JP2020095931A - リチウム二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】サイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供する。【解決手段】リチウム二次電池100は、正極20と、負極集電体30と、正極20と負極集電体30の間に配置されたポリマー層40とを備える。ポリマー層40は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体と、イオン液体とを含む。これによれば、充電時に負極の表面に析出するリチウム金属がポリマー層によって覆われることから、デンドライトの発生が効果的に抑制される。これにより、高いサイクル特性を得ることが可能となる。【選択図】図1

Description

本発明はリチウム二次電池に関し、特に、負極にリチウム金属を用いるリチウム二次電池に関する。
近年、高出力でかつ高エネルギー密度を示す二次電池として、リチウム二次電池が実用化されている。リチウム二次電池は、エネルギー密度、サイクル特性、出入力特性、保存特性などの特性が従来の二次電池より優れていることから、モバイル機器や車載用電池、家庭用重電などの分野で普及が進んでいる。
一般的なリチウム二次電池においては、負極活物質にグラファイトが用いられる。グラファイトの理論容量は372mAh/gである。近年においては、負極活物質にグラファイトを用いた一般的なリチウム二次電池よりもエネルギー密度をさらに高めるため、負極活物質としてグラファイトよりも遙かに大きな理論容量を持つシリコン(Si)や酸化シリコン(SiOx)などからなる無機質粒子を用いたタイプのリチウム二次電池や、負極にリチウム金属を用いるタイプのリチウム二次電池の開発が進められている。
特許文献1には、負極活物質にシリコンや酸化シリコンなどからなる無機質粒子を用いたタイプのリチウム二次電池が開示されている。特許文献1に記載されたリチウム二次電池は、負極活物質層がシリコンなどの無機質粒子と、無機質粒子を結着させるポリマーと、負極活物質層に導電性を与えるための導電助剤によって構成されている。ポリマーとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)や、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体(VDF−HFP共重合体)などの変性フッ素含有高分子化合物が例示されている。
しかしながら、特許文献1に記載されたリチウム二次電池は、負極活物質としてシリコンなどの無機質粒子を用いていることから、充放電に伴って無機質粒子が膨張収縮し、これによって無機質粒子の内部に応力が発生する。このため、充放電を繰り返すと、膨張収縮に伴う内部応力によって無機質粒子が破砕されて微粉化し、負極活物質層から脱落するおそれがある。
一方、特許文献2及び3には、負極にリチウム金属を用いるタイプのリチウム二次電池が開示されている。負極にリチウム金属を用いるリチウム二次電池は、リチウム金属が析出、溶解することで充放電を行う。リチウム金属は極めて卑な電位を有するため、負極にリチウム金属を用いるタイプのリチウム二次電池は、高い理論容量密度を実現できると期待されている。
負極にリチウム金属を用いるタイプのリチウム二次電池は、充電時にリチウム金属が負極に析出し、放電時に負極のリチウム金属が溶解する。ここで、充電時においては、析出開始点を根としてリチウム金属が樹状に析出した、いわゆるデンドライトが形成される場合がある。樹状に析出したリチウム金属は、放電時に枝の部分から順に溶解すれば問題はないが、根元の部分が先に溶解する場合がある。この場合、根元を失ったリチウム金属は非水電解液中に浮遊し、導通が取れなくなる。非水電解液中に浮遊するリチウム金属は、導通が取れないため、以降の充放電には寄与することができない。その結果、リチウム二次電池のサイクル特性が低減する。
特許文献2に記載されたリチウム二次電池は、金属析出面に実質的に粒界のないアモルファス金属又はアモルファス合金を負極集電体として用いている。特許文献2においては、結晶粒界や配向面の食い違いが充放電時の電流分布の不均一の原因であるとし、上記の負極集電体を用いることでデンドライトが抑制できるとしている。
特許文献3に記載されたリチウム二次電池は、金属析出面の表面粗さ(Rz)を10μm以下とした負極集電体を用いている。特許文献3においては、金属析出面を平滑化することで充放電時の電流分布の不均一を防ぎ、デンドライトが抑制できるとしている。
特開2004−200010号公報 特開2001−250559号公報 特開2001−243957号公報
