JP2013172399A - ゲート駆動回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、誤オンを抑制する絶縁ゲート型スイッチング素子の提供を目的とする。
【解決手段】本発明のゲート駆動回路は、絶縁ゲート型のスイッチング素子5を駆動するゲート駆動回路であって、スイッチング素子5の制御端子に所定のタイミングで駆動電圧を印加する制御駆動回路3と、制御駆動回路3の電源電圧である第1電圧VCCと、スイッチング素子5の制御端子を負バイアスする第2電圧VCC2との両方を監視する電圧監視回路4a,4bとを備え、制御駆動回路3は、電圧監視回路4a,4bが監視する第1、第2電圧VCC1,VCC2の少なくとも一方が閾値を下回った場合に出力を遮断する。
【選択図】図3

Description

この発明は絶縁ゲート型半導体素子の駆動回路に関する。
一般的に、Si半導体素子のゲート駆動制御においては、ターンオフ時にソース電位とゲート電位が同電位となるようにする。
しかし、SiC−MOSのような絶縁ゲート型スイッチング素子では閾値電圧Vthが低いため、ターンオフ時にソース電位とゲート電位を同電位としていると、電源立ち上がり時の駆動回路の出力電圧の僅かな上昇によって誤ってオンしてしまうおそれがある。
そこで、スイッチング素子の制御端子に負バイアスを印加し、オフ時に制御端子が主端子から見て負の電位となるようにすることで、誤オンを防止する構成が例えば特許文献1に開示されている。
特開平8−298786号公報
しかし、電源立ち上げ時にスイッチング素子の駆動回路の電源電圧が負バイアス電源よりも先に立上ると、その瞬間にはスイッチング素子の制御端子に負バイアスがかからないため、駆動回路の出力電圧がスイッチング素子の閾値電圧を超えるとONしてしまうという問題があった。
本発明は上述の問題に鑑み、誤ったオン(誤オン)を抑制する絶縁ゲート型スイッチング素子の提供を目的とする。
本発明のゲート駆動回路は、絶縁ゲート型のスイッチング素子を駆動するゲート駆動回路であって、スイッチング素子の制御端子に所定のタイミングで駆動電圧を印加する駆動回路と、駆動回路の電源電圧である第1電圧と、制御端子を負バイアスする第2電圧との両方を監視する電圧監視回路とを備え、駆動回路は、電圧監視回路が監視する第1、第2電圧の少なくとも一方が閾値を下回った場合に出力を遮断する。
本発明のゲート駆動回路は、絶縁ゲート型のスイッチング素子を駆動するゲート駆動回路であって、スイッチング素子の制御端子に所定のタイミングで駆動電圧を印加する駆動回路と、駆動回路の電源電圧である第1電圧と、制御端子を負バイアスする第2電圧との両方を監視する電圧監視回路とを備え、駆動回路は、電圧監視回路が監視する第1、第2電圧の少なくとも一方が閾値を下回った場合に出力を遮断する。そのため、第2電圧が小さく負バイアスが十分でない間に第1電圧が大きくなることにより、スイッチング素子がターンオフ時に誤オンしてしまうことを防ぐ。
前提技術に係るゲート駆動回路を示す図である。 前提技術に係るゲート駆動回路を示す図である。 実施の形態1に係るゲート駆動回路を示す図である。 実施の形態1の変形例1に係るゲート駆動回路を示す図である。 実施の形態1の変形例2に係るゲート駆動回路を示す図である。 実施の形態1に係るゲート駆動回路を示す図である。 実施の形態1の変形例1に係るゲート駆動回路を示す図である。 実施の形態1の変形例3に係るゲート駆動回路を示す図である。 実施の形態1の変形例4に係るゲート駆動回路を示す図である。 実施の形態2に係るゲート駆動回路を示す図である。 実施の形態2の変形例1に係るゲート駆動回路を示す図である。 実施の形態3に係るゲート駆動回路を示す図である。 実施の形態3の変形例1に係るゲート駆動回路を示す図である。 実施の形態3の変形例2に係るゲート駆動回路を示す図である。
<A.前提技術>
図1は、本発明の前提技術に係るSi−MOSFET5aのゲート駆動回路100である。なおゲート駆動回路は、半導体集積回路として形成されても良い。Si−MOSFET5は、絶縁ゲート型のスイッチング素子5aの一例である。ゲート駆動回路100は、Si−MOSFET5aのゲート端子に駆動電圧を印加する制御駆動回路3と、制御駆動回路3の電圧を監視する電圧監視回路4を備えている。制御駆動回路は、電源1から電圧VCCを供給され、入力端子INからの入力信号に基づき、出力端子OUTからSi−MOSFET5aのゲート端子に駆動電圧を印加する。
