JP2013147690A - フッ化物サーメット複合皮膜被覆部材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性基材と、その表面に被覆形成された非導電性の多孔質フッ化物溶射皮膜に対し、該溶射皮膜中の貫通気孔部をニッケルめっき金属によって充填封孔した構造を有するフッ化物系サーメット複合皮膜と、からなるフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材。
【選択図】図1
Description
(1)特許文献4〜6には、耐食性を有するシリコーン、エチルシリケートなどの珪素化合物、合成樹脂などの有機高分子材料を用いて封孔する方法が開示されている。
(2)特許文献7、8には、金属アルコキシドや金属酸化物粒子などの非金属化合物を含む電解液中に溶射皮膜を浸漬したのちこれを電解し、電気泳動法の原理を利用して皮膜の表面や気孔中に溶質成分や酸化物粒子を充填した後、これを加熱焼成する方法が開示されている。
(3)特許文献9には、可視光線によって硬化する有機高分子剤を溶射皮膜の表面に塗布し、気孔内を充填して封孔するとともに、自然光によって硬化させる技術が開示されている。
(4)発明者らの提案に係る特許文献10には、溶射皮膜の表面を電子ビームまたはレーザビームなどの高エネルギーを照射した後、その表面に炭素と水素を主成分とするアモルファス状膜を被覆形成させる方法が開示されている。
(5)さらに、特許文献11には、溶射皮膜の表面に対して、電子ビームまたはレーザビームなどの高エネルギー照射を行なって、表面近傍の溶射粒子を溶融させて気孔を熱的に消滅させる技術が開示されている。
(1)溶射法によって形成されたYF3、EuF3などのフッ化物溶射皮膜をはじめ、Ni、Ni−Cr合金などの溶射皮膜は、ハロゲンガスによるプラズマエッチング環境においては比較的良好な耐久性を示す。しかし、溶射皮膜には共通の欠点として貫通気孔の存在がある。このため、プラズマエッチング加工のようなドライプロセスでは問題となることの少ない貫通気孔が、ウエットプロセスでは、致命的な欠点となることが少なくない。
(1)前記導電性基材とフッ化物系サーメット複合皮膜との間に、導電性の金属・合金のアンダーコートを介在させてなること、
(2)前記非導電性フッ化物溶射皮膜は、Yおよび元素の周期律表の原子番号57〜71のランタノイド系金属元素のフッ化物であること、
(3)前記導電性基材は、金属または非導電性基材の表面に導電性金属膜を被覆したもののいずれかであること、
(4)前記導電性基材の表面に施工するアンダーコートは、Al、Al−Zn、Ni、Ni−Al、Ni−CrおよびNi−Cr−Alから選ばれるいずれか1種以上の金属・合金を用いること、
(5)前記非導電性フッ化物溶射皮膜およびサーメット複合皮膜の厚さは、30〜500μm、前記アンダーコートの厚さは10〜150μmであること、
(6)前記非導電性フッ化物溶射皮膜は、貫通気孔と開気孔を含む0.2〜20vol%の気孔率を有する皮膜であること、
(7)前記非導電性フッ化物溶射皮膜は、大気プラズマ溶射法、減圧プラズマ溶射法、高速フレーム溶射法から選ばれるいずれかの溶射法によって被覆形成されること、
(8)前記アンダーコートは、アーク溶射法、フレーム溶射法、高速フレーム溶射法およびプラズマ溶射法から選ばれるいずれかの溶射法によって被覆形成されること、
がより好ましい解決手段になると考えられる。
(1)導電性基材の表面を覆うように形成した非導電性フッ化物溶射皮膜に対して、電気ニッケルめっき処理を行なうので、溶射皮膜の貫通気孔部のみにめっき液から析出したニッケルめっき金属が充填封孔されることになるから、フッ化物溶射皮膜がサーメット化(複合化)すると同時に、皮膜の封孔、膜表面の緻密化が図られ、洗浄水などの皮膜内部への浸入を防ぐことができるようになると共に、洗浄水による基材の腐食と、それに伴う皮膜の剥離を防ぐことができるようになる。
(1)基材の選定
本発明で使用可能な基材は、導電性(電気伝導性)を有する金属材料である。例えば、Alおよびその合金、Tiおよびその合金、ステンレス鋼を含む各種の合金鋼、炭素鋼、ニッケルおよびその合金などが好適である。鋼材の表面に、ニッケルのめっき膜を形成した基材でもよい。ガラス、石英、プラスチック、セラミック焼結体のように、電気不良導体の基材に対しては、前処理を施した後に無電解めっきやCVD、PVDなどによって、導電性を付与するための金属の薄膜を被覆形成して、基材の表面のみを電気伝導体としたものについても、本発明の基材として使用することができる。
