JP2013166707A - フェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物の精製方法 - Google Patents

フェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物の精製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)のロスを抑えつつ、フェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)の粗製物に含まれるクロロアニリン化合物(II)を効率的に分離、除去し、クロロアニリン化合物(II)の濃度が低減されたフェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)の精製物が得られる精製方法を提供すること。
【解決手段】フェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)の精製方法であって、クロロアニリン化合物(II)を含有するフェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)の粗製物を、無機酸の存在下に水及び水と分液可能な有機溶媒と混合した後、フェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)を含む油層と水層とに分離することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、式(II)
Figure 2013166707
(式中、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基又はカルボキシアルキル基を表す。)で示される化合物〔以下、クロロアニリン化合物(II)ということがある〕を含有する式(I)
Figure 2013166707
(式中、Rは前記と同じ意味を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
で示されるフェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物〔以下、フェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)ということがある〕の精製方法に関する。
フェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)は、医農薬の製造中間体として有用であることが知られている。フェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)は、例えば、フェニルヒドラジン化合物をハロゲン化炭酸アルキルと反応させることにより製造されることが知られており、得られるフェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)は、種々の不純物を含有している。フェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)の粗製物の精製方法として、例えば、特許文献1には、該粗製物を水で洗浄する方法が記載されている。
特表平7−502267号公報
しかしながら、上記従来の方法では、原料であるフェニルヒドラジン化合物に含まれる不純物に由来して、クロロアニリン化合物(II)がフェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)の粗製物に含まれる場合、クロロアニリン化合物(II)を必ずしも十分に除去することができないという問題があった。
そこで、本発明の目的は、フェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)のロスを抑えつつ、フェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)の粗製物に含まれるクロロアニリン化合物(II)を効率的に分離、除去し、クロロアニリン化合物(II)の濃度が低減されたフェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)の精製物が得られる精製方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意研究した結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
(1)式(II)
Figure 2013166707
(式中、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基又はカルボキシアルキル基を表す。)
で示される化合物を含有する式(I)
Figure 2013166707
(式中、Rは前記と同じ意味を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
で示されるフェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物の粗製物を、無機酸の存在下に水及び水と分液可能な有機溶媒と混合した後、式(I)で示されるフェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物を含む油層と水層とに分離することを特徴とする式(I)で示されるフェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物の精製方法。
(2)前記粗製物が、式(VI)
Figure 2013166707
(式中、Rは前記と同じ意味を表す。)
で示される化合物を塩化水素の存在下にジアゾ化剤と反応させて得られた式(VII)
Figure 2013166707
(式中、Rは前記と同じ意味を表す。)
で示されるジアゾニウム塩を、水の存在下に亜硫酸塩及び亜硫酸水素塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と反応させた後、酸との接触処理に付し、得られた式(III)