ここでSi−MOSFET5aは、ターンオフ時にソース電位とゲート電位が同電位となるように制御される。もし駆動するスイッチング素子がSiC−MOSFETである場合には、閾値電圧Vthが低いため僅かな駆動電圧でON状態になる。そのため、電源1を立ち上げる際に制御駆動回路3の出力電圧が僅かに上昇しただけでも、ターンオフ時に誤オンしてしまう可能性がある。
その対策として、図2に示すように電源1,2の2電源構成とし、電源2をSiC−MOSFET5bのソース端子に接続する構成が考えられている。この構成によれば、電源2の電圧分、ゲート電位をソース電位に対して負バイアスとすることが出来るので、SiC−MOSFET5bの誤オンを抑制することが可能である。
しかしながら、電源1,2の立ち上げ時に、電源1の電圧VCC1が電源2の電圧VCC2より先に立上る場合は、ゲート端子に負バイアスがかからないので、閾値電圧Vth以上を出力してしまうとSiC−MOSFET5bが誤オンしてしまうという問題がある。
そこで本発明の駆動回路では、上記のような場合にはゲート端子への出力を遮断することにより、誤オンを抑制する。
<B.実施の形態1>
図3は、実施の形態1に係るゲート駆動回路102の構成を示す回路図である。SiC−MOSFET5bを駆動するゲートを駆動するゲート駆動回路102は、制御駆動回路3と、第1電圧監視回路4aと、第2電圧監視回路4bとを備える。制御駆動回路3は、入力端子INからの信号に基づくタイミングで、出力端子OUTからSiC−MOSFET5bのゲート端子に駆動電圧VCC1を印加する。制御駆動回路とSiC−MOSFET5bのソース端子との間には電源1が接続され、制御駆動回路3に駆動電圧VCC1を供給している。
SiC−MOSFET5bのソース端子とグランド(GND)の間には、負バイアス電源として電源2が接続されており、電源2からソース端子に電圧VCC2を印加することにより、ゲート端子をソース端子に対して負バイアスとしている。また電源2は、制御駆動回路とグランドの間で電源1と直列接続している。
第1電圧監視回路4aは電源1の両極間に設けられ、駆動電圧VCC1を監視して監視結果を制御駆動回路3に入力する。第2電圧監視回路4bは電源2の両極間に設けられ、負バイアス電圧VCC2を監視して監視結果を制御駆動回路3に入力する。
制御駆動回路3は、駆動電圧VCC1と負バイアス電圧VCC2の少なくとも一方が所定値以下となった場合に、出力を遮断する。これにより、十分な負バイアス電圧VCC2がソース端子に印加されたときに限って制御駆動回路3から駆動電圧VCC1がゲート端子に印加されるので、誤オンを防ぐことが出来る。
図4を用いて、ゲート駆動回路102の構成をより詳細に説明する。制御駆動回路3は、前段のIN回路3aと後段のドライブ回路3bで構成される。IN回路3aは、外部からゲート駆動回路102の入力端子INに入力される信号をANDゲート13に出力する。ドライブ回路3bは電源1の正極とGNDの間に設けられ、ANDゲート13からの入力に基づきVCC1を駆動電圧としてSiC−MOSFET5bのゲート端子に印加する。ANDゲート13は、IN回路3a、第1電圧監視回路4a、第2電圧監視回路4bの各出力の論理積をドライブ回路3bに出力する。
第1電圧監視回路4aは、電源1の電圧VCC1を分圧する分圧抵抗9a,9b,9cと、分圧抵抗9aまたは分圧抵抗9bによるVCC1の分圧を基準電圧と比較するコンパレータ7と、コンパレータ7の出力を反転するNOTゲート12を備えている。コンパレータ7の出力はNOTゲート11を介してフィードバックされ、分圧抵抗9bの両端に接続されたトランスミッションゲート10a,10bの一方を導通する。コンパレータ7の電源端子の一方はGNDに接続され、他方は定電流源8を介して電源1に接続されている。
電源1の電圧VCC1は、分圧抵抗9a,9bにより分圧され、当該分圧はトランスミッションゲート10a,10bの一方を介してコンパレータ7の非反転入力端子に印加され、反転入力端子に印加された基準電圧と比較される。ここでVCC1の分圧をとるのは、コンパレータ7の電源電圧範囲内に収めるためである。コンパレータ7に入力するVCC1の分圧が基準電圧より大きければ、コンパレータ7の出力はGNDと同電位となり、NOTゲート12を経てANDゲート13にはH(High)レベルが入力される。
