沸点196℃)、1,2,6-ヘキサントリオール(沸点178℃)、1,2,4-ブタントリオール(沸点190℃)、1,2,3-ブタントリオール(沸点175℃)、ペトリオール(沸点216℃)等が挙げられる。また、1,6-ヘキサンジオール(沸点250℃)、トリエチレングリコール(沸点285℃)、トリプロピレングリコール(沸点273℃)、グリセリン(沸点290℃)等を沸点が250℃未満の化合物と組み合わせて用いることもできる。
 前記多価アルコールアルキルエーテルとしては、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテル、トリアルキレングリコールモノアルキルエーテル等が挙げられる。具体的には、エチレングリコールモノエチルエーテル(沸点135℃)、エチレングリコールモノブチルエーテル(沸点171℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(沸点194℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(沸点202℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点230℃)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(沸点122℃)、トリエチレングリコールモノイソブチルエーテル(沸点160℃)、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル(沸点158℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(沸点133℃)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点90℃)、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル(沸点227℃)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点100℃)、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。また、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点276℃)等を沸点が250℃未満の化合物と組み合わせて用いることもできる。
 含窒素複素環化合物としては、例えば、N-メチル-2-ピロリドン(沸点202℃)、2-ピロリドン(沸点245℃)、1,3-ジメチルイミダゾリジノン(沸点220℃)、ε-カプロラクタム(沸点136℃)等が挙げられる。
 アミドとしては、例えば、ホルムアミド(沸点210℃)、N-メチルホルムアミド(沸点199℃)、N,N-ジメチルホルムアミド(沸点153℃)等が挙げられる。
 アミンとしては、例えば、モノエタノ-ルアミン(沸点170℃)、ジエタノールアミン(沸点217℃)、トリエタノールアミン(沸点208℃)、トリエチルアミン(沸点90℃)等が挙げられる。
 含硫黄化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシド(沸点189℃)等が挙げられる。また、スルホラン(沸点285℃)及びチオジグリコール(沸点282℃)等を沸点が250℃未満の化合物と組み合わせて用いることもできる。
 これらの中でも、インクの洗浄性を向上させ、被洗浄部材に残留し難い洗浄液を得る観点から、好ましくは多価アルコール、及びポリエチレングリコールアルキルエーテル(b-2)以外の多価アルコールアルキルエーテルから選ばれる1種以上であり、より好ましくはプロピレングリコール、ジエチレングリコール及びジエチレングリコールモノブチルエーテルから選ばれる1種以上である。被洗浄部材に残留し難い洗浄液を得る観点からは、プロピレングリコール及びジエチレングリコールモノブチルエーテルから選ばれる1種以上が好ましく、プロピレングリコールとジエチレングリコールモノブチルエーテルとの併用がより好ましい。
(その他の成分)
 本発明の洗浄液には、前記成分の他に、(A)成分及び(B)成分以外の界面活性剤、pH調整剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤等の各種添加剤を添加することができる。
 なお、本発明の洗浄液は、顔料及びポリマーは含まないものである。
[水系インク用の洗浄液の製造方法]
 本発明の洗浄液は、アセチレングリコール(A)、化合物(B)、水溶性有機溶媒(C)、及び水を配合することによって得ることができる。具体的には、本発明の洗浄液は、アセチレングリコール(A)、化合物(B)、水溶性有機溶媒(C)、水、及び必要に応じて前記添加剤を混合し、撹拌することによって得ることができる。
 本発明の洗浄液の各成分の含有量及び物性は以下のとおりである。
 なお、本発明の洗浄液の各成分の好ましい配合量は、該洗浄液の以下の各成分の含有量と同じである。
(アセチレングリコール(A)の含有量)
 アセチレングリコール(A)の洗浄液中の含有量は、インクの洗浄性を向上させる観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、より更に好ましくは0.3質量%以上であり、そして、界面活性剤の溶解性を向上させる観点、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、より更に好ましくは0.7質量%以下である。
(化合物(B)の含有量)
 化合物(B)の洗浄液中の含有量は、界面活性剤の溶解性を向上させる観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、より更に好ましくは0.3質量%以上であり、そして、インクの洗浄性を向上させる観点から、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、より更に好ましくは0.7質量%以下である。
(アセチレングリコール(A)と化合物(B)の質量比〔成分(A)/成分(B)〕)
 アセチレングリコール(A)と化合物(B)の質量比〔成分(A)/成分(B)〕(即ち、質量比〔(A)/(B)〕)は、インクの洗浄性を向上させる観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは0.7以上であり、そして、界面活性剤の溶解性を向上させる観点から、好ましくは2以下、より好ましくは1.5以下、更に好ましくは1.3以下である。
