JP2013181014A - 含フッ素化合物、撥液性処理剤、及び硬化膜 - Google Patents

含フッ素化合物、撥液性処理剤、及び硬化膜 Download PDF

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Abstract

【課題】撥液性に優れ、かつ耐摩擦性に優れる膜を形成することができる含フッ素化合物を提供すること。
【解決手段】例えば、下記化合物MA1、ME1などの含フッ素化合物。
Figure 2013181014

【選択図】なし

Description

本発明は、新規な含フッ素化合物、該含フッ素化合物を含有する撥液性処理剤、該撥液性処理剤硬化してなる硬化膜に関する。
含フッ素化合物は、撥液処理剤、反射防止膜、防汚剤、塗料など種々の用途に用いられている。
特許文献1には、重合性基を有する含フッ素化合物を重合させた含フッ素重合体を含有する撥水撥油剤組成物が記載されている。
また、特許文献2には、反射防止膜として好適な重合体薄膜を形成することができる含フッ素多官能モノマーが開示されている。
特開2004−250379号公報 特開2006−028280号公報
しかしながら、特許文献1に記載の重合性含フッ素化合物を含む組成物を用いて形成した撥液性膜は、耐摩擦性に劣るという問題がある。
また、特許文献2には、該含フッ素多官能モノマーを撥液性膜として用いうるという記載も示唆もない。
したがって、本発明の課題は、撥液性に優れ、かつ耐摩擦性に優れる膜を形成することができる含フッ素化合物を提供することである。また、本発明の別の課題は、撥液性に優れ、かつ耐摩擦性に優れる膜を形成することができ、更に基材上に塗布した際に弾かれずに均質な塗膜を形成することができる撥液性処理剤、及び該撥液性処理剤を硬化させた硬化膜を提供することである。
本発明者等は上記した実情に鑑みて鋭意検討した結果、下記手段により、上記課題を解決できることを見出した。
〔1〕
下記一般式(1)で表される含フッ素化合物。
Figure 2013181014
一般式(1)中、aは3〜8の整数を表し、cは0〜10の整数を表し、d及びeはそれぞれ独立に0又は1を表し、iは1〜3の整数を表し、Yは下記一般式(2)、(3)、(4)若しくは(5)で表される基、アリル基、又はビニル基を表し、Lは下記一般式(6)又は(7)で表される基を表し、L及びLは、それぞれ独立に、下記一般式(8)、(9)、(10)又は(11)で表される基を表し、Rfは(a+i)価の、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数3〜20の直鎖状、分枝状又は環状の飽和パーフルオロアルキル基を表し、Rfは、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数1〜5の直鎖状又は分枝状の1価のパーフルオロアルキル基又はフッ素原子を表し、Rfは、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数6〜100の直鎖状、分枝状又は環状の1価のパーフルオロアルキル基を表す。
Figure 2013181014
一般式(2)中、Xは水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又は水酸基を表す。
一般式(3)、(4)、(5)中、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜5の直鎖状又は分枝状の1価のアルキル基を表す。
一般式(5)中、kは1又は2を表す。
一般式(6)、(7)中、mは0〜10の整数を表す。
一般式(8)、(9)、(10)、(11)中、nは0〜10の整数を表す。
一般式(7)中、Yは前記一般式(2)、(3)、(4)若しくは(5)で表される基、アリル基、又はビニル基を表す。
〔2〕
一般式(1)中のRfが下記f−1〜f−8から選ばれる基である〔1〕に記載の含フッ素化合物。
Figure 2013181014
式中、*はY−L−O−CH−(CF−CF(Rf)−(O)−L−又はRf―(O)−L−と結合する位置を表す。
〔3〕
一般式(1)中の(a+i)が4〜8の整数である〔1〕又は〔2〕に記載の含フッ素化合物。
〔4〕
一般式(1)中のd及びeが1である〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の含フッ素化合物。
〔5〕
下記一般式(1)で表される含フッ素化合物を含有する撥液性処理剤。
Figure 2013181014
一般式(1)中、aは3〜8の整数を表し、cは0〜10の整数を表し、d及びeはそれぞれ独立に0又は1を表し、iは1〜3の整数を表し、Yは下記一般式(2)、(3)、(4)若しくは(5)で表される基、アリル基、又はビニル基を表し、Lは下記一般式(6)又は(7)で表される基を表し、L及びLは、それぞれ独立に、下記一般式(8)、(9)、(10)又は(11)で表される基を表し、Rfは(a+i)価の、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数3〜20の直鎖状、分枝状又は環状の飽和パーフルオロアルキル基を表し、Rfは、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数1〜5の直鎖状又は分枝状の1価のパーフルオロアルキル基又はフッ素原子を表し、Rfは、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数6〜100の直鎖状、分枝状又は環状の1価のパーフルオロアルキル基を表す。
Figure 2013181014
一般式(2)中、Xは水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又は水酸基を表す。
一般式(3)、(4)、(5)中、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜5の直鎖状又は分枝状の1価のアルキル基を表す。
一般式(5)中、kは1又は2を表す。
一般式(6)、(7)中、mは0〜10の整数を表す。
一般式(8)、(9)、(10)、(11)中、nは0〜10の整数を表す。
一般式(7)中、Yは前記一般式(2)、(3)、(4)若しくは(5)で表される基、アリル基、又はビニル基を表す。
〔6〕
一般式(1)中のRfが下記f−1〜f−8から選ばれる基である〔5〕に記載の撥液性処理剤。
Figure 2013181014
式中、*はY−L−O−CH−(CF−CF(Rf)−(O)−L−又はRf―(O)−L−と結合する位置を表す。
〔7〕
〔5〕又は〔6〕に記載の撥液性処理剤を硬化させて得られる硬化膜。
本発明によれば、撥液性に優れ、かつ耐摩擦性に優れる撥液性膜を形成することができる含フッ素化合物が提供される。また、該含フッ素化合物を含む撥液性処理剤により、撥液性に優れ、かつ耐摩擦性に優れる撥液性膜を形成できるとともに、基材上に塗布した際に弾かれずに均質な塗膜を形成することができる撥液処理剤が提供される。更に、該撥液性処理剤を用いて形成された硬化膜が提供される。
<一般式(1)で表される化合物>
本発明の一般式(1)で表される化合物は、主に複数のフッ素原子と炭素原子から成る(但し、一部に酸素原子を含んでもよい)、実質的に重合に関与しない原子団(以下、「含フッ素コア部」ともいう)と、エステル結合やエーテル結合などの連結基を介して、ラジカル重合性、カチオン重合性、または縮合重合性などの重合性を有する、3つ以上の重合性基と、酸素原子を含んでもよいフルオロアルキル基を有する含フッ素化合物である。
Figure 2013181014
一般式(1)中、aは3〜8の整数を表し、cは0〜10の整数を表し、d及びeはそれぞれ独立に0又は1を表し、iは1〜3の整数を表し、Yは下記一般式(2)、(3)、(4)若しくは(5)で表される基、アリル基、又はビニル基を表し、Lは下記一般式(6)又は(7)で表される基を表し、L及びLは、それぞれ独立に、下記一般式(8)、(9)、(10)又は(11)で表される基を表し、Rfは(a+i)価の、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数3〜20の直鎖状、分枝状又は環状の飽和パーフルオロアルキル基を表し、Rfは、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数1〜5の直鎖状又は分枝状の1価のパーフルオロアルキル基又はフッ素原子を表し、Rfは、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数6〜100の直鎖状、分枝状又は環状の1価のパーフルオロアルキル基を表す。
Figure 2013181014
一般式(2)中、Xは水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基、水酸基、又はトリフルオロメチル基を表す。
一般式(3)、(4)、(5)中、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜5の直鎖状又は分枝状の1価のアルキル基を表す。
一般式(5)中、kは1又は2を表す。
一般式(6)、(7)中、mは0〜10の整数を表す。
一般式(8)、(9)、(10)、(11)中、nは0〜10の整数を表す。
一般式(7)中、Yは前記一般式(2)、(3)、(4)若しくは(5)で表される基、アリル基、又はビニル基を表す。
