JP2013191681A - 電気−機械変換素子、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置 - Google Patents

電気−機械変換素子、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】SROを下地電極とした構成で、初期特性及び経時的に安定な電気−機械変換素子、液滴吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】基板または下地膜上に形成された密着層と、金属から成る第1の電極と、SROから成る第2の電極と、電気−機械変換膜と、金属酸化物から成る第3の電極と、金属から成る第4の電極(第3と第4の電極は個別電極)を順次形成した素子構成において、前記密着層を金属膜を経由して急熱酸化法により形成して結晶膜とすると共に、前記第2の電極膜厚を40nm〜150nmとし、前記第2の電極中における下記式(1)で示されるイオン強度比を0.01以下に制御して電気−機械変換素子とする。イオン強度比=[Mem]/[Mm]・・・(1)[Mem]、[Mm]は、それぞれ第2の電極の膜厚方向と、密着層の金属膜厚方向とにおける各1/2に位置する領域での密着層構成金属イオン強度(SIMSによる2次イオン強度)を示す。
【選択図】図13

Description

本発明は、インクジェット方式のプリンタ、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置等(インクジェット式記録装置)に備えられ、インク等の液滴を吐出する液滴吐出ヘッドの駆動源等として用いられる電気−機械変換素子、これを備えたかかる液滴吐出ヘッド(インクジェット式記録ヘッド)、液滴吐出ヘッドを備えかかる画像形成装置等に具備される液滴吐出装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の画像記録装置或いは画像形成装置として使用されるインクジェット記録装置において駆動源として用いられる電気−機械変換素子を備えた液滴吐出ヘッド(インクジェット式記録ヘッド)の例としては、図1の概略断面図に示すような構成のものがある。すなわち、図1の構成では、インク滴を吐出するノズル(102)と、このノズルが連通する圧力室(101)[インク流路、加圧液室、吐出室、液室等とも称される。]と、加圧室内のインクを加圧する圧電素子などの電気−機械変換素子(109)(或いはヒータなどの電気熱変換素子)、及びインク流路の壁面を形成する振動板[下地(105)]と、これに対向する電極からなるエネルギー発生手段とを備え、このエネルギー発生手段で発生したエネルギーで圧力室(101)内インクを加圧することによってノズル(102)からインク滴を吐出させる。なお、図1では下部電極(106)と上部電極(108)に電圧を印加して電気−機械変換膜(圧電体薄膜)(107)を振動させて前記エネルギーを発生させる。図1中、符号103はノズル板、104は圧力室基板(Si基板)、を示す。
インクジェット式記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、たわみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの2種類が実用化されている。
たわみ振動モードのアクチュエータを使用したものとしては、例えば、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧電材料層(圧電体薄膜)を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法により圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生室に独立するように圧電素子を形成したものが知られている。
このような圧電アクチュエータにおいては、圧電膜の自発分極軸のベクトル成分と電界印加方向とが一致するときに、電界印加強度の増減に伴う伸縮が効果的に起こり、大きな圧電定数が得られるため、圧電膜の自発分極軸と電界印加方向とは完全に一致することが最も好ましい。また、インク吐出量のばらつき等を抑制するには、圧電膜の圧電性能の面内ばらつきが小さいことが好ましい。これらの点を考慮すれば、結晶配向性に優れた圧電膜が好ましい。
結晶配向性に関する技術としては、例えば、表面にTiが島状に析出したTi含有貴金属電極上に圧電膜を成膜することで、結晶配向性に優れた圧電膜を成膜する技術(特許文献1参照)あるいは、基板としてMgO基板を用いることで、結晶配向性に優れた圧電膜を成膜する技術(特許文献2参照)あるいは、アモルファス強誘電体膜を成膜し、その後、急速加熱法によって該膜を結晶化させる強誘電体膜の製造方法に関する技術(特許文献3参照)あるいは、成膜工程においては、正方晶系、斜方晶系、及び菱面体晶系のうちいずれかの結晶構造を有するペロブスカイト型複合酸化物(不可避不純物を含んでいてもよい)からなり、(100)面、(001)面、及び(111)面のうちいずれかの面に優先配向し、配向度が95%以上である圧電膜を成膜する圧電膜の製造方法に関する技術(特許文献4参照)などが知られている。
上記特許文献については、多くは白金上にジルコン酸チタン酸鉛(PZT)を形成している。電極材料としては、従来からPt、Ir、Ru、Ti、Ta、Rh、Pd等の金属材料が用いられてきたが、一般的に白金が利用されている。白金が多用された背景は、最密充填構造である面心立方格子(FCC)構造をとるために自己配向性が強く、振動板の材料であるSiOのようなアモルファス上に成膜しても(111)に強く配向し、その上の圧電体膜も配向性が良いためである。しかし、配向性が強いため柱状結晶が成長し、粒界に沿ってPbなどが下地電極に拡散しやすくなるといった問題もあった。
圧電体動作時に、経時的に圧電体中の酸素欠損が増大する可能性のあることが従来技術として示されており、その欠損酸素成分の補給源として導電性の酸化物電極が利用されるに至っている。すなわち、下部電極材料の項で記載した酸化物電極層が誘電体材料との接触界面で用いられる様になってきている。酸化物電極層に使用される具体的な材料系としては、IrO、LaNiO、RuO、SrO、SrRuO、CaRuOなどが用いられ、また、電極層として、Pt、Ir、Ru、Ti、Ta、Rh、Pd等が用いられている。
このように、圧電体薄膜を形成するためには、圧電体薄膜直下の導電性酸化物電極が重要となる。中でもSrRuO(ルテニウム酸ストロンチウム:略称、「SRO」)は、PZTと同じペロブスカイト型結晶構造を有しているので、界面での接合性に優れ、PZTのエピタキシャル成長を実現し易く、Pbの拡散バリア層としての特性にも優れている。
ペロブスカイト構造を有するルテニウム酸ストロンチウム(SRO)を用いる技術としては、特許文献5〜11、非特許文献1などに提案されている。
例えば、特許文献5では、ペロブスカイト構造を有する(111)配向のルテニウム酸ストロンチウム(SRO)を備えた下部電極であって、2層のSRO間にイリジウム又は白金の層を挟み込んだ構造を有する下部電極と、この下部電極上に形成された、(111)配向のPZTからなる圧電体層と、この圧電体層上に形成された上部電極と、を備えた、圧電アクチュエータについての技術が提案されている。あるいは、特許文献6では、上部、下部電極の少なくとも一方でSROを備え、誘電膜を挟んで構成されたキャパシタを有する半導体装置に関する技術が提案されている。あるいは、特許文献7では、Si(100)基板上にSROを主成分とするエピタキシャル膜(100)を作製し、その表面粗さ(平均粗さ)を10nm以下とする構造体に関する技術が提案されている。
また、特許文献8では、下部電極[貴金属膜及び貴金属酸化物膜の中から選択された導電膜と、前記誘電体膜と前記導電膜との間に設けられたSRO膜からなるペロブスカイト型金属酸化物膜(厚さは5nm以下)と、前記導電膜と前記金属酸化物膜との間に設けられたTi膜からなる金属膜とを備える]と、上部電極と、前記下部電極と前記上部電極との間に設けられた誘電体膜とを具備する構成により、結晶性に優れたPZT膜等の誘電体膜の形成を可能とし、キャパシタの特性や信頼性を向上させる技術が提案されている。また、特許文献9では、Ptに代わる下部電極(第1の電極)の構成材料として、例えばRuOxやIrO等の導電性酸化物、特に、ルテニウム酸ストロンチウム(SrRuO)等のペロブスカイト構造を有する金属酸化物を用いることにより、電子デバイスの特性を改善する技術が提案されている。また、特許文献10では、Si基板上に形成された、振動板と、バッファ層((100)配向又は(110)配向のSROからなる)と、下部電極(ペロブスカイト構造を有する(100)配向のルテニウム酸ストロンチウムを備える)と、(100)配向のPZTからなる圧電体層と、上部電極とを具備する構成により、振動板としての物理的性質や、基板や下部電極との密着性を確保した圧電アクチュエータに関する技術が提案されている。
