JP5118830B2 - エポキシ基含有硬化性樹脂成分 - Google Patents

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JP5118830B2 JP2006214689A JP2006214689A JP5118830B2 JP 5118830 B2 JP5118830 B2 JP 5118830B2 JP 2006214689 A JP2006214689 A JP 2006214689A JP 2006214689 A JP2006214689 A JP 2006214689A JP 5118830 B2 JP5118830 B2 JP 5118830B2
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Description

本発明は、エポキシ基を含有している化合物と(メタ)アクリル酸無水物とが開環付加したもので、成形材料、低誘電性部材、低吸水性部材の原材料として用いられる硬化性樹脂成分、およびそれを硬化させた硬化物に関するものである。
家電製品・精密機器のような製品の部材、電子部品・光化学関連部品のような部品の部材、機能性コーティング材等を形成するための組成物の原材料として、成形し易く、電気絶縁性や耐薬品性に優れ、強い機械的強度を有し、綺麗な表面を形成する硬化性樹脂成分が用いられている。
とりわけエポキシ樹脂は、プリント基板用の表面塗装組成物の樹脂成分として、また電子部品用の封止剤組成物の樹脂成分として、用いられている。その中でも(メタ)アクリロイル基を含有するエポキシ樹脂は、光照射により硬化するため、微細なパターニング等のように優れた加工性を要する表面塗装のための組成物の樹脂成分として、汎用されている。
このアクリロイル基含有エポキシ樹脂が分子内に多くの水酸基を有するため高い水酸基価を示すことに起因して、この樹脂を硬化させて形成された被膜は、吸水性が高いうえ、耐熱性、絶縁性、耐薬品性、耐擦傷性、機械的強度等の塗装特性や、密封性が不十分なものである。
水酸基価を低減させた樹脂を用い塗装特性等を改善する組成物として、例えば特許文献1に、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸無水物とを反応させ、二重結合当量が200〜500、エステル価が100〜300、水酸基価が130以下、好ましくは20〜130である(メタ)アクリロイル基を有する不飽和樹脂と、エチレン性不飽和単量体とラジカル重合開始剤とを含有した硬化性樹脂組成物が開示されている。
しかし、一般にこのような不飽和樹脂は水酸基が未だ残存しているため、それを硬化させて形成された被膜のような硬化物は、塗装特性や密封性が不十分である。
最終製品に一層優れた耐久性等の高付加価値化が求められるため、硬化性樹脂成分のさらなる改善や、それの硬化物の塗装特性や密封特性の向上が望まれている。
特開2004−346315号公報
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸無水物とからなり分子内に水酸基を有さず水酸基価が極めて低いもので、低吸水性で耐熱性、絶縁性、耐薬品性、耐擦傷性、機械的強度に優れた硬化物を形成するのに用いられる硬化性樹脂成分を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた硬化性樹脂成分は、エポキシ基含有フルオロ化合物、エポキシ基含有共重合化合物、芳香環基、脂環基、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基又はアルキレン基を含有するエポキシ樹脂から選ばれる何れかの化合物中のエポキシ基1.0モル当量に対し、(メタ)アクリル酸無水物の0.1〜1.0モル当量が、開環付加したものであって、その水酸基価を最大でも15とすることを特徴とする。
の硬化性樹脂成分は、前記エポキシ基含有フルオロ化合物が、直鎖状、分岐鎖状又は環状のパーフルオロアルキル基、パーシャルフルオロアルキル基、パーフルオロアルキレン基及び/又はパーシャルフルオロアルキレン基を含有していることを特徴とする。
前記の目的を達成するためになされた特許請求の範囲の請求項に記載の硬化性樹脂成分製造方法、下記化学式(I)
A−Rf−B ・・・(I)
(化学式(I)中、A−は、
Figure 0005118830
から選ばれるエポキシ基含有基−Rf−は、-CH2-(CF2)m-(CH2)n- (m=1〜20、n=0〜1の整数)、-CH2-(CF2)p-C[-(CF2)q-F][-(CF2)r-F]-CH2- (p=1〜10、q=0〜22、r=1〜22の整数)、又は-CH2-(CF2)s-(-O-Ct2t)u-O-(CF2)v-(CH2)w- (s=1〜3、t=1〜4、u=1〜100、v=0〜3、w=0〜1の整数)、−Bは、該A−と同一若しくは異なる前記エポキシ基含有基、-Cy2y+1若しくは-OCH2-Cy2y+1(y=1〜22の整数)、又は-Cz2z-1若しくは-OCH2-Cz2z-1(z=3〜20の整数)である。)で表されるエポキシ基含有フルオロ化合物と、
Figure 0005118830
