JP2013147690A - フッ化物サーメット複合皮膜被覆部材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】貫通気孔に起因するフッ化物溶射皮膜の耐食性低下を防ぐことができると共に、該フッ化物溶射皮膜の耐ハロゲン性を向上させて耐久性(寿命)を向上させることにある。
【解決手段】導電性基材と、その表面に被覆形成された非導電性の多孔質フッ化物溶射皮膜に対し、該溶射皮膜中の貫通気孔部をニッケルめっき金属によって充填封孔した構造を有するフッ化物系サーメット複合皮膜と、からなるフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材。
【選択図】図1

Description

本発明は、フッ化物サーメット複合皮膜被覆部材およびその製造方法に関し、特に、非導電性のフッ化物溶射皮膜の貫通気孔部中にニッケルめっき金属を充填することによって得られる耐ハロゲン腐食性や耐プラズマエロージョン性に優れるフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材およびその製造方法を提案する。
溶射法は、ArやHなどのガスプラズマ炎または炭化水素の燃焼炎などを用いて、金属(以下、合金を含めて金属と言う)やセラミックス、サーメットなどの粒子を、軟化もしくは溶融した状態にして被処理対象物(基材)の表面に吹付け、これらを堆積させて皮膜状にする表面処理技術の1つである。この技術は、熱によって軟化したり溶融する材料であれば、ガラスやプラスチックをはじめ、融点の高いタングステン(融点3,387℃)、タンタル(融点2,996℃)などの金属はもとより、Al(融点2,015℃)、MgO(融点2,800℃)などの酸化物系セラミックスでも成膜することが可能であり、皮膜材料種の選択自由度が非常に大きいという利点がある。このため、溶射皮膜の特性を利用した用途が、多くの産業分野に拡大している。
また、溶射装置や溶射ガンなどについても、これらの良し悪しが溶射皮膜の品質に大きく影響することから、品質の向上や生産性の向上と共に、さらなる改善や開発が精力的に行なわれている。例えば、特許文献1では、大気中で溶射された金属皮膜の粒子は酸化物を多量に含むため皮膜を構成する粒子間の相互結合力や基材との密着力低下原因となるとして、空気を排除した50hPa〜200hPaの低圧アルゴンガス雰囲気下でプラズマ溶射(減圧プラズマ溶射)する方法やその装置を提案している。
また、特許文献2では、炭化物サーメット粒子のように、高温の熱源中において炭化物が分解したり酸化する現象を最少限に止めると共に熱源の運動エネルギーを最大限に利用して炭化物粒子の飛行速度を上げ、その粒子の被爆時間(温度)を極限まで短縮する高速フレーム溶射法を提案している。
このように従来、溶射皮膜の品質や溶射装置については十分に検討されてきたが、溶射皮膜の成膜プロセスについての検討は未だ不十分である。例えば、溶射熱源中に投入された溶射粒子群には完全に溶融するものがある一方で、未溶融状態のままのものもあり、こうした粒子は基材表面に堆積した際、相互の融着が不完全ないしは不均等になることから、空隙(気孔)が不可避に発生し、これが皮膜の気孔となって顕在化する問題がある。
例えば、特許文献3によれば、減圧プラズマ溶射法で形成されたAlやYの溶射皮膜は、0.2〜7%程度の気孔が存在していることが明らかにされている。即ち、これらの気孔の大部分は、貫通気孔(皮膜の外部から基材の表面まで続いている気孔)として存在しているため、使用環境の中では腐食性のガスや流体の浸入通路を提供することとなって、基材表面の腐食が進行し、該皮膜と基材との接合力の低下を招いて剥離する原因となる。
このように、溶射皮膜というのは、気孔が不可避に存在することから成膜後に封孔処理を施すことが奨励されている。例えば、JIS H 9302セラミック溶射作業標準では、セラミック溶射皮膜を形成した後、その表面に無機系あるいは有機高分子系の封孔剤を塗布したり噴霧して、気孔内部に充填する方法が記載されている。
また、溶射皮膜の気孔を封孔するための方法および封孔剤としては、次のような提案がある。
(1)特許文献4〜6には、耐食性を有するシリコーン、エチルシリケートなどの珪素化合物、合成樹脂などの有機高分子材料を用いて封孔する方法が開示されている。
(2)特許文献7、8には、金属アルコキシドや金属酸化物粒子などの非金属化合物を含む電解液中に溶射皮膜を浸漬したのちこれを電解し、電気泳動法の原理を利用して皮膜の表面や気孔中に溶質成分や酸化物粒子を充填した後、これを加熱焼成する方法が開示されている。
