JP6287188B2 - 圧電アクチュエータ、圧電アクチュエータの製造方法、液滴吐出ヘッド、液体カートリッジ、及び画像形装置 - Google Patents

圧電アクチュエータ、圧電アクチュエータの製造方法、液滴吐出ヘッド、液体カートリッジ、及び画像形装置 Download PDF

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Description

本発明は、圧電アクチュエータ、圧電アクチュエータの製造方法、液滴吐出ヘッド、液体カートリッジ、及び画像形装置に関する。
従来から、圧電アクチュエータ(圧電体薄膜素子)は、電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換し、又はその逆を行うものである。
こうしたアクチュエータは、プリンタ、ファクシミリ、複写装置などの画像記録装置、或いは画像形成装置として使用されるインクジェット記録装置及び液滴吐出ヘッドのインク吐出の駆動源となる振動子として用いられている。インクジェット記録ヘッドは、インク滴を吐出するノズルと、インクが溜められた圧力室と、圧力室の壁面の一部を構成する振動板と、圧力室内のインクを加圧する電気−機械変換素子とを備えている。そして、電気−機械変換素子を駆動させ、振動板を介して圧力室内を加圧することによって、ノズルからインク滴を吐出する。
例えば、ピエゾ式のインクジェット記録ヘッドには、電気−機械変換素子の軸方向に伸長、収縮する縦振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、ベンドモードの圧電アクチュエータを使用したものの2種類が知られている。このうち、ベンドモードの圧電アクチュエータを更に薄膜化した薄膜ピエゾアクチュエータは、基板上への種々の薄膜層の成膜とパターニングが繰り返されて、積層成膜が形成された薄膜のデバイスとして広く実用に供されている。
薄膜層として、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)を有する圧電体薄膜は、結晶化する際に下地になる基板、もしくは下部電極の結晶方位の影響を受け、特に下部電極とPZTとの界面が問題となる。高い圧電定数を得るためには、圧電体薄膜が面方位(100)の結晶配向を有する柱状構造が有効である。
上記の点を鑑みた従来の圧電アクチュエータとして、ジルコン酸チタン酸鉛を含む複数の圧電体層を積層して圧電体薄膜を形成するにあたり、初回の成膜における焼成時間を、他の回の各成膜における焼成時間より長い時間とすることが知られている。また、複数回成膜する際、初回の成膜において塗布される第1層のゾルのZr/Ti比を、他の層のゾルのZr/Ti比より高くすることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記した従来の技術は、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)を含む複数の圧電体層において、第1層のゾルのZr/Ti比を、他の層のゾルのZr/Ti比より高くする構成であり、鉛含有量を考慮した構成ではない。
ジルコン酸チタン酸鉛を含む複数の圧電体層の鉛含有量を層毎に高くすると、PZT(100)の結晶核が高密度になる特性があるが、鉛(Pb)成分が過剰になり過ぎると、圧電体素子のリーク電流を増大させ、耐電圧を減少させてしまう。また、液滴速度の劣化を促進させるという問題があった。
本発明の一つの実施形態の目的は、上記課題を鑑みて、ジルコン酸チタン酸鉛を含む複数の圧電体層の鉛含有量を高めて成膜する際、過剰な鉛成分による耐電圧の低下と液滴速度の劣化を防止させることにある。
上記課題に鑑み、本発明の一つの実施形態の圧電アクチュエータは、
振動板と、
前記振動板上に設けられた下部電極と、
前記下部電極上に設けられる鉛、ジルコニウム、チタンを含む複数の圧電体層を積層してなる圧電体薄膜と、
前記圧電体薄膜上に設けられた上部電極とを備えた圧電アクチュエータであって、
前記振動板の上に形成された白金膜と、当該白金膜の上に形成された酸化チタン膜とを有する前記下部電極が形成され、
前記複数の圧電体層のうち前記下部電極上に積層される第1層目の圧電体層の鉛含有率が、前記第1層目以外の圧電体層の鉛含有率より高く、
前記圧電体薄膜の成膜に使用される圧電体前駆体溶液の元素組成比は、Pb:Zr:Ti=(1+x):y:(1−y)とされ、
前記第1層目の圧電体層には、前記元素組成比の鉛含有量を決定するx値が、0.18以上0.20以下とされた圧電体前駆体溶液が使用され、
前記第1層目以外の圧電体層には、前記元素組成比の鉛含有量を決定するx値が、0.10以上0.17以下とされた圧電体前駆体溶液が使用される
本発明の一つの実施形態によれば、ジルコン酸チタン酸鉛を含む圧電体層の鉛含有量を高めて成膜する際、過剰な鉛成分による耐電圧の低下と液滴速度の劣化を防止できる。
本発明の第1の実施形態に係る圧電アクチュエータの概略構成を示す概略図である。 圧電アクチュエータを構成する電気−機械変換素子の下部電極を詳細に示した断面図である。 第2の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの断面図である。 第3の実施形態に係るインクカートリッジの斜視図である。 第4の実施形態に係る画像形成装置の背面斜視図である。 図5に示した画像形成装置の縦断面図である。 初回の圧電体前駆体溶液の元素組成比における実施例1、2と比較例1、2の結果を示す表である。 実施例1〜5と比較例1〜4で製作した圧電アクチュエータの結果を示した表である。 圧電アクチュエータの下部電極付近の断面写真を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の圧電アクチュエータとその製造方法、前記圧電アクチュエータを用いた液滴吐出ヘッド、液体カートリッジおよび画像形成装置(インクジェット記録装置)の実施例を図面に基づいて説明する。
<第1の実施形態>
本実施例による圧電アクチュエータは、下部電極、圧電体薄膜、及び上部電極から成る電気−機械変換素子を有する。電気−機械変換素子の下部電極は、振動板の上側に形成された酸化チタン密着層の上に積層されている。そして、下部電極は、酸化チタン密着層の上に形成された白金膜と、この白金膜の上に形成された酸化チタン膜からなっている。
以下、本実施形態による圧電アクチュエータについて図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1及び図2は本実施例による圧電アクチュエータを示しており、図1は圧電アクチュエータの概略構成を示す断面図、図2は圧電アクチュエータのうち電気−機械変換素子の下部電極を詳細に示した断面図である。
