JP2011026147A - シリコン単結晶引上装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置を煩雑化することがなく、引上装置内の所要部分へのSiOガスの凝縮を抑制して、シリコン単結晶の有転位化を防止すると共に、シリコン単結晶の引上時に使用するカーボンヒータやカーボンルツボの寿命の低下を抑制することができるシリコン単結晶引上装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るシリコン単結晶引上装置100は、ルツボ3の外周囲に設けられ、ルツボ3を加熱する第1ヒータ5と、ルツボ3の上方に設けられ、シリコン単結晶Igへの輻射熱を遮断する輻射シールド7と、第1ヒータ5より上方であり、かつ輻射シールド7の外周囲に設けられ、ルツボ3の上部3a1及び輻射シールド7の外周部7aを加熱する第2ヒータ10と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係るシリコン単結晶引上装置100は、ルツボ3の外周囲に設けられ、ルツボ3を加熱する第1ヒータ5と、ルツボ3の上方に設けられ、シリコン単結晶Igへの輻射熱を遮断する輻射シールド7と、第1ヒータ5より上方であり、かつ輻射シールド7の外周囲に設けられ、ルツボ3の上部3a1及び輻射シールド7の外周部7aを加熱する第2ヒータ10と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、チョクラルスキー法(CZ法:Czochralski Method)によるシリコン単結晶の育成に用いられるシリコン単結晶引上装置に関する。
CZ法によるシリコン単結晶の育成は、チャンバ内に設置した石英ルツボに原料であるポリシリコンを充填し、石英ルツボの周囲に設けられたヒータによってポリシリコンを加熱して溶融し、シリコン融液とした後、シードチャックに取り付けた種結晶(シード)を当該シリコン融液に浸漬し、シードチャックおよび石英ルツボを同方向または逆方向に回転させながらシードチャックを引上げることにより行う。
このようなシリコン単結晶の育成には、冷却速度の向上を目的として、シリコン単結晶への輻射熱を遮断する輻射シールドが一般的に用いられる。この輻射シールドは、例えば、下部開口部の直径が上部開口部の直径より小さい截頭円錐形状の筒体を備えている。
なお、一般に、シリコン単結晶引上装置では、シリコン融液表面から発生するSiOガスを装置内から効率的に排出する必要がある。SiOガスは、冷却されると凝縮し、SiOxとなって引上装置内の所要部分(石英ルツボのシリコン融液と接しない内周面等)に堆積する。この堆積物が当該所要部分から剥離しシリコン融液中に落下すると、引上中のシリコン単結晶が有転位化する問題がある。また、SiOガスが石英ルツボの周囲に設けられたカーボンヒータ(以下、単にヒータともいう)やカーボンルツボに接触してSiC化した場合、ヒータやカーボンルツボの寿命が低下するという問題がある。
前者の問題に対して、シリコン単結晶引上装置内に、多結晶シリコンの融解時又はシリコン融液の加熱時にカーボンヒータからの熱を前記石英ルツボの鉛直な内面に反射する熱反射体を設ける技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
また、後者の問題に対して、SiOガスをチャンバの内壁と保温筒の外周との隙間に導き、カーボンルツボやヒータに対するSiOガスの接触を回避する技術が開示されている(例えば、特許文献2)。
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、石英ルツボの鉛直な内面に反射する位置まで当該熱反射体を移動させる新たな移動装置を必要とするため、装置構成が煩雑化する問題がある。
また、特許文献2に記載の技術は、チャンバの内壁と保温筒の外周との隙間でSiOガスが凝縮して堆積し、当該隙間が堆積物で詰まってしまう可能性がある。その場合、SiOガスが逆流し、逆流した際に剥離した堆積物がシリコン融液中に落下し、引上中のシリコン単結晶を有転位化させてしまう問題がある。