Figure 2013166707
(式中、Rは、前記と同じ意味を表す。)
で示されるフェニルヒドラジン化合物と、式(IV)
Figure 2013166707
(式中、Rは、前記と同じ意味を表し、Yは、ハロゲン原子を表す。)
で示されるハロゲン化炭酸アルキル又は式(V)
Figure 2013166707
(式中、Rは、前記と同じ意味を表す。)
で示されるジアルキルジカーボネートとを反応させて得られるものである前記(1)に記載の精製方法。
(3)前記混合を30〜90℃で行う前記(1)又は(2)に記載の精製方法。
(4)前記無機酸が塩化水素又は硫酸である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の精製方法。
(5)式(I)、(II)及び(III)、(VI)及び(VII)におけるRがアルコキシ基である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の精製方法。
(6)式(I)、(IV)及び(V)におけるRがメチル基である前記(1)〜(5)のいずれかに記載の精製方法。
本発明によれば、フェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)のロスを抑えつつ、フェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)の粗製物に含まれるクロロアニリン化合物(II)を効率的に分離、除去し、クロロアニリン化合物(II)の濃度が低減されたフェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)の精製物を得ることができる。
本発明において、フェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)は、式(I)
Figure 2013166707
(式中、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基又はカルボキシアルキル基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
で示される化合物である。
式(I)中のRにおいて、アルキル基としては、炭素数が1〜6のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基等が挙げられる。シクロアルキル基としては、炭素数が3〜6のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。アルケニル基としては、炭素数が2〜6のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、2−メチルアリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−1−ブテニル基、2−メチル−1−ブテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−3−ブテニル基、2−メチル−2−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基等が挙げられる。アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、トリフェニルエチル基、(1−ナフチル)メチル基、(2−ナフチル)メチル基等が挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数が1〜6のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチロキシ基、ヘキシロキシ基等が挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナントリル基、トリル基、キシリル基等が挙げられる。アラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等が挙げられる。アリールオキシ基としては、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。カルボキシアルキル基としては、例えば、カルボキシメチル基、1−カルボキシエチル基、2−カルボキシエチル基等が挙げられる。中でも、Rがアルコキシ基であるフェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)を対象とする場合に本発明の方法は有利に採用される。アルコキシ基の中でも、メトキシ基が好ましい。
式(I)中のRにおいて、炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基が挙げられる。中でも、Rがメチル基であるフェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)を対象とする場合に本発明の方法は有利に採用される。
本発明の精製方法に付するフェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)の粗製物には、その調製方法によって、種々の不純物が含まれるが、少なくとも式(II)
Figure 2013166707
(式中、Rは、前記と同じ意味を表す。)
で示される化合物〔クロロアニリン化合物(II)〕が含まれる。本発明において、精製に付される粗製物としては、クロロアニリン化合物(II)の含有量が、フェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)100重量部に対して、0.1〜10重量部のものが好ましい。
フェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)の粗製物の調製方法は、フェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)を主成分とし、不純物としてクロロアニリン化合物(II)を含有するものであれば特に限定されないが、例えば、式(VI)
