JP2013187021A - 二次電池 - Google Patents

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吉田  孝
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雅信 佐藤
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智明 吉川
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Abstract

【課題】サイクル耐久性の向上を図り得る二次電池を提供する。
【解決手段】二次電池10は、正極活物質層141を含む正極140と、負極活物質層151を含む負極150と、正極と負極との間に配置されたセパレータ160と、を有する。また、本発明の二次電池は、正極とセパレータとの間、および負極とセパレータとの間のうちの少なくとも一方に配置されて、正極および負極のうちの少なくとも一方とセパレータとを接着する接着層170、180を有する。そして、本発明の二次電池にあっては、活物質層の厚み方向から見て、正極活物質層と負極活物質層とが重なる範囲と、重ならない範囲とで、正極活物質層および負極活物質層のうちの少なくとも一方に対して接着層が接触する面積の割合が異なる。
【選択図】図2

Description

本発明は、二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される二次電池は、高電圧、高エネルギー密度、および高出力であることから、車両のモータの駆動用電源として注目を集めている。
リチウムイオン二次電池は、正極集電体に接合した正極活物質層と、負極集電体に接合した負極活物質層と、各活物質層の面と対向した対向面を有するセパレータと、を備える。また、リチウムイオン二次電池として、セパレータの対向面と各活物質層の面とが樹脂接着層によって接着されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような二次電池は、正極活物質層を含む正極、負極活物質層を含む負極、樹脂接着層、およびセパレータが、積層または巻回された構成を有する。樹脂接着層によって各活物質とセパレータとの密着性が増すため、短絡防止、抵抗上昇の抑制が図られる。
特開平6−36801号公報
しかしながら、本発明者らが二次電池について検討を進めていく中で、樹脂接着層の状態によっては、サイクル耐久性が悪化することがあることが分かった。より具体的には、正極活物質層および負極活物質層の厚み方向から見てこれらが重なる範囲と重ならない範囲との全範囲に樹脂接着層が設けられている場合、サイクル耐久性が悪化する虞があることを見出した。
負極活物質層および正極活物質層において、充放電にともないリチウムイオンを吸蔵または放出するのは、主に、厚み方向から見て負極活物質層と正極活物質層とが重なる範囲であり、一方、これらが重ならない範囲は反応にほぼ寄与しない。そのため、負極活物質層と正極活物質層とが重なる範囲では、充放電にともない電極に体積変化が生じるのに対し、負極活物質層と正極活物質層とが重ならない範囲では電極に膨張・収縮が生じない。そして、それらの全範囲で樹脂接着層が設けられて活物質層が拘束されている場合、そのような体積変化のギャップによって、両範囲の境界付近でセパレータおよび集電体等の部材に応力集中が生じる。さらに、境界付近への応力集中が、サイクル試験の繰り返しによって助長されることによって、セパレータおよび集電体への亀裂もしくは切断、または活物質層からの活物質の脱落が起こり、結果としてサイクル耐久性が低下する虞がある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、サイクル耐久性の向上を図り得る二次電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の二次電池は、正極活物質層を含む正極と、負極活物質層を含む負極と、正極と負極との間に配置されたセパレータと、を有する。また、本発明の二次電池は、正極とセパレータとの間、および負極とセパレータとの間のうちの少なくとも一方に配置されて、正極および負極のうちの少なくとも一方とセパレータとを接着する接着層を有する。そして、本発明の二次電池にあっては、活物質層の厚み方向から見て、正極活物質層と負極活物質層とが重なる範囲と、重ならない範囲とで、正極活物質層および負極活物質層のうちの少なくとも一方に対して接着層が接触する面積の割合が異なる。
上記構成を有する二次電池によれば、接着層によって、負極活物質層と正極活物質層とが重なる範囲および重ならない範囲の両方で、一様にセパレータの拘束が緩和される。そのため、充放電にともなうそれら両範囲での体積変化のギャップによる応力集中が解消され、その結果、集電体およびセパレータへの亀裂もしくは切断、または活物質層からの活物質の脱落が抑制されるので、サイクル耐久性を向上できる。
実施形態の二次電池の概略構成を示す斜視図である。 図1の2−2線に沿う断面図である。 活物資層、接着層、およびセパレータを厚み方向から示す平面図である。 第1実施形態の二次電池の要部を部分的に拡大して示す断面図である。 比較例の二次電池の要部を部分的に拡大して示す断面図である。 第2実施形態の二次電池の要部を部分的に拡大して示す断面図である。 第3実施形態の二次電池の要部を部分的に拡大して示す断面図である。 第3実施形態の変形例の要部を部分的に拡大して示す断面図である。 第4実施形態の二次電池の要部を部分的に拡大して示す断面図である。 第4実施形態の変形例の要部を部分的に拡大して示す断面図である。 第5実施形態の二次電池の要部を部分的に拡大して示す断面図である。 第6実施形態の二次電池の要部を部分的に拡大して示す断面図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる。
<第1実施形態>
図1に示すように、第1実施形態のリチウムイオン二次電池10(二次電池)は、充放電反応が進行する略矩形の発電要素100を、これを覆う外装材110によって封止した構成を有する。リチウムイオン二次電池10は、長方形状の扁平な形状を有する。電力を取り出すための正極集電板120および負極集電板130が、リチウムイオン二次電池10の両側部から引き出されている。
図2に示すように、発電要素100は、正極活物質層141が正極集電体142の両面に形成された正極140と、負極活物質層151が負極集電体152の両面に形成された負極150と、を有する。また、発電要素100は、電解質が含浸されることによって電解質層を構成する、正極140と負極150との間に配置されたセパレータ160を有する。正極140および負極150は、セパレータ160を介して交互に複数積層されている。また、発電要素100は、正極140とセパレータ160との間に配置されてこれらを接着する接着層170と、負極150とセパレータ160との間に配置されてこれらを接着する接着層180と、を有する。
