JP4847006B2 - 新規なフルオレン含有樹脂 - Google Patents
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Description
本発明のフルオレン含有エポキシ樹脂は、下記一般式(1)で表される:
acid)塩類、三弗化硼素エーテル錯化合物類、三弗化硼素、光または熱により酸を発生するジアゾニウム塩類、スルホニウム塩類、ヨードニウム塩類、ベンゾチアゾリウム塩類、アンモニウム塩類、ホスホニウム塩類のような潜在性カチオン重合触媒などが挙げられる。
本発明のフルオレン含有エポキシアクリレート樹脂は、下記一般式(3)で表される:
本発明のフルオレン含有アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂(A)は、下記一般式(3)で表されるフルオレン含有エポキシアクリレート樹脂:
(A-ii)第2のフルオレン含有アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂:フルオレン含有エポキシアクリレート樹脂と、2種類またはそれ以上の多塩基性カルボン酸またはその無水物の混合物(例えば、ジカルボン酸無水物およびテトラカルボン酸二無水物の混合物)とを混合し、反応させて得られる樹脂。;および、
(A-iii)第3のフルオレン含有アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂:フルオレン含有エポキシアクリレート樹脂と、テトラカルボン酸またはその二無水物とを反応させ、得られる反応生成物とジカルボン酸またはその無水物とを反応させて得られる樹脂。
(B-ii)第5のフルオレン含有アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂:フルオレン含有エポキシアクリレート樹脂と、多価アルコールと、2種類またはそれ以上の多塩基性カルボン酸またはその無水物の混合物(例えば、ジカルボン酸無水物およびテトラカルボン酸二無水物の混合物)とを混合し、反応させて得られる樹脂。;および、
(B-iii)第6のフルオレン含有アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂:フルオレン含有エポキシアクリレート樹脂と、多価アルコールと、テトラカルボン酸またはその二無水物とを反応させ、得られる反応生成物とジカルボン酸またはその無水物とを反応させて得られる樹脂。
(エポキシ樹脂の合成)
以下の式(2)で示されるフルオレン化合物
407gをエピクロルヒドリン1390gに溶解し、さらにベンジルトリエチルアンモニウムクロライド2.2gを加え、100℃にて5時間攪拌した。次に、減圧下(150mmHg)、70℃にて40%水酸化ナトリウム水溶液210gを3時間かけて滴下した。その間、生成する水をエピクロルヒドリンとの共沸により系外に除き、留出したエピクロルヒドリンは系内に戻した。滴下終了後、さらに30分間反応を継続した。その後、濾過により生成した塩を取り除き、さらに水洗した後、エピクロルヒドリンを固形分が50%になるまで留去し、メタノールを1000g添加した。析出した結晶を濾別、乾燥し、以下の式(1)においてn≒0である白色粉末状のエポキシ樹脂(1.a)460gを得た。この樹脂のエポキシ当量は265g/eqであった。
ピーク δ、ppm
d, e, d', e' 2.16 12H
a1, a1' 2.67-2.68 2H
a2, a2' 2.84-2.86 2H
b, b' 3.29-3.34 2H
c1, c1' 3.68-3.72 4H
c2, c2' 3.96-3.99 4H
f, f', h, l 6.78 4H
g, g', i, j, m, n 7.24-7.40 6H
k, o 7.73-7.75 4H
ピーク δ、ppm
d, e, d', e' 16.671
a, a' 44.781
b, b' 50.813
l 64.728
c, c' 73.172
k, g, k', g' 120.250
o, u 126.502
m, s 127.503
h, h' 127.769
n, p, t, v 128.748
j, j' 130.394
i, i' 140.204
q, w 141.623
r, x 151.767
f, f' 154.513
以下の式(4)で示されるフルオレン化合物
350gをエピクロルヒドリン1390gに溶解し、さらにベンジルトリエチルアンモニウムクロライド2.2gを加え、100℃にて5時間攪拌した。次に、減圧下(150mmHg)、70℃にて40%水酸化ナトリウム水溶液210gを3時間かけて滴下した。その間、生成する水をエピクロルヒドリンとの共沸により系外に除き、留出したエピクロルヒドリンは系内に戻した。滴下終了後、さらに30分間反応を継続した。その後、濾過により生成した塩を取り除き、さらに水洗した後、エピクロルヒドリンを固形分が50%になるまで留去し、メタノールを1000g添加した。析出した結晶を濾別、乾燥し、以下の式(5)においてn≒0である白色粉末状のエポキシ樹脂(5.a)420gを得た。この樹脂のエポキシ当量は233g/eqであった。