から選ばれるエポキシ基含有基及び(メタ)アクリロイル基を含有するエポキシ基含有不飽和モノマーと、直鎖状、分岐鎖状若しくは環状の脂肪族基、パーフルオロアルキル基又はパーシャルフルオロアルキル基、及び(メタ)アクリロイル基を含有するエポキシ基非含有モノマーとの共重合体であるエポキシ基含有共重合化合物と、芳香環基、脂環基、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基又はアルキレン基を含有するエポキシ樹脂とから選ばれる何れかの化合物中のエポキシ基1.0モル当量と、
(メタ)アクリル酸無水物の0.1〜1.0モル当量と、
4級アンモニウム塩またはルイス塩基触媒とを、
仕込み、該触媒下にしてから、空気を吹き込みながら、60〜120℃に昇温させ、開環付加させることによって、水酸基価を最大でも15とする硬化性樹脂成分を、製造することを特徴とする。
の硬化性樹脂成分は、前記エポキシ基含有共重合化合物が、エポキシ基含有不飽和モノマーとエポキシ基非含有不飽和モノマーとの共重合体であることを特徴とする。
請求項に記載の硬化性樹脂成分製造方法は、請求項に記載されたもので、前記化合物が前記エポキシ基含有共重合化合物であって、そのエポキシ基一つあたりの分子量を100〜10000とすることを特徴とする。
請求項に記載の硬化性樹脂成分製造方法は、請求項に記載されたもので、前記化合物が前記エポキシ樹脂であって、そのエポキシ基一つあたりの分子量を100〜10000とすることを特徴とする。
請求項に記載の硬化性樹脂成分製造方法は、請求項に記載されたもので、前記エポキシ樹脂が、フェニルグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAノボラックエポキシ樹脂、ナフタレンジオールエポキシ樹脂、ビフェノールエポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレンエポキシ樹脂、トリスフェニロールメタンエポキシ樹脂、テトラキスフェニロールエタンエポキシ樹脂、フェノールジシクロペンタジエンノボラックエポキシ樹脂から選ばれる芳香環基を含有するエポキシ化合物;それらの飽和体、およびトリシクロデカン骨格含有エポキシ樹脂から選ばれる前記脂環基を含有するエポキシ樹脂;アルキレンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルから選ばれる前記直鎖状若しくは分岐鎖状アルキレン基を含有するエポキシ樹脂のいずれかであって、そのエポキシ基一つあたりの分子量を100〜10000とすることを特徴とする。
請求項5に記載の硬化性樹脂成分製造方法は、請求項1に記載されたもので、無溶媒で、前記開環付加をしたものであることを特徴とする。
請求項に記載の硬化物は、請求項1〜の何れかに記載の硬化性樹脂成分製造方法で製造された硬化性樹脂成分を含む組成物を、硬化させたものである。
請求項7に記載の硬化物は、請求項6に記載されたもので、硬化成分が、前記硬化性樹脂成分からなることを特徴とする。
本発明の硬化性樹脂成分は、一つのエポキシ基に1分子の(メタ)アクリル酸無水物が開環付加して、水酸基を形成することなく二つの(メタ)アクリル酸エステル基を形成する。この硬化性樹脂成分は、水酸基価が殆ど0である。この成分は、プレポリマーとして硬化性組成物に含有させて用いられる。
そのため、それを含む組成物を硬化させると、低吸水性で耐熱性、絶縁性、耐薬品性、耐擦傷性、機械的強度に優れた硬化物が形成される。
発明を実施するための形態
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明の硬化性樹脂成分は、複数の芳香環基を含有するエポキシ樹脂としてビスフェノールAジグリシジルエーテルのエポキシ基1.0当量に対し、(メタ)アクリル酸無水物の1.0当量が、4級アンモニウム塩またはルイス塩基触媒下、無溶媒で空気を吹き込みながら、60〜120℃下で、開環付加したものである。この硬化性樹脂成分は、水酸基価が最大でも15であって殆ど0である。このことは、その反応条件下で、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量と(メタ)アクリル酸無水物1当量とが、水酸基を生じさせることなく反応し、(メタ)アクリル酸無水物が開裂してそれの(メタ)アクリル酸エステル2当量を形成するからである。また、エポキシ樹脂が水酸基を有していないことに起因して、エポキシ基と(メタ)アクリル酸無水物とが丁度当量ずつ直接反応し、水酸基を生じさせないからである。
水酸基含有エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸無水物、または水酸基非含有エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸無水物とを混合して反応させる場合は特許文献1に記載のように、水酸基価が最低でも20程度も残存したものとなってしまう。
エポキシ基1.0当量に対し、(メタ)アクリル酸無水物がちょうど1.0当量用いられた例を示したが、0.1当量以上1.0当量未満用いられていてもよい。例えば、エポキシ基1.0当量に対し、(メタ)アクリル酸無水物を0.5当量用いた場合、水酸基を殆ど含有しない0.5当量分エポキシ基を含有した(メタ)アクリレートが得られる。通常このような部分アクリル化エポキシ樹脂は、例えばエポキシ基1.0当量に対し、(メタ)アクリル酸を0.5当量用いて反応する事により得られるが、(メタ)アクリル酸と同等量の水酸基が出来る。従って、(メタ)アクリル当量が低く、水酸基を含有していることから、必要な性能性を発現するための設計が困難であり、貯蔵安定性も悪くなる。これに対し、本発明の方法により得られる部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂は、十分な(メタ)アクリル当量が得られることから、必要な性能を発現するための設計が可能で、水酸基を殆ど有しないことから、貯蔵安定性も向上する。