隣接する正極活物質層141、電解質層(セパレータ160)、および負極活物質層151は、1つの単電池層190を構成している。単電池層190は、複数積層されることによって電気的に並列接続されている。
積層方向の両最外層に配置された2つの負極集電体154については、いずれも片面のみに負極活物質層151が形成されている。本発明は、図2に示された形態に限定されず、図2において、正極140と負極150との配置を入れ替えた形態を含む。この場合、積層方向の両最外層に正極集電体142が配置され、また、最外層に配置された正極集電体142では、片面のみに正極活物質層141が形成される。なお、最外層に配置される際には、正極140、負極150共に、負極集電体154あるいは正極集電体142の両面にそれぞれ、負極活物質層151、正極活物質層142が形成されていてもよい。
各部材について述べる。
外装材110は、周囲が熱融着されることによって、正極集電板120および負極集電板130を導出した状態で発電要素100を密封している。外装材110は、例えば、アルミニウムと樹脂材との積層構造を有するラミネートフィルムである。ラミネートフィルムとして、例えば、ポリプロピレン、アルミニウム、ポリアミド系合成樹脂をこの順に積層して構成された3層構造のラミネートフィルムを用いることができるが、これらに制限されるものではない。
正極集電板120は、正極集電体142に電気的に接続し、また、外装材110の一端に挟まれるようにして外装材110の外部に導出されている。負極集電板130は、負極集電体152に電気的に接続し、また、外装材110の他端に挟まれるようにして外装材110の外部に導出されている。
正極集電板120と正極集電体142とを電気的に接続する正極リード143が、超音波溶接や抵抗溶接等によって、正極集電板120に取付けられている。正極集電板120は、正極集電体142を延長することによって形成されてもよい。また、負極集電板130と負極集電体152とを電気的に接続する負極リード153が、超音波溶接や抵抗溶接等によって、負極集電板130に取付けられている。負極集電板130は、負極集電体152を延長することによって形成されてもよい。
正極集電体142は、例えばアルミニウム箔である。負極集電体152は、例えば銅箔である。しかし、これらに限定されず、正極集電体142および負極集電体152は、例えば、ステンレススチール箔、ニッケルとアルミニウムとのクラッド材、銅とアルミニウムとのクラッド材、あるいはこれらの金属の組み合わせのメッキ材等であってもよい。正極集電体142の厚さ、および負極集電体152の厚さは、それぞれ、例えば1〜100μm程度であり、また、好ましくは1〜50μm程度である。
正極活物質層141は、リチウムの吸蔵放出が可能な正極活物質を1種類または2種類以上を含んで構成されており、必要に応じて導電助剤およびバインダを含んでいてもよい。正極活物質は、特に限定されず、リチウムイオン二次電池に通常用いられるものが利用され得る。例えば、硫化モリブデン(MoS)、セレン化ニオブ(NbSe)、硫化チタン(TiS)あるいは酸化バナジウム(V)などのリチウムを含有しないカルコゲン化物、またはリチウムを含有するリチウム含有化合物、またはポリアセチレンあるいはポリピロールなどの高分子化合物が挙げられる。特に、高電圧、高エネルギー密度を期待できることから、リチウム含有化合物が好ましく、リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物、またはリチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物がさらに好ましい。リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物の具体的な例としては、層状構造を有するコバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、リチウム−ニッケル−マンガン複合酸化物(LiNiMn1−x)、リチウム−ニッケル−マンガン−コバルト複合酸化物(LiNiMnCo1−x−y)、リチウム過剰型ニッケル−マンガン−コバルト複合酸化物(Li[LiNiMnCo1−x−y−z]O)、スピネル型構造を有するマンガン酸リチウム(LiMn)などを挙げることができる。リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物の具体的な例としては、例えば鉄リン酸リチウム(LiFePO)、マンガンリン酸リチウム(LiMnPO)、コバルトリン酸リチウム(LiCoPO)が挙げられる。
正極活物質層141の厚さは、特に限定されないが、例えば2〜100μm程度である。また、正極活物質層141の充電状態と放電状態との最大体積変化率は、例えば、5%以上20%以下である。
負極活物質層151は、リチウムイオンを可逆的に吸蔵および放出できる負極活物質を1種類または2種類以上を含んで構成されており、必要に応じて導電助剤およびバインダを含んでいてもよい。負極活物質は、例えば、炭素材料、金属酸化物あるいは高分子化合物が挙げられる。炭素材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類、カーボンブラックなどを挙げることができる。また、金属酸化物としては、酸化鉄、酸化ルテニウム、チタン酸リチウム(LiTi12)あるいは酸化モリブテンなどが挙げられ、高分子化合物としてはポリアセチレンあるいはポリピロールなどが挙げられる。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、また、リチウムと合金を形成可能な金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む材料も挙げられる。この負極材料は金属元素あるいは半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、またこれらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。なお、本発明において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
このような金属元素あるいは半金属元素としては、例えば、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アルミニウム、インジウム(In)、ケイ素(Si)、亜鉛(Zn)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、銀(Ag)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)あるいはイットリウム(Y)が挙げられる。中でも、長周期型周期表における14族の金属元素あるいは半金属元素が好ましく、特に好ましいのはケイ素あるいはスズである。ケイ素およびスズは、リチウムを吸蔵および放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。
