JP6907574B2 - ポリウレタン(メタ)アクリレート、及びその組成物、硬化物 - Google Patents

ポリウレタン(メタ)アクリレート、及びその組成物、硬化物 Download PDF

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Description

本発明は、新規なポリウレタン(メタ)アクリレート、及びその組成物、硬化物に関する。ポリウレタン(メタ)アクリレートは、活性エネルギー線で硬化させるタイプの各種コーティング剤の主成分などとして有用な化合物である。
従来、ポリウレタンの末端に、イソシアナト基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させて得られるポリウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、下記のものが知られている。
(1)ネオペンチルグリコール、イソフタル酸、無水フタル酸、及びセバシン酸を反応させて得られるポリエステルポリオールと、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートとを反応させることにより得られたポリウレタン(メタ)アクリレート(例えば、特許文献1を参照)。
(2)ポリプロピレングリコールとイソホロンジイソシアネートとを反応させて得られるポリウレタンと、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートとを反応させることにより得られたポリウレタン(メタ)アクリレート(例えば、特許文献2を参照)。
特開2013−249438号公報 特開2015−212325号公報
特許文献1には、ポリエステルポリオール由来の構造を含むポリウレタン(メタ)アクリレートが開示されており、そのポリウレタン(メタ)アクリレートは、粘着性に優れていると記載されている。しかしながら、本化合物はエステル構造を有しているため、耐水性や耐薬品性が劣るという問題があった。
また、特許文献2には、ポリエーテルポリオール由来の構造を含むポリウレタン(メタ)アクリレートが開示されており、そのポリウレタン(メタ)アクリレートは、粘着強度が高いと記載されている。しかしながら、本化合物はエーテル結合を有しているため、耐酸性や耐熱性、耐候性、耐溶剤性に劣るという問題があった。
それゆえ、ポリウレタン(メタ)アクリレートを硬化物とした際に要求される機能や特性、即ち、タックフリー、優れた耐酸性、優れた耐溶剤性及び優れた耐水性を満足するようなポリウレタン(メタ)アクリレートが求められていた。
本発明の課題は、即ち、上記問題点を解決し、硬化した際に優れたタック性(タックフリー)、優れた耐酸性、優れた耐溶剤性、高い伸度及び優れた耐水性を有するポリウレタン(メタ)アクリレート及びその組成物、硬化物を提供することにある。
本発明の課題は、ポリカーボネートポリオール由来の構造と、ポリイソシアネート由来の構造とを有し、末端にイソシアナト基含有(メタ)アクリレート由来の構造を有するポリウレタン(メタ)アクリレートであって、
ポリカーボネートポリオールが、下記式(1A)で示されるポリオール由来の構造、及び式(1B)で示されるポリオール由来の構造を有しており、
ポリイソシアネートが、下記式(2)で示されるものであり、
イソシアナト基含有(メタ)アクリレートが、下記式(a−1)〜(b−1)で示されるものである、
ポリウレタン(メタ)アクリレートによって解決される。
Figure 0006907574
(式(1A)中、Zは炭素原子数2〜12の二価の直鎖状脂肪族炭化水素基を示す。
式(1B)中、Zは炭素原子数6〜18の二価の環状脂肪族炭化水素基を示す。
式(2)中、Rは炭素原子数2〜12の二価の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素原子数3〜12の二価の分岐状脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜18の二価の環状脂肪族炭化水素基、又は炭素原子数6〜18の二価の芳香族炭化水素基を示す。
式(a−1)〜(b−1)中、Aは(メタ)アクリロイル基を示す。なお、複数のAの一部のAが水素であってもよい。
式(b−1)中、mは2〜4の整数を示す。)
本発明により、硬化した際に優れたタック性(タックフリー)、優れた耐酸性、優れた耐溶剤性及、高い伸度及び優れた耐水性を有するポリウレタン(メタ)アクリレート及びその組成物、硬化物を提供することができる。
そのため、本発明に係るポリウレタン(メタ)アクリレートやその組成物は、インク、塗料、接着剤や、粘着剤などのコーティング用途(コーティング材料)、金属腐食防止用コーティング用途(コーティング材)、高外観性と高耐久性が求められるような各種モバイル機器、フィルム、建築内外装、自動車内外装などの積層用途(積層材料)、紫外線硬化レンズのような硬化成型物などの成形用途(成形材料)に適用できる。
[ポリウレタン(メタ)アクリレート]
本発明のポリウレタン(メタ)アクリレートは、
ポリカーボネートポリオール由来の構造と、ポリイソシアネート由来の構造とを有し、末端にイソシアナト基含有(メタ)アクリレート由来の構造を有するポリウレタン(メタ)アクリレートであって、
ポリカーボネートポリオールが、下記式(1A)で示されるポリオール由来の構造、及び式(1B)で示されるポリオール由来の構造を有しており、
ポリイソシアネートが、下記式(2)で示されるものであり、
イソシアナト基含有(メタ)アクリレートが、下記式(a−1)〜(b−1)で示されるものである、
ポリウレタン(メタ)アクリレートである。
Figure 0006907574
(式(1A)中、Zは炭素原子数2〜12の二価の直鎖状脂肪族炭化水素基を示す。
式(1B)中、Zは炭素原子数6〜18の二価の環状脂肪族炭化水素基を示す。
式(2)中、Rは炭素原子数2〜12の二価の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素原子数3〜12の二価の分岐状脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜18の二価の環状脂肪族炭化水素基、又は炭素原子数6〜18の二価の芳香族炭化水素基を示す。
式(a−1)〜(b−1)中、Aは(メタ)アクリロイル基を示す。なお、複数のAの一部のAが水素であってもよい。
式(b−1)中、mは2〜4の整数を示す。)
なお、「ポリウレタン(メタ)アクリレート」とは、末端がアクリロイル基を有するポリウレタンアクリレートと、末端がメタアクリロイル基を有するポリウレタンメタアクリレートとの総称である。
