JP2004069930A - カラーフィルター保護膜用樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)及び溶剤(C)を主成分とし、エポキシ樹脂(A)が、分子量25,000〜100,000の範囲にあり、かつ、エポキシ当量が200〜400(g/eq)であるエポキシ基を有するアクリル型共重合体(A1)20〜45重量%、下記一般式(1)で表されるフルオレン骨格を有するエポキシ樹脂(A2)15〜40重量%、エポキシ基を2個以上有する脂環式エポキシ樹脂(A3)10〜35重量%、及び前記(A3)以外の脂肪族エポキシ樹脂(A4)5〜35重量%を必須成分として含有させたカラーフィルター保護膜用樹脂組成物。
【化1】
(但し、Aは式(2)で表される基である)
【化2】
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶表示素子のカラーフィルター保護膜用途に適したカラーフィルター保護膜用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラーフィルター保護膜用材料には、透明性、平坦化性、耐熱性、耐熱変色性、耐薬品性等、液晶非汚染性、塗布均一性等が要求される。これまで知られているカラーフィルター保護膜用組成物の一例を示せば、オルガノアルコシシランの加水分解物、部分分解物を含有する保護膜形成用組成物(特開昭63−218771号公報)や、加水分解性基を有するケイ素原子を含有するアミド酸化合物、イミド化合物、ジシラザン化合物を含有する硬化性組成物(特公平8−30167号公報)があり、また、WO96/34303号公報にはフルオレン骨格を有するエポキシ樹脂を含有するカラーフィルター保護膜形成用材料が開示されている。
【0003】
WO96/34303号公報には、従前の保護膜形成するための各種樹脂や材料は、耐熱性、塗布性、透明性等の保護膜用材料に要求される特性を充足しないことから、特定のフルオレン骨格を有するエポキシ樹脂を含有するカラーフィルター保護膜形成用材料が当該用途に適している旨記載している。しかしながら、近年の液晶表示装置の高性能化は、表示色の品位向上を求め、そのため下地のカラーインキ画素、ブラックマトリックスで生じる表面に生じる1〜2μmの凹凸を隠蔽するより高い平坦化性が求められるようになってきた。また、製造時の塗布むらも表示性能に影響することから、これまで以上の特性が求められている。しかし、他の特性を保持してこれらの特性を向上させることは困難であり、カラーフィルター保護膜として上記要求特性をバランス良く満たした保護膜用材料の開発が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、保存安定性、塗布性が良好であり、かつ保護膜を形成した場合における平坦化性、耐熱変色性の良好なカラーフィルターの保護膜に適した保護膜用材料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述の問題点を解決すべく鋭意検討を行った結果、カラーフィルター保護膜用樹脂組成物に複数種のエポキシ樹脂を用い、この各種エポキシ樹脂の組成範囲等を最適範囲とすることで、上記課題を解決しうることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)及び溶剤(C)を主成分とする熱硬化性樹脂組成物において、エポキシ樹脂(A)が、分子量25,000〜100,000の範囲にあり、かつ、エポキシ当量が200〜400(g/eq)であるエポキシ基を有するアクリル型共重合体(A1)20〜45重量%、下記一般式(1)で表されるフルオレン骨格を有するエポキシ樹脂(A2)15〜40重量%、エポキシ基を2個以上有する脂環式エポキシ樹脂(A3)10〜35重量%、及び前記(A3)以外の脂肪族エポキシ樹脂(A4)5〜35重量%を必須成分として含有することを特徴とするカラーフィルター保護膜用樹脂組成物である。
【化3】
(式中、Aは式(2)で表されるフルオレン骨格を有する基を示し、nは0〜20の数を示し、Rは水素又はメチル基を示し、R1及びR2は水素又は炭素数1〜5のアルキル基を示す)
【化4】
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物について詳細に説明する。本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」とも称する)は、エポキシ樹脂(A)及び硬化剤(B)を主成分として含有する。この樹脂組成物は溶剤(C)に溶解させた溶液状であることもできる。そして、エポキシ樹脂(A)には、アクリル型共重合体(A1)、特定のフルオレン骨格を有するエポキシ樹脂(A2)、脂環式エポキシ樹脂(A3)、及び脂肪族エポキシ樹脂(A4)を必須成分として使用する。本発明でエポキシ樹脂という場合には、繰り返し単位のないエポキシ化合物とエポキシ基を有するそのオリゴマー及び重合体や他のモノマーとの共重合体をも包含する。