スズの合金としては、例えば、スズ以外の第2の構成元素として、ケイ素、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン(Ti)、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモンおよびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。ケイ素の合金としては、例えば、ケイ素以外の第2の構成元素として、スズ、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモンおよびクロムからなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
スズの化合物あるいはケイ素の化合物としては、例えば、酸素(O)あるいは炭素(C)を含むものが挙げられ、スズまたはケイ素に加えて、上述した第2の構成元素を含んでいてもよい。
負極活物質層151の厚さは、特に限定されないが、例えば2〜100μm程度である。また、負極活物質層151の充電状態と放電状態との最大体積変化率は、例えば、10%以上400%以下である。
セパレータ160は、正極活物質層141と負極活物質層151との間に介在し、両極活物質の接触に伴う短絡防止や電解液を保持してイオン透過性を確保する役割を有する。セパレータ160は、例えば、通気性を有するポーラス状のPE(ポリエチレン)によって形成される。しかし、これに特に限定されず、セパレータ160として一般的なリチウムイオン二次電池で用いられている公知のものを適用できる。例えば、セパレータ160として、PP(ポリプロピレン)等の他のポリオレフィン、PP/PE/PPの3層構造をした積層体、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、不織布を、利用することも可能である。不織布は、例えば、綿、レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステルである。
電解液の溶媒としては、例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンあるいはε−カプロラクトンなどのラクトン系溶媒、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルあるいは炭酸ジエチルなどの炭酸エステル系溶媒、1、2−ジメトキシエタン、1−エトキシ−2−メトキシエタン、1、2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフランあるいは2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒、スルフォラン系溶媒、リン酸類、リン酸エステル溶媒、またはピロリドン類などの非水溶媒が挙げられる。溶媒は、いずれか1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
電解液のリチウム塩は、溶媒に溶解してイオンを生ずるものであればいずれを用いてもよく、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。例えばリチウム塩であれば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(SOCF)、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチルリチウム(LiC(SOCF)、四塩化アルミン酸リチウム(LiAlCl)あるいは六フッ化ケイ酸リチウム(LiSiF)などが挙げられる。中でも、六フッ化リン酸リチウムあるいは四フッ化ホウ酸リチウムは、酸化安定性の点から好ましい。
リチウム塩の電解液における濃度は、溶媒1リットル(l)に対して0.1mol以上3.0mol以下とすることが好ましく、より好ましくは0.5mol以上2.0mol以下である。この範囲内において良好なイオン伝導度を得ることができるからである。
電解質は、電解液ではなく、ポリマー電解質またはゲル電解質としてもよい。
ポリマーあるいはゲル電解質のホストポリマーは、例えば、HFP(ヘキサフルオロプロピレン)コポリマーを10%含むPVDF−HFP(ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体)である。しかし、これに特に限定されず、電解質のホストポリマーとして、一般的なリチウムイオン二次電池で用いられている公知のものを適用できる。例えば、他のリチウムイオン伝導性を持たない高分子や、イオン伝導性を有する高分子(固体高分子電解質)を適用することも可能である。他のリチウムイオン伝導性を持たない高分子は、例えば、PAN(ポリアクリロニトリル)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)である。イオン伝導性を有する高分子は、例えば、PEO(ポリエチレンオキシド)やPPO(ポリプロピレンオキシド)である。
セパレータ160の厚さについては特に制限はなく、電池についての従来公知の知見が適宜参照され得る。セパレータ160の厚さは、好ましくは1〜50μm、より好ましくは2〜30μm、さらに好ましくは5〜25μm程度である。
図3において各部材の厚み方向から示すように、負極活物質層151の扁平面積(厚み方向に交差する面の面積)は、正極活物質層141の扁平面積よりも大きい。また、セパレータ160の扁平面積は、負極活物質層151の扁平面積、および正極活物質層141の扁平面積よりも大きい。ただし、対リチウム電位が1V以上の負極材料を含む負極活物質層である場合には、負極活物質層151の扁平面積は、正極活物質層141の扁平面積よりも小さくともよい。
図3および図4に示すように、接着層170は、正極活物質層141の扁平面積と同一の扁平面積を有する。接着層170は、厚み方向から見て正極活物質層141と負極活物質層151とが重なる範囲(以下、単に活物質層が重なる範囲と称す)の全範囲で、正極活物質層141に接触している。
一方、接着層180の扁平面積は、正極活物質層141の扁平面積より大きく、また負極活物質層151の扁平面積より小さい。接着層180は、活物質層が重なる範囲で負極活物質層151に接触するだけでなく、厚み方向から見て正極活物質層141と負極活物質層151とが重ならない範囲(以下、単に活物質層が重ならない範囲と称す)においても負極活物質層151と接触している。
