JP2013184858A - リチャージ管及びリチャージ方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】多結晶原料をルツボ内へリチャージする際に共に投入される石英等の屑や異物を効率的に取り除き、単結晶の歩留まりを向上させることができるリチャージ管及びリチャージ方法を提供することを目的とする。
【解決手段】チャンバー内で、ルツボに充填された多結晶原料をヒータにより溶融して原料融液として、該原料融液から単結晶を引き上げる単結晶製造装置において用いられる、前記ルツボ内に多結晶原料を投入するためのリチャージ管であって、該リチャージ管は、前記多結晶原料を収容する石英製の円筒部材と、該円筒部材の下端の開口部を開閉するためのバルブ部材とを有し、該バルブ部材には切り欠き部が設けられ、前記円筒部材の下端の開口部を前記バルブ部材で閉じた状態で前記切り欠き部によって前記リチャージ管の内外を貫通する隙間が形成されるものであるリチャージ管。
【選択図】図1

Description

本発明は、単結晶製造装置に用いられるリチャージ管及びそれを用いたリチャージ方法に関する。
半導体シリコン単結晶の製造方法としてチョクラルスキー法(Czochralski Method,以下CZ法ともいう)が知られている。
CZ法によって単結晶を製造する場合、所定量の多結晶原料をチャンバー内のルツボ内で溶融し、この溶融した原料融液に種結晶を接触させ、引上げながら単結晶を成長させていく。
この際、初期原料として多結晶原料(固形状原料)を当初からルツボ内に投入して溶融し、その後、製造過程で融液の減少した分を補給するために補給原料(以下、リチャージ原料ともいう)として多結晶原料を、高純度石英からなるチューブ(以下、リチャージ管という)に充填し、このリチャージ管を介してルツボ内にリチャージする(特許文献1参照)。
図5に従来のリチャージ管の概略図を示す。図5に示すリチャージ管101は、石英の円筒部材102と、それにほぼ密着する円錐形の石英103(以下、円錐コーン又はバルブ部材という)と、リチャージ管蓋105とを有する。多結晶原料104をリチャージする際には、この多結晶原料104が収容されたリチャージ管101を、チャンバー内でワイヤー106に吊るして、バルブ部材103を開けることで多結晶原料104をルツボ内にリチャージすることができる。
特開平9−227271号公報
このような固形状原料をリチャージする際に、ルツボ内への原料投入時以外はリチャージ管の円筒部材とバルブ部材がほぼ密着して閉じられている。このため、リチャージ管内に原料を収容する際に、リチャージ管への収容前に原料が収容されていた容器や原料以外の異物の混入あるいは石英等の屑が発生し、これらがリチャージ管内に入り、結果として原料と共にルツボ内に投入されるという問題がある。
異物や石英等の屑を原料と共にリチャージして溶融した場合、製造する単結晶の不純物汚染や有転位化の原因となる。また、これらがCZ単結晶のネッキング部に付着すると、単結晶引き上げ中にネッキング部から破断する可能性もある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、多結晶原料をルツボ内へリチャージする際に共に投入される石英等の屑や異物を効率的に取り除き、単結晶の製造歩留まりを向上させることができるリチャージ管及びリチャージ方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、チャンバー内で、ルツボに充填された多結晶原料をヒータにより溶融して原料融液として、該原料融液から単結晶を引き上げる単結晶製造装置において用いられる、前記ルツボ内に多結晶原料を投入するためのリチャージ管であって、該リチャージ管は、前記多結晶原料を収容する石英製の円筒部材と、該円筒部材の下端の開口部を開閉するためのバルブ部材とを有し、該バルブ部材には切り欠き部が設けられ、前記円筒部材の下端の開口部を前記バルブ部材で閉じた状態で前記切り欠き部によって前記リチャージ管の内外を貫通する隙間が形成されるものであることを特徴とするリチャージ管を提供する。