一般式(1)中、aは3〜8の整数を表す。aは原料素材の入手性及び製造の容易さの観点から、3〜6の整数であることが好ましく、3〜5の整数であることがより好ましく、3又は4であることがさらに好ましい。
一般式(1)中、iは1〜3の整数を表す。iは製造の容易さの観点から、1〜2の整数であることが好ましく、1であることがより好ましい。
一般式(1)中、a+iは4〜11の整数を表す。a+iは撥水性と耐摩擦性とのバランスの観点から、4〜8の整数であることが好ましく、4〜6の整数であることがより好ましく、4であることがさらに好ましい。
一般式(1)中、cは0〜10の整数を表す。cは0〜6の整数であることが好ましく、0〜3の整数であることがより好ましく、0又は1であることがさらに好ましく、1であることがさらにより好ましい。
一般式(1)中、dは0又は1を表す。dは製造の容易さの観点から、1であることが好ましい。
一般式(1)中、eは0又は1を表す。eは1であることが好ましい。
一般式(1)中、Yは下記一般式(2)、(3)、(4)若しくは(5)で表される基(但し、Xは水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又は水酸基を表し、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜5の直鎖状又は分枝状の1価のアルキル基を表し、kは1又は2を表す。)、アリル基、又はビニル基を表す。
Figure 2013181014
一般式(2)中、Xは水素原子、フッ素原子又はメチル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることがより好ましく、水素原子であることがさらに好ましい。
一般式(3)〜(5)中、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜5の直鎖状又は分枝状の1価のアルキル基を表す。アルキル基が置換基を有する場合の置換基としては、フッ素原子、アルコキシル基、水酸基が挙げられる。
、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、又はエチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
一般式(5)中、kは1又は2を表す。kは1であることが好ましい。
一般式(1)中のYは、すべて同一であっても、互いに異なっていてもよいが、製造適性の観点からすべて同一であることが好ましい。互いに異なる場合は、2種類以上の硬化処理を組み合わせることにより、より強固な硬化物を作製できる点で好ましい。
一般式(1)中のYとしては、撥水性と耐摩擦性とのバランスの観点から、上記一般式(2)又は一般式(3)で表される基であることが好ましい。
一般式(1)中、Lは下記一般式(6)又は(7)で表される基(但し、mは0〜10の整数を表す。)を表す。一般式(7)中、Yは前記一般式(2)、(3)、(4)若しくは(5)で表される基、アリル基、又はビニル基を表す。
Figure 2013181014
一般式(6)及び(7)中、mは0〜4であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、0であることがさらに好ましい。mが0の場合は、Lが単結合であることを表す。
一般式(1)中、L及びLは、それぞれ独立に、下記一般式(8)、(9)、(10)又は(11)で表される基(但し、nは0〜10の整数を表す。)を表す。
Figure 2013181014
一般式(8)、(9)、(10)及び(11)中、nは0〜4であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、0であることがさらに好ましい。nが0の場合は、L及びLが単結合であることを表す。
一般式(1)中、Rfは「含フッ素コア部」を構成し、(a+i)価の、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数3〜20の直鎖状、分枝状又は環状の飽和パーフルオロアルキル基を表す。パーフルオロアルキル基とは、実質的に全ての水素原子がフッ素原子に置換されたアルキル基であり、且つ、水酸基、カルボキシル基、或いはニトロ基などの置換基を有さない基である。
Rfは好ましくは、(a+i)価の、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数3〜16の分枝状又は環状の飽和パーフルオロアルキル基であり、より好ましくは、(a+i)価の、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数4〜12の分枝状又は環状の飽和パーフルオロアルキル基である。
Rfで表される「含フッ素コア部」の好ましい例として、下記の構造が挙げられる。
Figure 2013181014
式中、*はY−L−O−CH−(CF−CF(Rf)−(O)−L−又はRf―(O)−L−と結合する位置を表す。
Rfは、原料素材の入手性の観点から、上記f−1、f−3、f−4、f−5、f−6、又はf−8であることが好ましく、f−1、f−5又はf−6であることがより好ましく、f−1あることが最も好ましい。
一般式(1)中、Rfは、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数1〜5の直鎖状又は分枝状の1価のパーフルオロアルキル基又はフッ素原子を表す。パーフルオロアルキル基の例としては、
CF―、
CFCF−、
CF(CF−、
(CFCF−、
CFCFOCFCF−、
CFCFOCFCFOCF−、
CF(CFO(CF
等が挙げられる。
Rfは、CF−又はフッ素原子であることが好ましく、フッ素原子であることがより好ましい。
一般式(1)中、Rfは、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数6〜100の直鎖状、分枝状又は環状の1価のパーフルオロアルキル基を表す。
Rfは、炭素数6〜60のエーテル性酸素原子を含んでもよいパーフルオロアルキル基であることが好ましく、炭素数6〜40のエーテル性酸素原子を含んでもよいパーフルオロアルキル基であることがより好ましい。
以下にRfの具体例を示す。
なお、下記例中のx、yは、Rf中の炭素数が6〜100を満たすような整数の組み合わせを表す。xは好ましくは、1〜40であり、より好ましくは3〜20である。yは好ましくは、1〜40であり、より好ましくは3〜20である。
CF(CF−、
CF(OCFCF−、
CF(OCF(OCFCF−、
CF(OCFCFCF−、
CFCFCF(OCF(CF)CF−、
CFCF(OCFCF−、
CFCF(OCFCF−、
CF(CF−、
CF(CF−、
CFCFOCFCFOCFCF−、
CFCFOCFCFOCFCFOCFCFOCF−、
CFCFOCFCFOCFCFOCFCFOCFCF−、
CFCFCFOCF(CF)CF−、
CFCFCFOCF(CF)CFOCFCF−、
CFCFCFOCF(CF)CFOCF(CF)−、
CFCFCFOCF(CF)CFOCF(CF)CF
一般式(1)で表される化合物は、撥液性の観点から、フッ素原子含有量が該化合物の32質量%以上であることが好ましく、より好ましくは35質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。
前記一般式(1)で表される含フッ素化合物は、下記一般式(17)で表される含フッ素化合物であることが好ましい。
Figure 2013181014
一般式(17)中、aは3〜8の整数を表し、cは0〜10の整数を表し、iは1〜3の整数を表し、Yは前記一般式(2)、(3)、(4)若しくは(5)で表される基、アリル基、又はビニル基を表し、Lは前記一般式(6)又は(7)で表される基を表し、Rfは(a+i)価の、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数3〜20の直鎖状、分枝状又は環状の飽和パーフルオロアルキル基を表し、Rfは、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数1〜5の直鎖状又は分枝状の1価のパーフルオロアルキル基又はフッ素原子を表し、Rfは、少なくとも1つのトリフルオロメチル基を有する、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数6〜100の直鎖状、分枝状又は環状の1価のパーフルオロアルキル基を表す。
一般式(17)中、a、c、i、Y、L、Rf、Rfの具体例及び好ましい範囲は、前記一般式(1)中におけるa、c、i、Y、L、Rf、Rfと同様である。
一般式(17)中、Rfは、少なくとも1つのトリフルオロメチル基を有する、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数6〜100の直鎖状、分枝状又は環状の1価のパーフルオロアルキル基を表す。
Rfは、少なくとも1つのトリフルオロメチル基を有する、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数6〜60のパーフルオロアルキル基であることが好ましく、少なくとも1つのトリフルオロメチル基を有する、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数6〜40のパーフルオロアルキル基であることがより好ましく、少なくとも1つのトリフルオロメチル基を有する、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数6〜20のパーフルオロアルキル基であることが更に好ましい。
