JP5114964B2 - 含フッ素(メタ)アクリル酸エステル、その製造方法及び防汚塗料 - Google Patents

含フッ素(メタ)アクリル酸エステル、その製造方法及び防汚塗料 Download PDF

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Description

本発明は、重合可能であると共に、その重合物が優れた撥水・撥油性による高い防汚性を発揮することができる含フッ素(メタ)アクリル酸エステル、その製造方法及び防汚塗料に関するものである。
一般に、撥水・撥油性に基づく防汚性は、汚れやすい条件下で用いられる機材や装置に求められる付加性能であり、多種多様な場面で求められてきた。特に、各種表示部材の高度化、高品位化や、タッチパネルなどの接触入力式デバイスの増加により、それらに対する撥水・撥油性の要求が高くなってきた。そのような高い撥水・撥油性を得る目的でパーフルオロアルキル鎖を有する化合物を使用する場合、有効性の高いパーフルオロアルキル鎖部分の直鎖炭素数が8以上、より好ましくは10以上の化合物がこれまで多用されてきた。
さらに、撥水・撥油性を長期間維持させる場合には、撥水・撥油性を発現する化合物の分子内に重合性反応基を持たせ、重合反応時にそれにより化学的結合(共有結合)を形成させて、より強固に保持させることが有効である。例えば、炭素数8のパーフルオロアルキル鎖を有するジアクリル酸‐2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9‐ヘプタデカフルオロノニルエチレングリコール(言い換えればアクリル酸2‐アクリロイロキシ‐4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11‐ヘプタデカフルオロ‐ウンデシルエステル)によって高い撥水・撥油性と高い強度を達成できることが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
ところが、前記したパーフルオロアルキル鎖の長い化合物では、撥水・撥油性に基づく防汚性の機能をより高くするためにはパーフルオロアルキル鎖をより長くしなければならず、フッ素原子の含有量が多くならざるを得ない。
特開平6−306326号公報(第4頁及び第5頁)
前述した事情から、パーフルオロアルキル鎖の炭素数が短い化合物を用いた場合、フッ素原子の含有量は低くなるため、十分な撥水・撥油性による防汚性を得ることは難しくなる。特に、含フッ素材料を用いて製造された反射防止膜などのフッ素含有率が高い系や、前述の表示部材やタッチパネルなどの反射防止性能も必要とされる系では、よりいっそう難しくなる傾向にある。そこで、パーフルオロアルキル鎖の炭素数が短い場合でもフッ素原子のもつ性質が十分に発現される化合物が求められている。つまり、フッ素原子の含有量に対して発現される撥水・撥油性による防汚性が従来よりも優れているような化合物が求められている。
そこで、本発明の目的とするところは、重合可能であると共に、パーフルオロアルキル鎖の炭素数が短い場合でもその重合物が優れた撥水・撥油性による高い防汚性を発揮することができる新規な含フッ素(メタ)アクリル酸エステル、その製造方法及び防汚塗料を提供することにある。
前記の目的を達成するために、第1の発明の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルは、下記一般式(1)で表されることを特徴とする。
(一般式(1)中のa及びbは3〜6の整数であり、cは1〜3の整数である。また、a、b及びcはそれぞれ独立であり、互いに同じでも異なっていてもよい。一般式(1)中のZは、(メタ)アクリロイル基を有する有機鎖である。)
第2の発明の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルでは、第1の発明において、アクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐1‐(3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐ヘキシロキシメチル)‐ヘキシルエステルであることを特徴とする。
第3の発明の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの製造方法では、ルイス酸触媒の存在下で下記一般式(2)で表されるエポキシドに、下記一般式(3)で表されるアルコールを反応させて下記一般式(4)で表されるアルコールを得る第1工程と、一般式(4)で表されるアルコールに、(メタ)アクリル酸塩化物、(メタ)アクリル酸イソシアネートエステル又は(メタ)アクリル酸を反応させて前記一般式(1)で表される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを得る第2工程とよりなることを特徴とする。
(一般式(2)中のaは3〜6の整数である。)
(一般式(3)中のbは3〜6の整数であり、cは1〜3の整数である。)
(一般式(4)中のa、b及びcは、前記一般式(2)及び一般式(3)におけるそれぞれの定義と同じである。)
第4の発明の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの製造方法では、第3の発明において、前記第2工程における(メタ)アクリル酸塩化物、(メタ)アクリル酸イソシアネートエステル又は(メタ)アクリル酸は、一般式(4)で表されるアルコールと脱塩化水素反応、エステル化反応又は付加反応を行い、前記一般式(1)で表される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを得ることを特徴とする。