【0007】
エポキシ基を有するアクリル型共重合体(A1)は、数平均分子量25,000〜100,000の範囲のアクリル型共重合体である。アクリル型共重合体(A1)としては、−[(M1)m−(M2)n]l− で表した場合、M1がエポキシ基を有するアクリレートからなり、M2が他のアクリレートから構成されるものが挙げられる。なお、上式でm, n及びlは1以上の整数を示す。
アクリル型共重合体(A1)を構成する好ましい単量体は、グリシジルメタクリレート(GMA)とベンジルメタクリレート(BzMA)又はメチルメタクリレート(MMA)である。この場合、共重合体におけるGMA単位の割合は40〜60重量%の範囲にあることが好ましい。GMAがこの範囲に満たないと耐熱性が低くなり、また、含有量が多くなりすぎると保存安定性が低下するおそれがある。なお、上記の場合、GMAはM1に、MMA及びBzMAがM2に該当する。
また、アクリル型共重合体(A1)は、エポキシ当量が200〜400(g/eq)の範囲にあることが必要である。エポキシ当量が200に満たないと保存安定性や平坦化性が悪化し、400を超えると、耐熱性が悪くなる。更に、アクリル型共重合体(A1)の分子量は、25,000〜100,000の範囲にあることが必要であるが、好ましくは、50,000〜75,000の範囲である。分子量が25,000未満であると耐熱性が低下し、100,000を超えると成膜性が悪化する。
【0008】
フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂(A2)は、前記一般式(1)及び(2)で表されるエポキシ樹脂である。一般式(1)及び(2)中、Rは水素又はメチル基を示し、R1及びR2は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、nは0〜20の数を示す。エポキシ樹脂(A2)の使用割合は、全エポキシ樹脂(A)中、15〜40重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲であることがよい。(A2)成分の割合が、15重量%に満たない場合、耐熱性に劣るものとなり、また、40重量%を超えると溶剤に対する溶解性が低下する。
【0009】
脂環式エポキシ樹脂(A3)は、エポキシ基を2個以上有する脂環式エポキシ樹脂である。脂環式エポキシ樹脂(A3)は、液状の樹脂で低粘度であることが好ましい。好ましい粘度範囲は、200〜350 mPa・s(25℃)である。粘度がこの範囲内から外れると、平坦化性や成膜性に劣るものとなる。脂環式エポキシ樹脂(A3)の配合割合は全エポキシ樹脂(A)中、10〜35重量%にすることが必要で、好ましい配合割合は15〜30重量%である。(A3)成分の配合割合が10重量%に満たないと平坦化性が低下する一方、35重量%を超えると保存安定性が低下する。脂環式エポキシ樹脂(A3)としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルカルボキシレートや2−(3,4)−エポキシシクロヘキシル−5,1−スピロ(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−m−ジオキサンやビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペートが挙げられ、これらの中でも、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルカルボキシレートが好ましい。
【0010】
脂肪族エポキシ樹脂(A4)は、前記(A3)以外の脂肪族エポキシ樹脂をいい、鎖式脂肪族エポキシ樹脂からなる。脂肪族エポキシ樹脂(A4)としては、1分子中のエポキシ基の数が3以上の多官能の脂肪族エポキシ樹脂が好ましい。これら多官能脂肪族エポキシ樹脂としては、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテルが挙げられ、硬化剤との反応で架橋密度の向上により耐熱性向上に寄与する。中でもトリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテルは好ましいものの1つである。脂肪族エポキシ樹脂(A4)は、成膜性の観点から、液状で低粘度であることが好ましく、好ましい粘度範囲は、60〜90 mPa・s(25℃)である。脂肪族エポキシ樹脂(A4)は、全エポキシ樹脂(A)5〜35重量%を配合させることが必要であり、好ましくは10〜30重量%の範囲とすることがよい。(A4)成分の配合割合が5重量%に満たないと耐熱性が低下し、10重量%を超えると平坦化性が低下する。
【0011】
本発明においては、上記以外の公知のエポキシ樹脂も使用することができるが、その場合の使用量は、全エポキシ樹脂中40重量%以下とすることがよく、更に好ましくは20重量%以下とすることがよい。
【0012】