しかしながら、実際には、特許文献2及び3に記載された負極集電体を用いてもデンドライトの発生を抑制することは困難であり、高いサイクル特性を得ることはできなかった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、サイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明によるリチウム二次電池は、正極と、負極と、負極の表面に配置されたポリマー層とを備え、負極は負極集電体と負極活物質層を含み、負極集電体は正極よりも平面サイズが大きく、これにより負極集電体は、正極と重なる第1の領域と正極と重ならない第2の領域を有し、負極活物質層は負極集電体の第1の領域に選択的に設けられ、ポリマー層は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体と、イオン液体とを含み、第1の領域上においては負極活物質層を介して負極集電体を覆い、第2の領域上においては負極活物質層を介することなく負極集電体を覆うことを特徴とする。
本発明によれば、充電時に負極の表面に析出するリチウム金属がポリマー層によって覆われることから、デンドライトの発生が効果的に抑制される。これにより、高いサイクル特性を得ることが可能となる。また、ポリマー層はPVDF−HFP共重合体からなるため、デンドライトの貫通を防止するための十分な強度および弾力性を確保できるとともに、高い電気化学的安定を確保することができる。また、ポリマー層にはイオン液体が含まれていることから、常温で高いリチウムイオン伝導度が確保される。このため、正極と負極の間におけるリチウムイオンの移動がポリマー層によって妨げられることもない。しかも、負極活物質層が負極集電体の第1の領域に選択的に設けられることから、負極活物質層が負極集電体の意図しない領域に形成されることがない。
本発明において、負極活物質層はリチウム金属及びリチウム合金の少なくとも一方を含んでいても構わない。これによれば、リチウム金属又はリチウム合金からなる負極活物質層が負極集電体とポリマー層によって挟まれることから、デンドライトの発生を効果的に抑制することが可能となる。
本発明において、共重合体とイオン液体の体積比率は、30:70〜80:20の範囲であっても構わない。共重合体とイオン液体の体積比率がこの範囲であれば、リチウム金属がより均一に析出することから、より高いサイクル特性を得ることが可能となる。
本発明において、ポリマー層の引張強度は3MPa以上、15MPa以下であっても構わない。ポリマー層の引張強度がこの範囲であれば、デンドライトがポリマー層を貫通にくくなる。
本発明において、ポリマー層は、リチウム塩をさらに含んでいても構わない。これによれば、ポリマー層のリチウムイオン伝導度が向上することから、負極にリチウム金属がより均一に析出する。その結果、よりいっそう高いサイクル特性を得ることが可能となる。この場合、リチウム塩は、LiTFSA(LiN(CFSO)、LiFSA(LiN(FSO)、及びLiPFからなる群から選ばれる少なくとも一つを含むものであっても構わない。
本発明において、ポリマー層の膜厚は100μm以下であっても構わない。これによれば、より高いサイクル特性を得ることが可能となる。
本発明において、ポリマー層は、膜厚の最大値と最小値の差が平均膜厚に対して25%以下であっても構わない。これによれば、負極にリチウム金属がより均一に析出することから、より高いサイクル特性を得ることが可能となる。
このように、本発明によるリチウム二次電池は、負極がポリマー層によって覆われることから、デンドライトの発生が効果的に抑制される。これにより、高いサイクル特性を得ることが可能となる。
図1は、本発明の好ましい実施形態によるリチウム二次電池100の模式的な断面図である。 図2は積層体50の初期状態における構造を説明するための模式図であり、(a)は略平面図、(b)は(a)に示すA−A線に沿った略断面図である。初期状態とは、一度も充電を行っていない製造直後の状態を指す。 図3は、ポリマー層40の機能を説明するための模式的な断面図である。 図4は、リチウム金属32が析出する領域を説明するための模式的な断面図である。 図5は、リチウム金属32の外周エッジが鋭角となる例を示す模式的な断面図である。 図6は、リチウム金属32が正極20の外周エッジを超えて第2の領域30Bの一部に形成される例を示す模式的な断面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の好ましい実施形態によるリチウム二次電池100の模式的な断面図である。
図1に示すように、本実施形態によるリチウム二次電池100は、積層体50と、積層体50を密閉した状態で収容するケース60と、積層体50に接続された一対のリード70、72とを備えている。また図示されていないが、ケース60内には積層体50とともに非水電解液が封入されている。