また、特許文献2に記載の技術は、チャンバの内壁と保温筒の外周との隙間でSiOガスが凝縮して堆積し、当該隙間が堆積物で詰まってしまう可能性がある。その場合、SiOガスが逆流し、逆流した際に剥離した堆積物がシリコン融液中に落下し、引上中のシリコン単結晶を有転位化させてしまう問題がある。
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、装置を煩雑化することがなく、引上装置内の所要部分へのSiOガスの凝縮を抑制して、シリコン単結晶の有転位化を防止すると共に、シリコン単結晶の引上時に使用するカーボンヒータやカーボンルツボの寿命の低下を抑制することができるシリコン単結晶引上装置を提供することを目的とする。
本発明に係るシリコン単結晶引上装置は、ルツボ内の原料シリコンを溶融してシリコン融液とし、チョクラルスキー法により前記シリコン融液からシリコン単結晶を引上げるシリコン単結晶引上装置であって、前記ルツボの外周囲に設けられ、前記ルツボを加熱する第1ヒータと、前記ルツボの上方に設けられ、前記シリコン単結晶への輻射熱を遮断する輻射シールドと、前記第1ヒータより上方であり、かつ前記輻射シールドの外周囲に設けられ、前記ルツボの上部及び前記輻射シールドの外周部を加熱する第2ヒータと、を備えることを特徴とする。
前記ルツボは、シリコン融液を保持する石英ルツボと、前記石英ルツボを収容するカーボンルツボとで構成され、前記第1ヒータの外周囲に設けられた第1保温部材と、前記第1保温部材の外周囲に設けられた第2保温部材と、前記輻射シールドの上方に設けられ、前記輻射シールドの内周側、前記輻射シールドと前記シリコン融液との間及び前記第1保温部材と前記第2保温部材との間を連続して通過するキャリアガスが供給されるキャリアガス供給口と、前記第1保温部材と前記第2保温部材との間で形成される排気経路の出口部に設けられ、前記排気経路を通過したガスのみを排出するキャリアガス排出口と、を備え、前記第2ヒータは、前記排気経路の入口部に設けられ、前記排気経路を通過する前のガスを加熱することが好ましい。
前記第1保温部材の前記第1ヒータの下方には、前記カーボンルツボと前記第1ヒータとの間を通過したガスを前記キャリアガス排出口に導くための排気経路が設けられていることが好ましい。
本発明によれば、装置を煩雑化することがなく、引上装置内の所要部分へのSiOガスの凝縮を抑制して、シリコン単結晶の有転位化を防止すると共に、シリコン単結晶の引上時に使用するカーボンヒータやカーボンルツボの寿命の低下を抑制することができるシリコン単結晶引上装置が提供される。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るシリコン単結晶引上装置の要部構成の一例を示す概念図である。
本実施形態に係るシリコン単結晶引上装置100は、図1に示すように、チャンバ1と、チャンバ1内に設けられ、原料シリコン(主に、ポリシリコン)を保持するルツボ3と、ルツボ3の外周囲に設けられ、ルツボ3を加熱し、ルツボ3内の原料シリコンを溶融してシリコン融液4とする第1ヒータ5と、ルツボ3の上方に設けられ、チョクラルスキー法により前記シリコン融液4から引上げたシリコン単結晶Igへの輻射熱を遮断する輻射シールド7と、第1ヒータ5より上方であり、かつ輻射シールド7の外周囲に設けられ、ルツボ3の上部3a1を加熱する第2ヒータ10と、を備える。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るシリコン単結晶引上装置の要部構成の一例を示す概念図である。
本実施形態に係るシリコン単結晶引上装置100は、図1に示すように、チャンバ1と、チャンバ1内に設けられ、原料シリコン(主に、ポリシリコン)を保持するルツボ3と、ルツボ3の外周囲に設けられ、ルツボ3を加熱し、ルツボ3内の原料シリコンを溶融してシリコン融液4とする第1ヒータ5と、ルツボ3の上方に設けられ、チョクラルスキー法により前記シリコン融液4から引上げたシリコン単結晶Igへの輻射熱を遮断する輻射シールド7と、第1ヒータ5より上方であり、かつ輻射シールド7の外周囲に設けられ、ルツボ3の上部3a1を加熱する第2ヒータ10と、を備える。