本発明では、硬化剤(B)を必須成分として含有する。硬化剤はエポキシ樹脂硬化剤として使用可能なものであれば特に制限されないが、好ましくは、酸無水物系の硬化剤 (B1)を必須として使用することが好ましい。酸無水物系の硬化剤 (B1)の中でも、トリメリット酸無水物(TMDA)が好ましい。また、酸無水物系の硬化剤 (B1)とあわせて、1分子中にビニルエーテルによりブロック化されたカルボキシル基を2個以上有するブロック化カルボン酸化合物(B2)を必須成分として含有することも好ましい態様の1つである。(B2)成分は保護膜の平坦化性向上に有利である。(B1)と(B2)の重量比は、B1:B2=80:20〜60:40が好ましい。(B1)の割合が80重量%を超えると保存安定性、平坦化性が低下し(B2)が40重量%を超えると耐熱性が低下する傾向にある。
ブロック化カルボン酸化合物(B2)は、例えば、その化学構造、製造方法が開示されている前記特開平4−218561号公報等に記載されているものを使用できる他、市販品を用いることもできる。このブロック化カルボン酸化合物(B2)は、加熱により分解されて遊離のカルボン酸を生成するものである。
【0013】
本発明の樹脂組成物において、エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)の割合は、得られる保護膜の硬度、耐熱性、耐薬品性等の物性が要求特性を満たすように、それぞれの化合物が有するエポキシ基とカルボキシル基(ブロック化されたカルボキシル基を含む。以下、この項において同じ)の比率で選択される。ここで、比率の計算は、例えば、ブロック化カルボン酸化合物(B2)1分子中のカルボキシル基数がn個、エポキシ化合物1分子中のエポキシ基の数がm個であるとすると、それぞれの化合物1モルあたり、n当量のカルボキシル基、m当量のエポキシ基を有するとして計算される。耐熱性に着目すると、カルボキシル基/エポキシ基の当量比n/mが、0.6〜0.9、好ましくは、0.7〜0.9となるように(B)成分と(A)成分を配合することがよい。n/mが0.6より低い場合には、得られる硬化物の耐熱性が低くなり、逆にn/mが0.9より高くなると得られる硬化物の耐熱性が低く、耐アルカリ性が低い等の問題が生じる。その他の特性からもn/mを、0.7〜0.9の範囲とすることがよい。
【0014】
本発明の樹脂組成物は、スピンコーター、ロールコーター、バーコーター等の塗布装置を用いて塗布する目的で、必要な粘度に調整するための溶剤(C)を用いて、溶液とすることができる。この溶液についても、樹脂組成物というが、区別する必要がある場合は、カラーフィルター保護膜用溶液という。
溶剤としては、組成物中に含まれる(A)成分と(B)成分を良好に溶解すること、蒸発むら等がない平滑平坦な塗膜を与えることが必要で、加えて良好な保存安定性を与える溶媒であることが好ましい。このような溶媒として、エーテル系溶媒、アセタール系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒等を挙げることができる。本発明の樹脂組成物の固形分濃度は、用いる塗布装置と目的とする塗膜の厚さに合わせて、溶解させるべき各成分が安定に溶解する範囲で任意に調整できる。本発明ではプロピレングリコール系溶媒を用いることが平坦化性の観点から望ましい。
【0015】
プロピレングリコール系の溶媒として具体的にはプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコール−n―ブチルエーテル、プロピレングリコールジターシャルブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DMM)などが挙げられる。
【0016】
本発明の樹脂組成物には、上記成分の他にカラーフィルター保護膜用材料に要求される性能を満たすため、各種の添加剤等が配合されうる。添加物としてはシランカップリング剤、溶媒の蒸発ムラを無くし塗膜の平滑・平坦性を向上させるシリコン系あるいはフッ素系の界面活性剤、組成物の保存安定性を向上させるビニルエーテル化合物等がある。ここでビニルエーテル化合物は、保存時の蒸発を防止する目的で、その沸点は40℃以上であることが好ましい。その他、樹脂類等の各種有機化合物、無機化合物等も必要により配合することができる。
【0017】
また、本発明の樹脂組成物は、スピンコート法を使用して一定範囲内の回転数でカラーフィルター上に保護膜として適当な膜厚に塗布されることが好ましく、そのためには、樹脂組成物溶液の粘度が23℃において5〜12 mPa・sの範囲内であることが望ましい。さらに望ましくは粘度7〜10 mPa・sである。
【0018】