(アセチレングリコール(A)と化合物(B)の合計量)
 アセチレングリコール(A)と化合物(B)の合計量は、インクの洗浄性を向上させる観点から、洗浄液中、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは0.7質量%以上であり、そして、界面活性剤の溶解性を向上させる観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下、より更に好ましくは1.5質量%以下である。
(水溶性有機溶媒(C)の含有量)
 水溶性有機溶媒(C)の洗浄液中の含有量は、インクの洗浄性及び界面活性剤の溶解性を向上させ、被洗浄部材に残留し難い洗浄液を得る観点から、20質量%以下であり、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは7質量以下であり、そして、前記と同様の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上である。
 水溶性有機溶媒(C)として多価アルコール及びポリエチレングリコールアルキルエーテル(b-2)以外の多価アルコールアルキルエーテルから選ばれる1種以上を用いる場合、多価アルコール及び多価アルコールアルキルエーテルの水溶性有機溶媒(C)中の合計含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、より更に好ましくは実質的に100質量%であり、より更に好ましくは100質量%である。
 水溶性有機溶媒(C)は、好ましくは多価アルコールとポリエチレングリコールアルキルエーテル(b-2)以外の多価アルコールアルキルエーテルとの併用であり、該多価アルコールと該多価アルコールアルキルエーテルとの質量比[多価アルコール/ポリエチレングリコールアルキルエーテル(b-2)以外の多価アルコールアルキルエーテル]は、好ましくは0.8以上、より好ましくは0.9以上、更に好ましくは1.0以上、更に好ましくは1.1以上であり、そして、好ましくは2以下、より好ましくは1.8以下、更に好ましくは1.6以下、より更に好ましくは1.4以下である。
(水の含有量)
 水の洗浄液中の含有量は、洗浄液の生産性の観点から、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上であり、そして、インクの洗浄性を向上させる観点から、好ましくは98質量%以下、より好ましくは95質量%以下である。
(洗浄液の物性)
 洗浄液の25℃の粘度は、インクの洗浄性を向上させる観点から、好ましくは0.9mPa・s以上、より好ましくは1.0mPa・s以上、更に好ましくは1.05mPa・s以上であり、そして、被洗浄部材に残留し難い洗浄液を得る観点から、好ましくは5mPa・s以下、より好ましくは4mPa・s以下、更に好ましくは3mPa・s以下である。
 なお、25℃における粘度は、実施例に記載の方法により測定される。
 洗浄液のpHは、好ましくは7.0以上、より好ましくは8.0以上、更に好ましくは8.5以上であり、そして、被洗浄部材の耐性、皮膚刺激性の観点から、好ましくは11.0以下、より好ましくは10.0以下である。
 なお、pHは、実施例に記載の方法により測定される。
 本発明の洗浄液は、インクの洗浄性及び界面活性剤の溶解性に優れ、被洗浄部剤に残留し難いため、顔料と水不溶性ポリマーを含む水系インクの洗浄液として用いることができ、フレキソ印刷用、グラビア印刷用、又はインクジェット記録用の水系インクの洗浄液として用いてもよく、インクの洗浄性に優れ、被洗浄部剤に残留し難いため、グラビア印刷用又はインクジェット記録用の水系インクの洗浄液として用いることが好ましい。
<水系インク>
 水系インクに含まれる顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれであってもよい。また、必要に応じて、それらと体質顔料を併用することもできる。
 無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、金属酸化物等が挙げられ、特に黒色インクにおいては、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。
 有機顔料の具体例としては、アゾ顔料、ジアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アントラキノン顔料、キノフタロン顔料等が挙げられる。
 色相は特に限定されず、イエロー、マゼンタ、シアン、ブルー、レッド、オレンジ、グリーン等の有彩色顔料をいずれも用いることができる。
 好ましい有機顔料の具体例としては、C.I.ピグメント・イエロー、C.I.ピグメント・レッド、C.I.ピグメント・オレンジ、C.I.ピグメント・バイオレット、C.I.ピグメント・ブルー、及びC.I.ピグメント・グリーンから選ばれる1種以上の各品番製品が挙げられる。
 体質顔料としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
 顔料は、水系インク中に、自己分散型顔料、分散剤で分散された顔料、又は顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子(以下、単に「顔料含有ポリマー粒子」ともいう)の形態として含有されてもよい。
 水系インクに含まれる水不溶性ポリマーは、顔料分散作用を発現する顔料分散剤としての機能と、記録媒体への定着剤として機能の少なくともいずれかの機能のために含有される。
 ここで、「水不溶性」とは、105℃で2時間乾燥させ、恒量に達したポリマーを、25℃の水100gに溶解させたときに、その溶解量が10g以下であることを意味する。その水不溶性ポリマーの前記溶解量は、好ましくは5g以下、より好ましくは1g以下である。水不溶性ポリマーがアニオン性ポリマーの場合、その溶解量は、ポリマーのアニオン性基を水酸化ナトリウムで100%中和した時の溶解量である。水不溶性ポリマーがカチオン性ポリマーの場合、その溶解量は、ポリマーのカチオン性基を塩酸で100%中和した時の溶解量である。
 水不溶性ポリマーとしては、ポリエステル、ポリウレタン、ビニル系ポリマー等が挙げられるが、インクの吐出安定性を向上させる観点から、好ましくはビニルモノマー(ビニル化合物、ビニリデン化合物、ビニレン化合物)の付加重合により得られるビニル系ポリマーである。
