JP2016056026A - シリコン単結晶製造方法及びシリコン単結晶 - Google Patents

シリコン単結晶製造方法及びシリコン単結晶 Download PDF

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Abstract

【課題】チャンバ内で発生したSiOの黒鉛ルツボ、ヒータへの接触を抑制すると共に、黒鉛ルツボ、ヒータから発生したCOの融液側に戻るバックディフュージョンを抑制したシリコン単結晶製造方法及びシリコン単結晶の提供。
【解決手段】原料溶融時からシリコン単結晶Cの引き上げ開始時まで、黒鉛ルツボ3bの上端位置が、ヒータ4の上端から上方に5〜95mmになるように制御され、かつ、原料溶融時からシリコン単結晶Cの引き上げ終了時まで、第1の排気流路X1における輻射シールド11下端と融液Mの表面との隙間の排気断面積S1が、内筒5と外筒8とによって形成される第3の排気流路X3の排気断面積S3未満となるように、ルツボ3位置が制御される。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコン単結晶製造方法及びシリコン単結晶に関し、特に、チョクラルスキー(Czochralski;以下、CZと略称する)法により製造されるシリコン単結晶製造方法及びシリコン単結晶に関する。
シリコン単結晶インゴットの製造方法には、CZ法とFZ(Floating Zone)法とがあり、FZ法により製造されたシリコン単結晶(以下、FZシリコン結晶と略称する)は酸素濃度が非常に低く、酸素析出核が成長しにくいことから、IGBT用シリコン基板には、従来、FZシリコン結晶が用いられていた。
一方、CZ法においては、原料を石英ルツボに充填するため、石英ルツボからの酸素の混入が非常に多く、FZシリコン結晶と同等レベルまで酸素濃度を低減させることは困難であり、キャリアの再結合中心となる酸素析出核の成長が促進されやすく、キャリアのライフタイムが短いことから、高耐圧向けのIGBT用シリコン基板には不向きであった。
しかしながら、シリコン単結晶中における酸素析出核の形成は、主に炭素不純物に起因しており、形成された酸素析出核の成長は、結晶中の酸素濃度の影響を受ける。したがって、CZシリコン結晶は、酸素濃度の低減には限界があることから、IGBT用とするためには、結晶中の炭素濃度を1.0×1014atoms/cm以下にまで低減し、酸素析出核の形成自体を抑制することが求められる。
結晶中の炭素濃度は、原料の炭素濃度を低減することにより、低減可能であると考えられるが、偏析の影響により、シリコン単結晶の引き上げの進行とともに炭素濃度が増加し、結晶全長で炭素濃度を1.0×1014atoms/cm以下に抑制することは難しく、このような低炭素濃度の原料を得るためには非常にコストがかかる。
一方、結晶中の炭素濃度は、炉内のヒータ、黒鉛ルツボ等の高温炭素部材から原料融液中に混入するCOの汚染速度(混入量)と、原料融液からのCOの蒸発速度(蒸発量)を制御することによって低減できることが知られている。なお、前記高温炭素部材からのCOの発生は、原料融液から蒸発するSiOのSiO(gas)+2C(solid)→CO(gas)+SiC(solid)の反応によるものである。
即ち、炉内のヒータ、黒鉛ルツボ等の高温炭素部材から原料融液中に混入するCOの混入量を極力を少なくする、一方、原料融液からのCOの蒸発量を極力多くすることによって、シリコン単結晶中の炭素濃度を低減することができる。
ところで、従来のCZ法を用いた半導体単結晶製造装置においては、シリコン単結晶中の炭素濃度の低減を目的としたものではないが、炉内で発生したSiO,COを炉外に排出する際に、SiOが黒鉛ルツボやヒータに接触し、黒鉛ルツボやヒータがSiC化するのを回避するために、特許文献1に記載するように内筒と外筒から構成された排気流路を設けた半導体単結晶製造装置、あるいは特許文献2に示すように排気管を設けた半導体単結晶製造装置が提案されている。
まず、特許文献1に示された半導体単結晶製造装置について、図8に基づいて説明する。図8に示すように、この半導体単結晶製造装置20は、シリコン単結晶の原料を溶融するルツボ21と、このルツボ21の周囲にあってルツボ内の原料を加熱するヒータ22と、ルツボ21の上方に設けられ、単結晶引き上げ領域を取り巻き、遮熱する輻射スクリーン23と、溶融した原料に種子結晶Pを浸漬して単結晶Cを引き上げる引き上げ機構(図示せず)とを備えている。
また、前記ヒータ22の外周面に近接して内筒24を設けると共に、前記ヒータ22を取り巻くように外筒25を配置し、チャンバ20aの上部から導入されたパージ用不活性ガスが、前記輻射スクリーン23から流入し、内筒24と外筒25との隙間を流下し、チャンバ20aの底部20bから排出するように構成されている。尚、前記外筒25の外周面には断熱筒26が配置されている。