第5の発明の防汚塗料では、第1又は第2の発明の前記一般式(1)で表される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを含有することを特徴とする。
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
第1の発明の新規な含フッ素(メタ)アクリル酸エステルは、前記一般式(1)で表される化合物である。この含フッ素(メタ)アクリル酸エステルは、2つのパーフルオロアルキル鎖が結合した構造を有しているため、パーフルオロアルキル鎖末端のフルオロメチル基が2つ存在している。このため、長いパーフルオロアルキル鎖を有する従来の化合物と比較して、パーフルオロアルキル鎖を構成する炭素数の1分子あたりのフッ素原子の合計数が同じである場合には、フッ素原子の機能発現を高めることができる。
また、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルは(メタ)アクリロイル基を有する有機基をもっていることから、他の重合性単量体との共重合が可能であり、例えば対象物との共重合が可能であり、対象物と化学的結合(共有結合)を形成し、その状態が長期に亘り保持される。従って、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルは重合可能であると共に、パーフルオロアルキル鎖の炭素数が短い場合でもその重合物が優れた撥水・撥油性による高い防汚性を発揮することができる。
第2の発明の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐1‐(3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐ヘキシロキシメチル)‐ヘキシルエステルである。このため、2つのパーフルオロアルキル鎖におけるフッ素原子の数が同じ(9個)であり、第1の発明の効果をより有効に発揮させることができる。
第3の発明の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの製造方法は、第1工程と第2工程の2工程で構成されている。第1工程では、ルイス酸触媒の存在下で前記一般式(2)で表されるエポキシドに、一般式(3)で表されるアルコールを反応させて一般式(4)で表されるアルコールが得られる。第2工程では、一般式(4)で表されるアルコールに、(メタ)アクリロイル基を有する有機鎖をもつ化合物を反応させて一般式(1)で表される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルが得られる。第1工程及び第2工程での反応はいずれもほぼ定量的に進行することから、重合可能であると共に、パーフルオロアルキル鎖の炭素数が短い場合でもその重合物が優れた撥水・撥油性による高い防汚性を発揮することができる含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを高い収率で容易に製造することができる。
第4の発明の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの製造方法では、第2工程における(メタ)アクリロイル基を有する有機鎖をもつ化合物は、(メタ)アクリロイル基と酸ハロゲン基、カルボキシル基又はイソシアネート基とを有する化合物であり、一般式(4)で表されるアルコールと脱ハロゲン化水素反応、エステル化反応又は付加反応を行い、前記一般式(1)で表される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを得るものである。従って、請求項3に係る発明の効果に加え、一般式(1)で表される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを効率良く製造することができる。
第5の発明の防汚塗料では、前記一般式(1)で表される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを含有することから、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの性質によりその重合物が優れた撥水・撥油性に基づいて高い防汚性を発揮することができる。
以下、本発明の最良と思われる実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の新規な含フッ素(メタ)アクリル酸エステルは、下記一般式(1)で表される化合物である。
(一般式(1)中のa及びbは3〜6の整数であり、cは1〜3の整数である。また、a、b及びcはそれぞれ独立であり、互いに同じでも異なっていてもよい。一般式(1)中のZは、(メタ)アクリロイル基を少なくとも一つ有する有機鎖である。)
一般式(1)中のZは、(メタ)アクリロイル基を有する有機基である。また、Zは、(メタ)アクリロイル基以外の有機鎖を有していても差し支えない。