 水不溶性ポリマーがビニル系ポリマーである場合、該ビニル系ポリマーは、イオン性モノマー由来の構成単位、疎水性モノマー由来の構成単位、及び親水性ノニオン性モノマー由来の構成単位から選ばれる1種以上を有することが好ましく、これらの構成単位のうち、2種以上を有することがより好ましい。例えば、イオン性モノマー及び疎水性モノマーの組み合わせ、イオン性モノマー、疎水性モノマー、及び親水性ノニオン性モノマーの組み合わせが挙げられる。
 ビニル系ポリマーは、例えば、イオン性モノマー、疎水性モノマー、及び親水性ノニオン性モノマーを含むモノマー混合物を公知の方法により付加重合して得ることができる。
 イオン性モノマーとしては、カルボン酸モノマー、スルホン酸モノマー、リン酸モノマー等のアニオン性モノマー;N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルアクリルアミド等のカチオン性モノマーが挙げられる。なお、イオン性モノマーには、酸やアミンなどの中性ではイオンではないモノマーであっても、酸性やアルカリ性の条件でイオンとなるモノマーを含む。
 疎水性モノマーとしては、炭素数1以上22以下のアルキル(メタ)アクリレート、スチレン系モノマー、芳香族基含有(メタ)アクリレート、及びスチレン系マクロモノマー等が挙げられる。スチレン系マクロモノマーは、片末端に重合性官能基を有する数平均分子量500以上100,000以下の化合物である。
 親水性ノニオン性モノマーとしては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
 水不溶性ポリマーは、顔料含有ポリマー粒子、又は顔料を含有しないポリマー粒子の形態としてインク中に含まれることが好ましい。本発明の洗浄液は、インクの洗浄性及び界面活性剤の溶解性に優れ、被洗浄部材に洗浄液が残留し難いため、顔料含有ポリマー粒子又は顔料を含有しないポリマー粒子を含む水系インクにおいて、その効果をより享受することができる。
 水系インクは、インクの分散安定性及び吐出安定性の観点から、顔料含有ポリマー粒子を含むことが好ましい。顔料含有ポリマー粒子は、顔料と水不溶性ポリマーにより粒子が形成されていればよく、インク中で顔料に水不溶性ポリマーが吸着されてなる。該粒子の形態として、例えば、該ポリマーに顔料が内包された粒子形態、該ポリマー中に顔料が均一に分散された粒子形態、該ポリマー粒子表面に顔料が露出された粒子形態等が含まれ、これらの混合物も含まれる。
 顔料含有ポリマー粒子は、顔料、水不溶性ポリマー、必要に応じて中和剤、界面活性剤等を公知の方法により分散処理して得ることができる。
 水系インクは、記録媒体への定着性、及び印刷物の耐擦過性の観点からは、顔料を含有しない水不溶性ポリマー粒子を含むことが好ましく、インクの分散安定性及び吐出安定性、記録媒体への定着性、印刷物の耐擦過性の観点からは、顔料含有ポリマー粒子、及び顔料を含有しない水不溶性ポリマー粒子を含むことがより好ましい。
 顔料を含有しない水不溶性ポリマー粒子は、取り扱い性の観点から、分散体として用いることが好ましく、乳化重合等により合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。顔料を含有しないポリマー粒子の分散体の市販品としては、例えば、「Neocryl A1127」(DSM NeoResins社製、アニオン性自己架橋水系アクリル樹脂)、「ジョンクリル390」(BASFジャパン株式会社製)等のアクリル系樹脂、「WBR-2018」「WBR-2000U」(以上、大成ファインケミカル株式会社製)等のウレタン系樹脂、「SR-100」、「SR102」(以上、日本エイアンドエル株式会社製)等のスチレン-ブタジエン系樹脂、「ジョンクリル7100」、「ジョンクリル734」、「ジョンクリル538」(以上、BASFジャパン株式会社製)等のスチレン-アクリル系樹脂及び「ビニブラン701」(日信化学工業株式会社製)等の塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。
 インクが顔料含有ポリマー粒子を含む場合には、該粒子を構成する水不溶性ポリマーの重量平均分子量は、好ましくは5,000以上、より好ましくは10,000以上、更に好ましくは20,000以上であり、そして、好ましくは500,000以下、より好ましくは400,000以下、更に好ましくは300,000以下、より更に好ましくは200,000以下、より更に好ましくは100,000以下である。
 インクが顔料を含有しない水不溶性ポリマー粒子含む場合には、該粒子を構成する水不溶性ポリマーの重量平均分子量は、好ましくは100,000以上であり、より好ましくは200,000以上、更に好ましくは300,000以上、より更に好ましくは500,000以上であり、そして、好ましくは2000,000以下、より好ましくは1,500,000以下、更に好ましくは1,000,000以下、より更に好ましくは800,000以下である。
 水系インクは、顔料、水不溶性ポリマー及び水を含み、さらに必要に応じて有機溶媒を含んでもよい。また、水系インクは、任意成分として、保湿剤、湿潤剤、浸透剤、分散剤、界面活性剤、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤等の各種添加剤を含んでもよい。
(水系インクの製造方法)
 水系インクは、顔料、水不溶性ポリマー、水、必要に応じて中和剤、界面活性剤、有機溶媒等を混合し、撹拌することによって得ることができる。
 水系インクの各成分の含有量は以下のとおりである。顔料含有ポリマー粒子を含む場合には、予め顔料及び水不溶性ポリマーを分散処理して顔料含有ポリマー粒子の分散体を得た後、インクに配合してもよい。
(顔料の含有量)
 顔料の水系インク中の含有量は、印刷物の印字濃度の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上であり、そして、インクの粘度及び印刷物の耐擦過性の観点から、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは8質量%以下、より更に好ましくは6質量%以下である。
(水不溶性ポリマーの含有量)
 水不溶性ポリマーの水系インク中の含有量は、記録媒体への定着性、印刷物の耐擦過性の観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上、より更に好ましくは3質量%以上であり、そして、インクの粘度の観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは6質量%以下である。
 なお、水系インクが、顔料含有ポリマー粒子と顔料を含有しないポリマー粒子とを含む場合には、水不溶性ポリマーの含有量は、顔料含有ポリマー粒子及び顔料を含有しないポリマー粒子に含まれる水不溶性ポリマーの合計量である。