(フルオレン含有エポキシ樹脂の溶剤溶解性評価)
実施例1で得られたエポキシ樹脂(1.a)20重量部と、溶剤80重量部を混合し、溶解性を確認した。溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルについて、評価を行った。評価のランクは次の通り。
○:室温で溶解する
△:加温すると溶解し、冷却しても結晶が析出しない
×:加温すると溶解するが、冷却すると結晶が析出する、あるいは、加温しても溶解しない。
実施例2において、エポキシ樹脂(1.a)を比較合成例1で得られたエポキシ樹脂(5.a)とした以外は、実施例と同様に評価を行った。
(エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物を用いた成形体の調製および評価)
実施例1で得られた、エポキシ樹脂(1.a)100重量部とメチルヘキサハイドロ無水フタル酸型硬化剤(新日本理化(株)製、リカシッドMH−700)55重量部との混合物に、触媒として2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)1重量部を混合し、得られた混合物を100mm×100mm、厚み1mmのステンレス製金型に入れ、100℃のオーブンで1時間、ついで180℃で4時間加熱し、熱硬化させた。得られた成形体(試験片)を用い、次の項目について評価を行った。
DSC(DSC210型 エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)により、Tgの測定を行う。
TR−1100形 誘電体損自動測定装置(安藤電気株式会社製)にて測定する。
動的粘弾性測定装置DMS6100(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)を用い、−50〜250℃の温度範囲において、両持ち曲げモードで1Hzの正弦波を与えた場合の応答を測定し、貯蔵弾性率E’を求める。
エポキシ樹脂(1.a)100重量部を、エポキシ樹脂(1.a)73重量部および4−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル(ナガセケムテックス(株)製、デナコールEX-146)27重量部の混合物に変更し、かつメチルヘキサハイドロ無水フタル酸型硬化剤を59重量部に変更したこと以外は、実施例3と同様に試験片を調製し、評価を行った。
エポキシ樹脂(1.a)100重量部、4−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル(ナガセケムテックス(株)製、デナコールEX-146)38重量部、フェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業(株)製
TD-2131)57重量部の混合物に、硬化触媒としてトリフェニルホスフイン(TPP)1重量部を混合し、得られた混合物を100mm×100mm、厚み1mmのステンレス製金型に入れ、100℃のオーブンで1時間、ついで180℃で4時間加熱し、熱硬化させた。得られた成形体(試験片)を用い、実施例3の試験片と同様の評価を行った。
エポキシ樹脂(1.a)100重量部を、比較合成例1で合成したビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂(5.a)100重量部に変更し、かつメチルヘキサハイドロ無水フタル酸型硬化剤を63重量部に変更したこと以外は、実施例3と同様に試験片の調整を試みたが、メチルヘキサハイドロ無水フタル酸型硬化剤との相溶性が悪く、試験片を作成することが出来なかった。
実施例5において、エポキシ樹脂(1.a)100重量部を比較合成例1で合成したビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂(5.a)100重量部に変更し、且つフェノールノボラック型硬化剤(大日本インキ化学工業(株)製、TD−2131)を63重量部に変更した以外は、実施例4と同様に試験片を作成し、得られた成形体(試験片)を用いて、実施例3の試験片と同様の評価を行った。
(エポキシアクリレート樹脂の合成)