一方、特許文献11では、下部電極(白金と酸化チタンとの化合物からなる結晶体)の下部に酸化チタン膜を設けることにより、クラックの発生を抑制する技術が提案されている。また、非特許文献1では、部電極(白金と膜厚15〜30nmのSRO)の下部に酸化チタン膜を設けPZTの(111)配向度を制御する技術(非特許文献1参照)が提案されている。
なお、下部電極と下部電極間にPZTなどの誘電体膜を形成させた構成は、圧電アクチュエータのほか、強誘電体メモリや、キャパシタとしても有用な技術であることが知られている(特許文献12〜15参照)。
しかしながら、特許文献5においては、(111)配向が、(110)配向や(100)配向または(001)配向に比べて優先配向しているか否か、あるいは優先配向の度合いによって、圧電アクチュエータとして必要な初期変位、さらに連続動作したときにの変位劣化により不具合が発生することが、本発明者らの研究によってわかってきた。すなわち、圧電アクチュエータとして駆動させた後に、初期変位に比べてどのくらい劣化するかを確認したところ、(111)配向度によっては、劣化の様子が変わってくることがわかってきた。さらに、(111)配向した膜については、ルテニウム酸ストロンチウム(SrRuO:略称「SRO」)の表面粗さや厳密な膜厚範囲が、結晶性配向性に影響しており、これも劣化に影響を与えることも分かってきた。さらに振動板と下部電極界面にイットリア安定化ジルコニア(YSZ)、CeO、又はZrOをバッファー層として構成して配向制御すると、構造が複雑化する。特許文献10においても同様の問題がある。
また、特許文献6においては、SROの成膜について室温成膜後にRTA処理を行っているが、SRO上にジルコン酸チタン酸鉛(PZT)を作製した場合(111)配向したものが得られにくく十分な性能を獲得することができないことがわかった。また、SRO膜厚が10nm〜20nmであると、圧電アクチュエータとして使用した場合に、初期変位が十分得られず、さらに連続動作したときに不具合が発生することがわかってきた。
また、特許文献7においては、エピタキシャル膜(100)上に作製した強誘電体膜は(100)配向を有しているが、圧電アクチュエータとして連続動作したときの変位特性劣化を抑えるには、圧電体膜の配向性としては(111)が好ましく、(100)配向したものでは十分劣化抑制できないことがことがわかってきた。
また、特許文献8においては、SROに含まれるRuの一部をTiに置換することでSROの安定性を向上させているが、特許文献に記載されているようなRuO等を多く含んだ結晶性の低いSRO膜にはなっておらず、良好なSRO(111)配向度は得られないことがことがわかってきた。
また、特許文献9においては、下部電極下にチタン膜あるいは酸化チタン膜が設けられていないことから振動板と下部電極の密着性に課題があることがことがわかってきた。
また、特許文献11においては、白金と酸化チタンとの化合物からなる結晶体を下部電極とし、その下部に酸化チタン膜を備えており、結晶体の粒界が圧電体膜の膜面に対して垂直方向に存在している。この場合、白金だけでは、圧電アクチュエータとして連続動作したときの変位特性劣化を抑えるのが難しく導電性酸化物が必要とされることがわかってきた。
また、非特許文献1においては、PZT(111)配向度を制御するためにSRO膜厚を15nmから30nmで制御しているが、このようなSRO膜厚では圧電アクチュエータとして十分な変位特性が得られず、さらに連続動作したときの変位特性劣化を抑えるのが困難であり、安定した十分な特性が得られないことがわかってきた。
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、インクジェット方式のプリンタ、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置等に備えられ、下地電極としてルテニウム酸ストロンチウム(以下、「SrRuO」又は「SRO」と称することがある。)を用いた構成で、構造が複雑化することなく比較的簡易であると共に、初期特性並びに経時的に安定した特性(セラミック焼結体と同等の駆動力を保持)を得ることを可能とした電気−機械変換素子、これを備えインク等の液滴を吐出する液滴吐出ヘッド、これを備えた液滴吐出装置を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、基板または下地膜上に密着層を介して金属から成る第1の電極、ルテニウム酸ストロンチウム(SRO)から成る第2の電極、電気―機械変換膜[例えば、ジルコン酸チタン酸鉛(略称、「PZT」)]、酸化物から成る第3の電極、金属から成る第4の電極(第3、4の電極は個別電極)を順次形成して電気−機械変換素子とする場合、密着層を金属膜から急熱酸化法[Rapid Thermal Annealing(以降、「RTA」を略称することがある。)]により酸化して形成した膜(結晶膜)とすると共に、第2の電極膜厚を40nm以上150nm以下とし、かつ、第2の電極中における前記密着層を構成する金属イオンの拡散量を表すイオン強度比〔後述する式(1)により示される。〕を0.01以下に制御することにより上記課題が解決されることを見出し本発明に至った。
即ち、上記課題は、基板または下地膜上に形成された密着層と、
この密着層上に形成された金属から成る第1の電極と、
この第1の電極上に形成されたルテニウム酸ストロンチウムから成る第2の電極と、
この第2の電極上に形成された電気−機械変換膜と、
この電気−機械変換膜上に形成された金属酸化物から成る第3の電極と、
この第3の電極上に形成された金属から成る第4の電極とを有し、第3の電極と第4の電極とは個別電極である電気−機械変換素子であって、
前記密着層が金属膜を経由して急熱酸化法により形成された結晶膜であり、
前記第2の電極膜厚が40nm〜150nmであり、
前記第2の電極中における下記式(1)で示されるイオン強度比が0.01以下であることを特徴とする電気−機械変換素子。により解決される。
イオン強度比=[Mem]/[Mm] ・・・(1)
[Mem]:第2の電極の膜厚方向の1/2に位置する領域での密着層構成金属イオン強度
[Mm]:密着層の金属膜厚方向の1/2に位置する領域での密着層構成金属イオン強度
(イオン強度は、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)による2次イオン強度)
また、上記課題は、液滴を吐出するノズルと、該ノズルが連通する加圧室と、該加圧室内の液体を昇圧させる吐出駆動手段とを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、前記吐出駆動手段として、前記加圧室の壁の一部を振動板で構成し、該振動板に請求項1乃至9の何れかに記載の電気−機械変換素子を配置したことを特徴とする液滴吐出ヘッドにより解決される。
また、上記課題は、請求項10に記載の液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする液滴吐出装置により解決される。
本発明は、基板または下地膜上に形成された密着層(金属膜を経由して急熱酸化法により形成された結晶膜)と、この密着層上に形成された金属から成る第1の電極と、この第1の電極上に形成されたルテニウム酸ストロンチウム(SRO)から成る第2の電極(膜厚が40nm以上150nm以下であり、第2の電極中における前記密着層構成金属イオンの拡散量を表す前記式(1)で示されるイオン強度比が、0.01以下である)と、この第2の電極上に形成された電気−機械変換膜と、この電気−機械変換膜上に形成された金属酸化物から成る第3の電極と、この第3の電極上に形成された金属から成る第4の電極とを有し、第3の電極と第4の電極とは個別電極とされた構成からなる電気−機械変換素子にあるので、
構造が複雑化することなく比較的簡易であると共に、初期特性並びに経時的に安定した特性(セラミック焼結体と同等の駆動力を保持する)を得ることができる。
本発明の電気−機械変換素子を用いて液滴吐出ヘッドを構成すれば、セラミック焼結体と同等の駆動力によりインク滴吐出特性を良好に保持でき、連続吐出しても安定したインク滴吐出特性を維持することができる。また、この液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置とすれば、振動板駆動不良によるインク滴吐出不良がなく、安定したインク滴吐出特性によって画像品質が向上する。