Figure 2013166707
(式中、Rは前記と同じ意味を表す。)
で示される化合物〔以下、オルト置換アニリン類(VI)ということがある。〕を塩化水素の存在下にジアゾ化剤と反応させて得られた式(VII)
Figure 2013166707
(式中、Rは前記と同じ意味を表す。)
で示されるジアゾニウム塩〔以下、ジアゾニウム塩(VII)ということがある。〕を、水の存在下に亜硫酸塩及び亜硫酸水素塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と反応させた後、酸との接触処理に付し、得られた式(III)
Figure 2013166707
(式中、Rは、前記と同じ意味を表す。)
で示されるフェニルヒドラジン化合物〔以下、フェニルヒドラジン化合物(III)ということがある〕と、式(IV)
Figure 2013166707
(式中、Rは、前記と同じ意味を表し、Yは、ハロゲン原子を表す。)
で示されるハロゲン化炭酸アルキル〔以下、ハロゲン化炭酸アルキル(IV)ということがある〕又は式(V)
Figure 2013166707
(式中、Rは、前記と同じ意味を表す。)
で示されるジアルキルジカーボネート〔以下、ジアルキルジカーボネート(V)ということがある〕とを反応させる方法が挙げられる。
塩化水素の存在下でのオルト置換アニリン類(VI)とジアゾ化剤との反応〔以下、ジアゾ化反応ということがある〕において、ジアゾ化剤としては、窒素酸化物、亜硝酸塩、亜硝酸エステル等が挙げられる。窒素酸化物としては、例えば、亜硝酸、一酸化窒素、二酸化窒素等が挙げられ、亜硝酸塩としては、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム等が挙げられ、亜硝酸エステルとしては、亜硝酸n−ブチル、亜硝酸i−ブチル、亜硝酸n−ペンチル、亜硝酸i−ペンチル等が挙げられる。ジアゾ化反応の反応温度は、通常、−20〜20℃、好ましくは−10〜10℃、より好ましくは−5〜5℃の範囲である。ジアゾ化反応には、通常、水を含む溶媒が用いられる。水を含む溶媒としては、水単独であってもよいし、水と有機溶媒との混合溶媒であってもよいが、水単独の溶媒が好ましい。該有機溶媒としては、アルコール類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類等が挙げられ、必要に応じてこれらの2種以上を用いることもできる。ジアゾ化反応により、副生物としてクロロアニリン化合物(II)が生成し、最終的に得られるフェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)の粗製物にクロロアニリン化合物(II)が含まれることとなる。
水の存在下における、ジアゾニウム塩(VII)と、亜硫酸塩及び亜硫酸水素塩からなる群より選ばれる少なくとも1種との反応〔以下、還元反応ということがある〕において、亜硫酸塩及び亜硫酸水素塩からなる群より選ばれる少なくとも1種における亜硫酸塩としては、例えば、亜硫酸、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等が挙げられる。また、亜硫酸水素塩としては、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム等が挙げられる。還元反応の反応温度は、通常、45〜100℃である。還元反応においては、有機溶媒を使用してもよい。該有機溶媒としては、アルコール類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類等が挙げられ、必要に応じてこれらの2種以上を用いることもできる。
還元反応により得られる反応混合物と、酸との接触処理において、接触処理としては、前記反応混合物を酸と混合する方法等が挙げられる。接触処理時の温度は、0〜30℃が好ましい。酸としては、例えば、塩化水素、硫酸、リン酸、硝酸等の無機酸が挙げられ、無機酸の中でも、塩化水素又は硫酸が好ましく用いられる。該接触処理においては、有機溶媒を使用してもよい。該有機溶媒としては、アルコール類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類等が挙げられ、必要に応じてこれらの2種以上を用いることもできる。酸との接触処理後には、塩基と混合してpHを調整してもよい。
酸との接触処理により、フェニルヒドラジン化合物(III)が得られる。得られたフェニルヒドラジン化合物(III)と、ハロゲン化炭酸アルキル(IV)又はジアルキルジカーボネート(V)とを反応させることにより、フェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)が得られる。該反応は、通常、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウムなどの塩基の存在下に行われる。式(IV)中、Yで示されるハロゲン原子としては、塩素、フッ素、臭素またはヨウ素が挙げられる。
ハロゲン化炭酸アルキル(IV)としては、クロロ炭酸アルキル、ブロモ炭酸アルキル、ヨード炭酸アルキルが挙げられ、中でも、クロロ炭酸アルキルが好ましい。クロロ炭酸アルキルとしては、クロロ炭酸メチル、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸プロピル、クロロ炭酸イソプロピル、クロロ炭酸ブチル、クロロ炭酸イソブチル、クロロ炭酸s−ブチル、クロロ炭酸t−ブチルが挙げられる。ブロモ炭酸アルキルとしては、ブロモ炭酸メチル、ブロモ炭酸エチル、ブロモ炭酸プロピル、ブロモ炭酸イソプロピル、ブロモ炭酸ブチル、ブロモ炭酸イソブチル、ブロモ炭酸s−ブチル、ブロモ炭酸t−ブチルが挙げられる。ヨード炭酸アルキルとしては、ヨード炭酸メチル、ヨード炭酸エチル、ヨード炭酸プロピル、ヨード炭酸イソプロピル、ヨード炭酸ブチル、ヨード炭酸イソブチル、ヨード炭酸s−ブチル、ヨード炭酸t−ブチルが挙げられる。