この含フッ素(メタ)アクリル酸エステルとして代表的には、一般式(1)中のa=3、b=3、c=2、及びZがアクリロイル基である化合物が挙げられる。この含フッ素(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐1‐(3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐ヘキシロキシメチル)‐ヘキシルエステルであり、下記の化学式(1−1)で表される。
前記一般式(1)で表される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルのうち、分子内で2つのパーフルオロアルキル鎖が同じ構造(フッ素原子数が同じ構造)をもつ含フッ素(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐1‐(3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐ヘキシロキシメチル)‐ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7‐ウンデカフルオロ‐1‐(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7‐ウンデカフルオロ‐ヘプチロキシメチル)‐ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8‐トリデカフルオロ‐1‐(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9‐トリデカフルオロ‐オクチロキシメチル)‐オクチルエステル、(メタ)アクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9‐ペンタデカフルオロ‐1‐(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9‐ペンタデカフルオロ‐ノニロキシメチル)‐ノニルエステル、(メタ)アクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐1‐(2,2,3,3,4,4,5,5,5‐ノナフルオロ‐ペンチロキシメチル)‐ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐1‐(4,4,5,5,6,6,7,7,7‐ノナフルオロ‐ヘプチロキシメチル)‐ヘキシルエステルなどが挙げられる。
前記一般式(1)で表される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルのうち、分子内で2つのパーフルオロアルキル鎖が異なる構造(フッ素原子数が異なる構造)をもつ含フッ素(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7‐ウンデカフルオロ‐1‐(3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐ヘキシロキシメチル)‐ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8‐トリデカフルオロ‐1‐(3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐ヘキシロキシメチル)‐オクチルエステル、(メタ)アクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9‐ペンタデカフルオロ‐1‐(3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐ヘキシロキシメチル)‐ノニルエステル、(メタ)アクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐1‐(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7‐ウンデカフルオロ‐ヘプチロキシメチル)‐ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐1‐(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8‐トリデカフルオロ‐オクチロキシメチル)‐ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐1‐(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9‐ペンタデカフルオロ‐ノニロキシメチル)‐ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐1‐(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ウンデカフルオロ‐ヘキシロキシメチル)‐ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7‐ウンデカフルオロ‐1‐(4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9‐トリデカフルオロノニロキシメチル)‐ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10‐ペンタデカフルオロ‐1‐(3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐ヘキシロキシメチル)‐ノニルエステルなどが挙げられる。