電気−機械変換素子を備えた液滴吐出ヘッドの構成例を示す概略断面図である。 本発明の電気−機械変換素子の構成例を示す概略断面図である。 本発明の構成とされたSROがX線回折法(XRD)により測定される2θ=32°付近のピーク強度から(111)に優先配向していることを示す図である。 本発明の構成とされたSRO上に前駆体溶液を用いて成膜した後のPZTの結晶配向についてX線回折法(XRD)により調べた結果を示す図である。 Ti膜又はTi膜をRTA酸化して密着層とし、白金(Pt)、SROを順次成膜した各構成におけるSRO中のTiの拡散状態を比較した図である。 PZTの(111)配向度と電気−機械変換素子の変位特性(-d31)の関係を示す図である。 PZTの(111)配向度と電気−機械変換素子の-d31劣化率の関係を示す図である。 電気−機械変換膜上に成膜されたPZT膜の深さ方向(1層〜4層)におけるPb、Zr、Ti各元素の含有比率(atomic%)を示す図である。 図1に示した電気−機械変換素子を複数個配置して構成した液滴吐出ヘッドの構成例を示す別の概略断面図である。 本発明に係る液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置(インクジェット記録装置)の一例を示す斜視説明図である。 図10に示すインクジェット記録装置の機構部の側面説明図である。 実施例1において電気−機械変換膜を形成した前駆体塗布液の積層構成順を示す図である。 実施例で作製した電気−機械変換素子のパターンを示す図である。 実施例2、4、5において電気−機械変換膜を形成した前駆体塗布液の積層構成順を示す図である。 実施例3、参考例1において電気−機械変換膜を形成した前駆体塗布液の積層構成順を示す図である。 本発明の電気−機械変換素子の特性の評価を行った場合の代表的なP−Eヒステリシス曲線を示す図である。
前述のように本発明における電気−機械変換素子は、基板または下地膜上に形成された密着層と、この密着層上に形成された金属から成る第1の電極と、この第1の電極上に形成されたルテニウム酸ストロンチウムから成る第2の電極と、この第2の電極上に形成された電気−機械変換膜と、この電気−機械変換膜上に形成された金属酸化物から成る第3の電極と、この第3の電極上に形成された金属から成る第4の電極とを有し、第3の電極と第4の電極とは個別電極である電気−機械変換素子であって、
前記密着層が金属膜を経由して急熱酸化法により形成された結晶膜であり、前記第2の電極膜厚が40nm〜150nmであり、前記第2の電極中における下記式(1)で示されるイオン強度比が0.01以下であることを特徴とするものである。
イオン強度比=[Mem]/[Mm] ・・・(1)
[Mem]:第2の電極の膜厚方向の1/2に位置する領域での密着層構成金属イオン強度
[Mm]:密着層の金属膜厚方向の1/2に位置する領域での密着層構成金属イオン強度
(イオン強度は、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)による2次イオン強度)
本発明の構成によれば、金属膜を急熱酸化法(RTA:Rapid Thermal Annealing)によって形成した金属酸化物からなる結晶膜(例えば、酸化チタン結晶膜)を密着層として設けることにより、基板または下地膜(例えば、振動板)と金属から成る第1の電極との密着性を改善し、クラックなどの発生を抑制すると共に、ルテニウム酸ストロンチウム(SRO)からなる第2の電極の結晶性及び電気−機械変換膜、例えば、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)膜の結晶性を向上させることができる。また、第2の電極膜厚を40nm〜150nmに制御することで、圧電アクチュエータとして十分な変位特性が得られ、連続動作においても変位特性劣化を抑制し安定した特性が得られる。さらに、第2の電極中における前記密着層構成金属イオン(例えば、Tiイオン)の拡散量〔前記式(1)で示されるイオン強度比〕を0.01以下とすることで電気―機械変換膜の良好な配向性[例えば、(111)と(100)の結晶配向が混在したZRT]が確保される。
上記によって、電気−機械変換素子の構造を比較的簡易にし、初期特性並びに経時特性においてもセラミック焼結体と同等の特性[残留分極(Pr):20〜27μC/cm、圧電定数(-d31):−120〜−160pm/V]を得ることができる。
本発明の電気−機械変換素子では、酸化チタン膜を密着層とし、導電性酸化物の結晶性を向上させた圧電体薄膜素子を実現し、インク吐出特性を良好に保持できると共に連続吐出しても安定したインク吐出特性を得ることができる。
前述のように、本発明の電気−機械変換素子を用いて液滴吐出ヘッドを構成すれば、インク滴吐出特性を良好に保持でき、連続吐出においても安定したインク滴吐出特性を発揮する。また、液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置とすれば、安定したインク滴吐出特性によって品質の良好な画像形成が可能である。
本発明の電気−機械変換素子を配置した液滴吐出ヘッド、及び該液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置は、吐出安定性と耐久性に優れているため、インクジェット式記録装置(例えば、インクジェットプリンタ、MFPを使用するデジタル印刷装置、オフィス、パーソナルで使用するプリンタ、MFP等)用として有用である。また、インクジェット技術を利用する三次元造型技術などへの応用も可能である。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
本発明の電気−機械変換素子(圧電素子)の構成例を図2の概略断面図に示す。基板(201)、成膜振動板(振動板)(202)、密着層(203)、第1の電極(204)、第2の電極(205)、電気−機械変換膜(206)、第3の電極(207)、第4の電極(208)が順次積層された構成となっている。以下各構成層について詳しく説明する。なお、電気−機械変換素子を備えた液滴吐出ヘッドの構成は図1に準ずる(但し、図1では密着層は非表示である)。
〔基板〕
基板としては、シリコン単結晶基板を用いることが好ましく、通常100μm〜600μmの厚みを持つことが好ましい。面方位としては、(100)、(110)、(111)と3種あるが、半導体産業では一般的に(100)、(111)が広く使用されており、本構成においては、主に(100)の面方位を持つ単結晶基板を主に使用した。また、図1に示すような圧力室を作製する場合、エッチングを利用してシリコン単結晶基板を加工していくが、この場合のエッチング方法としては、異方性エッチングを用いることが一般的である。異方性エッチングとは結晶構造の面方位に対してエッチング速度が異なる性質を利用したものである。例えば、KOH等のアルカリ溶液に浸漬させた異方性エッチングでは、(100)面に比べて(111)面は約1/400程度のエッチング速度となる。従って、面方位(100)では約54°の傾斜を持つ構造体が作製できるのに対して、面方位(110)では深い溝をほることができるため、より剛性を保ちつつ、配列密度を高くすることができることが分かっており本構成としては(110)の面方位を持った単結晶基板を使用することも可能である。但し、この場合、マスク材であるSiOもエッチングされてしまうということが挙げられるため、この辺りも留意して利用している。
〔振動版〕
振動板としては、図1に示すように電気−機械変換膜によって発生した力を受けて、下地(振動板と基板)が変形変位して、圧力室のインク滴を吐出させる。そのため、下地としては所定の強度を有したものであることが好ましい。材料としては、Si、SiO、SiをCVD法により作製したものが挙げられる。さらに、図2の密着層/第1の電極/第2の電極/電気−機械変換膜からなる構成材料の線膨張係数に近い材料を選択することが好ましい。特に、電気−機械変換膜としては、一般的に材料としてジルコン酸チタン酸鉛(PZT)が使用されることから線膨張係数8×10−6(1/K)に近い線膨張係数として、5×10−6〜10×10−6(1/K)の線膨張係数を有した材料が好ましく、さらには7×10−6〜9×10−6(1/K)の線膨張係数を有した材料がより好ましい。具体的な材料としては、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化イリジウム、酸化ルテニウム、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化オスミウム、酸化レニウム、酸化ロジウム、酸化パラジウム及びそれらの化合物等であり、これらをスパッタ法もしくは、Sol−gel法を用いてスピンコーターにより作製することができる。膜厚としては0.1〜10μmが好ましく、0.5〜3μmがさらに好ましい。この範囲より小さいと図1に示すような圧力室の加工が難しくなり、この範囲より大きいと下地が変形変位しにくくなり、インク滴の吐出が不安定になる。