(3)特許文献9には、可視光線によって硬化する有機高分子剤を溶射皮膜の表面に塗布し、気孔内を充填して封孔するとともに、自然光によって硬化させる技術が開示されている。
(4)発明者らの提案に係る特許文献10には、溶射皮膜の表面を電子ビームまたはレーザビームなどの高エネルギーを照射した後、その表面に炭素と水素を主成分とするアモルファス状膜を被覆形成させる方法が開示されている。
(5)さらに、特許文献11には、溶射皮膜の表面に対して、電子ビームまたはレーザビームなどの高エネルギー照射を行なって、表面近傍の溶射粒子を溶融させて気孔を熱的に消滅させる技術が開示されている。
前述のような皮膜の特性と技術的背景を有する溶射皮膜について、これを半導体加工装置用部材などの耐食性被覆として適用するために、従来、次のような表面処理技術も提案されている。
即ち、半導体加工および液晶製造プロセスに使用されるドライエッチャー、CVD、PVDなどの加工装置類では、シリコンやガラスなどの基板回路の高集積化に伴う微細加工とその精度向上の必要性から、加工環境として一段と高い清浄性が求められるようになってきた。その一方で、微細加工用の各種プロセスについては、フッ化物、塩化物をはじめとする腐食性の強い有害ガスあるいは水溶液を用いている。従って、これらのプロセスに配設されている部材類は腐食損耗速度が速く、その結果として、腐食生成物の発生とその飛散による二次的な環境汚染が懸念されている。
半導体ディバイスは、その素材が、SiやGa、As、Pなどから成る化合物半導体を主体としたものであり、その製造工程の多くは、真空もしくは減圧中で処理されるいわゆるドライプロセスに属し、これらの環境中において、各種の成膜、不純物の注入、エッチング、アッシング、洗浄などの処理が繰返し施されている。このようなドライプロセスに属する装置としては、酸化炉、CVD装置、PVD装置、エピタキシャル成長装置、イオン注入装置、拡散炉、反応性イオンエッチング装置およびこれらの装置に付属している配管、給排気ファン、真空ポンプ、バルブ類などの部材、部品がある。また、これらの装置類では、次に示すような腐食性の強い薬剤およびガスの使用が知られている。基本的には、BF、PF、PF、NF、WF、HFなどのフッ化物、BCl、PCl、PCl、POCl、AsCl、SnCl、TiCl、SiHCl、SiCl、HCl、Clなどの塩化物、HBrなどの臭化物、NH、ClFなどの使用も散見されている。
上述したハロゲン化物を用いるドライプロセスでは、反応の活性化と加工精度の向上のため、しばしばプラズマ(低温プラズマ)が用いられる。プラズマ使用環境中では、各種のハロゲン化物は腐食性の強い原子状またはイオン化したF、Cl、Br、Iとなって半導体素材の微細加工に大きな効果を発揮している。その一方で、プラズマ処理(特にプラズマエッチング処理)された半導体素材の表面からは、エッチング処理によって削りとられた微細なSiO、Si、Si、Wなどのパーティクルが環境中に浮遊し、これらが加工中あるいは加工後のディバイスの表面に付着してその品質を著しく低下させるという問題がある。
これらの対策の一つとしては、従来、アルミニウム陽極酸化物(アルマイト)による表面処理がある。その他、Al、Al・TiO、Yなどの酸化物をはじめ、周期律表IIIa族金属の酸化物を溶射法、蒸着法(CVD法、PVD法)などによって、装置用部材の表面を被覆したり、また、焼結材として利用する技術がある(特許文献12〜16)。
さらに最近では、YやY−Alの溶射皮膜表面を、レーザビームや電子ビームを照射して該溶射皮膜の表面を再溶融することによって、耐プラズマエロージョン性を向上させる技術も開示されている(特許文献17〜20)。
例えば、昨今の高性能半導体加工の製造環境の清浄化度を極限まで高める手段として、従来のY皮膜の耐プラズマエロージョン性能を凌駕する材料としてYF(フッ化イットリウム)を成膜状態で適用する方法が提案されている。具体的には、YAGなどの焼結体や周期律表IIIa族元素の酸化物の表面にYF膜を被覆したり(特許文献21、22)、YやYb、YFなどの混合物を成膜材料とした方法(特許文献23、24)、YFを成膜材料として溶射法によって被覆形成する方法が(特許文献25、26)に見られる。
特開平1−139749号公報 特開平9−67661号公報 特開2001−164354号公報 特開昭54−32422号公報 特開昭57−70275号公報 特開昭64−62453号公報 特開昭62−260096号公報 特開平7−41927号公報 特開平5−106014号公報 特開平7−321194号公報 特開平10−306363号公報 特公平6−36583号公報 特開平9−69554号公報 特開2001−164354号公報 特開平11−80925号公報 特開2007−107100号公報 特開2005−256093号公報 特開2005−256098号公報 特開2006−118053号公報 特開2007−217779号公報 特開2002−293630号公報 特開2002−252209号公報 特開2008−98660号公報 特開2005−243988号公報 特開2004−197181号公報 特開2002―037683号公報