このようなバルブ部材の切り欠き部で隙間が形成されるリチャージ管であれば、リチャージ管内へ多結晶原料を収容した際に生じる石英等の屑や異物を、ルツボに原料をリチャージする前に、前記隙間を通してリチャージ管外へ効率的に取り除くことができる。このため、ルツボ内へ多結晶原料とともに投入される屑や異物を効果的に低減でき、単結晶の有転位化、不純物汚染の発生を抑制して、歩留まりを向上できるリチャージ管となる。
このとき、前記円筒部材の内面と前記バルブ部材の内上面に、合成石英が貼り付けられたものであることが好ましい。
このようにリチャージ管の内側表面に高純度である合成石英が貼り付けられたものであれば、コストを抑えて、単結晶の不純物汚染をより低減できるリチャージ管となる。
このとき、前記円筒部材と前記バルブ部材が、合成石英で形成されたものであることが好ましい。
このような合成石英で形成されたものであれば、単結晶の不純物汚染をより確実に低減できるリチャージ管となる。
また、本発明のリチャージ管に前記多結晶原料を収容し、該多結晶原料を収容したリチャージ管を前記チャンバー内にセットし、前記バルブ部材で前記円筒部材の開口部を開けることで前記ルツボ内に前記多結晶原料を投入するリチャージ方法において、前記多結晶原料を収容したリチャージ管のバルブ部材の切り欠き部によって形成された隙間から、前記収容した多結晶原料の屑及び異物を前記リチャージ管の外へ落とした後、該リチャージ管を前記チャンバー内にセットして前記ルツボ内に前記多結晶原料を投入することを特徴とするリチャージ方法を提供する。
このようにルツボ内へ多結晶原料をリチャージすることで、ルツボ内への石英等の屑や異物の混入を効率的に低減し、製造する単結晶の有転位化や不純物汚染の発生を抑制して歩留まりを向上できる。
以上のように、本発明によれば、リチャージの際、ルツボ内へ多結晶原料とともに投入される石英等の屑や異物を効率的に低減でき、単結晶の有転位化、不純物汚染の発生を抑制して、歩留まりを向上させることができる。
本発明のリチャージ管の一例を示す概略図である。 本発明のリチャージ管の一例を部分的に示す拡大図である。 本発明のリチャージ管のバルブ部材の(A)(B)概略平面図と(C)概略断面図である。 本発明のリチャージ管を用いることができる単結晶製造装置の概略図である。 従来のリチャージ管を示す概略図である。 従来のリチャージ管を部分的に示す拡大図である。
以下、本発明について、実施態様の一例として、図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1、2は本発明のリチャージ管の概略図である。
図1に示す本発明のリチャージ管1は、多結晶原料7を収容する石英製の円筒部材5と、該円筒部材5の上端に取付けるリチャージ管蓋4と、ワイヤー3に接続され、円筒部材5の下端の開口部を開閉するための円錐形状のバルブ部材6とを有し、該バルブ部材6には切り欠き部2が設けられている。そして、図1に示すように円筒部材5の下端の開口部をバルブ部材6で閉じた状態で切り欠き部2によってリチャージ管1の内外を貫通する隙間8が形成されるものである。
図5に示すような従来のリチャージ管101では、多結晶原料104を収容した状態でチャンバー内へセットするために、バルブ部材103で円筒部材102の開口部を完全に密閉していた。このため、図6に示すように、リチャージ管101への多結晶原料104の収容時等に発生した石英の屑や異物200を取り除くことは困難で、ルツボへ原料と一緒に投入されて、単結晶引き上げの際に有転位化等の問題が生じていた。しかし、本発明のリチャージ管1はバルブ部材6に切り欠き部2を設けて、多結晶原料7を収容した状態で、貫通した隙間8が形成されるため、図2のように、例えばリチャージ管を傾ければ石英の屑及び異物200を効率的に取り除くことができる。