圧電体薄膜素子12は、基板11の上に設けられた(積層された)成膜振動板(振動板ともいう)13と、成膜振動板13の上側に設けられた電気−機械変換素子14とを有する。電気−機械変換素子14は、成膜振動板13の上側に設けられた下部電極15と、下部電極15の上に設けられた(積層された)圧電体薄膜(圧電体又は圧電膜ともいう)16と、圧電体薄膜16の上に設けられた(積層された)上部電極17とを有する。圧電体薄膜16は、図示することは省略したが複数の圧電体層を積層して形成されている。
本実施形態では、図2に示すように、圧電アクチュエータ10は、基板11と、基板11上に設けられた圧電体薄膜素子(圧電素子)12を有する。そして、圧電体薄膜素子12の下部電極15は、酸化チタン密着層18の上に形成された白金膜(白金電極ともいう)15aと、白金膜15a上に設けられた酸化チタン膜15bとを有する。そして、この白金膜15aは酸化チタン密着層(酸化チタン膜)18を介して成膜振動板13上に設けられ(積層され)ている。なお、上部電極17は、圧電体薄膜16の上に設けられている。
<製造方法>
次に、上記した構成の圧電アクチュエータ10の製造方法について、図2を参照しつつ説明する。
先ず、基板11として、シリコン(Si)材料から成るシリコン基板を用いる。そして、基板11の表面を熱酸化して、基板11上にSiO絶縁膜を形成する。このSiO絶縁膜が成膜振動板13となる。このときのSiO絶縁膜の膜厚は2μmとした。
次に、SiO絶縁膜上にチタン膜をスパッタ成膜で形成し、続いてRTA(Rapid Thermal Annealing:高速熱処理)装置を用いて、650〜800℃、1〜10分、O雰囲気でチタン膜を熱酸化してチタン膜を酸化チタン膜にする。これにより、成膜振動板13の上に、酸化チタン膜製の酸化チタン密着層18を形成する。このとき、チタン膜の膜厚は、20〜50nmとするのが好ましい。酸化チタン膜を作成するには、反応性スパッタでもよいが、チタン膜の高温による熱酸化法が望ましい。
酸化チタン密着層18の上に、下部電極15となる白金膜(白金電極)15aを形成する。この場合、白金膜をスパッタ成膜して、白金電極である白金膜15aを形成する。
次に、白金膜15aの上に酸化チタン膜15bを形成する。具体的には、白金膜15aの上にチタン膜をスパッタ成膜で形成し、続いてRTA装置を用いて650〜800℃、1〜5分、O雰囲気でチタン膜を熱酸化させて、酸化チタン膜15bを形成する。酸化チタン膜15bの膜厚は、30〜70オングストローム(Å)とするのが好ましい。酸化チタン膜15bの膜厚を上記範囲にすることにより、圧電特性が良好な(100)の結晶性を有するPZT膜(PZT(100)膜ともいう)を形成することができる。酸化チタン膜15bを作成するには反応性スパッタでもよいが、チタン膜の高温による熱酸化法が望ましい。さらに、一般の炉による酸化よりも、RTA装置による酸化の方がTiO膜(酸化チタン膜)の結晶性が良好になる。なぜなら、通常の加熱炉による酸化によれば、酸化しやすいチタン膜は、低温においてはいくつもの結晶構造を作るためである。したがって、昇温速度の速いRTAによる酸化の方が良好な結晶を形成するために有利になる。
次に、酸化チタン膜15bの上に複数の圧電体層を積層して圧電体薄膜16を形成する。
本願出願人は、下部電極の圧電体側に酸化チタン膜を形成した後、複数の圧電体層を成膜して(100)面優先配向したPZTである圧電体薄膜を形成することにより、圧電体膜の結晶が(100)の配向を持つ圧電体素子を形成できることを見出している。特に、下部電極上に酸化チタン膜を形成した後、複数の圧電体層の鉛含有量を層毎に高くしていくと、PZT(100)の結晶核が高密度となり、配向度を安定して再現性良く得ることができる。しかし、PZT膜中の鉛(Pb)成分が過剰になり過ぎると、圧電体素子のリーク電流を増大させ、耐電圧を減少させてしまう。また、液滴速度の劣化を促進させるという問題があった。つまり、ジルコン酸チタン酸鉛を有する圧電体層の鉛含有量を層毎に高めて成膜する際、過剰な鉛成分による耐電圧の低下と液滴速度の劣化の問題を解決し、且つ圧電体薄膜の結晶を<100>の結晶配向で安定的に成膜することができなかった。
本実施形態の圧電体薄膜16は、異なる鉛含有量で準備された圧電体前駆体溶液を複数回に分けて成膜し焼成することで形成される。
特に第1層目(初回)の圧電体層の成膜に使用される圧電体前駆体溶液の鉛(Pb)含有量が、第1層目以外(2層目以降)の圧電体層の各成膜に使用される圧電体前駆体溶液の鉛含有量よりも多くなるようにしている。
上記した圧電体薄膜16を作成するために、
Pb(鉛):Zr(ジルコニウム):Ti(チタン)=(1+x):y:(1−y)
の元素組成比で調合した圧電体前駆体溶液を準備する。
具体的には、上記した式の鉛(Pb)含有量は、(1+x)で算出され、x値を第1層目の圧電体層と、第2層目以降の圧電体層とで異なる値とした圧電体前駆体溶液を2種類を準備する。即ち、上記式の元素組成比の鉛含有量を決定するx値が、0.18以上0.20以下とされた圧電体前駆体溶液を、第1層目(初回)の圧電体層の成膜用として準備する。
また、上記式の元素組成比の鉛含有量を決定するx値が、0.10以上0.17以下とされた圧電体前駆体溶液を、第2層目以降の圧電体層の成膜用として準備する。
上記した式の圧電体前駆体溶液のy値は、同じ値であり、0.40以上、0.60以下の範囲とした。因みに、圧電体薄膜(圧電体)16のZr:Ti比は、0.52:0.48のチタン酸ジルコン酸鉛(ead Zirconate Titanate、以下PZTという)が通常良く用いられ、圧電性能も良好で特性も安定しているため主流として用いられている。
この溶液の具体的な前駆体塗布液の合成については、出発材料に酢酸鉛三水和物、イソプロポキシドチタン、イソプロポキシドジルコニウムを用いる。酢酸鉛の結晶水はメトキシエタノールに溶解後、脱水する。ここでは、化学両論組成に対して、鉛量を過剰にしてある。これは熱処理中のいわゆる鉛抜けによる結晶性低下を防ぐためである。
イソプロポキシドチタン、イソプロポキシドジルコニウムをメトキシエタノールに溶解し、アルコール交換反応、エステル化反応を進め、前述の酢酸鉛を溶解したメトキシエタノール溶液と混合することで、PZT前駆体溶液を合成する。このPZT濃度は0.5モル/リットルである。
上記した液を用いてゾル・ゲル法すなわちゾル−ゲル液のスピンコーティング法による成膜により圧電体薄膜16が形成される。
具体的には、PZTを例に取ると、Pb、Zr、およびTiをそれぞれ含有する有機金属化合物を溶媒に溶解させた溶液を、下部電極膜(下部電極15の膜)上に塗布する。その後、コーティングした圧電体膜の固化のための焼成工程、次に圧電体膜の結晶化のための焼成工程を経ることにより、複数の圧電体層を圧電体薄膜16として形成する。
この固化のための焼成工程は、通常塗布一層ごとに行う。複数の圧電体層の結晶化のための焼成工程は固化焼成数層分まとめて行う。固化工程をM回、結晶化のための焼成をN回行い、一連の工程を繰り返すことにより、所望の膜厚の圧電体薄膜16を得ることができる。乾燥工程の温度は350〜550℃、結晶化加熱処理工程の温度は650〜800℃程度である。加熱時間的には、RTAを用いる場合、数十秒〜数分程度である。圧電体薄膜の厚さは、たとえば数十nm〜数μmとすることができる。