〔密着層〕
密着層としては、金属膜を形成した後、この膜を急熱酸化法(RTA:Rapid Thermal Annealing)にて熱酸化し、金属酸化物からなる膜(結晶膜)とすることで形成される。
急熱酸化法(RTA)としては、酸素雰囲気中、温度600℃〜800℃、昇温速度15℃/分以上の条件で実施されることが好ましい。ここで、金属膜としてチタン(Ti)が好ましく用いられ、金属チタン膜形成後に急熱酸化法(RTA)により処理して酸化チタン結晶膜から成る密着層とするのが好ましい。
例えば、チタン(Ti)をスパッタ成膜した後、このチタン膜をRTA(Rapid Thermal Annealing)装置を用いて、650〜800℃、1〜30分、O雰囲気でチタン膜を熱酸化して、チタン膜を酸化チタン膜にする。酸化チタン膜を作成するには反応性スパッタでもよいがチタン膜の高温による熱酸化法が望ましい。反応性スパッタによる作製では、シリコン基板を高温で加熱する必要があるため、特別なスパッタチャンバ構成を必要とする。さらに、一般の炉による酸化よりも、RTA装置による酸化の方が酸化チタン膜の結晶性が良好になる。なぜなら、通常の加熱炉による酸化によれば、酸化しやすいチタン膜は、低温においてはいくつもの結晶構造を作るため、一旦、それを壊す必要が生じるためである。したがって、昇温速度の速いRTAによる酸化の方が良好な結晶を形成するために有利になる。
金属膜を急熱酸化法(RTA)によって形成した金属酸化物からなる結晶膜(例えば、酸化チタン結晶膜)を密着層として設けることにより、基板または下地膜(例えば、振動板)と金属から成る第1の電極との密着性を改善し、クラックなどの発生を抑制すると共に、第2の電極(SRO)の結晶性及び電気−機械変換膜[例えば、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)膜]の結晶性を向上させることができる。
ここで、密着層の膜厚としては、10nm〜50nmが好ましく、15nm〜30nmがさらに好ましい。10nm〜50nmの範囲より膜厚が薄い場合においては、密着性に懸念があり、この範囲より膜厚が厚い場合においては、その上に作製する第1の電極膜や第2の電極膜の質(結晶の質も含む)に影響が出てくる。
なお、密着層用の金属膜を形成するのに用いられるTi以外の材料としては、Ta、Ir、あるいはRu等の金属材料も好ましく用いられる。
〔第1の電極及び第4の電極〕
第1の電極及び第4の電極はいずれも金属から成るものであるが、これらの金属材料としては従来から知られている高い耐熱性と低い反応性を有する白金を用いることができるが、鉛に対して十分なバリア性を持つとはいえない場合もあり、必要に応じてイリジウムや白金−ロジウムなどの白金族元素や、これら合金膜を用いることもできる。
本発明においては、基板または下地膜上に密着層を形成するため、第1の電極に白金を使用する場合においても下地(特にSiO)との密着性を良好に維持することができる。
第1の電極及び第4の電極の作製方法としては、一般的なスパッタ法や真空蒸着等の真空成膜が適用できる。第1の電極及び第4の電極の膜厚としては、0.05μm〜1μmが好ましく、0.1μm〜0.5μmがさらに好ましい。
ここで、第1の電極(例えば、白金電極)の膜厚として、さらに好ましくは80nm〜200nmである。80nm〜200nmの範囲より膜厚が薄い場合においては、電気抵抗として十分取れない懸念があり、この範囲より膜厚が厚い場合においては、第2の電極の結晶配向性制御に懸念がある。
〔第2の電極〕
第2の電極材料は、ルテニウム酸ストロンチウム[SrRuO(SRO)]から成る。第2の電極材の成膜方法については、例えば、スパッタ法等が用いられる。この場合、スパッタ条件によってSrRuO(SRO)薄膜の膜質が変わるが、特に結晶配向性を重視し、第1電極のPt(111)にならって、第2の電極が(111)の結晶配向を優先配向とするのが好ましい。SRO薄膜の結晶配向を(111)優先配向させるためには、成膜温度については500℃以上での基板加熱を行い、成膜することが好ましい。
例えば、特許第3249496号公報に記載のSRO成膜条件においては、室温で成膜後、結晶化温度650℃のRTA処理にて熱酸加している。しかし、この場合に形成されるSRO膜としては、十分結晶化されて電極としての比抵抗としても十分な値が得られるが、膜の結晶配向性としては、(110)が優先配向しやすくなり、その上に成膜したPZTについても(110)配向しやすくなるという問題がある。
金属から成る第1の電極として、例えば、結晶配向が(111)の白金を用いて、このPt(111)電極上にSRO電極を形成する場合、PtとSROで格子定数が近いため、通常のθ−2θ測定では、SRO(111)とPt(111)の2θ位置が重なってしまい判別が難しい。Ptについては消滅則の関係からPsi=35°傾けた2θが約32°付近の位置には回折線が打ち消し合い、回折強度が見られない。そのため、Psi方向を約35°傾けて、2θが約32°付近のピーク強度で判断することでSROが(111)に優先配向しているかを確認することができる。
図3に、2θ=32°に固定し、Psiを振ったときのデータを示す。すなわち、本発明の構成とされたSROがX線回折法(XRD)により測定される2θ=32°付近のピーク強度から(111)に優先配向していることを示す図である。
Psi=0°ではSRO(110)ではほとんど回折強度が見られず、Psi=35°付近において、回折強度が見られることから本成膜条件にて作製したものについては、SROが(111)配向していることが確認できた。また、上述記載の室温成膜+RTA処理により作製されたSROについては、Psi=0°のときにSRO(110)の回折強度が見られる。
後述にて、詳細を記載するが、圧電アクチュエータとして連続動作したときに、駆動させた後の変位量が、初期変位に比べてどの程度劣化したかを見積もったところ、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)の配向性が非常に影響しており、結晶配向が(110)では変位劣化抑制において不十分である。さらに、SRO膜の表面粗さを見たときに、成膜温度に影響し、室温から300℃では表面粗さが非常に小さく2nm以下になる。粗さについては原子間力顕微鏡(AFM)により測定される表面粗さ(平均粗さ)を指標としている。表面粗さとしては、非常にフラットにはなっているが結晶性が十分でなく、その後成膜したPZTの圧電アクチュエーターとしての初期変位や連続駆動後の変位劣化については十分な特性が得られない。表面粗さとしては、4nm〜15nmになっていることが好ましく、6nm〜10nmがさらに好ましい。この範囲を超えると、その後成膜したPZTの絶縁耐圧が非常に悪く、リークしやすくなる。従って上述に示すような、結晶性や表面粗さを得るためには、成膜温度としては500℃〜700℃、好ましくは520℃〜600℃の範囲で成膜を実施することが必要である。
成膜後のSrとRuの組成比については、Sr/Ruが0.82以上1.22以下であることが好ましい。この範囲から外れると比抵抗が大きくなり、電極として十分な導電性が得られなくなる。また、第2の電極としてのSRO膜の膜厚としては、40nm〜150nmが好ましく、50nm〜80nmがさらに好ましい。この膜厚範囲よりも薄いと初期変位や連続駆動後の変位劣化については十分な特性が得られず、この範囲を超えると、第2の電極上に成膜される電気−機械変換膜(例えば、PZT)の絶縁耐圧が非常に悪く、リークしやすくなる。
〔第3の電極〕
第3の電極は、前述の第2の電極と同様、ルテニウム酸ストロンチウム(SRO)を電極材料として用いることができる。また、SRO以外にもSr(A)(1−x)Ru(B)(1−y)、[式中、A=Ba、Ca、B=Co、Ni、x、y=0〜0.5]で記述されるような材料についても第4の電極材料として用いることができる。
第3の電極としてSRO膜を用いた場合の膜厚としては、40nm〜80nmが好ましく、50nm〜60nmがさらに好ましい。この膜厚範囲よりも薄いと初期変位や変位劣化特性については十分な特性が得られない。この範囲を超えると、その後成膜したPZTの絶縁耐圧が非常に悪く、リークしやすくなる。