積層体50は、正極20及び負極集電体30と、正極20と負極集電体30の間に配置されたセパレータ10と、セパレータ10と負極集電体30の間に配置されたポリマー層40とを備える。そして、充電時においては、正極20からセパレータ10及びポリマー層40を介して移動したリチウムイオンによって負極集電体30の表面にリチウム金属またはリチウム合金が析出し、放電時においては、負極集電体30上のリチウム金属が溶解する。
正極20は、板状(膜状)の正極集電体22の表面に正極活物質層24が設けられたものである。本実施形態において、負極は負極集電体30そのものであり、負極と負極集電体とは同義である。正極集電体22及び負極集電体30の端部には、それぞれリード70、72が接続されており、リード70、72の端部はケース60の外部にまで延びている。図1に示す例では、ケース60内に積層体50が一つだけ収容されているが、複数の積層体50をケース60内に収容しても構わない。
図2は積層体50の初期状態における構造を説明するための模式図であり、(a)は略平面図、(b)は(a)に示すA−A線に沿った略断面図である。初期状態とは、一度も充電を行っていない製造直後の状態を指す。
図2に示すように、本実施形態においては、負極集電体30の方が正極20よりも平面サイズが大きく、これにより負極集電体30は、正極20と重なる第1の領域30Aと正極と重ならない第2の領域30Bを有する。これに対し、セパレータ10、負極集電体30及びポリマー層40は互いに平面サイズが等しい。したがって、ポリマー層40は、負極集電体30の第1の領域30A及び第2の領域30Bの両方を覆う。
また、正極集電体22はリード70が接続される正極タブ20Tを有し、負極集電体30はリード72が接続される負極タブ30Tを有している。正極タブ20Tの表面には正極活物質層24が設けられない。同様に、負極タブ30Tの表面にはポリマー層40が設けられない。また、図2(a)に示すように、正極20は負極集電体30よりも平面サイズが小さいため、符号Bで示すように、正極タブ20Tと負極集電体30及びポリマー層40には、一部重なりが生じることがある。
以下、リチウム二次電池100を構成する各要素について説明する。
(正極集電体)
正極集電体22は導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケルなどからなる金属箔または金属薄板を用いることができる。
(正極活物質層)
正極活物質層24は、正極活物質、導電助剤及び正極バインダーを含む。正極活物質層24における正極活物質の構成比率は、質量比で80%以上90%以下であることが好ましい。また正極活物質層24における導電助剤の構成比率は、質量比で0.5%以上10%以下であることが好ましく、正極活物質層24におけるバインダーの構成比率は、質量比で0.5%以上10%以下であることが好ましい。
(正極活物質)
正極活物質層24に用いる正極活物質は、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、リチウムイオンとリチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、PF )とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能な電極活物質を用いることができる。
正極活物質の例としては、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、及び、一般式:LiNiCoMn(x+y+z+a=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦a≦1、MはAl、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crより選ばれる1種類以上の元素)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV)、オリビン型LiMPO(ただし、Mは、Co、Ni、Mn、Fe、Mg、Nb、Ti、Al、Zrより選ばれる1種類以上の元素又はVOを示す)、チタン酸リチウム(LiTi12)、LiNiCoAl(0.9<x+y+z<1.1)等の複合金属酸化物が挙げられる。
正極活物質層24に用いる正極活物質は、以下の一般式(1)で表記される正極活物質を一つ以上含むことが好ましい。
LiM1M21−y ・・・(1)
一般式(1)において、M1はNiとCoからなる群から選択される少なくとも1種以上であり、M2はAl、Mg及びMnからなる群から選択される少なくとも1種以上であり、xは0.05≦x≦1.1を満たし、yは0.3≦y≦1を満たす。
一般式(1)で表記される正極活物質の具体例としては、ニッケル−コバルト−アルミニウム酸リチウム(NCA)、コバルト酸リチウム(LCO)、ニッケル−コバルト−マンガン酸リチウム(NCM)等が挙げられる。
一般式(1)で表記される正極活物質は、高い理論容量を有し、リチウム二次電池100の高容量化に寄与する。
(導電助剤)