活物質層が重なる範囲と、活物質層が重ならない範囲とでは、負極活物質層151に対して接着層180が接触する面積の割合が異なる。接着層180は、活物質層が重なる範囲では、その全範囲で負極活物質層151に接触している。これに対し、活物質層が重ならない範囲では、接着層180は負極活物質層151の一部にだけ接触している。従って、活物質層が重ならない範囲では、活物質層が重なる範囲に比べ、負極活物質層151に対して接着層180が接触する面積の割合が小さい。
接着層170の厚さ、および接着層180の厚さは、特に制限されないが、好ましくは、0.1〜20μmである。より好ましくは0.5〜15μm、さらに好ましくは0.5〜10μmである。
接着層170、および接着層180を構成する主な構成材料は、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル(PVC)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物等の熱可塑性高分子、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデン(カルボキシル基を一部側鎖に持つもの)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HFP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴム、エポキシ樹脂、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等の(メタ)アクリル系樹脂、アラミド、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)等が挙げられる。中でも、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、スチレン・ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミドであることがより好ましい。これらの好適な接着層170、180に用いられる材料は、耐熱性に優れ、さらに酸化電位、還元電位双方に安定である。これらの接着層170、180に用いられる材料は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。しかし、接着層170、180に用いられる材料がこれらに限定されないことはいうまでもない。これらのうち、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、(メタ)アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂等は、酸化側、還元側のいずれの電位にも強いことから、いずれにも適用可能である。また、SBR等は、還元電位に強いことから負極側に用いるのが好ましい。更に、PTFE等は、酸化電位に強いことから正極側に用いるのが好ましい。
本実施形態のリチウムイオン二次電池10の製造方法としては、特に制限されるものではなく、従来公知の方法を適用して作製することができる。以下にその一例を述べる。
まず、正極140および負極150がそれぞれ準備される。
負極150の作製では、負極活物質を含む負極活物質層用スラリが調製され、そして負極集電体152の一方の面に塗布される。負極活物質層用スラリは、負極活物質、導電助剤、およびバインダ等を含む混合物が溶媒に分散されることによって調製される。
導電助剤とは、導電性を向上させるために配合される添加物をいう。本実施形態において用いられ得る導電助剤は特に制限されず、従来公知の知見が適宜参照され得る。例えば、アセチレンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、炭素繊維等の炭素材料が挙げられる。活物質層が導電助剤を含むと、活物質層の内部における電子ネットワークが効果的に形成され、電池の入出力特性の向上に寄与し得る。なお、本実施形態において負極活物質として用いられるカーボン材料はそれ自体が導電性を有することもあるが、かような場合には導電助剤の使用は必ずしも必要ではない。
負極活物質層用スラリに使用されるバインダは、活物質同士または活物質と集電体や導電助剤とを結着させて電極構造(3次元ネットワーク)を維持する目的で加えられる。負極活物質層用スラリに含まれるバインダとしては、特に制限されないが、例えば、以下の材料が挙げられる。セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の増粘剤;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体およびその水素添加物、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体およびその水素添加物等の熱可塑性樹脂;ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂;ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴム;アクリル樹脂;ポリウレタン樹脂;およびユリア樹脂;が挙げられる。これらをそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
負極活物質層用スラリに使用される溶媒としては、特に制限されないが、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルホルムアミド、メタノール、エタノール、イソプロパノール、水等が用いられ得る。水等の水性溶媒を用いる場合は、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を添加するとよい。溶媒の量は、特に制限されないが、スラリの全質量に対して、好ましくは1〜90質量%、より好ましくは5〜80質量%、さらに好ましくは10〜75質量%である。
負極活物質層用スラリは、ダイコーター、ナイフコーター、リップコーター、グラビアコーター、ディップコーター、コンマコーター、スピンコーター、ディスペンサまたはバーコータ等、従来公知の手段によって、負極集電体152に塗布される。
次いで、負極集電体152の一方の面に形成された負極活物質層用スラリの塗膜が乾燥される。これによって、塗膜中の溶媒が除去される。塗膜を乾燥させるための乾燥手段も特に制限されず、電極製造についての従来公知の知見が適宜参照され得る。乾燥条件(乾燥時間、乾燥温度、乾燥方式等)は、スラリの塗布量や溶媒の揮発速度に応じて適宜設定され得る。また、負極集電体152の他方の面にも同様にして負極活物質層151が形成される。その後に、得られた乾燥物がプレスされることによって、電極の密度、空孔率や厚みが調整される。