しかしながら、特許文献1に記載された半導体単結晶製造装置20にあっては、ヒータ22で発生した熱は、内筒24で遮断され、外筒25の温度が著しく低くなるため、炉内で発生したSiOが外筒25に付着、凝縮し、内筒24、外筒25間の排気流路は、堆積によって目詰まりを起こすという弊害があった。
これを解決するものとして、特許文献2において半導体単結晶製造装置が提案されている。この特許文献2に示された半導体単結晶製造装置について、図9に基づいて説明する。図9に示すように、この半導体単結晶製造装置30には、前記ヒータ31の外側にあって、前記ヒータ31の周方向に沿って、複数の排気管32が設けられている。この排気管32は、ヒータ31の上端を覆うように形成された円環板状の排気管固定リング33に固定されている。
また、排気管固定リング33の外周は、外筒34に固着されており、排気管固定リング33の中央の孔には、ルツボ35が配置されている。このルツボ35は、黒鉛ルツボ35aと石英ルツボ35bから構成されている。
また、ルツボ35の上方に設けられ、単結晶引き上げ領域を取り巻き、遮熱する輻射スクリーン37と、前記輻射スクリーン37が内周部に取り付けられ、外周部が前記外筒34に取り付けられた蓋板38とを備えている。また、前記外筒34の外周面には、断熱材39が配置されている。
そして、単結晶の引上げの際には、チャンバ36の上部から不活性ガス(Arガス)がチャンバ36内に導入され、前記不活性ガスは、図9に矢印で示すように、単結晶Cの外周面に流下し、輻射スクリーン37の下端と融液Mとの隙間を通過する。その後、石英るつぼ35bの内面に沿って上昇し、蓋板38、排気管固定リング33、外筒34によって囲まれた空間Aに導入され、排気管32内を流下し、排気口32aを経て、チャンバ36の外へ排出される。
特開平7−223894号 特開2006−169010号
ところで、前記したように、シリコン単結晶中の炭素濃度を低減するためには、ヒータ、黒鉛ルツボ等の高温炭素部材から原料融液中に混入するCOの混入量を極力を少なくすることが必要であり、具体的には、炉内で発生したSiOと黒鉛ルツボ、ヒータとの接触を抑制すると共に、前記黒鉛ルツボ、ヒータから発生したCOがパージ用不活性ガスによる移流や拡散の影響によって、融液側に戻るバックディフュージョンを抑制する必要がある。
これに対して、前記した特許文献1、2記載の装置は、炉内で発生したSiO,COを炉外に排出する際に、SiOが黒鉛ルツボやヒータに接触し、黒鉛ルツボやヒータがSiC化するのを回避するためになされたものであり、黒鉛ルツボやヒータから発生するCOが不活性ガスによる移流や拡散の影響により融液側に戻るバックディフュージョンの抑制については、考慮されていなかった。
特に、特許文献1記載の装置にあっては、炉内で発生したSiOが外筒に付着、凝縮し、内筒と外筒間の排気流路が堆積によって目詰まりを起こすという弊害があり、低炭素のシリコン単結晶製造装置には適さないという技術的課題があった。
また、特許文献2記載の装置にあっては、炉内で発生したSiO,COは蓋板、排気管固定リング、外筒によって囲まれた空間に導入され、空間に比べてコンダクタンスの小さな排気管内を流下するように構成されている。そのため、炉内で発生したSiO,COは、蓋板、排気管固定リング、外筒によって囲まれた空間内に滞留し,融液側に戻るバックディフュージョンを抑制することができず、低炭素のシリコン単結晶製造には適さないという技術的課題があった。
本発明者らは、結晶中の炭素濃度を低減するために、炉内のヒータ、黒鉛ルツボから原料融液中に混入するCOを制御する点に着目した。
具体的には、炉内で発生したSiOとヒータ、黒鉛ルツボとの接触を抑制し、ヒータ、黒鉛ルツボから発生するCOを低減すること、及びヒータ、黒鉛ルツボから発生したCOが融液側に戻るバックディフュージョンを抑制することに着目して、鋭意研究した。
この研究に際し、特許文献2記載の装置のように、蓋板、排気管固定リング、外筒によって囲まれた空間から排気管を用いて排気するのは、炉内で発生したSiO,COが前記空間内に滞留し,融液側に戻るバックディフュージョンを抑制することが困難であるため、特許文献1記載の装置のような、内筒と外筒間の排気流路から排気する装置を前提に、最適なシリコン単結晶製造法を研究した。
そして、原料溶融時から単結晶引き上げ時まで、一の特定の排気流路の排気断面積を特定の範囲になし、かつ原料溶融時からシリコン単結晶の引き上げ終了時まで、他の特定の排気流路の排気断面積を特定の範囲になすことにより、チャンバ内で発生したSiOの黒鉛ルツボ、ヒータへの接触を抑制でき、また黒鉛ルツボ、ヒータから発生したCOが原料融液中に混入するCOの混入量を抑制できることを知見し、本発明を想到したものである。
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、チャンバ内で発生したSiOの黒鉛ルツボ、ヒータへの接触を抑制すると共に、前記黒鉛ルツボ、ヒータから発生したCOの融液側に戻るバックディフュージョンを抑制したシリコン単結晶製造方法及びシリコン単結晶を提供することを目的とする。
