JP6601378B2 - リチャージ管及びシリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

リチャージ管及びシリコン単結晶の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、単結晶製造装置において用いられるリチャージ管及びそれを用いたシリコン単結晶の製造方法に関する。
半導体集積回路の基板として用いられるシリコン単結晶の製法としては、CZ(チョクラルスキー)法や、磁場を印加するMCZ(磁場印加チョクラルスキー)法が一般的である。これらCZ/MCZ法では、石英ルツボ内にシリコン原料を充填して溶融し、その原料融液に種結晶を着液した後、引き上げることでシリコン単結晶を育成することができる。CZ/MCZ法の単結晶製造装置では、メインチャンバー内に原料融液を加熱するヒーターが設置され、その内側に原料融液を収容する石英ルツボが設置される。
通常、まずこの石英ルツボに原料を詰め、ヒーター加熱によって原料が溶融される。近年のシリコン単結晶の大口径化や結晶長尺化に伴い、石英ルツボ内に初期に詰めた原料分だけでは足らず、さらに原料を追加する場合がある。これを追いチャージと呼び、後に説明するリチャージと同様に、円錐状のコーン(円錐バルブ)を下端に有するリチャージ管に原料を詰め、そのリチャージ管で石英ルツボ内に原料を投入する。そして、これらの原料を全て溶融した後、シリコン単結晶の育成を開始する。
石英ルツボ内には原料が溶解された原料融液が満たされており、ここからシリコン単結晶が育成される。育成されたシリコン単結晶は、メインチャンバー上部にゲートバルブを介して連接されている引き上げチャンバー内に収容され、冷却される。その後、この引き上げチャンバーからシリコン単結晶を取り出す。
このようなシリコン単結晶の製造において、1つの石英ルツボから1本のシリコン単結晶を育成するのみであれば、この時点でシリコン単結晶の育成は終了となるが、石英ルツボは割れて再使用ができないことから製造コストが高くなってしまう。そこで1つの石英ルツボから複数のシリコン単結晶を育成するマルチ操業(マルチプーリング)が行われる場合がある。その場合、シリコン単結晶育成後には石英ルツボ中の融液は育成された結晶分だけ減少しているため、そのままでは次のシリコン単結晶を育成できない。従って、この減少分を補うために原料を再度投入するリチャージが行われる。
リチャージの方法としては、ゲートバルブで仕切られた引き上げチャンバーからシリコン単結晶を取り出した後、原料を収容したリチャージ管を金属製のワイヤで吊り下げて装着し、真空引きにより引き上げチャンバー内の炉内圧をメインチャンバー内の炉内圧にあわせた後ゲートバルブを開き、リチャージ管を下降させた後、円錐バルブを下降させることでリチャージ管の開口部を開けて原料を投入する。
このとき、金属製のワイヤが、リチャージ管に収容した原料との接触、高温下での繰り返し使用により劣化し素線切れなどが発生し原料と共にメルト内に落下することがあり、マルチプーリング終了後の原料(残湯)の分析でワイヤに使用している金属が検出されている。このような問題を解決するため、金属製ワイヤ又は金属製のシャフトを石英管や球状の石英材で被覆することが提案されている(特許文献1〜3)。
具体的には、特許文献1では、金属製シャフトを直接覆う被覆保護管と、この被覆保護管を摺動可能に挿入させた摺動保護管とからなる二重の石英管が提案されている。また、特許文献2には、金属製のシャフトを覆う円筒状の石英管が提案されている。また、特許文献3には、ケーブル(金属製ワイヤ)を球状もしくは楕円形状の玉で被覆することが提案されている。
特開2006−089294号公報 特開2008−285410号公報 特開2007−246358号公報
上記したように、特許文献1、2の石英管は、シャフトとの組み合わせが前提である。しかしながら、金属製ワイヤの被覆を石英管1本で行うと隙間が無く汚染に対しては有効であるが、初期製造コストが高く、ワイヤのフレキシブル性が失われ破損し易い上に、破損時は全交換となるため破損時のコストも高く金属製ワイヤを使用したリチャージ管には不向きである。
また、特許文献3のような球状もしくは楕円形状の玉による被覆では、ワイヤ使用によるワイヤのフレキシブル性を保っているが、リチャージ管の内径と長さの関係を考えると玉状被覆の個々の長さほどのフレキシブル性は不要である。破損した場合の交換は容易ではあるが一つ一つの玉の加工コストが高くなると考えられ、リチャージ管の長さによっては使用する玉の個数が増えるので作業性が悪く、つなぎ目が多いため隙間が発生する可能性が高く汚染防止効果が小さい。