このときバルブ部材6に設けられる切り欠き部2としては、形状、大きさは適宜決定することができ、大きさとしては、収容したナゲット状の多結晶原料が落ちない程度の大きさであればよい。例えば、図3(A)に示すように、バルブ部材6を直線で(弦の部分で)上下方向に切り落した形状の切り欠き部2とすることができ、このときのバルブ部材6の底面の切り欠き部2の弦の長さAは、バルブ部材6の底面の直径の25〜40%とすることが好ましい。この場合、円筒部材5との間に形成される隙間8の最大幅を例えば5.0mmにする。
また、図3(B)に示すように、バルブ部材6’に、断面が円弧状の溝を上下方向に形成して切り欠き部2’とすることができる。このときの溝の円弧の半径Bは、バルブ部材6’の底面の直径の3.0〜4.5%とすることが好ましい。この場合、円筒部材5との間に形成される隙間8の最大幅を例えば5.0mmにする。
また、上記のような切り欠き部2を形成する場合、図3(C)に示すような、切り欠き部2のバルブ部材6の底面からの高さCは、バルブ部材6の高さの10〜15%とすることが好ましい。また、上記したような切り欠き部2は、複数設けることもでき、例えば、対角線上に2箇所形成することもできる。
以上のような形状、大きさとすることで、バルブ部材6を閉じた状態で、石英の屑及び異物200を確実に外へ落とすことができる大きさの貫通した隙間8を確保しつつ、多結晶原料7が落ちないようにすることができる。
また、円筒部材5の内面とバルブ部材6の内上面に、合成石英が貼り付けられたものが好ましい。一般に用いられる天然石英に比べて合成石英であれば不純物がほとんど無いので、多結晶原料と接触しても不純物汚染の発生を防止できる。また、当該接触面のみに合成石英を貼り付けることで、コストの上昇を抑制できる。
また、円筒部材とバルブ部材が、合成石英で形成されたものであることが好ましい。この場合も、不純物汚染の発生を確実に防止できる。
このような本発明のリチャージ管1は、例えば図4に示すような、チョクラルスキー法による単結晶製造装置で用いることができる。
図4の単結晶製造装置16は、チャンバー14,15内で、ルツボ9,10に充填された多結晶原料7をヒータ12により溶融して原料融液17として、該原料融液17から単結晶を引き上げることができる。チャンバーはメインチャンバー14とプルチャンバー15とからなり、メインチャンバー14の内部には、黒鉛ルツボ10に嵌合された石英ルツボ9が支持軸13を介して設置されている。石英ルツボ9、黒鉛ルツボ10を囲繞するように多結晶原料7を溶融するヒータ12が設けられており、ヒータ12とメインチャンバー14の内壁との間には断熱材11が設けられている。
上記のような単結晶製造装置16において、本発明のリチャージ管を用いたリチャージ方法としては、チャンバー14,15の外で予め本発明のリチャージ管1に多結晶原料7を収容し(図1,図2)、該多結晶原料7を収容したリチャージ管1をワイヤー3で吊してチャンバー14,15内にセットし、バルブ部材6で円筒部材5の開口部を開けることで石英ルツボ9内に多結晶原料7を投入する(図4)。
この際、図2に示すように、リチャージ管1をチャンバー14,15内にセットする前に、多結晶原料7を収容したリチャージ管1のバルブ部材6の切り欠き部2によって形成された隙間8から、収容された石英の屑及び異物200をリチャージ管1の外へ落とした後、該リチャージ管1をチャンバー14,15内にセットして石英ルツボ9内に多結晶原料7を投入する。
具体的には、図2に示すように、リチャージ管1の円筒部材5とバルブ部材6の隙間8(切り欠き部2)が下になるようにリチャージ管1を斜めに配置し、固形状の多結晶原料7を静かにリチャージ管1内に投入する。この際、リチャージ管1内に発生した石英屑や異物200がリチャージ管1の外に落ちて取り除かれる。
このとき、多結晶原料7を充填する途中でリチャージ管1を回転させることにより、石英屑等200をより効果的に除去することができる。
