JP5272247B2 - Cz法における多結晶シリコン原料の溶解方法 - Google Patents

Cz法における多結晶シリコン原料の溶解方法 Download PDF

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Description

本発明は、CZ法により単結晶シリコンを製造する際に、その製造原料となる多結晶シリコンを坩堝内に充填・溶解して、シリコンの融液を生成する多結晶シリコンの溶解方法に関する。
半導体集積回路の基本材料であるシリコン単結晶の製造方法の一つとして、坩堝内の原料融液から円柱状の単結晶を引き上げるチョクラルスキー法(以下CZ法という)が用いられている。CZ法においては、単結晶製造装置のチャンバ内に設置した坩堝に原料である多結晶を充填し、前記坩堝の外周に設けたヒータによって原料を加熱溶解した上、シードチャックに取り付けた種子結晶を融液に浸漬し、シードチャック及び坩堝を同方向または逆方向に回転しつつシードチャックを引き上げて単結晶を成長させる。ここで、坩堝において初期装填された原料の溶解は初期メルトと呼ばれており、またその初期メルトによって生成された原料融液に原料を供給する操作は追加チャージと呼ばれている。CZ法において、坩堝には主に塊状多結晶シリコンが初期充填される。しかし、そのような充填はその後のシリコン単結晶インゴットの製造において問題を生じる。例えば、全装填量の荷重下に、塊の縁が坩堝の壁を、特に坩堝の底で引っ掻いたり掘ったりし、その結果坩堝の損傷を生じたり、坩堝の粒子がシリコンメルト中に浮遊または懸濁することになる。これらの不純物は、単結晶中の有転位化の可能性を顕著に増加させ、単結晶生産歩留まりを悪化させる。さらに溶融が進むにつれて、塊状多結晶シリコン材料が移動したり、塊状多結晶シリコンの下部分が溶融する一方、メルトより上にある未溶融の塊状多結晶シリコンが膨張し坩堝の壁面に噛み込んで「ハンガー(hangar)」または、メルトより上の坩堝の壁面の両側に跨る「ブリッジ(bridge)」を形成することになる。このように、装填材料が移動する、またはハンガーあるいはブリッジが崩壊するときに、シリコンの融液を跳ね返したり、坩堝に機械的応力ダメージを与えることになる。またハンガーが形成されている坩堝の上部において坩堝が加熱により軟化すると、ハンガーの荷重により坩堝の上部が内側に倒れこむことになる。
図5に従来技術に係るCZ法に係る製造装置の模式図を示す。上述の問題を解決するため特許文献1においては、CZ法によりシリコン単結晶を製造する際にその製造原料として使用される多結晶シリコンを坩堝内に溶解する多結晶シリコンの溶解方法において、支持軸120の上に載置される坩堝110(石英坩堝111、黒鉛坩堝112)の周囲を加熱するサイドヒータ130と、坩堝110の底部を加熱するボトムヒータ140とを配設し、サイドヒータ130への供給電力をボトムヒータ140への供給電力よりも大きくした状態で、坩堝110内に初期装填された多結晶シリコン150(塊粒原料151、カットロッド152)を溶解した後、その坩堝内に上方から新たに多結晶シリコン150を追加し溶解する際には、坩堝110を上昇させるととともに、サイドヒータ130への供給電極を増大させ、ボトムヒータ140への供給電力を0とした状態でその溶解を行う方法及び装置が開示されている。このように2種類のヒータを併用することにより、溶解時間を短縮させてブリッジの発生を抑制している。また同様の方法については特許文献2、特許文献3、特許文献4にも開示されている。
特許第4151096号公報 特許第3856873号公報 特開平9−328391号公報 特開平6−144986号公報