ジアルキルジカーボネート(V)としては、ジ−t−ブチルジカーボネート、ジメチルジカーボネート等が挙げられる。
本発明においては、クロロアニリン化合物(II)を含有するフェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)の粗製物を、無機酸の存在下に水及び水と分液可能な有機溶媒と混合する。
前記無機酸としては、例えば、塩化水素、硫酸、リン酸、硝酸等が挙げられる。無機酸の中でも、塩化水素、硫酸が好ましく、塩化水素がより好ましい。
前記無機酸の使用量は、クロロアニリン化合物(II)を効率的に除去できる点で、フェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)1モルに対して、0.01〜1.0モルが好ましく、0.05〜0.5モルがより好ましい。
前記混合において、水の使用量は、フェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)100重量部に対して、10〜1000重量部が好ましい。
前記混合において、水と分液可能な有機溶媒としては、水と分液可能であり、かつフェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)を溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエチレン、1,1,2,2−テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ベンゾニトリル等のニトリル;ニトロベンゼン等のニトロ化合物;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、安息香酸エチル等のエステル化合物;n−ブタノール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、n−ドデカノール等の炭素数4〜12の脂肪族アルコール;等が挙げられ、必要に応じてこれらの2種以上を用いることもできる。中でも、芳香族炭化水素が好ましく、その中でもトルエンの使用が好ましい。
前記混合において、水と分液可能な有機溶媒の使用量は、フェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)100重量部に対して、10〜10000重量部が好ましく、50〜5000重量部がより好ましい。
前記混合において、その混合温度は、クロロアニリン化合物(II)を効率的に除去できる点で、10〜100℃が好ましく、30〜90℃がより好ましく、50〜70℃がさらに好ましい。混合時間は適宜設定される。混合方法としては、(A)水と分液可能な有機溶媒と、フェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)の粗製物との混合溶液を、無機酸の水溶液と混合する方法、(B)水と分液可能な有機溶媒と、フェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)の粗製物との混合溶液を、水と混合した後、無機酸を添加して混合する方法、(C)水と分液可能な有機溶媒と、フェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)の粗製物との混合溶液を、混合処理装置内に無機酸の水溶液と併注しながら混合する方法、(D)フェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)の粗製物と、水と分液可能な有機溶媒と、無機酸の水溶液とをそれぞれ任意の順序で混合する方法、(E)フェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)の粗製物と、水と分液可能な有機溶媒と、水と、無機酸とをそれぞれ任意の順序で混合する方法等が挙げられるが、前記(A)の方法が好ましい。無機酸の水溶液を使用する場合、該水溶液における無機酸の含有量は、1〜30重量%が好ましく、より好ましくは2〜20重量%である。前記混合は、通常、常圧付近で実施されるが、必要に応じて加圧下で行ってもよい。前記混合は、連続式、半回分式、回分式のいずれにおいても行うことができる。
本発明においては、前記混合の後、フェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)を含む油層と水層とに分離する。該分離により、有機溶媒溶液としてフェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)の精製物を回収することができる。油水分離の際の温度は、クロロアニリン化合物(II)を効率的に除去できる点で、10〜100℃が好ましく、30〜90℃がより好ましく、50〜70℃がさらに好ましい。油水分離は、回分式で行う場合、通常、静置することで行うことができるが、必要に応じて、遠心分離により行ってもよい。
油水分離後に得られるフェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)を含む油層においては、油水分離後に水層を除去することにより、有機溶媒溶液としてフェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)の精製物を回収してもよいし、油水分離後に水層を除去した後、さらに晶析、濃縮、蒸留、クロマトグラフィー等の操作を施すことによりフェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)の精製物を回収してもよい。また、水層を除去した後に得られる油層に対して、水及び無機酸を混合後、油水分離を行い、次いで水層を除去する一連の処理をさらに1回以上繰り返してもよい。加えて、該一連の処理の前及び/又は後に水洗浄を行ってもよい。混合や水洗により不溶物が生じたときには、濾過して除去するのがよい。