硬化性樹脂成分は、複数の芳香環基を含有するエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸無水物とからなるものの例を示したが、このようなエポキシ樹脂に代えて、複数の別な芳香環基を含有するエポキシ樹脂、単数の芳香環基を含有するエポキシ樹脂、エポキシ基含有フルオロ化合物、エポキシ基含有共重合化合物、複数の脂環基、及び/又は直鎖状若しくは分岐鎖状アルキレン基を含有するエポキシ樹脂を用いてもよい。
エポキシ基含有フルオロ化合物は、前記式(I)で表されるA−Rf−Bであることが好ましい。
エポキシ基含有フルオロ化合物を構成するA−は、グリシジルエーテル基のような末端エポキシ基、エポキシシクロヘキシル基のような脂環上にエポキシ基を含有する基、より具体的には、
Figure 0005118830
のようなエポキシ基含有基が挙げられる。
エポキシ基含有フルオロ化合物を構成する−Rf−は、-CH2-(CF2)m-(CH2)n-(m=1〜20、n=0〜1の各整数)、より具体的には、例えばn≠0のとき、2,2-ジフルオロプロパンジオール、2,2,3,3-テトラフルオロブタンジオール、2,2,3,3,4,4,-ヘキサフルオロペンタンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロヘキサンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6-デカフルオロヘプタンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7-ドデカフルオロオクタンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8-テトラデカフルオロノナンジオール、及び2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9-ヘプタデカフルオロデカンジオールの何れかの脱水素残基;
-CH2-(CF2)p-C[-(CF2)q-F][-(CH2)r-F]-CH2- (p=1〜10、q=0〜22、r=1〜22の整数)、より具体的には、2-フルオロ-2-パーフルオロオクチル-1,3-プロパンジオール、2-フルオロ-2-パーフルオロイソオクチル-1,3-プロパンジオール、及び2-フルオロ-2-パーフルオロ(4-エチル-ヘキシル)-2-ヒドロキシメチル-1-メタノールの何れかの脱水素残基;
-CH2-(CF2)s-(-O-Ct2t)u-O-(CF2)v-(CH2)w- (s=1〜3、t=1〜4、u=1〜100、v=0〜3、w=0〜1の整数)、より具体的には、2,2,4,4-テトラフルオロジエチレングリコール、2,2,4,4,5,5,7,7-オクタフルオロトリエチレングリコール、2,2,4,4,5,5,7,7,8,8,10,10-ドデカフルオロテトラエチレングリコール、2,2,4,4,5,5,7,7,8,8,10,10,11,11,13,13-ヘプタデカフルオロペンタエチレングリコール、2,2,4,4,5,5,7,7,8,8,10,10,11,11,13,13,14,14,16,16-イコサデカフルオロヘキサエチレングリコール、2,2,4,4,5,5,7,7,8,8,10,10,11,11,13,13,14,14,16,16,17,17,19,19-テトラコサフルオロヘプタエチレングリコール、2,2,4,4,5,5,7,7,8,8,10,10,11,11,13,13,14,14,16,16,17,17,19,19,20,20,22,22-オクタコサフルオロオクタエチレングリコール、2,2,4,4,5,5,7,7,8,8,10,10,11,11,13,13,14,14,16,16,17,17,19,19,20,20,22,22,23,23,25,25-ドトリアコンタフルオロノナエチレングリコール、2,4,4-トリフルオロ-2,5-ジ(トリフルオロメチル)ジエチレングリコール、2,4,4,5,7,7-ヘキサフルオロ-2,5,8-トリ(トリフルオロメチル)トリエチレングリコール、2,4,4,5,7,7,8,10,10-ノナフルオロ-2,5,8,11-テトラ(トリフルオロメチル)テトラエチレングリコール、2,4,4,5,7,7,8,10,10,11,13,13-ドデカフルオロ-2,5,8,11,14-ペンタ(トリフルオロメチル)ペンタエチレングリコール、2,4,4,5,7,7,8,10,10,11,13,13,14,16,16,17-ペンタデカフルオロ-2,5,8,11,14,17-ヘキサ(トリフルオロメチル)ヘキサエチレングリコール、2,4,4,5,7,7,8,10,10,11,13,13,14,16,16,17,19,19,20-オクタデカフルオロ-2,5,8,11,14,17,20-へプタ(トリフルオロメチル)ヘプタエチレングリコール、2,4,4,5,7,7,8,10,10,11,13,13,14,16,16,17,19,19,20,22,22,23-ドコサフルオロ-2,5,8,11,14,17,20,23-オクタ(トリフルオロメチル)オクタエチレングリコール、2,4,4,5,7,7,8,10,10,11,13,13,14,16