上記技術的課題を解決するためになされ本発明にかかるシリコン単結晶製造方法は、不活性ガスを供給する供給口を備えた円筒形状のチャンバと、前記チャンバ内に設けられた、内側が石英ガラスルツボ、外側が黒鉛ルツボで構成されたルツボと、前記ルツボの高さを昇降する昇降部と、前記昇降部を制御する制御部と、前記ルツボに装填された原料シリコンを溶融するカーボンヒータと、前記カーボンヒータの外周囲に設けられた内筒と、前記内筒の外周囲に設けられた外筒と、前記内筒の上端部に内方に延設された第1の保温板と、前記外筒の上端部に内方に延設された第2の保温板と、前記ルツボの上方且つ近傍に設けられた、シリコン単結晶の周囲を包囲するよう上部と下部に開口が形成された輻射シールドと、前記輻射シールドとルツボの内周面によって形成される第1の排気流路と、第1の保温板と第2の保温板に形成される第2の排気流路と、内筒と外筒とによって形成される第3の排気流路から構成される排気流路とを備えたシリコン単結晶の製造装置を用いたシリコン単結晶製造方法であって、原料溶融時からシリコン単結晶の引き上げ開始時まで、黒鉛ルツボの上端位置が、前記ヒータの上端から上方に5mm以上、95mm以下になるように制御され、かつ、原料溶融完了時からシリコン単結晶の引き上げ終了時まで、前記第1の排気流路における輻射シールド下端と融液の表面との隙間の排気断面積が、内筒と外筒とによって形成される第3の排気流路の排気断面積未満となるように、ルツボ位置が制御されることを特徴としている。
このように、原料溶融時からシリコン単結晶の引き上げ開始時まで、黒鉛ルツボの上端位置が、前記ヒータの上端から上方に5mm以上、95mm以下になるように制御される。即ち、前記ルツボの上端部が不活性ガスの流れに対して遮蔽機能を有し、チャンバ内で発生したSiOの黒鉛ルツボ、ヒータへの接触が抑制され、COの発生が抑止される。また、前記ルツボの上端部の遮蔽機能によって、前記黒鉛ルツボ、ヒータから発生したCOの融液側に戻るバックディフュージョンを抑制することができる。
また、原料溶融完了時からシリコン単結晶の引き上げ終了時まで、前記第1の排気流路における輻射シールド下端と融液の表面との隙間の排気断面積が、内筒と外筒とによって形成される第3の排気流路の排気断面積未満となるように、ルツボ位置が制御される。
輻射シールド下端と融液の表面との隙間の排気断面積を小さくすることにより、融液の表面の流速を大きくでき、融液からのCOの蒸発量を大きくすることができる。また、内筒と外筒とによって形成される第3の排気流路の排気断面積を大きくすることにより、第3の排気流路のコンダクタンスを大きくすることができ、円滑な排気の流れを実現でき、目詰まりも抑制することができる。
このように、原料溶融完了時からシリコン単結晶の引き上げ終了時まで、輻射シールド下端と融液の表面との隙間の排気断面積が、第3の排気流路の排気断面積未満となるように、ルツボ位置を制御することによって、融液からのCOの蒸発量を大きくでき、また前記黒鉛ルツボ、ヒータから発生したCOのバックディフュージョンを抑制することができる。その結果、低炭素濃度のシリコン単結晶を製造することができる。
ここで、前記シリコン単結晶の引き上げ開始からシリコン単結晶の引き上げ終了時まで、前記輻射シールドと黒鉛ルツボ上端に形成される流路のうち断面積が最も小さい断面積が、輻射シールド下端と融液の表面との隙間の排気断面積以上の面積になるように、黒鉛ルツボの上端位置が制御されることが望ましい。
輻射シールド11と黒鉛ルツボ上端の流路の排気断面積が、第1の排気流路の入り口の断面積未満の場合には、輻射シールドと黒鉛ルツボ上端の流路のコンダクタンスが小さくなり、排気抵抗が大きくなる。その結果、不活性ガスによる移流や拡散の影響を受け、前記黒鉛ルツボ、ヒータから発生したCOの融液側に戻るバックディフュージョンを抑制することができないという弊害が生じるため、好ましくない。
また、前記第1の保温板と第2の保温板によって形成される第2の排気流路の排気断面積が、内筒と外筒とによって形成される第3の排気流路の排気断面積よりも大きく形成されていることが望ましい。
このように、第2の排気流路の排気断面積が、第3の排気流路の排気断面積よりも大きく形成されているため、SiO,COを円滑に排気することができる。また、輻射シールドや第2の保温板へのSiOの付着を防止することができ、その結果として結晶の有転位化を抑制することができる。
また、前記外筒の外周囲に断熱材が設けられ、更に前記内筒は二重筒に形成され、その内部には断熱材が設けられていることが望ましい。
このように、前記外筒の外周囲に断熱材が設けられ、更に前記内筒は二重筒に形成され、その内部には断熱材が設けられているため、ヒータの電力を低減することができる。
一方、前記内筒の断熱材によって放熱を緩和するものであるが、内筒と外筒の断熱材の肉厚を調整することで、第3の排気流路内の温度を所定温度以上に維持することができ、SiOによる目詰まりを抑制することができる。