しかし、特許文献1等に開示されているように、多結晶シリコン150を溶解するときにサイドヒータ130とボトムヒータ140のパワーバランスの調整を行うのみではブリッジ等の発生を完全に抑制することは困難であること、またブリッジが形成できなかった場合でも坩堝の内壁に溶け残りが残留してしまうことを本願発明者は見出した。またサイドヒータ130及びボトムヒータ140を共に用いるためコストが掛かるとともに、サイドヒータ130及びボトムヒータ140を溶解工程に伴って制御する必要があり、別途制御装置を必要とし、また製造プロセスが煩雑になるため作業効率が低下するといった問題がある。
そこで本発明は上記問題点に着目し、CZ法の装置の改造や複雑な炉内のヒートバランス調整を行うことなく、簡便にかつ安全・効率的に多結晶シリコンの溶解を行うCZ法における多結晶シリコン原料の溶解方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るCZ法における多結晶シリコン原料の溶解方法は、第1には、CZ法で用いられる坩堝内に単結晶シリコンの原料となる多結晶シリコンの塊で充填した第1層を形成し、前記第1層の上に前記多結晶シリコンの塊で充填した第2層を積層し、前記第1層の高さは、多結晶シリコン原料を全溶解後の融液の液面の高さより低く形成し、前記第2層の外周は、前記坩堝の内側の側面と離間して形成する態様で溶解させることを特徴とする。
第2には、前記第1層領域内を高さ位置のピークとする加熱分布となるように前記坩堝を加熱することを特徴とする。
第3には、前記坩堝の底面を加熱することを特徴とする。
第4には、前記第2層は、前記坩堝の上端よりも高く積み上げることを特徴とする。
第5には、前記第2層が溶解したのち前記多結晶シリコンを前記坩堝内に追加充填することを特徴とする。
本発明に係るCZ法における多結晶シリコン原料の溶解方法によれば、第1には、第1層は坩堝の壁面(内面)には接触するものの、多結晶シリコン原料が全て溶解して形成されるシリコンの融液の液面より低い高さを有するため、第1層は全て溶解し、多結晶シリコンの塊が壁面に噛み込んだりブリッジを形成することはなく、また第2層は加熱により膨張するものの、第2層の外周と坩堝の内側の側面(壁面)とは離間して形成されているため、第2層が坩堝の壁面に接触することはなく、壁面に噛み込んだりブリッジを形成することはない。したがって多結晶シリコンの塊が壁面に噛み込むことにより坩堝の材料が削り出されシリコンの融液に混入することを防止できる。そして、ブリッジの形成を防止するので充填した多結晶シリコンの塊を確実にシリコンの融液にすることができる。さらにブリッジが形成されたのちブリッジの一部がシリコンの融液に落下して坩堝を破損したり、落下の際にシリコンの融液が飛沫となって坩堝の上部にある冶具等に付着し、単結晶シリコンの成長時にその飛沫が再び坩堝内に落下して単結晶シリコンに転位が発生する問題を解消することができる。このように、CZ法の製造装置の改造や坩堝が置かれた炉内のヒートバランス調整を行うことなく簡便にかつ安全・効率的に多結晶シリコンを溶解することができる。
第2には、前記坩堝の加熱において、前記第1層領域内を高さ位置のピークとする加熱分布を与えることにより、前記坩堝の上端の温度が低く抑えられるため前記坩堝の上端の温度による軟化を防止して、前記坩堝の上端が前記坩堝の内側に倒れこむことを防止することができる。また坩堝の加熱は、前記下部の高さ位置にヒータの発熱中心が来るように坩堝の高さを調整して行われるが、この場合、ヒータより坩堝の上端が高くなるので、ヒータ等からの汚染物のシリコンの融液への混入を抑制することができる。
第3には、前記坩堝の底面を加熱することにより、多結晶シリコンの融液の中心付近の多結晶シリコンの溶け残りを防止することができ、特に坩堝の直径が大きいほどその効果は顕著となる。
第4には、前記第2層は、前記坩堝の上端よりも高く積み上げることにより、充填される多結晶シリコンの塊が増加されシリコンの融液の容積が大きくなるため、大きな寸法の単結晶シリコンを形成することができる。