正極活物質層24に用いる導電助剤としては、例えば、カーボンブラック類等のカーボン粉末、カーボンナノチューブ、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。正極活物質のみで十分な導電性を確保できる場合、正極活物質層24は導電助剤を含んでいなくても構わない。
(正極バインダー)
正極活物質層24に用いる正極バインダーは、正極活物質同士を結合させると共に、正極活物質と正極集電体22とを結合させる役割を果たす。正極バインダーは、上述の結合が可能なものであればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエーテルスルホン(PESU)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂が挙げられる。
また、上記の他に、正極バインダーとして、例えば、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFPTFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴムを用いてもよい。
また、正極バインダーとして、電子伝導性の導電性高分子やイオン伝導性の導電性高分子を用いてもよい。電子伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン等が挙げられる。この場合は、正極バインダーが導電助剤の機能も発揮するので導電助剤を添加しなくてもよい。イオン伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等の高分子化合物にリチウム塩又はリチウムを主体とするアルカリ金属塩を複合化させたもの等が挙げられる。
(負極集電体)
上述の通り、本実施形態において負極は負極集電体30であり、負極と負極集電体とは同義である。本実施形態における負極集電体30は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケルなどからなる金属箔または金属薄板を用いることができる。
本実施形態によるリチウム二次電池100は、充電時に負極集電体30の表面上にリチウム金属が析出し、放電時にそのリチウム金属が溶解する狭義のリチウム二次電池である。つまり、充電時に負極集電体30の表面上に析出したリチウム金属自体が負極活物質である。したがって、負極は、完全に放電した状態においては、実質的に負極集電体30のみからなり、ある程度充電された状態においては、負極集電体30とその表面に析出したリチウム金属からなる負極活物質によって構成される。負極集電体30の表面に析出したリチウム金属には、他の金属が含まれていても構わない。つまり、リチウム合金であっても構わない。
(ポリマー層)
ポリマー層40は、負極集電体30とセパレータ10の間に位置し、負極集電体30の表面上に析出したリチウム金属が樹状に成長する現象を抑制し、負極集電体30の表面にリチウム金属をできるだけ平坦に析出させる役割を果たす。
ポリマー層40は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体(PVDF−HFP共重合体)と、イオン液体とを含む。このうち、PVDF−HFP共重合体は、負極集電体30の表面上に析出したリチウム金属を物理的に押さえつける役割を果たす。これにより、リチウム金属が樹状に成長する現象が抑制される。また、イオン液体は、正極20と負極集電体30の間におけるリチウムイオンの移動を可能とするための非水電解質である。
PVDF−HFP共重合体とイオン液体の体積比率は、30:70〜80:20の範囲であることが好ましい。ポリマー層40の膜厚については特に限定されないが、1μm以上、100μm以下であることが好ましい。ポリマー層40の膜厚を1μm以上、100μm以下の範囲に設定すれば、積層体50の厚みを十分に薄く保ちつつ、負極集電体30の表面上に析出したリチウム金属が樹状に成長する現象を十分に抑制することが可能となる。また、ポリマー層40は、膜厚の最大値と最小値の差が平均膜厚に対して25%以下であることが好ましい。これによれば、負極集電体30にリチウム金属がより均一に析出することから、サイクル回数が向上する。
ポリマー層40に用いるイオン液体は、カチオンとアニオンの組合せによって得られる100℃未満でも液体状の塩である。イオン液体は、イオンのみからなる液体であるため、静電的な相互作用が強く、不揮発性、不燃性と言う特徴を有する。電解液としてイオン液体を用いたリチウム二次電池は、安全性に優れる。
イオン液体は、カチオンとアニオンの組合せによって様々な種類がある。例えば、イミダゾリウム塩、ピロリジニウム塩、ピペリジニウム塩、ピリジニウム塩、アンモニウム塩等の窒素系のイオン液体、ホスホニウム塩等のリン系のイオン液体、スルホニウム塩等の硫黄系のイオン液体等が挙げられる。窒素系のイオン液体は、環状のアンモニウム塩と鎖状のアンモニウム塩とに分けることができる。