分離された水層に回収可能な不純物としては、クロロアニリン化合物(II)等が挙げられる。分離された水層には、無機酸が含まれ得るが、該水層は、適宜精製して、水又は無機酸の水溶液として前記混合にリサイクルすることができる。さらに、該水層に微量のフェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)が含まれる場合には、該水層を水と分液可能な有機溶媒と混合し、油水分離することによりフェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)を含む油層を回収してもよい。回収された油層においては、該油層に必要に応じて晶析、濃縮、蒸留、クロマトグラフィー等の操作を施すことによりフェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物(I)を回収してもよいし、該油層を前記混合に付してもよい。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれによって限定されるものではない。尚、実施例中、2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチル〔式(I)中、Rがメトキシ基であり、Rがメチル基である化合物〕の含有量、クロロ−o−アニシジン〔式(II)中、Rがメトキシ基である化合物〕の面積百分率、o−メトキシフェニルヒドラジン〔式(III)中、Rがメトキシ基である化合物〕の含有量、o−アニシジン〔式(VI)中、Rがメトキシ基である化合物〕の含有量、及び塩化o−メトキシベンゼンジアゾニウム〔式(VII)中、Rがメトキシ基である化合物〕の含有量は、高速液体クロマトグラフィーにより分析し、算出した。
参考例1
[塩化o−メトキシベンゼンジアゾニウムの調製]
300mlフラスコに、o−アニシジン20.07g(0.16モル)と、水24.63gと、20重量%塩酸61.14g(0.34モル)とを入れて室温で攪拌し溶液とした。該溶液を攪拌しながら0℃に冷却し、40重量%亜硝酸ナトリウム水溶液29.20g(0.17モル)を、混合液の温度を0℃に保ちながら、1時間かけて滴下して、塩化o−メトキシベンゼンジアゾニウムを含む混合液(i)135.04gを得た。該混合液(i)を高速液体クロマトグラフィーにより分析したところ、混合液(i)中の塩化o−メトキシベンゼンジアゾニウムの含有量は20.60重量%であった。
[o−メトキシフェニルヒドラジンの調製]
1Lフラスコに、33重量%亜硫酸水素ナトリウム水溶液107.21g(0.34モル)と、塩化ナトリウム34.59g(0.59モル)と、水83.05gとを入れて室温で攪拌し溶液とした。該溶液を攪拌しながら、25重量%アンモニア水溶液を加え、pH6.0に調整し、混合液(A)を得た。得られた混合液(A)を攪拌しながら60℃に昇温し、25重量%アンモニア水溶液を加えてpH6.0に保ちながら、上記[塩化o−メトキシベンゼンジアゾニウムの調製]で得られた混合液(i)を、60℃で0.5時間かけて全量加えた。次いで、75℃に昇温し、75℃で1時間攪拌した後、5℃に冷却し、反応混合物(A)を得た。該反応混合物(A)を攪拌し5℃に保ちながら、35重量%塩酸84.60g(0.81モル)を2時間かけて滴下した。塩酸滴下終了後、25℃に昇温し、25℃で1時間攪拌し、反応混合物(B)を得た。得られた反応混合物(B)に、48重量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9.8に調整し、反応混合物(C)598.95gを得た。反応混合物(C)454.34gに、トルエン149.20gを加え、0.5時間攪拌した。攪拌後、0.2時間静置することで油水分離し、有機相として、o−メトキシフェニルヒドラジンのトルエン溶液160.64gを得た。この溶液を高速液体クロマトグラフィーにより分析したところ、溶液中のo−メトキシフェニルヒドラジンの含有量は11.19重量%であった。
[2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチルの粗製物の調製]
上記で得られたo−メトキシフェニルヒドラジンのトルエン溶液160.64g(o−メトキシフェニルヒドラジン含有量:0.13モル)に、水55.39g(3.07モル)と、25重量%水酸化ナトリウム水溶液20.85g(0.13モル)とを入れて、3℃で0.1時間攪拌した。攪拌後、得られた混合液を3℃に保ち攪拌しながら、クロロ炭酸メチル11.39g(0.12モル)を0.5時間かけて滴下し、さらに3℃で0.5時間攪拌後、65℃に昇温し、65℃で0.5時間攪拌した。攪拌後、攪拌を止め、65℃で0.2時間静置することで油水分離した後、得られた油層に水16.03gを加え、65℃で0.5時間攪拌した。攪拌後、攪拌を止め、65℃で0.2時間静置することで油水分離した後、得られた油層にトルエン101.62gを加え、65℃で0.5時間攪拌して、2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチルのトルエン溶液として粗製物(i)269.72gを得た。粗製物(i)を高速液体クロマトグラフィーにより分析したところ、粗製物(i)中の2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチルの含有量は7.83重量%であり、クロロ−o−アニシジンの面積百分率は4.56%であり、o−メトキシフェニルヒドラジンの含有量は0重量%であった。o−アニシジンに対する2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチルの収率は65.0%であった。
実施例1