,16,17,19,19,20,22,22,23,25,25,26-テトラコサフルオロ-2,5,8,11,14,17,20,23,26-ノナ(トリフルオロメチル)ノナエチレングリコール、2,2,3,3,4,4,6,6,7,7,8,8-ドデカフルオロジテトラメチレングリコール2,2,3,3,4,4,6,6,7,7,8,8,9,9,11,11,12,12,13,13-イコサフルオロトリテトラメチレングリコール、2,2,3,3,4,4,6,6,7,7,8,8,9,9,11,11,12,12,13,13,14,14,16,16,17,17,18,18-オクタコサフルオロテトラテトラメチレングリコール、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-デカフルオロシクロヘキシル)-1,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシメチル-デカフルオロシクロヘキシル)-1,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[4-オキシ(1,1-ジフルオロエトキシ)-デカフルオロシクロヘキシル]-1,3-ヘキサフルオロプロパン、及び2,2-ビス[4-オキシ(1-パーフルオロメチル-1-フルオロエトキシ)-デカフルオロシクロヘキシル]-1,3-ヘキサフルオロプロパンの何れかの脱水素残基;
が挙げられる。
エポキシ基含有フルオロ化合物を構成する−Bは、該A−と同一若しくは異なる前記エポキシ基含有基;
-Cy2y+1若しくは-OCH2-Cy2y+1(y=1〜22の整数)、より具体的には、-OCH2-Cy2y+1として、例えばパーフルオロメタノール、パーフルオロエチルメタノール、パーフルオロプロピルメタノール、パーフルオロブチルメタノール、パーフルオロペンチルメタノール、パーフルオロヘキシルメタノール、パーフルオロオクチルメタノール、パーフルオロノニルメタノール、パーフルオロデシルメタノール、パーフルオロウンデシルメタノール、パーフルオロドデシルメタノール、パーフルオロトリデシルメタノール、パーフルオロテトラデシルメタノール、パーフルオロペンタデシルメタノール、パーフルオロヘキサデシルメタノール、パーフルオロヘプタデシルメタノール、パーフルオロオクタデシルメタノール、パーフルオロノナデシルメタノール、パーフルオロイコシルメタノール、またはパーフルオロヘニコシルメタノールの何れかの脱水素残基;
-Cz2z-1若しくは-OCH2-Cz2z-1(z=3〜20の整数)、より具体的には、-Cz2z-1として、パーフルオロシクロヘキシル基、また-OCH2-Cz2z-1として、1-ウンデカフルオロシクロヘキシルメタノール、または2-フルオロ-2-ウンデカフルオロシクロヘキシルエタノール、2,2,3-トリフルオロ-3-ウンデカフルオロシクロヘキシルプロパノールの脱水素残基が挙げられる。
−Rf−Bは、(Cy2y+1)-(CF2CF2-O-)u-CF2CH2O- (y,uは前記に同じ)であるとき、より具体的には、2-パーフルオロメトキシ-2,2-ジフルオロエタノール、2-パーフルオロエトキシ-2,2-ジフルオロエタノール、2-パーフルオロブトキシ-2,2-ジフルオロエタノール、2-パーフルオロオクトキシ-2,2-ジフルオロエタノール、5-パーフルオロメトキシ-4,4,5,5-テトラフルオロエトキシ-2,2-ジフルオロエタノール、5-パーフルオロブトキシ-4,4,5,5-テトラフルオロエトキシ-2,2-ジフルオロエタノール、5-パーフルオロオクトキシ-4,4,5,5-テトラフルオロエトキシ-2,2-ジフルオロエタノール、8-パーフルオロメトキシ-7,7,8,8-テトラフルオロエトキシ-4,4,5,5-テトラフルオロエトキシ-2,2-ジフルオロエタノール、8-パーフルオロオクトキシ-7,7,8,8-テトラフルオロエトキシ-4,4,5,5-テトラフルオロエトキシ-2,2-ジフルオロエタノール、11-パーフルオロメトキシ-10,10,11,11-テトラフルオロエトキシ-7,7,8,8-テトラフルオロエトキシ-4,4,5,5-テトラフルオロエトキシ-2,2-ジフルオロエタノール、または11-パーフルオロオクトキシ-10,10,11,11-テトラフルオロエトキシ-7,7,8,8-テトラフルオロエトキシ-4,4,5,5-テトラフルオロエトキシ-2,2-ジフルオロエタノールの脱水素残基が挙げられる。
これらのエポキシ基含有フルオロ化合物は、単独で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。
エポキシ基含有共重合化合物は、フルオロ基を有していてもよく前記のようなエポキシ基含有基及び(メタ)アクリロイル基のような不飽和基を有するエポキシ基含有不飽和モノマーと、直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、パーフルオロアルキル基又はパーシャルフルオロアルキル基、及び(メタ)アクリロイル基のような不飽和基を含有する前記エポキシ基非含有モノマーとの共重合体であってもよい。このようなエポキシ基含有共重合化合物は、より具体的には、前記のようなエポキシ基含有基を含有する(メタ)アクリル酸エステルと、エポキシ基非含有の(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体が挙げられる。