VCC1の分圧が基準電圧より小さければ、コンパレータ7の出力電圧はVCC1となり、NOTゲート12を経てANDゲート13にはL(Low)レベルが入力される。
第2電圧監視回路4bは第1電圧監視回路4aと同様の構成であり、分圧抵抗14a,14b,14c、トランスミッションゲート15a,15b、コンパレータ18、NOTゲート16,17を備えている。コンパレータ18の電源端子の一方はGNDに接続され、他方は定電流源19を介して電源2に接続されている。分圧抵抗14a,14bによる負バイアス電圧VCC2の分圧がコンパレータ18の非反転入力端子に印加され、反転入力端子に印加された基準電圧と比較される。
第1電圧監視回路4aと同様の動作により、VCC2の分圧が基準電圧より大きい場合にはANDゲート13にHレベルが入力され、VCC2の分圧が基準電圧より小さい場合にはANDゲート13にLレベルが入力される。
ANDゲート13は、IN回路3a、第1電圧監視回路4a、第2電圧監視回路4bからの各入力の論理積をドライブ回路3bに出力する。IN回路からON信号が出力されたとしても、VCC1とVCC2の少なくとも一方が所定値以下である場合には、ドライブ回路3bの制御端子にLレベルが入力される。そのため、ゲート駆動回路102の出力は遮断され、誤オンを防止することが出来る。
なお、図3,4では駆動対象をSiC−MOSFET5bとして説明したが、閾値の電圧の低い絶縁ゲート型のスイッチング素子であれば本発明の効果を奏する。
なお、図4に示した回路構成において、第2電圧監視回路4bにおけるコンパレータ18の電源を最高電位にしても良い。図5に、かかる構成のゲート駆動回路103を示す。ゲート駆動回路103では、コンパレータ18の電源端子の一方をグランドに接続し、他方を定電流源19を介して電源1に接続している。それ以外の構成は、ゲート駆動回路102と同様である。このような構成のゲート駆動回路103も、ゲート駆動回路102と同様の効果を奏する。
<B−1.変形例1>
図6は、実施の形態1の変形例1に係るゲート駆動回路104の構成を示す回路図である。ゲート駆動回路104では、第1電圧監視回路4aが電源1の正極とGNDの間に接続されており、SiC−MOSFET5bの駆動電圧VCC1ではなくVCC1と負バイアス電圧VCC2の和を監視する。それ以外の構成はゲート駆動回路102と同様である。なお、変形例1を説明する以下の図において、図3,4に示したゲート駆動回路102の構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。
図7は、ゲート駆動回路104の構成をより詳細に示した回路図である。第1電圧監視回路4aにおいて、分圧抵抗9a,9b,9cは電源1の正極とGNDの間に接続されている。また、コンパレータ8の電源端子は一方がGNDに、他方が定電流源8を介して電源1に接続されている。これ以外の構成は図4に示したゲート駆動回路102の構成と同様であるため、説明を省略する。以上の構成によって、コンパレータ8の非反転入力端子には(VCC1+VCC2)の分圧が印加され、コンパレータ8ではこれを基準電圧と比較する。(VCC1+VCC2)とVCC2のいずれかが所定値より小さい場合には、ゲート駆動回路104は出力を遮断するので、負バイアス電圧VCC2が十分に印加されないまま駆動電圧VCC1が立上ることによる誤オンを防ぐことが出来る。
なお、図7に示した回路構成において、第2電圧監視回路4bにおけるコンパレータ18の電源を最高電位にしても良い。図8に、かかる構成のゲート駆動回路105を示す。ゲート駆動回路105では、コンパレータ18の電源端子の一方をグランドに接続し、他方を定電流源19を介して電源1に接続している。それ以外の構成は、ゲート駆動回路104と同様である。このような構成のゲート駆動回路105も、ゲート駆動回路104と同様の効果を奏する。
<B−2.変形例2>
変形例2に係るゲート駆動回路は、負バイアス用の電源を別途必要とせず単電源で動作し、単電源から負バイアス電圧を生成する機能を有するものである。
図9は、実施の形態1の変形例2に係るゲート駆動回路106の構成を示す回路図である。なお、変形例2を説明する以下の図において、図6,7に示したゲート駆動回路104の構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。