Rfの具体例及び好ましい範囲は、前記一般式(1)中におけるRfの具体例及び好ましい範囲と同様である。
以下に一般式(1)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらによって限定されない。下記具体例化合物中のx、yは各々独立に1〜40の整数を表す。n1、n2、n3は、各々独立に0〜10の整数を表す。
Figure 2013181014
Figure 2013181014
Figure 2013181014
Figure 2013181014
Figure 2013181014
Figure 2013181014
Figure 2013181014
Figure 2013181014
Figure 2013181014
上記具体例化合物の中でも、MA1、MA2、MA3、MA4、MA5、MA6、MA7、MA9、MA12、MA13、MA14、MA15、MA16、MA17、MA23、MA24、ME1、ME2、ME3、ME4、ME5、ME6、ME7、ME9、ME10、ME12、ME13、ME14、ME15、ME17、ME23、ME24が好ましく、MA1、MA3、MA4、MA6、MA7、MA15、MA17、ME1、ME3、ME4、ME6、ME7、ME15、ME17がより好ましく、MA1、MA3、MA4、MA6、MA17、ME1、ME3、ME4、ME6、ME17が最も好ましい。
これらの含フッ素多官能モノマーの製造方法としては、エステル結合、ジアルコキシ基、および/またはハロゲン原子を有する化合物を、好ましくはエステル結合を有する化合物を、液相フッ素化することにより、実質的にすべての水素原子をフッ素原子に置換した後、3つ以上の重合性基を導入する方法が好適である。液相フッ素化については、例えば、米国特許第5093432号明細書に記載されている。
液相フッ素化に供される化合物としては、液相フッ素化する際に用いるフッ素系の溶媒に溶解するか、または、液体であることが要求されるが、それ以外は特に制限は無い。こうした溶解性や反応性の観点から、予めフッ素を含有する化合物を用いても良い。また、エステル結合、ジアルコキシ基、および/またはハロゲン原子を有する化合物は、液相フッ素化後に重合性基を導入する際の反応点とすることができるため、好適である。
液相フッ素化によってフッ素原子の導入を行うことにより、後から導入する重合性基以外の部分のフッ素含有率を極めて高くすることが可能である。
本発明の一般式(1)で表される含フッ素化合物の用途としては、特に限定されるものではないが、例えば、撥液処理剤、離型剤、防汚剤、指紋付着防止剤、反射防止膜、半導体封止材料、光学レンズ材料、光導波路などが挙げられる。
<撥液性処理剤>
本発明の撥液性処理剤は、少なくとも1種類の上記一般式(1)で表される含フッ素化合物を含有する。
本発明の撥液処理剤は、一般式(1)で表される含フッ素化合物を1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。
一般式(1)で表される含フッ素化合物、例えば上記化合物MA1は、分子の中心部分に高フッ素含率部分が存在し、その周囲に撥液性の低い重合性基Yと、撥液性の非常に高いフルオロアルキル基が分散している分子構造を有する。そのため、高フッ素含率にもかかわらず、分子表面の自由エネルギーは比較的高く、基材の親水性表面との親和性は比較的高い。
一般式(1)で表される含フッ素化合物を含む撥液性処理剤は、高フッ素含率でありながら親水性表面に塗布した場合にも弾かれなく、均質な塗膜を形成できる。これは、以下のような現象によるものと推測する。
即ち、塗布後の塗膜内において、撥液性の低い重合性基Y部分が基材方向に偏向するために、基材との弾きが起こりにくく、また撥液性の非常に高いフルオロアルキル基部分が空気界面に偏向し、同時にフルオロアルキル基が塗膜表面に等間隔で均一に配置するために、塗膜表面が非常に低い表面自由エネルギーを示すためと推測する。
このようにして、非常に高い撥液性、及び耐摩擦性を有しながら、同時に、親水性表面に塗布した場合でも弾かれないという、優れた特徴を有する撥液性処理剤を得ることができる。
撥液性処理剤中、一般式(1)で表される含フッ素化合物は、撥液性と耐摩擦性のバランスの観点から、撥液性処理剤全量に対し、5〜90質量%であることが好ましく、7〜70質量%であることがより好ましく、10〜50質量%であることがさらに好ましい。
<重合開始剤>
本発明の撥液性処理剤は、さらに重合開始剤を含むことが好ましい。重合開始剤としては、熱により重合を開始させる熱重合開始剤や、光により重合を開始させる光重合開始剤が挙げられる。用いる重合開始剤は特に制限されないが、後述の親水性領域と撥液性領域が所望のパターンを有する部材を得る目的においては、フォトマスクを用いたパターン形成に適するように、光重合開始剤を用いることが好ましい。
光重合開始剤には、光を吸収してラジカルを発生することにより重合反応を開始させる光ラジカル重合開始剤や、光を吸収してカチオンを発生することにより重合反応を開始させる光カチオン重合開始剤がある。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(BASFジャパン(株)社製、ダロキュア1173)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン(株)社製、イルガキュア184)、ベンジルジメチルケタール(BASFジャパン(株)社製、イルガキュア651)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(BASFジャパン(株)社製、イルガキュア907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(BASFジャパン(株)社製、イルガキュア369)、2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬(株)社製、カヤキュアDETX)を好ましい例として挙げることができる。
光カチオン重合開始剤としては、例えば[CH−ph−I−ph−CH−(CH][PF ](ただし、phは1,4−フェニレン基を示す)が好ましく、[CH−ph−I−ph−CH−(CH][PF ](ただし、phは1,4−フェニレン基を示す)とプロピレンカーボネートの3:1の混合物(BASFジャパン(株)社製、イルガキュア250)が例示される。他の好ましい例としては、ジメチル−4−メチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート(和光純薬工業(株)社製、WPAG−336)が挙げられる。
光カチオン重合開始剤としては、スルホニウム塩化合物又はヨードニウム塩化合物が好ましい。
これらは単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。光重合開始剤の量は、撥液性処理剤中の重合性化合物の総量に対して0.1〜50質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
<溶媒>
本発明の撥液性処理剤は、塗布性を向上させるために溶媒を含んでもよい。溶媒としては、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ヘキサン等の炭化水素類、ノナフルオロブチルメチルエーテル(住友スリーエム(株)社製、ノベックHFE−7100)、ジクロロペンタフルオロプロパン(旭硝子(株)社製、アサヒクリンAK−225;CFCFCHClとCClFCFCHClFの混合物)等の含フッ素化合物類が好ましい。これらは単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。溶液中の固形分濃度は0.01〜50質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。
その他、撥液性処理剤中には、含フッ素単官能モノマー、含フッ素2官能モノマー、含フッ素多官能モノマー、非フッ素モノマー、光増感剤、重合禁止剤、蛍光体、樹脂、無機粒子、粒子状有機ポリマー、熱安定剤等を含んでもよい。
<一般式(12)又は(13)で表される化合物>
本発明の撥液性処理剤は、下記一般式(12)又は(13)で表される化合物を含有していてもよい。
Figure 2013181014
一般式(12)中、fは1〜5の整数を表し、gは0又は1を表し、Yは下記一般式(2)、(3)、(4)若しくは(5)で表される基、アリル基、又はビニル基を表し、Lは下記一般式(6)、(7)、(14)、又は(15)で表される基を表し、Rfは、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数1〜100の直鎖状、分枝状又は環状の1価のパーフルオロアルキル基を表す。
一般式(13)中、h及びiはそれぞれ独立に1〜5の整数を表し、Yは下記一般式(2)、(3)、(4)若しくは(5)で表される基、アリル基、又はビニル基を表し、Lはそれぞれ独立に下記一般式(6)、(7)、(14)、又は(15)で表される基を表し、Rfは、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数1〜100の直鎖状、分枝状又は環状の2価のパーフルオロアルキルを表す。
Figure 2013181014
一般式(2)中、Xは水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又は水酸基を表す。