〔電気−機械変換膜〕
電気−機械変換膜としては、複合酸化物から構成される材料が挙げられる。このような複合酸化物としては、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)や、一般式ABO(A=Pb、Ba、Sr B=Ti、Zr、Sn、Ni、Zn、Mg、Nbを主成分とする)で記述される材料が挙げられる。その具体的な記述例として、例えば、(Pb1−x,Ba)(Zr1−y,Ti)O、(Pb1−x,Sr)(Zr1−y,Ti)Oなどが挙げられる。これらは、一般式ABOにおけるAサイトのPbを一部BaやSrで置換した場合である。このような置換は2価の元素であれば可能であり、その効果は熱処理中の鉛の蒸発による特性劣化を低減させる作用を示す。
以下の説明においては、代表的な例としてジルコン酸チタン酸鉛(PZT)を挙げて説明する。
ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)とは、ジルコン酸鉛(PbZrO)とチタン酸鉛(PbTiO)との固溶体で、その比率により特性が異なる。一般的に優れた圧電特性を示す組成はPbZrOとPbTiOの比率が53:47の割合の場合であり、化学式ではPb(Zr0.53,Ti0.47)Oと表され、一般にPZT(53/47)と示される。
電気−機械変換膜の作製方法としては、スパッタ法もしくは、Sol−gel法を用いてスピンコーターにて作製することができる。その場合は、パターニング化が必要となるので、フォトリソエッチング等により所望のパターンを得る。
PZTをSol−gel法により作製した場合、出発材料に酢酸鉛、ジルコニウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を出発材料にし、共通溶媒としてメトキシエタノールに溶解させ均一溶液を得ことで、PZT前駆体溶液が作製できる。金属アルコキシド化合物は大気中の水分により容易に加水分解してしまうので、前駆体溶液に安定剤としてアセチルアセトン、酢酸、ジエタノールアミンなどの安定化剤を適量、添加してもよい。
この前駆体溶液を用いて下地となる第2の電極上に塗膜を形成し、溶媒乾燥、熱分解、結晶化の各々の熱処理を施すことで電気−機械変換膜が作製できる。第2の電極全面にPZTを形成する場合、スピンコートなどの溶液塗布法により塗膜を形成し、前記一連の熱処理を施すことで電気−機械変換膜が得られる。塗膜から結晶化膜への変態には体積収縮が伴うので、クラックフリーな膜を得るには、一度の工程で100nm以下の膜厚が得られるように前駆体濃度を調整することが必要になる。
すなわち、所定の厚さのPZT膜を形成するには、100nm以下の膜厚の薄膜から所定の厚さになるまで前駆体膜作成工程と結晶化工程と焼成工程とを繰り返し行って複数の薄膜から構成される積層膜とする必要がある。
なお、電気−機械変換膜の膜厚としては0.5μm〜5μmが好ましく、さらに好ましくは1μm〜2μmである。この範囲より膜厚が薄いと十分な変位を発生することができなくなり、この範囲より膜厚が厚いと何層も積層させていくため、工程数が多くなりプロセス時間が長くなる。
PZT以外の複合酸化物としては、例えば、チタン酸バリウムなどが挙げられ、この場合はバリウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を出発材料にし、共通溶媒に溶解させることでチタン酸バリウム前駆体溶液を作製し、この前駆体溶液を用いて塗膜を形成し乾燥させることにより電気−機械変換膜とすることができる。
上述記載の第2の電極上に、Sol−gel法により作製した溶液を用いてスピンコートにより膜厚1μmに成膜した後のPZTについてX線回折法(XRD)により調べた。
図4は、本発明の構成とされたSRO上に前駆体溶液を用いて成膜した後のPZTの結晶配向についてX線回折法(XRD)により調べた結果を示す。
密着層として、従来知られている金属チタン(Ti)を選択し(急熱酸化法を適用せず金属のままの状態)、この膜上に、白金(Pt)、SROを順次成膜した場合のXRDの結果では、(111)面が非常に優先配向した膜が得られている。これに対して、本発明における金属膜(Ti)を急熱酸化法(RTA酸化)により結晶膜とした密着層上に、白金(Pt)、SROを順次成膜した場合のXRDの結果では、(100)と(111)面が混在したPZTの配向膜が得られている。
金属チタン(Ti)膜上に、白金(Pt)、SROを順次成膜した場合と、本発明の金属膜(Ti)を急熱酸化法(RTA酸化)により結晶膜とした密着層上に、白金(Pt)、SROを順次成膜した場合について、SRO中へのTiイオンの拡散状態を調べた。
図5に、Ti膜又はTi膜をRTA酸化して密着層とし、白金(Pt)、SROを順次成膜した各構成におけるSRO中のTiの拡散状態を示す。図5に示すように、金属チタン(Ti)膜を密着層とした前者では、SRO中にTiの拡散が見られるのに対して、Ti膜をRTA酸化して密着層とした後者ではSRO中にTiの拡散はほとんど見られない。
すなわち、電気―機械変換膜が、(111)と(100)の結晶配向が混在したジルコン酸チタン酸鉛が好ましい。
なお、特許第3782401号公報に記載されている導電性ペロブスカイト型金属酸化物の熱力学的な安定性において、SROに含まれるRuの一部をTiに置換することでSROの安定性を向上させていたのに対して、本発明においては、TiをRTA酸化させすることでSRO中でのTiの拡散を抑制した結果、Ruの一部をTiに置換することがなくなった可能性があり、これによる影響も考えられる。
但し、特許第3782401号公報に記載されているようなRuO等を多く含んだ結晶性の低いSRO膜にはなっておらず、むしろTi膜をRTA酸化して密着層とし、白金(Pt)、SROを順次成膜した構成の方が良好なSRO(111)配向度が得られている。
ここで、PZTの(111)配向度と電気−機械変換素子の変位特性(-d31)の関係を図6に示す。図6の結果より、PZTの(111)の配向度が高くなるにつれて変位特性は小さくなっている。
また、本発明においては、電気−機械変換膜の結晶配向について、下記式(2)によって表されるXRDで得られた各結晶配向のピークの総和を1としたときのそれぞれの結晶配向の比率を表す平均配向度において、(111)配向度が0.3以上0.8以下、(110)配向度が0.05以下であることが好ましい。
ρ=I(hkl)/ΣI(hkl)・・・(2)
[I(hkl):任意の配向のピーク強度、ΣI(hkl)各ピーク強度の総和]
PZTの(111)配向度と、電気−機械変換素子を連続駆動させたときの初期変位(-d31)に対する劣化率の関係を図7に示す。
前記式(2)から求められるPZTの(111)配向度において、図7の結果より、配向度が0.3以上1.0以下までは、変位劣化に大きな差異が出ていないのに対して、0以上0.3未満においては(111)配向度が極端に悪くなっている。
このため、必要なデバイスとして必要な変位量によっても(111)配向度の範囲が変わってくるが、目標-d31を−100pm/Vとした場合、(111)配向度において0.3以上0.8以下においては別の要因で変位劣化に寄与しており、PZT(111)配向度を調整しなくても変位劣化を抑えることができる。
すなわち前述のように、変位特性を考慮するとPZT(111)配向度としては、0.3以上0.8以下が好ましく、さらに好ましくは0.5以上0.6以下である。この範囲より配向度が小さい場合は、連続駆動させたときの初期変位に対する劣化率が高くなり、この範囲より大きい場合は、初期変位が小さくなる。なお、PZTの(110)配向度は0.05以下であることが好ましい。
前記式(2)から求められるPZTの(111)配向度が0.3以上0.8以下においての変位劣化率については、結晶化を行う際の焼成プロセス(例えば、600℃〜800℃)を複数回繰り返すときに、焼成後の電気−機械変換膜と、その後に積層したときの電気−機械変換膜との境界部分でのZrとTiの原子量(Zr+Ti)に対するPbの比率[原子量比:Pb/(Zr+Ti)](「atomic%」)が大きく寄与してくる。電気−機械変換膜上にPZTを0.8μm成膜した後の膜の深さ方向(図8では1層〜4層を表示)における各元素の比率[Pb/(Zr+Ti)、Zr/(Zr+Ti)、Ti/(Zr+Ti)](「atomic%」)を図8に示す。なお、図8はSIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)により測定したものである。