第5には、前記第2層が溶解したのち多結晶シリコンを前記坩堝内に追加充填することにより、シリコンの融液の容積がさらに大きくなるため、より大きな寸法の単結晶シリコンを形成することができる。
本実施形態にかかるCZ法における製造装置の模式図である。 本実施形態に係る石英坩堝の部分詳細図である。 本実施形態に係る初期メルトの手順を示す模式図である。 本実施形態に係る初期メルト及び追加チャージの手順を示す模式図である。 従来技術に係るCZ法に係る製造装置の模式図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
本実施形態に係るCZ法における多結晶シリコンの溶解方法は、初期メルトを形成する方法であって、CZ法で用いられる坩堝12内に単結晶シリコンの原料となる多結晶シリコンの塊24aで充填した第1層26を形成し、前記第1層26の上に前記多結晶シリコンの塊24bで充填した第2層28を積層し、前記第1層26の高さは、多結晶シリコン原料を全溶解後に形成される融液30の液面30aの高さより低く形成し、前記第2層28の外周28aは、前記坩堝12の内側の側面14aと離間して形成するとともに、前記坩堝12の下部から加熱して前記第1層26を溶解させ、前記第2層28を溶解させるものであり、その後追加チャージを行うものである。図1に示すように、上記方法を具現化するCZ法によるシリコン単結晶の製造装置10は、メインチャンバ(不図示)内に設置され多結晶シリコンの塊24が充填される坩堝12、サイドヒータ20、ボトムヒータ22を有する。
坩堝12は内側に石英坩堝14と外側に黒鉛坩堝16から構成される。この坩堝12はペディスタルと呼ばれる支持軸18の上に載置されている。支持軸18は中心軸回りに回転駆動されるとともに軸方向に昇降駆動され、これらの駆動により坩堝12の回転及び昇降が可能となっている。坩堝12を構成する石英坩堝14は、主にアーク溶融法によって製造されている。この方法は、カーボン製の回転モールドの内表面に石英粉を一定厚さに堆積して石英粉成形体を形成し、モールドの内側上方に設置した電極のアーク放電によって石英粉を加熱溶融してガラス化し、石英ガラスによる坩堝を製造している。
坩堝12の周囲には、サイドヒータ20が設けられている。サイドヒータ20の高さ方向の寸法は坩堝12の高さ方向の寸法より大きく設計されている。サイドヒータ20は主に黒鉛ヒータにより構成されるが、温度のピークがサイドヒータ20の高さ方向の中央となる温度分布を有するように設計されている。ここでサイドヒータ20の位置は不変であるが、上述の支持軸18の昇降駆動により坩堝12はサイドヒータ20との相対位置を変更し、坩堝12の温度分布を変更することができる。なお、サイドヒータ20の温度のピークがサイドヒータ20の高さ方向の中央であることに限定されるものでなく、サイドヒータ20を上下方向に移動させることで坩堝12との相対関係を変えて坩堝12の温度分布を変更することや、複数で構成されたサイドヒータを用いて坩堝12の温度分布を変更してもよい。また、坩堝12の下方にボトムヒータ22を設けてもよい。この場合、ボトムヒータ22は坩堝12の外径とほぼ同じ外径の円盤型の形状を有し、ボトムヒータ22の中心部を支持軸18が貫通し、その位置は支持軸18の昇降駆動に関わらず不変となるようにすると良い。ボトムヒータ22を設けることにより多結晶シリコンの融液の中心位置での多結晶シリコンの溶け残りを防止することができ、特に坩堝12の直径が大きい場合はその効果が顕著となる。
初期メルトに際しては、単結晶シリコンの原料である多結晶シリコンの塊24を初期充填する。多結晶シリコンの形状としては、棒状のシリコン原料を適宜(例えば重量を5kg程度のもの)ロッド状に分断したもの、棒状のシリコン原料を破砕したものでサイズが50mm〜100mm程度のナゲット(チャンク)状としたもの、棒状のシリコン原料を破砕したものでサイズが10〜30mm程度の小片チップ状としたもの、直径数mmの粒状のものがあり、時には不良となった単結晶シリコンそのものを原料として投入する場合もあるが、本実施形態では、初期充填においてナゲット状の多結晶シリコンの塊24を用いる。