エポキシ基含有共重合化合物を構成するエポキシ基含有不飽和モノマーは、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロへキシルメチル(メタ)アクリレートのような炭素数2〜10のアルキル基を有するグリシジロキシアルキル(メタ)アクリレート;炭素数2〜10のアルキル基を有する3,4−エポキシシクロへキシルメトキシアルキル(メタ)アクリレート;これらの炭素数2〜10のアルキルの代わりに、炭素数2〜4のアルキレン基を有するポリアルキレングリコール(繰り返し単位;2〜20)骨格を含有したもの等が挙げられる。
エポキシ基含有共重合化合物を構成するエポキシ基非含有不飽和モノマーは、炭素数1〜18で直鎖状、分岐鎖状若しくは環状の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、(フェノキシフェニル)ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、炭素数2〜4のアルキル基を有するフェノキシアルキル(メタ)アクリレート、ナフタレン(メタ)アクリレート、トリシクロデカン(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。パーフルオロアルキル基又はパーシャルフルオロアルキル基を含有するアクリル酸エステル、例えばパーフルオロメタノール、パーフルオロエチルメタノール、パーフルオロプロピルメタノール、パーフルオロブチルメタノール、パーフルオロペンチルメタノール、パーフルオロヘキシルメタノール、パーフルオロオクチルメタノール、パーフルオロノニルメタノール、パーフルオロデシルメタノール、パーフルオロウンデシルメタノール、パーフルオロドデシルメタノール、パーフルオロトリデシルメタノール、パーフルオロテトラデシルメタノール、パーフルオロペンタデシルメタノール、パーフルオロヘキサデシルメタノール、パーフルオロヘプタデシルメタノール、パーフルオロオクタデシルメタノール、パーフルオロノナデシルメタノール、パーフルオロイコシルメタノール、またはパーフルオロヘニコシルメタノール、1-ウンデカフルオロシクロヘキシルメタノール、または2-フルオロ-2-ウンデカフルオロシクロヘキシルエタノール、2,2,3-トリフルオロ-3-ウンデカフルオロシクロヘキシルプロパノールと(メタ)アクリル酸とのエステルであってもよい。
エポキシ樹脂は、例えばグリシジル基のようなエポキシ基含有基を有するもので、より具体的には、フェニルグリシジルエーテルのような単数の芳香環基を含有するエポキシ化合物;
jER827(ジャパンエポキシレジン株式会社製;jERは同社の登録商標)のようなビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAノボラックエポキシ樹脂、ナフタレンジオールエポキシ樹脂、ビフェノールエポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレンエポキシ樹脂、トリスフェニロールメタンエポキシ樹脂、テトラキスフェニロールエタンエポキシ樹脂、フェノールジシクロペンタジエンノボラックエポキシ樹脂のような複数の芳香環基を含有するエポキシ化合物;
それらを水素添加により飽和させた前記複数の脂環基を含有するエポキシ樹脂、例えばナフタレンジオールエポキシ樹脂を水素添加したデカヒドロナフタレンエポキシ樹脂、トリシクロデカン骨格含有エポキシ樹脂;
ヘキサンジオールのジグリシジルエーテルのようなアルキレンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルから選ばれる前記直鎖状若しくは分岐鎖状アルキレン基を含有するエポキシ樹脂が挙げられる。
(メタ)アクリル酸無水物は、アクリル酸無水物、メタクリル酸無水物、アクリル酸・メタクリル酸の混合酸無水物であってもよく、それらが単独で用いられてもよく、複数が任意の比率で混合されて用いられてもよい。
エポキシ基含有共重合化合物やエポキシ樹脂は、エポキシ基一つあたりの分子量が100〜10000の範囲より小さいと、低沸点となり硬化性樹脂成分の製造効率や製造簡便性が悪くなり、一方この範囲より大きいと、(メタ)アクリロイル基の含有率が低減する結果、硬化させる際の反応性の低下や、得られた硬化物の硬度不足、耐擦傷性等の物性不良を惹き起こしてしまう。さらに、エポキシ基含有共重合化合物やエポキシ樹脂は、フッ素基を含有していても、この範囲より小さいと、フッ素含有率が極度に低下する結果、フッ素基が本来有する耐水性や耐油性、光学特性等の特性を発現できなくなってしまう。
この硬化性樹脂成分を含む組成物は、硬化物を形成するのに用いられる。このような組成物は、硬化性樹脂成分の10〜99重量部と、重合開始剤0.5〜15重量部と、必要に応じて添加剤の0.1〜70重量部とを含むものである。
重合開始剤として、光照射により分解してラジカルを生成する一般的な開始剤、例えば、ベンジル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジブトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチルチオキサントン等が挙げられるが、これらに限定されない。これらは、単独で、又は複数種を混合して用いられてもよい。重合開始剤として、熱によりラジカルを発生する過酸化物を用いてもよい。