次に、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの製造方法は、ルイス酸触媒の存在下で下記一般式(2)で表されるエポキシド及び下記一般式(3)で表されるアルコールを反応させて下記一般式(4)で表されるアルコールを得る第1工程と、一般式(4)で表されるアルコールに重合性反応基を有する部位を導入して前記一般式(1)で表される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを得る第2工程とから構成されている。
(一般式(2)中のaは3〜6の整数である。)
(一般式(3)中のbは3〜6の整数であり、cは1〜3の整数である。)
(一般式(4)中のa、b及びcは、前記一般式(2)及び一般式(3)におけるそれぞれの定義と同じである。)
前記一般式(2)で表されるエポキシド、一般式(3)で表されるアルコール及びルイス酸触媒について、以下に具体例を示す。
前記一般式(2)で表されるエポキシドとしては、例えば2‐ノナフルオロブチル‐オキシラン、2ウンデカフルオロペンチル‐オキシラン、2‐トリデカフルオロヘキシル‐オキシラン、2‐ペンタデカフルオロヘプチル‐オキシラン、2‐(2,2,3,3,4,4,5,5,5‐ノナフルオロ‐ペンチル)‐オキシラン、2‐(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ウンデカフルオロ‐ヘキシル)‐オキシラン、2‐(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7‐トリデカフルオロ‐ヘプチル)‐オキシラン、2‐(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8‐ペンタデカフルオロ‐オクチル)‐オキシラン、2‐(3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐ヘキシル)‐オキシラン、2‐(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7‐ウンデカフルオロ‐ヘプチル)‐オキシラン、2‐(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8‐トリデカフルオロ‐オクチル)‐オキシラン、2‐(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9‐ペンタデカフルオロ‐ノニル)‐オキシラン、2‐(4,4,5,5,6,6,7,7,7‐ノナフルオロ‐ヘプチル)‐オキシラン、2‐(4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8‐ウンデカフルオロ‐オクチル)‐オキシラン、2‐(4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9‐トリデカフルオロ‐ノニル)‐オキシラン、2‐(4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10‐ペンタデカフルオロ‐デシル)‐オキシランなどが挙げられる。
前記一般式(3)で表されるアルコールとしては、例えば1,1,2,2,3,3,4,4,4‐ノナフルオロ‐ブタン‐1‐オール、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,5‐ウンデカフルオロ‐ペンタン‐1‐オール、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6‐トリデカフルオロ‐ヘキサン‐1‐オール、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7‐ペンタデカフルオロ‐ヘプタン‐1‐オール、2,2,3,3,4,4,5,5,5‐ノナフルオロ‐ペンタン‐1‐オール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ウンデカフルオロ‐ヘキサン‐1‐オール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7‐トリデカフルオロ‐ヘプタン‐1‐オール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8‐ペンタデカフルオロ‐オクタン‐1‐オール、3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐ヘキサン‐1‐オール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7‐ウンデカフルオロ‐ヘプタン‐1‐オール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8‐トリデカフルオロ‐オクタン‐1‐オール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9‐ペンタデカフルオロ‐ノナン‐1‐オール、4,4,5,5,6,6,7,7,7‐ノナフルオロ‐ヘプタン‐1‐オール、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8‐ウンデカフルオロ‐オクタン‐1‐オール、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9‐トリデカフルオロ‐ノナン‐1‐オール、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10‐ペンタデカフルオロ‐デカン‐1‐オールなどが挙げられる。
