JP2013202771A - ボールエンドミル - Google Patents

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Abstract

【課題】長刃と短刃が交互に形成されたボールエンドミルにおいて、長刃の特に軸線上に交差させられるエンドミル本体先端側部分における刃策強度を損なうことなく、良好な切屑排出性を得る。
【解決手段】軸線O回りに回転されるエンドミル本体1の先端部に、軸線O回りの回転軌跡が半球状をなす偶数枚の切刃7が周方向に間隔をあけて形成され、周方向に1つおきの切刃7はエンドミル本体1先端の軸線O上に交差させられた長刃7Aとされ、残りの周方向に1つおきの切刃7は軸線Oから離れた位置に内周端を有する短刃7Bとされ、長刃7Aのギャッシュ6Aとそのエンドミル回転方向Tに隣接する短刃7Bのギャッシュ6Bとはエンドミル本体1先端側で連通させられ、長刃7Aのギャッシュ6Aは、少なくともエンドミル本体1先端側で短刃7Bのギャッシュ6Bよりも周方向に幅広とされている。
【選択図】図2

Description

本発明は、軸線回りに回転されるエンドミル本体の先端部に、上記軸線回りの回転軌跡が該軸線上に中心を有する半球状をなす偶数枚の切刃が周方向に間隔をあけて形成された偶数刃のボールエンドミルに関するものである。
このような偶数刃のボールエンドミルとして、特許文献1には、エンドミル本体の先端部に6枚のボール刃が形成され、このうち周方向に1つおきの3枚のボール刃は、エンドミル本体先端の軸線上に交差させられた長ボール刃(長刃)とされるとともに、残りの3枚のボール刃は軸線から離れた位置に内周端を有する短ボール刃(短刃)とされた6枚刃のボールエンドミルが提案されている。
このようなボールエンドミルでは、6枚のボール刃すべてが長ボール刃とされたボールエンドミルに対して、エンドミル本体先端の軸線上に突き合わされる長ボール刃の形成を容易にできるとともに、切屑排出用のポケット容量を確保して切屑詰まりを防止できる。一方、従来の対向配置された2枚のボール刃が長ボール刃とされるとともに残りの4枚のボール刃が短ボール刃とされたボールエンドミルに対しては、エンドミル本体先端における長ボール刃が多いので、加工面精度の向上と切刃寿命の延長を図ることができる。
特開2011−183532号公報
ところで、この特許文献1に記載のボールエンドミルでは、エンドミル本体先端において短ボール刃の内周端を軸線から離れた位置とするのに、短ボール刃に連なる先端逃げ面の先端内周側に、軸線に垂直な方向またはこれよりも内周側に向かうに従い僅かに先端側に向かう方向に延びる切欠面を形成し、この切欠面と先端逃げ面と短ボール刃のギャッシュのエンドミル回転方向を向く壁面との交点に短ボール刃の内周端が位置するようにしている。
そして、長ボール刃が3枚であることに加えて、このように切欠面によって短ボール刃の内周端よりも内周側に長ボール刃の回転軌跡がなす半球よりも後退した空間を形成し、この空間によっても切屑を排出するポケットの容量を確保するようにしているが、より大きなポケット容量を確保しようとしてこの切欠面を広げると、切欠面が長ボール刃のエンドミル本体先端側の部分に連なる先端逃げ面に及んでしまい、長ボール刃の特に軸線上に交差させられる部分において、エンドミル回転方向後方側のエンドミル本体の肉厚を確保することができなくなって刃先強度が低下し、この部分に欠損等が生じ易くなるおそれがある。
本発明は、このような背景の下になされたもので、上述のように長刃(長ボール刃)と短刃(短ボール刃)が交互に形成されたボールエンドミルにおいて、長刃の特に軸線上に交差させられるエンドミル本体先端側部分における刃先強度を損なうことなく、良好な切屑排出性を得ることが可能なボールエンドミルを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回転されるエンドミル本体の先端部に、上記軸線回りの回転軌跡が該軸線上に中心を有する半球状をなす偶数枚の切刃が周方向に間隔をあけて形成されており、これら偶数枚の切刃のうち周方向に1つおきの切刃は、上記エンドミル本体先端の上記軸線上に交差させられた長刃とされ、残りの周方向に1つおきの切刃は、上記軸線から離れた位置に内周端を有する短刃とされ、上記長刃のギャッシュと該長刃のエンドミル回転方向に隣接する短刃のギャッシュとはエンドミル本体先端側で連通させられているとともに、この長刃のギャッシュは、少なくとも上記エンドミル本体先端側で上記短刃のギャッシュよりも周方向に幅広とされていることを特徴とする。