粗製物(i)6.30g〔2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチル含有量:2.51ミリモル〕を65℃に保ちながら攪拌し、5重量%塩酸0.41g(0.56ミリモル)を加え、65℃で1分間攪拌した。攪拌後、65℃で1分間静置することで油水分離し、得られた油層を65℃に保ちながら攪拌し、水0.29gを加え、65℃で1分間攪拌した。攪拌後、65℃で1分間静置することで油水分離し、油層(A)6.18gを回収した。該油層(A)を高速液体クロマトグラフィーにより分析したところ、油層(A)中の2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチルの含有量は7.76重量%(2.44ミリモル)であり、クロロ−o−アニシジンの面積百分率は0.23%であった。得られた分析値から、下式により2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチル回収率及びクロロ−o−アニシジン除去率を計算し、表1に示した。
・2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチル回収率(%)=(回収された油層中の2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチルの含有量(ミリモル))/(粗製物中の2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチルの含有量(ミリモル))×100
・クロロ−o−アニシジン除去率(%)=100−〔(回収された油層中のクロロ−o−アニシジンの面積百分率(%))/(粗製物中のクロロ−o−アニシジンの面積百分率(%))×100〕
実施例2
粗製物(i)4.45g〔2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチル含有量:1.78ミリモル〕を65℃に保ちながら攪拌し、5重量%硫酸水溶液0.31g(0.16ミリモル)を加え、65℃で1分間攪拌した。攪拌後、65℃で1分間静置することで油水分離し、得られた油層を65℃に保ちながら攪拌し、水0.33gを加え、65℃で1分間攪拌した。攪拌後、65℃で1分間静置することで油水分離し、油層(B)4.25gを回収した。該油層(B)を高速液体クロマトグラフィーにより分析したところ、油層(B)中の2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチルの含有量は7.76重量%(1.68ミリモル)であり、クロロ−o−アニシジンの面積百分率は1.03%であった。得られた分析値から、実施例1と同様に2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチル回収率及びクロロ−o−アニシジン除去率を計算し、表1に示した。
比較例1
粗製物(i)4.49g〔2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチル含有量:1.79ミリモル〕を65℃に保ちながら攪拌し、水0.30gを加え、65℃で1分間攪拌した。攪拌後、65℃で1分間静置することで油水分離し、得られた油層を65℃に保ちながら攪拌し、水0.29gを加え、65℃で1分間攪拌した。攪拌後、65℃で1分間静置することで油水分離し、油層(C)4.34gを回収した。該油層(C)を高速液体クロマトグラフィーにより分析したところ、油層(C)中の2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチルの含有量は7.80重量%(1.73ミリモル)であり、クロロ−o−アニシジンの面積百分率は3.95%であった。得られた分析値から、実施例1と同様に2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチル回収率及びクロロ−o−アニシジン除去率を計算し、表1に示した。
比較例2
粗製物(i)4.50g〔2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチル含有量:1.80ミリモル〕を65℃に保ちながら攪拌し、5重量%酢酸水溶液0.39g(0.33ミリモル)を加え、65℃で1分間攪拌した。攪拌後、65℃で1分間静置することで油水分離し、得られた油層を65℃に保ちながら攪拌し、水0.30gを加え、65℃で1分間攪拌した。攪拌後、65℃で1分間静置することで油水分離し、油層(D)4.26gを回収した。該油層(D)を高速液体クロマトグラフィーにより分析したところ、油層(D)中の2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチルの含有量は7.73重量%(1.68ミリモル)であり、クロロ−o−アニシジンの面積百分率は2.13%であった。得られた分析値から、実施例1と同様に2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチル回収率及びクロロ−o−アニシジン除去率を計算し、表1に示した。
比較例3
粗製物(i)4.88g〔2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチル含有量:1.95ミリモル〕を65℃に保ちながら攪拌し、5重量%水酸化ナトリウム水溶液0.37g(0.46ミリモル)を加え、65℃で1分間攪拌した。攪拌後、65℃で1分間静置することで油水分離し、得られた油層を65℃に保ちながら攪拌し、水0.32gを加え、65℃で1分間攪拌した。攪拌後、65℃で1分間静置することで油水分離し、油層(E)4.67gを回収した。該油層(E)を高速液体クロマトグラフィーにより分析したところ、油層(E)中の2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチルの含有量は7.51重量%(1.79ミリモル)であり、クロロ−o−アニシジンの面積百分率は3.04%であった。得られた分析値から、実施例1と同様に2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチル回収率及びクロロ−o−アニシジン除去率を計算し、表1に示した。
比較例4