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、リチャージを行う際に、金属ワイヤのフレキシブル性を損なわず、かつ、原料メルト内への金属ワイヤ由来の汚染を簡単かつ確実に低減することができるリチャージ管及びシリコン単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、チャンバー内で、石英ルツボに充填された原料をヒーターにより溶融して原料融液として、該原料融液からシリコン単結晶を引き上げる単結晶製造装置において用いられる、前記石英ルツボ内に前記原料を充填するためのリチャージ管であって、
前記原料を収容する石英製の円筒部材と、該円筒部材の下端に位置する円錐バルブと、該円錐バルブを吊り下げて支持する金属ワイヤと、前記円筒部材内に収容している前記原料と前記金属ワイヤが接触しないように、少なくとも前記原料を収容する領域の前記金属ワイヤを被覆する、長さ(L)が30mm以上の複数の石英チューブとを有するものであることを特徴とするリチャージ管を提供する。
このようなものであれば、石英チューブによりリチャージ管の金属ワイヤを被覆することにより、リチャージを行う際に、原料融液内への金属ワイヤ由来の汚染を低減することができる。さらに、石英チューブの長さ(L)が30mm以上で複数のものであるので、金属ワイヤのフレキシブル性を保ちつつ、チューブ形状にしたことにより、玉状の場合に比べて、石英チューブ間の隙間を極力少なくすることができ、且つ十分な強度を持った低コストのものとすることができる。
このとき、前記石英チューブの長さ(L)が130mm以下のものであることが好ましい。
このようなものであれば、金属ワイヤのフレキシブル性を十分に保つことができる。
またこのとき、前記石英チューブは、各金属不純物濃度が1ppb未満、OH基濃度は200ppm以上の合成石英製であることが好ましい。
このように、石英チューブを金属不純物濃度が低く、高OH基濃度の合成石英製とすることで、金属不純物汚染の心配を低減し、石英チューブからのカケが発生して原料融液内に混入したとしても容易に溶解し易く石英屑浮遊や付着による操業トラブルの影響を抑制することができる。
また本発明によれば、上記本発明のリチャージ管を使用して、前記石英ルツボ内に前記原料を充填し、該充填した原料を溶融して前記原料融液とし、該原料融液から前記シリコン単結晶を引き上げることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法を提供する。
このようにすれば、上記本発明のリチャージ管を使用するので、リチャージを行う際に、原料融液内へのワイヤ金属由来の汚染を低減することができる。さらに、ワイヤのフレキシブル性を保ちつつ、チューブ形状にしたことにより、玉状の場合に比べて、石英チューブ間の隙間を極力少なくすることができ、且つ十分な強度を持ったものとすることができるので、育成したシリコン単結晶への不純物汚染を防止しつつ、シリコン単結晶の製造コストを低減することができる。
本発明によれば、石英チューブによりリチャージ管の金属ワイヤを被覆することにより、リチャージを行う際に、原料融液内へのワイヤ金属由来の汚染を低減することができる。さらに、石英チューブの長さ(L)が30mm以上で複数のものであるので、ワイヤのフレキシブル性を保ちつつ、チューブ形状にしたことにより、玉状の場合に比べて、石英チューブ間の隙間を極力少なくすることができ、且つ十分な強度を持った低コストのものとすることができる。
本発明のリチャージ管が配置された、単結晶製造装置の一例を示した概略図である。 本発明のリチャージ管における、石英チューブの形状の一例を示した概略図である。 実施例1〜5及び比較例1〜2において、残湯内のワイヤ金属濃度を比較したグラフである。 実施例6〜11及び比較例3において、トラブル率を比較したグラフである。 実施例12〜16及び比較例4〜5において、ワイヤが露出する長さを比較したグラフである。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記したように、金属製のワイヤが、リチャージ管に収容した原料との接触、高温下での繰り返し使用により劣化し素線切れなどが発生し原料と共にメルト内に落下することがあり、マルチプーリング終了後の原料(残湯)の分析でワイヤに使用している金属が検出されている。このため、リチャージを行う際に、ワイヤのフレキシブル性を損なわず、かつ、原料メルト内へのワイヤ金属由来の汚染を低減することができるリチャージ管及びシリコン単結晶の製造方法が望まれている。
