JP2013181095A - 粘着組成物および粘着組成物の製造方法 - Google Patents

粘着組成物および粘着組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】適切な粘着力および抗張力を備え、強靭な粘着組成物を提供する。
【解決手段】アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を複数有するウレタンプレポリマーと、チオール基を1個有するモノチオールと、チオール基を複数有するポリチオールとを光重合反応させることにより、粘着組成物を得る。上記ウレタンプレポリマーに、ポリチオールだけでなく、モノチオールも光重合反応させることで、適切な粘着力の粘着組成物を得ることが可能となる。また、上記ウレタンプレポリマーが採用されることで、抗張力が高く、強靭な粘着組成物を得ることが可能となる。さらに言えば、光重合反応により粘着組成物を製造できるため、熱等を加えるための工程が必要無く、溶剤等も必要無い。これにより、設備投資の抑制,省スペース化を図るとともに、人体への有害性,環境汚染等に対しても非常に有利となる。
【選択図】なし

Description

本発明は、アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を有する化合物と、チオール基を有する化合物とのエンチオール反応により得られる粘着組成物および粘着組成物の製造方法に関する。
近年、スマートフォン,パソコン等の画像表示装置において、液晶ディスプレイ,プラズマディスプレイ,EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示用のディスプレイと、保護パネル,タッチパネル等のパネルとを貼り合わせるための粘着組成物の開発が進められている。そのような粘着組成物としては、透明であることが望まれており、下記特許文献1に記載されているように、アクリル系の粘着組成物が多く採用されている。
しかしながら、アクリル系の粘着組成物には、アクリル酸に起因する腐食性が有るため、液晶ディスプレイ等に多く用いられるITO(Indium Tin Oxide),IZO(Indium Zinc Oxide)等の透明導電膜に対して悪影響が懸念されている。このため、粘着組成物ではないが、接着剤、つまり、被接着物への塗布時にはある程度粘度があり、時間の経過,熱,光等により硬化することで、被接着物を接着させるものとして、下記特許文献2に記載されているエンチオール系の接着剤の開発が進められている。
特許4458515号公報 WO2011/021363号公報
上記特許文献2に記載されているエンチオール系の接着材であれば、透明導電膜に対する腐食性は低いことから、その接着剤を粘着組成物として用いることができれば、実用性の高い粘着組成物を開発することが可能となる。さらに、上記特許文献2に記載のエンチオール系の接着材では、アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を有する化合物として、アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を有するウレタンプレポリマーが採用されている。ウレタン樹脂は、アクリル樹脂と比較して、一般的に、抗張力が高く、強靭であることが知られており、アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を有するウレタンプレポリマーを採用することで、抗張力が高く、強靭な組成物を得ることが可能となる。しかしながら、上記特許文献2に記載されているエンチオール系の組成物は、接着剤として開発されており、その組成物を、単に、粘着組成物に転用させても、粘着力が低く、粘着組成物として最も必要な機能が備わっていないことが分かっている。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、適切な粘着力および抗張力を備え、強靭なエンチオール系の粘着組成物および、そのような粘着組成物の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を有するウレタンプレポリマーと、チオール基を有する化合物とのエンチオール反応により得られる粘着組成物において、チオール基を有する化合物として、チオール基を1個有するモノチオールとチオール基を複数有するポリチオールとの2種類以上のものを採用することで、適切な粘着力を備えたエンチオール系の粘着組成物を成形できることの知見を得えた。そして、かかる知見に基き本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の粘着剤組成物は、上記課題を解決するために、アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を複数有するウレタンプレポリマーと、チオール基を1個有するモノチオールと、チオール基を複数有するポリチオールとを光重合反応させ、粘着力(JIS A5759:2008)が、15N/25mm以上であることを特徴とする。