ルイス酸触媒としては、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アルミニウム、クロム、鉄、銅、銀、パラジウム、白金、水銀などの金属塩や、トリフルオロボラン、トリアルコキシボラン、トリメチルアルミニウム、トリクロロアルミニウムなどの化合物が挙げられる。これらのうち、汎用的に用いられているトリフルオロボランや過塩素酸マグネシウムなどが利用する上では好ましい。
前記のようなエポキシド(2)及びアルコール(3)を前記のようなルイス酸触媒の存在下で反応させ、一般式(4)で表されるアルコールを得る反応(第1工程)は、次のような条件の下で行われる。反応温度は、好ましくは20℃〜120℃、より好ましくは40℃〜100℃、特に好ましくは60℃〜90℃である。反応時間は、好ましくは1〜12時間、より好ましくは2〜6時間、特に好ましくは2〜4時間である。また、前記一般式(3)のアルコールは一般式(2)のエポキシドに対して等量以上存在しておればよく、原料コストよりも収率や反応速度を重視する場合には過剰量用いてもよい。
前記一般式(4)中の水酸基に重合性反応部位(前記一般式(1)中のZ)を導入する第2工程では、次のような方法で反応が行われる。すなわち、(メタ)アクリロイル基を有する有機鎖をもつ化合物として、(メタ)アクリロイル基と酸ハロゲン基、カルボキシル基又はイソシアネート基とを有する化合物を用い、一般式(4)で表されるアルコールの水酸基と脱ハロゲン化水素反応、エステル化反応又は付加反応を行う。それらの方法のうち、(メタ)アクリル酸塩化物を用い、一般式(4)で表されるアルコールの水酸基と脱塩化水素反応し、(メタ)アクリロイル基を導入する方法が最も簡便である。(メタ)アクリル酸塩化物は、前記一般式(4)のアルコールに対して等量以上用いればよく、例えば1.1倍当量用いればよい。また、該反応で発生する塩化水素を除去(トラップ)するため、トリエチルアミンなどの塩基を等量以上、例えば1.2倍当量用いるのが好ましい。
また、(メタ)アクリロイル基とイソシアネート基とを有する化合物を、一般式(4)で表されるアルコールの水酸基と付加反応させることができる。言い換えれば、一般式(4)中の水酸基に由来した酸素原子と導入しようとする(メタ)アクリロイル基の間に、リンカー(結合剤)としてイソシアネート基に基づく有機鎖の導入が可能である。(メタ)アクリロイル基とイソシアネート基とを有する化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸2‐イソシアネート‐エチルエステル、(メタ)アクリル酸2‐(2‐イソシアネート‐エトキシ)‐エチルエステル、(メタ)アクリル酸3‐(メタ)アクリロイロキシ‐2‐イソシアネート‐プロピルエステルなどが挙げられる。このようにアルコールとイソシアネートの反応を利用してZを導入する場合には、触媒などを必要とせず、常法に従って容易に反応させることが可能である。前記リンカーとして、各種アルキレン鎖、不飽和結合、極性結合などを含んでいてもよい。
さらに、(メタ)アクリロイル基とカルボキシル基とを有する化合物を、一般式(4)で表されるアルコールの水酸基とエステル化反応させることもできる。(メタ)アクリロイル基とカルボキシル基とを有する化合物として代表的には、(メタ)アクリル酸が挙げられる。
上記のように、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを第1工程と第2工程とを組合せて製造することにより、第1工程及び第2工程とも反応がほぼ定量的に進行し、両工程による収率がそれぞれ好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。従って、最終的に得られる含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの収率は、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上という高収率である。
以上詳述した新規な含フッ素(メタ)アクリル酸エステルはその重合物が撥水・撥油性に優れているため、係る含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを含有する防汚塗料(防汚コーティング剤)として好適に用いられる。防汚塗料中における含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの含有量は適宜定められるが、例えば0.1〜0.2質量%の少量で効果を発揮することができる。防汚塗料には、その他の含フッ素化合物、無機材料、溶媒などが常法に従って配合される。防汚塗料は、対象物に塗布された後、硬化(重合)されることにより塗膜が形成されるが、硬化手段としては紫外線、電子線などの活性エネルギー線の照射法が速やかに塗膜を得ることができる点から好ましい。
この防汚塗料を用いることにより、汚れやすい条件下で用いられる機材や装置、例えばタッチパネルなどの接触入力式デバイスなどに対して汚れを未然に防止することができる。この含フッ素(メタ)アクリル酸エステルは、(メタ)アクリロイル基を有していることから、単独重合又は他の重合性単量体との共重合を容易に行うことができる。