正極140の作製も負極150の作製と同様であり、正極活物質層141となる正極活物質層用スラリが調製された後、正極集電体142表面に塗布され、そして塗膜が乾燥される。正極活物質層用スラリは、正極活物質、導電助剤、およびバインダを溶媒に分散することによって調製される。
負極150および正極140が準備された後、接着層170および接着層180を形成するためのスラリ(以下、単に接着層用スラリと称す)が、正極活物質層141、負極活物質層151、または、セパレータ160に塗布される。
接着層用スラリは、上で挙げた接着層170、180の構成材料を含む混合物が、溶媒に分散されることによって調製される。接着層用スラリに使用される溶媒は、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルホルムアミド、メタノール、エタノール、イソプロパノール、水、等が用いられ得る。また、リチウムの吸蔵放出をせず、電池の環境下に耐えうる材料であれば、接着層170または180に含んでもよい。
接着層用スラリは、ダイコーター、ナイフコーター、リップコーター、グラビアコーター、ディップコーター、コンマコーター、スピンコーター、ディスペンサまたはバーコータ等、従来公知の手段によって、正極活物質層141、負極活物質層151、または、セパレータ160に塗布される。
接着層用スラリは、正極活物質層141における正極集電体142に接する面と反対側の面の全面、あるいは、セパレータ160における正極活物質層141に接する面の全面に塗布、乾燥されて、接着層170が形成される。一方、負極活物質層151については、接着層用スラリは、負極活物質層151における負極集電体152に接する面と反対側の面の全面に塗布されず、その面の周縁部分が所定の幅で露出するように塗布、乾燥されて、接着層180が形成される。または、セパレータ160に間欠的に接着層用スラリが塗布、乾燥されて、接着層180が形成される。
例えば、負極活物質層151の周縁部分に所定の幅でマスキングテープを貼り付けた状態で接着層用スラリを塗布、乾燥することによって、接着層180のない負極活物質層151が露出した箇所を負極活物質層151の周縁部分に形成できる。
次に、正極140、負極150、およびセパレータ160が積層されることによって、正極140とセパレータ160との間に接着層170、負極150とセパレータ160との間に接着層180が配置されることとなる。正極140、負極150、および、セパレータ160は、所望の積層数となるまで積層されて積層体とされた後に、ホットプレスにより加熱されつつ積層方向から圧力が印加される。この操作により、積層体は接着層170、180を介して一体化されることとなる。
続いて、積層体は、真空乾燥された後、外装材110に包まれる。そして電解液の注液および外装材110の封口によって、リチウムイオン二次電池10が作製される。
リチウムイオン二次電池10は、特にモータ駆動用電源として車両に搭載する電池として好適なものとなる。ここで車両とは例えば車輪をモータによって駆動する自動車、および他の車両(例えば電車)が挙げられる。上記の自動車としては、例えば、電気自動車、シリーズハイブリッド自動車やパラレルハイブリッド自動車等のハイブリッド自動車等がある。また、電池自体を複数組み合わせた組電池として提供することもできる。もちろん組電池とした場合に車両に搭載されうるために好適であることはいうまでもない。
本実施形態の作用効果を述べる。
図5に示すように、本実施形態と異なり、負極活物質層151とセパレータ160とを接着する接着層180Aが、活物質層が重なる範囲および活物質層が重ならない範囲の全範囲に形成されている場合、負極活物質層151がそれらの全範囲でセパレータ160に拘束される。そのため、充放電時、活物質層が重なる範囲と活物質層が重ならない範囲との間での反応の進行の相違によって体積変化のギャップが生じると、そのギャップによって、それら両範囲の境界付近で応力集中が生じる。さらに、境界付近への応力集中が、サイクル試験の繰り返しによって助長されることによって、負極集電体152およびセパレータ160への亀裂もしくは切断、または負極活物質層151からの活物質の脱落が起こり、結果としてサイクル耐久性が低下する虞がある。
一方、本実施形態のリチウムイオン二次電池10では、活物質層が重なる範囲および活物質層が重ならない範囲の全範囲で接着層180が負極活物質層151に接触せず、負極活物質層151に対して接着層180が接触する面積の割合が、それら両範囲で異なる。そして接着層180のこの構成によって、活物質層が重なる範囲と活物質層が重ならない範囲との両方で一様にセパレータ160の拘束が緩和される。そのため、充放電にともなうそれら両範囲での体積変化のギャップによる応力集中が解消され、その結果、負極集電体152およびセパレータ160への亀裂もしくは切断、または負極活物質層151からの活物質の脱落が抑制されるので、サイクル耐久性を向上できる。
また、接着層180によって、一様にセパレータ160の拘束が緩和されるため、正極活物質層141および負極活物質層151の充電状態と放電状態との最大体積変化率が10%以上あったとしても、活物質層が重なる範囲と重ならない範囲での体積変化のギャップによる応力集中が解消される。そして、その結果、負極集電体152およびセパレータ160への亀裂もしくは切断、または負極活物質層151からの活物質の脱落が抑制されるので、サイクル耐久性を向上できる。
<第2実施形態>
図6において概説すると、第2実施形態のリチウムイオン二次電池20にあっては、負極活物質層151に接触する接着層280の構成が第1実施形態と異なる。他の構成および製造方法については、リチウムイオン二次電池20は、第1実施形態と同様であるため、同一の構成要素には同一の符号を付し、また、重複する説明を省略する。
本実施形態においても、第1実施形態と同様、負極活物質層151に対して接着層280が接触する面積の割合が、活物質層が重なる範囲と活物質層が重ならない範囲とで異なる。しかし、本実施形態は、接着層280が、活物質層が重ならない範囲の全範囲で負極活物質層151に接触し、そして活物質層が重なる範囲では負極活物質層151の一部にだけ接触している点で、第1実施形態と異なる。
接着層280は、例えば、負極活物質層151の周縁部分以外の箇所にマスキングテープを貼り付けた状態で、所定の幅で露出した負極活物質層151の周縁部分に接着層用スラリが塗布されることによって、負極活物質層151の周縁部分に配置される。
本実施形態においても、活物質層が重なる範囲および活物質層が重ならない範囲の全範囲で接着層280が負極活物質層151に接触せず、負極活物質層151に対して接着層280が接触する面積の割合が、それら両範囲で異なる。そして接着層280のこの構成によって、活物質層が重なる範囲と活物質層が重ならない範囲との両方で一様にセパレータ160の拘束が緩和される。そのため、充放電にともなうそれら両範囲での体積変化のギャップによる応力集中が解消され、その結果、負極集電体152およびセパレータ160への亀裂もしくは切断、または負極活物質層151からの活物質の脱落が抑制されるので、サイクル耐久性を向上できる。