次に、本実施形態における、ゾル・ゲル法による圧電体薄膜16を形成する工程を、具体的に説明する。
まず、有機金属アルコキシド溶液からなるゾルをスピンコート等の塗布法により酸化チタン膜15b上に塗布する。次いで、一定温度で一定時間乾燥させ、溶媒を蒸発させる。乾燥後、さらに大気雰囲気下において所定の高温で一定時間脱脂し、金属に配位している有機の配位子を熱分解させ、金属酸化物とする。
上記準備工程の後、第1(初回)層目の圧電体前駆体膜(圧電体層)を成膜する。1回の成膜で1層目の圧電体前駆体膜が成膜される。このとき、Pb(鉛):Zr(ジルコニウム):Ti(チタン)=(1+x):y:(1−y)の組成式において、x値を0.18以上で0.20以下、y値を0.40以上で0.60以下とする圧電体前駆体溶液が用いられる。より好ましくは、Pb:Zr:Ti=1.18:0.53:0.47の元素組成比で調合した溶液を用いた。上記の鉛含有量とされた圧電体前駆体溶液をスピンコートにより成膜する。圧電体前駆体膜を成膜後、120℃乾燥→400℃熱分解を行なった。
第2層目以降の圧電体前躯体膜(圧電体層)の成膜、焼成工程について説明する。初回の成膜に使用した圧電体前駆体溶液よりもPb(鉛)濃度を低くした圧電体前駆体溶液を、スピンコートにより成膜する。
第2層目以降に使用した圧電体前駆体溶液は、Pb:Zr:Ti=(1+x):y:(1−y)の組成式において、x値を、初回のPb濃度より低くなる0.10以上で0.17以下とし、y値を0.40以上で0.60以下とする液である。より好ましくは、Pb:Zr:Ti=1.16:0.53:0.47の元素組成比で調合した溶液を用いた。
前記の圧電体前駆体溶液による2層目(2回目)の圧電体層の成膜後、120℃乾燥→400℃熱分解を行う。
そして、3層目(3回目)の圧電体前躯体膜の成膜、熱分解処理後に、結晶化熱処理(温度700℃)をRTA(急速熱処理)にて行った。このときPZTの膜厚は250nmであった。上記した成膜、熱分解処理工程を計8回(24層)実施し、約2μmのPZ膜厚(圧電体薄16)が得られた。
次に、上部電極17として白金膜をスパッタ成膜により形成する。
上部電極17においては、白金膜に限定されるものではなく、イリジウムや金などの金属電極を用いることができる。また、酸化物電極層と金属電極の積層膜を利用することもできる。酸化物電極層としては、IrO、LaNiO、RuO、SrO、SrRuOなどが用いられ、また、金属電極層としては、白金、イリジウムや金などが用いられている。
上述の製造方法により、図2に示した圧電アクチュエータ10を形成する。この圧電アクチュエータ10は、基板11、成膜振動板13、酸化チタン密着層18、白金膜(白金電極)15a、酸化チタン膜15b、圧電体薄膜16、上部電極17の順に積層された構成となっている。
上記したように本実施形態の圧電体薄膜16は、下部電極15上に積層される第1層目の圧電体層の鉛含有率が、第2層目(第1層目)以降の圧電体層の鉛含有率より高い値で成膜、焼成されて形成される構成である。つまり、下部電極15の酸化チタン膜15b上に、第1層目(初回)の圧電体層の鉛含有率が次層の圧電体層の鉛含有率より高く成膜、焼成されることで、(100)結晶核が高密度に形成できる。第1層目の圧電体層以降の成膜、焼成工程においては、初回に形成された圧電体薄膜の結晶配向の影響を受けて結晶化するため、緻密で柱状の結晶が得られ、圧電体薄膜16全体の圧電特性を向上することができる。
更に、初回を除く他の回(他の層)の焼成工程において、鉛過剰量を抑制することができるため、リーク電流を最小限にし、液滴速度の劣化を防止でき、均一で信頼性の高い圧電体薄膜16を有する圧電アクチュエータ10を得ることができる。
因みに、複数積層して成る圧電体層の鉛含有率を順に高くしていくと、PZT(100)配向度を安定して再現性良く得ることできるが、耐電圧が低下しやすい。しかし、上記のように初回の成膜における圧電体層の鉛含有量のみを、他の回の各成膜における圧電体層の鉛含有量よりも高くすることで、耐電圧の低下を防止しつつも、上記と同様の良好な結晶配向度が得られた。
そのため、本実施形態における圧電アクチュエータ10は、製造上再現性が良く、十分な圧電特性を得ることができる。
<第2の実施形態>
図3は第2の実施形態を示しており、第1の実施形態の圧電アクチュエータ10を、液滴吐出ヘッドとしてのインクジェット記録ヘッド20に設けた場合の一例である。
このインクジェット記録ヘッド20には、下部左右に隔壁11'が設けられている。図示することは省略したが、インクジェット記録ヘッド20には、下部前後(紙面垂直方向に沿って手前側と奥側)にも同様に隔壁が設けられている。これら下部左右の隔壁11'及び下部前後の隔壁は各々側部が結合されて、横断面四角形の筒型形状を成しており、その上端面には成膜振動板13が、下端面にはノズル19aを有するノズル板19がそれぞれ固定されている。つまり、ノズル板19は、筒型形状に配置された隔壁11'等の開放端側を閉塞している。そして、筒型形状の隔壁11'等、成膜振動板13、及びノズル板19で囲まれた部分に圧力室11aが形成されている。圧力室11aには、記録液としてのインクが一時的に溜められ、振動板13を変形(加圧)させることで、圧力室11a内のインクをノズル板19のノズル19aから吐出する。
なお、図1及び図2の圧電アクチュエータにおいては、圧電体薄膜素子12の下側に基板11が設けられていたが、図3のインクジェット記録ヘッド20においては、圧電体薄膜素子12の下側に隔壁11'等が設けられている。隔壁11'等は、基板11に対して加工を施すことによって製造されたものであり、以下にその製造プロセスについて説明する。
基板11に用いるシリコン基板としては、シリコン単結晶基板を用いることが好ましく、通常100〜650μmの厚みを持つシリコン基板が好ましい。また、図3に示すような圧力室11aを作製する場合、シリコン単結晶基板が用いられた基板11に対してエッチングを利用して加工する。この場合のエッチング方法としては、異方性エッチングを用いる。
上述したように、図1及び図2の圧電体薄膜素子(圧電素子)12を図3におけるインクジェット記録ヘッド20に適用する場合、基板11内に圧力室11aを形成する。この場合、成膜振動板13としては、圧電体薄膜16によって発生した力を受けて成膜振動板13が変形変位して、圧力室11aのインク滴を吐出させるため、成膜振動板13としては所定の強度を有したものであることが好ましい。