本発明の樹脂組成物の硬化方法は、カラーフィルター保護膜の通常の製造プロセスに従えばよく、限定されない。代表的な硬化方法は120℃以下の温度で溶媒を十分に除去し、塗膜をタックフリーとした後(プレベーク)、150〜240℃の範囲で20〜60分間程度で加熱することで硬化を完了させる(ポストベーク)方法である。ここで、プレベーク温度は、120℃より高いと平坦化性が低下する場合があり、好ましくは100℃以下である。ポストベーク温度は、150℃より低い温度では得られる保護膜の耐熱性が不十分となる場合があり、好ましくは200〜240℃、さらに好ましくは210〜230℃である。ポストベーク時間は、ポストベーク温度に依存するが、例えば、ポストベーク温度が220℃の場合は20分以上が好ましい。ポストベークは、1つの温度で硬化を完了させてもよい。本発明の樹脂組成物は、基板上に各色のインキ、ブラックレジスト等の着色層が所定のパターンで設けられたのち、塗布され、乾燥、硬化されて本発明のカラーフィルター保護膜となる。
【0019】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中別段の断りがない限り、%は重量%を表す。またカラーフィルター保護膜の作成及び平坦性の評価は別段の断りがない限り以下の方法による。
【0020】
[カラーフィルター保護膜の作成]
ポストベーク後の膜厚が2±0.05μmとなるスピンコート条件で樹脂組成物を平坦性評価用のダミーカラーフィルター又はSiO2をコーティングしたガラス基板に塗布する。塗布はスピンコート法による。具体的には、樹脂溶液をカラーフィルター上に滴下し、所望膜厚に応じて決まる一定の回転数にて10秒間回転させる。80℃で5分間プレベークして溶媒を蒸発させた後、220℃で30分でポストベークにより硬化させて保護膜を作成した。
【0021】
[平坦化性の評価]
平坦性評価用のダミーカラーフィルターで、赤色画素と緑色画素中心部分の高さの差と赤色画素と青色画素中心部分の高さの差(画素間段差)を求めた。引き続き、前述のカラーフィルター保護膜の作成方法に従い、膜厚が2±0.05μmの塗膜を形成したのちに、同一部分の赤色画素と緑色画素の中心部分の高さと赤色画素と緑色画素の中心部分の高さの差を求めた。これらの段差は触針式表面粗さ計テンコールにて測定した。保護膜塗布前の画素間段差の内、大きい値を塗布前最大画素間段差(d1)とし、保護膜塗布後の画素間段差の内、大きい値を塗布後最大画素間段差(d2)とし、これらのd1,d2から下記の計算式(1)により、保護膜用組成物の平坦化率Rを求めて、Rが<20%のときを×、Rが20%〜40%のときを△、Rが>40%ときを○と評価した。
R={1−(d2)/(d1)}×100(%) (1)
【0022】
[耐熱変色性の評価]
塗布した樹脂組成物をオーブン(使用オーブン:ESPEC SAFETYOVEN SPHH 201)にて240℃、250℃、260℃、270℃の各温度で1時間熱処理を行い、その熱処理基板を透過率計(UV/VIS SPECTRO PHOTOMETER U−BEST50)を使用し、波長400nmで透過率を測定し、透過率95%以上の場合を○、90〜95%の場合を△、90%以下の場合を×と評価した。
【0023】
[耐熱性の評価]
樹脂組成物を膜厚50〜90μmの間で所望膜厚±5%の均一性の高いフィルム作成した。スピンコート法にて成膜して、80℃,5分でプレベークし、その後220℃,20分でポストベークを行い、フィルムを硬化させる。アルミ箔上に成膜されているフィルムを36%塩酸溶液に浸漬してフィルムに付着したアルミを溶解した。単離されたフィルムを5×15mmに切り出したフィルム片を測定用試料とした。この試料を熱的機械的測定装置(メトラー社製 TMA40)にて測定し、温度に対する寸法変化曲線より耐熱性を求めた。耐熱温度250℃以上の場合を○、250℃〜230℃の場合を△、230℃以下の場合を×と評価した。
【0024】
[保存安定性の評価]
樹脂組成物の溶液を5℃で90日保存後、BL型粘度測定装置(VISCOMETER 3LTOKIMEC社製)にて測定した粘度をもとに粘度増加指数を算出した。下記の式で表される粘度増加指数Vが<1.2なら○、1.2〜1.3なら△、1.3<なら×と評価した。
V=(保存後の溶液の粘度)/(保存前の溶液の粘度)
【0025】
[塗布性試験]
上記カラーフィルター保護膜の作成法によりスピンコートおよびプレベークを行いシリコンウェハー(直径12.5cm)に成膜した。保護膜が成膜されたウェハーをナトリウムランプにより観察し保護膜端面と基板端面に所望膜厚より厚く成膜される部分の幅(以下、額縁幅という)を測定し、額縁幅10mm未満の場合を○、10mm〜15mmの場合を△、15mm超の場合を×と評価した。
【0026】
表1において、(A1)成分のMw73000、55000及び22000はそれぞれ次のものを表す。なお、使用した(A1)成分はいずれもPGMEAの35%溶液であり、表中の値は固形分に換算した値である。
Mw73000:アクリルオリゴマー型固形エポキシ樹脂:グリシジルメタクリレートとベンジルメタクリレートの共重合体、分子量73000、エポキシ当量284g/eq
Mw55000:アクリルオリゴマー型固形エポキシ樹脂:グリシジルメタクリレートとベンジルメタクリレートの共重合体、分子量55000、エポキシ当量284g/eq