また、本発明の粘着組成物の製造方法は、上記課題を解決するために、アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を複数有するウレタンプレポリマーと、チオール基を1個有するモノチオールと、チオール基を複数有するポリチオールとを光重合反応させる工程を含み、粘着力(JIS A5759:2008)が、15N/25mm以上であることを特徴とする。
本発明の粘着組成物および粘着組成物の製造方法では、アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を有するウレタンプレポリマーに、チオール基を複数有するポリチオールだけでなく、チオール基を1個有するモノチオールも光重合反応させることで、適切な粘着力を備えた粘着組成物を得ることが可能となっている。また、アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を有するウレタンプレポリマーが採用されることで、抗張力が高く、強靭な粘着組成物を得ることが可能となっている。さらに言えば、本発明の粘着組成物および粘着組成物の製造方法は、光重合反応により成形されており、熱等を加えるための工程が必要無く、溶剤等も必要無い。したがって、本発明の粘着組成物および粘着組成物の製造方法によれば、粘着組成物を成形するための設備投資を抑制し、省スペース化を図ることが可能となる。また、人体への有害性,環境汚染等に対しても非常に有利である。
実施例1〜8の粘着組成物を製造するための原料の配合量(モル比)、および、実施例1〜8の粘着組成物の物性評価を示す表である。 実施例9〜15の粘着組成物を製造するための原料の配合量(モル比)、および、実施例9〜15の粘着組成物の物性評価を示す表である。 実施例16〜20の粘着組成物を製造するための原料の配合量(モル比)、および、実施例16〜20の粘着組成物の物性評価を示す表である。 比較例の粘着組成物を製造するための原料の配合量(モル比)、および、比較例の粘着組成物の物性評価を示す表である。 図1〜4に示すプレポリマーA〜Fを製造するための原料の配合量(重量比)を示す表である。
本発明に記載の「粘着組成物」は、アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を複数有するウレタンプレポリマーと、チオール基を1個有するモノチオールと、チオール基を複数有するポリチオールとに光を照射し、エンチオール反応により得られるものであり、粘着力(JIS A5759:2008)が、15N/25mm以上とされている。
アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を複数有するウレタンプレポリマーは、ポリオールとポリイソシアネートとから合成されたウレタンプレポリマーに、アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を有する化合物を付加することで製造される。ちなみに、上記ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は、1000〜15000であることが好ましい。さらに言えば、2500〜12000であることが好ましく、特に、3000〜5000であることが好ましい。また、官能基数は、1〜3であることが好ましく、特に2であることが好ましい。
上記ウレタンプレポリマーの合成に用いられる「ポリイソシアネート」は、1つの分子に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、ウレタンプレポリマーの原料として通常に採用されるものであればよい。例えば、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネート等が挙げられる。芳香族イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI(クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。脂肪族イソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート等が挙げられる。脂環族イソシアネートとしては、例えば、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)等が挙げられる。それら種々のポリイソシアネートのうちの1種または2種以上を併用したものを、上記ウレタンプレポリマーの原料として用いることが可能である。
ただし、上記ウレタンプレポリマーの原料として、芳香族イソシアネートを用いないことで、透明度の高い粘着組成物を得ることが可能となっている。つまり、脂肪族イソシアネート若しくは、脂環族イソシアネートを採用することで、透明度の高い粘着組成物を得ることが可能となっている。特に、脂環族イソシアネートのジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)を採用することで、粘着組成物の透明度を高くすることが可能となる。