このように、本実施形態に係わるシリコン単結晶引上装置100は、ルツボ3の上部3a1を加熱する第2ヒータ10を備えているため、シリコン単結晶Igの引上中におけるルツボ3の上部3a1の内周面へのSiOガスの凝縮を抑制することができる。
また、前記第2ヒータ10は、輻射シールド7の外周囲に設けられているため、輻射シールド7の外周部7aを加熱する。従って、輻射シールド7の外周部7aへのSiOガスの凝縮も抑制することもできる。
従って、装置を煩雑化することがなく、第2ヒータ10を設置するのみで、シリコン融液4に直接的に落下しやすいルツボ3の上部3a1の内周面及び輻射シールド7の外周部7aへのSiOガスの凝縮を抑制することができるため、シリコン単結晶の有転位化を高い確率で防止することができる。
前記ルツボ3は、シリコン融液4を保持する石英ルツボ3aと、石英ルツボ3aを収容するカーボンルツボ3bとで構成されている。
前記第1ヒータ5の外周囲には第1保温部材30が設けられ、第1保温部材30の外周囲には一定の間隔を有して第2保温部材32が設けられ、第2保温部材32の上部には、第1保温部材30と一定の間隔を有して第3保温部材34が設けられている。
前記第1ヒータ5の外周囲には第1保温部材30が設けられ、第1保温部材30の外周囲には一定の間隔を有して第2保温部材32が設けられ、第2保温部材32の上部には、第1保温部材30と一定の間隔を有して第3保温部材34が設けられている。
前記輻射シールド7の上方には、輻射シールド7の内周側7b、輻射シールド7とシリコン融液4との間、第1保温部材30と第3保温部材34との間及び第1保温部材30と第2保温部材32との間を連続して通過するキャリアガスGが供給されるキャリアガス供給口40が設けられている。
前記第1保温部材30と前記第2保温部材32との間で形成される排気経路Ecの出口部には、前記排気経路Ecを通過したガス(SiOガス及びキャリアガス:以下、総称して単にガスという)のみを排出するキャリアガス排出口45が設けられている。
更に、前記第2ヒータ10は、排気経路Ecの入口部に設けられ、排気経路Ecを通過する前のガスを加熱する。
このように、第2ヒータ10が排気経路Ecの入口部に設けられ、排気経路Ecを通過する前のガス(特に、SiOガス)を加熱することで、排気経路Ec内でのSiOガスの凝縮を抑制することができる。従って、排気経路Ecが詰まることを抑制することができるため、当該SiOガスの逆流による堆積物のシリコン融液中の落下を抑制することができ、シリコン単結晶の有転位化を防止することができる。
また、第1保温部材30と第2保温部材32との間を通過したガスのみを排出するキャリアガス排出口45が設けられているため、チャンバ1内でのSiOガスが、カーボンルツボ3bと第1ヒータ5との間を通過することがないため、カーボンヒータやカーボンルツボのSiC化を抑制することができ、カーボンヒータやカーボンルツボの寿命の低下を抑制することができる。
次に、図2を参照して、第1ヒータ5の上方に設けられた第2ヒータ10及びその周辺部材についての構成を具体的に説明する。
図2は、図1の破線で囲んだ部分Aの拡大概念図である。図3は、図2に示す第2ヒータ10の外観形状を示す概念図であり、図3(a)は上面図、図3(b)は当該上面図のA−A’線で切った断面図である。
図2は、図1の破線で囲んだ部分Aの拡大概念図である。図3は、図2に示す第2ヒータ10の外観形状を示す概念図であり、図3(a)は上面図、図3(b)は当該上面図のA−A’線で切った断面図である。
第1保温部材30は、CIP材30aで構成されている。
第2保温部材32は、CIP材30aの外周囲に一定の間隔を有して配置された断熱材32aと、断熱材32aのCIP材30a側に配置されたCIP材32bとで構成されている。
第3保温部材34は、CIP材30a上に一定の間隔を有して断熱材32a上に配置された断熱材34aと、CIP材32b上に配置されたCIP材34bとで構成されている。CIP材30aとCIP材32bとの間で排気経路Ecを構成している。