そこで、本発明者らはこのような問題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、円筒部材内に収容している原料と金属ワイヤが接触しないように、少なくとも原料を収容する領域の金属ワイヤを被覆する、長さ(L)が30mm以上の複数の石英チューブとを有するリチャージ管であれば、リチャージを行う際に、ワイヤのフレキシブル性を損なわず、かつ、原料メルト内へのワイヤ金属由来の汚染を簡単かつ確実に低減することができることに想到した。そして、これらを実施するための最良の形態について精査し、本発明を完成させた。
まず、本発明のリチャージ管について説明する。図1は、本発明のリチャージ管が配置された、単結晶製造装置の一例を示した概略図である。単結晶製造装置17は、チャンバー内で、石英ルツボ10に充填された原料(固形状原料)7をヒーター(加熱ヒーター)12により溶融して原料融液9として、該原料融液9からシリコン単結晶を引き上げることができる。チャンバーはメインチャンバー1と引上げチャンバー2とからなり、メインチャンバー1の内部には、黒鉛ルツボ11に嵌合された石英ルツボ10がルツボ回転軸13を介して設置されている。石英ルツボ10、黒鉛ルツボ11を囲繞するように原料7を溶融するヒーター12が設けられており、ヒーター12とメインチャンバー1の内壁との間には断熱材18が設けられている。また、引上げチャンバー2には炉内を流下するガスを導入するガス導入口14が設けられ、メインチャンバー1の底部には炉内を流通したガスを排出するガス流出口15が設けられている。
本発明のリチャージ管16は、チャンバー(メインチャンバー1)内で、石英ルツボ10に充填された原料7をヒーター12により溶融して原料融液9として、該原料融液9からシリコン単結晶を引き上げる単結晶製造装置17において用いられ、石英ルツボ10内に原料7を充填するためのものである。
本発明のリチャージ管16は、原料7を収容する石英製の円筒部材5と、該円筒部材5の下端に位置する円錐バルブ(円錐コーン)8と、該円錐バルブ8を吊り下げて支持する金属ワイヤ3と、円筒部材5内に収容している原料7と金属ワイヤ3が接触しないように、少なくとも原料7を収容する領域の金属ワイヤ3を被覆する、長さ(L)が30mm以上の複数の石英チューブ6とを有するものである。また、円筒部材5の上端に取付けるリチャージ管蓋4を有していてもよい。
このようなものであれば、石英チューブ6によりリチャージ管16の金属ワイヤ3を被覆することにより、リチャージを行う際に、原料7と金属ワイヤ3とが直接接触しないので、原料融液9内への金属ワイヤ3由来の汚染を低減することができる。さらに、石英チューブ6の長さ(L)が30mm以上で複数のものであるので、金属ワイヤ3のフレキシブル性を保ちつつ、チューブ形状にしたことにより、玉状の場合に比べて、石英チューブ6間の隙間を極力少なくすることができ、且つ十分な強度を持つとともに安価なものとすることができる。
このとき、石英チューブ6の長さ(L)が130mm以下のものであることが好ましい。このようなものであれば、金属ワイヤ3のフレキシブル性を十分に保つことができる上に、破損の恐れが少なくなる。また、リチャージ管16で使用する石英チューブ6のそれぞれの長さ(L)は、同一な長さとしてもよいし、異なる長さとしてもよい。
石英チューブ6のより具体的な形状としては、例えば、図2に示すような形状とすることできる。石英チューブ6の強度確保のため、その長さと径あるいは穴径について以下のように規定することができる。例えば、石英チューブ6の形状が円柱状の場合(図2(a))の径(D1)、角柱状の場合(図2(b))の幅(W)は、L/D1若しくはL/Wが3〜8の間且つ、使用する金属ワイヤ3の径(D2)の3〜8倍の範囲とすることが好ましい。石英チューブ6をこのような円柱若しくは角柱のチューブ形状とすることで、金属ワイヤ3のフレキシブル性を妨げず、チューブ間の隙間をできるだけ少なくする長さとすることができる。
また、石英チューブ6の端面のR面取り(C1)の合計は径(D1)若しくは幅(W)の1/3以上の部分とすることが好ましい。このように、石英チューブ6の端面はチューブ同士の接触を最小限にするようにし、金属ワイヤ3の曲がりを大きく妨げないように全周R面取り形状とすることが好ましい。
また、石英チューブ6が角柱状の場合、長さ(L)方向のR面取り合計は幅(W)の1/3以上の部分とすることが好ましい。このように、円柱状石英チューブと同様の機能を持たせる為、角柱状の場合、長さ(L)方向のR面取りを行うことが好ましい。このようにすれば、使用する石英チューブを、円柱状の石英チューブ及び角柱状の石英チューブの両方から選択可能とすることができるので、材料準備状況や加工性に幅を持たせることができる。