成膜振動板(下地)13の材料としては、Si、SiO、SiをCVD法により作製したものが挙げられる。さらに成膜振動板13の材料としては、下部電極15及び圧電体薄膜16の線膨張係数に近い材料を選択することが好ましい。特に、圧電体薄膜16としては、一般的に材料としてPZTが使用されることから、線膨張係数8×10−6[1/K]に近い、5×10−6〜10×10−6[1/K]の線膨張係数を有した材料が好ましい。さらには、7×10−6〜9×10−6[1/K]の線膨張係数を有した材料がより好ましい。具体的な材料としては、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化イリジウム、酸化ルテニウム、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化オスミウム、酸化レニウム、酸化ロジウム、酸化パラジウム、及びそれらの化合物等がある。これらの材料に対して、スパッタ法もしくはゾルゲル法を用いてスピンコータにて作製することができる。膜厚としては0.1〜10μmが好ましく、0.5〜3μmがさらに好ましい。この範囲より小さいと、圧力室11aの加工が難しくなり、この範囲より大きいと下地が変形変位しにくくなり、インク液滴の吐出が不安定になる。
次に、下部電極15を形成する前に、先ず、膜厚20〜50nmのチタン膜をスパッタ法により成膜振動板(振動板)13上に形成する。
続いて、RTA(Rapid Thermal Annealing:高速熱処理)装置を用いて650〜800℃、1〜10分、O雰囲気でチタン膜を熱酸化して酸化チタン膜にして、成膜振動板13上に酸化チタン膜製の酸化チタン密着層18(図示省略)を形成する。
この酸化チタン膜を作成するには反応性スパッタでもよいが、チタン膜の高温による熱酸化法が望ましい。また、この酸化チタン膜を作成するには反応性スパッタによる作成では、シリコン(Si)基板を高温で加熱する必要があるため、特別なスパッタチャンバ構成を必要とする。さらに、一般の炉による酸化よりも、RTA装置による酸化の方が酸化チタン膜の結晶性が良好になる。なぜなら、通常の加熱炉による酸化によれば、酸化しやすいチタン膜は、低温においてはいくつもの結晶構造を作るためである。したがって、昇温速度の速いRTAによる酸化の方が良好な結晶を形成するために有利になる。
次に、酸化チタン密着層18上に、下部電極15である200nm以下の厚さの白金膜をスパッタ法により白金電極15a(図2参照)として形成する。
次に、白金電極15a上に酸化チタン膜15b(図2参照)を形成する。白金電極15a上にチタン膜をスパッタ成膜で形成し、続いてRTA(Rapid Thermal Annealing)装置を用いて650〜800℃、1〜5分、O雰囲気でチタン膜を熱酸化させて、酸化チタン膜15bを形成する。チタン膜の膜厚は、30〜70オングストローム(Å)の範囲とするのが好ましい。この範囲にすることにより、圧電特性が良好なPZT(100)膜を形成することができる。この酸化チタン膜を作成するには高温による熱酸化法が望ましい。さらに、一般の炉による酸化よりも、RTA装置による酸化の方がチタンO膜(酸化チタン膜)の結晶性が良好になる。なぜなら、通常の加熱炉による酸化によれば、酸化しやすいチタン膜は、低温においてはいくつもの結晶構造を作るためである。したがって、昇温速度の速いRTAによる酸化の方が良好な結晶を形成するために有利になる。
圧電体薄膜(圧電体)16としては、ジルコニウム(Zr):チタン(Ti)比が、0.52:0.48のチタン酸ジルコン酸鉛(Lead Titanate Zirconate:PZT)が、圧電性能も良好で特性も安定しているため主流として用いられている。チタン酸ジルコン酸鉛として、上記組成にこだわらず、鉛、ジルコニウム、チタンを構成元素として含む酸化物として、様々な比率により、また、添加物を混合したり置換したりして用いられている。
なお、上述した圧電体薄膜(圧電体)16の製造プロセスとしては、ゾルゲル法すなわちゾル−ゲル液のスピンコーティング法を用いている。PZTを例に取ると、Pb、Zr、およびチタンをそれぞれ含有する有機金属化合物を溶媒に溶解させた溶液を下部電極膜(下部電極15の膜)上に塗布する。その後、コーティングした圧電体膜の固化のための焼成工程、次に圧電体膜の結晶化のための焼成工程を経ることにより、複数の圧電体層を圧電体薄膜16として形成することができる。この固化のための焼成工程は通常塗布一層ごとに行う。圧電体層の結晶化のための焼成工程は固化焼成数層分まとめて行う。固化工程をM回、結晶化のための焼成をN回行い、一連の工程を繰り返すことにより、所望の膜厚の圧電体薄膜16を得ることができる。乾燥工程の温度は350〜550℃、結晶化加熱処理工程の温度は650〜800℃程度である。加熱時間的には、RTAを用いる場合、数十秒〜数分程度である。圧電体薄膜16の厚さは、たとえば数十nm〜数μmとすることができる。
特に、圧電体薄膜16の作成にあたっては、Pb:Zr:Ti=(1+x):y:(1−y)の元素組成比で調合した溶液を準備した。
上記した式の鉛(Pb)含有量は、(1+x)で算出され、x値を第1層目の圧電体層と、第2層目以降の圧電体層とで異なる値とした圧電体前駆体溶液を2種類を準備した。即ち、上記式の元素組成比の鉛含有量を決定するx値が、0.18以上0.20以下とされた圧電体前駆体溶液を、第1層目の圧電体層の成膜用として準備する。また、上記式の元素組成比の鉛含有量を決定するx値が、0.10以上0.17以下とされた圧電体前駆体溶液を、第2層目の圧電体層の成膜用として準備する。上記した式の圧電体前駆体溶液のy値は、同じ値であり、0.40以上、0.60以下の範囲とした。より好ましくは、第1層目(初回)の圧電体層に使用する圧電体前駆体溶液としてPb:Zr:Ti=1.18:0.53:0.47の元素組成比で調合した溶液を準備した。また、第2層目以降の圧電体層に使用する圧電体前駆体溶液としてPb:Zr:Ti=1.16:0.53:0.47の元素組成比で調合した溶液を準備した。
具体的な前駆体塗布液の合成については、出発材料に酢酸鉛、ジルコニウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を出発材料にし、共通溶媒としてメトキシエタノールに溶解させ均一溶液を得ことで、PZT前駆体溶液が作製される。金属アルコキシド化合物は大気中の水分により容易に加水分解してしまうので、前駆体溶液に安定剤としてアセチルアセトン、酢酸、ジエタノールアミンなどの安定化剤を適量、添加しても良い。化学両論組成に対し鉛量を過剰にしてある。これは熱処理中のいわゆる鉛抜けによる結晶性低下を防ぐためである。
次に、例えばPb:Zr:Ti=1.18:0.53:0.47の元素組成比で調合した溶液を用いて、第1(初回)層目の圧電体前駆体膜(圧電体層)をスピンコートにより成膜する。1回の成膜で1層の圧電体前駆体膜が成膜される。圧電体前駆体膜を成膜後、120℃乾燥→400℃熱分解を行った。熱分解処理後に、結晶化熱処理(温度700℃)をRTA(急速熱処理)にて行った。
第2層目以降の圧電体層の成膜、焼成工程について説明する。第1層目の成膜に使用した圧電体前駆体溶液よりもPb(鉛)濃度を低くした圧電体前駆体溶液を、スピンコートにより成膜する。即ち、例えばPb:Zr:Ti=1.16:0.53:0.47の元素組成比で調合した溶液を、スピンコートにより成膜し、成膜後、120℃乾燥→400℃熱分解を行った。第3層目の熱分解処理後に、結晶化熱処理(温度700℃)をRTA(急速熱処理)にて行った。このときPZの膜厚は250nmであった。上記した成膜、熱分解処理工程を計8回(24層)実施し、約2μmのPZ膜厚が得られた。