粘着組成物の透明度を指標するものとして、JIS K7105−1981に基づく方法(プラスチックの光学的特性試験方法)に準拠して測定された色相(YI値)(%)を採用することが好ましい。色相(YI値)は、それの値が高いほど黄色の度合いが高いことを示しており、0.5%以下であることが好ましく、さらに言えば、0.2%以下であることが好ましい。これは、アクリル系の粘着組成物では、材料の特性上、黄色の度合いが高くなり、アクリル系の粘着組成物を、画像表示用のディスプレイとパネルとの貼り合わせに使用した場合には、画質への悪影響が懸念されるためである。
また、粘着組成物の透明度を指標するものとして、JIS K7105−1981に基づく方法に準拠して測定された透過率(%)を採用することが可能である。透過率(%)は、それの値が高いほど透明度が高いことを示しており、その値は、92%より高いことが好ましい。また、透明度を指標するものとして、JIS K7105−1981に基づく方法に準拠して測定されたHAZE(%)を採用することが可能である。HAZE(%)は、それの値が低いほど透明度が高いことを示しており、0.5%未満であることが好ましい。
また、上記ウレタンプレポリマーの合成に用いられる「ポリオール」は、1つの分子に2個以上の水酸基を有する化合物であり、ウレタンプレポリマーの原料として通常に採用されるものであればよい。例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、多価アルコールと多価カルボン酸との縮合反応により得られるものがある。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ブチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられ、これらを1種または2種以上併用して用いることが可能である。多価カルボン酸としては、例えば、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられ、これらを1種または2種以上併用して用いることが可能である。さらに、カプロラクトン、メチルバレロラクトン等を開環縮合して得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
また、ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール等の多価アルコールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のオキサイドを付加重合させたものが挙げられる。それら種々のポリオールのうちの1種または2種以上を併用したものを、上記ウレタンプレポリマーの原料として用いることが可能である。ただし、上記ウレタンプレポリマーの原料として、1種類のポリオールのみを採用することで、透明度の高い粘着組成物を得ることが可能となっている。
また、上記ウレタンプレポリマーの合成において、触媒を用いることが好ましい。触媒は、ウレタンプレポリマーの原料として通常に採用されるものであればよく、例えば、アミン系触媒、有機金属系触媒等が挙げられる。アミン系触媒としては、例えば、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノモルフォリン、N−エチルモルホリン等が挙げられる。有機金属系触媒としては、例えば、スターナスオクトエート、ジブチルチンジラウレート、オクテン酸鉛、オクチル酸カリウム等が挙げられる。それら種々の触媒のうちの1種または2種以上を併用したものを、上記ウレタンプレポリマーの原料として用いることが可能である。
合成されたウレタンプレポリマーに付加させるアリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を有する化合物は、ウレタンプレポリマーのイソシアネート基に付加させることが可能なものであればよく、アリルエーテルグリコール,ヒドロキシエチルアリルエーテル,ヒドロキシプロピルビニルエーテル,ヒドロキシブチルビニルエーテル等が挙げられる。
上記化合物により得られたウレタンプレポリマーとエンチオール反応するモノチオールとしては、例えば、脂肪族モノチオール,メルカプトカルボン酸とアルコールとのエステル等が挙げられる。脂肪族モノチオールとしては、例えば、メチルチオール、エチルチオール、1−プロピルチオール、イソプロピルチオール、1−ブチルチオール、イソブチルチオール、tert−ブチルチオール、1−ペンチルチオール、イソペンチルチオール、3−ペンチルチオール、1−ヘキシルチオール、シクロヘキシルチオール、4−メチル−2−ペンチルチオール、1−ヘプチルチオール、1−オクチルチオール、イソオクチルチオール、2−エチルヘキシルチオール、1−ノニルチオール、イソノニルチオール、1−デシルチオール、1−ドデシルチオール、1−ミリスチルチオール、セチルチオール、1−ステアリルチオール、イソステアリルチオール、2−オクチルデシルチオール、2−オクチルドデシルチオール、2−ヘキシルデシルチオール、ベヘニルチオール等が挙げられる。