ゲート駆動回路106は単一の電源1で動作する。制御駆動回路3は電源1から駆動電圧VCC1を供給され、入力端子INからの入力信号に基づき、出力端子OUTからSiC−MOSFET5bのゲート端子に駆動電圧VCC1を印加する。
また、ゲート駆動回路106は電源1の正極とGNDの間に、VCC1を分圧する負バイアス用内部電源回路6を備えている。負バイアス用内部電源回路6でVCC1から分圧されたVREG1は、SiC−MOSFET5bのソース端子に印加されるため、ゲート端子はソース端子に対して負バイアスされる。
これ以外の構成はゲート駆動回路104と同様であるので、説明を省略する。なお、図9ではゲート駆動回路104の構成を一部変更して負バイアス用内部電源回路6を設けたが、ゲート駆動回路102の構成を一部変更して負バイアス用内部電源回路6を設けても良い。
<B−3.効果>
本実施の形態のゲート駆動回路102は、絶縁ゲート型のスイッチング素子(SiC−MOSFET5b)を駆動するゲート駆動回路であって、SiC−MOSFET5bの制御端子に所定のタイミングで駆動電圧を印加する制御駆動回路3と、制御駆動回路3の電源電圧である第1電圧(駆動電圧)VCC1と、前記制御端子を負バイアスする第2電圧(負バイアス電圧)VCC2との両方を監視する電圧監視回路とを備える。また、制御駆動回路3は、電圧監視回路が監視する電圧VCC1,VCC2の少なくとも一方が閾値を下回った場合に出力を遮断する。よって、負バイアス電圧VCC2が十分に印加されない状態で駆動電圧VCC1が立上ることによる誤オンを防ぐことが出来る。
また、当該電圧監視回路は、駆動電圧VCC1を第1監視電圧として監視する第1電圧監視回路4aと、負バイアス電圧VCC2を第2監視電圧として監視する第2電圧監視回路4bを備えるので、これらの監視電圧の少なくとも一方が閾値を下回った場合にはゲート駆動回路の出力を遮断することにより、誤オンを防ぐことが出来る。
本実施の形態の変形例1に係るゲート駆動回路104では、第1電圧監視回路4aにおいて駆動電圧VCC1と負バイアス電圧VCC2の和を第1監視電圧として監視し、第2電圧監視回路4bにおいて負バイアス電圧VCC2を第2監視電圧として監視するので、これらの監視電圧の少なくとも一方が閾値を下回った場合にはゲート駆動回路の出力を遮断することにより、誤オンを防ぐことが出来る。
また、ゲート駆動回路102,104では、SiC−MOSFET5bの制御端子−主端子間に接続された外部の第1電源(電源1)が駆動電圧VCC1を供給し、SiC−MOSFET5bの主端子−グランド間に接続された外部の第2電源(電源2)が負バイアス電圧VCC2を供給する。こうして供給される駆動電圧VCC1,負バイアス電圧VCC2の少なくとも一方が閾値を下回った場合にはゲート駆動回路の出力を遮断することにより、誤オンを防ぐことが出来る。
本実施の形態の変形例2に係るゲート駆動回路106では、SiC−MOSFET5bの制御端子−主端子間に接続された外部の単電源(電源1)が駆動電圧VCC1を供給し、負バイアス電圧VCC2は駆動電圧VCC1の分圧として内部で生成される。こうして供給される駆動電圧VCC1,負バイアス電圧VCC2の少なくとも一方が閾値を下回った場合にはゲート駆動回路の出力を遮断することにより、誤オンを防ぐことが出来る。
ゲート駆動回路102,104,106において、第1電圧監視回路4aは第1監視電圧を第1閾値と比較する第1コンパレータ(コンパレータ7)を備え、第2電圧監視回路4bは、第2監視電圧を第2閾値と比較する第2コンパレータ(コンパレータ18)を備える。上記コンパレータ7,18における比較に基づきゲート駆動回路の出力を遮断することにより、誤オンを防ぐことが出来る。
また、ゲート駆動回路103,105において、コンパレータ18の電源電圧は、駆動電圧VCC1と負バイアス電圧VCC2の和である。コンパレータ18の入力電圧が負バイアス電圧VCC2の分圧であれば、電源電圧は負バイアス電圧VCC2であっても、負バイアス電圧VCC2と駆動電圧VCC1の和であっても本発明の効果を奏する。
<C.実施の形態2>
図10は、実施の形態2に係るゲート駆動回路107の構成を示す回路図である。図10において、実施の形態1のゲート駆動回路102と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。