第2ヒータ10は、例えば、図3に示すように、板状のリング形状を有し、図2に示すように、断熱材32a上部に設けられた切り掛け部32cに契合するように、断熱材34aとCIP材34bとの間に配置されている。
なお、前記CIP材30a、32b、34bは、炭素/炭素複合材料(C/C材)で構成されていてもよい。
第2保温部材32は、CIP材30aの外周囲に一定の間隔を有して配置された断熱材32aと、断熱材32aのCIP材30a側に配置されたCIP材32bとで構成されている。
第3保温部材34は、CIP材30a上に一定の間隔を有して断熱材32a上に配置された断熱材34aと、CIP材32b上に配置されたCIP材34bとで構成されている。CIP材30aとCIP材32bとの間で排気経路Ecを構成している。
第2ヒータ10は、例えば、図3に示すように、板状のリング形状を有し、図2に示すように、断熱材32a上部に設けられた切り掛け部32cに契合するように、断熱材34aとCIP材34bとの間に配置されている。
なお、前記CIP材30a、32b、34bは、炭素/炭素複合材料(C/C材)で構成されていてもよい。
図4は、図1の破線で囲んだ部分Aの他の態様を示す拡大概念図である。図5は、図4に示す第2ヒータ10の外観形状を示す概念図であり、図5(a)は上面図、図5(b)は当該上面図のB−B’線で切った断面図である。
図4、5に示す第2ヒータ10は、図3に示す板状のリング形状に加え、その外周部10aが排気経路Ecに沿って下方に延在した延在部10a1を有する形状であってもよい。
図4、5に示す第2ヒータ10は、図3に示す板状のリング形状に加え、その外周部10aが排気経路Ecに沿って下方に延在した延在部10a1を有する形状であってもよい。
チャンバ1内には、シリコン単結晶Igを育成するために用いられるシード12を保持するシードチャック14が取り付けられた引上用ワイヤ16が、ルツボ3の上方に設けられている。引上ワイヤ16は、チャンバ1外に設けられた回転昇降自在なワイヤ回転昇降機構18に取り付けられている。
ルツボ3は、チャンバ1の底部を貫通し、チャンバ1外に設けられたルツボ回転昇降機構20によって回転昇降可能なルツボ回転軸22に取付けられている。
輻射シールド7は、第3保温部材34の上面に取付けられた輻射シールド支持部材24を介してルツボ3の上方に保持されている。
輻射シールド7は、第3保温部材34の上面に取付けられた輻射シールド支持部材24を介してルツボ3の上方に保持されている。
キャリアガス供給口40には、電磁弁47を介して、チャンバ1内にキャリアガスを供給するキャリアガス供給部49が接続されている。キャリアガス排出口45には、電磁弁52を介して、排気経路Ecを追加したガスのみを排出するキャリアガス排出部54が接続されている。前記電磁弁47を調整することでチャンバ1内に供給するキャリアガスGの供給量を、電磁弁52を調整することでチャンバ1内から排出するSiOガス及びキャリアガスGの排出量をそれぞれ制御する。
次に、本実施形態に係るシリコン単結晶引上装置100を用いたシリコン単結晶の引上方法について説明する。
まず、原料シリコン(主に、ポリシリコン)を石英ルツボ3aに充填し、キャリアガスGとしてArガスをチャンバ1の上方のキャリアガス供給口40からチャンバ1内に流入させ、第1ヒータ5及び第2ヒータ10をオンして、石英ルツボ3aの上部3a1、輻射シールド7の外周部7a及び排気経路Ecの入口部をそれぞれ加熱し、ルツボ回転昇降機構20をオンしてルツボ回転軸22を回転させることでルツボ3を回転させながら、原料シリコンを溶融してシリコン融液4とする。
まず、原料シリコン(主に、ポリシリコン)を石英ルツボ3aに充填し、キャリアガスGとしてArガスをチャンバ1の上方のキャリアガス供給口40からチャンバ1内に流入させ、第1ヒータ5及び第2ヒータ10をオンして、石英ルツボ3aの上部3a1、輻射シールド7の外周部7a及び排気経路Ecの入口部をそれぞれ加熱し、ルツボ回転昇降機構20をオンしてルツボ回転軸22を回転させることでルツボ3を回転させながら、原料シリコンを溶融してシリコン融液4とする。