また、メルカプトカルボン酸とアルコールとのエステルとしては、2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート(EHMP)、メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート(MBMP)、ステアリル−3−メルカプトプロピオネート(STMP)、メチル−3−メルカプトプロピオネート(MBM)、n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート(NOMP)等が挙げられる。なお、それら種々のモノチオールのうちの1種または2種以上を併用したものを、上記ウレタンプレポリマーとのエンチオール反応の原料として用いることが可能である。
上記ウレタンプレポリマーとエンチオール反応するポリチオールとしては、メルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステル、脂肪族ポリチオール、芳香族ポリチオールが挙げられる。脂肪族ポリチオール、芳香族ポリチオールとしては、エタンジチオール、プロパンジチオール、ヘキサメチレンジチオール、デカメチレンジチオール、トリレン−2,4−ジチオール、キシレンジチオール等が挙げられる。
また、メルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステルでは、メルカプトカルボン酸として、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸等が挙げられ、多価アルコールとして、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びソルビトール等が挙げられる。これらの中では、臭気が少ない点で、メルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステル類が好ましく、具体的には、例えば、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(3−メルカプトプロピオネート)が挙げられる。なお、それら種々のポリチオールのうちの1種または2種以上を併用したものを、上記ウレタンプレポリマーとのエンチオール反応の原料として用いることが可能である。
上述したモノチオールとポリチオールとを、アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を複数有するウレタンプレポリマーと混合し、光を照射することで、エンチオール反応によって、適切な粘着力を備えたエンチオール系の粘着組成物を得ることが可能となっている。ここで、粘着組成物の粘着力を指標するものとして、JIS A5759:2008に基づく方法(180°引きはがし試験方法)に準拠して測定された粘着力(N/25mm)を採用することが可能であり、その方法に準拠して測定された粘着力(N/25mm)は、15(N/25mm)以上であることが好ましい。さらに言えば、15〜35(N/25mm)であることが好ましく、特に、20〜30(N/25mm)であることが好ましい。
また、上述したポリチオールのうちの官能基数が2のものと3以上のものとを併用することで、さらに、適切な粘着力を備えたエンチオール系の粘着組成物を得ることが可能となっている。具体的には、アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を複数有するウレタンプレポリマーと反応が行われるチオール基の平均官能基数、つまり、モノチオールと、チオール基が2個のポリチオールと、チオール基が3個以上のポリチオールとのチオール基の平均官能基数を、1.9以上とすることで、適切な粘着力を備えたエンチオール系の粘着組成物を得ることが可能となっている。さらに言えば、平均官能基数を、2以上とすることで、さらに適切な粘着力を備えたエンチオール系の粘着組成物を得ることが可能となっている。
また、アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を複数有するウレタンプレポリマーと反応が行われるチオール基の量は、特に限定されないが、全チオール基の全当量数の、ウレタンプレポリマーが有するアリルエーテル基、若しくはビニルエーテル基の全当量数に対する比率(エン/チオール比)が1〜1.5となることが好ましい。さらに言えば、1.25〜1.35であることが好ましく、特に、1.3であることが好ましい。
また、ウレタンプレポリマーに付加されたアリルエーテル基、若しくはビニルエーテル基と、チオール基との光重合反応を効果的に行うべく、本発明の「粘着組成物」には、光重合開始剤が含まれることが好ましい。光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系等の化合物が挙げられる。アセトフェノン系としては、例えば、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)アセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オンや2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等が挙げられる。
ベンゾフェノン系としては、例えば、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシルカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。また、チオキサントン系としては、例えば、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等が挙げられる。