イオン液体のカチオンとしては、窒素系、リン系、硫黄系等のものが報告されている。窒素系カチオンは、原料の入手性、多様性、安全性、操作性、価格等の面で優れている。窒素系カチオンの中でも、イミダゾリウム系、アンモニウム系及びピリジニウム系のカチオンは、原料が比較的安価で入手が容易である。
イオン液体のアニオンとしては、AlCl 、NO 、NO 、I、BF 、PF 、AsF 、SbF 、NbF 、TaF 、F(HF)2.3 、p−CHPhSO 、CHCO 、CFCO 、CHSO 、CFSO 、(CFSO、CCO 、CSO 、(CFSO、(CSO、(CFSO)(CFCO)N、(CN)等が挙げられる。
ポリマー層40は、リチウム塩をさらに含んでいても構わない。リチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiBOB等の無機酸陰イオン塩、LiTFSA(LiN(CFSO)、LiFSA(LiN(FSO)、LiCFSO、(CFSONLi、(FSONLi等の有機酸陰イオン塩等を用いることができる。
図3は、ポリマー層40の機能を説明するための模式的な断面図である。
図3(a)に示すように、完全に放電した状態においては、負極集電体30の表面が直接ポリマー層40で覆われている。この状態から充電を進めると、図3(b)に示すように、負極集電体30の表面にリチウム金属32が析出する。この段階では、負極集電体30の表面にリチウム金属32が一様に析出するのではなく、複数の核が分散して析出する。リチウム金属32の核をできるだけ均一に析出させるためには、上述の通り、ポリマー層40の膜厚の最大値と最小値の差が平均膜厚に対して25%以下であることが好ましい。
さらに充電を進めると、図3(c)に示すように、リチウム金属32の核が樹状に成長しようとするが、リチウム金属32がポリマー層40によって物理的に押さえつけられることから、負極集電体30の表面に対して垂直方向への成長が抑制され、負極集電体30の表面に対して水平方向に成長が進みやすくなる。リチウム金属32の垂直方向への成長を十分に抑制するためには、上述の通り、ポリマー層40の膜厚を1μm以上とすることが好ましい。一方、ポリマー層40の膜厚を100μm超としてもそれ以上の効果は期待できず、むしろリチウムイオンの伝導度が低下するとともに、積層体50の厚みが必要以上に厚くなってしまうことから、ポリマー層40の膜厚は100μm以下とすることが好ましい。
さらに充電を進めると、図3(d)に示すようにリチウム金属32が膜状となり、負極集電体30の表面にほぼ均一に堆積した状態となる。その後は、充電が進むにつれてリチウム金属32が垂直方向に成長し、膜厚が増加する。この間においても、リチウム金属32の表面がポリマー層40によって押さえつけられていることから、リチウム金属32が樹状に成長する現象を抑制することができる。
このように、本実施形態によるリチウム二次電池100は、負極集電体30がポリマー層40で覆われていることから、リチウム金属32の垂直方向への成長が抑制され、リチウム金属32をほぼ均一な膜状に成長させることが可能となる。これにより、デンドライトが負極から離脱することによるサイクル特性の低下を防止することが可能となる。
ポリマー層40がこのような機能を発揮するためには、(1)デンドライトの浸透を防止するのに十分な高い弾性率を有していること、(2)常温で高いリチウムイオン伝導度を有していること、(3)正極20及び負極集電体30を分解させることのない広い電気化学的安定を有していること、(4)界面抵抗が低く、負極集電体30に対して良好な密着性を有していること、が好ましい。この点、本実施形態によるリチウム二次電池100に用いられるポリマー層40は、PVDF−HFP共重合体とイオン液体を含んでいることから、上記(1)〜(4)の条件を全て満たすことが可能である。
但し、図2(b)を用いて説明したとおり、初期状態においては負極集電体30の全表面がポリマー層40で直接覆われており、両者間には負極活物質層を構成するリチウム金属32が介在していない。つまり、負極集電体30の全表面がポリマー層40と接している。この状態から充電を進めると、図4に示すように、負極集電体30の表面のうち、正極20と重なる部分、つまり、第1の領域30Aにリチウム金属32が析出する。これに対し、負極集電体30の表面のうち、正極20と重ならない部分、つまり、第2の領域30Bにはリチウム金属32が析出しない。このため、充電を行っても、第2の領域30Bはポリマー層40と接したままの状態である。このような現象が生じるのは、正極20の平面サイズが負極集電体30よりも小さいとともに、ポリマー層40に負極活物質が含まれていないからである。