また、接着層280によって、一様にセパレータ160の拘束が緩和されるため、正極活物質層141および負極活物質層151の充電状態と放電状態との最大体積変化率が5%以上あったとしても、活物質層が重なる範囲と重ならない範囲での体積変化のギャップによる応力集中が解消される。そして、その結果、負極集電体152およびセパレータ160への亀裂もしくは切断、または負極活物質層151からの活物質の脱落が抑制されるので、サイクル耐久性を向上できる。
<第3実施形態>
図7において概説すると、第3実施形態のリチウムイオン二次電池30にあっては、負極活物質層151に接触する接着層380の構成が第1実施形態と異なる。他の構成および製造方法については、リチウムイオン二次電池30は、第1実施形態と同様であるため、同一の構成要素には同一の符号を付し、また、重複する説明を省略する。
本実施形態においても、第1実施形態と同様、負極活物質層151に対して接着層380が接触する面積の割合が、活物質層が重なる範囲と活物質層が重ならない範囲とで異なる。しかし、本実施形態は、活物質層が重なる範囲だけで接着層380が負極活物質層151に接触している点で、第1実施形態と異なる。接着層380は、活物質層が重なる範囲の全範囲で負極活物質層151に接触し、一方、活物質層が重ならない範囲では負極活物質層151に接触しない。
接着層380は、例えば、負極活物質層151の周縁部分に所定の幅でマスキングテープを貼り付けた状態で接着層用スラリを負極活物質層151に塗布することによって、活物質が重なる範囲だけで負極活物質層151に接触するように配置される。
あるいは、接着層380は、例えば、正極活物質層141の扁平面積および扁平形状(厚み方向に交差する面の形状)と同じ扁平面積および扁平形状となるように、接着層用スラリを負極活物質層151に間欠的に塗布することによって、活物質が重なる範囲だけで負極活物質層151に接触するように配置される。
あるいは、セパレータ160の両面の全面に接着層用スラリを塗布しておき、そして、ホットプレスの際、図8に示すように、積層方向から押圧するプレス面P1が、活物質層が重なる範囲だけを押圧するようにしてもよい。この場合、活物質層が重なる範囲だけに接着層380Aが形成される。一方、活物質層が重ならない範囲では、塗布された接着層用スラリが押圧されず、その結果、接着層380Aに比べて接着力の弱い未接着層380Bが形成される。
本実施形態においても、活物質層が重なる範囲および活物質層が重ならない範囲の全範囲で接着層380が負極活物質層151に接触せず、負極活物質層151に対して接着層380が接触する面積の割合が、それら両範囲で異なる。そして接着層380のこの構成によって、活物質層が重なる範囲と活物質層が重ならない範囲との両方で一様にセパレータ160の拘束が緩和される。そのため、充放電にともなうそれら両範囲での体積変化のギャップによる応力集中が解消され、その結果、負極集電体152およびセパレータ160への亀裂もしくは切断、または負極活物質層151からの活物質の脱落が抑制されるので、サイクル耐久性を向上できる。
また、接着層380によって、一様にセパレータ160の拘束が緩和されるため、正極活物質層141および負極活物質層151の充電状態と放電状態との最大体積変化率が10%以上あったとしても、活物質層が重なる範囲と重ならない範囲での体積変化のギャップによる応力集中が解消される。そして、その結果、負極集電体152およびセパレータ160への亀裂もしくは切断、または負極活物質層151からの活物質の脱落が抑制されるので、サイクル耐久性を向上できる。
特に、本実施形態では、活物質層が重なる範囲だけで接着層380が負極活物質層151に接触しているため、活物質層が重なる範囲と重ならない範囲でのセパレータ160による拘束が完全に解消される。従って、充放電にともなう負極活物質層151の体積変化による応力が、活物質層が重なる範囲の全体に平均化、分散され、その結果、サイクル耐久性をより向上できる。
<第4実施形態>
図9において概説すると、第4実施形態のリチウムイオン二次電池40にあっては、負極活物質層151に接触する接着層480の構成が第1実施形態と異なる。他の構成および製造方法については、リチウムイオン二次電池40は、第1実施形態と同様であるため、同一の構成要素には同一の符号を付し、また、重複する説明を省略する。
本実施形態においても、第1実施形態と同様、負極活物質層151に対し接着層480が接触する面積の割合が、活物質層が重なる範囲と活物質層が重ならない範囲とで異なる。しかし、本実施形態は、活物質層が重ならない範囲だけで接着層480が負極活物質層151に接触している点で、第1実施形態と異なる。接着層480は、活物質層が重ならない範囲の全範囲で負極活物質層151に接触し、一方、活物質層が重なる範囲では負極活物質層151に接触しない。
接着層480は、好ましくは、イオンの透過を阻止する。例えば、接着層480に存在する空孔の割合(空孔率)が所定の範囲に抑えられることによって、接着層480への電解液の回り込みが阻止される。空孔率は、例えば、電解質を洗浄除去した後に乾燥させた接着層480に対し、水銀圧入法を用いることによって測定される。接着層480の空孔率は、好ましくは、0%以上10%以下である。
接着層480は、例えば、負極活物質層151の周縁部分以外の箇所にマスキングテープを貼り付けた状態で、所定の幅で露出した負極活物質層151の周縁部分に接着層用スラリを塗布することによって、活物質が重ならない範囲だけで負極活物質層151に接触するように配置される。
あるいは、セパレータ160の両面の全面に接着層用スラリを塗布しておき、そして、ホットプレスの際、図10に示すように、積層方向から押圧するプレス面P2が、活物質層が重ならない範囲だけを押圧するようにしてもよい。この場合、活物質層が重ならない範囲だけに接着層480A、170Aが形成される。一方、活物質層が重なる範囲では、塗布された接着層用スラリが押圧されず、その結果、接着層480A、170Aに比べて接着力の弱い未接着層480B、170Bが形成される。
本実施形態においても、活物質層が重なる範囲および活物質層が重ならない範囲の全範囲で接着層480が負極活物質層151に接触せず、負極活物質層151に対して接着層480が接触する面積の割合が、それら両範囲で異なる。そして接着層480のこの構成によって、活物質層が重なる範囲と活物質層が重ならない範囲との両方で一様にセパレータ160の拘束が緩和される。そのため、充放電にともなうそれら両範囲での体積変化のギャップによる応力集中が解消され、その結果、負極集電体152およびセパレータ160への亀裂もしくは切断、または負極活物質層151からの活物質の脱落が抑制されるので、サイクル耐久性を向上できる。