本発明では特に、フッ物溶射皮膜について従来技術が抱えている次のような技術的課題を解決することを目指している。
(1)溶射法によって形成されたYF、EuFなどのフッ化物溶射皮膜をはじめ、Ni、Ni−Cr合金などの溶射皮膜は、ハロゲンガスによるプラズマエッチング環境においては比較的良好な耐久性を示す。しかし、溶射皮膜には共通の欠点として貫通気孔の存在がある。このため、プラズマエッチング加工のようなドライプロセスでは問題となることの少ない貫通気孔が、ウエットプロセスでは、致命的な欠点となることが少なくない。
(2)前記貫通孔が存在すると、例えば、次のような問題がある。即ち、半導体加工装置では、プラズマエッチング加工などのドライプロセス専用であっても、加工の進展に伴なって、エッチングによって削り出された微細なパーティクルが装置内に集積して、これが原因となって高品質の半導体加工製品の生産が困難となってくる。このため、装置はしばしば酸、アルカリ、純水などを用いて洗浄する必要がある。このような装置の洗浄作業時において、これらの水溶液が、皮膜表面の貫通気孔を通って内部へ浸入し、基材および皮膜のアンダーコートを化学的に腐食させ、被覆部材の耐久性が劣るという欠点がある。
(3)前記溶射皮膜の欠点を改善するための技術として、酸化物セラミック溶射皮膜の表面に対して電子ビームやレーザービームなどの高エネルギーを照射し、溶射皮膜を構成している溶射粒子どうしを互いに溶融し、融合させることにより、貫通気孔を消滅させる方法が知られている。しかし、高エネルギー照射による溶射皮膜の再溶融技術をフッ化物溶射皮膜に適用すると、高エネルギー照射面において、溶射粒子の再溶融後の冷却過程における体積の収縮現象によって、該皮膜表面に“ひび割れ”を発生することになる。そして、この“ひび割れ”が新しい貫通気孔の役割を果すことになるため、ウェットプロセスやドライプロセスの場合にも実施される洗浄作業用薬液・洗浄水の皮膜内部への浸入を防げないという問題が生じる。
(4)YFやAlF、MgFなどのフッ化物の粒子を溶射する方法では、ガスプラズマや化石燃料の燃焼フレームなどが熱源中において分解して、Fガスやフッ化物ガスを発生するため、溶射皮膜に多くの貫通気孔が生じ、腐食成分の内部浸入を防げないという問題がある。
(2)Yなどのセラミック溶射皮膜を形成した後、その皮膜表面をフッ化処理することによって、Y粒子の表面にYFなどの薄膜を生成させる方法では、溶射皮膜の貫通気孔が成膜時の状態で残存する。その結果、耐ハロゲン腐食性は向上するものの、洗浄水などの内部への浸入が容易になるため、皮膜内部における腐食の発生とそれに起因する溶射皮膜の早期剥離現象によって使用寿命が短いという問題がある。
本発明の目的は、従来技術、とくにYFなどのフッ化物溶射皮膜が抱えている前述の課題を解決することにある。即ち、貫通気孔に起因するフッ化物溶射皮膜の耐食性低下を防ぐことができると共に、該フッ化物溶射皮膜の耐ハロゲン性を向上させて耐久性(寿命)を向上させることにある。
そのために、本発明では、要約して述べると、導電性基材の表面に非導電性のフッ化物溶射皮膜を、そのフッ化物溶射皮膜内にある貫通気孔中に耐ハロゲン腐食性と耐プラズマエロージョン性に優れるニッケル(Ni)を電気めっき法によって充填し封孔することによって、フッ化物とニッケルとからなるサーメット複合皮膜に転換させる方法を提案する。
即ち、本発明は、導電性金属(合金)などからなる基材の表面に、非導電性のフッ化物を溶射法によって形成し、その後、得られる多孔質なフッ化物の溶射皮膜を電気ニッケルめっき液中に浸漬して該多孔質フッ化物溶射皮膜を被覆した基材を陰極として通電する電気めっきを行なう。このめっき処理によって、該フッ化物溶射皮膜はこの皮膜中の貫通気孔部から皮膜内部へ浸入しためっき液から基材の表面にニッケルめっき金属が析出しはじめ、時間の経過に伴なって、当初、基材表面に析出したニッケルが、皮膜の貫通気孔部を選択的に選び乍ら、皮膜の表面側に向かって成長し、最終的にはフッ化物溶射皮膜の全貫通気孔部が、基材側から成長するニッケルめっき金属によって充填されたものになることによって、多孔質なフッ化物溶射皮膜は緻密なフッ化物サーメット複合皮膜に変化する。本発明は正に、このような現象を利用して開発した技術である。