500ml四つ口フラスコ中に、実施例1で得られたエポキシ樹脂(1.a)265g(エポキシ当量265g/eq)、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド1.3g、2,6−ジイソブチルフェノール140mg、およびアクリル酸72gを仕込み、これに10mL/分の速度で空気を吹き込みながら90〜100℃で加熱溶解した。次に、これを徐々に120℃まで昇温させた。溶液は透明粘稠となったがそのまま攪拌を継続した。この間、酸価を測定し、1.0mgKOH/g未満になるまで加熱攪拌を続けた。酸価が目標に達するまで15時間を要した。淡黄色透明で固体状の多官能エポキシアクリレート樹脂(3.a)を得た。
500ml四つ口フラスコ中に、比較合成例1で得られたエポキシ樹脂(5.a)233g(エポキシ当量233g/eq)、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド1.3g、2,6−ジイソブチルフェノール140mg、およびアクリル酸72gを仕込み、これに10mL/分の速度で空気を吹き込みながら90〜100℃で加熱溶解した。次に、これを徐々に120℃まで昇温させた。溶液は透明粘稠となったがそのまま攪拌を継続した。この間、酸価を測定し、1.0mgKOH/g未満になるまで加熱攪拌を続けた。酸価が目標に達するまで15時間を要した。淡黄色透明で固体状の多官能エポキシアクリレート樹脂(6.a)を得た。
(エポキシアクリレート樹脂を含む光硬化性樹脂組成物を用いた硬化膜の調製および評価)
実施例6で得られたエポキシアクリレート樹脂(3.a)を100重量部、そしてイルガキュア907(チバスペシャルティケミカルズ株式会社製)を3重量部、溶剤であるPGMEA中に溶解し、濃度30重量%の溶液とした。このエポキシアクリレート系樹脂を含む溶液を、スピンナーを用いてガラス基板上に塗布した後、90℃のホットプレート上で120秒間プリベークして、厚みが約2μmの塗膜を得た。次に、高圧水銀灯(400W)にて300mJ/cm2の光を照射し、塗膜を硬化させた。得られた光硬化膜について、次の項目の評価を行った。
上記得られた熱硬化膜につき、光干渉式膜質測定機にて632.8nmにおける屈折率を測定する。
上記得られた熱硬化膜につき、日立製分光光度計U−2000にて可視光領域における分光透過率を測定する。
基材上の熱硬化膜表面を、#1000のスチールウールで軽く押さえながら、該スチールウールを30往復させて摩擦する。この塗膜表面の傷の程度を次の基準で判断し、耐摩耗性を評価する。
○:傷がつかない
△:傷はつくが光沢は保たれている
×:無数に傷がつき、光沢が失われる
JIS−Z−1552に準じ、碁盤目剥離試験により評価する。
JIS−K−5400に準じ、鉛筆硬度を測定する。
ポストベーク前後における膜厚変化率[(ポストベーク前の膜厚−ポストベーク後の膜厚)/(ポストベーク前の膜厚)]×100を求める。
実施例7におけるエポキシアクリレート樹脂(3.a)100重量部をエポキシアクリレート樹脂(3.a)60重量部およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)40重量部の混合物に変更したこと以外は、実施例7と同様の条件で薄膜を作成し、評価を行った。
実施例8中のエポキシアクリレート樹脂(3.a)をビスフェノールフルオレン型エポキシアクリレート樹脂(6.a)に変更したこと以外は、実施例7と同様の条件で薄膜を作成し、評価を行った。
実施例6で調製したエポキシアクリレート樹脂(3.a)100gにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)115gを加えて溶解した後、ビフェニルテトラカルボン酸(s−BPDA)23.1gおよび臭化テトラエチルアンモニウム0.2gを混合し、これを徐々に昇温して110〜115℃で12時間反応させた。ついで、上記反応物にテトラハイドロ無水フタル酸(THPA)11.3gを添加し、90〜95℃で4時間反応させた。このようにして、アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂のPGMEA溶液(7)を得た。酸無水物の消失はIRスペクトルにより確認した。
アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂のPGMEA溶液約1g精秤し、1,4−ジオキサン30mlに溶解する。指示薬として1%フェノールフタレインエタノール溶液2,3滴を添加し、0.1N水酸化ナトリウム溶液にて中和滴定する。酸価は次式により求める。
酸価(mgKOH/g)=(0.1N水酸化ナトリウム溶液の滴定量(ml)×0.1N水酸化ナトリウム溶液のファクター×0.1×56.11)/サンプル採取量(g)
GPC測定により決定する。平均分子量は、ポリスチレンスタンダードにて作製した検量線より計算する。
日本日本電色工業株式会社製 色差・濁度測定器COH-300Aと専用1cmガラスセルを用いて測定する。
アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂のPGMEA溶液約1gをアルミ製シャーレに精秤し、140℃に設定した減圧乾燥機にて、20mmHg以下で2時間減圧乾燥させる。サンプルの計量の際、予めアルミ製シャーレの重量を測定しておく。固形分は次式により求める。
固形分(%)=(乾燥後のアルミ製シャーレの重量を含むサンプル重量(g)−アルミ製シャーレの重量(g))/サンプル採取量(g)×100
実施例9において、ビフェニルテトラカルボン酸(s−BPDA)を19.0gとした以外は、実施例9と同様な反応を行い、アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂のPGMEA溶液(8)を得た。
実施例9において、ビフェニルテトラカルボン酸(s−BPDA)を無水ピロメリット酸(PMDA)16.3gとし、テトラハイドロ無水フタル酸(THPA)を12.5gとした以外は、実施例9と同様な反応を行い、アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂のPGMEA溶液(9)を得た。
実施例6で調製したエポキシアクリレート樹脂(3.a)100gにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)115gを加えて溶解した後、ジトリメチロールプロパン1.0g、ビフェニルテトラカルボン酸(s−BPDA)24.3gおよび臭化テトラエチルアンモニウム0.2gを混合し、これを徐々に昇温して110〜115℃で12時間反応させた。ついで、上記反応物にテトラハイドロ無水フタル酸(THPA)11.8gを添加し、90〜95℃で4時間反応させた。このようにして、アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂のPGMEA溶液(10)を得た。酸無水物の消失はIRスペクトルにより確認した。
実施例12において、ビフェニルテトラカルボン酸(s−BPDA)を無水ピロメリット酸(PMDA)18.0gとした以外は、実施例12と同様な反応を行い、アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂のPGMEA溶液(11)を得た。
実施例12において、ビフェニルテトラカルボン酸(s−BPDA)を無水ピロメリット酸(PMDA)17.0gとし、ジトリメチロールプロパンをトリメチロールエタン
0.66g、テトラハイドロ無水フタル酸(THPA)を13.2gに変更した以外は、実施例12と同様な反応を行い、アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂のPGMEA溶液(12)を得た。
比較合成例2で調製したエポキシアクリレート樹脂(6.a)100gにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)115gを加えて溶解した後、ビフェニルテトラカルボン酸(s−BPDA)25.7gおよび臭化テトラエチルアンモニウム0.2gを混合し、これを徐々に昇温して110〜115℃で12時間反応させた。ついで、上記反応物にテトラハイドロ無水フタル酸(THPA)12.5gを添加し、90〜95℃で4時間反応させた。
このようにして、アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂のPGMEA溶液(913)を得た。酸無水物の消失はIRスペクトルにより確認した。
比較合成例3において、ビフェニルテトラカルボン酸(s−BPDA)を無水ピロメリット酸(PMDA)18.0gとし、テトラハイドロ無水フタル酸(THPA)を14.1gとした以外は、比較合成例3と同様な反応を行い、アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂のPGMEA溶液(14)を得た。
比較合成例2で調製したエポキシアクリレート樹脂(6.a)100gにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)115gを加えて溶解した後、トリメチロールエタン
0.66g、無水ピロメリット酸(PMDA)18.8gおよび臭化テトラエチルアンモニウム0.2gを混合し、これを徐々に昇温して110〜115℃で12時間反応させた。ついで、上記反応物にテトラハイドロ無水フタル酸(THPA)14.8gを添加し、90〜95℃で4時間反応させた。このようにして、アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂のPGMEA溶液(15)を得た。酸無水物の消失はIRスペクトルにより確認した。
(アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂を含む組成物を用いた薄膜の調製および評価)