「(メタ)アクリロイル基」とは、(メタ)アクリル酸の水酸基を除いた官能基を示す。「多官能(メタ)アクリル基」とは、(メタ)アクリロイル基を複数有する原子団を示す。「単官能(メタ)アクリル基」とは、(メタ)アクリロイル基を1つ有する原子団を示す。それぞれ「(メタ)」の意味は「ポリウレタン(メタ)アクリレート」で記載したものと同義である。
[ポリカーボネートポリオール由来の構造]
ポリカーボネートポリオール由来の構造とは、ポリウレタン(メタ)アクリレート中の結合基以外のポリカーボネートポリオールに由来する基のことを示す。当該ポリカーボネートポリオール由来の構造における「ポリカーボネートポリオール」とは、具体的には、下記式(1A)で示されるポリオール、及び式(1B)で示されるポリオールを含むポリカーボネートポリオールである。
Figure 0006907574

(式(1A)中、Zは炭素原子数2〜12の二価の直鎖状脂肪族炭化水素基を示す。
式(1B)中、Zは炭素原子数6〜18の二価の環状脂肪族炭化水素基を示す。)
式(1A)において、Zは炭素原子数2〜12の二価の直鎖状脂肪族炭化水素基を示す。
前記「炭素原子数2〜12の二価の直鎖状脂肪族炭化水素基」とは、「炭素原子数2〜12の直鎖状の脂肪族炭化水素」から2つの水素を除いた基を示し、例えば、エチレン基、トリメチレン基(プロピレン基)、テトラメチレン基(ブチレン基)、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基などが挙げられるが、好ましくはテトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基である。
式(1B)において、Zは炭素原子数6〜18の二価の環状脂肪族炭化水素基を示す。
前記「炭素原子数6〜18の二価の環状脂肪族炭化水素基」とは、「炭素原子数6〜18の環状脂肪族炭化水素」から2つの水素を除いた基を示し、例えば、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキサンジメチレン基などが挙げられるが、好ましくは1,4−シクロヘキサンジメチレン基である。
(式(1A)で示されるポリオール)
前記式(1A)で示されるポリオール(以下、ポリオール(1A)と称することもある。)としては、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオール、ドデカンジオールが挙げられるが、好ましくはブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールが使用される。
なお、ポリオール(1A)を、1種のみ用いてもよいし、複数種を併用しても良い。また、目的とするポリウレタン(メタ)アクリレートの機能や特性などを損なわない程度に、前記ポリオール(1A)の分子中にエーテル結合が少量含まれていても良く、分岐状の脂肪族ポリオールが少量含まれていても良い。
(式(1B)で示されるポリオール)
前記式(1B)で示されるポリオール(以下、ポリオール(1B)と称することもある)としては、例えば、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられるが、好ましくは1,4−シクロヘキサンジメタノールが使用される。
なお、ポリオール(1B)を、1種のみ用いてもよいし、複数種を併用しても良い。また、目的とするポリウレタン(メタ)アクリレートの機能や特性などを損なわない程度に、ポリオール(1B)の分子中にエーテル結合が少量含まれていても良く、芳香族ポリオールが少量含まれていても良い。
(ポリカーボネートポリオール)
ポリカーボネートポリオールは、より具体的には、下記式(1A)で示されるポリオール由来の構造、及び式(1B)で示されるポリオール由来の構造と、カーボネート結合を有するポリカーボネートポリオールであり、例えば、ポリオール(1A)と、ポリオール(1B)と、炭酸エステルとを、触媒の存在下で反応させることによって得られる。
なお、ポリカーボネートポリオールは、目的とするポリウレタン(メタ)アクリレートの機能や特性などを損なわない程度に、分子量の同一または異なる複数種のポリカーボネートポリオールを併用しても良い。
(炭酸エステル)
前記炭酸エステルとしては、例えば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸メチルエチルなどの炭酸ジアルキル;炭酸ジフェニルなどの炭酸ジアリール;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの環状の炭酸エステルが挙げるが、好ましくはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネートが使用される。
なお、これらの炭酸エステルを、1種のみ用いてもよいし、複数種を併用しても良い。
前記炭酸エステルの使用量は、総ポリオール(ポリオール(1A)とポリオール(1B)の合計量)1モルに対して、好ましくは0.8〜2.0モル、更に好ましくは0.9〜1.5モルである。
炭酸エステルの使用量をこの範囲することで、十分に高い反応速度で、効率良く目的とするポリカーボネートポリオールを得ることができる。
(反応温度、及び反応圧力)
ポリカーボネートポリオールを合成する際の反応温度は、ポリオールや炭酸エステルの種類に応じて適宜調整することができるが、好ましくは120〜180℃、更に好ましくは130〜170℃である。
また、ポリカーボネートポリオールを合成する際の反応圧力は、低沸点成分を除去しながら反応させる態様となるような圧力ならば特に制限されず、好ましくは常圧又は減圧下である。
ポリカーボネートポリオールを合成する際の反応圧力をこの範囲とすることで、逐次反応や副反応の発生を抑制でき、効率良く目的とするポリカーボネートポリオールを得ることができる。
(ポリカーボネートポリオールを合成する際に使用する触媒)
ポリカーボネートポリオールを合成する際に使用する触媒としては、公知のエステル交換触媒を使用することができ、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、コバルト、ゲルマニウム、スズ、セリウムなどの金属、及びそれらの水酸化物、アルコキシド、カルボン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、有機金属などが挙げられるが、好ましくは水素化ナトリウム、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ジルコニウムアセチルアセトナート、オキシ酢酸ジルコニウム、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジメトキシド、ジブチルスズオキサイドが使用される。
なお、これらの触媒を、1種のみ用いてもよいし、複数種を併用しても良い。