また、図2(c)に示すように、石英チューブ6の金属ワイヤ3を通す穴径(D3)は金属ワイヤ3の径(D2)の1.03〜1.1倍とすることが好ましい。このようなワイヤ用穴径であれば、金属ワイヤ3を通す穴径は金属ワイヤ3のフレキシブル性を妨げず、また容易に動かず石英チューブ6間の隙間が広がりにくく且つ金属ワイヤ3の破損・破断に至る圧力がかからないものとすることができる。
またこのとき、石英チューブ6は、各金属不純物濃度が1ppb未満、OH基濃度は200ppm以上の合成石英製であることが好ましい。このように、石英チューブ6を金属不純物濃度が低く、高OH基濃度の合成石英製とすることで、天然石英の場合と比べて、金属不純物汚染の心配を低減し、石英チューブ6からのカケが発生して原料融液内に混入したとしても容易に溶解し易く石英屑浮遊や付着による操業トラブルの影響を抑制することができる。
さらに、リチャージ管の円筒状石英管と円錐状コーンの原料に接触する部分を合成石英としても良い。
石英チューブ6を配置する位置は、上記したように、少なくとも原料7を収容する領域の金属ワイヤ3であればよいが、円錐状コーン〜リチャージ管蓋間の金属ワイヤ3の殆どを被覆することが好ましい。
また本発明によれば、上記本発明のリチャージ管16を使用して、石英ルツボ10内に原料7を充填し、該充填した原料7を溶融して原料融液9とし、該原料融液9からシリコン単結晶を引き上げることにより、シリコン単結晶を製造する。
このようにすれば、上記本発明のリチャージ管を使用するので、リチャージを行う際に、原料融液9内への金属ワイヤ3由来の汚染を低減することができる。さらに、ワイヤのフレキシブル性を保ちつつ、チューブ形状にしたことにより、玉状の場合に比べて、石英チューブ間の隙間を極力少なくすることができ、且つ十分な強度を持った安価なものとすることができる。このような本発明のリチャージ管でリチャージを行うマルチプーリングであれば、育成したシリコン単結晶への不純物汚染を防止しつつ、シリコン単結晶の製造コストを低減することができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜5、比較例1〜2)
合成石英製の石英部材(比較例1〜2)又は石英チューブ(実施例1〜5)により、金属ワイヤの被覆を行ったリチャージ管を使用してマルチプーリングを実施した。
このとき、図3に示すように、金属ワイヤを、合成石英製の長さ(L)10〜20mmの石英部材(比較例1〜2)又は、30〜140mmの石英チューブ(実施例1〜5)で被覆した7種のリチャージ管を使用した。また、石英部材(比較例1〜2)は、径(D1)φ14〜15mm、40〜80個とし、石英チューブ(実施例1〜5)は、径(D1)φ14〜20mm、6〜27個とした。
このとき、金属ワイヤは石英部材の長さ(L)10mm(比較例1)で被覆した際の使用時間(ワイヤライフ)を1とし、時間比で0.2〜1.1のものを使用した。
そして、固化率90%のマルチプーリング実施後の原料メルト(残湯)を固化前に20〜60g採取しICP−AES分析を実施しリチャージ管用金属ワイヤに使用しているタングステンの濃度の比較を行った。
石英部材の長さ(L)10mm(比較例1)で被覆した場合の上記分析のタングステン濃度を1.0とすると、図3に示すように、石英チューブの長さ(L)30mm以上のときに大きな低下がみられ0.25以下となった。さらに、石英チューブの長さ(L)40mm以上では0.1以下となった。この時に、ワイヤライフによる残湯内のタングステン濃度の差は見られなかった。
(実施例6〜11、比較例3)
次に、石英チューブの長さ(L)40mmでOH基濃度を<50〜550ppmの6種(実施例6〜11)と、石英チューブによる被覆の無い場合(比較例3)のリチャージ管を使用して、マルチプーリングを実施した。
その結果、図4に示すように、トラブル率を比較すると、高OH基<低OH基<被覆無しであった。特にOH基濃度を200ppm以上とするとトラブル率が大きく低下することが分かった。これは、OH基濃度を200ppm以上にすることによって、石英屑が発生しても原料融液に溶解しやすくなったことによると判断される。また、OH基濃度が200ppm未満であっても石英チューブでワイヤを被覆することにより金属汚染を防止できるのみならずワイヤの素線切れを防止することができ、ワイヤを石英チューブで被覆しない場合に比較してトラブル率を低減することができる。この時に、ワイヤライフによるトラブル率の差は見られなかった。