初期充填はナゲット状の多結晶シリコンの塊24を用いるが、初期充填は坩堝内に単結晶シリコンの原料となる多結晶シリコンの塊24aで充填した第1層26を形成し、第1層26の上に多結晶シリコンの塊24bで充填した第2層28を積層する。そして第1層26の高さh1は、初期充填の原料全てを溶解して形成される融液30(図2参照)の液面30aの高さh2より低く形成し、第2層28の外周28aは、石英坩堝14の内側の側面14a(壁面)と離間して形成される。上述の融液の高さh2は第1層26の高さh1及び充填率、第2層の高さ、第2層28の外周28aが構成する直径、第2層28の充填率に依存する。本実施形態において第2層28は石英坩堝の内側の側面14aに触れない構成となっているので石英坩堝14の容積を基準とする嵩密度は小さくなるが、第2層28を石英坩堝14の上端14bよりも高く積み上げることにより、第2層28の石英坩堝14の上端14bより高く積み上げた分が石英坩堝14内に存在すると考えた場合の換算嵩密度を高めることができるので従来と同様、充分な容積の融液を形成することができる。さらに本実施形態においては、初期メルトの後、小片チップ状の多結晶シリコンを融液30に充填することにより高さh2より高い位置(高さh3)に液面30aをもつ大容積の融液30を形成することができる。
図2に石英坩堝の部分詳細図を示す。石英坩堝14の内壁の一定の厚み方向で一様に溶解させて石英坩堝14内部に留まっている気泡14cを排出して厚さ数mm程度の無気泡層14dを形成している。これにより気泡が破裂して石英坩堝14の破片が融液30に混入し、その後の結晶成長において前記破片が結晶に転位を形成する等の悪影響を防止できる。
図2に示すように、第1層26及び第2層28が溶解して形成される融液30の液面30a、石英坩堝12の内側の側面14aと、不活性雰囲気ガス(例えばアルゴンガス)、が接する3重点32は石英坩堝14の局所溶存量が最も多くなりやすい部分であるが、初期充填において3重点32には第1層26を構成する多結晶シリコンの塊24aが当接することはないので、多結晶シリコンが石英坩堝14に傷等のダメージを与えることはなく、その後製造される単結晶シリコンを形成する際に、傷等が原因により結晶中に転位を形成する虞を低減することができる。
図3(a)〜(d)に初期メルトの手順を、図3(e)に坩堝の高さ位置の時間変位をそれぞれ示す。図3(a)は多結晶シリコン原料の溶解の初期工程を示している。まず、図3(a)に示すように、坩堝12の下部12a、すなわち第1層26領域内にサイドヒータ20の温度分布のピークが来るように支持軸18を昇降駆動させ、ナゲット状の多結晶シリコンの塊24aで石英坩堝14の内壁を傷つけないように第1層26を形成し、第1層の上に石英坩堝14の内壁に多結晶シリコンの塊24bが触れないように第2層28を形成する。次に図3(b)に示すように支持軸18を回転駆動させつつサイドヒータ20を図3(e)の破線に示すような電力を与えて稼動させ第1層26を溶解させることにより上述の初期工程が終了する。なお図3(e)において「工程(a)、(b)」とは、それぞれ図3(a)、図3(b)に係る工程を示す。
次に、図3(c)に示すように、坩堝の高さ方向の温度分布のピークが図3(a)及び図3(b)の場合より高い位置に来るように支持軸18を下降させて坩堝の高さ位置を下げる。そして図3(c)に示すように第1層26が溶解することにより溶解した第1層26に第2層28が沈み込んで浸漬していくとともに、浸漬した部分が溶解することにより第2層28は溶解される。そして、図3(d)に示すように、第1層26及び第2層28の溶解が完了すると、融液30の液面30aの高さがh2となり初期メルトが完了し、引き上げ工程に進む。