このように構成されたボールエンドミルにおいては、特許文献1に記載のボールエンドミルと同様に、エンドミル本体の周方向に1つおきの残りの切刃は短刃とされ、また長刃のギャッシュとそのエンドミル回転方向に隣接する短刃のギャッシュとがエンドミル本体先端側で連通させられているので、この短刃の内周端よりも内周側には長刃の回転軌跡に対して後退する空間が形成されることになる。その一方で、長刃のギャッシュは、少なくともエンドミル本体先端側で短刃のギャッシュよりも周方向に幅広とされているので、上記空間を無理に広げようとしなくても、長刃のギャッシュ自体に十分な切屑排出のためのポケット容量を確保することができる。
このため、長刃の特に軸線上に交差するエンドミル本体先端側の部分においては良好な切屑排出性を得ることができ、特許文献1に記載のボールエンドミルのように長刃による切屑排出のためのポケット容量を確保するために短刃の内周側の切欠面を大きくしてこの部分の長刃の先端逃げ面を大きく切り欠いたりする必要はなくなるため、この部分のエンドミル回転方向後方側に連なるエンドミル本体の肉厚を確保して切刃強度の低下を抑え、欠損等が発生するのを防ぐことが可能となる。従って、より高い送りを与えたとしても安定した切削が可能となるので、高能率の加工を促すことができる。
さらに、長刃と該長刃のエンドミル回転方向に隣接する短刃との周方向の間隔を、少なくとも上記エンドミル本体先端側で、この短刃と該短刃のエンドミル回転方向に隣接する長刃との周方向の間隔よりも小さくすることにより、長刃のエンドミル回転方向後方側に一層大きな肉厚をエンドミル本体に確保することができる。従って、これによっても長刃の切刃強度の向上を図って、欠損等の発生を確実に防止することができる。
なお、上述のように長刃のギャッシュをエンドミル本体先端側において短刃のギャッシュよりも周方向に幅広にするには、長刃のギャッシュを、こうして短刃のギャッシュよりも周方向に幅広とされた部分において、該長刃のギャッシュのエンドミル回転方向を向く壁面とエンドミル回転方向後方を向く壁面とに交差する方向に延びる底面、またはこれらの壁面に接する凹曲面状をなす底面を備えたものとして、この底面の分だけ周方向の幅が広がるようにすればよい。
以上説明したように、本発明によれば、エンドミル本体先端側の部分において、特許文献1に記載のボールエンドミルのように長刃による切屑排出のためのポケット容量を確保するために短刃の内周側の切欠面を大きくして長刃の先端逃げ面を大きく切り欠いたりせずとも、良好な切屑排出性を確保することができ、これにより長刃のエンドミル回転方向後方側にエンドミル本体の肉厚を十分に残して、切刃強度の低下による欠損等を防止することができる。
本発明の一実施形態を示す斜視図である。 図1に示す実施形態の拡大正面図である。 図2におけるA方向視の側面図である。 図2におけるB方向視の側面図である。 (a)図1に示す実施形態のエンドミル本体先端側における長刃のギャッシュのエンドミル回転方向を向く壁面とエンドミル回転方向後方を向く壁面との延長面の交差稜線に垂直な断面図(図1〜図3の点Lにおける断面図)、(b)図(a)に示す断面図の拡大図、(c)図(b)の第1の変形例を示す断面図、(d)図(b)の第2の変形例を示す断面図である。 (a)図1に示す実施形態のエンドミル本体先端側における短刃のギャッシュのエンドミル回転方向を向く壁面とエンドミル回転方向後方を向く壁面との交差稜線に垂直な断面図(図1〜図3の点Sにおける断面図)、(b)図(a)に示す断面図の拡大図、(c)図(b)の変形例を示す断面図である。
図1ないし図6は本発明の一実施形態を示すものである。本実施形態において、エンドミル本体1は、超硬合金等の硬質材料により形成されて軸線Oを中心とした概略円柱状をなし、その後端側部分(図2、図3おいて右側部分)は円柱状のままのシャンク部2とされるとともに、先端部は切刃部3とされる。このようなボールエンドミルは、上記シャンク部2が工作機械の主軸に把持されて軸線O回りにエンドミル回転方向Tに回転されつつ、該軸線Oに交差する方向に送り出されて、上記切刃部3により例えば金型等の曲面を切削加工したりするのに用いられる。