また、接着層480によって、一様にセパレータ160の拘束が緩和されるため、正極活物質層141および負極活物質層151の充電状態と放電状態との最大体積変化率が5%以上あったとしても、活物質層が重なる範囲と重ならない範囲での体積変化のギャップによる応力集中が解消される。そして、その結果、負極集電体152およびセパレータ160への亀裂もしくは切断、または負極活物質層151からの活物質の脱落が抑制されるので、サイクル耐久性を向上できる。
特に、本実施形態では、活物質層が重ならない範囲だけで接着層480が負極活物質層151に接触しているため、活物質層が重なる範囲と重ならない範囲でのセパレータ160による拘束が完全に解消される。従って、充放電にともなう負極活物質層151の体積変化による応力が、活物質層が重なる範囲の全体に平均化、分散され、その結果、サイクル耐久性をより向上できる。
また、接着層480でイオンの透過が阻止されるようにすれば、活物質層が重ならない範囲で電解液が負極活物質層151に直接接触しなくなり、その結果、固体電解質界面(Solid Electrolyte Interface:SEI)の形成による電解液の消費が抑えられるため、サイクル耐久性をより向上できる。
<第5実施形態>
図11において概説すると、第5実施形態のリチウムイオン二次電池50は、第3実施形態と略同様であるが、負極活物質層151に接する接着層580が、活物質層が重なる範囲と活物質層が重ならない範囲との境界線上を避けて配置されている点で第3実施形態と異なる。他の構成および製造方法については、リチウムイオン二次電池50は、第3実施形態と同様であるため、同一の構成要素には同一の符号を付し、また、重複する説明を省略する。
接着層580は、活物質層が重なる範囲だけで負極活物質層151に接触しており、また、接着層580の扁平面積は、第3実施形態の接着層380の扁平面積より小さい。例えば、第3実施形態よりも幅広のマスキングテープを負極活物質層151の周縁部分に貼り付けた状態で、接着層用スラリを負極活物質層151に塗布することによって、活物質層が重なる範囲と活物質層が重ならない範囲との境界線上を避けて活物質が重なる範囲に接着層580を配置できる。
あるいは、正極活物質層141の扁平面積よりも小さい扁平面積で、また正極活物質層141の扁平形状よりも外形が小さい扁平形状となるように、接着層用スラリを負極活物質層151に間欠的に塗布することによって、活物質層が重なる範囲と活物質層が重ならない範囲との境界線上を避けて活物質が重なる範囲に接着層580を配置できる。
本実施形態では、活物質層が重なる範囲と活物質層が重ならない範囲との境界線上を避けて接着層580が形成されているため、接着層580の扁平面積および位置の公差によって、活物質層が重なる範囲と活物質層が重ならない範囲との境界線上から接着層580がはみ出し難い。従って、リチウムイオン二次電池50は、第3実施形態の効果に加え、歩留まりを向上できるという効果を奏する。
<第6実施形態>
図12において概説すると、第6実施形態のリチウムイオン二次電池60は、第4実施形態と略同様であるが、負極活物質層151に接する接着層680が、活物質層が重なる範囲と活物質層が重ならない範囲との境界線上を避けて配置されている点で第4実施形態と異なる。他の構成および製造方法については、リチウムイオン二次電池60は、第4実施形態と同様であるため、同一の構成要素には同一の符号を付し、また、重複する説明を省略する。
接着層680は、活物質層が重ならない範囲だけで負極活物質層151に接触しており、また、接着層680の扁平面積は、第4実施形態の接着層480の扁平面積より小さい。例えば、負極活物質層151の周縁部分以外の箇所にマスキングテープを貼り付けて、第4実施形態よりも狭い幅で露出させた負極活物質層151の周縁部分に接着層用スラリが塗布されることによって、活物質層が重なる範囲と活物質層が重ならない範囲との境界線上を避けて活物質が重ならない範囲に接着層680を配置できる。
本実施形態では、活物質層が重なる範囲と活物質層が重ならない範囲との境界線上を避けて接着層680が形成されているため、接着層680の扁平面積および位置の公差によって、活物質層が重なる範囲と活物質層が重ならない範囲との境界線上から接着層680がはみ出し難い。従って、リチウムイオン二次電池60は、第4実施形態の効果に加え、歩留まりを向上できるという効果を奏する。
次に、本発明者らが実際に作製した二次電池の実施例について述べる。
<実施例1>
(1)外装
本発明者らは、電池外装材として、最外層が表面保護用のPETフィルム、金属フィルム層がAl箔、熱融着絶縁フィルム層がポリプロピレンであるラミネートフィルムを準備した。
(2)端子リード
本発明者らは、正極端子リードにはAl板を用い、負極端子リードにはNi板を用いた。
(3)セパレータ
さらに、本発明者らは、セパレータとして、ポリプロピレン製で厚さが24μmのものを準備した。また、本発明者らは、電解液として、LiPF電解質とビニレンカーボネート(VC)とを、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との混合溶液に溶解したものを準備した。
(4)正極および負極
本発明者らは、正極活物質としてLiNi1/3Mn1/3Co1/3を94質量%、導電助剤としてアセチレンブラックを3質量%、バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を3質量%混合した。そして、本発明者らは、スラリ粘度調整溶媒としてNMPを塗布工程に最適な粘度となるまで添加し、正極活物質スラリを作製した。本発明者らは、正極用の集電体である厚さ20μmのアルミ箔の両面に前記正極活物質スラリを塗布し、乾燥、圧延させて40μm厚さの正極活物質層を有する正極を形成した。
本発明者らは、負極活物質として天然黒鉛を90質量%、導電助剤としてカーボンブラックを2質量%、バインダとしてPVdFを8質量%混合した。そして、本発明者らは、スラリ粘度調整溶媒としてNMPを塗布工程に最適な粘度となるまで添加し、負極活物質スラリを作製した。本発明者らは、負極用の集電体である約10μm厚さの銅箔の両面に前記負極活物質スラリを塗布し、乾燥、圧延させて50μm厚さの負極活物質層を有する負極を形成した。なお、負極材料にLiTi12を使用した場合、正極活物質層の扁平面積を負極活物質層の扁平面積よりも大きく形成することもできる。
(5)樹脂接着層
本発明者らは、正極活物質層とセパレータとを接着する材料として、スチレン・ブタジエンゴム、カルボキシルメチルセルロースとを水中に分散させて溶剤を作製し、正極活物質層の表面に、ディスペンサを用いて塗布を行った。
また、本発明者らは、負極活物質層とセパレータとを接着する材料として、スチレン・ブタジエンゴム、カルボキシルメチルセルロースとを水中に分散させて溶剤を作製した。そして、本発明者らは、活物質層が重ならない範囲、および活物質層が重なる範囲に1mmはみ出すようになる箇所にマスキングテープを貼付した負極活物質層の表面に、ディスペンサを用いて塗布を行った。その後に、マスキングテープを除去した。