一般式(3)、(4)、(5)中、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、又は、置換基を有してもよい炭素数1〜5の直鎖状又は分枝状の1価のアルキル基を表す。
一般式(5)中、kは1又は2を表す。
一般式(6)、(7)、(14)中、mは0〜10の整数を表す。
一般式(7)、(15)中、Yは前記一般式(2)、(3)、(4)若しくは(5)で表される基、アリル基、又はビニル基を表す。
一般式(12)中、fは1〜5の整数を表す。fは1〜3の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましい。
一般式(12)中、gは0又は1を表す。gは0であることが好ましい。
一般式(12)中、Yは上記一般式(2)、(3)、(4)若しくは(5)で表される基、アリル基、又はビニル基を表す。
一般式(12)中のYは、一般式(1)におけるYと同義である。一般式(12)中のYとしては、撥液性と耐摩擦性とのバランスの観点から、上記式(2)又は式(3)で表される基であることが好ましい。
一般式(12)中、Lは上記一般式(6)、(7)、(14)又は(15)で表される基(但し、mは0〜10の整数を表す。)を表す。一般式(15)中のYは、一般式(12)におけるYと同義であり、好ましい基も同様である。mは0〜4であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、0であることがさらに好ましい。すなわち、Lが単結合であることが好ましい。
一般式(12)中、Rfは、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数1〜100の直鎖状、分枝状又は環状の1価のパーフルオロアルキル基を表す。
Rfは、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数2〜75のパーフルオロアルキル基であることが好ましく、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数4〜60のパーフルオロアルキル基であることがより好ましく、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数6〜50のパーフルオロアルキル基であることがさらに好ましい。
Rfは、エーテル性酸素原子を含んでもよい、直鎖状、又は分岐鎖としてトリフルオロメチル基を有する直鎖状のパーフルオロアルキル基であることが好ましい。
以下にRfの具体例を示す。
なお、下記例中のzは、Rf中の炭素数が1〜100を満たす整数の組み合わせを表す。zは好ましくは1〜40であり、より好ましくは3〜20である。
−、
13−、
CF(CF−、
CF(CF−、
CFOCFCF−、
CFCFOCFCF−、
CFOCFCFCFCF−、
(CFCFOCF−、
((CFCF)CFCF(CF)−、
CFO(CFCFO)CF−、
(CFCFOCFCFOCFCF−、
(CFCCFCF(CF)CFCF−、
(CFCFCFCFCFCF(CF)CFCF−、
CFCFO(CFCFO)CF−、
(CFCOCFCF−、
(CFCO(CFCFO)CF−、
(CFCFO(CFCFCFO)CFCF−、
CFO(CFCFCFO)CFCF−、
CFCFCFO(CF(CF)CFO)CF(CF)−、
CFCFOCFCFOCFCF−、
CFCFOCFCFOCFCFOCFCFOCFCF−、
CFCFCFOCF−、
CFCFCFOCFCF
CFCFCFOCF(CF)−、
CFCFCFOCF(CF)CF−、
CFCFCFOCF(CF)CFOCFCF−、
CFCFCFOCF(CF)CFOCF(CF)CF
一般式(13)中、h及びiはそれぞれ独立に1〜5の整数を表す。h及びiはそれぞれ独立に1〜3の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることがさらに好ましい。
一般式(13)中のYは、一般式(12)におけるYと同義であり、好ましい基も同様である。
一般式(13)中のLは一般式(12)におけるLと同義であり、好ましい基も同様である。
一般式(13)中、Rfは、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数1〜100の直鎖状、分枝状又は環状の2価のパーフルオロアルキレン基を表す。
Rfは、エーテル性酸素原子を含んでもよい、直鎖状の炭素数2〜90の2価のパーフルオロアルキレン基であることが好ましく、エーテル性酸素原子を含んでもよい、直鎖状の炭素数6〜80の2価のパーフルオロアルキレン基であることがより好ましい。
Rfは、エーテル性酸素原子を含んでもよい、直鎖状、又は分岐鎖としてトリフルオロメチル基を有する直鎖状のパーフルオロアルキレン基であることが好ましい。
以下にRfの具体例を示す。
なお、下記例中のp、qは、Rf中の炭素数が1〜100を満たすような整数の組み合わせを表す。pは好ましくは、1〜40であり、より好ましくは3〜20である。qは好ましくは、1〜40であり、より好ましくは3〜20である。
−CFO−(CFCFO)−CF−、
−CFO−(CFCFCFO)−CF−、
−CFO−(CFCFCFCFO)−CF−、
−CFO−(CFCFO)(CFO)−CF−、
−(CF−、
−(CF−、
−(CF−、
−(CF−、
−(CF10−、
−(CF)CF[OCFCF(CF)]OCF(CFCFO[CF(CF)CFO]CF(CF)−、
−CF[OCFCF(CF)]OCF−、
−(CFCFO[CF(CF)CFO]CF(CF)CFOCFCF
一般式(12)又は(13)で表される化合物は、撥液性の観点から、フッ素原子含有率が30質量%以上75質量%以下であることが好ましく、より好ましくは32質量%以上37質量%以下であり、さらに好ましくは33質量%以上60質量%以下である。
以下に一般式(12)又は(13)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらによって限定されない。下記具体例化合物中のzは1〜40の整数を表し、p、qはは各々独立に1〜40の整数を表す。
Figure 2013181014
Figure 2013181014
Figure 2013181014
Figure 2013181014
上記具体例化合物の中でも、AA−2、AA−3、AA−9、AA−12、AA−13、AA−14、AA−15、AA−17、AE−2、AE−5、AE−9、AE−12、AE−13、AE−15、AE−17が好ましく、AA−2、AA−3、AA−9、AA−13、AA−14、AA−15、AE−2、AE−5、AE−9、AE−13、AE−15がより好ましく、AA−2、AA−13、AA−15、AE−2、AE−13、AE−15が最も好ましい。
一般式(12)又は(13)で表される化合物は、商業的に入手してもよく、合成により製造してもよい。合成する場合はその合成法に特に制限はなく、公知の方法、例えば、商業的に入手できる含フッ素アルコール化合物と、アクリル酸の脱水縮合による方法や、エピクロロヒドリンとの置換反応による方法により合成することができる。
本発明の撥水処理剤は、一般式(12)又は(13)で表される含フッ素化合物を1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。
撥液性処理剤が、一般式(12)又は(13)で表される含フッ素化合物を含む場合、一般式(12)又は(13)で表される含フッ素化合物は、撥液性の発現の観点から、撥液性処理剤の全固形分に対して、10〜95質量%であることが好ましく、30〜93質量%であることがより好ましく、50〜90質量%であることがさらに好ましい。
本発明の撥液処理剤における、一般式(1)で表される含フッ素化合物と一般式(12)又は(13)で表される含フッ素化合物との含有比は、質量比で、(一般式(1)で表される含フッ素化合物)/(一般式(12)又は(13)で表される含フッ素化合物)が、0.05〜9であることが好ましく、0.07〜2.33であることがより好ましく、0.1〜1であることが更に好ましい。(一般式(1)で表される含フッ素化合物)/(一般式(12)又は(13)で表される含フッ素化合物)の比が0.05以上であると、硬化後に耐摩擦性向上効果を得られるという理由から好ましく、9以下であると硬化後に十分な撥液性効果を得られるという理由から好ましい。
なお、「一般式(12)又は(13)で表される含フッ素化合物」の含有量は、撥液処理剤中に、一般式(12)で表される含フッ素化合物と一般式(13)で表される含フッ素化合物の両方を含む場合は、一般式(12)で表される含フッ素化合物と一般式(13)で表される含フッ素化合物の合計の含有量である。
<非フッ素化合物>
本発明の撥液性処理剤は、撥液性処理剤の硬化促進の観点から、さらに下記一般式(16)で表される非フッ素化合物を含有していてもよい。
Figure 2013181014
一般式(16)中、jは1〜6の整数を表し、Yは下記一般式(21)、(3)、(4)若しくは(5)で表される基(但し、Xは水素原子、塩素原子、メチル基、又は水酸基を表し、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、又は、置換基を有してもよい炭素数1〜5の直鎖状又は分枝状の1価のアルキル基を表し、kは1又は2を表す。)、アリル基、又はビニル基を表し、Lは下記一般式(6)、(7)、(14)又は(15)で表される基(但し、mは0〜10の整数を表す。)を表し、Rは、水素原子、又は、置換基を有してもよい炭素数1〜20の直鎖状、分枝状又は環状のj価の有機基を表す。一般式(7)、(15)中、Yは一般式(21)、(3)、(4)若しくは(5)で表される基、アリル基、又はビニル基を表す。