さらに、新規な含フッ素(メタ)アクリル酸エステルは、耐溶剤性コーティング剤、耐熱性樹脂、離型剤、スリップ剤、反射防止膜、光ファイバーなどの光学部材などとして有用である。加えて、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルは、その特徴である防汚性(撥水・撥油性)、低屈折率性、耐薬品性、耐候性、耐熱性、離型性、滑り性、電気特性などの利点を活かした様々な高機能性フッ素樹脂を製造するための原料として有用である。
以上詳述した実施形態によって発揮される作用及び効果について、以下にまとめて記載する。
・ 本実施形態の新規な含フッ素(メタ)アクリル酸エステルは、前記一般式(1)で表される化合物である。この含フッ素(メタ)アクリル酸エステルは、2つのパーフルオロアルキル鎖が結合した構造(分岐構造)を有しているため、パーフルオロアルキル鎖末端のフルオロメチル基(CF)が2つ存在している。このため、長いパーフルオロアルキル鎖を有する従来の化合物と比較して、パーフルオロアルキル鎖を構成する炭素数の1分子あたりのフッ素原子の合計数が同じである場合には、フッ素原子の機能発現を高めることができる。
また、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルは(メタ)アクリロイル基を有する有機基をもっていることから、他の重合性単量体との共重合が可能であり、例えば対象物との共重合が可能であり、対象物と化学的結合(共有結合)を形成し、その状態が長期に亘り保持される。従って、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルは重合可能であると共に、パーフルオロアルキル鎖の炭素数が短い場合でもその重合物が優れた撥水・撥油性による高い防汚性を発揮することができる。
また、この新規な含フッ素(メタ)アクリル酸エステルは、パーフルオロアルキル鎖が従来のような長鎖状ではなく、分岐構造により短鎖状であることから、その重合物は長鎖化合物が抱えている生体蓄積性や環境残留性の問題を回避でき、環境への負荷を軽減することができる。
・ 上記含フッ素(メタ)アクリル酸エステルとして代表的には、アクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐1‐(3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐ヘキシロキシメチル)‐ヘキシルエステルが挙げられる。この含フッ素(メタ)アクリル酸エステルは、2つのパーフルオロアルキル鎖におけるフッ素原子の数が同じ9個であり、上記効果をより有効に発揮させることができる。
・ 含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの製造方法は、第1工程と第2工程の2工程で構成されている。第1工程では、ルイス酸触媒の存在下で前記一般式(2)で表されるエポキシドに、一般式(3)で表されるアルコールを反応させて一般式(4)で表されるアルコールが得られる。第2工程では、一般式(4)で表されるアルコールに、(メタ)アクリロイル基を有する有機鎖をもつ化合物を反応させて一般式(1)で表される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルが得られる。第1工程及び第2工程での反応はいずれもほぼ定量的に進行することから、重合可能であると共に、パーフルオロアルキル鎖の炭素数が短い場合でもその重合物が優れた撥水・撥油性による高い防汚性を発揮することができる含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを高い収率で容易に製造することができる。
・ 上記第2工程における(メタ)アクリロイル基を有する有機鎖をもつ化合物は、(メタ)アクリロイル基と酸ハロゲン基、カルボキシル基又はイソシアネート基とを有する化合物であり、一般式(4)で表されるアルコールと脱ハロゲン化水素反応、エステル化反応又は付加反応を行い、前記一般式(1)で表される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを得るものである。従って、一般式(1)で表される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを効率良く製造することができる。
・ 防汚塗料は、前記一般式(1)で表される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを含有することから、その重合物による優れた撥水・撥油性に基づいて高い防汚性を発揮することができる。これは、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルは、2つのパーフルオロアルキル鎖が結合した構造を有し、パーフルオロアルキル鎖末端のフルオロメチル基(CF)が2つ存在すると共に、防汚塗料中での分散性が良く、さらに表面への配向性が良いためと推測される。