また、前記シリコン単結晶製造方法によってシリコン単結晶を製造することにより、低炭素濃度のシリコン単結晶を得ることができる。
本発明によれば、チャンバ内で発生したSiOの黒鉛ルツボ、ヒータへの接触を抑制すると共に、前記黒鉛ルツボ、ヒータから発生したCOの融液側に戻るバックディフュージョンを抑制したシリコン単結晶製造方法を得ることができる。また前記シリコン単結晶製造方法によって、低炭素濃度のシリコン単結晶を得ることができる。
図1は、本発明を実施するシリコン単結晶の製造装置の概略断面図である。 図2は、図1に示すシリコン単結晶の製造装置のI−I断面図である。 図3は、図1に示すシリコン単結晶の製造装置の要部断面図である。 図4は、図1に示すシリコン単結晶の製造装置の要部断面図である。 図5は、実施例1,2,3にかかるシリコン単結晶の炭素濃度を示すグラフである。 図6は、実施例2,4,5,6にかかるシリコン単結晶の炭素濃度を示すグラフである。 図7は、比較例1,3,4にかかるシリコン単結晶の炭素濃度を示すグラフである。 図8は、従来のシリコン単結晶の製造装置の概略断面図である。 図9は、従来の他のシリコン単結晶の製造装置を示す図であって、(a)は概略断面図、(b)は(a)のII−II断面図である。
以下、本発明に用いられるシリコン単結晶の製造装置について図1乃至図4に基づいて説明する。
この製造装置1は、円筒形状のチャンバ(炉体)2と、チャンバ2内に設けられたルツボ3と、ルツボ3に装填された原料シリコンを溶融するカーボンヒータ4とを有している。尚、ルツボ3は、内側が石英ガラスルツボ3a、外側が黒鉛ルツボ3bで構成されている。また、製造装置1は、原料融液には、横磁場を印加するMCZ法(Magnetic field applied CZ法)を用いた製造装置である。図中、横磁場を印加する手段については、公知のものが用いられるため、省略している。
また、チャンバ2内において、カーボンヒータ4の外周囲には内筒5が設けられている。この内筒5は円筒状に形成され、その上端部に内方に延設された第1の保温板6が設けられている。また、前記内筒5は二重筒に形成され、その内部には断熱材7が設けられている。
また、前記内筒5及び前記第1の保温板6は、前記カーボンヒータ4の外周面及び上面を覆うように配置されている。このように、カーボンヒータ4の外周面及び上面が覆われるため、チャンバ2内で発生したSiO,COを炉外に排出する際に、SiOのヒータ4への接触が抑制される。
また、チャンバ2内において、内筒5の外周囲には外筒8が設けられている。前記外筒8は円筒状に形成され、その上端部に内方に延設された第2の保温板9が設けられている。前記第1の保温板6と第2の保温板9との間に第2の排気流路X2が形成され、内筒5と外筒8との間に第3の排気流路X3が形成される。前記外筒8の外周囲には断熱材10が設けられている。
前記断熱材7は内筒5からの放熱を緩和するものであり、前記断熱材10は外筒8からの放熱を緩和するものであり、前記第3の排気流路X3を所定の温度に維持することができ、カーボンヒータ4の出力の低減を図ることができる。
尚、前記断熱材7の肉厚(径方向の厚さ寸法)を厚くすると、前記内筒5と前記外筒8との間に形成される第3の排気流路X3の温度が低下する虞があるため、断熱材10の肉厚(径方向の厚さ寸法)に比べて、薄く形成される。この断熱材7、10の肉厚は、第3の排気流路X3の温度が1300K以上を維持することができるような厚さに設定するのが、望ましい。前記第3の排気流路X3内の温度が1300K以上を維持することにより、SiOによる目詰まりを抑制することができる。
また、前記第2の保温板9の内周端には、育成中の単結晶Cにカーボンヒータ4等からの余計な輻射熱を与えないようにするための輻射シールド11が設けられている。
前記輻射シールド11は、ルツボ3の上方且つ近傍には、単結晶Cの周囲を包囲するよう上部と下部が開口形成され、上部から下部に行くにしたがって、開口の面積が徐々に小さくなるようにテーパ面が形成されている。
この輻射シールド11が設けられることにより、上方からルツボ3内に供給されたパージ用不活性ガス(Arガス)Gは、輻射シールド11と融液Mとの隙間(第1の排気流路X1)を通って、図1に矢印で示す流路に沿って流れ、ルツボ外に排気されるようになされている。
尚、図示しないが、チャンバ2の上方には、単結晶Cを引上げる引上げ機構が設けられている。この引上げ機構は、モータ駆動される巻取り機構と、この巻取り機構に巻き上げられる引上げワイヤ12とにより構成される。そして、ワイヤ12の先端に種結晶Pが取り付けられ、単結晶Cを育成しながら引上げるようになされている。また、シリコン単結晶の製造装置1は、ルツボ3を回転させるモータと、ルツボ3の高さを制御する昇降装置と、前記モータ、前記昇降装置を制御する制御装置を備え、ルツボ3を回転させると共に、ルツボ3の高さを上昇させながら、単結晶Cを育成するように構成されている。