このように、本実施形態によるリチウム二次電池100に対して充電を行うと、負極活物質層を構成するリチウム金属32は負極集電体30の第1の領域30Aに対して選択的に設けられることになる。そして、第2の領域30Bは負極集電体30の外周端に沿って存在しており、この領域にはリチウム金属32が析出しないことから、リチウム金属32の意図しない領域への析出、例えば、負極集電体30の側面や裏面への析出を防止することが可能となる。但し、図2(a)において符号Bで示す領域、つまり、正極タブ20Tと負極集電体30が重なる領域には、リチウム金属32が析出することがある。
リチウム金属32は、図5に示すように、正極20の外周エッジと重なる部分において膜厚が厚くなることがあり、場合によっては外周エッジが鋭角となることがある。これは、正極20の外周エッジに電界が集中しやすいからである。リチウム金属32の外周エッジが鋭角であるとデンドライトが発生しやすいが、このような場合であっても、本実施形態においては、リチウム金属32の外周エッジがポリマー層40で覆われているため、デンドライトの発生を防止することができる。
さらに、図6に示すように、リチウム金属32は正極20の外周エッジを超えて第2の領域30Bの一部にも形成されることがある。このような場合であっても、第2の領域30Bの幅をある程度確保しておけば、リチウム金属32の意図しない領域への析出を防止することが可能となる。
(非水電解液)
非水電解液は、イオン液体及びリチウム塩を含む。イオン液体及びリチウム塩としては、ポリマー層40に用いることが可能なイオン液体及びリチウム塩として列挙した材料を用いることができる。非水電解液に用いるイオン液体とポリマー層40に用いるイオン液体は、互いに同じであっても構わないし、互いに異なる材料であっても構わない。同様に、非水電解液に用いるリチウム塩とポリマー層40に用いるリチウム塩は、互いに同じであっても構わないし、互いに異なる材料であっても構わない。例えば、イオン液体として、N−メチル−N−プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミドを用い、リチウム塩として、濃度1mol/Lのリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Li−TFSI)を用いることができる。
(セパレータ)
セパレータ10は、電気絶縁性を有する多孔質体であり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの単層体または積層体や、上記樹脂の混合物の延伸膜、或いは、セルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。
(ケース)
ケース60は、その内部に積層体50及び非水電解液を密封するものである。ケース60は、非水電解液の外部への漏出や、外部からのリチウム二次電池100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されない。
例えば、ケース60として、図1に示すように、金属箔62を2枚の高分子膜64で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムを利用できる。金属箔62としては例えばアルミ箔を用いることができ、高分子膜64としては例えばポリプロピレン等の膜を用いることができる。外側の高分子膜64の材料としては融点の高い高分子、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等が好ましく、内側の高分子膜64の材料としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が好ましい。
(リード)
リード70、72は、アルミ、ニッケル、銅にニッケルメッキされた金属板等の導電材料から形成されている。特に、正極20側に接続されるリード70についてはアルミ金属板を用いることが好ましく、負極集電体30側に接続されるリード72については、ニッケル金属板又は銅にニッケルメッキされた金属板を用いることが好ましい。
(リチウム二次電池の製造方法)
次に、本実施形態によるリチウム二次電池100の製造方法について説明する。
正極20の作製方法は次の通りである。まず、正極活物質、正極バインダー及び溶媒を混合することによって正極用塗料を作製する。必要に応じ導電助剤を更に加えても良い。溶媒としては例えば、水、N−メチル−2−ピロリドン等を用いることができる。正極活物質、導電助剤、正極バインダーの構成比率は、質量比で80wt%〜98wt%:0.1wt%〜10wt%:0.1wt%〜10wt%であることが好ましい。これらの質量比は、全体で100wt%となるように調整される。
正極用塗料を構成する成分の混合方法は特に制限されず、混合順序もまた特に制限されない。上記正極用塗料を、正極集電体22に塗布する。塗布方法としては、特に制限はなく、通常電極を作製する場合に採用される方法を用いることができる。例えば、スリットダイコート法、ドクターブレード法が挙げられる。