ゲート駆動回路107は、実施の形態1のゲート駆動回路102における第2電圧監視回路4bの代わりに、負バイアス電圧VCC2を監視する手段として、電源2の両端に接続される電源電流生成回路20を備える。電源電流生成回路20は、負バイアス電圧VCC2が一定値以上に大きくなると電流を生成する回路である。電源電流生成回路20で生成された電流は、第1電圧監視回路4aのコンパレータ7の定電流源8側に電源電流として流れる。
これ以外の構成はゲート駆動回路102と同様であるので、説明を省略する。
電源電流生成回路20から電源電流が流れない、すなわち負バイアス電圧VCC2が所定値より小さい場合は、コンパレータ7の出力論理はHとなり、NOTゲート12を介した第1電圧監視回路4aの出力は負論理となってゲート駆動回路107の出力は遮断される。こうして電源電流生成回路20は、電源電流の生成によって負バイアス電圧VCC2を監視する第2電圧監視回路として動作する。
電源電流生成回路20から電源電流が供給される場合は、コンパレータ7は駆動電圧VCC1の分圧を基準電圧と比較する。VCC1の分圧が基準電圧より小さい場合にコンパレータ7はHレベルを出力し、NOTゲート12を介して第1電圧監視回路4aの出力は負論理となる。VCC1の分圧が基準電圧より大きい場合にはコンパレータ7はLレベルを出力し、NOTゲート12を介して第1電圧監視回路4aの出力は正論理となる。
以上の動作によって、駆動電圧VCC1と負バイアス電圧VCC2の何れか一方でも所定値以下となった場合にはゲート駆動回路107の出力が遮断されるので、負バイアスVCC2が十分に印加しないまま駆動電圧VCC1が立上ることによる誤オンを防ぐことが出来る。
<C−1.変形例1>
図11は、実施の形態2の変形例1に係るゲート駆動回路108の構成を示す回路図である。図11において、実施の形態1のゲート駆動回路102と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。
ゲート駆動回路108は、実施の形態1のゲート駆動回路102における第1電圧監視回路4bの代わりに、駆動電圧VCC1を監視する手段として、電源1の両端に接続される電源電流生成回路21を備える。電源電流生成回路21は、駆動電圧VCC1が所定値以上になると電流を生成する回路である。電源電流生成回路21で生成された電流は、第2電圧監視回路4bのコンパレータ18の定電流源19側に電源電流として流れる。これ以外の構成はゲート駆動回路102と同様であるので、説明を省略する。
電源電流生成回路21から電源電流が流れない、すなわち駆動電圧VCC1が所定値より小さい場合は、コンパレータ18の出力論理はHとなり、NOTゲート17を介した第2電圧監視回路4bの出力は負論理となる。こうして電源電流生成回路20は、電源電流の生成によって駆動電圧VCC1を監視する第1電圧監視回路として動作する。
電源電流生成回路21からバイアス電流が供給される場合は、コンパレータ18は駆動電圧VCC2の分圧を基準電圧と比較する。VCC2の分圧が基準電圧より小さい場合にコンパレータ18はHレベルを出力し、NOTゲート17を介して第1電圧監視回路4bの出力は負論理となる。VCC2の分圧が基準電圧より大きい場合にはコンパレータ18はLレベルを出力し、NOTゲート17を介して第1電圧監視回路4bの出力は正論理となる。
以上の動作によって、駆動電圧VCC1と負バイアス電圧VCC2の何れか一方でも所定値以下となった場合にはゲート駆動回路107の出力が遮断されるので、負バイアスVCC2が十分に印加しないまま駆動電圧VCC1が立上ることによる誤オンを防ぐことが出来る。
<C−2.効果>
本実施の形態のゲート駆動回路107において、第1電圧監視回路4aは、駆動電圧VCC1を第1閾値と比較する第1コンパレータ(コンパレータ7)を備え、第2電圧監視回路(電源電流生成回路20)は、コンパレータ7の電源電流を負バイアス電圧VCC2で生成する。負バイアス電圧VCC2が一定値以上となった時に電源電流を生成し、電源電流によってコンパレータ7を動作させることにより、VCC2が一定値未満の場合はコンパレータ7が動作せず、駆動回路107の出力を遮断させることが可能である。