前記導電性基材表面に、非導電性のフッ化物溶射皮膜を形成するに先立って、JIS H 9302に規定されているセラミック溶射作業標準に準拠して実施することが好ましい。例えば、基材表面のさびや油脂類などを除去した後、Al2O3、SiCなどの研削粒子を吹付けて粗面化し、その表面に直接または金属質の導電性アンダーコートを施工した後に、それらの上に非導電性のフッ化物溶射皮膜を形成する。
本発明において用いられるフッ化物溶射皮膜形成用溶射材料としては、非導電性で耐ハロゲン性にも優れていることが必要である。この両者の性質を有するフッ化物としては、元素の周期律表IIIaのY、原子番号57〜71に属するランタノイド系元素のフッ化物の粒子が用いられる。即ち、原子番号57〜71の金属元素としては、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジズプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)などがある。
フッ化物共通の物理化学的性質として次のようなものがある。即ち、このフッ化物溶射皮膜は、金属皮膜やセラミック皮膜と比較すると、ハロゲン系ガスに対する化学的安定性を有するが、表面エネルギーが小さいために皮膜を構成するフッ化物粒子の相互結合力および基材の密着強さが弱いという問題がある。また、この皮膜は、溶射熱源中で分解(酸化)、蒸気化(気化)、溶融、軟化などの諸現象が極めて短時間(1/500〜1/1000秒)のうちに進行することから、多孔質(面積率0.2〜20%)で、皮膜中には大きな残留応力が発生するため、基材が僅かに変形しただけでも、皮膜が剥離することが多い。加えて、フッ化物自体は延性に乏しいため、皮膜が容易に“ひび割れ”し、前記成膜時に発生する気孔部とともに、酸やアルカリ洗浄液などの内部浸入を招き、このことが基材の腐食原因となりやすい。従って、フッ化物そのものの耐食性は良好であるものの、その性質を有効に利用できないという問題もある。
本発明において、この電気ニッケルめっき処理は極めて重要である。この処理によって、前記非導電性で多孔質なフッ化物溶射皮膜が、多孔質フッ化物溶射皮膜の開気孔中に、ニッケルめっき金属充填された状態のフッ化物系サーメット複合皮膜に変化させることができると同時に、該皮膜気孔部の封孔による緻密な皮膜にすることができる。なお、サーメット化の程度は、フッ化物溶射皮膜中の気孔率(0.2〜3.0、好ましくは5〜20%)にする。
(1)非導電性のフッ化物溶射皮膜は、貫通気孔と開気孔を含む気孔率が、0.2〜20vol%、好ましくは5〜20vol%の皮膜である。それは、0.2vol%未満の皮膜は溶射法では形成が困難であり、一方、20vol%を超えるとフッ化物溶射皮膜としての性能が十分発揮できないからである。
(2)前記導電性基材と非導電性フッ化物溶射皮膜、すなわちサーメット複合皮膜との間に、必要に応じて導電性金属のアンダーコートを設ける。これは、フッ化物溶射皮膜と基材との密着性を向上させる上で有効である。基材の表面に形成されるアンダーコートは、10〜150μmの厚さにすることが好ましい。
(3)上記アンダーコートとしては、Al、Al−Zn、Ni、Ni−Al、Ni−CrおよびNi−Cr−Alなどから選ばれるいずれか1種以上の金属(合金)を用いることが好ましい。
この実施例は、SS400鋼試験片(寸法:幅20mm×長さ30mm×厚さ3.2mm)の表面に直接、YF3、CeF4およびEuF3の皮膜を大気プラズマ溶射法よって膜厚:120μmに形成したものを基本のフッ化物溶射皮膜とし、これに電気ニッケルめっきを施したものである。また、市販の無機珪素質封孔剤を皮膜表面に塗布したものを変動因子として、JIS H8666セラミック溶射皮膜の試験方法に規定されているフェロキシル試験方法によって、皮膜の貫通気孔の有無とその程度を調査した。