この切刃部3においては、その後端側の外周部に、周方向に間隔をあけて偶数条(本実施形態では6条)の切屑排出溝4が軸線O方向後端側に向かうに従いエンドミル回転方向Tの後方側に捩れるように形成されており、これらの切屑排出溝4のエンドミル回転方向T側を向く壁面の外周側辺稜部には、この壁面をすくい面とする外周刃5がそれぞれ形成されている。これらの外周刃5は、軸線O回りの回転軌跡が該軸線Oを中心とした1つの円筒面をなすようにされている。
一方、切刃部3の先端部、すなわちエンドミル本体1の先端部においては、上記切屑排出溝4の先端部を先端側に向かうに従い内周側に向けてさらに切り欠くようにしてギャッシュ6が形成されており、このギャッシュ6のエンドミル回転方向T側を向く壁面6aの外周縁部には、この壁面6aをすくい面として上記外周刃5の先端に連なり先端側に向かうに従い凸曲しつつ内周側に向かう、外周刃5と同数の偶数(本実施形態では6枚)の切刃(ボール刃)7がそれぞれ形成されている。これらの切刃7は、その軸線O回りの回転軌跡が、該軸線O上に中心を有して先端側に凸となる1つの半球をなすようにされていて、この半球の半径は上記外周刃5の回転軌跡がなす円筒面の半径と等しくされている。
これら6枚の切刃7のうち、周方向に1つおきの3枚の切刃7は、外周刃5の先端からエンドミル本体1先端の軸線O上に達するまで延びて、この軸線O上で互いに交差させられた長刃7Aとされるとともに、残りの3枚の切刃7は、これら長刃7Aよりも軸線Oから離れた位置に内周端を有する短刃7Bとされている。さらに、長刃7Aのギャッシュ6Aは、この長刃7Aのエンドミル回転方向Tに隣接する短刃7Bのギャッシュ6Bに連通させられている。なお、3枚の長刃7Aそれぞれと、3枚の短刃7Bそれぞれは、周方向に等間隔に形成されている。
そして、短刃7Bのギャッシュ6Bが図6(b)に示すように、この短刃7Bのすくい面とされるエンドミル回転方向Tを向く上記壁面6aと、この壁面6aに対向してエンドミル回転方向T後方を向く壁面6bとにより形成されているのに対し、長刃7Aのギャッシュ6Aは図5(b)に示すように、この長刃7Aのすくい面とされるエンドミル回転方向Tを向く上記壁面6aと、この壁面6aに対向してエンドミル回転方向T後方を向く壁面6bと、これらの壁面6a、6bの間に延びる底面6cとにより形成されていて、これにより、少なくともエンドミル本体1の先端側では、長刃7Aのギャッシュ6Aが短刃7Bのギャッシュ6Bよりも周方向に幅広とされている。すなわち、長刃7Aのギャッシュ6Aと短刃7Bのギャッシュ6Bとの断面が異なる形状とされている。
ここで、本実施形態では、長刃7Aのギャッシュ6Aは、そのエンドミル回転方向Tとエンドミル回転方向T後方を向く壁面6a、6bの延長面の交差稜線に直交する断面において図5(b)に示すように、これらの壁面6a、6bが鋭角に交差する方向に延びるように形成されており、ギャッシュ6Aの上記底面6cは、同断面においてこれらの壁面6a、6bに角度をもって交差するように延びている。また、短刃7Bのギャッシュ6Bは、そのエンドミル回転方向Tとエンドミル回転方向T後方を向く壁面6a、6bの交差稜線に直交する断面において図6(b)に示すように、これらの壁面6a、6bが鋭角に交差するように形成されている。
さらに、本実施形態では、長刃7Aのギャッシュ6Aは、そのエンドミル回転方向T後方を向く上記壁面6bが、エンドミル本体1先端の上記軸線Oの極周辺において、短刃7Bのギャッシュ6Bのエンドミル回転方向T後方を向く上記壁面6bに交差するように延びることにより、この短刃7Bのギャッシュ6Bと連通させられている。これら長刃7Aのギャッシュ6Aと短刃7Bのギャッシュ6Bのエンドミル回転方向T後方を向く壁面6b同士の交差稜線の外周側では、図6(b)に示すように短刃7Bのギャッシュ6Bのエンドミル回転方向Tを向く壁面6aと、そのエンドミル回転方向T後方側に隣接する長刃7Aのギャッシュ6Aのエンドミル回転方向T後方を向く壁面6bとが交差させられ、さらにその外周側には、短刃7Bの先端逃げ面8Bの内周部を、軸線Oに垂直な方向またはこれよりも内周側に向かうに従い僅かに先端側に向かう方向に切り欠いた切欠面9が形成されていて、この切欠面9と、短刃7Bの先端逃げ面8Bと、短刃7Bのすくい面とされるギャッシュ6Bの上記壁面6aとの交点が、短刃7Bの内周端とされる。