変形例1に係るゲート駆動回路108において、第2電圧監視回路4bは、負バイアス電圧を第2閾値と比較する第2コンパレータ(コンパレータ18)を備え、第1電圧監視回路(電源電流生成回路21)は、コンパレータ18の電源電流を駆動電圧VCC1で生成する。駆動電圧VCC1が一定値以上となった時に電源電流を生成し、電源電流によってコンパレータ18を動作させることにより、VCC1が一定値未満の場合はコンパレータ18が動作せず、駆動回路108の出力を遮断させることが可能である。
<D.実施の形態3>
図12は、実施の形態3に係るゲート駆動回路109の構成を示す回路図である。ゲート駆動回路109は、実施の形態1の変形例1に係るゲート駆動回路104の構成において、第1電圧監視回路4aに代えて第1電圧監視回路4a1を、第2電圧監視回路4bに代えて第2電圧監視回路4b1を備えたものである。これら以外の構成はゲート駆動回路104と同様であるので、説明を省略する。
第1電圧監視回路4a1は、電極1の正極とGNDの間に分圧抵抗9a,9b,9c,9dを備えている。コンパレータ7の非反転入力端子は、トランスミッションゲート10aを介して分圧抵抗9a,9b間の分圧点Bと接続され、トランスミッションゲート10bを介して分圧抵抗9b,9c間の分圧点Cと接続されている。これ以外の構成は、ゲート駆動回路104の第1電圧監視回路4aと同様である。
第2電圧監視回路4b1は、第1電圧監視回路4a1の分圧抵抗9a,9b間のA点とゲート端子が接続されたpMOSFET23を備える。pMOSFET23のソース端子は定電流源22を介して電源2の正極と接続される。また、定電流源22とpMOSFET23のソース端子の間には2段のNOTゲート24,25が接続され、NOTゲート25の他端は第2電圧監視回路4b1の出力としてANDゲート13の入力端子に接続される。
pMOSFET23のゲート端子には、駆動電圧VCC1と負バイアス電圧VCC2の和のA点における分圧が印加される。pMOSFET23はゲート電圧が閾値未満であればON状態であり、NOTゲート24の入力がGNDとなる。よって、NOTゲート25の出力はLレベルとなり、これが第2電圧監視回路4b1の出力としてANDゲート13に入力される。
また、pMOSFET23はゲート電圧が閾値以上であればOFF状態となり、NOTゲート24には負バイアス電圧VCC2が印加される。VCC2がNOTゲート24の閾値未満であればNOTゲート25の出力電圧はLレベル、NOTゲート24の閾値以上であればNOTゲート25の出力電圧はHレベルとなる。これが第2電圧監視回路4b1の出力としてANDゲート13に入力される。
すなわち、第1電圧監視回路4a1は、駆動電圧VCC1と負バイアス電圧VCC2の和が所定値未満である場合にANDゲート13にLレベルを出力することにより、VCC1+VCC2を監視する。
また、第2電圧監視回路4b1は、駆動電圧VCC1と負バイアス電圧VCC2の和が所定値未満である場合にANDゲート13にLレベルを出力する他、VCC1とVCC2の和が所定値以上でありVCC2が所定値以上である場合にも、ANDゲート13にLレベルを出力することにより、VCC2を監視する。
以上の動作により、駆動電圧VCC1と負バイアス電圧VCC2の何れか一方でも所定値以下となった場合にはゲート駆動回路109の出力が遮断されるので、負バイアスVCC2が十分に印加しないまま駆動電圧VCC1が立上ることによる誤オンを防ぐことが出来る。
<D−1.変形例1>
図13は、実施の形態3の変形例1に係るゲート駆動回路110の構成を示す回路図である。ゲート駆動回路110は、ゲート駆動回路109の構成を一部変更して、単電源で動作するようにしたものである。ゲート駆動回路110は電圧VCC1を供給する電源1で動作し、電源1の両端に負バイアス用内部電源回路6が接続される。
負バイアス用内部電源回路6は、電圧VCC1を分圧してVREG1を生成し、これをSiC−MOSFET5bのソース端子に印加する。SiC−MOSFET5bのゲート端子は、ソース端子に対してVREG1だけ負バイアスされる。
さらに負バイアス用内部電源回路6が生成したVREG1は、定電流源22を介してpMOSFET23のソース端子にも印加される。これ以外の構成は、ゲート駆動回路109と同様であるので、説明を省略する。