このフェロキシル試験としては、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム10gおよび塩化ナトリウム15gを1リットルの蒸留水に溶解し、これを分析用ろ紙に十分含浸させ、その後、このろ紙を試験片表面に貼付し、30分間静置した後、ろ紙を剥がして、ろ紙面での青色斑点の有無を目視判定する方法によった。この方法によれば、アモルファス状膜に貫通気孔が存在するとフェロキシル試験液が浸透し、鉄基材界面に達して鉄イオンを生成させ、これにヘキサシアノ(III)酸カリウム塩が反応して、ろ紙の表面に青色斑点を生成することによって判定することができる。
試験結果を表2に示す。この結果から明らかなように、SS400鋼基材に直接、フッ化物溶射皮膜を形成したものは(No.2、5、8)、多数の青色斑点を生成し、極めて多孔質な皮膜状態にあることが認められる。これらのフッ化物溶射皮膜に対して、従来技術に属する市販の無機珪素化合物系の封孔剤を塗布した皮膜(No.3、6、9)では、前者に比較して青色斑点の発生数は、半減するものの完全な封孔効果は得られていない。
これに対して、フッ化物溶射皮膜の表面にニッケルめっき処理したサーメット複合皮膜(No.1、4、7)については、ほとんど青色斑点の発生はなく、皮膜の貫通気孔部がめっき液から析出したニッケルによって充填され、フェロキシソレ試験液の浸入を防いでいることが明かとなった。
この実施例では、SS400鋼の試験片(幅20mm×長さ30mm×厚さ5mm)の表面に直接、大気プラズマ溶射法によって、YF3、DyF3およびCeF4をそれぞれ膜厚:100μmの厚さの皮膜を形成した後、その皮膜の二次処理として電気ニッケルめっきを施し、市販の無機珪素質封孔剤を塗布したものについて、ハロゲン蒸気中における耐食性を調査した。
(a)HCl蒸気による腐食試験は、化学実験用のデーシケーターの低部に30%HCl水溶液を100ml入れ、その上部に試験片を吊るすことによってHCl水溶液から発生するHCl蒸気に暴露する方法を採用した。腐食試験温度は30℃〜50℃、時間は96hrである。
(b)HF蒸気による腐食試験は、SUS316製のオートクレーブの底部にHF水溶液を100ml入れ、その上部に試験片を吊すことによってHF蒸気による腐食試験を実施した。腐食試験温度は30℃〜50℃、曝露時間は96hrである。
表3は、上記腐食試験結果を示したものである。この結果から明らかなように、SS400基材の表面に直接YF3、DyF3およびCeF4皮膜を形成した状態の皮膜(No.2、5、8)は、全面にわたって赤錆が発生した。即ち、大気プラズマ溶射法によって形成したフッ化物溶射皮膜には、HCl、HFなどのハロゲン系の酸蒸気によって基材が容易に腐食し、基材を防食する作用に乏しいことが明らかである。このような皮膜の表面を市版の封孔剤を用いて封孔処理(No.3、6、9)しても、完全な封孔は認められず、いずれの皮膜にも赤錆の発生は認められず。特に、HF蒸気に対しては実用上の機能を消失するほどの赤錆の発生が見られた。
一方、フッ化物溶射皮膜に電気めっき処理を施工したサーメット複合皮膜(No.1、4、7)については、赤錆の発生は認められず、健全な耐食性を発揮することが確認された。この結果は、フッ化物溶射皮膜の存在する貫通気孔部が電気ニッケルめっき金属によって充填され、ほぼ完全な封孔状態を形成していることに起因しているものと考えられる。
この実施例では、本発明に係るフッ化物系サーメット複合皮膜の耐プラズマエロージョン性を調査した。基材として、JIS H4000規定の3003合金(寸法:50mm×50mm×5mm厚さ)を用いて、その表面に大気プラズマ溶射法、減圧プラズマ溶射法を用いて、YF3を80μmの厚さを被覆形成した。YF3溶射皮膜の形成に当たっては、アンダーコートとしてNi−20mass%Cr合金を80μmの厚さに施工したものも準備した。このように形成したYF3溶射皮膜を実施例2と同じ条件の電気ニッケルめっき処理を実施してサーメット複合皮膜を得た。また、比較例の皮膜としてB4Cの溶射皮膜も同条件で耐プラズマエロージョン性を調べた。
(100)/Ar(1000)/O2(10)の混合ガスとCF4を1分間当たり1cm3の流量で流した。
(2)プラズマ照射条件
高周波電力:1300W、圧力:133.3Pa
(3)照射方法と照射時間
プラズマエロージョン試験は、前記フッ化物溶射皮膜面が10mm×10mmの大きさの範囲が露出するように、他の部分をマスクし、20時間連続してプラズマ照射した後、エローション損傷量を減肉厚として、触針式粗さ計にて測定して評価した。