また、チャンバ2の上部にはガス供給口2aが設けられ、不活性ガスであるArガスがチャンバ2内に供給されるように構成されている。また、チャンバ2の底面には、複数の排気口2bが設けられ、この排気口2bには排気手段としての排気ポンプ(図示せず)が接続されている。
したがって、ガス供給口2aからチャンバ2内に供給されたArガスGは、排気ポンプによって、前記第1の排気流路X1、前記第2の排気流路X2、前記第3の排気流路X3を通って、外部に排出される。
次に、第1の排気流路X1、前記第2の排気流路X2、前記第3の排気流路X3によって構成される排気流路について詳述する。
図1に示すように、第1の排気流路X1の入口にあたる、輻射シールド11下端と融液Mの表面との隙間(入口部)X1aは、ルツボ3の全周囲に形成されている。このように、前記入口部)X1aは、ルツボ3の全周に形成されているため、融液Mの表面から蒸発したCOを炉内に滞留させることなく排気することができる。
また、輻射シールド11下端と融液Mの表面との隙間(入口部)X1aの断面積(ガスの流れに直交する排気断面積)をS1とした場合、排気断面積S1が小さいほど、ルツボ3の外径方向へのArガスGの流速が速くなり、融液Mの表面からのCOの蒸発量を増大させることができると共に、黒鉛ルツボ3b、カーボンヒータ4から発生したCOがArガスによる移流や拡散の影響によって、融液M側に戻るバックディフュージョンを抑制することができる。
一方、排気断面積S1が小さ過ぎると、融液表面に揺れが生じ、また融液表面と輻射シールド11とが接触する虞があるため、好ましくない。
一般的に、シリコン単結晶製造装置にあっては、チャンバ2内圧が、10torr以上100torr以下とされ、チャンバ2内に導入されるArガスの流量が、50L/min以上150L/min以下とされるため、前記排気断面積S1は、2πr×Gapmm以上に形成されるのが望ましい。ここで、r=C×1.15、Gap:輻射シールド下端から融液までの高さ、r:輻射シールド開口径、C:シリコン単結晶径
また、第1の保温板6と第2の保温板9によって形成される第2の排気流路X2の断面積S2とし、内筒5と外筒8とによって形成される排気流路X3の断面積S3とし、石英ルツボ3bの内径をDとした場合に、1<S3/S1<D/30、S3<S2の関係を有するように構成されている。
尚、S1は、輻射シールド11下端と融液M表面とで形成される第1の排気流路X1の入り口X1aの断面積であるため、原料の溶融完了時から単結晶引き上げ終了まで、ルツボの上昇を制御することによって変化する。一方、S2、S3、Dは、製造装置において予め設定された値である。
第3の排気流路X3の排気断面積S3が第1の排気流路X1の排気断面積S1より小さい場合には、第3の排気流路X3の排気抵抗が大きくなり、チャンバ2内で発生したSiO,COが第2の排気流路X2内に滞留し,融液M側に戻るバックディフュージョンを起こす虞があるため、好ましくない。
また、排気流路X3の排気断面積S3が小さくなるため、目詰まりが生じる虞がある。そのため、1<S3/S1であることが好ましい。
尚、S3/S1がD/30を超える場合には、外筒8の外周面に配置される断熱材10の肉厚が薄くなり、放熱効果が大きく、チャンバ2内で発生したSiOが外筒8に付着、凝縮し、排気流路X3が目詰まりを起こす虞があり、好ましくない。
したがって、原材料を溶融する工程から単結晶Cを育成しながら引上げが終了するまで、輻射シールド11下端と溶融液面とで形成される排気断面積S1が、排気断面積S3よりも小さい状態を維持しつつ、シリコン単結晶の引き上げがなされるように、ルツボの上昇が制御される。
また、第1の保温板6と第2の保温板9によって形成される第2の排気流路X2の排気断面積S2(ガスの流れに直交する、第1の保温板6の内周端部と第2の保温板9との間の断面積)は、第3の排気流路X3の排気断面積S3よりも大きく形成され、S3<S2の関係を有するように構成されている。
このとき、前記排気断面積S2が排気断面積S3よりも小さい場合には、第2の排気流路X2が第3の排気流路X3よりも早期に目詰まりする虞があり、好ましくない。
また、第2の保温板9にSiOが付着するため、好ましくない。
また、図3に示すように、原料溶融時から引き上げ開始時までは、黒鉛ルツボ3bの上端と前記カーボンヒータ4の上端との距離寸法Y1が5mm以上、95mm以下になるように制御される(配置される)。
黒鉛ルツボ3bの上端と前記ヒータ4の上端との距離寸法Y1が5mm未満(カーボンヒータ4の上端と黒鉛ルツボ3bの上端が同一の高さ位置、あるいはカーボンヒータ4の上端より黒鉛ルツボ3bの上端が低い場合)の場合には、ルツボの上端部の遮蔽機能が低減する、もしくは、前記カーボンヒータ4が第2の排気流路X2内に露出する。
そのため、カーボンヒータ4からのCOが第2の排気流路X2内に拡散し、ヒータ4から原料融液中に混入するCOの混入量が増大する虞があるため、好ましくない。
また、黒鉛ルツボ3bの上端と前記ヒータ4の上端との距離寸法Y1が95mm超の場合には、石英ルツボ3aの上端が低温化し、原料融液から蒸発したSiOが付着し、歩留まり悪化の原因となるため、好ましくない。