以下に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の範囲に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、前述の第1工程を実施した。すなわち、2‐(2,2,3,3,4,4,5,5,5‐ノナフルオロ‐ペンチル)‐オキシラン(下記化学式(2−1)で表される化合物、4.51g、10mmol)、3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐ヘキサン‐1‐オール(下記化学式(3−1)で表される化合物、4.32g、10mmol)及び三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(0.043g、0.3mmol)を入れた反応器に冷却管を取り付け、オイルバス中で攪拌しながら80℃に加熱した。同温度で5時間反応させた後、室温まで冷却し、得られた反応液に炭酸水素ナトリウム飽和水溶液50mlとクロロホルム50mlを加えて抽出操作を行なった。有機相に含まれた成分をカラムクロマトグラフィーにより分離し、下記に示す化学式(4−1)で表される化合物である4,4,5,5,6,6,7,7,7‐ノナフルオロ‐1-(3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐ヘキシロキシ)‐ヘプタン‐2‐オールを得た。前記化学式(2−1)の化合物に対する化学式(4−1)で表される化合物の収率は82%であった。
続いて、前述の第2工程を実施した。すなわち、得られた前記化学式(4−1)の化合物及びトリエチルアミン(1.32g、13mmol)を、攪拌装置を取り付けた反応器に入れ、ジエチルエーテルを加えて溶液とした。該溶液を、氷浴を用いて0℃まで冷却させてから、よく攪拌しながらアクリル酸塩化物(1.09g、12mmol)をゆっくり滴下した。滴下終了後、攪拌を続けながら2時間かけて室温まで温度上昇させた。この溶液中へメタノール1mlを加えて余剰のアクリル酸塩化物をアクリル酸メチルとし、1N塩酸50mlとクロロホルム50mlを加えて抽出を行なった。有機相に含まれる化合物をカラムクロマトグラフィーにより分離し、前記化学式(1−1)で表される目的の化合物としてアクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐1‐(3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐ヘキシロキシメチル)‐ヘキシルエステルを3.57g得た。前記化学式(4−1)の化合物に対する化学式(1−1)で表される目的化合物の収率は90%であった。従って、化学式(2−1)の化合物に対する化学式(1−1)で表される目的化合物の総合収率は73.8%であった。
(同定分析)
化学式(1−1)で表される化合物のH−NMR及びExact MSの測定結果について下記に示す。
H−NMR(δ(ppm)CDCl/TMS):6.45(dd、1H);6.12(dd、1H);5.89(dd、1H);5.48(m、1H);3.78(dABq、2H);3.63(t、2H);2.45(m、4H)
Exact MS:測定値; 594.05
理論値;C181222: 594.24
(実施例2、防汚塗料)
1)防汚塗液の調製
1.5gのアクリル酸12‐アクリロイロキシ‐3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10‐ヘキサデカフルオロ‐ドデシルエステル、1.5gのペンタエリスリトールトリアクリレート及び0.15gのIrgacure‐184(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)の混合物に、実施例1で得られたアクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐1‐(3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐ヘキシロキシメチル)‐ヘキシルエステルを0.15g加え、さらにイソプロピルアルコール100gを加えて溶解させ、防汚塗料Aを調製した。
2)防汚性の評価
トリアセチルセルロース製の基材フィルム上に、実施例2で得られた防汚塗料Aを乾燥後の膜厚が約100nmとなるようにグラビアコート法にて塗布し、溶剤を乾燥させた後、400mJ/cmの紫外線(UV)を照射して硬化させ、フィルムNo.1を得た。フィルムNo.1の防汚性(撥水・撥油性)の評価として、水及びn‐デカンの静的接触角の測定と、防汚塗料の塗布面に油性ペンで書いた際のはじき性と、拭き取り易さについての評価とを行なった。それらの結果を表1に示した。
(比較例1)
化学式(1−1)で表されるアクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐1‐(3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐ヘキシロキシメチル)‐ヘキシルエステルを用いない以外は、全て実施例2と同様にして防汚塗料Bを調製した。次いで、前記防汚塗料Aの代わりに防汚塗料Bを用い、その他は全て実施例2と同様に実施して、フィルムNo.2を作製し、該フィルムNo.2の防汚性(撥水・撥油性)を評価した。その結果を表1に示した。
(比較例2)
前記一般式(1−1)の含フッ素アクリル酸エステルの代わりに、下記化学式(5)に示すアクリル酸4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11ヘプタデカフルオロ‐2‐ヒドロキシ‐ウンデシルエステルを用い、その他は全て実施例2と同様に実施して防汚塗料Cを調製した。
次いで、防汚性塗料Aの代わりに防汚塗料Cを用い、その他は全て実施例2と同様にして、フィルムNo.3を作製した。該フィルムNo.3の防汚性(撥水・撥油性)を実施例2と同様にして評価した結果を表1に示した。