前記触媒の使用量は、総ポリオール(ポリオール(1A)とポリオール(1B)の合計量)に対して、好ましくは0.1〜100ミリモル、更に好ましくは0.5〜50ミリモル、より好ましくは1〜20ミリモルである。
触媒の使用量をこの範囲とすることで、後処理が煩雑となることを抑制でき、効率良く目的とするポリカーボネートポリオールを得ることができる。
なお、当該触媒は、反応開始時に一括で使用しても、反応開始時、及び反応開始後に分割して使用(添加)しても良い。
前記ポリカーボネートポリオールにおいて、式(A)で示されるポリオールに由来する構造と、式(B)で示されるポリオールに由来する構造のモル比率(式(A)で示されるポリオールに由来する構造/式(B)で示されるポリオールに由来する構造)は、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは15/85〜85/15、より好ましくは20/80〜80/20である。
モル比率(式(A)で示されるポリオールに由来する構造/式(B)で示されるポリオールに由来する構造)をこの範囲とすることで、硬化した際の硬度が高いポリウレタン(メタ)アクリレートを得ることができる。
このようなポリカーボネートポリオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノールと1,6−ヘキサンジオールとの混合物(1:3)を原料として得られるポリカーボネートポリオール(宇部興産株式会社製、ETERNACOLL(登録商標)UM−90(1/3))、1,4−シクロヘキサンジメタノールと1,6−ヘキサンジオールとの混合物(1:1)を原料として得られるポリカーボネートポリオール(宇部興産株式会社製、ETERNACOLL(登録商標)UM−90(1/1))や、1,4−シクロヘキサンジメタノールと1,6−ヘキサンジオールとの混合物(3:1)を原料として得られるポリカーボネートポリオール(宇部興産株式会社製、ETERNACOLL(登録商標)UM−90(3/1))が好適に使用できる。
[ポリイソシアネート由来の構造]
ポリイソシアネート由来の構造とは、ポリウレタン(メタ)アクリレート中の結合基以外のポリイソシアネートに由来する基のことを示す。当該ポリイソシアネート由来の構造における「ポリイソシアネート」とは、具体的には、下記式(2)で示されるポリイソシアネートである。
Figure 0006907574
(式(2)中、Rは炭素原子数2〜12の二価の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素原子数3〜12の二価の分岐状脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜18の二価の環状脂肪族炭化水素基、又は炭素原子数6〜18の二価の芳香族炭化水素基を示す。)
前記「炭素原子数2〜12の二価の直鎖状脂肪族炭化水素基」とは、「炭素原子数2〜12の直鎖状の脂肪族炭化水素」から2つの水素を除いた基を示し、例えば、エチレン基、トリメチレン基(プロピレン基)、テトラメチレン基(ブチレン基)、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基などが挙げられるが、好ましくはテトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基である。
前記「炭素原子数3〜12の二価の分岐状脂肪族炭化水素基」とは、「炭素原子数3〜12の分岐状脂肪族炭化水素」から2つの水素原子を除いた基を示し、例えば、2−又は3−メチル−1,5−ペンチル基、2,2,4−又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレン基などが挙げられる。
前記「炭素原子数6〜18の二価の環状脂肪族炭化水素基」とは、「炭素原子数6〜18の環状脂肪族炭化水素」から2つの水素を除いた基を示し、例えば、1,4−シクロヘキシレン基、メチルシクロヘキシレン基、1,3−ジメチレンシクロヘキシレン基、5−(1,3,3,−トリメチルシクロヘキシル)−1−メチレン基(イソホロンジイソシアネート由来の構造)、4,4’−ジシクロヘキシレンメチレン基(4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート由来の構造)、ノルボルニレン基などが挙げられる。
前記「炭素原子数6〜18の二価の芳香族炭化水素基」とは、「炭素原子数6〜18の芳香族炭化水素」から2つの水素原子を除いた基を示し、例えば、フェニレン基、トリレン基、キシリレン基、テトラメチルキシリレン基、4,4’−ジフェニレンメチレン基などが挙げられる。
(ポリイソシアネート)
ポリイソシアネートは、目的や用途に応じて適宜選択するが、例えば、
ヘキサメチレンジイソシアネートなどの直鎖状脂肪族ジイソシアネート;
2−又は3−メチル−1,5−ペンチルジイソシアネート、2,2,4−又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの分岐状脂肪族ジイソシアネート;
1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ジイルビス(メチレン)ジイソシアネート、ノルボルニルジイソシアネートなどの環状脂肪族ジイソシアネート;
フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)などの芳香脂肪族ジイソシアネート;
が使用される。
なお、これらのポリイソシアネートを、1種のみ用いてもよいし、複数種を併用しても良く、その構造の一部又は全部がイソシアヌレート化、カルボジイミド化、又はビウレット化など誘導化されていても良い。
[イソシアナト基含有(メタ)アクリレート由来の構造]
イソシアナト基含有(メタ)アクリレート由来の構造とは、ポリウレタン(メタ)アクリレート中の結合基以外のイソシアナト基含有(メタ)アクリレートに由来する構造のことを示す。当該イソシアナト基含有(メタ)アクリレート由来の構造における「イソシアナト基含有(メタ)アクリレート」とは、具体的には、下記式(a−1)〜(b−1)で示されるイソシアナト基含有(メタ)アクリレートである。
Figure 0006907574
(式(a−1)、(a−2)、(b−1)中、Aは(メタ)アクリロイル基を示す。なお、式(a−1)、(a−2)、(b−1)において複数のAの一部のAが水素であってもよい。
式(b−1)中、mは2〜4の整数を示す。)
式(a−1)、(a−2)、(b−1)中、Aは、(メタ)アクリロイル基((メタ)アクリル酸から水酸基を除いた基)を示す。(a−1)、(a−2)において、複数のAは同一又は異なっていても良い。
なお、(a−1)、(a−2)において、複数のAの一部が加水分解されて水素となっていても良い。