なお、黒鉛ルツボ3bの上端は、第1の保温板6の上端よりも高くなるように制御される(配置される)ことが、より好ましい。
また、ヒータ4の上端から第1の保温板6の上端の高さは、20mm以上30mm以下であることが好ましい。20mm未満ではヒータ4と第1の保温板6との間にスパークが生じる虞があり、30mm超えではヒータ4と内筒5との間にガスが流れ込む虞があるため、好ましくない。
更に、シリコン単結晶の引き上げ開始からシリコン単結晶の引き上げ終了時まで、輻射シールド11と黒鉛ルツボ上端の流路の排気断面積(輻射シールド11と黒鉛ルツボ上端に形成される流路のうち断面積が最も小さい断面積)S1bが、排気流路X1の入り口X1aの断面積S1よりも大きくなるように、ルツボの高さ(ルツボの上昇)が制御される。 即ち、S1≦S1bの関係を保つように、ルツボの高さ(ルツボの上昇)が制御される。
ここで、輻射シールド11と黒鉛ルツボ上端の流路の排気断面積S1bが、排気流路X1の入り口X1aの断面積S1よりも小さい場合には、輻射シールド11と黒鉛ルツボ上端の流路のコンダクタンスが小さくなり、排気抵抗が大きくなるため、バックディフュージョンが生じる虞があり、好ましくない。
また、シリコン単結晶の引き上げ開始からシリコン単結晶の引き上げ終了時まで、S1≦S1bの関係を保つように、ルツボの高さが制御され、黒鉛ルツボ3bの上端は、前記カーボンヒータ4の上端との距離寸法Y1が5mm以上の位置に配置される。
この黒鉛ルツボの上端(ルツボの上部)は遮蔽板として機能するため、チャンバ内で発生したSiOの黒鉛ルツボ、ヒータへの接触が抑制され、COの発生が抑止される。
また、黒鉛ルツボの上端(ルツボの上部)が、不活性ガスによる移流や拡散の影響を抑制するため、前記黒鉛ルツボ、ヒータから発生したCOの融液側に戻るバックディフュージョンを抑制することができる。
また、図4に示すように、カーボンヒータ4内径Z1、第1の保温板6の内径Z2、ルツボ3(黒鉛ルツボ3b)の外径Z3が、Z3+0.02×Z3≦Z2≦Z1の関係を有している。
カーボンヒータ4内径Z1が、第1の保温板6の内径Z2より小さく形成されている場合には、チャンバ2内で発生したSiOがカーボンヒータ4側に流れ込み、カーボンヒータ4からCOが発生するため好ましくない。
また、第1の保温板6の内径Z2が、Z3+0.02×Z3未満である場合には、引き上げ完了後に、黒鉛ルツボ3bが開いた際にカーボンヒータ4と接触し、破損する虞があるため、好ましくない。
更に、第1の保温板6の内径Z2と、ルツボ3(黒鉛ルツボ3b)の外径Z3との差が、20mm以下であることが好ましい。このZ2とZ3の差が20mmを越えると、チャンバ2内で発生したSiOがカーボンヒータ4側に流れ込み、カーボンヒータ4からCOが発生するため好ましくない。
続いて、このような単結晶引上装置1を用いた単結晶Cの製造方法について説明する。
原料シリコンの溶融工程においては、最初にルツボ3に原料シリコンが装填されると共に、排気ポンプを駆動し、チャンバ2内にArガスGの第1の排気流路X1、第2の排気流路X2、第3の排気流路X3を形成する。一方、ヒータ制御部を作動させてカーボンヒータ4を加熱し、ルツボ3の原料シリコンの溶融作業を開始する。
この原料溶融時から引き上げ開始時までは、黒鉛ルツボ3bの上端と前記ヒータ4の上端との距離寸法Y1が5mmを以上、95mm以下になるように、ルツボの高さ位置が、昇降部を制御する制御部によって制御される。
そして、シリコン融液Mが生成されると、単結晶引上げ作業が開始される。引き上げ開始後から引き上げ終了まで、輻射シールド11下端と融液Mの液面との隙間(入口部)X1aの排気断面積(ガスの流れに直交する排気断面積)S1が、内筒5と外筒8とによって形成される排気流路X3の排気断面積S3未満となるように、ルツボ高さ位置が制御される。
尚、排気断面積S1は、S1=2πr×Gap mm以上になるようにルツボ高さ位置が制御される。また、単結晶引上げ作業が開始された後は、ルツボの上昇に伴い、黒鉛ルツボ3bの上端と前記ヒータ4の上端との距離寸法Y1は100mm以上になされる。
また、原料溶融完了時から引き上げ開始終了までは、前記したように、輻射シールド11と黒鉛ルツボ上端の流路の排気断面積S1bが、排気流路X1の入り口X1aの断面積S1よりも大きくなるように、ルツボの高さが制御される。
以上のように本発明に係る実施の形態によれば、原料溶融時から引き上げ開始時までは、黒鉛ルツボ3bの上端と前記ヒータ4の上端との距離寸法Y1が5mm以上、95mm以下になるように、ルツボの高さ位置が制御されるため、チャンバ内で発生したSiOの黒鉛ルツボ、ヒータへの接触が抑制され、COの発生が抑止される。また、不活性ガスによる移流や拡散の影響を抑制でき、前記黒鉛ルツボ、ヒータから発生したCOの融液側に戻るバックディフュージョンを抑制することができる。