粗製物(i)5.16g〔2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチル含有量:2.06ミリモル〕を65℃に保ちながら攪拌し、5重量%水酸化カリウム水溶液0.37g(0.33ミリモル)を加え、65℃で1分間攪拌した。攪拌後、65℃で1分間静置することで油水分離し、得られた油層を65℃に保ちながら攪拌し、水0.32gを加え、65℃で1分間攪拌した。攪拌後、65℃で1分間静置することで油水分離し、油層(F)5.04gを回収した。該油層(F)を高速液体クロマトグラフィーにより分析したところ、油層(F)中の2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチルの含有量は7.34重量%(1.89ミリモル)であり、クロロ−o−アニシジンの面積百分率は3.02%であった。得られた分析値から、実施例1と同様に2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチル回収率及びクロロ−o−アニシジン除去率を計算し、表1に示した。
比較例5
粗製物(i)5.06g〔2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチル含有量:2.02ミリモル〕を65℃に保ちながら攪拌し、5重量%炭酸カリウム水溶液0.34g(0.12ミリモル)を加え、65℃で1分間攪拌した。攪拌後、65℃で1分間静置することで油水分離し、得られた油層を65℃に保ちながら攪拌し、水0.34gを加え、65℃で1分間攪拌した。攪拌後、65℃で1分間静置することで油水分離し、油層(G)5.06gを回収した。該油層(G)を高速液体クロマトグラフィーにより分析したところ、油層(G)中の2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチルの含有量は7.41重量%(1.91ミリモル)であり、クロロ−o−アニシジンの面積百分率は2.03%であった。得られた分析値から、実施例1と同様に2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチル回収率及びクロロ−o−アニシジン除去率を計算し、表1に示した。
Figure 2013166707
1)化合物(I):2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチル
2)化合物(II):クロロ−o−アニシジン
表1に示すとおり、実施例1〜2では、粗製物である2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチルの有機溶媒溶液を、無機酸及び水と混合することにより、高い回収率で2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチルを回収でき、すなわち、2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチルのロスを抑えることができ、かつ不純物であるクロロ−o−アニシジンを効率的に分離、除去できることがわかる。これに対して、粗製物である2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチルの有機溶媒溶液を水で処理した比較例1、及び、粗製物である2−(2−メトキシフェニル)ヒドラジン−1−カルボン酸メチルの有機溶媒溶液と、有機酸又は塩基と、水とを混合した比較例2〜5では、クロロ−o−アニシジンの除去率が低いことがわかる。

Claims (6)

  1. 式(II)
    Figure 2013166707
    (式中、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基又はカルボキシアルキル基を表す。)
    で示される化合物を含有する式(I)
    Figure 2013166707
    (式中、Rは前記と同じ意味を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
    で示されるフェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物の粗製物を、無機酸の存在下に水及び水と分液可能な有機溶媒と混合した後、式(I)で示されるフェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物を含む油層と水層とに分離することを特徴とする式(I)で示されるフェニルヒドラジン−β−カルボキシレート化合物の精製方法。
  2. 前記粗製物が、式(VI)
    Figure 2013166707
    (式中、Rは前記と同じ意味を表す。)
    で示される化合物を塩化水素の存在下にジアゾ化剤と反応させて得られた式(VII)
    Figure 2013166707
    (式中、Rは前記と同じ意味を表す。)
    で示されるジアゾニウム塩を、水の存在下に亜硫酸塩及び亜硫酸水素塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と反応させた後、酸との接触処理に付し、得られた式(III)
    Figure 2013166707
    (式中、Rは、前記と同じ意味を表す。)
    で示されるフェニルヒドラジン化合物と、式(IV)
    Figure 2013166707
    (式中、Rは、前記と同じ意味を表し、Yは、ハロゲン原子を表す。)
    で示されるハロゲン化炭酸アルキル又は式(V)
    Figure 2013166707
    (式中、Rは、前記と同じ意味を表す。)
    で示されるジアルキルジカーボネートとを反応させて得られるものである請求項1に記載の精製方法。
  3. 前記混合を30〜90℃で行う請求項1又は2に記載の精製方法。
  4. 前記無機酸が塩化水素又は硫酸である請求項1〜3のいずれかに記載の精製方法。
  5. 式(I)、(II)及び(III)、(VI)及び(VII)におけるRがアルコキシ基である請求項1〜4のいずれかに記載の精製方法。
  6. 式(I)、(IV)及び(V)におけるRがメチル基である請求項1〜5のいずれかに記載の精製方法。
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