(イソシアナト基含有(メタ)アクリレート)
イソシアナト基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名:昭和電工株式会社製「カレンズAOI(登録商標)」など)、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名:昭和電工株式会社製「カレンズMOI(登録商標)」など)、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート(商品名:昭和電工株式会社製「カレンズBEI(登録商標)」など)、5−メタクロイルオキシ−3−オキシペンチルイソシアネート(商品名:昭和電工株式会社製「カレンズMOI−EG(登録商標)」など)が好適に使用できる。
なお、これらのイソシアナト基含有(メタ)アクリレートを、1種のみ用いてもよいし、複数種を併用しても良く、また、本発明に係るポリウレタン(メタ)アクリレートは、イソシアナト基を含有しない(メタ)アクリレートをさらに含んでいても良い。
(ポリウレタン(メタ)アクリレートの製造)
ポリウレタン(メタ)アクリレートは、ポリカーボネートポリオールと、ポリイソシアネートと、イソシアナト基含有(メタ)アクリレートとを、反応させることによって得ることができる(以下、本発明の反応と称することもある)。
その反応形態は特に限定されず、公知のワンショット法やプレポリマー法を適宜選択できるが、ポリカーボネートポリオールとポリイソシアネートとを反応させてポリウレタンを製造した後に、イソシアナト基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法が好適に採用される。
なお、目的とするポリウレタン(メタ)アクリレートの機能や特性などを向上させるために、複数種のポリカーボネートポリオールや、同一種であっても分子量が異なるポリカーボネートポリオールを併用しても良い。また、同一の理由により複数種のポリイソシアネートを併用しても良く、複数種のイソシアナト基含有(メタ)アクリレートを併用しても良い。
本発明の反応において、ポリカーボネートポリオールの水酸基(OH基)と、ポリイソシアネート及びイソシアナト基含有(メタ)アクリレートの合計イソシアネート基(NCO基)のモル比率(OH基/NCO基)が、好ましくは0.8/1〜1.4/1、更に好ましくは0.9/1〜1.3/1、より好ましくは1/1〜1.2/1である。
モル比率(OH基/NCO基)をこの範囲とすることにより、ポリウレタンの末端水酸基が、実質的にイソシアナト基含有(メタ)アクリレートに由来する構造に変換され、残存する未反応の水酸基を低減させることができる。
なお、ポリウレタン(メタ)アクリレートの末端に水酸基が残存する場合であっても、続く硬化物への変換を阻害しないのであればそのままでも良く、水酸基と反応性を有する化合物を更に反応させて不活性化させても良い。
(触媒)
本発明の反応においては、反応速度を向上させるために公知の重合触媒を用いることができ、例えば、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレートなどの有機スズ化合物や、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)などの有機チタン化合物、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビス(エチルアセトアセテート)などの有機ジルコニウム化合物、2−エチルヘキサン酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、ナフテン酸ビスマス、リン酸ジブチルビスマスや、トリエチルアミンなどの三級アミンが好適に使用される。
なお、当該触媒については、吉田敬治著「ポリウレタン樹脂」(日本工業新聞社刊、1969年)の第23〜32頁を参照することができ、複数種を併用しても良い。
前記触媒の使用量は、ポリカーボネートポリオール、ポリイソシアネート、及びイソシアナト基含有(メタ)アクリレートの合計量に対して、好ましくは0.0005〜0.1質量%、更に好ましくは0.001〜0.05質量%である。
触媒の使用量をこの範囲とすることで、十分な反応速度を得ることができるとともに、触媒の残存量が少ないため後処理が煩雑とならない。
(溶媒)
本発明の反応においては、反応に関与しない溶媒を適宜使用することができ、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類が使用できる。
なお、これらの溶媒は、複数種を併用しても良い。また、溶媒を使用することで、ポリウレタン(メタ)アクリレートの溶媒溶液を得ることができる。
前記溶媒の使用量は、ポリカーボネートポリオール、ポリイソシアネート、及びイソシアナト基含有(メタ)アクリレートの合計量に対して、好ましくは5〜200質量%、更に好ましくは10〜100質量%、より好ましくは20〜80質量%である。
溶媒の使用量をこの範囲とすることで、反応液の均一性や攪拌性が向上する。
(重合禁止剤)
本発明の反応においては、原料のイソシアナト基含有(メタ)アクリレートや、生成したポリウレタン(メタ)アクリレートの重合や酸化を抑制するために、重合禁止剤や酸化防止剤を存在させることが望ましく、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−t−ブチル−p−クレゾール、p−ベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ−p−ベンゾキノンなどが使用される。
なお、これらの重合禁止剤や酸化防止剤は、複数種を併用しても良い。
前記重合防止剤や酸化防止剤の添加量は、ポリカーボネートポリオール、ポリイソシアネート、及びイソシアナト基含有(メタ)アクリレートの合計量に対して、好ましくは0.00005〜0.01質量%、更に好ましくは0.0001〜0.005質量%、より好ましくは0.0003〜0.003質量%である。
重合防止剤や酸化防止剤の添加量をこの範囲とすることで、十分に重合や酸化を抑止でき、またこれらの後処理が煩雑とならない。
(鎖延長剤)
本発明の反応においては、分子量を増大させることを目的として、鎖延長剤を用いることができる。使用する鎖延長剤としては、目的や用途に応じて適宜選択できるが、例えば、
水;
エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,10−デカンジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、キシリレングリコール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサンなどの低分子ポリオール;
ポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオールなどの高分子ポリオール;
エチレンジアミン、イソホロンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどのポリアミン
が使用される。
なお、鎖延長剤については、例えば、「最新ポリウレタン応用技術」(株式会社CMC社、1985年に発行)を参照することができ、前記高分子ポリオールについては、例えば、「ポリウレタンフオーム」(高分子刊行会、1987年)を参照することができる。なお、鎖延長剤を1種のみ用いてもよいし、複数種の鎖延長剤を併用しても良い。
本発明の反応は、ポリカーボネートポリオール、ポリイソシアネート、触媒、及び溶媒を混合して、好ましくは0〜150℃、更に好ましくは20〜100℃で反応させた後、得られた反応液に、重合禁止剤、酸化防止剤、及びイソシアナト基含有(メタ)アクリレートを加え、更に同温度で反応させる方法によって好適に行われる。
得られたポリウレタン(メタ)アクリレートは、光や大気中の酸素に必ずしも安定ではないため、特に単離・精製することなく、ポリウレタン(メタ)アクリレートの溶媒溶液として必要な用途に使用するのが望ましい。
本発明のポリウレタン(メタ)アクリレートは、ポリカーボネート骨格を有するため機械物性、耐加水分解性、耐熱性、耐薬品性、耐候性などに優れているが、構造中に直鎖状脂肪族炭化水素基(ポリオール(1A)由来の構造)と環状脂肪族炭化水素基(ポリオール(1B)由来の構造)とを有することで、機械的特性などを損なうことなく、高い弾性率と高い耐薬品性を発現させることができる。
また、末端に(メタ)アクリル基(イソシアナト基含有(メタ)アクリレート由来の構造)を有することにより、より架橋密度が向上し、高い硬度と、より高い弾性率を有する硬化物とすることができる。
ポリカーボネートポリオール及びポリイソシアネートに由来する脂肪族環の割合は、好ましくは10〜34質量%、更に好ましくは11〜30質量%、より好ましくは12〜25質量%である。ポリカーボネートポリオール及びポリイソシアネートに由来する脂肪族環の割合をこの範囲とすることで、更に高い硬度、及び高い耐薬品性を有する。
(その他のポリオール)
本発明のポリウレタン(メタ)アクリレートは、その機能を更に向上させるために、適宜、その他ポリオールを存在させて製造することもできる。
その他のポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオール、ドデカンジオールなどの直鎖状のポリオール;
2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオールなどの分岐状のポリオール;
1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの環状のポリオール;
前記ポリオールを原料として得られるポリカーボネートポリオール(但し、式(1A)で示されるポリオール由来の構造、及び式(1B)で示されるポリオール由来の構造を有するポリカーボネートポリオールを除く)
などが挙げられるが、好ましくはポリウレタン(メタ)アクリレートを構成するポリカーボネートポリオールを製造する際の原料としたポリオール(式(1A)、式(1B)のポリオール)である。
なお、これらの低分子ポリオールを、1種のみ用いてもよいし、複数種を併用しても良い。
また、これらの低分子ポリオールは、ポリウレタン(メタ)アクリレートの機能や特性を損なわない程度において、カルボキシル基、チオカルボキシル基、スルホン基、フェノール性水酸基などの酸性基を有していても良く、例えば、水性ポリウレタン樹脂分散体を製造する際に一般的に使用する2,2−ジメチロールプロピオン酸が挙げられる。
(酸性基含有化合物)
本発明のポリウレタン(メタ)アクリレートの機能を更に向上させるために、適宜、更に、酸性基含有化合物を存在させることもできる。
酸性基含有化合物の酸性基としては、例えば、カルボキシル基、チオカルボキシル基、スルホン基、フェノール性水酸基などが挙げられる。
酸性基含有化合物としては、例えば、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、安息香酸、フタル酸、テレフタル酸などの有機カルボン酸類;前記有機カルボン酸の一部または全部の炭素が硫黄に置き換えられたチオカルボン酸類;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのスルホン酸類;フェノール、クレゾール、カテコール、ハイドロキノンなどのフェノール類などが挙げられる。
なお、これらの酸性基含有化合物を、1種のみ用いてもよいし、複数種を併用しても良い。
[硬化性樹脂組成物]
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記ポリウレタン(メタ)アクリレートと、重合開始剤と、必要に応じて重合性化合物を含む。
(重合開始剤)
前記重合開始剤として、例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインジメチルケタール、チオキサントン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6,−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタノンなどが挙げられるが、好ましくは1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイドが使用される。
なお、これらの重合開始剤を、1種のみ用いてもよいし、複数種を併用しても良い。
前記重合開始剤の使用量は、ポリウレタン(メタ)アクリレートに対して、好ましくは0.3〜10質量%、更に好ましくは0.5〜5質量%である。
重合開始剤の使用量をこの範囲とすることで、十分な反応速度を得ることができるとともに、重合開始剤の残存量が少ないため後処理が煩雑とならない。
(重合性化合物)
前記重合性化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ベンジル(メタ)アクリレート、フェネチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アラルキルエステルフェニル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アリールエステルや、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの単官能(メタ)アクリレート化合物;
ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレートなどのトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート化合物、またはこれらの又は、これらのエチレンオキシ変性品やプロピレンオキシ変性品、ラクトン変性品が使用できる。
なお、これらの重合性化合物を、1種のみ用いてもよいし、複数種を併用しても良い。
ポリウレタン(メタ)アクリレートを製造する際に、イソシアナト基含有(メタ)アクリレートを過剰に用いた場合には、残存するイソシアナト基含有(メタ)アクリレートで重合性化合物を代用することもできる。
また、ポリウレタン(メタ)アクリレートを製造する際に、イソシアナト基含有(メタ)アクリレート中に、他のアクリル化合物が含まれている場合には、これを重合性化合物として代用することもできる。
前記重合性化合物の使用量は、ウレタン(メタ)アクリレートに対して、好ましくは当モル以下である。
[硬化物]
本発明の硬化性樹脂組成物は、必要に応じて有機溶媒を加えて適当な粘度に調整した後、基材の上に塗布し、例えば、紫外線、可視光、レーザー光、電子線、X線、γ線、プラズマ、マイクロウェーブなどの活性エネルギー線を照射することにより、重合・硬化させて硬化物とすることができる。
なお、活性エネルギー線を照射することなく、熱によって硬化物を製造することもでき、熱と活性エネルギー線とを併用しても良い。
前記有機溶媒は、ポリウレタン(メタ)アクリレートを製造する際に用いた有機溶媒と同じものを使用しても良く、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類が使用できる。
なお、これらの溶媒を、1種のみ用いてもよいし、複数種を併用しても良い。
前記基材は、例えば、金属、プラスチック、無機物、木材、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂などの樹脂類などが使用できる。
なお、これらの基材を、1種のみ用いてもよいし、複数種を併用しても良い。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
[測定、及び評価方法]
(粘度)
ポリウレタン(メタ)アクリレートの粘度は、E型粘度計(BROOKFIELD社製「BROOLFIELD粘度計LV DV−II+Pro」)を用いて、25℃にて測定した。
(平均分子量)
ポリウレタン(メタ)アクリレートの平均分子量は、ゲル・パーミッション・クロマトグラフィー(GPC)で測定を行った。測定条件は、以下の通りである。
装置:HPLC−8220 (東ソー社製)
カラム構成:TSKgel SuperHZ3000 + TSKgel SuperHZ1000 (いずれも東ソー社製)
検出器:示差屈折率検出器(RI検出器)
溶離液:テトラヒドロフラン
溶離液の流速:0.6ml/分
温度:40℃
昇温速度:昇温なしの温度一定
キャリブレーション:ポリスチレン換算
試料濃度:0.01g/5mL
(鉛筆硬度)
硬化物をJIS K 5600−5−4に準拠する方法で測定した。荷重750gをかけて引っかき、傷の付かない最も硬い鉛筆の硬さとした。
(破断点伸度、破断点応力)
厚さ約0.05mmのポリウレタンフィルムを形成し、このフィルムを10mm×80mmの短冊型に切り取り、23℃、50%RHの恒温室にて1日養生したものを評価サンプルとした。
当該サンプルを80℃、50%RHの恒温室において、テンシロン引張試験器(ORIENTEC製、RTC−1250A)を用いて、チャック間20mm、引張速度100mm/分で引っ張り、破断点伸度(%)及び破断点応力応力(MPa)を測定した。
(弾性率)
硬化物の弾性率は、JIS K 7311に準拠する方法で測定した。なお、測定条件は、測定温度80℃、湿度50%、引張速度100mm/分である。
(タック性(タックフリー))
硬化物のタック性は、硬化物の表面を指で触り、評価した。
○;べたつきがなく、ほこりも付着しない。
△;べたつきはないが、ほこりが付着する。
×;べたつきがあり、ほこりも付着する。
(密着性)
硬化物の密着性は、JIS K 5600−5−6:1999「クロスカット法」に準じて行った。各種樹脂パネルにポリウレタン(メタ)アクリレート塗布した後、2mm間隔で切り込みを入れ、100マスの碁盤目部分を形成し、粘着テープを碁盤目部分に圧着して引き剥がす工程を10回繰り返すことにより行った。評価基準についても同規格に準じて評価を行った。
◎;剥離しなかったマスの数が100である場合
○;剥離しなかったマスの数が80以上99以下である場合
×;剥離しなかったマスの数が79以下である場合
(耐水性、耐酸性、及び溶剤性)
硬化物を水、酸又は溶剤に24時間浸し、その膨潤率を測定することにより行った。膨潤率が小さいほど、耐性が良好である。
◎;膨潤が全く観察されず。
○;膨潤がほとんど観察されず。
△;膨潤が観察された。
×;膨潤が激しく起こった。
実施例1(ポリウレタンアクリレートの合成)
攪拌装置、温度計及び冷却器を備えた内容積1Lの容器に、ポリカーボネートポリオール(宇部興産株式会社製、ETERNACOLL(登録商標)UM−90(3/1))351g(0.39mol)及びメチルエチルケトン446gを加え、液温を50℃にした後、ジブチルスズ(IV)ジラウレート0.1g及びイソホロンジイソシアネート57.72g(0.26mol)を加え、攪拌しながら75〜85℃で3時間反応を行った。
次いで、p−メトキシフェノール0.25g、2,6−t−ブチル−p−クレゾール0.25g、及び2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名:昭和電工株式会社製、カレンズAOI(登録商標))36.66g(0.0.26mol)を加え、同温度で更に反応させ、イソシアネート基が消失したのを確認後に冷却し、ポリウレタンアクリレートのメチルエチルケトン溶液を得た。
得られたポリウレタンアクリレートのメチルエチルケトン溶液の粘度は50cP/25℃であった。
実施例2(ポリウレタンアクリレートの合成)
攪拌装置、温度計及び冷却器を備えた内容積1Lの容器に、ポリカーボネートポリオール(宇部興産株式会社製、ETERNACOLL(登録商標)UM−90(3/1))351g(0.39mol)及びメチルエチルケトン443gを加え、液温を50℃にした後、ジブチルスズ(IV)ジラウレート0.1g及びトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(エボニック社製、2,2,4−体と2,4,4−体との混合物))54.6g(0.26mol)を加え、攪拌しながら75〜85℃で3時間反応を行った。