ゲート駆動回路110は、ゲート駆動回路109と同様、駆動電圧VCC1と負バイアス電圧VREG1の何れか一方でも所定値以下となった場合に出力が遮断されるので、負バイアスVREG1が十分に印加しないまま駆動電圧VCC1が立上ることによる誤オンを防ぐことが出来る。さらに、単電源1によってゲート駆動電圧VCC1と負バイアス電圧VREG1の両方を賄うことが可能である。
<D−2.変形例2>
図14は、実施の形態3の変形例2に係るゲート駆動回路111の構成を示す回路図である。ゲート駆動回路111は、第1電圧監視回路4a1に代えて第1電圧監視回路4aを備え、第2電圧監視回路4bに代えて第2電圧監視回路4b2を備えており、その他はゲート駆動回路100と同様の構成である。以下、第2電圧監視回路4bについて説明する。
第2電圧監視回路4bは2段のNOTゲート26,27からなる。NOTゲート26には負バイアス用内部電源回路6におけるVCC1の分圧VREG1が印加され、VREG1がNOTゲート26の閾値以上であればNOTゲート26はHレベルを出力し、NOTゲート27の出力はLレベルとなる。また、VREG1がNOTゲート26の閾値未満であればNOTゲート26はLレベルを出力し、NOTゲート27の出力はHレベルとなる。NOTゲート27の出力が第2電圧監視回路4b2の出力としてANDゲート13に入力される。以上の構成により、第2電圧監視回路4b2では負バイアス電圧VREG1が監視される。
以上の構成により、VCC1が所定値未満である場合や、VREG1が所定値未満である場合にゲート駆動回路111の出力が遮断されるので、負バイアスVREG1が十分に印加しないまま駆動電圧VCC1が立上ることによる誤オンを防ぐことが出来る。
なお、図14において第1電圧監視回路4aは駆動電圧VCC1を基準電圧と比較したが、駆動電圧VCC1と負バイアス電圧VREG1の差を基準電圧と比較する構成としても良い。
<D−3.効果>
本実施の形態のゲート駆動回路109,110において、第1電圧監視回路4a1は、駆動電圧VCC1と負バイアス電圧VCC2の和を閾値と比較するコンパレータ7を備え、第2電圧監視回路4b1は、駆動電圧VCC1と負バイアス電圧VCC2の和の分圧が制御端子に印加され、主端子間に負バイアス電圧VCC2が印加されるスイッチング素子(pMOSFET23)と、pMOSFET23の主端子に接続され負バイアス電圧VCC2を2値化する2段のNOTゲート24,25とを備える。第1電圧監視回路4a1においてVCC1とVCC2の和が監視される。また、VCC1とVCC2の和がpMOSFET23の閾値電圧を超えると、NOTゲート24,25で負バイアス電圧VCC2が監視される。よって、負バイアス電圧VCC2が十分に印加しないまま駆動電圧VCC1が立上ることによるSiC−MOSFET5bの誤オンを防ぐことが出来る。
ゲート駆動回路109において、駆動電圧VCC1は、SiC−MOSFET5bの制御端子−主端子間に接続された外部の第1電源(電源1)により供給され、負バイアス電圧VCC2は、SiC−MOSFET5bの主端子とGNDとの間に接続された外部の第2電源(電源2)により供給される。こうして供給される駆動電圧VCC1,負バイアス電圧VCC2の少なくとも一方が閾値を下回った場合にはゲート駆動回路109の出力を遮断することにより、SiC−MOSFET5bの誤オンを防ぐことが出来る。
ゲート駆動回路110において、駆動電圧VCC1は、SiC−MOSFET5bの制御端子−主端子間に接続された外部の第1電源(電源1)により供給され、負バイアス電圧VCC2は、駆動電圧VCC1の分圧として内部で生成される。こうして供給される駆動電圧VCC1,負バイアス電圧VCC2の少なくとも一方が閾値を下回った場合にはゲート駆動回路110の出力を遮断することにより、SiC−MOSFET5bの誤オンを防ぐことが出来る。
変形例2に係るゲート駆動回路111において、第1電圧監視回路4aは、第1監視電圧として、駆動電圧VCC1、または駆動電圧VCC1と負バイアス電圧VREG1の差を閾値と比較するコンパレータ7を備え、第2電圧監視回路4b2は、第2監視電圧を2値化する2段のNOTゲート26,27を備える。