実施例9で得られたアルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂(7)を固形分として30重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)を15重量部、そしてイルガキュア907を3重量部、溶剤のPGMEA中に溶解し、濃度30重量%の溶液を得た。この溶液を、スピンナーを用いてガラス基板上に塗布した後、90℃のホットプレート上で120秒間プリベークして、厚み約2μmの塗膜を形成した。この塗膜を有するガラス基板の塗膜表面に所定のパターンを有するマスクを置き、窒素雰囲気下で、250Wの高圧水銀ランプを用いて、波長405nmにて光強度9.5mW/cm2の紫外線を1000mJ/cm2のエネルギー量となるように照射した。次いで、1重量%の炭酸ナトリウム水溶液を用いて25℃で30秒間の現像処理を行ない、塗膜の未露光部を除去した。その後、超純水でリンス処理を行なった。得られた薄膜を有する基板を200℃のオーブンに入れ、ポストベーク処理を30分間行ない、薄膜を加熱硬化させた(以下、このように硬化した膜を加熱硬化膜と称する)。
上記プリベーク後の塗膜につき、乾燥性を、JIS−K−5400に準じて評価する。評価のランクは次の通りである。
○:全くスティッキングが認められない
△:わずかにスティッキングが認められる
×:顕著にスティッキングが認められる
上記塗膜を有するガラス基板を露光処理せずに1重量%の炭酸ナトリウム水溶液に30秒間浸漬して現像を行う。現像後のガラス基板を、50倍に拡大して残存する樹脂を目視で評価する。評価のランクは次の通りである。
○:現像性が良好である(ガラス上に樹脂が全く残らない)
△:現像性が不良である(ガラス上に樹脂がわずかに残る)
×:現像性が不良である(ガラス上に樹脂が多く残る)
上記マスクとして、ステップタブレット(光学濃度12段差のネガマスク)を塗膜に密着し、露光・現像を行う。その後、残存するステップタブレットの段数を調べる(この評価法では、高感度であるほど残存する段数が多くなる。)
得られた加熱硬化膜につき、その硬度を、JIS−K−5400の試験法に準じて、鉛筆硬度試験機を用いて荷重9.8Nをかけた際の塗膜にキズが付かない最も高硬度をもって表示する。使用する鉛筆は「三菱ハイユニ」である。
得られた加熱硬化膜に、少なくとも100個の碁磐目を作るようにクロスカットを入れて、次いでセロテープ(登録商標)を用いてピーリング試験を行い、碁盤目の剥離の状態を光学顕微鏡で50倍に拡大して評価する。評価のランクは次の通りである。
○:全く剥離が認められない
×:剥離が少しでも認められる
得られた加熱硬化膜を250℃、3時間オーブンに入れキュアベークを行う。キュアベーク前後における膜厚変化率[(キュアベーク前の膜厚−キュアベーク後の膜厚)/(キュアベーク前の膜厚)]×100を求める。評価のランクは次の通りである。
◎:膜厚変化率が非常に低い(膜厚変化率3%未満)
○:膜厚変化率が低い(膜厚変化率3%以上〜5%未満)
△:膜厚変化率がやや高い(膜厚変化率5%以上〜10%未満)
×:膜厚変化率が高い(膜厚変化率10%以上)
得られた加熱硬化膜を250℃、3時間オーブンに入れキュアベークを行う。キュアベーク前後における光の透過率を、分光光度計「U−2000(日立製作所製)」を用いて400〜700nmの波長で測定する。透過率の変化は、次式により求める。
透過率の変化=[(加熱前透過率−加熱後透過率)/加熱前透過率]×100(%)
◎:透過率の変化が3%未満である
○:透過率の変化が3%以上、5%未満の範囲にある
△:透過率の変化が5%以上〜10%未満の範囲にある
×:透過率の変化が10%以上である
得られた加熱硬化膜を有する基板を、下記の薬品に下記の条件で浸漬する。
(i)酸性溶液:5重量%HCl水溶液中に室温で24時間浸漬
(ii)アルカリ性溶液
ii-1:5重量%NaOH水溶液中に室温で24時間浸漬
ii-2:4重量%KOH水溶液中に50℃で10分間浸漬
ii-3:1重量%NaOH水溶液中に80℃で5分間浸漬
(iii)溶剤
iii-1:N−メチルピロリドン中に40℃で10分間浸漬
iii-2:N−メチルピロリドン中に80℃で5分間浸漬
浸漬前後における膜厚変化率(%) ((浸漬前の膜厚−浸漬後の膜厚)/(浸漬前の膜厚))×100を求める。算出された膜厚変化率を基に、耐薬品性を評価する。評価の基準は次の通りである。
◎:耐薬品性に大変優れている(すべての溶液における膜厚変化率3%未満)
○:耐薬品性に優れている(すべての溶液における膜厚変化率3%以上〜5%未満)
△:耐薬品性がやや劣る(いずれかの溶液における膜厚変化率5%以上
〜10%未満)