(水の含有量)
 水の水系インク中の含有量は、印刷物の耐擦過性及びインクの吐出安定性の観点から、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、そして、インクの吐出安定性の観点から、好ましくは80質量%以下、より好ましくは75質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。
[水系インクの洗浄方法]
 本発明の水系インクの洗浄方法は、顔料と水不溶性ポリマーを含む水系インクに対して、前記洗浄液を接触させる方法である。接触させる方法としては、塗布法、噴霧法、浸漬法等が挙げられる。
 前記洗浄方法として、前記洗浄液を不織布等の拭き取り部材にしみこませ、ノズル面や吐出口に付着した余分なインクを拭き取る方法;種類の異なるインクを使用する際に、インク変更の前後にプリンター内のインクの経路を、プリンターの供給機構及び取引機構を用いて、洗浄液の入ったカートリッジから該洗浄液をインクの経路内に供給し、排出を繰り返すことにより洗浄する方法;長期間記録ヘッドを使用しない場合に、記録ヘッドからインクを抜き取り、洗浄液を充填しキャッピングして保存する方法等が挙げられる。これらの中でも、被洗浄部材に残留し難い洗浄液を得る観点から、前記洗浄液を拭き取り部材にしみこませ、ノズル面や吐出口に付着した余分なインクを拭き取る方法が好ましい。拭き取り部材としては、液体吸収性であれば特に制限はなく、織物、編み物、不織布等の布帛、スポンジ、パルプ等が挙げられる。
 上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の水系インク用の洗浄液、その製造方法及び該洗浄液を用いた洗浄方法を開示する。
<1> 顔料と水不溶性ポリマーを含む水系インク用の洗浄液であって、
 該洗浄液が、エチレンオキシドの平均付加モル数が0モル以上2モル以下のアセチレングリコール(A)と、エチレンオキシドの平均付加モル数が4モル以上のアセチレングリコール(b-1)、及び炭素数が8以上のアルキル基を有するポリエチレングリコールアルキルエーテル(b-2)から選ばれる1種以上の化合物(B)と、水溶性有機溶媒(C)と、水とを含有し、
 水溶性有機溶媒(C)が沸点90℃以上の水溶性有機溶媒を1種以上含有し、
 水溶性有機溶媒(C)の沸点が、各水溶性有機溶媒の含有量(質量%)で重み付けした加重平均値で250℃以下であり、
 水溶性有機溶媒(C)の洗浄液中の含有量が20質量%以下である、水系インク用の洗浄液。
<2> アセチレングリコール(A)のエチレンオキシドの平均付加モル数が、好ましくは1.5モル以下、より好ましくは1モル以下、更に好ましくは0である、前記<1>に記載の水系インク用の洗浄液。
<3> アセチレングリコール(A)が、好ましくは2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、3,6-ジメチル-4-オクチン-3,6-ジオール、2,5-ジメチル-3-ヘキシン-2,5-ジオール、2,5,8,11-テトラメチル-6-ドデシン-5,8-ジオール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール、及びこれらのEO付加物から選ばれる1種以上であり、より好ましくは2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、3,6-ジメチル-4-オクチン-3,6-ジオール、2,5-ジメチル-3-ヘキシン-2,5-ジオール、及びこれらのEO付加物から選ばれる1種以上であり、更に好ましくは、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール及びこのEO付加物である、前記<1>又は<2>に記載の水系インク用の洗浄液。
<4> アセチレングリコール(b-1)のエチレンオキシドの平均付加モル数が、好ましくは6モル以上、より好ましくは7モル以上、更に好ましくは9モル以上であり、そして、好ましくは35モル以下、より好ましくは30モル以下、更に好ましくは25モル以下、より更に好ましくは20モル以下、より更に好ましくは15モル以下である、前記<1>~<3>のいずれかに記載の水系インク用の洗浄液。
<5> アセチレングリコール(b-1)が、好ましくは2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールのEO付加物、3,6-ジメチル-4-オクチン-3,6-ジオールのEO付加物、2,5-ジメチル-3-ヘキシン-2,5-ジオール、2,5,8,11-テトラメチル-6-ドデシン-5,8-ジオールのEO付加物、及び3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オールのEO付加物から選ばれる1種以上であり、より好ましくは2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールのEO付加物、3,6-ジメチル-4-オクチン-3,6-ジオールのEO付加物、及び2,5-ジメチル-3-ヘキシン-2,5-ジオールのEO付加物から選ばれる1種以上であり、更に好ましくは、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールのEO付加物である、前記<1>~<4>のいずれかに記載の水系インク用の洗浄液。
<6> ポリエチレングリコールアルキルエーテル(b-2)が、好ましくは下記式(1)で表される、前記<1>~<5>のいずれかに記載の水系インク用の洗浄液。
 RO-(EO)n-H   (1)
(式(1)中、Rは炭素数8以上のアルキル基を示し、EOはエチレンオキシド基を示し、nはEOの平均付加モル数を示す。)
<7> 前記式(1)において、アルキル基であるRの炭素数が、好ましくは10以上であり、そして、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは14以下、より更に好ましくは12である、前記<6>に記載の水系インク用の洗浄液。
<8> 前記式(1)において、アルキル基であるRが、好ましくは直鎖のアルキル基であり、より好ましくは、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基又はオクタデシル基であり、更に好ましくはオクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基又はヘキサデシル基であり、より更に好ましくはデシル基、ドデシル基又はテトラデシル基である、より更に好ましくはドデシル基である、前記<6>又は<7>に記載の水系インク用の洗浄液。