前述の現象を利用するには、(1)基材が導電性であること、(2)フッ化物溶射皮膜が非導電性であること、(3)フッ化物溶射皮膜が多孔質で表面から基材に達する貫通気孔が存在すること、(4)電気めっき法で析出する金属が、耐食性、特に耐ハロゲン性を有することが必要であり、本発明はこれら4つの条件を備えた技術を提案する。
即ち、本発明は、導電性基材と、その表面に被覆形成された非導電性の多孔質フッ化物溶射皮膜に対し、該溶射皮膜中の貫通気孔部をニッケルめっき金属によって充填封孔した構造を有するフッ化物系サーメット複合皮膜と、からなることを特徴とするフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材を提案する。
また、本発明は、導電性基材の表面に、非導電性のフッ化物溶射皮膜を被覆形成し、次いで、その多孔質なフッ化物溶射皮膜を被覆した基材を電気ニッケルめっき液中に浸漬し、該非導電性フッ化物溶射皮膜の開気孔部その他の開気孔から該皮膜内部の気孔中に浸入させた電気ニッケルめっき液からニッケルめっき金属を析出させ、そのニッケルめっき金属をフッ化物溶射皮膜の気孔や隙間中に充填して封孔することによって、該多孔質非導電性フッ化物溶射皮膜を、フッ化物系サーメット複合皮膜に変化させることを特徴とするフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材の製造方法を提案する。
なお、本発明においては、
(1)前記導電性基材とフッ化物系サーメット複合皮膜との間に、導電性の金属・合金のアンダーコートを介在させてなること、
(2)前記非導電性フッ化物溶射皮膜は、Yおよび元素の周期律表の原子番号57〜71のランタノイド系金属元素のフッ化物であること、
(3)前記導電性基材は、金属または非導電性基材の表面に導電性金属膜を被覆したもののいずれかであること、
(4)前記導電性基材の表面に施工するアンダーコートは、Al、Al−Zn、Ni、Ni−Al、Ni−CrおよびNi−Cr−Alから選ばれるいずれか1種以上の金属・合金を用いること、
(5)前記非導電性フッ化物溶射皮膜およびサーメット複合皮膜の厚さは、30〜500μm、前記アンダーコートの厚さは10〜150μmであること、
(6)前記非導電性フッ化物溶射皮膜は、貫通気孔と開気孔を含む0.2〜20vol%の気孔率を有する皮膜であること、
(7)前記非導電性フッ化物溶射皮膜は、大気プラズマ溶射法、減圧プラズマ溶射法、高速フレーム溶射法から選ばれるいずれかの溶射法によって被覆形成されること、
(8)前記アンダーコートは、アーク溶射法、フレーム溶射法、高速フレーム溶射法およびプラズマ溶射法から選ばれるいずれかの溶射法によって被覆形成されること、
がより好ましい解決手段になると考えられる。
本発明によれば、次のような効果が期待できる。例えば、導電性基材の表面に形成された非導電性のフッ化物溶射皮膜の貫通気孔部を電気めっき法によって析出したニッケルめっき金属を充填して封孔すると共に、このことによってフッ化物と金属から構成されるサーメット複合皮膜に変換できるので、フッ化物溶射皮膜に特有の多孔質で延性に乏しくかつ割れ易い上、熱や機械的衝撃に弱いという性質を改善することができる。さらに、フッ化物とニッケル(Ni)とは、ともにハロゲンガスによる腐食作用および耐プラズマエロージョン性に優れているため、半導体加工装置用被覆部材として有用である。
また、本発明によれば、次のような効果も期待できる。
(1)導電性基材の表面を覆うように形成した非導電性フッ化物溶射皮膜に対して、電気ニッケルめっき処理を行なうので、溶射皮膜の貫通気孔部のみにめっき液から析出したニッケルめっき金属が充填封孔されることになるから、フッ化物溶射皮膜がサーメット化(複合化)すると同時に、皮膜の封孔、膜表面の緻密化が図られ、洗浄水などの皮膜内部への浸入を防ぐことができるようになると共に、洗浄水による基材の腐食と、それに伴う皮膜の剥離を防ぐことができるようになる。
(2)フッ化物溶射皮膜の内部に立体的に存在するめっき液の浸入可能な貫通気孔や開気孔部、あるいは溶射粒子同士の不完全な相互接合部の隙間(空隙)などに、めっき液から析出したニッケルめっき金属を充填することができるので、封孔を確実に果たすことができるとともに粒子問の相互結合力を向上させることができる。
(3)ニッケルめっき金属の析出は、導電性基材の表面側から始まり、時間の経過とともに、皮膜表面に向けて進むという過程を辿るため、フッ化物溶射皮膜の気孔部や基材と皮膜との境界に存在する隙間などもすべて、基材側から順次に充填封孔されていくので、JIS H9302セラミック溶射作業標準などで規定されている無機および有機系封孔剤を皮膜表面に塗布する方法に比較して、封孔効果が大きく、かつ確実である。