試験結果を表4に示す。この結果から明らかなように、比較例のB4C溶射皮膜(No.5)はニッケルめっきを施してもエロージョン損傷量が14μmと大きく、耐プラズマエロージョン性に乏しいことが見られる。これに対し、YF3溶射皮膜は、成膜の状態(No.2、4)でもBC皮膜に比較すると耐プラズマエロージョン性が向上しているが、その効果は低い。しかし、YF3溶射皮膜を電気ニッケルめっき処理してニッケルを充填し封孔してなるサーメット状態の皮膜だとエロージョン損失量が激減して、損失量は1μmにとどまり、優れた耐プラズエロージョン性が確認された。この実施例の結果は、大気プラズマ溶射法と減圧プラズマ溶射法で形成されたYF3系サーメット複合皮膜は、両者とも同等の損傷量であり、また、アンダーコートの存在の有無に拘わらず、優れた耐プラズマエロージョン性を発揮することが判明した。
この実施例では、ランタノイド系金属のフッ化物溶射皮膜にニッケルめっき処理を行った後、アルカリ浸漬試験と活性化されたハロゲンガス中におけるフッ化物溶射皮膜の耐食性を調査した。
基材としては、Al合金(A13003)(寸法:50mm×50mm×5mm)とSUS410鋼(寸法:30mm×20mm×3.2mm)を用い、下記ランタノイド系金属のフッ化物溶射皮膜を大気プラズマ溶射法によって、基材表面に直接110μmのフッ化物溶射皮膜を形成した。
皮膜材料:ScF3、EuF3、YF3、ErF3
なお、比較例の溶射皮膜として、Y2O3、A12O3大気プラズマ溶射皮膜を同条件で試験した。
また成膜後のフッ化物溶射皮膜は、表1記載のワット浴により、45℃、lA/dm2の条件で実施した。
(i)アルカリ浸漬試験
Al合金基材に形成した、供試皮膜を5%NaOH水溶液中に40℃の条件で1時間浸漬し、皮膜の表面から発生する水素ガス気泡の有無を目視観察することによって、フッ化物溶射皮膜の緻密性を調査した。この試験では、基材の露出部は耐薬品塗料を塗り、NaOH水溶液は皮膜表面から内部へ浸入するように準備した。もし、皮膜の気孔からNaOH水溶液が内部に浸入すると、基材(Al合金)と反応して水素ガスを発生するため、該皮膜の封孔の可否を判断できるからである。
Al+NaOH+H2O → NaAlO2+3/2H2
また、耐プラズマエロージョン試験は、実施例3の場合と同じ条件で評価した。
腐食試験装置の構成概略を図5を示す。この試験では、電気炉52の中心部に設けられたステンレス鋼管53内部(詳細には試験片設置台56の上)に試験片51を静置した後、腐食性のガス54をステンレス鋼管53の左側から流すこのことにより行なった。なお、ステンレス鋼管53途中に設けた石英放電管55に対し、出力600Wのマイクロ波を負荷させ、腐食性ガスの活性化を促すようにしている。
試験結果を表5に示した。この結果から次に示すような供試皮膜の耐食性がわかる。
(i)アルカリ浸漬試験結果:フッ化物溶射皮膜および酸化物皮膜とも、フッ化物溶射皮膜特有の貫通気孔が存在しているため、5%NaOH液中に浸漬すると、3〜5分経過後から微細な水素気泡が発生しはじめた。これらの水素ガスの発生は、時間の経過に伴って次第に多くなり、皮膜自体が耐アルカリ性に優れていても、皮膜の貫通気孔から浸入するNaOHによって、基材が腐食され、耐久性に乏しいことが判明した。
(ii)活性ハロゲンガス腐食試験結束:比較例の電気ニッケルめっき処理を施さない皮膜(No.2、4、6、8、9、10)では、フッ化物溶射皮膜、酸化物皮膜とも、皮嘆表面に赤錆の発生が認められた。この赤錆は、それぞれの皮膜の気孔部から浸入したハロゲンガスが基材を腐食した結果、その腐食生成物が皮膜表面にまで成長したものと思われる。
22 フッ化物溶射皮膜
23 Ni陽極
24 直流電源
51 供試皮膜試験片
52 電気炉
53 ステンレス鋼管
54 腐食性のガス
55 石英放電管
56 試験片設置台
Claims (13)
- 導電性基材と、
その表面に被覆形成された非導電性の多孔質フッ化物溶射皮膜に対し、該溶射皮膜中の貫通気孔部をニッケルめっき金属によって充填封孔した構造を有するフッ化物系サーメット複合皮膜と、
からなることを特徴とするフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材。 - 前記導電性基材とフッ化物系サーメット複合皮膜との間に、導電性の金属・合金のアンダーコートを介在させてなることを特徴とする請求項1に記載のフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材。