なお、光重合開始剤の含有量は、上記ウレタンプレポリマー,モノチオール,ポリチオールの合計100質量部当たり0.01〜5質量部であることが好ましく、さらに言えば、0.1〜3質量部であることが好ましい。光重合開始剤の含有量が少なすぎると、光重合開始能力が不足し、原料の重合が速やかに行われず、好ましくない。一方、光重合開始剤の含有量が多すぎると、重合が過度に促進され、架橋密度が高くなり過ぎたり、架橋構造が不均一に形成されたりして好ましくない。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明は、この実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
<粘着組成物の原料および製造>
図1〜図4に示す配合の原料から、実施例1〜20の粘着組成物および比較例1〜3の粘着組成物を製造した。以下に、各原料の詳細を示す。なお、比較例4は、アクリル系の透明エラストマーである。
図1〜図4に示す各「プレポリマー」は、図5に示す配合(重量比)の原料を以下の方法に従って反応させることで得られる。
まず、1リットル容量のセパラブルフラスコにポリオールを図に示す量入れて、窒素を流しながらポリイソシアネートを攪拌しながら図に示す量添加する。内容物が均一になったことを確認後、触媒(0.3g)を添加する。そして、1時間かけて80〜90℃になるように、ゆっくりと昇温する。目的の温度に昇温してから2時間後にイソシアネート基含有率をJIS Z1603−1:2007に基づく方法(ポリウレタン原料芳香族イソシアネート試験方法)に準拠して測定する。その測定値によって、所定量のイソシアネートが消費されていることを確認する。イソシアネートの消費量が所定量に満たない場合には、反応時間を延長する。
所定量のイソシアネートが消費されていることを確認後、アリルエーテル、若しくはビニルエーテルを図に示す量、ゆっくりと滴下し、2時間反応を行わせる。2時間経過後に、再度、上記方法に従ってイソシアネート基含有率を測定し、完全にイソシアネートが消費されているか否かを確認する。そして、イソシアネートの消費が確認されたことを条件として、図に示す各「プレポリマー」が得られる。
・ポリオールa;ポリプロピレングリコール(PPG)、商品名:サンニックスPP−1000、三洋化成(株)製、重量平均分子量:1000、水酸基数:2
・ポリオールb;ポリプロピレングリコール(PPG)、商品名:サンニックスPP−3000、三洋化成(株)製、重量平均分子量:3000、水酸基数:2
・ポリオールc;ポリプロピレングリコール(PPG)、商品名:プレミノールS4011、旭硝子(株)製、重量平均分子量:10000、水酸基数:2
・ポリオールd;エチレンオキサイド(EO)付加ポリプロピレングリコール(PPG)、商品名:プレミノール5005、旭硝子(株)製、重量平均分子量:4000、水酸基数:2
・ポリイソシアネートa;水添MDI、商品名:デスモジュールW、バイエル(株)製
・ポリイソシアネートb;TDI、商品名:ルプラネートT−80、BASF(株)製
・アリルエーテル;ヒドロキシエチルアリルエーテル、日本乳化剤(株)製
・ビニルエーテル;ヒドロキシブチルビニルエーテル、日本カーバイド(株)製
上述のようにして得られた各「プレポリマー」と後述する複数のチオールを図1〜4に示す配合比(モル比)となるように計量し、80℃に加温した後に、混合撹拌し粘着剤材料を配合した。ナイフコーターを用いてシリコーン離型PETフィルム(t50μm)上に前記粘着剤材料の厚みが100μmになる様に塗工し、次いでUVランプ(高圧水銀ランプ)にて1200mJ/cm(365nm積算光量)UV照射し、粘着性組成物を得た。
・モノチオール;官能基数1、重量分子量218.4、2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート、EHMP、SC有機化学(株)製
・チオールA;官能基数2、重量分子量238.6、ブタンジオールビスチオグリコレート、1,4−BDTG、淀化学(株)製
・チオールB;官能基数3、重量分子量398.5、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、TMMP、SC有機化学(株)製
・チオールC;官能基数6、重量分子量783.0、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、DPMP、SC有機化学(株)製
・光重合開始剤;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、DAROCUR1173、BASF社製
ちなみに、各ウレタンプレポリマーと反応が行われるチオール基の平均官能基数を、図1〜図4の「平均官能基数」の欄に示し、全チオール基の全当量数の、各ウレタンプレポリマーのアリルエーテル基、若しくはビニルエーテル基の全当量数に対する比率を、図1〜図4の「エン/チオール比」の欄に示しておく。
<粘着組成物の物性評価>