図8において、グラフの横軸はスパッタリング時間から膜厚換算したものを示し、縦軸は、ICP(Inductively coupled plasma)発光分析での膜組成データを元に感度係数を求めて、原子量比に換算し、Zr+Tiを分母に各元素(Pb、Zr、Ti)について原子量比を求めたものになる。
図8に示している各元素が変動している深さ方向位置に対して、結晶化を行うための焼成プロセスを実施しており、図8のサンプル例では4回の焼成プロセスを通している。
図8において、所定の厚さに形成されたPZT積層膜中に含まれる平均的なPbの原子量比であるPb/(Zr+Ti)をPb(ave)とし、複数の薄膜から構成される積層膜界面でのPbの原子量比であるPb/(Zr+Ti)をPb(界面)としたとき、Pb(ave)が100atomic%以上110atomic%以下であり、積層界面のPbの変動 [ΔPb=Pb(ave)−Pb(界面)]の比率が20%以下であることが好ましい。
Pb(ave)が100atomic%以上110atomic%以下の範囲より小さいと、Pb欠損が生じ、連続駆動耐久での特性劣化に懸念があり、この範囲より大きいと、Pb過剰量が多くなり、連続駆動耐久での特性劣化に懸念がある。
また、積層界面のPbの変動[ΔPb=Pb(ave)−Pb(界面)]の比率は、20%以下であることが好ましく、10%以下となっていることがさらに好ましい。この範囲で制御できたサンプルについては、図7で示すように、PZT(111)配向度が0.3〜1.0までは、変位劣化に大きな差異が生じない。
本発明の電気−機械変換素子は、図2に示すように、基板(201)上の成膜振動板(202)上に、密着層(203)、金属から成る第1の電極(204)、SROから成る第2の電極(205)、電気−機械変換膜(206)、金属酸化物から成る第3の電極(207)、金属から成る第4の電極(208)を備えているが、このような電気−機械変換素子を用いて液滴吐出ヘッド(例えば、図1)とすることができる。図1に示す単体の液体吐出ヘッドを複数個配置したものを図9に示す。なお、図1では密着層は非表示である。図9において、符号901は圧力室、902はノズル、903はノズル板、904は圧力室(Si基板)、905は振動板、906は密着層、907は電気−機械変換素子を示す。
本発明によれば、図9中の電気−機械変換素子が簡便な製造工程(バルクセラミックスと同等の性能を持つ)で形成でき、それに付随する圧力室形成のための裏面からのエッチング除去、ノズル孔を有するノズル板の接合により、液体吐出ヘッドが製造できる。
次に、上記液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)を配備することにより、インクジエットプリンタ(インクジェット記録装置)を構成することができる。本発明に係る液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置について、インクジェット記録装置を参照して説明する。
図15は液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)を備えたインクジェット記録装置の斜視説明図、図16は同記録装置の機構部の側面説明図である。
図10及び図11に示すインクジェット記録装置は、記録装置本体(81)の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ(93)、キャリッジに搭載した本発明を実施したインクジェットヘッドからなる記録ヘッド、記録ヘッドへインクを供給するインクカートリッジ(95)等で構成される印字機構部(82)等を収納し、装置本体(81)の下方部には前方側から多数枚の用紙(83)を積載可能な給紙カセット(84)(或いは給紙トレイでもよい。)を抜き差し自在に装着することができ、また、用紙(83)を手差しで給紙するための手差しトレイ(85)を開倒することができ、給紙カセット(84)或いは手差しトレイ(85)から給送される用紙(83)を取り込み、印字機構部(82)によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ(86)に排紙する。
印字機構部(82)は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド(91)と従ガイドロッド(92)とでキャリッジ(93)を主走査方向に摺動自在に保持し、このキャリッジ(93)にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する本発明に係るインクジェットヘッドからなるヘッド(94)を複数のインク吐出口(ノズル)を主走査方向と交差する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
また、キャリッジ(93)にはヘッド(94)に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ(95)を交換可能に装着している。
インクカートリッジ(95)は上方に大気と連通する大気口、下方にはインクジェットヘッドへインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインクジェットヘッドへ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。また、記録ヘッドとしてここでは各色のヘッド94を用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。
ここで、キャリッジ(93)は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド(91)に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド(92)に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ(93)を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ(97)で回転駆動される駆動プーリ(98)と従動プーリ(99)との間にタイミングベルト(100)を張装し、このタイミングベルト(100)をキャリッジ(93)に固定しており、主走査モーター(97)の正逆回転によりキャリッジ(93)が往復駆動される。
一方、給紙カセット(84)にセットした用紙(83)をヘッド(94)の下方側に搬送するために、給紙カセット(84)から用紙(83)を分離給装する給紙ローラ(101)及びフリクションパッド(102)と、用紙(83)を案内するガイド部材(103)と、給紙された用紙(83)を反転させて搬送する搬送ローラ(104)と、この搬送ローラ(104)の周面に押し付けられる搬送コロ(105)及び搬送ローラ(104)からの用紙(83)の送り出し角度を規定する先端コロ(106)とを設けている。搬送ローラ(104)は副走査モータ(107)によってギヤ列を介して回転駆動される。
そして、キャリッジ(93)の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ(104)から送り出された用紙(83)をヘッド(94)の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材(109)を設けている。この印写受け部材(109)の用紙搬送方向下流側には、用紙(83)を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ(111)、拍車(112)を設け、さらに用紙(83)を排紙トレイ(86)に送り出す排紙ローラ(113)及び拍車(114)と、排紙経路を形成するガイド部材(115)、(116)とを配設している。
記録時には、キャリッジ(93)を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド(94)を駆動することにより、停止している用紙(83)にインクを吐出して1行分を記録し、用紙(83)を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または、用紙(83)の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙(8)3を排紙する。