<9> 前記式(1)において、EOの平均付加モル数nが、好ましくは4以上、より好ましくは8以上、更に好ましくは10以上であり、そして、好ましくは30以下、より好ましくは25以下、更に好ましくは20以下である、前記<6>~<8>のいずれかに記載の水系インク用の洗浄液。
<10> 前記式(1)で表されるポリエチレングリコールアルキルエーテル(b-2)が、好ましくはポリエチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル、ポリエチレングリコールモノオクチルエーテル、ポリエチレングリコールモノデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノドデシルエーテル、及びポリエチレングリコールモノテトラデシルエーテルから選ばれる1種以上であり、より好ましくはポリエチレンングリコールモノデシルエーテル、及びポリエチレングリコールモノドデシルエーテルから選ばれる1種以上であり、更に好ましくはポリエチレングリコールモノドデシルエーテルである、前記<6>~<9>のいずれかに記載の水系インク用の洗浄液。
<11> アセチレングリコール(A)の洗浄液中の含有量が、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、より更に好ましくは0.3質量%以上であり、そして、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、より更に好ましくは0.7質量%以下である、前記<1>~<10>のいずれかに記載の水系インクの洗浄液。
<12> 化合物(B)の洗浄液中の含有量が、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、より更に好ましくは0.3質量%以上であり、そして、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、より更に好ましくは0.7質量%以下である、前記<1>~<11>のいずれかに記載の水系インク用の洗浄液。
<13> アセチレングリコール(A)と化合物(B)の質量比〔成分(A)/成分(B)〕(即ち、質量比〔(A)/(B)〕)が、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは0.7以上であり、そして、好ましくは2以下、より好ましくは1.5以下、更に好ましくは1.3以下である、前記<1>~<12>のいずれかに記載の水系インク用の洗浄液。
<14> アセチレングリコール(A)と化合物(B)の合計量が、洗浄液中、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは0.7質量%以上であり、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下、より更に好ましくは1.5質量%以下である、前記<1>~<13>のいずれかに記載の水系インク用の洗浄液。
<15> 水溶性有機溶媒(C)が、好ましくは多価アルコール、及び炭素数が8以上のアルキル基を有するポリエチレングリコールアルキルエーテル(b-2)以外の多価アルコールアルキルエーテルから選ばれる1種以上であり、より好ましくはプロピレングリコール、ジエチレングリコール及びジエチレングリコールモノブチルエーテルから選ばれる1種以上であり、更に好ましくはプロピレングリコール及びジエチレングリコールモノブチルエーテルから選ばれる1種以上であり、より更に好ましくはプロピレングリコールとジエチレングリコールモノブチルエーテルとの併用である、前記<1>~<14>のいずれかに記載の水系インク用の洗浄液。
<16> 水溶性有機溶媒(C)が、好ましくは多価アルコールとポリエチレングリコールアルキルエーテル(b-2)以外の多価アルコールアルキルエーテルとの併用であり、該多価アルコールと該多価アルコールアルキルエーテルとの質量比[多価アルコール/ポリエチレングリコールアルキルエーテル(b-2)以外の多価アルコールアルキルエーテル]が、好ましくは0.8以上、より好ましくは0.9以上、更に好ましくは1.0以上、更に好ましくは1.1以上であり、そして、好ましくは2以下、より好ましくは1.8以下、更に好ましくは1.6以下、より更に好ましくは1.4以下である、前記<1>~<14>のいずれかに記載の水系インク用の洗浄液。
<17> 水溶性有機溶媒(C)の洗浄液中の含有量が、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは7質量以下であり、そして、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上である、前記<1>~<16>のいずれかに記載の水系インク用の洗浄液。
<18> 顔料と水不溶性ポリマーを含む水系インクに対して、前記<1>~<17>のいずれかに記載の洗浄液を接触させる、水系インクの洗浄方法。
<19> 水系インクが、グラビア印刷用又はインクジェット記録用である、前記<18>に記載の水系インクの洗浄方法。
<20> 前記<1>~<17>のいずれかに記載の洗浄液の、グラビア印刷用洗浄液又はインクジェット記録用洗浄液としての使用。
<21> エチレンオキシドの平均付加モル数が0モル以上2モル以下のアセチレングリコール(A)と、エチレンオキシドの平均付加モル数が4モル以上のアセチレングリコール(b-1)、及び炭素数が8以上のアルキル基を有するポリエチレングリコールアルキルエーテル(b-2)から選ばれる1種以上の化合物(B)と、水溶性有機溶媒(C)と、水とを配合してなる、水系インク用の洗浄液の製造方法であって、
 水溶性有機溶媒(C)が沸点90℃以上の水溶性有機溶媒を1種以上含有し、
 水溶性有機溶媒(C)の沸点が、各水溶性有機溶媒の含有量(質量%)で重み付けした加重平均値で250℃以下であり、
 水溶性有機溶媒(C)の洗浄液中の含有量が20質量%以下である、水系インク用の洗浄液の製造方法。
<22> アセチレングリコール(A)の洗浄液中の配合量が、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、より更に好ましくは0.3質量%以上であり、そして、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、より更に好ましくは0.7質量%以下である、前記<21>に記載の水系インク用の洗浄液の製造方法。