Mw22000:アクリルオリゴマー型固形エポキシ樹脂:グリシジルメタクリレートとベンジルメタクリレートの共重合体、分子量22,000、エポキシ当量284g/eq
【0027】
実施例1
サンプル瓶(200ml)に回転子を入れ、マグネチックスターラーに設置した。プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)60.04重量部ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DMM)32.49重量部をサンプル瓶に入れた。攪拌しながら、(A1)成分のMw73000を22.85重量部(固形分換算で8重量部)を入れ、完全に溶解するのを確認後、(A2)成分としてフルオレン型エポキシ樹脂(新日鐡化学社製ESF−300:前記一般式で表され、R1及びR2がHであり、エポキシ当量が231g/eq)9重量部、(A3)成分である脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業社製セロキサイド2021P:エポキシ当量128〜140g/eq、粘度230mPa・s(25℃))7重量部、(A4)成分として脂肪族エポキシ樹脂であるトリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(東都化成社製ZX1542:エポキシ当量91〜137g/eq、粘度74mPa・s(25℃))3重量部を加え完全に溶解させた。引き続き、(B)成分としてトリメリット酸無水物6重量部とブロック化カルボン酸(日本油脂社製SK−1:PGMEA80%溶液)を4.55重量部(固形分として3.64重量部)加え、十分に攪拌溶解した後、シランカップリング剤(チッソ社製S−510)1.35重量部、界面活性剤(住友スリーエム社製;メガファックF470)0.27重量部を加えて十分に攪拌、溶解後、これをろ過して、目的のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物の溶液を得た。
この樹脂組成物の溶液の全重量部は146.56であり、固形分比率[(A)+(B)の比率]は25.00%であり、(B)成分の硬化剤中のカルボキシル基/( A)成分のエポキシ基比[n/m=(B)/(A)]は、0.8である。
なお、表中の数値は原料の添加量ではなく、組成物中に含有される重量部を示す。
平坦化性、耐熱変色性、耐熱性、保存安定性、塗布性について評価を行った。その評価結果を表1に示す。
【0028】
実施例2〜8、比較例1〜8
原料の樹脂組成を表1のように変化させたこと以外は、実施例1と同様に行い、目的のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物の溶液を得た。この樹脂組成物の溶液について、平坦化性、耐熱変色性、耐熱性、保存安定性、塗布性について評価を行った評価結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】
本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物は、保存安定性、スピンコート時の塗布性が良好であり、かつ保護膜を形成した場合における平坦化性、耐熱変色性、耐熱性にも優れている。よって、LCDカラーフィルター保護膜用として必要な性能を充足した保護膜組成物の供給が可能になる。
Claims (5)
- エポキシ樹脂(A)及び硬化剤(B)を主成分とし、エポキシ樹脂(A)が、分子量25,000〜100,000の範囲にあり、かつ、エポキシ当量が200〜400(g/eq)であるエポキシ基を有するアクリル型共重合体(A1)20〜45重量%、下記一般式(1)で表されるフルオレン骨格を有するエポキシ樹脂(A2)15〜40重量%、エポキシ基を2個以上有する脂環式エポキシ樹脂(A3)10〜35重量%、及び脂肪族エポキシ樹脂(A4)5〜35重量%を必須成分として含有することを特徴とするカラーフィルター保護膜用樹脂組成物。
- エポキシ基を有するアクリル型共重合体(A1)が、グリシジルメタクリレートとベンジルメタクリレート又はメチルメタクリレートの2種類モノマーを重合して得られる共重合体である請求項1記載のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物。
- 脂肪族エポキシ樹脂(A4)がトリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテルである請求項1記載のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物を溶媒に溶解してなるカラーフィルター保護膜用溶液。
- 請求項4記載のカラーフィルター保護膜用溶液を、着色層上に塗布し、乾燥、硬化させて得られたカラーフィルター保護膜。
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