Figure 2013181014
一般式(16)中、jは1〜6の整数を表す。jは4〜6の整数であることが好ましい。
一般式(16)中、Yは上記一般式(21)、(3)、(4)若しくは(5)で表される基、アリル基、又はビニル基を表す。
一般式(21)中、Xは水素原子であることが好ましい。
一般式(3)〜(5)は、一般式(1)におけるYがとりうる式(3)〜(5)と同義である。
一般式(16)中のYとしては、硬化促進効果の観点から、上記式(21)又は式(3)で表される基であることが好ましい。
一般式(16)中、Lは一般式(12)におけるLと同義であり、好ましい基も同様である。
一般式(16)中、Rは、水素原子、又は、置換基を有してもよい炭素数1〜20の直鎖状、分枝状又は環状のj価の有機基を表す。有機基は、特に限定されるものではないが、ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパンから水酸基を除いた骨格等が挙げられる。有機基が置換基を有する場合の置換基としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等が挙げられる。
一般式(16)で表される非フッ素化合物の具体例としては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル等が挙げられる。
上記一般式(16)で表される非フッ素化合物は、撥液性の発現の観点から、一般式(1)で表される含フッ素化合物に対して、1〜25質量%含ませることが好ましい。
以下に本発明を具体的に説明する実施例を挙げるが、本発明はこれらによって限定されるものではない。またここでは、核磁気共鳴法はNMRと、記す。H−NMRスペクトルではテトラメチルシランを内部標準として用い、19F−NMRスペクトルではフルオロトリクロロメタンを外部標準として用いて測定を行った。
[合成例1]化合物MA1の合成
Figure 2013181014
(合成例1−1) 化合物MA1−Aの合成
化合物(MA1−A)は、非特許文献(J.Org.Chem.第55巻、1990年、6368ページ)に記載の方法を参考に合成した。
蒸留器を取り付けた反応器にペンタエリスリトール(和光純薬工業(株)社製)136g(1.00mol)、トルエン100mL、オルトギ酸トリエチル(和光純薬工業(株)社製)183mL(1.00mol)、p−トルエンスルホン酸1水和物0.50gを取り、留出するエタノールを除きながら反応器温度を徐々に100℃まで上昇させてそのまま12時間反応させ、さらに125℃で1時間反応させた。反応終了後、50℃減圧下で低沸点成分を留去した後、得られた生成物を乾燥させて白色固体を得た。
反応器に水酸化カリウム26.4g(0.470mol)及びジメチルスルホキシド160mLを取り、室温で攪拌させながら前記の白色固体16.0g(0.100mol)を加え、次いで1−ブロモヘキサン20.0g(0.121mol)を加えて、そのまま30分間反応させた。反応液を水1.5Lに加えて、これを酢酸エチル200mLで2回抽出し、得られた有機層を水洗し乾燥させた後、低沸点物を留去して白色固体を得た。
この白色固体をメタノール70mLに溶解させてから0.01mol/L塩酸250mLを加え、室温で2時間反応させ、次いで炭酸水素ナトリウム9.3gを加えて室温で1時間攪拌させた。得られた反応液から減圧下溶媒を留去した後、メタノール125mLを加えて12時間攪拌させ、次いで不溶物をろ別し、得られたろ液から溶媒を留去して、無色油状の化合物MA1−Aを得た。収量18.5g(収率83%)。
(合成例1−2) 化合物MA1−Bの合成
化合物MA1−Bは、特許文献(特開2009−149595号公報)に記載の方法を参考に合成した。
トルエン40mLに、化合物MA1−A 17.6g(0.080mol)、40wt%水酸化カリウム水溶液13.4g、及びベンジルトリメチルアンモニウムクロライド0.10gを取り、水浴中で攪拌させながら、15〜20℃でアクリロニトリル13.2g(0.249mol)を3時間かけて滴下した。薄黄色の反応液にトルエン50mL加え分液し、得られた有機層を、5wt%食塩水、希塩酸、さらに5wt%食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウム上で乾燥させた後、固体をろ過し、溶媒を減圧留去して、淡黄色油状の化合物MA1−Bを得た。収量28.5g(収率94%)。
(合成例1−3) 化合物MA1−Cの合成
化合物MA1−Cは、非特許文献(J.Fluorine Chem.、2004年、第125号、749ページ)に記載の方法を参考に合成した。
脱水メタノール125mLに化合物MA1−B 25.0g(0.066mol)を加えた。室温で攪拌させながら塩化水素ガスを飽和するまでゆっくりと流し込み、さらに塩素ガスを流通させながら加熱還流条件で6時間反応させた。窒素ガスを流通させてから溶媒を留去した後、残査を酢酸エチル200mLに溶解させ、飽和重曹水、水、さらに飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウム上で乾燥させた後、固体をろ過し、溶媒を減圧留去して、淡黄色油状の化合物MA1−Bを得た。さらにカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=5/1〜1/1)で精製し、無色油状の化合物MA1−Cを得た。収量24.3g(収率77%)。
(合成例1−4) 化合物MA1−Dの合成
シクロペンチル メチル エーテル150mL、エタノール20mL、MA1−C 20.0g(0.042mol)を取り、これに水素化ホウ素ナトリウム5.7gを加えて氷水浴中で攪拌させながら、塩化カルシウム二水和物16.5gのエタノール70mL溶液をゆっくりと滴下し、そのまま1時間攪拌させた。これを50℃まで昇温させ、次いで濃塩酸17.7mLを加えて1時間攪拌させた後、さらに水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、生成した固体をろ別した。得られたろ液から溶媒を留去した後、残査にメタノール100mLを加えてから再び溶媒を留去し、無色油状の化合物MA1−Dを得た。収量16.3g(収率99%)。
(合成例1−5) 化合物MA1−Eの合成
酢酸エチル200mLにMA1−D 16.3g(0.041mol)及びピリジン14.8mLを加え、室温で攪拌させながら、H(CFCOCl 66.7g(0.137mol、ダイキン工業(株)社製)を加えて4時間攪拌させた。これにヘキサン100mLを加え、希塩酸、食塩水、重曹水、さらに食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウム上で乾燥させた後、固体をろ過し、溶媒を減圧留去して、無色油状の化合物MA1−Eを得た。収量51.3g(収率90%)。
(合成例1−6) 化合物MA1−Fの合成
化合物MA1−F〜化合物MA1の工程は、特許文献(特開2010−53084号公報)に記載の方法を参考に合成した。
原料供給口、フッ素供給口、へリウムガス供給口及びドライアイスで冷却した還流装置を経由してフッ素トラップに接続されている排気口を備えた500mLフッ素樹脂製容器に、FC−72溶媒300mL(住友スリーエム(株)社製)及びフッ化ナトリウム70.6gを取り、内温10℃にてヘリウムガスを流速100mL/minで30分間吹き込んだ。次いで20%F/80%N混合ガス(フッ素ガス)を流速100mL/minで30分間吹き込んだ後、フッ素ガス流速を250mL/minに上げて流通させながら、化合物MA1−E 27.6g(0.020mol)とヘキサフルオロベンゼン4.0g(0.021mol)の混合溶液を内温10〜15℃で8.5時間かけて添加した。フッ素ガス流量を100mL/minに下げ、ヘキサフルオロベンゼン2.0gのFC−72 5mL溶液を1時間かけて添加し、さらにフッ素ガスを100mL/minで15分間流通させた。反応容器内をヘリウムガスで置換してから固体をろ別し、得られたろ液をフッ化ナトリウム20gのメタノール100mL分散液に加えて室温で1時間攪拌後、減圧下で溶媒を留去した。残渣にHFE−7100 100mL(住友スリーエム(株)社製)を加えて溶解させ、重曹水で洗浄した。硫酸マグネシウム上で乾燥させた後、固体をろ別し、溶媒を留去した。得られた残査を減圧下蒸留して無色油状の化合物MA1−Fを得た。収量13.9g(収率65%)。
(合成例1−7) 化合物MA1−Gの合成
氷水浴中、窒素雰囲気下で、無水THF120mLに水素化ホウ素ナトリウム2.7g(0.071mol)を加え攪拌させた。内温10〜20℃で調整しながら、化合物MA1−F 20.4g(0.019mol)の無水THF30mL溶液を滴下し、そのまま1時間攪拌した後、さらに室温で3時間攪拌した。3mol/L塩酸25mLを加えてpHを1にした後、1時間攪拌させた。次いで飽和食塩水60mL及び酢酸エチル60mL加えて分離した有機層を重曹水及び食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた後、固体をろ別し、溶媒を留去して、無色油状の化合物MA1−Gを得た。収量18.0g(収率96%)。
(合成例1−8) 化合物MA1の合成