(実施例12〜16、比較例4〜5)
次に、石英チューブの長さ、径を変えた場合、石英チューブと石英チューブの間隔(実施例12〜16)、又は石英部材と石英部材の間隔(比較例4〜5)がどの程度できるか試算した。図5に示すように、石英チューブ同士又は石英部材同士が連結した関節において発生するそれぞれの隙間(間隔)は、石英チューブ又は石英部材の径に応じた値を試算した。
このとき、リチャージ管ワイヤのフレキシブル性により円錐バルブが円筒部材の中心部からずれる現象によってワイヤが曲がり、これによりリチャージ管ワイヤの下部50%部分に隙間が発生すると仮定し、リチャージ管ワイヤ被覆部全長のうち隙間(=ワイヤ露出)が発生する比率(隙間比率)を試算した。そして、石英部材の長さ(L)10mm(比較例4)での隙間比率を1.0とした場合における、実施例12〜16及び比較例5の隙間比率を求め、図5に示した。
その結果、図5に示すように、石英部材の長さ(L)10mm(比較例4)では突出した隙間比率となり、石英部材の長さ(L)20mm(比較例5)では石英部材の長さ(L)10mm(比較例4)の1/2の隙間比率となった。そして、石英チューブの長さ(L)30mm以上(実施例12〜16)では石英部材の長さ(L)10mm(比較例4)の場合の1/3以下の隙間比率となった。このように、長さ30〜140mmの石英チューブを用いた実施例12〜16では、隙間の数(関節の数)を比較例4〜5に比べて大幅に少なくすることができたため、隙間比率を大幅に小さくすることができた。
以上の石英チューブ長さを振った残湯のタングステン濃度の分析、同じ長さでOH基濃度を振った場合のトラブル率、石英チューブ間の隙間試算結果より、石英チューブの材料を高OH基濃度の合成石英とし、石英チューブの長さ(L)30mm以上とすることが望ましいことが分かった。
また、石英チューブ交換の基準は割れ・カケや汚れであるが、チューブ長さが長いと交換頻度が高くなる。そこで、石英部材の長さ(L)は、円錐状コーンより短い長さ(例えば130mm)以下とすることが望ましい。このようにすれば、長尺チューブへのワイヤ用穴開け加工を行う場合と比べて、コスト的に有利となるとともに、実用性が向上する。更に、ワイヤで支持している円錐型の石英(円錐バルブ)がリチャージ管の中心部から大きく振れた時の支点が高くなりワイヤのフレキシブル性を妨げてしまうことを防止することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…メインチャンバー、 2…引上げチャンバー、 3…金属ワイヤ、
4…リチャージ管蓋、 5…円筒部材、 6…石英チューブ、 7…原料、
8…円錐バルブ、 9…原料融液、 10…石英ルツボ、 11…黒鉛ルツボ、
12…ヒーター、 13…ルツボ回転軸、 14…ガス導入口、 15…ガス流出口、
16…リチャージ管、 17…単結晶製造装置、 18…断熱材。

Claims (4)

  1. チャンバー内で、石英ルツボに充填された原料をヒーターにより溶融して原料融液として、該原料融液からシリコン単結晶を引き上げる単結晶製造装置において用いられる、前記石英ルツボ内に前記原料を充填するためのリチャージ管であって、
    前記原料を収容する石英製の円筒部材と、該円筒部材の下端に位置する円錐バルブと、該円錐バルブを吊り下げて支持する金属ワイヤと、前記円筒部材内に収容している前記原料と前記金属ワイヤが接触しないように、少なくとも前記原料を収容する領域の前記金属ワイヤを被覆する、長さ(L)が30mm以上の複数の石英チューブとを有するものであることを特徴とするリチャージ管。
  2. 前記石英チューブの長さ(L)が130mm以下のものであることを特徴とする請求項1に記載のリチャージ管。
  3. 前記石英チューブは、各金属不純物濃度が1ppb未満、OH基濃度は200ppm以上の合成石英製であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリチャージ管。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のリチャージ管を使用して、前記石英ルツボ内に前記原料を充填し、該充填した原料を溶融して前記原料融液とし、該原料融液から前記シリコン単結晶を引き上げることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
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