(4)皮膜の空隙中に浸入するニッケルめっき液は、非導電性フッ化物溶射皮膜の中に立体的に存在する空隙部(貫通気孔や開気孔)に浸入し、めっき液からニッケルを析出してそこの部分を充填していく中で、基材とも電気化学的に結合した状態で付着成長していくので、フッ化物溶射皮膜全体の基材との密着性が向上する。
(6)フッ化物溶射皮膜の貫通気孔部中に充填されるニッケルめっき金属は、フッ素ガスやフッ化物ガス(含液体)と接触すると耐フッ素腐食性に優れたNiFの薄膜を形成するため、皮膜の外面部(フッ素ガスなどのハロゲンガスと接触する部分)は、見掛け上すべてフッ化物によって被覆された状態となって、優れた耐食性と耐プラズマエロージョン性を有する被覆部材となる。
(7)フッ化物溶射皮膜は、高い電気抵抗率を有するため、真空中や乾燥空気中では、負の静電気を帯びて、微細なパーティクルを引き寄せ、皮膜表面が却って汚染される傾向がある。この点、溶射皮膜中の貫通気孔部に充填されたニッケルは、前記フッ化物溶射皮膜の静電気を放出(放電)し、微細なパーティクルの収集作用を防ぐ上で有効である。
本発明の方法を実施するための工程の流れを示した模式図である。 本発明方法の一実施形態を示す電気ニッケルめっき装置の略線図である。 電気ニッケルめっき処理後のYF溶射皮膜の断面ミクロ組織を示した写真である。 YF溶射皮膜のニッケルめっき析出状況(分布)を示す皮膜断面のミクロ組織を示した写真である。 実施例4で用いた腐食試験装置の略線図である。
以下、本発明の好適実施形態について説明する。図1は、本発明の方法を実施するための工程の流れを示したものである。以下、その工程順に沿って、本発明の構成の詳細を説明する。
(1)基材の選定
本発明で使用可能な基材は、導電性(電気伝導性)を有する金属材料である。例えば、Alおよびその合金、Tiおよびその合金、ステンレス鋼を含む各種の合金鋼、炭素鋼、ニッケルおよびその合金などが好適である。鋼材の表面に、ニッケルのめっき膜を形成した基材でもよい。ガラス、石英、プラスチック、セラミック焼結体のように、電気不良導体の基材に対しては、前処理を施した後に無電解めっきやCVD、PVDなどによって、導電性を付与するための金属の薄膜を被覆形成して、基材の表面のみを電気伝導体としたものについても、本発明の基材として使用することができる。
(2)基材表面へのフッ化物溶射皮膜の被覆
前記導電性基材表面に、非導電性のフッ化物溶射皮膜を形成するに先立って、JIS H 9302に規定されているセラミック溶射作業標準に準拠して実施することが好ましい。例えば、基材表面のさびや油脂類などを除去した後、Al、SiCなどの研削粒子を吹付けて粗面化し、その表面に直接または金属質の導電性アンダーコートを施工した後に、それらの上に非導電性のフッ化物溶射皮膜を形成する。
フッ化物溶射皮膜の形成方法としては、大気プラズマ溶射法、減圧プラズマ溶射法、水プラズマ溶射法、高速フレーム溶射法あるいは爆発溶射法などが好適に用いられる。
前記の導電性アンダーコートは、前記の各種溶射法に加え、アーク溶射法、フレーム溶射法などを用いることができるので、溶射法の種類については、特に制限はない。
(3)非導電性フッ化物溶射材料
本発明において用いられるフッ化物溶射皮膜形成用溶射材料としては、非導電性で耐ハロゲン性にも優れていることが必要である。この両者の性質を有するフッ化物としては、元素の周期律表IIIaのY、原子番号57〜71に属するランタノイド系元素のフッ化物の粒子が用いられる。即ち、原子番号57〜71の金属元素としては、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジズプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)などがある。
これらIIIa族のYやタンタノイド系金属元素のフッ化物の電気抵抗率(Ωcm)は、例えばYF 6×1010、CeF 3.7×1012などの高体積抵抗を有し、本発明のフッ化物溶射皮膜材料として使用することができる。発明者らの知見によると、フッ化物溶射皮膜を形成した基材をめっき液中に浸漬し通電した際に、皮膜(フッ化物)の表面に直接、めっき金属が析出しないことが皮膜材料の選択基準の目安となるが、一般に1×10Ωcm以上の電気抵抗率を示すフッ化物が好適である。
本発明におけるフッ化物溶射材料は、粒径:5〜80μmに調整したものを用いることが好ましい。その理由は、5μm以下の細粒では、プラズマなどの溶射熱源中で加熱された際に分解されて、粒子径がさらに小さくなって成膜するより飛散するものが多くなるからであり、一方、80μmより大きい粒子では溶射ガンへの送給速度が不連続となったり、成膜した皮膜の貫通気孔が大きくなって、膜質としての品質が低下するからである。