アセトニトリル500mLに、化合物MA1−G 88.9g(0.090mol)及び炭酸カリウム186.3gを取り、10℃以下の温度でアクリル酸クロリド60.8g(0.672mol)を滴下し、次いで室温で5時間攪拌させた。反応液に酢酸エチル120mL及びヘキサン120mLを加え、内温10℃以下で64wt%硫酸135mL滴下した後、析出した固体をろ別した。得られたろ液を、食塩水、重曹水、飽和食塩水で洗浄した後、溶媒を留去して粗生成物を得た。これをカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=6/1〜3/1)で精製し、無色油状の化合物MA1を得た。収量56.9g(収率55%)。
化合物MA1:
H−NMR(300MHz,CDCl) δppm 6.51(dd,J=17,1Hz,3H)、6.16(dd,J=17,10Hz,3H)、5.97(dd,J10,1Hz,3H)、4.57(t,J=13Hz,6H)。
19F−NMR(282.4MHz,CDCl) δppm −66.0(s,6F)、−82.3(t,J=9Hz,3F)、−83.3(m,2F)、−85.9(s,8F)、−123.2(m,10F)、−126.7(m,2F)、−127.2(m,2F)。
[合成例2]化合物MA3の合成
Figure 2013181014
(合成例2−1) 化合物MA3−Aの合成
化合物(MA3−A)は、非特許文献(J.Org.Chem.、第55巻、1990年、6368ページ)に記載の方法を参考に合成した。
蒸留器を取り付けた反応器にペンタエリスリトール(和光純薬工業(株)社製)136g(1.00mol)、トルエン100mL、オルトギ酸トリエチル(和光純薬工業(株)社製)183mL(1.00mol)、p−トルエンスルホン酸1水和物0.50gを取り、留出するエタノールを除きながら反応器温度を徐々に100℃まで上昇させてそのまま12時間反応させ、さらに125℃で1時間反応させた。反応終了後、50℃減圧下で低沸点成分を留去した後、得られた生成物を乾燥させて白色固体を得た。
反応器に水酸化カリウム26.4g(0.470mol)及びジメチルスルホキシド160mLを取り、氷水浴中で攪拌させながら前記の白色固体16.0g(0.100mol)を加え、次いでトリフルオロメタンスルホン酸−1−(1H,1H−パーフルオロ−3,6,9,12−テトラオキサトリデシル)84.0g(0.130mol)を加えて、そのまま30分間反応させた。反応液を水1.5Lに加えて、これを酢酸エチル200mLで2回抽出し、得られた有機層を水洗し乾燥させた後、低沸点物を留去して微黄色油状物を得た。
この油状物をメタノール100mLに分散させてから0.01mol/L塩酸250mLを加え、室温で2時間反応させ、次いで炭酸水素ナトリウム9.3gを加えて室温で1時間攪拌させた。得られた反応液から減圧下溶媒を留去した後、メタノール125mLを加えて12時間攪拌させ、次いで不溶物をろ別し、得られたろ液から溶媒を留去して、微黄色油状物を得た。さらにこれをカラムクロマトグラフィーで精製し、無色油状物の化合物MA3−Aを得た。収量36.0g(収率54%)。
(合成例2−2) 化合物MA3の合成
化合物MA3−B〜化合物MA3を合成する工程は合成例1と同様に行い、化合物MA3を得た。
化合物MA3:
H−NMR(300MHz,CDCl) δppm 6.51(dd,J=17,1Hz,3H)、6.16(dd,J=17,10Hz,3H)、5.97(dd,J10,1Hz,3H)、4.57(t,J=13Hz,6H)。
19F−NMR(282.4MHz,CDCl) δppm −56.0(t,J=9Hz,3F)、−66.1(s,6F)、−85.9(s,8F)、−89.4(s,12F)、−91.1(s,2F)、−91.4(q,J=9Hz,2F)、−123.2(t,J=13Hz,6F)。
[合成例3]化合物MA15の合成
Figure 2013181014
(合成例3−1)化合物MA15−Cの合成
公知の方法を組み合わせ、前記合成経路で、MA15−Cを合成した。MA15−Cは、カラムクロマトグラフィーにより精製し、次工程に使用した。
(合成例3−2)化合物MA15の合成
化合物MA15を合成する工程は、合成例1と同様に行った。
化合物MA15:
H−NMR(300MHz,CDCl) δppm 6.51(dd,J=17,1Hz,1H)、6.16(dd,J=17,10Hz,1H)、5.96(dd,J10,1Hz,1H)、4.57(t,J=13Hz,2H)。
19F−NMR(282.4MHz,CDCl) δppm −66.0(s,8F)、−86.2(m,8F)、−119.0(m,4F)、−123.2(s,8F)、−130.1(m,4F)、−182.5(m,4F)。
[合成例4]化合物MA17の合成
Figure 2013181014
(合成例4−1) 化合物MA17−Aの合成
ディーンスターク型蒸留器を取り付けた反応器にジペンタエリスリトール(和光純薬工業(株)社製)254g(1.00mol)、トルエン200mL、アセトフェノン252g(2.10mol)、p−トルエンスルホン酸1水和物1.0gを取り、反応器温度を徐々に上昇させて還流条件にして、規定量の水がディーンスターク型蒸留器内に得られるまで12時間反応させた。反応終了後、減圧下で低沸点成分を留去し、得られた生成物を乾燥させて白色固体を得た。
反応器に水酸化カリウム26.4g(0.470mol)及びジメチルスルホキシド160mLを取り、氷水浴中で攪拌させながら前記の白色固体45.9g(0.100mol)を加え、次いでメタンスルホン酸エステル化したポリエチレングリコールモノメチルエーテル(和光純薬工業(株)社製、平均分子量350、x=7.6) 90.3g(0.210mol)を加えて、そのまま60分間反応させた。反応液を水1.5Lに加えて、これを酢酸エチル150mLで2回抽出し、得られた有機層を水洗し乾燥させた後、低沸点物を留去して微黄色油状物を得た。
この油状物をメタノール100mLに分散させてから0.01mol/L塩酸250mLを加え、室温で2時間反応させ、次いで炭酸水素ナトリウム9.3gを加えて室温で1時間攪拌させた。得られた反応液から減圧下溶媒を留去した後、メタノール125mLを加えて12時間攪拌させ、次いで不溶物をろ別し、得られたろ液から溶媒を留去して、微黄色油状物の化合物MA17−Aを得た。収量66.8g(収率70%)。
(合成例4−2) 化合物MA17−Cの合成
化合物MA17−B及び化合物MA17−Cを合成する工程は、合成例1と同様に行い、化合物MA17−Cを得た。
(合成例4−3) 化合物MA17−Dの合成
化合物MA17−Dの工程は、特許文献(特開2010−53084号公報)に記載の方法を参考に合成した。
原料供給口、フッ素供給口、へリウムガス供給口及び20℃に冷却した還流装置を経由してフッ素トラップに接続されている排気口を備えた300mLフッ素樹脂製容器に、ハロカーボン1.8オイル200mL(ハロカーボン・プロダクツ・コーポレーション社製)を取り、内温30℃にてヘリウムガスを流速100mL/minで30分間吹き込んだ。次いで20%F/80%N混合ガス(フッ素ガス)を流速100mL/minで30分間吹き込んだ後、フッ素ガス流速を250mL/minに上げて流通させながら、化合物MA17−C 16.0g(0.0124mol)、ヘキサフルオロベンゼン0.80g(0.043mol)、及びハロカーボン1.8オイル30mLの混合溶液を、内温30〜40℃で20時間かけて添加した。フッ素ガス流量を100mL/minに下げ、ヘキサフルオロベンゼン1.0gのハロカーボン1.8オイル5mL溶液を1時間かけて添加し、さらにフッ素ガスを100mL/minで15分間流通させた。反応容器内をヘリウムガスで置換してから、反応液をフッ化ナトリウム20gのメタノール100mL分散液に加えて室温で1時間攪拌後、減圧下で溶媒を留去した。残渣にHFE−7100 100mL(住友スリーエム(株)社製)を加えて溶解させ、重曹水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた後、溶媒を留去した。得られた残査を減圧下蒸留して無色油状の化合物MA17−Dを得た。収量13.9g(収率65%)。
(合成例4−4) 化合物MA17の合成
化合物MA17−E〜化合物MA17を合成する工程は、合成例1と同様に行い、化合物MA17を得た。
化合物MA17:
H−NMR(300MHz,CDCl) δppm 6.51(dd,J=17,1Hz,1H)、6.16(dd,J=17,10Hz,1H)、5.96(dd,J10,1Hz,1H)、4.57(t,J=13Hz,2H)。
19F−NMR(282.4MHz,CDCl) δppm −56.0(s,3F)、−66.0(s,4F)、−85.9(s,8F)、−89.2(s,26.4F)、−91.0(s,2F)、−91.3(s,2F)、−123.2(t,J=13Hz,4F)。
[合成例5]化合物MA31の合成
Figure 2013181014
(合成例5−1) 化合物MA31−Eの合成
化合物MA31−A〜化合物MA31−Eを合成する工程は、合成例1と同様に行い、化合物MA31−Eを得た。
(合成例5−2) 化合物MA31の合成
反応器にTHF580mLを取り、氷水浴中、窒素雰囲気下で、水素化ホウ素ナトリウム20.7g(0.548mol)を加え、さらに水140mLを加えて攪拌させた。内温10〜20℃で調整しながら、化合物MA31−E 100g(0.110mol)のTHF25mL溶液を滴下して、そのまま30分間攪拌し、次いで20℃で3時間攪拌した。内温を10℃にした後、6mol/L塩酸120mLを加えてpHを1にした後、食塩水250mLを加えて1時間攪拌させた。次いで酢酸エチル280mLを加えて分離した有機層を食塩水で4回洗浄した。この溶液をそのまま次工程に使用した。