なお、本実施形態では、軸線Oに対する径方向に短刃7Bが形成された範囲において、少なくともエンドミル本体1の先端部内周側では、長刃7Aと該長刃7Aのエンドミル回転方向Tに隣接する短刃7Bとの周方向の間隔は、この短刃7Bと該短刃7Bのエンドミル回転方向Tに隣接する長刃7Aとの周方向の間隔よりも小さくされている。一方、外周側の外周刃5に連なる部分では、このままの間隔でもよく、また長刃7Aと短刃7Bとが周方向に等間隔に形成されていてもよく、逆に長刃7Aとそのエンドミル回転方向Tに隣接する短刃7Bとの周方向の間隔が、この短刃7Bとそのエンドミル回転方向Tに隣接する長刃7Aとの周方向の間隔より大きくされていてもよい。
ここで、エンドミル本体1先端側における長刃7Aのギャッシュ6Aの幅は、軸線O方向先端側から見たときに、軸線Oを中心として短刃7Bの内周端を通る円周上において、長刃7Aから該長刃7Aのギャッシュ6Aのエンドミル回転方向T後方を向く壁面6bとこの長刃7Aのエンドミル回転方向Tに隣接する短刃7Bの先端逃げ面8Bまたは切欠面9との交線までの幅(円弧の長さ)であり、エンドミル本体1先端側における短刃7Bのギャッシュ6Bの幅は、同じく軸線O方向先端側から見たときに、軸線Oを中心として短刃7Bの内周端を通る円周上において、短刃7Bから該短刃7Bのギャッシュ6Bのエンドミル回転方向T後方を向く壁面6bとこの短刃7Bのエンドミル回転方向Tに隣接する長刃7Aの先端逃げ面8Aとの交線までの幅(円弧の長さ)である。
また、同様に、エンドミル本体1先端側における長刃7Aと該長刃7Aのエンドミル回転方向Tに隣接する短刃7Bとの周方向の間隔も、軸線O方向先端側から見たときに、軸線Oを中心として短刃7Bの内周端を通る円周上における長刃7Aと該長刃7Aのエンドミル回転方向Tに隣接する短刃7Bとの間隔(円弧の長さ)であり、短刃7Bと該短刃7Bのエンドミル回転方向Tに隣接する長刃7Aとの周方向の間隔も、軸線O方向先端側から見たときに、軸線Oを中心として短刃7Bの内周端を通る円周上における短刃7Bと該短刃7Bのエンドミル回転方向Tに隣接する長刃7Aとの間隔(円弧の長さ)である。
このように構成されたボールエンドミルでは、長刃7Aのギャッシュ6Aが、少なくともエンドミル本体1先端側の軸線O周辺において、短刃7Bのギャッシュ6Bよりも周方向に幅広とされているので、この長刃7Aのギャッシュ7Bに切屑排出のための大きなポケットを確保することができる。このため、特許文献1に記載のボールエンドミルのようにこのポケット容量を確保するために切欠面を長刃7Aの先端逃げ面8Aにまで広げなくても良好な切屑排出性を得ることができ、長刃7Aのエンドミル回転方向T後方側のエンドミル本体1の肉厚を大きくして、切刃強度の低下を抑えることができる。
また、この長刃7Aのギャッシュ6Aは、同じくエンドミル本体1先端側の軸線O周辺において、そのエンドミル回転方向Tに隣接する短刃7Bのギャッシュ6Bに連通させられてもいるので、さらに良好な切屑排出性を確保することができる。従って、上記構成のボールエンドミルによれば、より高い送りを与えて切削加工を行っても、長刃7Aに欠損等が生じるのを防ぎつつ切屑を円滑に排出することができ、安定した高能率の切削加工を行うことができる。
さらに、本実施形態では、少なくともエンドミル本体1の先端部内周側では、長刃7Aと該長刃7Aのエンドミル回転方向Tに隣接する短刃7Bとの間隔が、この短刃7Bと該短刃7Bのエンドミル回転方向Tに隣接する長刃7Aとの間隔よりも小さくされている。このため、軸線Oに対する径方向に短刃7Bが形成された範囲の少なくとも内周側の部分では、長刃7Aのエンドミル回転方向T後方におけるエンドミル本体1の肉厚を一層大きく確保することができ、長刃7Aの切刃強度を向上させて欠損等の発生を確実に防止することができる。