前記フッ化物溶射材料を溶射して得られる溶射皮膜は、30〜500μmの厚さに施工するのがよい。特に、50〜200μmの範囲が好適である。その理由は、30μmよりも薄い膜では、均等な膜厚のものを得にくく、一方、500μmより厚く形成すると、フッ化物膜の形成時における残留応力が大きくなって、基材から剥離しやすくなるからである。
(4)フッ化物溶射皮膜の特徴
フッ化物共通の物理化学的性質として次のようなものがある。即ち、このフッ化物溶射皮膜は、金属皮膜やセラミック皮膜と比較すると、ハロゲン系ガスに対する化学的安定性を有するが、表面エネルギーが小さいために皮膜を構成するフッ化物粒子の相互結合力および基材の密着強さが弱いという問題がある。また、この皮膜は、溶射熱源中で分解(酸化)、蒸気化(気化)、溶融、軟化などの諸現象が極めて短時間(1/500〜1/1000秒)のうちに進行することから、多孔質(面積率0.2〜20%)で、皮膜中には大きな残留応力が発生するため、基材が僅かに変形しただけでも、皮膜が剥離することが多い。加えて、フッ化物自体は延性に乏しいため、皮膜が容易に“ひび割れ”し、前記成膜時に発生する気孔部とともに、酸やアルカリ洗浄液などの内部浸入を招き、このことが基材の腐食原因となりやすい。従って、フッ化物そのものの耐食性は良好であるものの、その性質を有効に利用できないという問題もある。
なお、フッ化物溶射皮膜は、乾燥状態の環境では、テフロンで代表されるフッ素樹脂同様、負の静電気を帯びる性質があるので、半導体加工環境で発生する微細なパーティクルを静電吸着する性質があるため、汚染防止の妨げとなることがある。
(5)電気ニッケルめっき処理によるサーメト複合皮膜の形成
本発明において、この電気ニッケルめっき処理は極めて重要である。この処理によって、前記非導電性で多孔質なフッ化物溶射皮膜が、多孔質フッ化物溶射皮膜の開気孔中に、ニッケルめっき金属充填された状態のフッ化物系サーメット複合皮膜に変化させることができると同時に、該皮膜気孔部の封孔による緻密な皮膜にすることができる。なお、サーメット化の程度は、フッ化物溶射皮膜中の気孔率(0.2〜3.0、好ましくは5〜20%)にする。
図2は、この電気ニッケルめっき処理の原理を示す。この処理は、多孔質な非導電性のフッ化物溶射皮膜22にて被覆されている導電性基材21を、ニッケルめっき液中に浸漬し、その基材21を陰極とし、めっき金属23のニッケルを陽極として直流通電してめっきする方法である。このようなめっき処理では、陽極から溶出したニッケルがイオンとしてめっき液中に溶出する。一方、陰極の基材表面では、多孔質な非導電性フッ化物溶射皮膜の開気孔部から浸入しためっき液からニッケルイオンが金属ニッケルの形で析出する電気化学的反応を起こす。例えば、めっき金属の析出量は、基本的には通電電気量に略比例するが、本発明において、電流密度0.5A/dm〜10A/dm程度、好ましくはlA/dm〜5A/dm程度の直流電源を用い、温度(室温)20℃〜60℃程度の条件でめっき処理することが好ましい。以下、本発明において使用できる代表的なめっき浴組成の例を表1に示す。
Figure 2013147690
この電気ニッケルめっき処理において、めっき時間は、フッ化物溶射皮膜の厚さ、気孔率によっても変わるが、気孔内へのニッケルめっき金属の充填を目的とする場合、上述したように、通電後、析出したニッケルめっき金属がフッ化物溶射皮膜の開気孔内に析出してこの部分を充填しつつ成長し、そのめっき析出金属(Ni)がフッ化物皮膜表面に露出した状態を外部から観察することによって終点判定とする。つまり、この判定時期に相当する状態が気孔部の充填完了の目安となる。
いずれのめっき液中であっても、本発明のフッ化物溶射皮膜自体は、化学的に安定しており溶出することはない。しかも、本発明で用いられるフッ化物溶射皮膜は、非導電性であるため、該フッ化物溶射皮膜の表面に、析出しためっき金属ニッケルが該表面を覆ってめっき膜となることはない。なお、それにも拘わらずめっき液の酸性が強く、フッ化物溶射皮膜が溶解するおそれがある場合には、アルカリ性または中性に近いめっき液の使用が推奨される。また、水溶液に代えて、有機溶媒や有機質溶融塩電解質のめっき液の使用も可能である。
本発明において、非導電性のフッ化物溶射皮膜の気孔中に、めっき金属であるニッケルが析出して封孔し、サーメットを形造る理由は、該フッ化物溶射皮膜中の貫通気孔や開気孔、空隙部分からめっき液がそれらの気孔内部に浸入し、これらの気孔を通じて陰極として存在する導電性基材の表面、もしくはアンダーコート表面に順次に到達する結果、電気的に導通し、下記のような反応を起して、めっき金属を析出する。