組成物は、適宜、アクリル樹脂やシリカゾル等の有機または無機のフィラー、各種添加剤、例えば増感剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、微粒子金属酸化物、レベリング剤、その他付加機能発現のための添加剤が添加されていてもよい。
この組成物を、熱、赤外線、紫外線、電子線等の活性エネルギー線照射により、膜状に硬化させたり、鋳型内で硬化させたりすると、硬化物が得られる。
以下に、硬化性樹脂成分、およびそれが含まれた組成物から硬化物を試作した例を示す。
本発明を適用する硬化性樹脂成分の例を調製実施例1〜5に示し、本発明を適用外の硬化性樹脂成分の例を調製比較例1〜5に示す。また、部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂の合成例を合成例1に示す。
(調製実施例1)
攪拌機、温度計、空気導入管、冷却管を取り付けたフラスコに、ビスフェノールAエポキシ樹脂jER827[ジャパンエポキシレジン(株)製;商品名(jERは登録商標):エポキシ当量180](BISAEP)の180g、無水メタクリル酸(MAAH)の154g、テトラブチルアンモニウムブロマイドの3.3gを仕込んだ。それに空気を吹き込みながら、昇温させ、85℃で18時間反応させた。JISK0070に準拠した測定方法による酸価(単位:KOHmg/g)が5以下となったこと、およびJISK7236に準拠した測定方法によるエポキシ当量(単位:g/当量)が7000以上となったことを確認し、反応終点とした。メチルイソブチルケトンを68g添加して溶解し60℃付近まで冷却した後、反応容器から生成物を取り出し、所望とするjER827と無水メタクリル酸とからなる硬化性樹脂成分(BISAEP−MAAH)を得た。
(調製実施例2)
攪拌機、温度計、空気導入管、冷却管を取り付けたフラスコに、フェニルグリシジルエーテル(PGE)であるエピオールP[日本油脂株式会社製;商品名(エピオールは登録商標):エポキシ当量154]の154g、無水アクリル酸(AAH)の126g、テトラブチルアンモニウムブロマイドの2.8gを仕込んだ。それに空気を吹き込みながら、昇温させ、120℃で4時間反応させた。酸価が5以下、エポキシ当量が7000以上となったことを確認し、反応終点とした。60℃付近まで冷却した後、反応容器から生成物を取り出し、所望とするPGEと無水アクリル酸とからなる硬化性樹脂成分(PGE−AAH)を得た。
(調製実施例3)
攪拌機、温度計、空気導入管、冷却管を取り付けたフラスコに、1,6−ヘキサンジオールのグリシジルエーテルであるEX−212L[ナガセケミテックス株式会社製;商品名:エポキシ当量132](1,6HXEP)の132g、無水メタクリル酸の154g、テトラブチルアンモニウムブロマイドの2.9gを仕込んだ。それに空気を吹き込みながら、昇温させ、90℃で20時間反応させた。酸価が5以下、エポキシ当量が7000以上となったことを確認し、反応終点とした。60℃付近まで冷却した後、反応容器から生成物を取り出し、所望とする1,6−ヘキサンジオールのグリシジルエーテルと無水メタクリル酸とからなる硬化性樹脂成分(1,6HXEP−MAAH)を得た。
(調製実施例4)
攪拌機、温度計、窒素導入管、冷却管を取り付けたフラスコに、メチルイソブチルケトンの150gを仕込み、窒素を吹き込みながら、80℃まで昇温させた。さらに、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)の5gを添加した。同温度で10分撹拌した後、トリフロロエチルメタクリレートであるライトエステルM−3F(共栄社化学株式会社製;商品名)(M−3F)の50gと、グリシジルメタクリレートであるライトエステルG(共栄社化学株式会社製;商品名)(GMA)の50gとの混合物を、4時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃で1時間、90℃で1時間、100℃で2時間反応させた。60℃付近まで冷却した後、反応容器から共重合生成物を取り出し、パーフロオロアルキル基とエポキシ基とを含有するエポキシ基含有共重合化合物のポリマー溶液Aを得た。
攪拌機、温度計、空気導入管、冷却管を取り付けたフラスコに、上記ポリマー溶液Aの355g、無水メタクリル酸の77g、テトラブチルアンモニウムブロマイドの1.5gを仕込んだ。それに空気を吹き込みながら、昇温させ、90℃で18時間反応させた。酸価が5以下、エポキシ当量が7000以上となったことを確認し、反応終点とした。60℃付近まで冷却した後、反応容器から生成物を取り出し、所望のライトエステルM−3FとライトエステルGと無水メタクリル酸とからなる硬化性樹脂成分(GMA/M−3F+MAAH)を得た。
(調整実施例5)
攪拌機、温度計、空気導入管、冷却管を取り付けたフラスコに、フェニルグリシジルエーテル(PGE)であるエピオールPの154g、無水メタクリル酸の154g、テトラブチルアンモニウムブロマイドの3.1gを仕込んだ。それに空気を吹き込みながら、昇温させ、85℃で18時間反応させた。酸価が5以下、エポキシ当量が7000以上となったことを確認し、反応終点とした。60℃付近まで冷却した後、反応容器から生成物を取り出し、所望とするPGEと無水メタクリル酸とからなる硬化性樹脂成分(PGE−MAAH)を得た。
(調製比較例1)