また、キャリッジ(93)の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、ヘッド(94)の吐出不良を回復するための回復装置(117)を配置している。回復装置(117)はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ(93)は印字待機中にはこの回復装置(117)側に移動されてキャッピング手段でヘッド(94)をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段でヘッド(94)の吐出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
このように、このインクジェット記録装置においては本発明の電気−機械変換素子が駆動されることにより液滴を吐出する液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)を搭載しているので、振動板駆動不良によるインク滴吐出不良がなく、安定したインク滴吐出特性が得られて、画像品質が向上する。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって制限されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限りこれらの実施例を適宜改変したものも本件の発明の範囲内である。
[実施例1]
シリコンウェハに熱酸化膜(膜厚1ミクロン)を形成し、密着層(層間膜)として、チタン膜(膜厚30nm)をスパッタ装置にて成膜した後、RTA(Rapid Thermal Annealing)装置を用いて750℃にて急熱酸化法によりチタン膜を熱酸化した。
引き続き、第1の電極として白金膜(膜厚150nm)、第2の電極としてルテニウム酸ストロンチウム[SrRuO(SRO)]膜(膜厚60nm)をスパッタ成膜した。スパッタ成膜時の基板加熱温度については550℃にて成膜を実施した。
次に、電気−機械変換膜として以下の2種の溶液を用意し、図12に示すような積層膜を作製した。
PZT(1);(Pb:Zr:Ti=110:53:47)
PZT(2);(Pb:Zr:Ti=120:53:47)
具体的な前駆体塗布液の合成については、出発材料に酢酸鉛三水和物、イソプロポキシドチタン、イソプロポキシドジルコニウムを用いた。酢酸鉛の結晶水はメトキシエタノールに溶解後、脱水した。化学両論組成に対し鉛量を過剰にしてある。これは熱処理中のいわゆる鉛抜けによる結晶性低下を防ぐためである。イソプロポキシドチタン、イソプロポキシドジルコニウムをメトキシエタノールに溶解し、アルコール交換反応、エステル化反応を進め、先記の酢酸鉛を溶解したメトキシエタノール溶液と混合することでPZT前駆体溶液を合成した。このPZT濃度は0.5モル/(リットル)にした。
この液を用いて、スピンコートにより成膜し、成膜後、120℃で乾燥した後に500℃で熱分解を行った。図12に示すように、1、2層目にPZT(1)溶液を用い、3層目にPZT(2)溶液を用いた。そして、3層目の熱分解処理後に、結晶化熱処理(温度750℃)をRTA(急速熱処理)にて行った。このときPZTの膜厚は240nmであった。この工程を計8回(24層)実施し、約2μmのPZT膜厚を得た。
次に、PZT膜上に順次、第3の電極としてSrRuO(SRO)膜(膜厚40nm)、第4の電極として白金(Pt)膜(膜厚125nm)をスパッタ成膜した。その後、東京応化社製フォトレジスト(TSMR8800)をスピンコート法で成膜し、通常のフォトリソグラフィーでレジストパターンを形成した後、ICPエッチング装置(サムコ製)を用いてパターンを作製した。
次いで、絶縁保護膜として、パリレン膜(膜厚2μm)をCVD成膜した。その後、東京応化社製フォトレジスト(TSMR8800)をスピンコート法で成膜し、通常のフォトリソグラフィーでレジストパターンを形成した後、RIE(サムコ製)を用いて図13のようなパターンを作製した。
最後に第5、第6の電極としてAl膜(膜厚5μm)をスパッタ成膜した。その後、東京応化社製フォトレジスト(TSMR8800)をスピンコート法で成膜し、通常のフォトリソグラフィーでレジストパターンを形成した後、RIE(サムコ製)を用いて図13のようなパターンを作製し、電気−機械変換素子を作製した。
図13において、符号1001は基板、1002は振動板、1003は密着層、1004は第1の電極、1005は第2の電極、1006は電気−機械変換膜、1007は第3、第4の電極、1008は絶縁保護膜、1009は第5の電極、1010は第6の電極を示す。
[実施例2]
実施例1において、スパッタ成膜した第2の電極(SRO)の膜厚を45nmとし、電気−機械変換膜の作製を以下の2種の溶液を用意し、図14に示すような積層膜とした以外は実施例1と同様にして電気−機械変換素子を作製した。
PZT(1);(Pb:Zr:Ti=110:53:47)
PZT(2);(Pb:Zr:Ti=115:53:47)
[実施例3]
実施例1において、スパッタ成膜した第2の電極(SRO)の膜厚を145nmとし、電気−機械変換膜の作製を以下の溶液を用意し、図15に示すような積層膜とし、成膜後の熱分解条件を350℃に、結晶化熱処理温度を750℃とした以外は実施例1と同様にして電気−機械変換素子を作製した。
PZT(4);(Pb:Zr:Ti=113:53:47)
[実施例4]
実施例1において、スパッタ成膜した第2の電極(SRO)の膜厚を72nmとし、電気−機械変換膜の作製を以下の2種の溶液を用意し、図14に示すような積層膜とした以外は実施例1と同様にして電気−機械変換素子を作製した。
PZT(1);(Pb:Zr:Ti=110:53:47)
PZT(2);(Pb:Zr:Ti=115:53:47)
[実施例5]
実施例1において、電気−機械変換膜の作製を以下の2種の溶液を用意し、図14に示すような積層膜とした以外は実施例1と同様にして電気−機械変換素子を作製した。
PZT(1);(Pb:Zr:Ti=105:53:47)
PZT(2);(Pb:Zr:Ti=120:53:47)
[比較例1]
実施例1において、密着層(層間膜)として、チタン膜(膜厚30nm)をスパッタ装置にて成膜した後、RTA処理を行わず引き続き、第1の電極として白金膜(膜厚150nm)、第2の電極としてルテニウム酸ストロンチウム[SrRuO(SRO)]膜(膜厚60nm)をスパッタ成膜した以外は実施例1と同様にして電気−機械変換素子を作製した。
[比較例2]
実施例1において、スパッタ成膜した第2の電極(SRO)の膜厚を30nmとした以外は実施例1と同様にして電気−機械変換素子を作製した。
[比較例3]
実施例1において、スパッタ成膜した第2の電極(SRO)の膜厚を165nmとした以外は実施例1と同様にして電気−機械変換素子を作製した。
[参考例1]
実施例1において、電気−機械変換膜の作製を以下の溶液を用意し、図15に示すような積層膜とし、成膜後の熱分解条件を350℃に、結晶化熱処理温度を750℃とした以外は実施例1と同様にして電気−機械変換素子を作製した。
PZT(1);(Pb:Zr:Ti=105:53:47)
実施例1〜5、比較例1〜3で作製した電気−機械変換素子について、ICP(Inductively coupled plasma)発光分析及びSIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)を用いて分析を行い(図5、図8を参照)、これらの分析データから、Pbの変動比率[ΔPb=Pb(ave)−Pb(界面)]を求めた結果を下記表1に示す。また、XRDにより電気−機械変換膜の配向性を調べ、(111)、(110)について配向性、すなわち下記式(2)によって表される配向度(ρ)を求めた。結果を下記表1に示す。
ρ=I(hkl)/ΣI(hkl)・・・(2)
[I(hkl):任意の配向のピーク強度、ΣI(hkl)各ピーク強度の総和]
さらに、作製した電気−機械変換素子を用いて電気特性[残留分極(Pr)、電気−機械変換能(圧電定数(-d31)]の評価を行った。なお、代表的なP−Eヒステリシス曲線を図16に示す。電気−機械変換能は電界印加(150kV/cm)による変形量をレーザードップラー振動計で計測し、シミュレーションによる合わせ込みから算出した。初期特性を評価した後に、耐久性(1010回繰り返し印可電圧を加えた直後の特性)評価を実施した。これらの詳細結果について下記表1にまとめて示す。
なお、参考例の場合、ΔPb=Pb(ave)−Pb(界面)]が0.25と大きく、耐久評価(1010回繰り返し印可電圧を加えた直後の特性)において、特性が大きく低下した。参考例の場合における初期及び1010回繰り返し印可電圧を加えた直後の残留分極(Pr)、圧電定数(-d31)は下記のようであった。
残留分極:初期 24(μC/cm)→1010回繰り返し後 14(μC/cm