めっき液中の金属(Ni)イオン → 陰極面にて電子を放出して金属(Ni)として析出する。
Figure 2013147690
このような電気ニッケルめっき処理において、通電を続けていると、導電性基材の表面側にある皮膜気孔内にまず、めっき金属であるニッケルが析出し、このようにして析出しためっき金属であるニッケルは、基材表面側から順次にフッ化物溶射皮膜の表面側に向って析出し乍ら、成長をつづけ、該フッ化物溶射皮膜中の大半の空隙を埋めるように、とくに、めっき液が存在する大半の空隙部(完全な閉気孔を除く)内に、めっき析出金属であるニッケルが析出して充填封孔することとなる。この場合において、フッ化物溶射皮膜の空隙内、即ち、貫通気孔や開気孔等は皮膜の厚さ方向に、立体的(三次元的)に存在しているため、それらのすべてがめっき析出ニッケルによって連続した状態で充填されていく結果、めっき終了後の該フッ化物溶射皮膜は、少なくとも開放気孔部についてはめっき析出ニッケルによって完全に充填封孔されることによって実質的にサーメット構造の状態となる。しかも該非導電性フッ化物溶射皮膜の気孔にはニッケルめっき金属の粒子が基材と電気化学的作用によって接合することになるため、基材との密着性が向上することはもちろん、フッ化物粒子間の相互結合力の向上に対しても大きな役割を果たして、皮膜全体の強度を向上したフッ化物系サーメット複合皮膜になる。
そして、この電気ニッケルめっき処理において、めっき時間を延長すると、該フッ化物溶射皮膜の内部に存在するほとんど全ての気孔(空隙)が充填封孔され、やがて溶射皮膜の表面に達してここを被覆するまでになる。なお、ニッケルめっき金属の析出は、当初はフッ化物溶射皮膜の基材側の下層部分から、微小な粒子状のニッケルを析出していく。ただし、貫通気孔のない皮膜表面では、このようなめっきニッケルめっき金属の粒子は確認できないため、本発明によれば、従来の技術では困難であった貫通気孔部の可視化が可能となる。
なお、電気ニッケルめっき処理によって析出するニッケルの量は、ニッケルの電気化学当量によって支配されることは周知のとおりである。即ち、ニッケルめっき金属の析出量(析出速度)は、個々の金属固有の数値を有するものの通電量に比例し、また、同じ通電量であれば通電時間に比例するので、通電量と通電時間を制御することによって、皮膜内部の空隙部への充填量および皮膜表面に被覆形成されて金属量を調整することができる。
図3は、電気ニッケルめっき処理後のフッ化物(YF3)溶射皮膜、即ちサーメット複合皮膜の断面ミクロ組織を示したものである。基材表面から析出を開始したニッケルめっき金属は、YF3粒子の未接合部(空隙部)を通って、皮膜の表面に向って次第に成長し、その一部はすでに表面に露出している状態にある。
図4は、YF3溶射皮膜表面部分、即ちサーメット複合皮膜の粒子状のニッケルめっき金属の分布状態を示したものである。粒子状のニッケルめっき金属は、ここでも通電時間の延長に伴なって、その数を増加させ、最終的には皮膜の表面を完全に被覆するようになる。本発明では、図4(b)に示すような状態に達したときを、めっき処理の終了点とするが、その理由は、前記状態の皮膜内部の空隙部は、ほぼニッケルめっき金属によって充填されている可能性が大きいからである。
以上説明した本発明の代表的な実施例形態からわかることは、下記のような構成を採用することが、より好ましい実施形態となる。
(1)非導電性のフッ化物溶射皮膜は、貫通気孔と開気孔を含む気孔率が、0.2〜20vol%、好ましくは5〜20vol%の皮膜である。それは、0.2vol%未満の皮膜は溶射法では形成が困難であり、一方、20vol%を超えるとフッ化物溶射皮膜としての性能が十分発揮できないからである。
(2)前記導電性基材と非導電性フッ化物溶射皮膜、すなわちサーメット複合皮膜との間に、必要に応じて導電性金属のアンダーコートを設ける。これは、フッ化物溶射皮膜と基材との密着性を向上させる上で有効である。基材の表面に形成されるアンダーコートは、10〜150μmの厚さにすることが好ましい。
(3)上記アンダーコートとしては、Al、Al−Zn、Ni、Ni−Al、Ni−CrおよびNi−Cr−Alなどから選ばれるいずれか1種以上の金属(合金)を用いることが好ましい。
(実施例1)
この実施例は、SS400鋼試験片(寸法:幅20mm×長さ30mm×厚さ3.2mm)の表面に直接、YF、CeFおよびEuFの皮膜を大気プラズマ溶射法よって膜厚:120μmに形成したものを基本のフッ化物溶射皮膜とし、これに電気ニッケルめっきを施したものである。また、市販の無機珪素質封孔剤を皮膜表面に塗布したものを変動因子として、JIS H8666セラミック溶射皮膜の試験方法に規定されているフェロキシル試験方法によって、皮膜の貫通気孔の有無とその程度を調査した。