次いで、p−メトキシフェノール0.25g、2,6−t−ブチル−p−クレゾール0.25g、及び2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名:昭和電工株式会社製、カレンズAOI(登録商標))36.66g(0.26mol)を加え、同温度で更に反応させ、イソシアネート基が消失したのを確認後に冷却し、ポリウレタンアクリレートのメチルエチルケトン溶液を得た。
得られたポリウレタンアクリレートのメチルエチルケトン溶液の粘度は60cP/25℃であった。
実施例3(ポリウレタンアクリレートの合成)
攪拌装置、温度計及び冷却器を備えた内容積1Lの容器に、ポリカーボネートポリオール(宇部興産株式会社製、ETERNACOLL(登録商標)UM−90(3/1))327.6g(0.364mol)、1,4−シクロヘキサンジメタノール3.74g(0.026mol)及びメチルエチルケトン423gを加え、液温を50℃にした後、ジブチルスズ(IV)ジラウレート0.1g及びトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(エボニック社製、2,2,4−体と2,4,4−体との混合物))54.6g(0.26mol)を加え、攪拌しながら75〜85℃で3時間反応を行った。
次いで、p−メトキシフェノール0.25g、2,6−t−ブチル−p−クレゾール0.25g、及び2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名:昭和電工株式会社製、カレンズAOI(登録商標))36.66g(0.26mol)を加え、同温度で更に反応させ、イソシアネート基が消失したのを確認後に冷却し、ポリウレタンアクリレートのメチルエチルケトン溶液を得た。
得られたポリウレタンアクリレートのメチルエチルケトン溶液の粘度は60cP/25℃であった。
実施例4(ポリウレタンアクリレートの合成)
攪拌装置、温度計及び冷却器を備えた内容積1Lの容器に、ポリカーボネートポリオール(宇部興産株式会社製、ETERNACOLL(登録商標)UM−90(3/1))175.5g(0.195mol)、ポリカーボネートポリオール(宇部興産株式会社製、ETERNACOLL(登録商標)UC−50)97.5g(0.195mol)及びメチルエチルケトン365gを加え、液温を50℃にした後、ジブチルスズ(IV)ジラウレート0.1g及びトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(エボニック社製、2,2,4−体と2,4,4−体との混合物))54.6g(0.26mol)を加え、攪拌しながら75〜85℃で3時間反応を行った。
次いで、p−メトキシフェノール0.25g、2,6−t−ブチル−p−クレゾール0.25g、及び2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名:昭和電工株式会社製、カレンズAOI(登録商標))36.66g(0.26mol)を加え、同温度で更に反応させ、イソシアネート基が消失したのを確認後に冷却し、ポリウレタンアクリレートのメチルエチルケトン溶液を得た。
得られたポリウレタンアクリレートのメチルエチルケトン溶液の粘度は70cP/25℃であった。
実施例5(ポリウレタンアクリレートの合成)
攪拌装置、温度計及び冷却器を備えた内容積1Lの容器に、ポリカーボネートポリオール(宇部興産株式会社製、ETERNACOLL(登録商標)UM−90(3/1))327.6g(0.364mol)、2,2−ジメチロールプロピオン酸3.48g(0.026mol)及びメチルエチルケトン423gを加え、液温を50℃にした後、ジブチルスズ(IV)ジラウレート0.1g及びトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(エボニック社製、2,2,4−体と2,4,4−体との混合物))54.6g(0.26mol)を加え、攪拌しながら75〜85℃で3時間反応を行った。
次いで、p−メトキシフェノール0.25g、2,6−t−ブチル−p−クレゾール0.25g、及び2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名:昭和電工株式会社製、カレンズAOI(登録商標))36.66g(0.26mol)を加え、同温度で更に反応させ、イソシアネート基が消失したのを確認後に冷却し、ポリウレタンアクリレートのメチルエチルケトン溶液を得た。
得られたポリウレタンアクリレートのメチルエチルケトン溶液の粘度は60cP/25℃であった。
実施例6(ポリウレタンアクリレートの合成)
攪拌装置、温度計及び冷却器を備えた内容積1Lの容器に、ポリカーボネートポリオール(宇部興産株式会社製、ETERNACOLL(登録商標)UM−90(3/1))351g(0.39mol)及びメチルエチルケトン450gを加え、液温を50℃にした後、ジブチルスズ(IV)ジラウレート0.1g、イソホロンジイソシアネート28.86g(0.13mol)及びジフェニルメタンジイソシアネート(東ソー社製)32.5g(0.13mol)を加え、攪拌しながら75〜85℃で3時間反応を行った。
次いで、p−メトキシフェノール0.25g、2,6−t−ブチル−p−クレゾール0.25g、及び2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名:昭和電工株式会社製、カレンズAOI(登録商標))36.66g(0.26mol)を加え、同温度で更に反応させ、イソシアネート基が消失したのを確認後に冷却し、ポリウレタンアクリレートのメチルエチルケトン溶液を得た。
得られたポリウレタンアクリレートのメチルエチルケトン溶液の粘度は70cP/25℃であった。
比較例1(ポリウレタンアクリレートの合成)
攪拌装置、温度計及び冷却器を備えた内容積1Lの容器に、ポリカーボネートポリオール(宇部興産株式会社製、ETERNACOLL(登録商標)UM−90(1/3))216g(0.24mol)及びメチルエチルケトン379gを加え、液温を50℃にした後、ジブチルスズ(IV)ジラウレート0.1g及びイソホロンジイソシアネート106.56g(0.48mol)を加え、攪拌しながら75〜85℃で3時間反応を行った。
次いで、p−メトキシフェノール0.15g、2,6−t−ブチル−p−クレゾール0.15g、及び2−ヒドロキシエチルアクリレート55.68g(0.48mol)を加え、同温度で更に反応させ、イソシアネート基が消失したのを確認後に冷却し、ポリウレタンアクリレートのメチルエチルケトン溶液を得た。
得られたポリウレタンアクリレートのメチルエチルケトン溶液の粘度は50cP/25℃であった。
比較例2(ポリウレタンアクリレートの合成)