攪拌機、温度計、空気導入管、冷却管を取り付けたフラスコに、ビスフェノールAエポキシ樹脂jER827の180g、メタクリル酸の86g、トリエチルベンジルアンモニウムクロライドの2.7gを仕込んだ。それに空気を吹き込みながら、昇温させ、85℃で18時間反応させた。酸価が5以下、エポキシ当量が7000以上となったことを確認し、反応終点とした。メチルイソブチルケトンを109g添加して溶解し60℃付近まで冷却した後、反応容器から生成物を取り出し、jER827とメタクリル酸とからなる硬化性樹脂成分(BISAEP−MAA)を得た。
(調製比較例2)
攪拌機、温度計、空気導入管、冷却管を取り付けたフラスコに、フェニルグリシジルエーテル(PGE)であるエピオールPの154g、アクリル酸(AA)の72g、テトラメチルアンモニウムクロライドの2.0gを仕込んだ。それに空気を吹き込みながら昇温させ、85℃で18時間反応させた。酸価が5以下、エポキシ当量が7000以上となったことを確認し、反応終点とした。60℃付近まで冷却した後、反応容器から生成物を取り出し、PGEとアクリル酸とからなる硬化性樹脂成分(PGE−AA)を得た。
(調製比較例3)
攪拌機、温度計、空気導入管、冷却管を取り付けたフラスコに、調製実施例4中で調製したポリマー溶液Aの355g、メタクリル酸の43g、テトラブチルアンモニウムブロマイドの1.3gを仕込んだ。それに空気を吹き込みながら、昇温させ、90℃で18時間反応させた。酸価が5以下、エポキシ当量が7000以上となったことを確認し、反応終点とした。60℃付近まで冷却した後、反応容器から生成物を取り出し、ライトエステルM−3FとライトエステルGとメタクリル酸とからなる硬化性樹脂成分(GMA/M−3F+MAA)を得た。
(調整比較例4)
攪拌機、温度計、空気導入管、冷却管を取り付けたフラスコに、1,6−ヘキサンジオールのグリシジルエーテルであるエポライト1600[共栄社化学株式会社製;商品名:エポキシ当量155]の155g、メタクリル酸の86g、トリエチルベンジルアンモニウムクロライドの1.7gを仕込んだ。それに空気を吹き込みながら、昇温させ、85℃で20時間反応させた。酸価が5以下、エポキシ当量が7000以上となったことを確認し、反応終点とした。60℃付近まで冷却した後、反応容器から生成物を取り出し、所望とする1,6−ヘキサンジオールのグリシジルエーテルとメタクリル酸とからなる硬化性樹脂成分(1,6HXEP−MAA)を得た。
(調整比較例5)
攪拌機、温度計、空気導入管、冷却管を取り付けたフラスコに、フェニルグリシジルエーテル(PGE)であるエピオールPの154g、メタクリル酸の86g、テトラメチルアンモニウムクロライドの2.2gを仕込んだ。それに空気を吹き込みながら昇温させ、85℃で18時間反応させた。酸価が5以下、エポキシ当量が7000以上となったことを確認し、反応終点とした。60℃付近まで冷却した後、反応容器から生成物を取り出し、PGEとメタクリル酸とからなる硬化性樹脂成分(PGE−MAA)を得た。
(合成例1)
攪拌機、温度計、空気導入管、冷却管を取り付けたフラスコに、ビスフェノールAエポキシ樹脂jER827の180g、無水メタクリル酸(MAAH)の77g、テトラブチルアンモニウムブロマイドの1.8gを仕込んだ。それに空気を吹き込みながら、昇温させ、82℃で3.5時間反応させた。JISK0070に準拠した測定方法による酸価(単位:KOHmg/g)が2以下となったこと、およびJISK7236に準拠した測定方法によるエポキシ当量(単位:g/当量)が500以上となったことを確認し、反応終点とした。40℃付近まで冷却した後、反応容器から生成物を取り出し、所望とするjER827と無水メタクリル酸とからなる硬化性樹脂成分(BISAEP−halfMAAH)を得た。これをFT−IRによって測定した結果、水酸基由来の3400cm-1付近のピークが認められなかった。
次に、調製実施例1〜5と調製比較例1〜5とで得られた硬化性樹脂成分の理化学分析を行った。
(水酸基価)
JISK0070に準拠した方法で、試料1gをアセチル化し、水酸基と結合した酢酸を酸価測定により測定した。この値を水酸基価(単位:KOHmg/g)とした。その結果を表1に示す。
次に、調製実施例1〜5と調製比較例1〜5とで得られた硬化性樹脂成分を用いて調製した組成物から、硬化物を調製した。
(実施例1〜5(但し実施例3〜4は参考例)、及び比較例1〜5)
調製実施例1〜5又は調製比較例1〜5の硬化性樹脂成分の100重量部と、重合開始剤であるイルガキュア184[チバスペシャリティーケミカルズ株式会社製;商品名]の5重量部とを、混練して、組成物を調製した。それをガラス板およびアルミ皿上に塗布し、離型PETフィルムを被せ、高圧水銀灯を用いエネルギー線量が600mJ/cm2となるように紫外線照射することにより、硬化させ、膜状の硬化物を得た。また、溶剤を含有しているものについては、80℃の乾燥機で乾燥した後、離型PETフィルムを被せ、高圧水銀灯を用いエネルギー線量が600mJ/cm2となるように紫外線照射することにより、硬化させ、膜状の硬化物を得た。
次に、得られた硬化物の理化学分析を行った。
(硬度)
鉛筆硬度については、上記硬化方法にてガラス板上に10〜20μmになるように硬化させた塗膜について、JISK5600に基づき加重1kgで測定を行い、傷の入らない最も硬い鉛筆の硬度で示した。その結果を表1に示す。
(誘電率,誘電正接)
上記硬化方法にて得られた試料について同軸共振機型の誘電率測定装置(株式会社エー・イー・ティー・ジャパン社製ADMS01O)を用いて、周波数1GHzの条件により、誘電率(ε)及び誘電正接(tan δ)を測定した。その結果を表1に示す。
(吸水率)