<23> 化合物(B)の洗浄液中の配合量が、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、より更に好ましくは0.3質量%以上であり、そして、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、より更に好ましくは0.7質量%以下である、前記<21>又は<22>に記載の水系インク用の洗浄液の製造方法。
<24> アセチレングリコール(A)と化合物(B)の質量比〔成分(A)/成分(B)〕(即ち、質量比〔(A)/(B)〕)が、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは0.7以上であり、そして、好ましくは2以下、より好ましくは1.5以下、更に好ましくは1.3以下である、前記<21>~<23>のいずれかに記載の水系インク用の洗浄液の製造方法。
 以下の実施例、比較例及び製造例において、「部」及び「%」は特記しない限り「質量部」及び「質量%」である。
(1)洗浄液の粘度
 E型粘度計「TV-25」(東機産業株式会社製、標準コーンロータ1°34’×R24使用、回転数50rpm)を用いて、25℃における洗浄液を測定した。
(2)洗浄液のpH
 pH電極「6337-10D」(株式会社堀場製作所製)を使用した卓上型pH計「F-71」(株式会社堀場製作所製)を用いて、25℃における洗浄液のpHを測定した。
(3)水不溶性ポリマーの重量平均分子量
 N,N-ジメチルホルムアミドに、リン酸及びリチウムブロマイドをそれぞれ60mmol/Lと50mmol/Lの濃度となるように溶解した液を溶離液として、ポリマーの分子量をゲル浸透クロマトグラフィー法〔東ソー株式会社製GPA装置(HLA-8120GPA)、東ソー株式会社製カラム(TSK-GEL、α-M×2本)、流速:1mL/min〕により測定した。なお、標準物質として分子量既知の単分散ポリスチレンを用いる。
実施例1(洗浄液1の製造)
 (A)成分としてサーフィノール104PG-50(商品名、エアープロダクツアンドケミカル社製、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールのプロピレングリコール溶液、有効分50%、EO平均付加モル数:0)1.0gに、(B)成分としてポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO平均付加モル数:12モル)を0.5g、(C)成分としてプロピレングリコールを3.0g、ジエチレングリコールモノブチルエーテルを2.5g添加して撹拌した。次いで水酸化ナトリウム水溶液(0.1N)を0.2g、防腐剤JCL-400(商品名、城北化学工業株式会社製)を0.02g添加した後、全量が100gとなるようにイオン交換水を添加して混合液を得た。
 得られた混合液を1.5μmフィルターで濾過し、洗浄液1(粘度;1.17mPa・s、pH9.5)を得た。
実施例2~7、比較例1~6及び参考例1(洗浄液2~14の製造)
 実施例1において、表3の配合組成に変更した以外は、実施例1と同様にして洗浄液2~13(粘度;1.05~2mPa・s、pH9~9.6)を得た。
 なお、参考例1(洗浄液14)では、市販のグラビアインキ用の洗浄液NT602(商品名、東洋インキ株式会社製、有機溶媒:酢酸エチル)を使用した。
 なお、表3中の各成分は下記のとおりである。
 サーフィノール420:商品名、エアープロダクツアンドケミカル社製、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールのEO付加物(EO平均付加モル数:1.3モル)、有効分100%
 サーフィノール485:商品名、エアープロダクツアンドケミカル社製、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールのEO付加物(EO平均付加モル数:30モル)、有効分100%
 サーフィノール465:商品名、エアープロダクツアンドケミカル社製、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールのEO付加物(EO平均付加モル数:10モル)、有効分100%
製造例1(水系インクの製造)
(1)水不溶性ポリマー溶液の製造
 2つの滴下ロート1及び2を備えた反応容器内に、表1の「初期仕込みモノマー溶液」に記載の各成分を入れて混合し、窒素ガス置換を行い、初期仕込みモノマー溶液を得た。
 次に、表1の「滴下モノマー溶液1」及び「滴下モノマー溶液2」に記載の各成分をそれぞれ混合して、滴下モノマー溶液1及び滴下モノマー溶液2を得、滴下ロート1内及び滴下ロート2内にそれぞれ入れて、窒素ガス置換を行った。
 窒素ガス雰囲気下、反応容器内の初期仕込みモノマー溶液を撹拌しながら77℃に維持し、滴下ロート1中の滴下モノマー溶液1を3時間かけて徐々に反応容器内に滴下した。次いで滴下ロート2中の滴下モノマー溶液2を2時間かけて徐々に反応容器内に滴下した。滴下終了後、反応容器内の混合溶液を77℃で0.5時間撹拌した。
 次いで重合開始剤〔2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業株式会社製、商品名:V-65)〕1.1部をメチルエチルケトン(以下、「MEK」ともいう)47.3部に溶解した重合開始剤溶液を調製し、該混合溶液に加え、77℃で0.5時間撹拌することで熟成を行った。前記重合開始剤溶液の調製、添加及び熟成を更に12回行った。次いで反応容器内の反応溶液を80℃に1時間維持し、固形分濃度は36%になるようにMEK8,456部を加えて水不溶性ポリマー(i-1)の溶液を得た。水不溶性ポリマー(i-1)の重量平均分子量は67,000であった。
 なお、表1中の各成分の詳細は下記のとおりである。
 ・スチレン系マクロマー:AS-6S、東亜合成株式会社製(有効分濃度50質量%、数平均分子量6,000)
 ・NKエステルM-40G:メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数n=4)、新中村化学工業株式会社製
 ・V-65:重合開始剤〔2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業株式会社製、商品名:V-65)〕
 ・2-メルカプトエタノール:重合連鎖移動剤
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
(2)顔料含有ポリマー粒子の水分散体の製造