攪拌装置、温度計及び冷却器を備えた内容積1Lの容器に、ポリカーボネートポリオール(宇部興産株式会社製、ETERNACOLL(登録商標)UH−100)240g(0.24mol)及びメチルエチルケトン403gを加え、液温を50℃にした後、ジブチルスズ(IV)ジラウレート0.1g及びイソホロンジイソシアネート106.56g(0.48mol)を加え、攪拌しながら75〜85℃で3時間反応を行った。
次いで、p−メトキシフェノール0.15g、2,6−t−ブチル−p−クレゾール0.15g、及び2−ヒドロキシエチルアクリレート55.68g(0.48mol)を加え、同温度で更に反応させ、イソシアネート基が消失したのを確認後に冷却し、ポリウレタンアクリレートのメチルエチルケトン溶液を得た。
得られたポリウレタンアクリレートのメチルエチルケトン溶液の粘度は50cP/25℃であった。
(組成物、及び硬化物の製造)
実施例及び比較例で得られたポリウレタンアクリレートのメチルエチルケトン溶液20gに1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン(イルガキュア(登録商標)184、BASF社製)0.5gを混合し、硬化性樹脂組成物を製造した。
ポリカーボネート樹脂基材またはABS樹脂基材に前記硬化性樹脂組成物を塗布し、80℃で30分間乾燥させた後、強度1000mJ/cmの紫外線を照射して硬化物を製造した。
以上の結果をまとめて表1に示す。
なお、表で使用する略語は以下の通りである。
PCD UM−90(3/1);1,4−シクロヘキサンジメタノールと1,6−ヘキサンジオールとの混合物(3:1)を原料として得られるポリカーボネートポリオール(宇部興産株式会社製、ETERNACOLL(登録商標)UM−90(3/1))
PCD UM−90(1/3);1,4−シクロヘキサンジメタノールと1,6−ヘキサンジオールとの混合物(1:3)を原料として得られるポリカーボネートポリオール(宇部興産株式会社製、ETERNACOLL(登録商標)UM−90(1/3))
PCD UC−50;1,4−シクロヘキサンジメタノールを原料として得られるポリカーボネートポリオール(宇部興産株式会社製、ETERNACOLL(登録商標)UC−50)
PCD UH−100;1,6−ヘキサンジオールを原料として得られるポリカーボネートポリオール(宇部興産株式会社製、ETERNACOLL(登録商標)UH−100)
CHDM;1,4−シクロヘキサンジメタノール
IPDI;イソホロンジイソシアネート
TMDI;トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(エボニック社製、2,2,4−体と2,4,4−体との混合物))
MDI;4,4’−メチレンビスシクロヘキシルジイソシアネート
AOI;2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名:昭和電工株式会社製、カレンズAOI(登録商標))
HEA;2−ヒドロキシエチルアクリレート(日本触媒社製)
Figure 0006907574
以上の結果より、実施例で得られたポリウレタンアクリレートより製造した硬化物が、高いタック性(タックフリー)、高い伸度、及び耐水性の各機能・特性において優れることが、比較例で得られたポリウレタンアクリレートより製造した硬化物と比較して明らかになった。
そのため、本発明のポリウレタン(メタ)アクリレート、及びその組成物は、例えば、インク、塗料、接着剤や、粘着剤などのコーティング用途(コーティング材料)、高外観性と高耐久性が求められるような各種モバイル機器、フィルム、建築内外装、自動車内外装などの積層用途(積層材料)、紫外線硬化レンズのような硬化成型物などの成形用途(成形材料)に好適に使用できる。
本発明は、ポリカーボネート骨格を繰り返し単位として有する新規なポリウレタン(メタ)アクリレート、及びその組成物、硬化物に関する。ポリウレタン(メタ)アクリレートは、活性エネルギー線で硬化させるタイプの各種コーティング剤の主成分などとして有用な化合物である。

Claims (9)

  1. ポリカーボネートポリオール由来の構造と、ポリイソシアネート由来の構造とを有し、
    末端にイソシアナト基含有(メタ)アクリレート由来の構造を有するポリウレタン(メタ)アクリレートであって、
    ポリカーボネートポリオールが、下記式(1A)で示されるポリオール由来の構造、及び式(1B)で示されるポリオール由来の構造を有しており、
    ポリイソシアネートが、下記式(2)で示されるものであり、
    イソシアナト基含有(メタ)アクリレートが、下記式(a−1)〜(b−1)で示されるものであり、
    ポリウレタン(メタ)アクリレートが、トリオール由来の構造を含まず、
    ポリカーボネートポリオール及びポリイソシアネートに由来する脂肪族環の割合が、ポリウレタン(メタ)アクリレートに対して、11〜30質量%である、ポリウレタン(メタ)アクリレート。
    Figure 0006907574
    (式(1A)中、Zは炭素原子数2〜12の二価の直鎖状脂肪族炭化水素基を示す。
    式(1B)中、Zは炭素原子数6〜18の二価の環状脂肪族炭化水素基を示す。
    式(2)中、Rは炭素原子数2〜12の二価の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素原子数3〜12の二価の分岐状脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜18の二価の環状脂肪族炭化水素基、又は炭素原子数6〜18の二価の芳香族炭化水素基を示す。
    式(a−1)〜(b−1)中、Aは(メタ)アクリロイル基を示す。なお、複数のAの一部のAが水素であってもよい。
    式(b−1)中、mは2〜4の整数を示す。)
  2. ポリカーボネートポリオールにおいて、式(1A)で示されるポリオールに由来する構造と、式(1B)で示されるポリオールに由来する構造のモル比率(式(1A)で示されるポリオールに由来する構造/式(1B)で示されるポリオールに由来する構造)が、10/90〜90/10である、請求項1に記載のポリウレタン(メタ)アクリレート。
  3. 請求項1又は2に記載のポリウレタン(メタ)アクリレートを硬化して得られる硬化物。
  4. 請求項1又は2に記載のポリウレタン(メタ)アクリレートを含む、組成物。
  5. 請求項に記載の組成物を硬化して得られる硬化物。
  6. 重合性化合物を更に含む、請求項に記載の組成物。
  7. 請求項に記載の組成物を硬化して得られる硬化物。
  8. 請求項1又は2に記載のポリウレタン(メタ)アクリレートを含む、コーティング材料、積層材料、または成形材料。
  9. 請求項1又は2に記載のポリウレタン(メタ)アクリレートを含む組成物を含む、コーティング材料、積層材料、または成形材料。
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