複数の圧電体層でなる圧電体薄膜16の上層に、上部電極層(上部電極17)を形成する。上部電極層(上部電極17)の材料は、下部電極層(下部電極15)の材料と同じ材料を用いることができる。上部電極17の材料は、下部電極材料層とは異なり、圧電体層(圧電体薄膜16)を形成する際のような高温のプロセスが後の工程に無く、圧電体との格子定数マッチングも必要とならないため、材料選択幅が下部電極15に比較し広くなる。上部電極17においては、白金膜、イリジウムや金などの金属電極を用いることができる。また、酸化物電極層と金属電極の積層膜を利用することもできる。酸化物電極層として、IrO2、LaNiO3、RuO2、SrO、SrRuO3などが用いられる。
上部電極17の形成プロセスは、主にスパッタ成膜方式が取られている。その他、真空蒸着法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などの公知の方法で行うことができる。また、上部電極17の膜厚としては、50〜300nm程度の範囲で形成することができる。通常、下部電極15の形成後に、圧電体薄膜16すなわち圧電体層素子部の形成を行い、この圧電体層素子部の上に上部電極17を形成する。
この素子部(圧電体薄膜16)は、通常、感光性レジストのパターニングによりエッチング時のマスク層を下部電極15の上に形成した後、ドライまたはウエットのエッチングを施すことにより、下部電極15の上に形成する。
通常、上部電極17の形成後に圧電体層素子部の形成を行う。素子部の形成には、通常感光性レジストのパターニングによりエッチング時のマスク層を形成し、ドライまたはウエットのエッチングにより素子部を形成する。感光性レジストのパターニングは、公知のフォトリソグラフィー技術により実施することができる。すなわち、エッチング対象試料基板に感光性レジストをスピンコータ又はロールコータにより塗布し、その後予め所望のパターンが形成されたガラスフォトマスクにより紫外線露光後、パターン現像→水洗→乾燥して感光性レジストマスク層を形成する。形成された感光性レジストマスク層は、そのパターンの端部傾斜が、エッチング時の傾斜断面に影響するので、所望の傾斜角度に応じ、レジスト選択比(被エッチング材料とマスク材料のエッチングレートの比)を考慮して選択すれば良い。エッチング後膜上に残った感光性レジストは、専用の剥離液または酸素プラズマ・アッシングにより除去することができる。
エッチングは、形状の安定性から反応性ガスを用いたドライエッチングが選択されるが、エッチングガスは塩素系、フッ素系などハロゲン系のガスもしくはハロゲン系のガスにArや酸素を混合させたガスにより実施することができる。エッチングガスまたはエッチング条件を変化させることにより、上部電極17、さらに圧電体と連続してエッチングすることもできるし、一度レジストパターンをやり直して数回に分けてエッチングを実施することもできる。
図には示してないが、電極に挟まれた圧電体層素子部(圧電体薄膜16)、及び素子部の形状を形成したその断面部分を湿度等駆動環境から受ける影響から遮蔽する目的で、保護層が配置される。保護層の材料は酸化物が用いられ、緻密性が要求されることから、特にALD(Atomic Layer Deposition)法のプロセスが用いられている。具体的には、AlのALD膜が用いられる。膜厚は、30〜100nm程度である。
また、図には示してないが、上部電極17上には層間絶縁膜が形成されている。この層間絶縁層は、次工程で積層される配線電極と、上部電極17及び下部電極15との間の絶縁層として用いられる。層間絶縁層は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、もしくはこれらの混合膜により形成される。層間絶縁層の膜厚は、300〜700nmである。
層間絶縁層形成後、配線電極と上部電極17及び下部電極15とのコンタクトのためのスルーホールを、フォトリソグラフィーを用いた後にエッチングを行い形成する。残ったレジストは、酸素プラズマによるアッシング等を行い除去する。
配線電極層としては、強誘電体素子の個別の電極および共通電極の取り出しとして用い、上下電極材料とオーミックなコンタクトが取れる材料を選択して成膜する。具体的には、純AlまたはAlに数atomic%のSiなどヒーロック形成阻止成分を含有させた配線材料を用いることができる。または、導電性の点からすれば、Cuを主成分とした半導体用の配線材料を用いても良い。膜厚は、引き回し距離による抵抗分も考慮した圧電体駆動に支障の無い配線抵抗となるように設定する。具体的には、Al系配線なら約1μmの膜厚とする。このように形成された配線電極層は、フォトリソグラフィーの技術を用いて所望の形状を形成する。残ったレジストは、酸素プラズマによるアッシング等を行い除去する。
配線材料層は、電気的接続に必要な部分を除き耐環境性確保のために、酸化物または窒化物の保護層により被覆する。
最後に、液室部分は、フォトリソグラフィー技術を用いて振動板部分まで、Si基板をICP(Inductively Coupled Plasma)エッチングで深堀をして、圧電アクチュエータが形成された基板が完成する。
以降の工程は、ノズル板、駆動回路、インク液供給機構を組み立てて、インクジェット記録ヘッド20とする。
本実施形態によれば、リーク電流を最小限にし、液滴速度の劣化を防止する信頼性に優れた圧電体薄膜を適用しているため、高品位なインクジェット記録ヘッドが得られる。
<第3の実施形態>
図4は第3の実施形態を示している。本実施形態では、第2の実施形態のインクジェット記録ヘッド(液滴吐出ヘッド)が設けられた液体カートリッジとしてのインクカートリッジ80を示している。
このインクカートリッジ80は、ノズル81等を有する液滴吐出ヘッド100と、この液滴吐出ヘッド100に対してインクを供給するインクタンク82とを一体化したものである。インクタンク82には、予めインクが貯留されている。
なお、液滴吐出ヘッド100には、第2の実施形態のインクジェット記録ヘッド20(図3参照)が適用され、このインクジェット記録ヘッド20には、圧電体素子として、第1の実施形態の圧電アクチュエータ10(図2参照)が用いられている。
このようにインクタンク82が一体型の液滴吐出ヘッド100の場合、アクチュエータ部を高精度化、高密度化、及び高信頼化することで、インクカートリッジ80の歩留まりや信頼性を向上させることができる。これにより、インクカートリッジ80の低コスト化を図ることが可能となる。
本実施形態によれば、リーク電流を最小限にし、液滴速度の劣化を防止する信頼性に優れた圧電体薄膜を適用しているため、高品位なインクカートリッジ80が得られる。
<第4の実施形態>