1,2 電源、3 制御駆動回路、3a IN回路、3b ドライブ回路、4 電圧監視回路、4a,4a1 第1電圧監視回路、4b,4b1,4b2 第2電圧監視回路、5a Si−MOSFET、5b SiC−MOSFET、6 負バイアス用内部電源回路、7,18 コンパレータ、8,19,22 定電流源、9a,9b,9c,14a,14b,14c 分圧抵抗、10a,10b,15a,15b トランスミッションゲート、11,12,16,17,24,25,26,27 NOTゲート、13 ANDゲート、20,21 電源電流生成回路、23 スイッチング素子、100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111 ゲート駆動回路。

Claims (13)

  1. 絶縁ゲート型のスイッチング素子を駆動するゲート駆動回路であって、
    前記スイッチング素子の制御端子に所定のタイミングで駆動電圧を印加する制御駆動回路と、
    前記制御駆動回路の電源電圧である第1電圧と、前記制御端子を負バイアスする第2電圧との両方を監視する電圧監視回路とを備え、
    前記制御駆動回路は、前記電圧監視回路が監視する前記第1、第2電圧の少なくとも一方が閾値を下回った場合に出力を遮断する、
    ゲート駆動回路。
  2. 前記電圧監視回路は、前記第1電圧を第1監視電圧として監視する第1電圧監視回路と、前記第2電圧を第2監視電圧として監視する第2電圧監視回路を備える、
    請求項1に記載のゲート駆動回路。
  3. 前記電圧監視回路は、前記第1電圧と前記第2電圧の和を第1監視電圧として監視する第1電圧監視回路と、前記第2電圧を第2監視電圧として監視する第2電圧監視回路を備える、
    請求項1に記載のゲート駆動回路。
  4. 前記第1電圧は、前記スイッチング素子の制御端子−主端子間に接続された外部の第1電源により供給され、
    前記第2電圧は、前記スイッチング素子の主端子−グランド間に接続された外部の第2電源により供給される、
    請求項2又は3に記載のゲート駆動回路。
  5. 前記第1電圧は、前記スイッチング素子の制御端子−主端子間に接続された外部の単電源により供給され、
    前記第2電圧は前記第1電圧の分圧として内部で生成される、
    請求項2又は3に記載のゲート駆動回路。
  6. 前記第1電圧監視回路は、前記第1監視電圧を第1閾値と比較する第1コンパレータを備え、
    前記第2電圧監視回路は、前記第2監視電圧を第2閾値と比較する第2コンパレータを備える、
    請求項2〜5のいずれかに記載のゲート駆動回路。
  7. 前記第2コンパレータの電源電圧は、前記第1電圧と前記第2電圧の和である、
    請求項6に記載のゲート駆動回路。
  8. 前記第1電圧監視回路は、前記第1電圧を第1閾値と比較する第1コンパレータを備え、
    前記第2電圧監視回路は、前記第1コンパレータの電源電流を前記第2電圧で生成する、
    請求項2,4,5のいずれかに記載のゲート駆動回路。
  9. 前記第2電圧監視回路は、前記第2電圧を第2閾値と比較する第2コンパレータを備え、
    前記第1電圧監視回路は、前記第2コンパレータの電源電流を前記第1電圧で生成する、
    請求項2,4,5のいずれかに記載のゲート駆動回路。
  10. 前記第1電圧監視回路は、前記第1電圧と前記第2電圧の和を閾値と比較するコンパレータを備え、
    前記第2電圧監視回路は、
    前記第1電圧と前記第2電圧の和の分圧が制御端子に印加され、主端子間に前記第2電圧が印加されるスイッチング素子と、
    前記スイッチング素子の主端子に接続され前記第2電圧を2値化する2段のNOTゲートとを備える、
    請求項3に記載のゲート駆動回路。
  11. 前記第1電圧は、前記スイッチング素子の制御端子−主端子間に接続された外部の第1電源により供給され、
    前記第2電圧は、前記スイッチング素子の主端子とグランドとの間に接続された外部の第2電源により供給される、
    請求項10に記載のゲート駆動回路。
  12. 前記第1電圧は、前記スイッチング素子の制御端子−主端子間に接続された外部の単電源により供給され、
    前記第2電圧は前記第1電圧の分圧として内部で生成される、
    請求項10に記載のゲート駆動回路。
  13. 前記第1電圧監視回路は、前記第1監視電圧を閾値と比較するコンパレータを備え、
    前記第2電圧監視回路は、前記第2監視電圧を2値化する2段のNOTゲートを備える、
    請求項2〜5のいずれかに記載のゲート駆動回路。
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