このように本発明のリチャージ管に多結晶原料を充填する際に、通常の作業と同等の作業で、リチャージ管内の異物・石英等の屑を取り除くことができる。このため、その後にルツボ内で多結晶原料に屑や異物が混入することを抑制でき、単結晶の不純物汚染や有転位化の発生を防止して、製造歩留まりを向上させることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例、比較例)
図4に示すような単結晶製造装置を用いて、チョクラルスキー法による直径200mmの単結晶の製造を48バッチ行った。
この単結晶の製造において、直径26インチ(660mm)の石英ルツボを用いて、初期に石英ルツボ内に120kgの固形状の多結晶シリコン原料を充填して、初期溶融を行った。
その後、初期の溶融原料120kgに、原料追加としてリチャージをリチャージ管で3回に分けて計120kg実施した。リチャージ管への原料充填量は多結晶シリコン原料40kgとした。
このとき使用したリチャージ管、円錐コーン(バルブ部材)は天然石英製とし、リチャージ管の円筒部材の径は、外径220mm、内径210mmとし、円錐コーン(バルブ部材)の寸法は、高さ150mm、外径220mmとした。
実施例では、図3(A)、(C)に示すような弓形状の切り欠き部2を設けた円錐コーン(バルブ部材6)を用いた。図3(A)の弦の幅Aは80mm(円錐コーンの直径の36%)、図3(C)の切り欠き部2の最大高さCは19mm(円錐コーンの高さの13%)で、この切り欠き部2は対角線上に2箇所設けた。
また、比較例では、円錐コーン(バルブ部材)に上記切り欠き部が設けられていない図5に示すようなリチャージ管を用いた。
結果を下記表1に示す。
Figure 2013184858
表1に示すように、本発明のリチャージ管を用いた場合には、屑が十分に取り除かれており、単結晶の有転位化の発生も抑制されている。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…リチャージ管、 2、2’…切り欠き部、 3…ワイヤー、
4…リチャージ管蓋、 5…円筒部材、 6、6’…バルブ部材、
7…多結晶原料、 8…隙間、 9…石英ルツボ、 10…黒鉛ルツボ、
11…断熱材、 12…ヒータ、 13…支持軸、 14…メインチャンバー、
15…プルチャンバー、 16…単結晶製造装置、 17…原料融液、
200…石英の屑・異物。

Claims (4)

  1. チャンバー内で、ルツボに充填された多結晶原料をヒータにより溶融して原料融液として、該原料融液から単結晶を引き上げる単結晶製造装置において用いられる、前記ルツボ内に多結晶原料を投入するためのリチャージ管であって、該リチャージ管は、前記多結晶原料を収容する石英製の円筒部材と、該円筒部材の下端の開口部を開閉するためのバルブ部材とを有し、該バルブ部材には切り欠き部が設けられ、前記円筒部材の下端の開口部を前記バルブ部材で閉じた状態で前記切り欠き部によって前記リチャージ管の内外を貫通する隙間が形成されるものであることを特徴とするリチャージ管。
  2. 前記円筒部材の内面と前記バルブ部材の内上面に、合成石英が貼り付けられたものであることを特徴とする請求項1に記載のリチャージ管。
  3. 前記円筒部材と前記バルブ部材が、合成石英で形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のリチャージ管。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のリチャージ管に前記多結晶原料を収容し、該多結晶原料を収容したリチャージ管を前記チャンバー内にセットし、前記バルブ部材で前記円筒部材の開口部を開けることで前記ルツボ内に前記多結晶原料を投入するリチャージ方法において、
    前記多結晶原料を収容したリチャージ管のバルブ部材の切り欠き部によって形成された隙間から、前記収容した多結晶原料の屑及び異物を前記リチャージ管の外へ落とした後、該リチャージ管を前記チャンバー内にセットして前記ルツボ内に前記多結晶原料を投入することを特徴とするリチャージ方法。
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