図5及び図6は第4の実施形態を示している。本実施形態では、第2の実施形態のインクジェット記録ヘッド(液滴吐出ヘッド)、または第3の実施形態のインクカートリッジを搭載した画像形成装置(インクジェット記録装置)を示している。
本実施例の画像形成装置90は、装置本体内部に走査方向に移動可能なキャリッジ98と、キャリッジ98に搭載された液滴吐出ヘッド100及び液滴吐出ヘッド100へインクを供給するインクカートリッジ99等から成る印字機構部91を有する。
装置本体の下方部には、前方側から多数枚の用紙92を積載可能な給紙カセット(もしくは給紙トレイでもよい)93が抜き差し自在に装着されている。また、用紙92を手差しで給紙するために開かれる手差しトレイ94を有している。そして、給紙カセット93もしくは手差しトレイ94から給送される用紙92を取り込み、印字機構部91によって所要の画像を記録した後、後面側の装着された排紙トレイ95に排紙する。
印字機構部91には、図示していない左右の側板に掛け渡された主ガイドロッド96と従ガイドロッド97が設けられ、これら主ガイドロッド96及び従ガイドロッド97はキャリッジ98を主走査方向に摺動自在に保持している。キャリッジ98には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する液滴吐出ヘッド100が設けられている。キャリッジ98には、複数のインク吐出口(ノズル)が主走査方向と交差する方向に配列され、これらインク吐出口はインク滴吐出方向を下方に向けて形成されている。また、キャリッジ98には、液滴吐出ヘッド100に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ99が交換可能に装着されている。
インクカートリッジ99は、上方に大気と連通する大気口、下方には液滴吐出ヘッド100へインクを供給する供給口が設けられている。そして、インクカートリッジ99は内部にインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力により液滴吐出ヘッド100へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。なお、本実施例では、液滴吐出ヘッド100として、各色の液滴吐出ヘッドを用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個の液出ヘッドでもよい。
ここで、キャリッジ98は、後方側(用紙搬送下流側)が主ガイドロッド96に摺動自在に支持され、前方側(用紙搬送上流側)が従ガイドロッド97に摺動自在に載置されている。また、主走査モータ101、駆動プーリ102、従動プーリ103、駆動プーリ102と従動プーリ103との間に掛け渡されたタイミングベルト104が設けられ、タイミングベルト104の途中にはキャリッジ98が固定されている。そして、主走査モータ101で駆動プーリ102を正転・逆転させることにより、タイミングベルト104を往復動させて、キャリッジ98を主走査方向に移動させることができる。
給紙カセット93にセットした用紙92を液滴吐出ヘッド100の下方側に搬送するために、給紙ローラ105、フリクションパッド106、ガイド部材107、搬送ローラ108、搬送コロ109、及び先端コロ110が設けられている。給紙ローラ105及びフリクションパッド106は給紙カセット93から用紙92を分離し、ガイド部材107は分離された用紙92を案内し、搬送ローラ108は案内された用紙92を反転させる。また、搬送コロ109は搬送ローラ108の周面に押し付けられ、先端コロ110は搬送ローラ108からの用紙92の送り出し角度を規定する。搬送ローラ108は副走査モータ(図示省略)によってギア列を介して回転駆動される。
そして、キャリッジ98の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ108から送り出された用紙92を液滴吐出ヘッド100の下方側で案内するために、印写受け部材111が設けられている。この印写受け部材111の用紙搬送方向下流側には、用紙92を排紙方向へ送り出すための回転駆動される搬送コロ112と拍車113が設けられている。搬送コロ112と拍車113の更に下流側には、用紙92を排紙トレイ95に送り出す排紙ローラ114と拍車115、及び排紙経路を形成するガイド部材116、117が配設されている。
この画像形成装置90において、記録時には、キャリッジ98を移動させながら画像信号に応じて液滴吐出ヘッド100を駆動することにより、停止している用紙92にインクを吐出して1行分を記録する。その後、用紙92を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号または用紙92の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙92を排紙する。
また、キャリッジ98の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、液滴吐出ヘッド100の吐出不良を回復するための回復装置118が配置されている。回復装置118はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ98は、印字待機中にはこの回復装置118側に移動されて、キャッピン手段で液滴吐出ヘッド100をキャッピングして吐出口部を湿潤状態に保つことにより、インク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係ないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出状態を維持する。
また、吐出不良が発生した場合等には、キャピング手段で液滴吐出ヘッド100の吐出出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸出する。そして、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去し、これにより、吐出不良を回復することができる。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(図示省略)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
このように、本実施例の画像形成装置90においては、実施例1における液滴吐出ヘッド100を搭載しているので、安定したインク吐出特性が得られ、画像品質が向上する。
前記説明では画像形成装置90に液滴吐出ヘッド100を使用した場合について説明したが、インク以外の液滴、例えば、パターニング用の液体レジストを吐出する装置に液滴吐出ヘッド100を適用してもよい。
本実施形態によれば、リーク電流を最小限にし、液滴速度の劣化を防止する信頼性に優れた圧電体薄膜を適用しているため、高品位な画像形成装置が得られる。
[実施例]