なお、本実施形態では、図5(b)に示したように、長刃7Aのギャッシュ6Aの底面6cを、この長刃7Aのすくい面とされるエンドミル回転方向Tを向く壁面6aとエンドミル回転方向T後方を向く壁面6bとに角度をもって交差するように形成しているが、図5(c)に示す第1の変形例のように、底面6cは壁面6a、6bと交差する方向に延びているものの、これら壁面6a、6bの少なくとも一方(図5(c)では両方)と底面6cとが交差する部分は、上記断面が凹円弧等の凹曲線状をなしてこれらの壁面6a、6bと底面6cに接する凹曲面状に形成されていてもよい。
あるいは、図5(d)に示す第2の変形例のように、底面6c全体を、上記断面が凹円弧等の凹曲線状をなしてギャッシュ6Aのエンドミル回転方向Tとその後方を向くこれらの壁面6a、6bに接する凹曲面に形成してもよい。これは、短刃7Bのギャッシュ6Bも同様であり、図6(c)に示す変形例のように、そのエンドミル回転方向Tを向く壁面6aとエンドミル回転方向T後方を向く壁面6bとが上記断面において、これらの壁面6a、6bに接する断面凹曲線状をなす凹曲面を介して連なるようにされていてもよく、この場合に、長刃7Aのギャッシュ6Aの底面6cも凹曲面であれば、上記断面におけるその曲率半径を、短刃7Bのギャッシュ6Bにおける凹曲面よりも大きくすればよい。
なお、上記実施形態では、切刃(ボール刃)7の長刃7Aの全長に亙ってギャッシュ6Aにこのような底面6cが形成されているが、外周刃7に連なる部分では隣接する切刃7の間隔も大きくなって良好な切屑排出性が得られるので、極端な広狭が生じなければ上述のように長刃7Aのギャッシュ6Aは幅広とされていなくてもよく、すなわち長刃7Aのギャッシュ6Aに上記底面6cが形成されていなくてもよい。
また、上記実施形態では、6枚刃のボールエンドミルに本発明を適用した場合について説明したが、8枚刃以上の偶数刃のボールエンドミルや、4枚刃以下の偶数刃のボールエンドミルに適用することも可能である。ただし、4枚刃のボールエンドミルに適用すると、短刃7Bのポケットが狭くなりすぎて切屑詰まりが問題となり、また2枚刃のボールエンドミルでは長刃7Aと短刃7Bとが1枚ずつしか形成されないので、本発明は6枚刃以上で、特に6枚刃か8枚刃のボールエンドミルに適用して好適である。
1 エンドミル本体
3 切刃部
4 切屑排出溝
5 外周刃
6 ギャッシュ
6A 長刃7Aのギャッシュ
6B 短刃7Bのギャッシュ
6a ギャッシュ6のエンドミル回転方向Tを向く壁面
6b ギャッシュ6のエンドミル回転方向T後方を向く壁面
6c ギャッシュ6の底面
7 切刃(ボール刃)
7A 長刃
7B 短刃
8A 長刃7Aの先端逃げ面
8B 短刃7Bの先端逃げ面
9 切欠面

Claims (3)

  1. 軸線回りに回転されるエンドミル本体の先端部に、上記軸線回りの回転軌跡が該軸線上に中心を有する半球状をなす偶数枚の切刃が周方向に間隔をあけて形成されており、これら偶数枚の切刃のうち周方向に1つおきの切刃は、上記エンドミル本体先端の上記軸線上に交差させられた長刃とされ、残りの周方向に1つおきの切刃は、上記軸線から離れた位置に内周端を有する短刃とされ、上記長刃のギャッシュと該長刃のエンドミル回転方向に隣接する短刃のギャッシュとはエンドミル本体先端側で連通させられているとともに、この長刃のギャッシュは、少なくとも上記エンドミル本体先端側で上記短刃のギャッシュよりも周方向に幅広とされていることを特徴とするボールエンドミル。
  2. 上記長刃と該長刃のエンドミル回転方向に隣接する短刃との周方向の間隔が、少なくとも上記エンドミル本体先端側で、この短刃と該短刃のエンドミル回転方向に隣接する長刃との周方向の間隔よりも小さくされていることを特徴とする請求項1に記載のボールエンドミル。
  3. 上記長刃のギャッシュは、上記短刃のギャッシュよりも周方向に幅広とされた部分において、該長刃のギャッシュのエンドミル回転方向を向く壁面とエンドミル回転方向後方を向く壁面とに交差する方向に延びる底面、またはこれらの壁面に接する凹曲面状をなす底面を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のボールエンドミル。
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