その後、第1ヒータ5はもちろん、第2ヒータ10においても加熱を継続しつつ、ワイヤ回転昇降機構18を回転させながら引上用ワイヤ16を降下させ、シードチャック14を下ろし、シード12をシリコン融液4に浸漬させ、シードチャック14およびルツボ3を同方向または逆方向に回転させながらシードチャック14を引上げることによりシリコン単結晶Igを引き上げる。シリコン単結晶Igの引き上げ終了後(シリコン単結晶Igをシリコン融液4から切り離し後)、第1ヒータ5及び第2ヒータ10をすべてオフとしてシリコン単結晶Igを自然冷却した後、チャンバ1内からシリコン単結晶Igを取り出す。
このように、原料シリコンの溶融時から第1ヒータ5と共に、第2ヒータ10をオンとし、シリコン単結晶Igの引き上げ終了後まで継続することで、溶融中の原料シリコンから発生するSiOガスの引上装置内の所要部分(石英ルツボ3の上部3a1の内周面、輻射シールド7の外周部7a及び排気経路Ec内)へのSiOガスの凝縮を確実に抑制することができる。
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態に係るシリコン単結晶引上装置の要部構成の一例を示す概念図である。
本実施形態に係るシリコン単結晶引上装置100Aは、図6に示すように、第1保温部材30の第1ヒータ5の下方に、カーボンルツボ3bと第1ヒータ5との間を通過したガス(SiOガス及びキャリアガスG)を前記キャリアガス排出口45に導くための排気経路Esが更に設けられている点が異なる。その他は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
図6は、本発明の第2の実施形態に係るシリコン単結晶引上装置の要部構成の一例を示す概念図である。
本実施形態に係るシリコン単結晶引上装置100Aは、図6に示すように、第1保温部材30の第1ヒータ5の下方に、カーボンルツボ3bと第1ヒータ5との間を通過したガス(SiOガス及びキャリアガスG)を前記キャリアガス排出口45に導くための排気経路Esが更に設けられている点が異なる。その他は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
第1の実施形態では、前記キャリアガス排出口45は、排気経路Ecを通過したガスのみを排出するため、シリコン融液4から蒸発したSiOガスが、カーボンルツボ3bと第1ヒータ5との間を通過することがなく、カーボンルツボ3bや第1ヒータ5のSiC化を抑制できる。
しかしながら、キャリアガス供給口40から供給されるキャリアガスの流量が大きい場合には、カーボンルツボ3bと第1ヒータ5との間の入口部近傍でガスの対流が発生する場合がある。この対流が発生すると、カーボンルツボ3bや第1ヒータ5のカーボンが当該対流によりシリコン融液4に入り込む可能性があり、シリコン融液4の炭素濃度が増加してしまうため好ましくない。
また、当該対流によって、カーボンルツボ3bと第1ヒータ5との間の入口部に存在するパーテクル等がシリコン融液4に入り込む可能性もあり、これによって、シリコン単結晶の有転位化を引き起こす可能性がある。
そのため、第1保温部材30の第1ヒータ5の下方に、キャリアガス排出口45に導くための排気経路Esを新たに設けることで、カーボンルツボ3bと第1ヒータ5との間の入口部近傍におけるガスの対流を抑制することができる。
なお、この際、カーボンルツボ3bと第1ヒータ5との間にSiOガスが流れることになるが、この隙間の入口部は、前述した第2ヒータ10によって加熱されているため、従来よりもSiOガスの凝縮に伴うカーボンルツボ3b及び第1ヒータ5のSiC化を抑制することができる。
図7は、本発明の第2の実施形態に用いられる第1保温部材30の外観形状の一例を示す斜視図である。
前記排気経路Esは、例えば、図7に示すように、第1ヒータ5の下方に位置する第1保温部材30の下部に円周状に複数の貫通孔30bを設けることで形成することができる。
前記排気経路Esは、例えば、図7に示すように、第1ヒータ5の下方に位置する第1保温部材30の下部に円周状に複数の貫通孔30bを設けることで形成することができる。
(実施例1)