以下に具体的な実施例1〜5を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例は、第1の実施形態に記載した構成と製造方法により形成される圧電体薄膜を有する圧電アクチュエータにおいて、第1層目(初回)の圧電体層に使用する圧電体前駆体溶液の元素組成比と、第2層目の圧電体層に使用する圧電体前駆体溶液の元素組成比を所定の範囲内で変化させて実施した例を示す。
まず、第1層目(初回)の圧電体層に使用する圧電体前駆体溶液の元素組成比について、実施例1、2のそれぞれの元素組成比で、第1の実施形態に記載した製造方法により圧電アクチュエータを製作した。また、比較例1、2として、実施例1、2とは異なる元素組成比とした圧電体前駆体溶液(初回用)により圧電アクチュエータを製作し、比較検討した。
(実施例1)
実施例1は、第1層目(初回)の圧電体層の圧電体前駆体溶液としてPb:Zr:Ti=1.18:0.53:0.47の元素組成比で調合した溶液を使用した。また、第2層目以降の圧電体層の圧電体前駆体溶液としてPb:Zr:Ti=1.16:0.53:0.47の元素組成比で調合した溶液を使用し、圧電アクチュエータを製作した。
(実施例2)
実施例2は、第1層目(初回)の圧電体層の圧電体前駆体溶液としてPb:Zr:Ti=1.20:0.53:0.47の元素組成比で調合した溶液を使用した。また、第2層目以降の圧電体層の圧電体前駆体溶液としてPb:Zr:Ti=1.16:0.53:0.47の元素組成比で調合した溶液を使用し、圧電アクチュエータを製作した。
(比較例1)
比較例1は、第1層目(初回)の圧電体層の圧電体前駆体溶液としてPb:Zr:Ti=1.16:0.53:0.47の元素組成比で調合した溶液を使用した。また、第2層目以降の圧電体層の圧電体前駆体溶液としてPb:Zr:Ti=1.16:0.53:0.47の元素組成比で調合した溶液を使用し、圧電アクチュエータを製作した。この比較例1は、第1層と、第2層以降に使用する圧電体前駆体溶液とを同じ元素組成比とした場合を比較するためである。
(比較例2)
比較例2は、第1層目(初回)の圧電体層の圧電体前駆体溶液としてPb:Zr:Ti=1.21:0.53:0.47の元素組成比で調合した溶液を使用した。また、第2層目以降の圧電体層の圧電体前駆体溶液としてPb:Zr:Ti=1.16:0.53:0.47の元素組成比で調合した溶液を使用し、圧電アクチュエータを製作した。この比較例2は、第1層目の圧電体層に使用する圧電体前駆体溶液の鉛含有量を、第2層目以降の圧電体層に使用する鉛含有量に比して相当に高くした場合(実施例1、2より高い)を比較するためである。
図7に、上記した実施例1、2及び比較例1、2を実施した際の、圧電体薄膜の(100)面配向度を示した。
比較例2の第1層目(初回)の圧電体層の鉛含有量を最も大きくした場合において、(100)面配向率98%を得ることができた。一方、第1層目(初回)の圧電体層の鉛含有量と第2層目以降の圧電体層の鉛含有量とを同じにした比較例1の場合、(100)面配向率が80%で最も悪い値となった。したがって、第1層目の圧電体層の鉛含有量を大きくすると(100)配向度を大きくすることができる。
因みに、本明細書内で言う「(100)面配向度」は、X線回折広角法においてCuKα線を用いたときのXYZ面に対応するピーク(2θ)の回折強度をI(XYZ)と表記したとき、I(100)の、I(100)とI(110)とI(111)の和に対する比率を意味する。
次に、第2層目以降の圧電体層の成膜に使用する圧電体前駆体溶液の元素組成比について、実施例3〜5の元素組成比で、第1の実施形態に記載した製造方法により圧電アクチュエータを製作した。また、比較例3、4として、実施例3〜5とは異なる元素組成比とした圧電体前駆体溶液(第2層目以降用)により圧電アクチュエータを製作し、比較検討した。
(実施例3)
実施例3は、第1層目(初回)の圧電体層の圧電体前駆体溶液としてPb:Zr:Ti=1.18:0.53:0.47の元素組成比で調合した溶液を使用した。また、第2層目以降の圧電体層の圧電体前駆体溶液としてPb:Zr:Ti=1.17:0.53:0.47の元素組成比で調合した溶液を使用し、圧電アクチュエータを製作した。
(実施例4)
実施例4は、第1層目(初回)の圧電体層の圧電体前駆体溶液としてPb:Zr:Ti=1.18:0.53:0.47の元素組成比で調合した溶液を使用した。また、第2層目以降の圧電体層の圧電体前駆体溶液としてPb:Zr:Ti=1.10:0.53:0.47の元素組成比で調合した溶液を使用し、圧電アクチュエータを製作した。
(実施例5)
実施例5は、第1層目(初回)の圧電体層の圧電体前駆体溶液としてPb:Zr:Ti=1.18:0.53:0.47の元素組成比で調合した溶液を使用した。また、第2層目以降の圧電体層の圧電体前駆体溶液として、3層毎にPb:Zr:Ti=1.16:0.53:0.47、Pb:Zr:Ti=1.14:0.53:0.47、Pb:Zr:Ti=1.16:0.53:0.47の元素組成比で調合した溶液を使用し、圧電アクチュエータを製作した。これは、Pb組成勾配は焼成中によるPb抜けにより生じることから、第2層以降において、3層毎の圧電体層のPb組成勾配を抑制する必要がある。上記実験はその抑制効果を検証するために行なった。
(比較例3)
比較例3は、第1層目(初回)の圧電体層の圧電体前駆体溶液としてPb:Zr:Ti=1.18:0.53:0.47の元素組成比で調合した溶液を使用した。また、第2層目以降の圧電体層の圧電体前駆体溶液としてPb:Zr:Ti=1.18:0.53:0.47の元素組成比で調合した溶液を使用し、圧電アクチュエータを製作した。この比較例3は、第1層目の圧電体層と、第2層目以降の圧電体層とを同じ元素組成比とした場合を比較するためである。
(比較例4)
比較例4は、第1層目(初回)の圧電体層の圧電体前駆体溶液としてPb:Zr:Ti=1.18:0.53:0.47の元素組成比で調合した溶液を使用した。また、第2層目以降の圧電体層の圧電体前駆体溶液としてPb:Zr:Ti=1.09:0.53:0.47の元素組成比で調合した溶液を使用し、圧電アクチュエータを製作した。この比較例4は、第2層目以降の圧電体層に使用する圧電体前駆体溶液の鉛含有量を、第1層目の圧電体層に使用する圧電体前駆体溶液の鉛含有量に比して相当に低くした場合を比較するためである。
上記した実施例1〜5、比較例1〜4で作製した圧電体薄膜の膜構成において、図8のような、耐電圧(V)、残留分極Pr(μC/cm)、圧電定数d31(pm/V)、液滴速度(液滴下速度)の劣化率(%)を比較した。この比較における圧電体薄膜は電界印加(150kV/cm)による変形量をレーザードップラー振動計で計測し、シミュレーションによる合わせ込みから算出した。初期特性を評価した後に、耐久性(1010回繰り返し印可電圧を加えた直後の特性)評価を実施した。