反応器に前記有機層、n−ヘキサン500mL、ピリジン50g、水170mL、及び重曹133gを取り、氷水浴中で攪拌した。これに3−クロロプロピオン酸クロリド160g(1.26mol)を1.5時間かけて滴下し、そのまま3.5時間攪拌した後、内温を25℃まで昇温させてから10%炭酸カリウム水溶液600mLを加えて1時間攪拌した。これから有機層を分離して、10%炭酸カリウム水溶液、2mol/L塩酸、さらに食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。この溶液をそのまま次工程に使用した。
反応器に前記有機層、4−メトキシフェノール0.05g、トリエチルアミン81.8g(0.808mol)を取り、50℃で4時間攪拌した。室温まで放冷後、2mol/L塩酸400mL、重曹水、及び食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた後、活性アルミナ40gを加えて30分間攪拌してから固体をろ別した。得られたろ液に4−メトキシフェノール0.05gを加えてた後、溶媒を留去し、微黄色油状の化合物MA31を得た。収量92.5g(収率83%)。
化合物MA31:
H−NMR(300MHz,CDCl) δppm 6.51(dd,J=17,1Hz,1H)、6.16(dd,J=17,10Hz,1H)、5.96(dd,J10,1Hz,1H)、4.57(t,J=13Hz,2H)。
19F−NMR(282.4MHz,CDCl) δppm −65.9(s,1F)、−85.7(s,1F)、−123.0(t,J=13Hz,1F)。
[合成例6]化合物ME1の合成
Figure 2013181014
(合成例6−1) 化合物ME1−Gの合成
化合物ME1−A〜化合物ME1−Gを合成する工程は合成例1と同様に行った。
(合成例6−2) 化合物ME1の合成
反応器に水酸化ナトリウム2.00g(0.05mol)、エピクロロヒドリン4.63g(0.05mol)を取り、窒素雰囲気下50℃で攪拌しながら、ME1−G 9.88g(0.01mol)をゆっくりと加えて、そのまま3時間攪拌させた。室温まで放冷してから析出した固体をろ別し、減圧下で低沸点物を留去した後、酢酸エチル200mLと水100mLを加えて分液し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を留去させて、粗生成物を得た。これをカラムクロマトグラフィーにより精製し、無色油状の化合物ME1を得た。収量4.05g(収率41%)。
化合物ME1:
H−NMR(300MHz,CDCl) δppm 3.99(m,3H)、3.48(dd,J=12,6Hz,1H)、3.2(m,1H)、2.77(dd,J=5,4Hz,1H)、2.58(dd,J=5,3Hz,1H)。
19F−NMR(282.4MHz,CDCl) δppm −66.1(s,6F)、−82.4(t,J=9Hz,3F)、−83.3(m,2F)、−85.8(s,8F)、−123.4(m,10F)、−126.8(m,2F)、−127.2(m,2F)。
[合成例7]化合物ME3の合成
Figure 2013181014
(合成例7−1) 化合物ME3−Gの合成
化合物ME3−A〜化合物ME3−Gを合成する工程は合成例2と同様に行い、化合物ME3−Gを得た。
(合成例7−2) 化合物ME3の合成
化合物ME3を合成する工程は合成例6−2と同様に行った。
化合物ME3:
H−NMR(300MHz,CDCl) δppm 4.00(m,3H)、3.48(dd,J=12,6Hz,1H)、3.25(m,1H)、2.77(dd,J=5,4Hz,1H)、2.58(dd,J=5,3Hz,1H)。
19F−NMR(282.4MHz,CDCl) δppm −56.0(t,J=9Hz,3F)、−66.0(s,6F)、−85.9(s,8F)、−89.5(s,12F)、−91.1(s,2F)、−91.4(q,J=9Hz,2F)、−123.4(t,J=13Hz,6F)。
[合成例8]化合物ME6の合成
Figure 2013181014
(合成例8−1) 化合物ME6−Aの合成
化合物(ME6−A)は、非特許文献(J.Org.Chem.第55巻、1990年、6368ページ)に記載の方法を参考に合成した。
蒸留器を取り付けた反応器にペンタエリスリトール(和光純薬工業(株)社製)136g(1.00mol)、トルエン100mL、オルトギ酸トリエチル(和光純薬工業(株)社製)183mL(1.00mol)、p−トルエンスルホン酸1水和物0.50gを取り、留出するエタノールを除きながら反応器温度を徐々に100℃まで上昇させてそのまま12時間反応させ、さらに125℃で1時間反応させた。反応終了後、50℃減圧下で低沸点成分を留去した後、得られた生成物を乾燥させて白色固体を得た。
反応器に水酸化カリウム26.4g(0.470mol)及びジメチルスルホキシド160mLを取り、氷水浴中で攪拌させながら前記の白色固体16.0g(0.100mol)を加え、次いでトリフルオロメタンスルホン酸−1−(1H,1H−パーフルオロ−3,6,9−トリオキサトリデシル)88.4g(0.130mol)を加えて、そのまま30分間反応させた。反応液を水1.5Lに加えて、これを酢酸エチル200mLで2回抽出し、得られた有機層を水洗し乾燥させた後、低沸点物を留去して微黄色油状物を得た。
この油状物をメタノール100mLに分散させてから0.01mol/L塩酸250mLを加え、室温で2時間反応させ、次いで炭酸水素ナトリウム9.3gを加えて室温で1時間攪拌させた。得られた反応液から減圧下溶媒を留去した後、メタノール125mLを加えて12時間攪拌させ、次いで不溶物をろ別し、得られたろ液から溶媒を留去して、微黄色油状物を得た。さらにこれをカラムクロマトグラフィーで精製し、無色油状物の化合物ME6−Aを得た。収量36.0g(収率54%)。
(合成例8−2) 化合物ME6−Gの合成
化合物ME6−B〜化合物ME6―Gを合成する工程は、合成例1と同様に行った。
(合成例8−3) 化合物ME6の合成
化合物ME6を合成する工程は、合成例6−2と同様に行った。
化合物ME6:
H−NMR(300MHz,CDCl) δppm 3.99(m,3H)、3.48(dd,J=12,6Hz,1H)、3.22(m,1H)、2.77(dd,J=5,4Hz,1H)、2.58(dd,J=5,3Hz,1H)。
19F−NMR(282.4MHz,CDCl) δppm −66.0(s,6F)、−79.1(m,4F)、−80.6(m,6F)、−82.1(s,3F)、−86.1(m,10F)、−123.2(m,6F)、−130.3(s,2F)、−145.8(m,2F)。
[合成例9]化合物ME31の合成
Figure 2013181014
(合成例9−1) 化合物ME31−Fの合成
化合物ME31−A〜化合物ME31―Fを合成する工程は、合成例4と同様に行った。
(合成例9−2) 化合物ME31の合成
化合物ME31を合成する工程は、合成例6−2と同様に行った。
化合物ME31:
H−NMR(300MHz,CDCl) δppm 3.98(m,3H)、3.49(dd,J=12,6Hz,1H)、3.24(m,1H)、2.78(dd,J=5,4Hz,1H)、2.59(dd,J=5,3Hz,1H)。
19F−NMR(282.4MHz,CDCl) δppm −65.9(s,1F)、−85.8(s,1F)、−123.0(t,J=13Hz,1F)。
[合成例10]化合物NA1の合成
Figure 2013181014
(合成例10−1)化合物NA1−Aの合成
1−ブロモヘキサンに替えて2−ブロモエチルメチルエーテル(和光純薬工業(株)社製)を用いた以外は、化合物合成例1−1と同様に行い、化合物NA−1Aを得た。
(合成例10−2)化合物NA1の合成
化合物NA1−B〜化合物NA1を合成する工程は合成例1と同様に行い、化合物NA1を得た。
[合成例11]化合物NA2の合成
Figure 2013181014
(合成例11−1)化合物NA2−Aの合成
化合物NA2−Aは、パーフルオロ−2−メチル−2−ペンテン(シグマアルドリッチジャパン(株)社製)を用いて、非特許文献(Zhurnal Organicheskoi Khimii、1973年、第9号、649−655ページ)に記載の方法に従い合成した。
(合成例11−2)NA2−Bの合成
反応器に水素化アルミニウムリチウム0.84g(0.022mol)、無水テトラヒドロフラン100mLを取り、窒素気流下氷水浴中で攪拌させた。これにNA2−A 8.12g(0.02mol)の無水テトラヒドロフラン10mL溶液をゆっくりと加え、そのまま1時間攪拌させた後、次いで浴を外し室温で1時間反応させ、さらに酢酸エチル20mLをゆっくり加えて1時間攪拌させた。水50mL、2mol/L塩酸50mL、酢酸エチル100mLを加えて有機層を分離し、水層を酢酸エチルmLで2回抽出した後、集めた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を留去して粗生成物を得た。これをカラムクロマトグラフィーで精製して、化合物NA2−Bを得た。収量5.46g(収率75%)。
(合成例11−3)NA2の合成
化合物NA2は、特開2004−250379号公報に記載の方法に従い合成した。
[実施例1]撥液性処理剤の調製
(実施例1−1〜1−8)
サンプル瓶に、一般式(1)で表される含フッ素化合物1.00g、及び光重合開始剤0.05gを取り、これに2−ブタノン10.0gを加えて、十分に攪拌させ均一な溶液とした。調製した撥液性処理剤の一覧を表1に示す。
光重合開始剤A:IRGACURE184、BASFジャパン(株)社製。
光重合開始剤B:WPAG−336、和光純薬工業(株)社製。