図4(a)〜(f)に初期メルト及び追加チャージの手順を、図4(g)に坩堝の高さ位置の時間変位を、それぞれ示す。
図4(a)、(b)は多結晶シリコン原料の溶解の初期工程を示している。まず、図4(a)に示すように、坩堝12の下部12a、すなわち第1層26領域内にサイドヒータ20の温度分布のピークが来るように支持軸18を昇降駆動させ、ナゲット状の多結晶シリコンの塊24aで石英坩堝14の内壁を傷つけないように第1層26を形成し、第1層の上に石英坩堝14の内壁に多結晶シリコンの塊24bが触れないように第2層28を形成する。すなわち図3(a)に示す第1層26及び第2層28を再現する。次に図4(b)に示すように支持軸18を回転駆動させつつサイドヒータ20を図4(g)の破線に示すような電力を与えて稼動させ第1層26を溶解させることにより上述の初期工程が終了する。なお図4(g)において「工程(a)、(b)」とは、それぞれ図4(a)、図4(b)に係る工程を示す。
次に、図4(c)及び図4(g)に示すように、坩堝の高さ方向の温度分布のピークが図4(a)及び図4(b)の場合より高い位置に来るように支持軸18を下降させて坩堝の高さ位置を下げる。そして図4(c)に示すように第1層26が溶解することにより溶解した第1層26に第2層28が沈み込んで浸漬していくとともに、浸漬した部分が溶解することにより第2層28は溶解される。次に図4(d)、(e)に示すように、第1層26及び第2層28の溶解が完了、またはほぼ完了した時点で上述の小片チップ34により追加チャージを行う。
追加チャージはチャンバ(不図示)内に挿入され小片チップ34を詰め込んだ原料供給管36を用いて坩堝12内に投入される。投入の際は融液飛沫の跳ね上がりを抑制するため、小片チップ34を徐徐に坩堝12に供給するか、融液30の液面30aに未だ溶け残っている第1層26及び第2層28の上に供給することが望ましい。また追加チャージの他の方法として、単結晶シリコンを引き上げるワイヤ(不図示)を用いて坩堝12上に吊り下げたロッド状の多結晶シリコン(不図示)を徐徐に下降させ、坩堝12内の融液に浸漬させる方法がある。そして図4(f)に示すように全ての多結晶シリコンが溶解することにより、液面30aの高さがh3(>h2>h1)となる融液30が形成され、次の単結晶の引き上げ工程を行うことができる。
なお図4(b)以降においてサイドヒータ20を稼動させているが、ボトムヒータ22を同時に稼動させてもよい。これにより多結晶シリコンの融液30の中心付近での溶け残りを防止することができ、特に坩堝12の直径が大きい場合はその効果が顕著となる。また図4(f)に示すように、シリコンの融液30の形成中における坩堝の高さ位置の変更は、融液30が完成する時間の少なくとも4分の1に相当する時間の経過以降に行うことが望ましい。なお本実施形態においては換算嵩密度を0.12g/cm以上となるように第1層26及び第2層28を形成すると、追加チャージを複数回行うことなくシリコン単結晶の成長に必要な容積のシリコンの融液30が形成できることを本願発明者は突き止めている。
以上述べたように、本実施形態に係るCZ法における多結晶シリコン原料の溶解方法によれば、第1には、第1層26は坩堝12の壁面(内面)には接触するものの、所定の原料全てが溶解して形成されるシリコンの融液30の液面30aより低い高さを有するため、第1層26は全て溶解し、多結晶シリコンの塊24aが壁面に噛み込んだりブリッジを形成することはなく、また第2層28は加熱により膨張するものの、第2層28の外周28aと坩堝12の内側の側面14a(壁面)とは離間して形成されているため、第2層28が坩堝12の壁面に接触することはなく、壁面に噛み込んだりブリッジを形成することはない。したがって多結晶シリコンの塊24が壁面に噛み込むことにより坩堝の材料が削り出されシリコンの融液30に混入することを防止できる。そして、ブリッジの形成を防止するので充填した多結晶シリコンの塊24を確実にシリコンの融液30にすることができる。さらにブリッジが形成されたのちブリッジの一部がシリコンの融液30に落下して坩堝を破損したり、落下の際にシリコンの融液30が飛沫となって坩堝12の上部にある冶具等に付着し、単結晶シリコンの成長時にその飛沫が再び坩堝12内に落下して単結晶シリコンに転位が発生する問題を解消することができる。このように、CZ法の製造装置10の改造や坩堝12が置かれた炉内のヒートバランス調整を行うことなく簡便にかつ安全・効率的に多結晶シリコンを溶解することができる。