実施例1〜5のいずれにおいても初期特性、耐久性試験後の結果についても一般的なセラミック焼結体と同等の特性を有していた。耐電圧は180〜220V、残留分極Prは45〜55uC/cm、圧電定数は−165〜−185pm/V、液滴速度(液滴下速度)の劣化率は2.3〜5.0(%)であり、十分な耐久性を発揮している。特に、耐電圧は良好な値を保持しているため、初回を除く他の回の焼成工程において、鉛過剰量を抑制していることが分かる。したがって、リーク電流を最小限にでき、均一で信頼性の高い圧電体薄膜16を有する圧電アクチュエータを得ることができる。
しかし、比較例1〜4では、10-10回後(10-10回繰り返し印加電圧を加えた耐久性試験直後)のVj特性は、残留分極及び圧電定数の双方において劣化しているのが確認された。また、実施例1〜5に比べて液滴速度の劣化率が10%以上であり、耐久性の面で問題がある。また、比較例2、3は耐電圧が低く好ましくない。比較例1、4は実施例1〜5に比べ、d31(pm/V)が低く、十分な圧電特性が得られていない。
因みに、実施例1〜5、比較例1〜4で作製した圧電アクチュエータを用いて、図3に示したインクジェット記録ヘッドを作製し液の吐出評価を行った。粘度を5cpに調整したインクを用いて、単純Push波形により−10〜−30Vの印可電圧を加えたときの吐出状況を確認したところ、全てどのノズル孔からも吐出されていることを確認した。
また、第1層目(初回)の圧電体層の圧電体前駆体溶液としてPb:Zr:Ti=1.18:0.53:0.47の元素組成比で調合した溶液を使用し、第2層目以降の圧電体前駆体溶液はPb:Zr:Ti=1.16:0.53:0.47の元素組成比で調合した溶液を使用することが好ましい。
実施例1においては、図9に示すように、圧電アクチュエータ完成後にも下部電極(白金膜及び酸化チタン密着層)には空孔は観察されていない。空孔の確認については、FIB加工により、膜厚方向に断面加工し、SEM観察した。空孔の有無を確認する断面観察においては、SEMの倍率としては100k倍以上で観察を行った。
以上、図面を用いて本発明の実施形態を詳細に説明した。なお、上記の記載は、実施形態を理解するためのものであり、実施形態の範囲を限定するものではない。また、上記実施例中に記載した膜厚等の数値や材料はこれに限ったものではない。更に、上記の複数の実施形態は、相互に排他的なものではない。したがって、矛盾が生じない限り、異なる実施形態の各要素を組み合わせることも意図しており、特許請求の範囲に記載された開示の技術の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
例えば、第4の実施形態における画像形成装置90は、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、これらの複合機などにも適用することができる。
また、本発明は、インク以外の液体、例えばDNA試料やレジスト、パターン材料などを吐出する液滴吐出ヘッドや液滴吐出装置、もしくは、これらを備える画像形成装置にも適用することができる。
10 圧電アクチュエータ
11 基板
11' 隔壁
11a 圧力室
12 圧電体薄膜素子(圧電素子)
13 成膜振動板(振動板)
14 電気−機械変換素子
15 下部電極
15a 白金膜(白金電極)
15b 酸化チタン膜
16 圧電体薄膜(PZT)
17 上部電極
18 酸化チタン密着層
19 ノズル板
19a ノズル
20 インクジェット記録ヘッド(液滴吐出ヘッド)
80 インクカートリッジ(液体カートリッジ)
82 インクタンク(タンク)
90 画像形成装置
100 液滴吐出ヘッド
特許第4207167号公報

Claims (6)

  1. 振動板と、
    前記振動板上に設けられた下部電極と、
    前記下部電極上に設けられる鉛、ジルコニウム、チタンを含む複数の圧電体層を積層してなる圧電体薄膜と、
    前記圧電体薄膜上に設けられた上部電極とを備えた圧電アクチュエータであって、
    前記振動板の上に形成された白金膜と、当該白金膜の上に形成された酸化チタン膜とを有する前記下部電極が形成され、
    前記複数の圧電体層のうち前記下部電極上に積層される第1層目の圧電体層の鉛含有率が、前記第1層目以外の圧電体層の鉛含有率より高く、
    前記圧電体薄膜の成膜に使用される圧電体前駆体溶液の元素組成比は、Pb:Zr:Ti=(1+x):y:(1−y)とされ、
    前記第1層目の圧電体層には、前記元素組成比の鉛含有量を決定するx値が、0.18以上0.20以下とされた圧電体前駆体溶液が使用され、
    前記第1層目以外の圧電体層には、前記元素組成比の鉛含有量を決定するx値が、0.10以上0.17以下とされた圧電体前駆体溶液が使用されることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 前記圧電体薄膜は、100の結晶性を持ったPZT膜であることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  3. 振動板と、
    前記振動板上に設けられた下部電極と、
    前記下部電極上に設けられる鉛、ジルコニウム、チタンを含む複数の圧電体層を積層してなる圧電体薄膜と、
    前記圧電体薄膜上に設けられた上部電極とを有する圧電アクチュエータの製造方法であって、
    前記振動板の上に白金膜、当該白金膜の上に酸化チタン膜をそれぞれ成膜して前記下部電極を形成する工程と、
    前記複数の圧電体層のうち前記下部電極上に積層される第1層目の圧電体層の鉛含有率を、前記第1層目以外の圧電体層の鉛含有率より高くして、前記圧電体薄膜を形成する工程と、
    を有し、
    前記圧電体薄膜を形成する工程において、
    前記圧電体薄膜の成膜に使用される圧電体前駆体溶液の元素組成比を、Pb:Zr:Ti=(1+x):y:(1−y)とし、
    前記第1層目の圧電体層には、前記元素組成比の鉛含有量を決定するx値が、0.18以上0.20以下とされた圧電体前駆体溶液を使用し、
    前記第1層目以外の圧電体層には、前記元素組成比の鉛含有量を決定するx値が、0.10以上0.17以下とされた圧電体前駆体溶液を使用することを特徴とする圧電アクチュエータの製造方法。
  4. 液滴を吐出するノズルが連通する加圧液室内の液体を圧電アクチュエータにより加圧して前記液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドであって、
    前記液滴吐出ヘッドは、請求項1又は2に記載の圧電アクチュエータを備えていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  5. 液滴を吐出する請求項記載の液滴吐出ヘッドと、当該液滴吐出ヘッドに液体を供給する液体タンクを一体化したことを特徴とする液体カートリッジ。
  6. 請求項に記載の液滴吐出ヘッド又は請求項5に記載の液体カートリッジを搭載したことを特徴とする画像形成装置。
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