また、原料溶融時からシリコン単結晶の引き上げ終了時まで、前記第1の排気流路における輻射シールド下端と融液の表面との隙間の排気断面積が、内筒と外筒とによって形成される第3の排気流路の排気断面積未満となるように、ルツボ位置が制御されるため、円滑な排気の流れを実現でき、目詰まりも抑制することができる。即ち、不活性ガスによる移流や拡散の影響を抑制でき、前記黒鉛ルツボ、カーボンヒータから発生したCOの融液側に戻るバックディフュージョンを抑制することができる。
したがって、本発明にかかるシリコン単結晶製造方法によれば、炭素濃度が低く高品質のシリコン単結晶を安定して得ることができる。
本発明に係る単結晶引上装置及び単結晶の製造方法について、実施例に基づきさらに説明する。本実施例では、前記実施の形態に示した構成の単結晶引上装置を用い、実際に実験を行うことにより、その効果を検証した。
(実施例1)
原料溶融時からシリコン単結晶の引き上げ開始時まで、黒鉛ルツボの上端位置が、前記ヒータの上端から上方に5mmになるように制御され、その際、チャンバの内圧は、15torr、チャンバ内に導入されるArガスの流量は、140L/minとし、かつ、原料溶融時からシリコン単結晶の引き上げ終了時まで、前記第1の排気流路における輻射シールド下端と融液の表面との隙間の排気断面積S1が、内筒と外筒とによって形成される 第3の排気流路の排気断面積S3未満となるように、ルツボ位置を制御した。
また、シリコン単結晶の引き上げ開始時からシリコン単結晶の引き上げ終了時まで、輻射シールドと黒鉛ルツボ上端に形成される流路のうち断面積が最も小さい断面積S1bが、輻射シールド下端と融液の表面との隙間の排気断面積S1以上の面積になるように、黒鉛ルツボの上端位置を制御した。実験の条件を表1に示す。尚、表1に示した条件以外の単結晶の引上げ条件は一般的になされている条件とし、実施例2〜実施例6、比較例1〜比較例4においても同一条件とした。
そして、得られたシリコン単結晶の炭素濃度を測定した。炭素濃度測定においては、フォトルミネッセンス(PL)法を用いた(S. Nakagawa, K. Kashima, M. Tajima, Proceedings of the Forum on the Science and Technology of Silicon Materials 2010 (2010) 326 参照)。その結果を図5に示す。
(実施例2)
原料溶融時からシリコン単結晶の引き上げ開始時まで、黒鉛ルツボの上端位置を、前記ヒータの上端から上方に50mmになるように制御する以外は、表1に示すように実施例1と同じ条件で、実験を行った。そして、得られたシリコン単結晶の炭素濃度を測定した。その結果を図5に示す。
(実施例3)
原料溶融時からシリコン単結晶の引き上げ開始時まで、黒鉛ルツボの上端位置を、前記ヒータの上端から上方に95mmになるように制御する以外は、表1に示すように実施例1と同じ条件で実験を行った。そして、得られたシリコン単結晶の炭素濃度を測定した。その結果を図5に示す。
(実施例4)
原料溶融時からシリコン単結晶の引き上げ開始時まで、チャンバ内に導入されるArガスの流量を100L/minになるように制御する以外は、表1に示すように実施例2と同じ条件で実験を行った。そして、得られたシリコン単結晶の炭素濃度を測定した。その結果を図6に示す。
(実施例5)
原料溶融時からシリコン単結晶の引き上げ開始時まで、チャンバ内に導入されるArガスの流量を、55L/minになるように制御する以外は、表1に示すように実施例2と同じ条件で実験を行った。そして、得られたシリコン単結晶の炭素濃度を測定した。その結果を図6示す。
(実施例6)
原料溶融時からシリコン単結晶の引き上げ開始時まで、チャンバの内圧を、95torrに制御する以外は、表1に示すように実施例2と同じ条件で実験を行った。そして、得られたシリコン単結晶の炭素濃度を測定した。その結果を図6に示す。
(比較例1)
原料溶融時からシリコン単結晶の引き上げ開始時まで、黒鉛ルツボの上端位置を、前記ヒータの上端から下方に5mmになるように制御する以外は、表1に示すように実施例1と同じ条件で実験を行った。そして、得られたシリコン単結晶の炭素濃度を測定した。その結果を図7に示す。
(比較例2)
原料溶融時からシリコン単結晶の引き上げ開始時まで、黒鉛ルツボの上端位置を、前記ヒータの上端から上方に105mmになるように制御する以外は、表1に示すように実施例1と同じ条件で実験を行った。また、比較例2では、石英ルツボの上端が低温化し、原料融液から蒸発したSiOが付着し、歩留まり悪化したため、炭素濃度の測定を行うことができなかった。
(比較例3)
原料溶融時からシリコン単結晶の引き上げ終了時まで、前記第1の排気流路における輻射シールド下端と融液の表面との隙間の排気断面積S1が、内筒と外筒とによって形成される第3の排気流路の排気断面積S3以上となるように、ルツボ位置を制御する以外は、表1に示すように実施例1と同じ条件で実験を行った。そして、得られたシリコン単結晶の炭素濃度を測定した。その結果を図7に示す。