第2には、前記坩堝12の加熱において、前記下部12aの高さ位置、すなわち第1層26領域内を高さ位置のピークとする加熱分布を与えることにより、前記坩堝12の上端14bの温度が低く抑えられるため前記坩堝の上端14bの温度による軟化を防止して、前記坩堝12の上端14aが前記坩堝12の内側に倒れこむことを防止することができる。また坩堝12の加熱は、前記下部12aの高さ位置にヒータ(サイドヒータ20)の発熱中心(温度分布のピーク)が来るように坩堝の高さを調整して行われるが、この場合、ヒータより坩堝12の上端14aが高くなるので、ヒータ等からの汚染物のシリコンの融液30への混入を抑制することができる。
第3には、前記坩堝12の底面をボトムヒータ22を用いて加熱することにより、多結晶シリコンの融液30の中心付近の多結晶シリコンの溶け残りを防止することができ、特に坩堝12の直径が大きいほどその効果は顕著となる。
第4には、前記第2層28は、前記坩堝12の上端14bよりも高く積み上げることにより、充填される多結晶シリコンの塊24が増加されシリコンの融液30の容積が大きくなるため、大きな寸法の単結晶シリコンを形成することができる。
第5には、前記第2層28が溶解したのち多結晶シリコンを前記坩堝12内に追加充填することにより、シリコンの融液30の容積がさらに大きくなるため、より大きな寸法の単結晶シリコンを形成することができる。
簡易な構成で坩堝にダメージを与えることなく多結晶シリコンによる融液が形成可能なCZ法における多結晶シリコン原料の溶解方法として利用できる。
10………製造装置、12………坩堝、14………石英坩堝、16………黒鉛坩堝、18………支持軸、20………サイドヒータ、22………ボトムヒータ、24………塊、26………第1層、28………第2層、30………融液、32………3重点、34………小片チップ、36………原料供給管、110………坩堝、111………石英坩堝、112………黒鉛坩堝、120………支持軸、130………サイドヒータ、140………ボトムヒータ、150………多結晶シリコン、151………塊状原料、152………カットロッド。

Claims (4)

  1. CZ法で用いられる坩堝内に単結晶シリコンの原料となる多結晶シリコンの塊で充填した第1層を形成し、前記第1層の上に前記多結晶シリコンの塊で充填した第2層を積層し、
    前記第1層の高さは、多結晶シリコン原料を全溶解後の融液の液面の高さより低く形成し、
    前記第2層の外周は、前記坩堝の内側の側面と離間して形成する態様で溶解させるものとし、
    前記第1層領域内を高さ位置をピークとする加熱分布となるように前記坩堝を加熱することを特徴とする請求項1に記載のCZ法における多結晶シリコン原料の溶解方法。
  2. 前記坩堝の底面を加熱することを特徴とする請求項に記載のCZ法における多結晶シリコン原料の溶解方法。
  3. 前記第2層は、前記坩堝の上端よりも高く積み上げることを特徴とする請求項1または2に記載のCZ法における多結晶シリコン原料の溶解方法。
  4. 前記第2層が溶解したのち前記多結晶シリコンを前記坩堝内に追加充填することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のCZ法における多結晶シリコン原料の溶解方法。
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