 得られた水不溶性ポリマー(i-1)の溶液(固形分濃度36%)178.7部を、MEK45部と混合し、水不溶性ポリマー(i-1)のMEK溶液を得た。容積が2Lのディスパーに該水不溶性ポリマー(i-1)のMEK溶液を投入し、1,400rpmの条件で撹拌しながら、イオン交換水511.4部、5N水酸化ナトリウム水溶液22.3部、及び25%アンモニア水溶液1.7部を添加して、水酸化ナトリウムによる中和度が78.8モル%、アンモニアによる中和度が21.2モル%となるように調整し、0℃の水浴で冷却しながら、1,400rpmで15分間撹拌した。
 次いで黒色顔料であるカーボンブラック(キャボット社製、商品名:モナーク717)150部を加え、6,400rpmで1時間撹拌した。得られた顔料混合物をマイクロフルイダイザー「M-7115」(Microfluidics社製)を用いて150MPaの圧力で9パス分散処理し、分散処理物(固形分濃度は25%)を得た。
 得られた分散処理物324.5部を2Lナスフラスコに入れ、イオン交換水216.3部を加え(固形分濃度15%)、回転式蒸留装置「ロータリーエバポレーター」(N-1000S、東京理化器械株式会社製)を用いて、回転数50r/minで、32℃に調整した温浴中にて、0.09MPaの圧力で3時間保持して、有機溶媒を除去した。更に、温浴を62℃に調整し、圧力を0.07MPaに下げて固形分濃度25%になるまで濃縮した。
 得られた濃縮物を500mlアングルローターに投入し、高速冷却遠心機(himac CR22G、日立工機株式会社製、設定温度20℃)を用いて7,000rpmで20分間遠心分離した後、液層部分を1.2μmのフィルター(MAP-010XS、ロキテクノ社製)で濾過し、顔料含有ポリマー粒子(I-1)(黒色)を含む濾液を回収した。
 得られた濾液300部(顔料52.5部、水不溶性ポリマー(i-1) 22.5部)にプロキセルLVS(アーチケミカルズジャパン株式会社製、防黴剤、有効分20%、水80%)0.68部を添加し、更に固形分濃度が22%になるようにイオン交換水40.23部を添加し、室温で1時間撹拌して顔料含有ポリマー粒子(I-1)(黒色)の水分散体を得た。
(3)顔料を含有しない水不溶性ポリマー粒子の水分散体の製造
 滴下ロートを備えた反応容器内に、表2の「初期仕込みモノマー乳化物」に示す各成分を入れて混合し、窒素ガス置換を行い、初期仕込みモノマー乳化物を得た。また、表2の「滴下モノマー乳化物」に示す各成分を混合して、滴下モノマー乳化物を得、滴下ロート内に入れて、窒素ガス置換を行った。
 窒素ガス雰囲気下、反応容器内の初期仕込みモノマー乳化物を撹拌しながら室温から80℃まで30分かけて昇温し、80℃に維持したまま、滴下ロート中のモノマーを3時間かけて徐々に反応容器内に滴下した。滴下終了後、反応容器内の温度を維持したまま、1時間撹拌した。次いで200メッシュで濾過し、顔料を含有しない水不溶性ポリマー粒子(II-1)を含む濾液を回収し、顔料を含有しない水不溶性ポリマー粒子(II-1)の水分散体を得た(固形分濃度40%)。該ポリマー粒子(II-1)の重量平均分子量は550,000であった。
 なお、表2中の各成分の詳細は下記のとおりである。
・ラテムルE-118B:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、花王株式会社製、界面活性剤
・過硫酸カリウム:重合開始剤、和光純薬工業株式会社製
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
(4)水系インクの製造
 顔料含有ポリマー粒子(I-1)の水分散体(固形分濃度22%)、及び顔料を含有しない水不溶性ポリマー粒子(II-1)の水分散体(固形分濃度40%)を用いて、水系インク1を製造した。インク中に顔料を5%、顔料を含有しない水不溶性ポリマー粒子(II-1)を2%となるようにイオン交換水を加えた後、pH8.5~10.0となるよう1N水酸化ナトリウム水溶液を加えて、以下の組成にて配合し、混合液を得た。得られた混合液を前記1.5μmフィルターで濾過し、水系インク1を得た。
 なお、水系インク1中のポリマーの含有量は、水不溶性ポリマー(i-1)と顔料を含有しないポリマー粒子(II-1)の合計量で4.15%であり、水の含有量は、インクの全量を100%としたときの残量である。
<組成>
 顔料含有ポリマー粒子(I-1)の水分散体(固形分22%、黒色顔料を5部、水不溶性ポリマー(i-1)を2.15部含む) 32.5部
 顔料を含有しないポリマー粒子(II-1)の水分散体(固形分40%) 5.0部
 非イオン性界面活性剤(花王株式会社製、トリプロピレングリコールモノオクチルエーテル、プロピレンオキシドの平均付加モル数:3モル) 1.5部
 プロピレングリコール 20.0部
 サーフィノール104PG-50(日信化学工業株式会社製、アセチレングリコール系非イオン性界面活性剤のプロピレングリコール溶液、有効分50%) 2.0部
 エマルゲン120(花王株式会社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル) 2.0部
 1N水酸化ナトリウム水溶液 0.5部
 なお、水の配合量は全量が100部となるように調整した量である。
 上記で得られた洗浄液1~14について、以下の方法により評価した。結果を表3に示す。
<インクの洗浄性の評価>
 製造例1で得られたインク(水系インク1)10μLをシャーレに入れ、40℃3時間の条件で乾燥した後、該シャーレに洗浄液を5g添加し1分間振とうした。必要に応じてデカンテーションで洗浄液を除去した後のインクの残っている程度を以下の評価基準により0~5の6段階で目視にて評価した。該評価基準で4以上であれば十分な洗浄性を有し、実用に供することができる。
(評価基準)
 5:インクが全く残留しない。
 4:インク滴の縁部分の一部が残留する。
 3:インク滴の縁部分が残留する。
 2:インクの形状が確認され、半分程度が残留する。
 1:インクの形状が確認され、半分以上が残留する。
 0:ほぼ除去されない。
<界面活性剤の溶解性の評価>
 洗浄液をビーカーに入れ撹拌した後、24時間静置後の洗浄液の概観を以下の評価基準により4段階で目視にて評価した。該評価基準で2以上であれば十分な溶解性を有し、実用に供することができる。
 3:調製直後から透明である。
 2:調製直後は白濁しているが撹拌すると透明になる。
 1:撹拌しても白濁する。
 0:撹拌してもすぐに分離する。
<洗浄液の残留性の評価>
 洗浄液を湿らせた不織布(商品名アズピュアワイパー、アズワン株式会社製)で、被洗浄部材として記録ヘッドの表面及びグラビア版シリンダー表面を拭いた後の洗浄液の残留の程度を以下の評価基準により0~5の6段階で目視にて評価した。該評価基準で4以上であれば、実用に供することができる。