上記硬化方法にて得られた試料を長さ20mm、幅20mm、厚さ0.5mmに調整したものについて、試料の重量を測定し、60℃の水に24時間浸漬した後、試料表面の水を拭き取り、直ちに重量を測定し、以下の式により吸水率を算出した。
吸水率(%)=[(吸水後重量)−(吸水前重量)/(吸水前重量)]×100
その結果を表1に示す。
(耐スチールウール性)
上記硬度測定と同一方法により得られた塗膜について、200g/cm2の荷重にてスチールウール(0000番)で10往復した後の塗膜表面状態を観察した。5を傷無し、4を2〜3本の傷有り、3を十数本程度の傷有り、2を全面に無数の傷有り、1を白化あるいは膜剥がれ有りとする5段階で評価した。その結果を表1に示す。
Figure 0005118830
表1から明らかな通り、本発明を適用する実施例の硬化性樹脂成分は、水酸基価が殆ど0であり、それを硬化させた硬化物は、高い硬度を有し、誘電率・誘電正接が低く、吸水性が低かった。それに対し、本発明を適用外の比較例の硬化性樹脂成分は、水酸基価が遥かに高く、実施例よりも低い硬度を示し、誘電率・誘電正接が高く、吸水性が高かった。
本発明の硬化性樹脂成分は、家電製品や精密機器や電子部品等の製品のための成形材料、低誘電性部材、低吸水性部材等の原材料として、又、封止剤や表面塗装剤の原材料として、有用である。

Claims (7)

  1. 下記化学式(I)
    A−Rf−B ・・・(I)
    (化学式(I)中、A−は、
    Figure 0005118830
    から選ばれるエポキシ基含有基、−Rf−は、-CH 2 -(CF 2 ) m -(CH 2 ) n - (m=1〜20、n=0〜1の整数)、-CH 2 -(CF 2 ) p -C[-(CF 2 ) q -F][-(CF 2 ) r -F]-CH 2 - (p=1〜10、q=0〜22、r=1〜22の整数)、又は-CH 2 -(CF 2 ) s -(-O-C t 2t ) u -O-(CF 2 ) v -(CH 2 ) w - (s=1〜3、t=1〜4、u=1〜100、v=0〜3、w=0〜1の整数)、−Bは、該A−と同一若しくは異なる前記エポキシ基含有基、-C y 2y+1 若しくは-OCH 2 -C y 2y+1 (y=1〜22の整数)、又は-C z 2z-1 若しくは-OCH 2 -C z 2z-1 (z=3〜20の整数)である。)で表されるエポキシ基含有フルオロ化合物と、
    Figure 0005118830
    から選ばれるエポキシ基含有基及び(メタ)アクリロイル基を含有するエポキシ基含有不飽和モノマーと、直鎖状、分岐鎖状若しくは環状の脂肪族基、パーフルオロアルキル基又はパーシャルフルオロアルキル基、及び(メタ)アクリロイル基を含有するエポキシ基非含有モノマーとの共重合体であるエポキシ基含有共重合化合物と、芳香環基、脂環基、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基又はアルキレン基を含有するエポキシ樹脂から選ばれる何れかの化合物中のエポキシ基1.0モル当量と、
    (メタ)アクリル酸無水物の0.1〜1.0モル当量と、
    4級アンモニウム塩またはルイス塩基触媒とを、
    仕込み、該触媒下にしてから、空気を吹き込みながら、60〜120℃に昇温させ、開環付加させることによって、水酸基価を最大でも15とする硬化性樹脂成分を、製造することを特徴とする硬化性樹脂成分製造方法
  2. 前記化合物が前記エポキシ基含有共重合化合物あって、そのエポキシ基一つあたりの分子量を100〜10000とすることを特徴とする請求項に記載の硬化性樹脂成分製造方法
  3. 前記化合物が前記エポキシ樹脂であって、そのエポキシ基一つあたりの分子量を100〜10000とすることを特徴とする請求項に記載の硬化性樹脂成分製造方法
  4. 前記エポキシ樹脂が、フェニルグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAノボラックエポキシ樹脂、ナフタレンジオールエポキシ樹脂、ビフェノールエポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレンエポキシ樹脂、トリスフェニロールメタンエポキシ樹脂、テトラキスフェニロールエタンエポキシ樹脂、フェノールジシクロペンタジエンノボラックエポキシ樹脂から選ばれる芳香環基を含有するエポキシ化合物;それらの飽和体、およびトリシクロデカン骨格含有エポキシ樹脂から選ばれる前記脂環基を含有するエポキシ樹脂;アルキレンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルから選ばれる前記直鎖状若しくは分岐鎖状アルキレン基を含有するエポキシ樹脂のいずれかであって、そのエポキシ基一つあたりの分子量を100〜10000とすることを特徴とする請求項に記載の硬化性樹脂成分製造方法
  5. 無溶媒で、前記開環付加をしたものであることを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂成分製造方法。
  6. 請求項1〜の何れかに記載の硬化性樹脂成分製造方法で製造された硬化性樹脂成分を含む組成物を、硬化させたものであることを特徴とする硬化物。
  7. 硬化成分が、前記硬化性樹脂成分からなることを特徴とする請求項6に記載の硬化物。
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