図1に示すシリコン単結晶引上装置100を用い、ポリシリコンを石英ルツボ3aに充填し、Arガスをチャンバ1の上方のキャリアガス供給口40から流量80L/minでチャンバ1内に流入させ、第1ヒータ5及び第2ヒータ10をオンして、石英ルツボ3aの上部3a1、輻射シールド7の外周部7a及び排気経路Ecの入口部を加熱し、ルツボ回転昇降機構20をオンしてルツボ回転軸22を回転させることでルツボ3を回転させながら、原料シリコンを溶融してシリコン融液4とした。
図1に示すシリコン単結晶引上装置100を用い、ポリシリコンを石英ルツボ3aに充填し、Arガスをチャンバ1の上方のキャリアガス供給口40から流量80L/minでチャンバ1内に流入させ、第1ヒータ5及び第2ヒータ10をオンして、石英ルツボ3aの上部3a1、輻射シールド7の外周部7a及び排気経路Ecの入口部を加熱し、ルツボ回転昇降機構20をオンしてルツボ回転軸22を回転させることでルツボ3を回転させながら、原料シリコンを溶融してシリコン融液4とした。
その後、第1ヒータ5及び第2ヒータ10の加熱を継続しつつ、ワイヤ回転昇降機構18を回転させながら引上用ワイヤ16を降下させ、シード12をシリコン融液4に浸漬させ、シードチャック14およびルツボ3を逆方向に回転させながらシードチャック14を引上げることにより、直径310mm、長さが1500mmの直胴部を有するシリコン単結晶Igを引上げた。その後、第1ヒータ5及び第2ヒータ10をすべてオフとしてシリコン単結晶Igを自然冷却した後、チャンバ1内からシリコン単結晶Igを取り出した。
この取り出したシリコン単結晶Igについて、DF率(%)を評価した。
この取り出したシリコン単結晶Igについて、DF率(%)を評価した。
DF率(%)は、引上げたシリコン単結晶Igのテール側からウェーハを切り出し、エッチングにより転位の有無を評価し、転位が確認された場合は、ヘッド側に遡り再サンプリングを行い、転位が確認されなくなった位置をDF長とし、無転位の直胴部の長さ÷全体の直胴部の長さ(1500mm)にて算出した。
また、上述した方法によって、カーボンルツボ3b及び第1ヒータ5を交換せずに、50回引上げを行った後、カーボンルツボ3b及び第1ヒータ5について、その表面がSiC化されているか否かについて、目視にて評価を行った。
(比較例1)
図1に示す第2ヒータ10を用いないで、その他は実施例1と同様な条件で、直径が310mm、長さが1500mmの直胴部を有するシリコン単結晶Igを引上げた。その後、実施例1と同様な方法でDF率(%)を評価した。
また、実施例1と同様に本条件にて、カーボンルツボ3b及び第1ヒータ5を交換せずに、50回引上げを行った後、カーボンルツボ3b及び第1ヒータ5について、その表面がSiC化されているか否かについて、目視にて評価を行った。
図1に示す第2ヒータ10を用いないで、その他は実施例1と同様な条件で、直径が310mm、長さが1500mmの直胴部を有するシリコン単結晶Igを引上げた。その後、実施例1と同様な方法でDF率(%)を評価した。
また、実施例1と同様に本条件にて、カーボンルツボ3b及び第1ヒータ5を交換せずに、50回引上げを行った後、カーボンルツボ3b及び第1ヒータ5について、その表面がSiC化されているか否かについて、目視にて評価を行った。
(比較例2)
キャリアガス供給口40からのアルゴンガス流量を130L/minとし、その他は実施例1と同様な条件で、直径が310mm、長さが1500mmの直胴部を有するシリコン単結晶Igを引上げた。その後、実施例1と同様な方法でDF率(%)を評価した。
また、実施例1と同様に本条件にて、カーボンルツボ3b及び第1ヒータ5を交換せずに、50回引上げを行った後、カーボンルツボ3b及び第1ヒータ5について、その表面がSiC化されているか否かについて、目視にて評価を行った。
キャリアガス供給口40からのアルゴンガス流量を130L/minとし、その他は実施例1と同様な条件で、直径が310mm、長さが1500mmの直胴部を有するシリコン単結晶Igを引上げた。その後、実施例1と同様な方法でDF率(%)を評価した。