 5:洗浄液の残留はない。
 4:洗浄液が目立たない程度にわずかに残留する。
 3:洗浄液が点在して残留する。
 2:洗浄液が記録ヘッド又はグラビア版シリンダー表面全体の40%以上で残留する。
 1:洗浄液が記録ヘッド又はグラビア版シリンダー表面全体の70%以上で残留する。
 0:記録ヘッドの表面及びグラビア版シリンダー表面全体に洗浄液が残留する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 表3中の各表記は下記のとおりである。
 *1:グラビアインキ用洗浄液NT602(東洋インキ株式会社製、有機溶媒:酢酸エチル)
 *2:界面活性剤が分離するため洗浄液として機能しない。
 *3:イオン交換水の配合量は、洗浄液の全量を100gとしたときの残量である。
 *4:水溶性有機溶媒(C)の洗浄液中の含有量を示す。アセチレングリコール(A)としてサーフィノール104PG-50(有効分50%)を用いた場合には、水溶性有機溶媒(C)の前記含有量は、水溶性有機溶媒(C)の配合量とサーフィノール104PG-50からのプロピレングリコールの持ち込み量との合計量である。
 *5:サーフィノール104PG-50からのプロピレングリコールの持ち込み量を除いて算出した水溶性有機溶媒(C)の沸点の加重平均値を示す。
 *6:サーフィノール104PG-50からのプロピレングリコールの持ち込み量を考慮して算出した水溶性有機溶媒(C)の沸点の加重平均値を示す。
 表3から、実施例1~7は、比較例1~6に比べて、インクの洗浄性及び界面活性剤の溶解性に優れ、被洗浄部材に残留し難いことが分かる。
 比較例1及び2は、アセチレングリコール(A)を用いていないため、実施例1~7に比べて、インクの洗浄性が劣る。
 比較例3は、化合物(B)を用いていないため、実施例1~7に比べて、界面活性剤の溶解性が劣る。
 比較例4は、水溶性有機溶媒(C)の沸点が250℃以上であるため、実施例1~7に比べて、インクの洗浄性及び界面活性剤の溶解性が劣り、被洗浄部材に洗浄液が残留する。
 比較例5及び6は、水溶性有機溶媒(C)の含有量が20質量%超であるため、実施例1~7に比べて、インクの洗浄性が劣り、被洗浄部材に洗浄液が残留する。
 参考例1は、溶媒として酢酸エチルを含む市販のグラビア印刷用の洗浄液を用いているため、実施例1~7に比べて、洗浄液の残留の程度は同程度であるが、インクの洗浄性が劣る。
 本発明の洗浄液は、インクの洗浄性及び界面活性剤の溶解性に優れ、被洗浄部材に洗浄液が残留し難い。そのため、顔料と水不溶性ポリマーを含む水系インク用の洗浄液として好適に用いることができる。
 

Claims (15)

  1.  顔料と水不溶性ポリマーを含む水系インク用の洗浄液であって、
     該洗浄液が、エチレンオキシドの平均付加モル数が0モル以上2モル以下のアセチレングリコール(A)と、エチレンオキシドの平均付加モル数が4モル以上のアセチレングリコール(b-1)、及び炭素数が8以上のアルキル基を有するポリエチレングリコールアルキルエーテル(b-2)から選ばれる1種以上の化合物(B)と、水溶性有機溶媒(C)と、水とを含有し、
     水溶性有機溶媒(C)が沸点90℃以上の水溶性有機溶媒を1種以上含有し、
     水溶性有機溶媒(C)の沸点が、各水溶性有機溶媒の含有量(質量%)で重み付けした加重平均値で250℃以下であり、
     水溶性有機溶媒(C)の洗浄液中の含有量が20質量%以下である、水系インク用の洗浄液。
  2.  アセチレングリコール(A)と化合物(B)の質量比〔(A)/(B)〕が、0.1以上2以下である、請求項1に記載の洗浄液。
  3.  アセチレングリコール(A)と化合物(B)の合計量が、洗浄液中0.5質量%以上5質量%以下である、請求項1又は2に記載の洗浄液。
  4.  アセチレングリコール(b-1)のエチレンオキシドの平均付加モル数が、35モル以下である、請求項1~3のいずれかに記載の洗浄液。
  5.  ポリエチレングリコールアルキルエーテル(b-2)が、下記式(1)で表される、請求項1~4のいずれかに記載の洗浄液。
     RO-(EO)n-H   (1)
    (式(1)中、Rは炭素数8以上のアルキル基を示し、EOはエチレンオキシド基を示し、nはエチレンオキシド基の平均付加モル数を示す。)
  6.  前記式(1)において、エチレンオキシド基の平均付加モル数nが4以上30以下である、請求項5に記載の洗浄液。
  7.  前記式(1)において、アルキル基であるRの炭素数が18以下である、請求項5又は6に記載の洗浄液。
  8.  水溶性有機溶媒(C)の洗浄液中の含有量が、1質量%以上である、請求項1~7のいずれかに記載の洗浄液。
  9.  アセチレングリコール(A)の洗浄液中の含有量が、0.01質量%以上5質量%以下である、請求項1~8のいずれかに記載の洗浄液。
  10.  化合物(B)の洗浄液中の含有量が、0.01質量%以上5質量%以下である、請求項1~9のいずれかに記載の洗浄液。
  11.  水溶性有機溶媒(C)が、多価アルコール、及び炭素数が8以上のアルキル基を有するポリエチレングリコールアルキルエーテル(b-2)以外の多価アルコールアルキルエーテルから選ばれる1種以上である、請求項1~10のいずれかに記載の洗浄液。
  12.  顔料と水不溶性ポリマーを含む水系インクに対して、請求項1~11のいずれかに記載の洗浄液を接触させる、水系インクの洗浄方法。
  13.  水系インクが、グラビア印刷用又はインクジェット記録用である、請求項12に記載の水系インクの洗浄方法。
  14.  エチレンオキシドの平均付加モル数が0モル以上2モル以下のアセチレングリコール(A)と、エチレンオキシドの平均付加モル数が4モル以上のアセチレングリコール(b-1)、及び炭素数が8以上のアルキル基を有するポリエチレングリコールアルキルエーテル(b-2)から選ばれる1種以上の化合物(B)と、水溶性有機溶媒(C)と、水とを配合してなる、水系インク用の洗浄液の製造方法であって、
     水溶性有機溶媒(C)が沸点90℃以上の水溶性有機溶媒を1種以上含有し、
     水溶性有機溶媒(C)の沸点が、各水溶性有機溶媒の含有量(質量%)で重み付けした加重平均値で250℃以下であり、
     水溶性有機溶媒(C)の洗浄液中の含有量が20質量%以下である、水系インク用の洗浄液の製造方法。
  15.  請求項1~11のいずれかに記載の洗浄液の、グラビア印刷用洗浄液又はインクジェット記録用洗浄液としての使用。
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