×:耐薬品性に劣る(いずれかの溶液における膜厚変化率10%以上)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートをトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)に変更したこと以外は、実施例15と同様の条件で薄膜を作成し、評価を行なった。
さらにテトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製
エピコートYX−4000)6重量部を含む組成物を用いたこと以外は、実施例15と同様の条件で薄膜を作成し、評価を行った。
アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂(7)を、実施例10で得られたアルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂(8)に変更したこと以外は、実施例15と同様の条件で薄膜を作製し、評価を行なった。
アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂(7)を、実施例11で得られたアルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂(9)に変更したこと以外は、実施例15と同様の条件で薄膜を作製し、評価を行なった。
アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂(7)を、実施例12で得られたアルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂(10)に変更したこと以外は、実施例15と同様の条件で薄膜を作製し、評価を行なった。
アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂(7)を、実施例13で得られたアルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂(11)に変更したこと以外は、実施例15と同様の条件で薄膜を作製し、評価を行なった。
アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂(7)を、実施例14で得られたアルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂(12)に変更したこと以外は、実施例15と同様の条件で薄膜を作製し、評価を行なった。
実施例15において、アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂(7)を比較合成例3で合成したビスフェノールフルオレン型アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂(13)に変更したこと以外は、実施例15と同様の条件で薄膜を作成し、評価を行なった。
実施例15において、アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂(7)を比較合成例4で合成したビスフェノールフルオレン型アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂(14)に変更したこと以外は、実施例15と同様の条件で薄膜を作成し、評価を行なった。
実施例15において、アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂(7)を比較合成例5で合成したビスフェノールフルオレン型アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂(15)に変更したこと以外は、実施例15と同様の条件で薄膜を作成し、評価を行なった。
Claims (9)
- 多価アルコールがトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールの中から選択してなる1種または2種以上の多価アルコールであることを特徴とする請求項3に記載のフルオレン含有アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂。
- 請求項1または請求項3から5のいずれかに記載のフルオレン含有アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂を含有する感放射線性樹脂組成物。
- 請求項7に記載の感放射線性樹脂組成物により形成される液晶ディスプレイの層間絶縁膜。
- 請求項7に記載の感放射線性樹脂組成物により形成される液晶ディスプレイの保護膜。
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