また、実施例1と同様に本条件にて、カーボンルツボ3b及び第1ヒータ5を交換せずに、50回引上げを行った後、カーボンルツボ3b及び第1ヒータ5について、その表面がSiC化されているか否かについて、目視にて評価を行った。
(実施例2)
図6に示すシリコン単結晶引上装置100Aを用い、その他は比較例2と同様な条件で、直径が310mm、長さが1500mmの直胴部を有するシリコン単結晶Igを引上げた。その後、実施例1と同様な方法でDF率(%)を評価した。
また、実施例1と同様に本条件にて、カーボンルツボ3b及び第1ヒータ5を交換せずに、50回引上げを行った後、カーボンルツボ3b及び第1ヒータ5について、その表面がSiC化されているか否かについて、目視にて評価を行った。
図6に示すシリコン単結晶引上装置100Aを用い、その他は比較例2と同様な条件で、直径が310mm、長さが1500mmの直胴部を有するシリコン単結晶Igを引上げた。その後、実施例1と同様な方法でDF率(%)を評価した。
また、実施例1と同様に本条件にて、カーボンルツボ3b及び第1ヒータ5を交換せずに、50回引上げを行った後、カーボンルツボ3b及び第1ヒータ5について、その表面がSiC化されているか否かについて、目視にて評価を行った。
(比較例3)
図6に示す第2ヒータ10を用いないで、その他は実施例2と同様な条件で、直径が310mm、長さが1500mmの直胴部を有するシリコン単結晶Igを引上げた。その後、実施例1と同様な方法でDF率(%)を評価した。
また、実施例1と同様に本条件にて、カーボンルツボ3b及び第1ヒータ5を交換せずに、50回引上げを行った後、カーボンルツボ3b及び第1ヒータ5について、その表面がSiC化されているか否かについて、目視にて評価を行った。
図6に示す第2ヒータ10を用いないで、その他は実施例2と同様な条件で、直径が310mm、長さが1500mmの直胴部を有するシリコン単結晶Igを引上げた。その後、実施例1と同様な方法でDF率(%)を評価した。
また、実施例1と同様に本条件にて、カーボンルツボ3b及び第1ヒータ5を交換せずに、50回引上げを行った後、カーボンルツボ3b及び第1ヒータ5について、その表面がSiC化されているか否かについて、目視にて評価を行った。
以上の結果から示すように、実施例1ではDF率(%)が高く、また、カーボンルツボ3aや第1ヒータ5の表面のSiC化は確認されなかった。比較例1では、第2ヒータ10を用いていないためDF率(%)が大きく低下することが認められた。比較例2では、実施例1に比べて、キャリアガスの供給量を大きくしたため、DF率が若干低下することが認められた。
更に、実施例1及び比較例2について、引上げたシリコン単結晶Igの外周部の炭素濃度を赤外吸収法により測定したところ、比較例2のシリコン単結晶Igにおいては、実施例1の場合に比べて、1.5倍程度炭素濃度が高くなっていることが認められた。
実施例2では、実施例1と同様にDF率(%)が高いことが認められた。また、実施例2について、引上げたシリコン単結晶Igの外周部の炭素濃度を同様に赤外吸収法により測定したところ、実施例1と同レベルの炭素濃度を確認した。なお、実施例2においては、若干カーボンルツボ3aと第1ヒータ5の表面にSiC化が確認されたが、第2ヒータ10を用いない比較例3よりはSiC化が低減されることが認められた。
1 チャンバ
3 ルツボ
4 シリコン融液
5 第1ヒータ
7 輻射シールド
10 第2ヒータ
30 第1保温部材
32 第2保温部材
40 キャリアガス供給口
45 キャリアガス排出口
Ec 排気経路
Es 排気経路
3 ルツボ
4 シリコン融液
5 第1ヒータ
7 輻射シールド
10 第2ヒータ
30 第1保温部材
32 第2保温部材
40 キャリアガス供給口
45 キャリアガス排出口
Ec 排気経路
Es 排気経路
Claims (3)
- ルツボ内の原料シリコンを溶融してシリコン融液とし、チョクラルスキー法により前記シリコン融液からシリコン単結晶を引上げるシリコン単結晶引上装置であって、
前記ルツボの外周囲に設けられ、前記ルツボを加熱する第1ヒータと、
前記ルツボの上方に設けられ、前記シリコン単結晶への輻射熱を遮断する輻射シールドと、