(比較例4)
原料溶融時からシリコン単結晶の引き上げ開始時まで、黒鉛ルツボの上端位置を、前記ヒータの上端から上方に95mmになるように制御し、かつ、原料溶融時からシリコン単結晶の引き上げ終了時まで、前記第1の排気流路における輻射シールド下端と融液の表面との隙間の排気断面積S1が、内筒と外筒とによって形成される第3の排気流路の排気断面積S3以上となるように、ルツボ位置を制御する以外は、表1に示すように実施例1と同じ条件で実験を行った。そして、得られたシリコン単結晶の炭素濃度を測定した。その結果を図7に示す。
Figure 2016056026
実施例1〜3で得られた結晶は、図5に示すように、いずれも固化率90%までの結晶直胴部において、炭素濃度が1.0×1014atoms/cm以下の低炭素濃度のシリコン単結晶が得られた。尚、いずれの結晶においても、固化率10%における炭素濃度が低く、固化率10%以降で炭素濃度の僅かな減少がみられた。これは、原料の溶融時および引き上げ時において、COの発生が抑制されただけでなく、融液からCOが蒸発し、その蒸発したCOを円滑に炉外に排出できたためだと考えられる。
また、図6に示すように、実施例4〜6において得られた結晶は、いずれも固化率90%までの結晶直胴部において、炭素濃度が1.0×1014atoms/cm以下の低炭素濃度のシリコン単結晶が得られた。
一方、図7に示すように、比較例1、3、4では、固化率90%までの結晶直胴部において、炭素濃度が1.0×1014atoms/cmを超え、目的とする低炭素濃度のシリコン単結晶が得られなかった。また比較例2では、石英ルツボの上端が低温化し、原料融液から蒸発したSiOが付着し、歩留まり悪化するものであった。
1 シリコン単結晶製造装置
2 チャンバ
3 ルツボ
3a 石英ルツボ
3b 黒鉛ルツボ
4 カーボンヒータ
5 内筒
6 第1の保温板
7 断熱材
8 外筒
9 第2の保温板
10 断熱材
11 輻射シールド
C シリコン単結晶
P 種結晶
X1 第1の排気流路
X2 第2の排気流路
X3 第3の排気流路
Figure 2016056026

Claims (5)

  1. 不活性ガスを供給する供給口を備えた円筒形状のチャンバと、
    前記チャンバ内に設けられた、内側が石英ガラスルツボ、外側が黒鉛ルツボで構成されたルツボと、
    前記ルツボの高さを昇降する昇降部と、
    前記昇降部を制御する制御部と、
    前記ルツボに装填された原料シリコンを溶融するカーボンヒータと、
    前記カーボンヒータの外周囲に設けられた内筒と、
    前記内筒の外周囲に設けられた外筒と、
    前記内筒の上端部に内方に延設された第1の保温板と、
    前記外筒の上端部に内方に延設された第2の保温板と、
    前記ルツボの上方且つ近傍に設けられた、シリコン単結晶の周囲を包囲するよう上部と下部に開口が形成された輻射シールドと、
    前記輻射シールドとルツボの内周面によって形成される第1の排気流路と、第1の保温板と第2の保温板に形成される第2の排気流路と、内筒と外筒とによって形成される第3の排気流路から構成される排気流路とを備えたシリコン単結晶の製造装置を用いたシリコン単結晶製造方法であって、
    原料溶融時からシリコン単結晶の引き上げ開始時まで、黒鉛ルツボの上端位置が、前記ヒータの上端から上方に5mm以上、95mm以下になるように制御され、
    かつ、原料溶融完了時からシリコン単結晶の引き上げ終了時まで、前記第1の排気流路における輻射シールド下端と融液の表面との隙間の排気断面積が、内筒と外筒とによって形成される第3の排気流路の排気断面積未満となるように、ルツボ位置が制御されることを特徴とするシリコン単結晶製造方法。
  2. 前記シリコン単結晶の引き上げ開始からシリコン単結晶の引き上げ終了時まで、
    前記輻射シールドと黒鉛ルツボ上端に形成される流路のうち断面積が最も小さい断面積が、輻射シールド下端と融液の表面との隙間の排気断面積以上の面積になるように、黒鉛ルツボの上端位置が制御されることを特徴とするシリコン単結晶製造方法。
  3. 前記第1の保温板と第2の保温板によって形成される第2の排気流路の排気断面積が、内筒と外筒とによって形成される第3の排気流路の排気断面積よりも大きく形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたシリコン単結晶製造方法。
  4. 前記外筒の外周囲に断熱材が設けられ、
    更に前記内筒は二重筒に形成され、その内部には断熱材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載されたシリコン単結晶製造方法。
  5. 前記請求項1乃至請求項4のいずれかのシリコン単結晶製造方法によって製造されたことを特徴とするシリコン単結晶。
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