(6)組み立て
本発明者らは、正極および負極を、セパレータを介して、負極8枚、正極7枚をそれぞれ積層したものを、前記電池外装材であるラミネートフィルムの中に収納した。その後、本発明者らは、セパレータから正極集電体、負極集電体のそれぞれを対向する面から突出させ、Al製の正極端子リード、Ni製の負極端子リードを溶接した。次に、本発明者らは、正極端子リード、負極端子リードをそれぞれ電池の対向する辺から突出させて外装のラミネートフィルムに挟み込み、周縁部の3辺を加熱溶着した。本発明者らは、電解液としてLiPF電解質とビニレンカーボネート(VC)とを、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との混合溶液に溶解したものを注液し全体を封止した。その後、本発明者らは、ホットプレス(80℃、10分間)により、樹脂接着層を介して活物質層とセパレータが熱融着するようにした。次いで、初期充電、エージングを実施して、リチウムイオン二次電池を製造した。
(7)サイクル耐久性評価
本発明者らは、上記のように製造した二次電池を、1C電流値で充電電圧:4.2V、放電電圧2.75V、温度55℃の定電流定電圧充電、定電流放電の充放電サイクルを繰り返し行なった。200サイクル経過後の容量維持率は、92%であった。その後、一部の電池を解体したが、正極・負極活物質層からの活物質の脱落、セパレータ、集電体の割れ、亀裂などの異常は認められなかった。
<実施例2>
(1)外装
実施例1と同様とした。
(2)端子リード
実施例1と同様とした。
(3)セパレータ
実施例1と同様とした。
(4)正極および負極
実施例1と同様とした。
(5)樹脂接着層
本発明者らは、正極活物質層とセパレータとを接着する材料として、スチレン・ブタジエンゴム、カルボキシルメチルセルロースとを水中に分散させて溶剤を作製して、正極活物質層の表面に、ディスペンサを用いて塗布を行った。
本発明者らは、負極活物質層とセパレータとを接着する材料として、スチレン・ブタジエンゴム、カルボキシルメチルセルロースとを水中に分散させて溶剤を作製した。本発明者らは、活物質層が重なる範囲、および活物質層が重ならない範囲に0.5mmはみ出すようになる箇所にマスキングテープを貼付した負極活物質層の表面に、ディスペンサを用いて塗布を行った。その後に、マスキングテープを除去した。
(6)組み立て
実施例1と同様とした。
(7)
本発明者らは、上記のように製造した二次電池を、1C電流値で充電電圧:4.2V、放電電圧2.75V、温度55℃の定電流定電圧充電、定電流放電の充放電サイクルを繰り返し行なった。200サイクル経過後の容量維持率は、90%であった。その後、一部の電池を解体したが、正極・負極活物質層からの活物質の脱落、セパレータ、集電体の割れ、亀裂などの異常は認められなかった。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変できる。
例えば、負極集電板と正極集電板との取り出し位置については、図1に示したような対向する位置に制限されない。負極集電板と正極集電板とを同じ辺から引き出すようにしてもよいし、負極集電板及び正極集電板をそれぞれ複数個に分けて、各辺から引き出すようにしてもよい。
また、上記実施形態では、負極活物質層の扁平面積が正極活物質層の扁平面積に比べて大きいが、これに限定されない。例えば、負極活物質がチタン酸リチウム:LiTi12の場合、正極活物質層は、扁平面積が負極活物質層の扁平面積よりも大きくなるように形成される。この場合、活物質層が重なる範囲と活物質層が重ならない範囲とで、正極活物質層に対して接着層が接触する面積の割合が異なる。
また、上記実施形態では、接着層が、正極活物質層とセパレータとの間、および負極活物質層とセパレータとの間の両方に配置されたが、これに限定されない。接着層は、正極活物質層とセパレータとの間、および負極活物質層とセパレータとの間のうち、扁平面積が大きい方の活物質層とセパレータとの間だけに配置されてもよい。
また、本発明の二次電池は、上記実施形態のような積層型の電池に限定されず、巻回型の電池等、従来公知の他の構造を有する電池であってもよい。
また、本発明の二次電池は、上記実施形態のような非双極型(内部並列接続タイプ)の電池に限定されず、双極型(内部直列接続タイプ)の電池等、電池内部の電気的な接続形態が上記実施形態と異なる従来公知の他の電池であってもよい。
また、本発明は、リチウムイオン二次電池に限定されず、例えば、ニッケル水素二次電池等にも適用可能である。
10、20、30、30A、40、40A、50、60 リチウムイオン二次電池(二次電池)、
100 発電要素、
110 外装材、
120 正極集電板、
130 負極集電板、
140 正極、
141 正極活物質層、
142 正極集電体、
150 負極、
151 負極活物質層、
152 負極集電体、
160 セパレータ、
170 接着層、
180 接着層。

Claims (5)

  1. 正極活物質層を含む正極と、
    負極活物質層を含む負極と、
    前記正極と前記負極との間に配置されたセパレータと、
    前記正極と前記セパレータとの間、および前記負極と前記セパレータとの間のうちの少なくとも一方に配置されて、前記正極および前記負極のうちの少なくとも一方と前記セパレータとを接着する接着層と、を有し、
    活物質層の厚み方向から見て、前記正極活物質層と前記負極活物質層とが重なる範囲と、重ならない範囲とで、前記正極活物質層および前記負極活物質層のうちの少なくとも一方に対して前記接着層が接触する面積の割合が異なることを特徴とする、二次電池。
  2. 前記接着層は、前記重なる範囲および前記重ならない範囲のうちのいずれか一方だけで、前記正極活物質層および前記負極活物質層のうちの少なくとも一方に接触していることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
  3. 前記接着層は、前記重なる範囲と前記重ならない範囲との境界線上を避けて配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の二次電池。
  4. 前記接着層は、前記重なる範囲および前記重ならない範囲のうち、前記重ならない範囲だけに配置されるとともに、イオンの透過を阻止することを特徴とする、請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載の二次電池。
  5. 前記正極活物質層および前記負極活物質層の充電状態と放電状態との最大体積変化率は、5%以上であることを特徴とする、請求項1〜4のうちのいずれか1つに記載の二次電池。
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