圧電定数:初期 −140(pm/V)→1010回繰り返し後 −92(pm/V)
評価の結果、実施例1〜5については初期特性、耐久性試験後の結果についても一般的なセラミック焼結体と同等の特性を有していた(残留分極:20〜27uC/cm、圧電定数:−120〜−160pm/V)。
一方、比較例1及び比較例2については、初期特性、耐久性試験後の圧電定数が一般的なセラミックス焼結体に比べて劣る。比較例3については、耐久性試験後の残留分極の低下が大きく、圧電定数の初期及び耐久性試験後の特性変動が大きい。
また、実施例1〜5で作製した電気-機械変換素子を用いて、図9に示す構成の液滴吐出ヘッドを作製し、図10、図11に示すような液滴吐出装置に備えてインクの吐出評価を行った。粘度を5cpに調整したインクを用いて、単純Push波形により−10〜−30Vの印可電圧を加えたときの吐出状況を確認したところ、いずれの液滴吐出ヘッドの場合にも、全てのノズル孔から吐出できていることを確認した。
すなわち、本発明の電気−機械変換素子は、初期特性及び繰り返し駆動後においてもセラミック焼結体と同等の特性(残留分極、圧電定数)を保持しているので、該電気−機械変換素子を備えた液滴吐出ヘッド、及び該液滴吐出ヘッドを具備する液滴吐出装置は、吐出安定性と耐久性に優れているため、例えば、インクジェットプリンタ、MFPを使用するデジタル印刷装置、オフィス、パーソナルで使用するプリンタ、MFP等のインクジェット式記録装置に応用できるほか、三次元造型技術などへの応用も可能である。
(図1)
101 圧力室
102 ノズル
103 ノズル板
104 圧力室基板(Si基板)
105 下地
106 下部電極
107 電気−機械変換膜
108 上部電極
109 電気−機械変換素子
(図2)
201 基板
202 成膜振動版
203 密着層
204 第1の電極
205 第2の電極
206 電機−機械変換膜
207 第3の電極
208 第4の電極
(図9)
901 圧力室
902 ノズル
903 ノズル板
904 圧力室基板(Si基板)
905 振動板
906 密着層
907 電気−機械変換素子
(図10)
81 記録装置本体
82 印字機構部
83 用紙
84 給紙カセット
85 トレイ
86 排紙トレイ
91 主ガイドロッド
92 従ガイドロッド
93 キャリッジ
94 ヘッド
95 インクカートリッジ
97 主走査モータ
98 駆動プーリ
99 従動プーリ
100 タイミングベルト
101 給紙ローラ
102 フリクションパッド
103 ガイド部材
104 搬送ローラ
105 搬送コロ
106 先端コロ
107 副走査モータ
109 印写受け部材
111 搬送コロ
112 拍車
113 排紙ローラ
114 拍車
115 ガイド部材
116 ガイド部材
117 回復装置
(図13)
1001 基板
1002 振動板
1003 密着層
1004 第1の電極
1005 第2の電極
1006 電気−機械変換膜
1007 第3、第4の電極
1008 絶縁保護膜
1009 第5の電極
1010 第6の電極
特開2004−186646号公報 特開2004−262253号公報 特開2003−218325号公報 特開2007−258389号公報 特許第4099818号公報 特許第3249496号公報 特許第3472087号公報 特許第3782401号公報 特開2003−282987号公報 特許第3817729号公報 特許第452346号公報 特許第3806127号公報 特許第3625417号公報 特許第4220459号公報 特許第4282245号公報
Japanese Journal of Applied Physics Vol.47 No2 2008 1003-1007pp

Claims (11)

  1. 基板または下地膜上に形成された密着層と、
    この密着層上に形成された金属から成る第1の電極と、
    この第1の電極上に形成されたルテニウム酸ストロンチウムから成る第2の電極と、
    この第2の電極上に形成された電気−機械変換膜と、
    この電気−機械変換膜上に形成された金属酸化物から成る第3の電極と、
    この第3の電極上に形成された金属から成る第4の電極とを有し、第3の電極と第4の電極とは個別電極である電気−機械変換素子であって、
    前記密着層が金属膜を経由して急熱酸化法により形成された結晶膜であり、
    前記第2の電極膜厚が40nm〜150nmであり、
    前記第2の電極中における下記式(1)で示されるイオン強度比が0.01以下であることを特徴とする電気−機械変換素子。
    イオン強度比=[Mem]/[Mm] ・・・(1)
    [Mem]:第2の電極の膜厚方向の1/2に位置する領域での密着層構成金属イオン強度
    [Mm]:密着層の金属膜厚方向の1/2に位置する領域での密着層構成金属イオン強度
    (イオン強度は、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)による2次イオン強度)
  2. 前記急熱酸化法が、酸素雰囲気中、温度600℃〜800℃、昇温速度15℃/分以上の条件で実施されるものであることを特徴とする請求項1に記載の電気−機械変換素子。
  3. 前記密着層が、金属チタン膜形成後に急熱酸化法により処理されて酸化チタン結晶膜とされたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気−機械変換素子。
  4. 前記第2の電極が、(111)の結晶配向を優先配向とするルテニウム酸ストロンチウムからなることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電気−機械変換素子。
  5. 前記電気―機械変換膜が、(111)と(100)の結晶配向が混在したジルコン酸チタン酸鉛からなることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の電気−機械変換素子。
  6. 前記電気−機械変換膜の結晶配向について下記式(2)によって表されるX線回折法(XRD)で得られた各結晶配向のピークの総和を1としたときのそれぞれの結晶配向の比率を表す平均配向度において、(111)配向度が0.3以上0.8以下、(110)配向度が0.05以下であることを特徴とする請求項5に記載の電気―機械変換素子。
    ρ=I(hkl)/ΣI(hkl)・・・(2)
    [I(hkl):任意の配向のピーク強度、ΣI(hkl)各ピーク強度の総和]
  7. 前記電気−機械変換膜が、鉛(Pb)、チタン(Ti)及びジルコニウム(Zr)の各元素を含む前駆体溶液を用いた化学溶液法により、薄膜から所定の厚さになるまで前駆体膜作成工程と結晶化工程と焼成工程とを繰り返し行って形成された複数の薄膜から構成されるジルコン酸チタン酸鉛積層膜であって、
    前記所定の厚さに形成されたジルコン酸チタン酸鉛積層膜中に含まれる平均的なPbの原子量比であるPb/(Zr+Ti)をPb(ave)とし、前記複数の薄膜から構成される積層膜界面でのPbの原子量比であるPb/(Zr+Ti)をPb(界面)としたとき、Pb(ave)が100atomic%以上110atomic%以下であり、積層界面のPbの変動[ΔPb=Pb(ave)−Pb(界面)]の比率が20%以下であることを特徴とする1乃至6の何れかに記載の電気―機械変換素子。
  8. 前記密着層の膜厚が、10nm〜50nmであることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の電気−機械変換素子。
  9. 前記第1の電極が白金電極であり、その膜厚が80nm〜200nmであることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の電気−機械変換素子。
  10. 液滴を吐出するノズルと、該ノズルが連通する加圧室と、該加圧室内の液体を昇圧させる吐出駆動手段とを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、前記吐出駆動手段として、前記加圧室の壁の一部を振動板で構成し、該振動板に請求項1乃至9の何れかに記載の電気−機械変換素子を配置したことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  11. 請求項10に記載の液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
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