- 前記非導電性の多孔質フッ化物溶射皮膜は、Yおよび元素の周期律表の原子番号57〜71のランタノイド系金属元素のフッ化物であることを特徴とする請求項1または2に記載のフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材。
- 前記導電性基材は、金属または非導電性基材の表面に導電性金属膜を被覆したもののいずれかであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材。
- 前記導電性基材の表面に施工するアンダーコートは、Al、Al−Zn、Ni、Ni−Al、Ni−CrおよびNi−Cr−Alから選ばれるいずれか1種以上の金属・合金を用いることを特徴とする請求項11〜4のいずれか1に記載のフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材。
- 前記非導電性フッ化物溶射皮膜およびサーメット複合皮膜の厚さは、30〜500μm、前記アンダーコートの厚さは10〜150μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載のフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材。
- 導電性基材の表面に、非導電性のフッ化物溶射皮膜を被覆形成し、次いで、その多孔質なフッ化物溶射皮膜を被覆した基材を電気ニッケルめっき液中に浸漬し、該非導電性フッ化物溶射皮膜の開気孔部その他の開気孔から該皮膜内部の気孔中に浸入させた電気ニッケルめっき液からニッケルめっき金属を析出させ、そのニッケルめっき金属をフッ化物溶射皮膜の気孔や隙間中に充填して封孔することによって、該多孔質非導電性フッ化物溶射皮膜を、フッ化物系サーメット複合皮膜に変化させることを特徴とするフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材の製造方法。
- 前記非導電性フッ化物溶射皮膜は、貫通気孔と開気孔を含む0.2〜20vol%の気孔率を有する皮膜であることを特徴とする請求項7に記載のフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材の製造方法。
- 前記導電性基材とフッ化物サーメット複合皮膜との間に、導電性の金属・合金のアンダーコートを介在させてなることを特徴とする請求項7または8に記載のフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材の製造方法。
- 前記非導電性フッ化物溶射皮膜は、Yおよび元素の周期律表の原子番号57〜71のランタノイド系金属元素のフッ化物を溶射して形成したものであることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1に記載のフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材の製造方法。
- 前記導電性基材は、金属または非導電性基材の表面に導電性金属膜を被覆したもののいずれかであることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1に記載のフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材の製造方法。
- 前記導電性基材の表面に施工するアンダーコートは、Al、Al−Zn、Ni、Ni−Al、Ni−CrおよびNi−Cr−Alから選ばれるいずれか1種以上の金属・合金を用いることを特徴とする請求項7〜11のいずれか1に記載のフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材の製造方法。
- 前記非導電性フッ化物溶射皮膜およびサーメット複合皮膜の厚さは、30〜500μm、前記アンダーコートの厚さは10〜150μmであることを特徴とする請求項7〜12のいずれか1に記載のフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材の製造方法。
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