MA4:Rf基のx=4.5、y=2.6(19F−NMR)。
[比較例1]処理剤の調製
(比較例1−1〜1−6)
サンプル瓶に、下記式MA31、AA−13、NA1、NA2、ME−31、AE−13で表される含フッ素化合物1.00g、及び光重合開始剤0.05gを取り、これに2−ブタノン10.0gを加えて、十分に攪拌させ均一な溶液とした。調製した処理剤の一覧を表1に示す。
AA−13(z=3):CFCFCFO[CF(CF)CFCF(CF)CHOH(シンクエストラボラトリーズインコーポレイテッド社製)を、公知の方法に従いアクリル酸エステル化したものを用いた。
AE−13(z=3):CFCFCFO[CF(CF)CFCF(CF)CHOH(シンクエストラボラトリーズインコーポレイテッド社製)を、公知の方法に従いグリシジルエーテル化したものを用いた。
Figure 2013181014
[実施例2]基材上に硬化膜を有する部材の作製、及び評価
(実施例2−1〜2−8)
5cm角のガラス基材を水酸化カリウム水溶液に1時間浸漬した後、純水で十分に洗浄してから、90℃オーブン中で加熱乾燥した。
実施例1−1〜1−8で調製した撥液性処理剤を、前記のガラス基材にスピンコート(3000rpm、20秒)した後、室温で送風乾燥させ、さらに90℃オーブン中で加熱乾燥して、塗膜を形成した。
前記のように作成した塗膜表面に、200ppm以下の酸素濃度に調節した窒素雰囲気下、高圧水銀灯i線(365nm)を300mJ/cm(照度20mW/cm)露光を行った。
光照射後のガラス基材を2−ブタノンで洗浄した後、送風乾燥し、基材上に硬化膜を有する部材を作製した。
[静的接触角測定]
接触角計[“CA−X”型接触角計、協和界面科学(株)製]を用い、乾燥状態(20℃/65%RH)で、液体として純水を使用して液量1.0μLの液滴を針先に作り、これを上記処理基材の撥水性領域の表面に接触させてフイルム上に液滴を作った。フイルムと液体とが接する点における、液体表面に対する接線とフイルム表面がなす角で、液体を含む側の角度を接触角とし、測定した。また、水の代わりにヨウ化メチレンを用いての接触角の測定も行った。
[耐摩擦性評価]
ラビングテスターを用いて、以下の条件でこすりテストを行うことで、耐摩擦性を評価した。
評価環境条件:25℃、60%RH
こすり材:スチールウール(日本スチールウール(株)製、グレードNo.0000)
試料と接触するテスターのこすり先端部(1cm×1cm)に巻いて、バンド固定。
移動距離(片道):3cm、
こすり速度:3cm/秒、
荷重:200g/cm
先端部接触面積:1cm×1cm、
こすり回数:10往復。
こすり終えた試料の裏側に油性黒インキを塗り、反射光で目視観察して、こすり部分の傷を、以下の基準で評価した。
◎ :注意深く見ても、全く傷が見えない。
○ :注意深く見ると、僅かに傷が見える。
△ :弱い傷が見える。
× :一目見ただけで分かる傷がある。
[境界部コントラスト評価]
前記の硬化膜を有する部材に、顔料を分散させたアルカリ性インク水溶液(pH10.8)をスプレーコートした後、室温で送風乾燥させ、さらに90℃オーブン中で加熱硬化させて、部材を作製した。また比較対照用の部材として、前記処理基材にカーボンブラックを分散させた中性インク水溶液(pH8.0)をスプレーコートした後、室温で送風乾燥させ、さらに90℃オーブン中で加熱硬化させて、部材を作製した。
インクが付着した領域と付着していない領域の境界を光学顕微鏡で目視観察し、境界部コントラストを以下のように評価した。結果を表2に示す。
○:比較対照部材と同レベルの境界直線性を有し、撥水領域へのインク付着は観察されなかった。
×:比較対照部材に対し明らかに境界直線性が乱れており、撥水領域へのインク付着が観察された。
作製した基材上に硬化膜を有する部材の一覧と、静的接触角測定結果、耐摩擦性測定結果、及びコントラスト評価結果を表2に示す。
[比較例2]基材上に硬化膜を有する部材の作製、及び評価
(比較例2−1〜2−6)
比較例1−1〜1−6で調製した処理剤を用いた以外は、実施例2と同様に基材上に硬化膜を有する部材を作製し、評価した。結果を表2に示す。
Figure 2013181014
[比較例2−3の化合物NA1は、本発明の一般式(1)におけるRf基がCFOCFCF−基(炭素数3)である化合物であり、Rf基の炭素数が少ないために十分な撥液性が得られていない。]

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表される含フッ素化合物。
    Figure 2013181014

    一般式(1)中、aは3〜8の整数を表し、cは0〜10の整数を表し、d及びeはそれぞれ独立に0又は1を表し、iは1〜3の整数を表し、Yは下記一般式(2)、(3)、(4)若しくは(5)で表される基、アリル基、又はビニル基を表し、Lは下記一般式(6)又は(7)で表される基を表し、L及びLは、それぞれ独立に、下記一般式(8)、(9)、(10)又は(11)で表される基を表し、Rfは(a+i)価の、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数3〜20の直鎖状、分枝状又は環状の飽和パーフルオロアルキル基を表し、Rfは、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数1〜5の直鎖状又は分枝状の1価のパーフルオロアルキル基又はフッ素原子を表し、Rfは、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数6〜100の直鎖状、分枝状又は環状の1価のパーフルオロアルキル基を表す。
    Figure 2013181014

    一般式(2)中、Xは水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又は水酸基を表す。
    一般式(3)、(4)、(5)中、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜5の直鎖状又は分枝状の1価のアルキル基を表す。
    一般式(5)中、kは1又は2を表す。
    一般式(6)、(7)中、mは0〜10の整数を表す。
    一般式(8)、(9)、(10)、(11)中、nは0〜10の整数を表す。
    一般式(7)中、Yは前記一般式(2)、(3)、(4)若しくは(5)で表される基、アリル基、又はビニル基を表す。
  2. 一般式(1)中のRfが下記f−1〜f−8から選ばれる基である請求項1に記載の含フッ素化合物。
    Figure 2013181014

    式中、*はY−L−O−CH−(CF−CF(Rf)−(O)−L−又はRf―(O)−L−と結合する位置を表す。
  3. 一般式(1)中の(a+i)が4〜8の整数である請求項1又は2に記載の含フッ素化合物。
  4. 一般式(1)中のd及びeが1である請求項1〜3のいずれか1項に記載の含フッ素化合物。
  5. 下記一般式(1)で表される含フッ素化合物を含有する撥液性処理剤。
    Figure 2013181014

    一般式(1)中、aは3〜8の整数を表し、cは0〜10の整数を表し、d及びeはそれぞれ独立に0又は1を表し、iは1〜3の整数を表し、Yは下記一般式(2)、(3)、(4)若しくは(5)で表される基、アリル基、又はビニル基を表し、Lは下記一般式(6)又は(7)で表される基を表し、L及びLは、それぞれ独立に、下記一般式(8)、(9)、(10)又は(11)で表される基を表し、Rfは(a+i)価の、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数3〜20の直鎖状、分枝状又は環状の飽和パーフルオロアルキル基を表し、Rfは、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数1〜5の直鎖状又は分枝状の1価のパーフルオロアルキル基又はフッ素原子を表し、Rfは、エーテル性酸素原子を含んでもよい、炭素数6〜100の直鎖状、分枝状又は環状の1価のパーフルオロアルキル基を表す。
    Figure 2013181014

    一般式(2)中、Xは水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又は水酸基を表す。
    一般式(3)、(4)、(5)中、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜5の直鎖状又は分枝状の1価のアルキル基を表す。
    一般式(5)中、kは1又は2を表す。
    一般式(6)、(7)中、mは0〜10の整数を表す。
    一般式(8)、(9)、(10)、(11)中、nは0〜10の整数を表す。
    一般式(7)中、Yは前記一般式(2)、(3)、(4)若しくは(5)で表される基、アリル基、又はビニル基を表す。
  6. 一般式(1)中のRfが下記f−1〜f−8から選ばれる基である請求項5に記載の撥液性処理剤。
    Figure 2013181014

    式中、*はY−L−O−CH−(CF−CF(Rf)−(O)−L−又はRf―(O)−L−と結合する位置を表す。
  7. 請求項5又は6に記載の撥液性処理剤を硬化させて得られる硬化膜。
JP2012047259A 2012-03-02 2012-03-02 含フッ素化合物、撥液性処理剤、及び硬化膜 Active JP5789545B2 (ja)

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