続いて、正極集電体22の表面に塗布された正極用塗料中の溶媒を除去する。除去方法は特に限定されない。例えば、正極用塗料が塗布された正極集電体22を、80℃〜150℃の雰囲気下で乾燥させればよい。
このようにして正極活物質層24が形成された正極20を必要に応じ、ロールプレス装置等によりプレス処理を行う。ロールプレスの線圧は用いる材料によって異なるが、正極活物質層24の密度が所定の値となるように調整する。正極活物質層24の密度と線圧との関係は、正極活物質層24を構成する材料比率との関係を踏まえた事前検討により求めることができる。
そして、正極集電体22にリード70を溶接すれば、正極20が完成する。
ポリマー層40の作製方法は次の通りである。まず、PVDF−HFP共重合体及びイオン液体及び溶媒を混合する。必要に応じリチウム塩を更に加えても良い。混合方法は特に制限されず、混合順序もまた特に制限されない。溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン等を用いることができる。次に、混合した材料を約50℃で12時間以上溶解させることにより、ポリマー層用塗料を作製する。
上記ポリマー層用塗料を、銅箔等からなる負極集電体30に塗布する。塗布方法としては、特に制限はなく、通常電極を作製する場合に採用される方法を用いることができる。例えば、スリットダイコート法、ドクターブレード法が挙げられる。塗布膜の厚みは、銅箔等からなる負極集電体30とブレードのギャップによって調整することができる。
次に、負極集電体30の表面に塗布されたポリマー層用塗料を約100℃で約10分間加熱乾燥することにより、溶媒を除去するとともにPVDF−HFP共重合体を硬化させることによって、ポリマー層40を形成する。
そして、負極集電体30にリード72を溶接すれば、表面にポリマー層40が形成された負極集電体30が完成する。
次に、セパレータ10を正極20と負極集電体30によって挟み込むことによって積層体50を形成し、この積層体50をケース60内に挿入する。そして、ケース内60に非水電解液を注入した後、ケース60の入り口を真空封止することにより、本実施形態によるリチウム二次電池100が完成する。なお、ケース60に非水電解液を注入するのではなく、積層体50にあらかじめ非水電解液に含浸させても構わない。
以上説明したように、本実施形態によるリチウム二次電池100は、PVDF−HFP共重合体とイオン液体を含むポリマー層40によって負極集電体30が覆われていることから、負極集電体30の表面上に析出したリチウム金属がポリマー層40によって押さえ込まれる。これにより、リチウム金属のデンドライトが形成されにくくなることから、サイクル特性を向上させることが可能となる。また、ポリマー層40はPVDF−HFP共重合体からなるため、仮にリチウム金属が樹上に成長した場合であっても、これがポリマー層40を貫通することがなく、デンドライトを負極集電体30側に留めることが可能となる。また、ポリマー層40にはイオン液体が含まれていることから、正極20と負極集電体30の間におけるリチウムイオンの移動がポリマー層によって妨げられることもない。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態によるリチウム二次電池100は、積層体50にセパレータ10が含まれているが、本発明においてセパレータを用いることは必須でなく、これを省略しても構わない。
正極活物質としてNCA(組成式:Li1.0Ni0.78Co0.19Al0.03)、導電材としてカーボンブラック、バインダーとしてPVDFを準備した。これらを溶媒中で混合することによって正極用塗料を作製し、これをアルミ箔からなる正極集電体の表面に塗布することによって正極を形成した。正極活物質と導電材とバインダーの質量比は、95:2:3とした。塗布後、100℃で15分乾燥することによって溶媒を除去した。
負極(負極集電体)として、銅箔を用いた。
ポリマー層を構成するPVDF−HFP共重合体としてKynar製#2820を用い、ポリマー層を構成するイオン液体として、N−メチル−N−プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド(P13−FSI)を用いた。PVDF−HFP共重合体におけるPVDFとHFPの比率は、HFP置換量が11mol%である。また、PVDF−HFP共重合体とイオン液体の体積比率については、サンプル毎に所定の比率に設定した。また、いくつかのサンプルについては、ポリマー層にリチウム塩を添加した。これらの材料を溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン中で混合することによってポリマー層用塗料を作製し、これを銅箔からなる負極集電体の表面にドクターブレード法によって塗布した。その後、負極集電体の表面に塗布されたポリマー層用塗料を100℃で10分間加熱乾燥することにより、溶媒を除去し、PVDF−HFP共重合体を硬化させた。乾燥後におけるポリマー層の膜厚は、ブレードのギャップを調整することによって、サンプル毎に所定の厚さに設定した。