表1において、油性ペンのはじき及び油性ペンの拭き取りは、次のような判断基準に基づいて評価した。
(油性ペンのはじき)
◎:よくはじく、○:はじく、△:少しはじく、×:はじかない。
(油性ペンの拭き取り)
◎:簡単に拭き取れる、○:拭き取れる、△:あまり拭き取れない、×:全く拭き取れない。
表1に示した結果より、化学式(1−1)で表される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを含有する防汚塗料を用いた実施例2では、水及びn−デカンの接触角が大きく、撥水・撥油性に優れていた。さらに、油性ペンのはじき及び油性ペンの拭き取りに優れ、高い防汚性が示された。従って、この防汚塗料をフッ素含有率の高い反射防止膜などとして十分に使用できることが明らかとなった。
その一方、化学式(1−1)で表される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを含まない防汚塗料を用いた比較例1では、水及びn−デカンの接触角が小さく、撥水・撥油性が悪い結果であった。そのため、油性ペンのはじき及び油性ペンの拭き取りが不十分で、防汚性が不良であった。さらに、従来の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを用いた防汚塗料である比較例2では、実施例2に比べて、水及びn−デカンの接触角が小さく、撥水・撥油性が低い結果であった。そのため、油性ペンのはじき及び油性ペンの拭き取りが不十分で、防汚性の低い結果であった。
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの製造に用いるエポキシドとして一般式(2)で表される化合物以外のエポキシドを用いたり、アルコールとして一般式(3)で表される化合物以外のアルコールを用いたりことも可能である。
・ 含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを製造する場合、第1工程及び第2工程において、それぞれ常法に従って精製操作を行うことも可能である。
・ 一般式(1)中のZとして、(メタ)アクリロイル基を複数有するように構成し、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを重合させたとき、架橋構造を形成できるようにすることも可能である。
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 塗布された後に活性エネルギー線で硬化されるものであることを特徴とする請求項5に記載の防汚塗料。このように構成した場合、請求項5に係る発明の効果に加え、防汚塗料の塗膜を速やかに形成することができる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表されることを特徴とする含フッ素(メタ)アクリル酸エステル。
    (一般式(1)中のa及びbは3〜6の整数であり、cは1〜3の整数である。また、a、b及びcはそれぞれ独立であり、互いに同じでも異なっていてもよい。一般式(1)中のZは、(メタ)アクリロイル基を有する有機鎖である。)
  2. アクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐1‐(3,3,4,4,5,5,6,6,6‐ノナフルオロ‐ヘキシロキシメチル)‐ヘキシルエステルであることを特徴とする請求項1に記載の含フッ素(メタ)アクリル酸エステル。
  3. ルイス酸触媒の存在下で下記一般式(2)で表されるエポキシドに、下記一般式(3)で表されるアルコールを反応させて下記一般式(4)で表されるアルコールを得る第1工程と、一般式(4)で表されるアルコールに、(メタ)アクリル酸塩化物、(メタ)アクリル酸イソシアネートエステル又は(メタ)アクリル酸を反応させて前記一般式(1)で表される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを得る第2工程とよりなることを特徴とする含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
    (一般式(2)中のaは3〜6の整数である。)
    (一般式(3)中のbは3〜6の整数であり、cは1〜3の整数である。)
    (一般式(4)中のa、b及びcは、前記一般式(2)及び一般式(3)におけるそれぞれの定義と同じである。)
  4. 前記第2工程における(メタ)アクリル酸塩化物、(メタ)アクリル酸イソシアネートエステル又は(メタ)アクリル酸は、一般式(4)で表されるアルコールと脱塩化水素反応、エステル化反応又は付加反応を行い、前記一般式(1)で表される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを得ることを特徴とする請求項3に記載の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
  5. 請求項1又は請求項2に記載の前記一般式(1)で表される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを含有することを特徴とする防汚塗料。
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