上述のように製造された実施例1〜20の粘着組成物、比較例1〜3の粘着組成物、および、比較例4としてのアクリル系の粘着組成物に対して、以下の方法によって物性評価を行った。
まず、粘着組成物の粘着力を評価するべく、JIS A5759:2008に基づく方法(180°引きはがし試験方法)に準拠して粘着力(N/25mm)を測定した。その測定結果は、図1〜図4の「粘着力」の欄にその値を示しておく。
また、粘着組成物をパネル等に密着させた場合に、その密着させた粘着組成物をパネル等から剥がす際の剥がし易さも考慮する必要がある。これは、リワークと呼ばれ、スマートフォン,パソコン等の画像表示装置製造時に、一旦、パネル等に密着された粘着組成物を、パネル等への装着ミスにより剥がす場合があるためである。粘着組成物のパネル等からの剥がし易さを評価するべく、まず、シート状の粘着組成物をガラスに密着させる。そして、その密着された粘着組成物を剥がし、粘着組成物が密着していたガラス面に粘着組成物が糊状に残留しているか否かを、目視にて確認した。具体的には、上記JIS A5759:2008に基づく方法(180°引きはがし試験方法)に準拠して粘着力を測定した後に、粘着組成物が引きはがされたガラス面を目視にて確認した。ガラス面全体に粘着組成物が糊状に残留していた場合には、「×」と評価し、ガラス面の一部に粘着組成物が糊状に残留していた場合には、「△」と評価し、ガラス面に粘着組成物が残留して無い場合には、「○」と評価した。この評価を、図1〜図4の「糊残り」の欄に示しておく。
また、粘着組成物の透明度を評価するべく、JIS K7105−1981に基づく方法に準拠して透過率(%),HAZE(%),色相(YI値)を測定した。それぞれの測定結果は、図1〜図4の「透過率」,「HAZE」,「色相(YI値)」の欄にその値を示しておく。
さらに、ITO(Indium Tin Oxide),IZO(Indium Zinc Oxide)等の透明導電膜が多く用いられるディスプレイに、粘着組成物を密着させることを考慮して、ITOフィルムに対する腐食性の試験も行った。具体的には、まず、粘着組成物が密着される前のITOフィルムの電気抵抗値を測定しておく。そして、ITOフィルムに粘着組成物を密着させ、60℃,90%RHの条件下に240時間放置する。その後に、ITOフィルムから粘着組成物を剥がし、粘着組成物が剥がされたITOフィルムの電気抵抗値を測定する。その240時間放置後のITOフィルムの電気抵抗値の、放置前のITOフィルムの電気抵抗値に対する比率が、高くなっている場合には、電流が流れ難くなっていることを示しており、ITOフィルムの腐食が進んでいると考えられる。つまり、試験後のITOフィルムの電気抵抗値の、試験前のITOフィルムの電気抵抗値に対する比率が、高いほど、ITOフィルムに対する腐食性が高いことを示している。なお、図1〜図4の「ITO腐食性」の欄に、その比率を示しておく。
さらに、粘着組成物の対候性を評価すべく、湿熱試験も行った。具体的には、60℃,90%RHの条件下に240時間放置し、その後に、粘着組成物を目視にて評価した。この評価を、図1〜図4の「湿熱試験」の欄に示しておく。
以上の評価結果から、アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を複数有するウレタンプレポリマーに、ポリチオールだけでなく、モノチオールをもエンチオール反応によって重合させることで、粘着力の高い粘着組成物を得ることが可能であることが解る。具体的には、モノチオールが配合されていない比較例1の粘着組成物では、粘着力が12(N/25mm)であるが、モノチオールが配合されている実施例の多くの粘着組成物では、粘着力が15(N/25mm)以上となっており、粘着力の向上にモノチオールが有効であることは明らかである。
また、各ウレタンプレポリマーと反応が行われるチオール基の平均官能基数が少ない場合には、粘着力が低くなる。具体的には、比較例3の粘着組成物では、チオール基の平均官能基数が1.62であり、粘着力は1(N/25mm)となっている。これにより、チオール基の平均官能基数は、ある程度多い方が好ましい。具体的には、1.9以上、さらに言えば2以上であることが好ましい。また、このことを、チオール基の平均分子量ではなく、モノチオールとポリチオールとを合わせた全てのチオール基を有するチオールのモル数に対するポリチオールのモル数の比率(ポリチオール比)の観点から考えてみると、比較例3の粘着組成物では、ポリチオール比は0.4となっている。一方、実施例の粘着組成物では、ポリチオール比は0.7以上となっている。このことから、ポリチオール比は、0.5以上であることが好ましく、さらに言えば、0.65以上であることが好ましい。
また、チオール基の平均官能基数は、リワーク性にも影響しており、平均官能基数が少ない場合には、リワーク性も低くなる。具体的には、実施例1の粘着組成物では、チオール基の平均官能基数が1.72であり、評価試験の「糊残り」の評価は「×」となっている。つまり、チオール基の平均官能基数が低い場合には、ガラス等に密着させた粘着組成物を剥がすと、ガラス等に糊残りが生じ、リワーク性が低下するのである。このことからも、チオール基の平均官能基数は、1.9以上、さらに言えば2以上であることが好ましい。