そして、ポリマー層が形成された負極集電体の上に、ポリエチレンからなるセパレータを積層し、セパレータの上に、正極活物質層がセパレータ側を向くようにして正極を積層し、積層体を作製した。また正極と負極集電体の積層数は1層とした。但し、比較例のサンプルについては、ポリマー層を省略した。
得られた積層体を非水電解液中に含浸させてからケース内に封入して、リチウム二次電池を作製した。非水電解液は、主溶媒としてN−メチル−N−プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド(P13−FSI)を用い、リチウム塩として(FSONLiを用いた。リチウム塩は1mol/Lとなるようにイオン液体へ溶解させ、非水電解液を調整した。
得られたリチウム二次電池を充電電圧4.3V、放電電圧3Vで、充放電レート0.1Cで動作させ、複数サイクルの充放電を行った。そして、初期容量を100%とした場合に容量が80%に低下する充放電回数を「サイクル回数」と定義した。また、各サンプルのポリマー層について引張強度試験を行うとともに、平均膜厚に対する最大膜厚と最小膜厚の差を測定した。
結果を表1に示す。
Figure 2020095931
表1に示すように、ポリマー層を備えない比較例のサンプルではサイクル回数が20回であったのに対し、ポリマー層を有する実施例1〜25のサンプルではサイクル回数が25回以上であり、サイクル回数が向上することが確認された。
また、PVDF−HFP共重合体とイオン液体の体積比率が30:70〜80:20の範囲であり、ポリマー層の膜厚が100μm以下であり、且つ、膜厚の最大値と最小値の差が平均膜厚に対して25%以下である実施例2〜6、8〜16、19〜23のサンプルでは、サイクル回数が40回以上であった。特に、ポリマー層にリチウム塩を添加した実施例8〜10のサンプルにおいては、サイクル回数がいずれも45回であり、最も高いサイクル回数が得られた。尚、実施例1〜18のサンプルでは、ポリマー層の膜厚の最大値と最小値の間に有意の差が存在しなかった。
10 セパレータ
20 正極
22 正極集電体
24 正極活物質層
30 負極集電体
32 リチウム金属
40 ポリマー層
50 積層体
60 ケース
62 金属箔
64 高分子膜
70、72 リード
100 リチウム二次電池

Claims (8)

  1. 正極と、負極と、前記負極の表面に配置されたポリマー層とを備え、
    前記負極は、負極集電体と負極活物質層を含み、
    前記負極集電体は前記正極よりも平面サイズが大きく、これにより前記負極集電体は、前記正極と重なる第1の領域と前記正極と重ならない第2の領域を有し、
    前記負極活物質層は、前記負極集電体の前記第1の領域に選択的に設けられ、
    前記ポリマー層は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体と、イオン液体とを含み、前記第1の領域上においては前記負極活物質層を介して前記負極集電体を覆い、前記第2の領域上においては前記負極活物質層を介することなく前記負極集電体を覆うことを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 前記負極活物質層は、リチウム金属及びリチウム合金の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. 前記共重合体と前記イオン液体の体積比率は、30:70〜80:20の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウム二次電池。
  4. 前記ポリマー層の引張強度が3MPa以上、15MPa以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
  5. 前記ポリマー層は、リチウム塩をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
  6. 前記リチウム塩は、LiTFSA(LiN(CFSO)、LiFSA(LiN(FSO)、及びLiPFからなる群から選ばれる少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項5に記載のリチウム二次電池。
  7. 前記ポリマー層の膜厚が100μm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
  8. 前記ポリマー層は、膜厚の最大値と最小値の差が平均膜厚に対して25%以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
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