前記第1ヒータより上方であり、かつ前記輻射シールドの外周囲に設けられ、前記ルツボの上部及び前記輻射シールドの外周部を加熱する第2ヒータと、
を備えることを特徴とするシリコン単結晶引上装置。 - 前記ルツボは、シリコン融液を保持する石英ルツボと、前記石英ルツボを収容するカーボンルツボとで構成され、
前記第1ヒータの外周囲に設けられた第1保温部材と、
前記第1保温部材の外周囲に設けられた第2保温部材と、
前記輻射シールドの上方に設けられ、前記輻射シールドの内周側、前記輻射シールドと前記シリコン融液との間及び前記第1保温部材と前記第2保温部材との間を連続して通過するキャリアガスが供給されるキャリアガス供給口と、
前記第1保温部材と前記第2保温部材との間で形成される排気経路の出口部に設けられ、前記排気経路を通過したガスのみを排出するキャリアガス排出口と、を備え、
前記第2ヒータは、前記排気経路の入口部に設けられ、前記排気経路を通過する前のガスを加熱することを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶引上装置。 - 前記第1保温部材の前記第1ヒータの下方には、前記カーボンルツボと前記第1ヒータとの間を通過したガスを前記キャリアガス排出口に導くための排気経路が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のシリコン単結晶引上装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009170976A JP2011026147A (ja) | 2009-07-22 | 2009-07-22 | シリコン単結晶引上装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009170976A JP2011026147A (ja) | 2009-07-22 | 2009-07-22 | シリコン単結晶引上装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011026147A true JP2011026147A (ja) | 2011-02-10 |
Family
ID=43635350
Family Applications (1)
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JP2009170976A Pending JP2011026147A (ja) | 2009-07-22 | 2009-07-22 | シリコン単結晶引上装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011026147A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016056026A (ja) * | 2014-09-05 | 2016-04-21 | グローバルウェーハズ・ジャパン株式会社 | シリコン単結晶製造方法及びシリコン単結晶 |
CN117305972A (zh) * | 2023-11-28 | 2023-12-29 | 内蒙古鼎泰万邦新材料有限公司 | 一种单晶炉 |
-
2009
- 2009-07-22 JP JP2009170976A patent/JP2011026147A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016056026A (ja) * | 2014-09-05 | 2016-04-21 | グローバルウェーハズ・ジャパン株式会社 | シリコン単結晶製造方法及びシリコン単結晶 |
CN117305972A (zh) * | 2023-11-28 | 2023-12-29 | 内蒙古鼎泰万邦新材料有限公司 | 一种单晶炉 |
CN117305972B (zh) * | 2023-11-28 | 2024-02-13 | 内蒙古鼎泰万邦新材料有限公司 | 一种单晶炉 |
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