また、ウレタンプレポリマーの重量平均分子量が低い場合にも、リワーク性が低いことも解る。具体的には、実施例6,7の粘着組成物では、ウレタンプレポリマーの重量平均分子量が約1700であり評価試験の「糊残り」の評価は「×」となっている。つまり、ウレタンプレポリマーの重量平均分子量が低い場合には、ガラス等に密着させた粘着組成物を剥がすと、ガラス等に糊残りが生じ、リワーク性が低下するのである。このため、ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は、2500以上、さらに言えば3000以上であることが好ましい。
また、全チオール基の全当量数の、各ウレタンプレポリマーのアリルエーテル基、若しくはビニルエーテル基の全当量数に対する比率(エン/チオール比)が1である場合には、実施例2に示すように、粘着力は許容範囲内であるが、比較的低い。一方、エン/チオール比が1.6以上となると、比較例2に示すように、粘着力が15(N/25mm)以下となっている。さらに、「糊残り」の評価も悪く、リワーク性が悪くなる。このため、エン/チオール比は、1〜1.5であることが好ましい。さらに言えば、1.25〜1.45であることが好ましく、特に、1.25〜1.35であることが好ましい。
また、ウレタンプレポリマーを合成する際のポリイソシアネートとして、芳香族イソシアネートを用いることで、粘着組成物の透明度が低下する。具体的には、実施例20の粘着組成物の原料であるプレポリマーFを合成する際のポリイソシアネートbは、トリレンジイソシアネート(TDI)であり、芳香族イソシアネートである。一方、実施例20以外の粘着組成物の原料であるプレポリマーA〜Eを合成する際のポリイソシアネートaは、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)であり、脂環族イソシアネートである。実施例20の粘着剤組成物の「色相(YI値)」,「HAZE」は、実施例20以外の粘着剤組成物の「色相(YI値)」,「HAZE」より高く、実施例20の粘着剤組成物の「透過性」は、実施例20以外の粘着剤組成物の「透過性」より低い。このことから、実施例20の粘着剤組成物が黄色っぽく、透明度が低いことが解る。特に、実施例20の粘着剤組成物の「色相(YI値)」は、実施例20以外の粘着剤組成物の「色相(YI値)」の約4倍の値となっており、イソシアネートとして芳香族イソシアネートを採用することで、粘着組成物が黄色っぽくなることが解る。このため、ポリイソシアネートとして、芳香族イソシアネートを用いないことが好ましく、脂環族イソシアネートを採用することが好ましい。特に、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)を採用することが好ましい。
また、ウレタンプレポリマーを合成する際のポリオールとして、EO付加ポリプロピレングリコール(PPG)、つまり、多価アルコールにエチレンオキサイドを付加重合させることにより得られるEO付加ポリオールを用いることで、粘着組成物の透明度が低下する。具体的には、実施例19の粘着組成物の原料であるプレポリマーDを合成する際のポリオールdは、EO付加PPGであり、実施例19以外の粘着組成物の原料であるプレポリマーA〜C,Eを合成する際のポリオールa〜cは、PPGである。実施例19の粘着剤組成物の「色相(YI値)」,「HAZE」は、実施例19以外の粘着剤組成物の「色相(YI値)」,「HAZE」より高く、実施例19の粘着剤組成物の「透過性」は、実施例19以外の粘着剤組成物の「透過性」より低い。このことから、実施例19の粘着剤組成物では、透明度が低くなっていることが解る。特に、実施例19の粘着剤組成物の「HAZE」は、実施例19以外の粘着剤組成物の「HAZE」の約2倍の値となっている。このため、ポリオールとして、EO付加PPGを用いないことが好ましい。
また、比較例4の粘着組成物、つまり、アクリル系の粘着組成物と、実施例の粘着組成物とを比較すると、全ての物性評価において、実施例の粘着組成物が、アクリル系の粘着組成物より優れていることが解る。特に、透明度,ITOフィルムに対する腐食性に優れており、実施例の粘着組成物が、アクリル系の粘着組成物より、ITOフィルムが多く用いられる画像表示用のディスプレイと、保護パネル,タッチパネル等のパネルとを貼り合わせるための粘着組成物として、適していることが分かる。
以下、本発明の諸態様について列記する。
(1)アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を複数有するウレタンプレポリマーと、チオール基を1個有するモノチオールと、チオール基を複数有するポリチオールとを光重合反応させ、
粘着力(JIS A5759:2008)が、15N/25mm以上であることを特徴とする粘着組成物。
(2)チオール基を1個有するモノチオールと、チオール基を複数有するポリチオールとのチオール基の平均官能基数が、1.9以上であることを特徴とする(1)項に記載の粘着組成物。
(3)前記ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は、1000〜15000であることを特徴とする(1)項または(2)項に記載の粘着組成物。
(4)前記モノチオールが有するチオール基と前記ポリチオールが有するチオール基との全当量数の、前記ウレタンプレポリマーが有するアリルエーテル基、若しくはビニルエーテル基の全当量数に対する比率が1〜1.5であることを特徴とする(1)項ないし(3)項のいずれか1つに記載の粘着組成物。
(5)前記ウレタンプレポリマーを合成するために用いられるポリイソシアネートが、芳香族イソシアネートを含まないことを特徴とする(1)項ないし(4)項のいずれか1つに記載の粘着組成物。
(6)前記ウレタンプレポリマーを合成するために用いられるポリイソシアネートが、脂肪族イソシアネートと脂環族イソシアネートとの少なくとも一方のみを含むことを特徴とする(1)項ないし(5)項のいずれか1つに記載の粘着組成物。
(7)前記ウレタンプレポリマーを合成するために用いられるポリイソシアネートが、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートのみを含むことを特徴とする(1)項ないし(6)項のいずれか1つに記載の粘着組成物。
(8)色相(YI値)(JIS K7105−1981)が0.5%以下であることを特徴とする(5)項ないし(7)項のいずれか1つに記載の粘着組成物。
(9)HAZE(JIS K7105−1981)が0.5%未満であることを特徴とする(5)項ないし(8)項のいずれか1つに記載の粘着組成物。
(10)透過率(JIS K7105−1981)が92%より高いことを特徴とする(5)項ないし(9)項のいずれか1つに記載の粘着組成物。
(11)前記ウレタンプレポリマーを合成するために用いられるポリオールが、1種類のポリオールのみからなることを特徴とする(1)項ないし(10)項のいずれか1つに記載の粘着組成物。
(12)前記ウレタンプレポリマーを合成するために用いられるポリオールが、多価アルコールにエチレンオキサイドを付加重合させることにより得られるEO付加ポリオールを含まないことを特徴とする(1)項ないし(11)項のいずれか1つに記載の粘着組成物。
(13)アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を複数有するウレタンプレポリマーと、チオール基を1個有するモノチオールと、チオール基を複数有するポリチオールとを光重合反応させる工程を含み、
粘着力(JIS A5759:2008)が、15N/25mm以上であることを特徴とする粘着組成物の製造方法。
(14)前記ポリチオールは、
チオール基を2個有するものと、チオール基を3個以上有するものとによって構成されることを特徴とする(13)項に記載の粘着組成物の製造方法。

Claims (8)

  1. アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を複数有するウレタンプレポリマーと、チオール基を1個有するモノチオールと、チオール基を複数有するポリチオールとを光重合反応させ、
    粘着力(JIS A5759:2008)が、15N/25mm以上であることを特徴とする粘着組成物。
  2. チオール基を1個有するモノチオールと、チオール基を複数有するポリチオールとのチオール基の平均官能基数が、1.9以上であることを特徴とする請求項1に記載の粘着組成物。
  3. 前記モノチオールが有するチオール基と前記ポリチオールが有するチオール基との全当量数の、前記ウレタンプレポリマーが有するアリルエーテル基、若しくはビニルエーテル基の全当量数に対する比率が1〜1.5であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の粘着組成物。
  4. 前記ウレタンプレポリマーを合成するために用いられるポリイソシアネートが、芳香族イソシアネートを含まないことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の粘着組成物。
  5. 前記ウレタンプレポリマーを合成するために用いられるポリイソシアネートが、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートのみを含むことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の粘着組成物。
  6. 色相(YI値)(JIS K7105−1981)が0.5%以下であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の粘着組成物。
  7. アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を複数有するウレタンプレポリマーと、チオール基を1個有するモノチオールと、チオール基を複数有するポリチオールとを光重合反応させる工程を含み、
    粘着力(JIS A5759:2008)が、15N/25mm以上であることを特徴とする粘着組成物の製造方法。
  8. 前記ポリチオールは、
    チオール基を2個有するものと、チオール基を3個以上有するものとによって構成されることを特徴とする請求項7に記載の粘着組成物の製造方法。
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