(1)フェロキシル試験(塩水噴霧試験)
このフェロキシル試験としては、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム10gおよび塩化ナトリウム15gを1リットルの蒸留水に溶解し、これを分析用ろ紙に十分含浸させ、その後、このろ紙を試験片表面に貼付し、30分間静置した後、ろ紙を剥がして、ろ紙面での青色斑点の有無を目視判定する方法によった。この方法によれば、アモルファス状膜に貫通気孔が存在するとフェロキシル試験液が浸透し、鉄基材界面に達して鉄イオンを生成させ、これにヘキサシアノ(III)酸カリウム塩が反応して、ろ紙の表面に青色斑点を生成することによって判定することができる。
(2)試験結果
試験結果を表2に示す。この結果から明らかなように、SS400鋼基材に直接、フッ化物溶射皮膜を形成したものは(No.2、5、8)、多数の青色斑点を生成し、極めて多孔質な皮膜状態にあることが認められる。これらのフッ化物溶射皮膜に対して、従来技術に属する市販の無機珪素化合物系の封孔剤を塗布した皮膜(No.3、6、9)では、前者に比較して青色斑点の発生数は、半減するものの完全な封孔効果は得られていない。
これに対して、フッ化物溶射皮膜の表面にニッケルめっき処理したサーメット複合皮膜(No.1、4、7)については、ほとんど青色斑点の発生はなく、皮膜の貫通気孔部がめっき液から析出したニッケルによって充填され、フェロキシソレ試験液の浸入を防いでいることが明かとなった。
Figure 2013147690
(実施例2)
この実施例では、SS400鋼の試験片(幅20mm×長さ30mm×厚さ5mm)の表面に直接、大気プラズマ溶射法によって、YF、DyFおよびCeFをそれぞれ膜厚:100μmの厚さの皮膜を形成した後、その皮膜の二次処理として電気ニッケルめっきを施し、市販の無機珪素質封孔剤を塗布したものについて、ハロゲン蒸気中における耐食性を調査した。
(1)腐食試験方法
(a)HCl蒸気による腐食試験は、化学実験用のデーシケーターの低部に30%HCl水溶液を100ml入れ、その上部に試験片を吊るすことによってHCl水溶液から発生するHCl蒸気に暴露する方法を採用した。腐食試験温度は30℃〜50℃、時間は96hrである。
(b)HF蒸気による腐食試験は、SUS316製のオートクレーブの底部にHF水溶液を100ml入れ、その上部に試験片を吊すことによってHF蒸気による腐食試験を実施した。腐食試験温度は30℃〜50℃、曝露時間は96hrである。
(2)試験結果
表3は、上記腐食試験結果を示したものである。この結果から明らかなように、SS400基材の表面に直接YF、DyFおよびCeF皮膜を形成した状態の皮膜(No.2、5、8)は、全面にわたって赤錆が発生した。即ち、大気プラズマ溶射法によって形成したフッ化物溶射皮膜には、HCl、HFなどのハロゲン系の酸蒸気によって基材が容易に腐食し、基材を防食する作用に乏しいことが明らかである。このような皮膜の表面を市版の封孔剤を用いて封孔処理(No.3、6、9)しても、完全な封孔は認められず、いずれの皮膜にも赤錆の発生は認められず。特に、HF蒸気に対しては実用上の機能を消失するほどの赤錆の発生が見られた。
一方、フッ化物溶射皮膜に電気めっき処理を施工したサーメット複合皮膜(No.1、4、7)については、赤錆の発生は認められず、健全な耐食性を発揮することが確認された。この結果は、フッ化物溶射皮膜の存在する貫通気孔部が電気ニッケルめっき金属によって充填され、ほぼ完全な封孔状態を形成していることに起因しているものと考えられる。
Figure 2013147690
(実施例3)
この実施例では、本発明に係るフッ化物系サーメット複合皮膜の耐プラズマエロージョン性を調査した。基材として、JIS H4000規定の3003合金(寸法:50mm×50mm×5mm厚さ)を用いて、その表面に大気プラズマ溶射法、減圧プラズマ溶射法を用いて、YFを80μmの厚さを被覆形成した。YF溶射皮膜の形成に当たっては、アンダーコートとしてNi−20mass%Cr合金を80μmの厚さに施工したものも準備した。このように形成したYF溶射皮膜を実施例2と同じ条件の電気ニッケルめっき処理を実施してサーメット複合皮膜を得た。また、比較例の皮膜としてBCの溶射皮膜も同条件で耐プラズマエロージョン性を調べた。
(1)プラズマガス雰囲気と流量条件
(100)/Ar(1000)/O(10)の混合ガスとCFを1分間当たり1cmの流量で流した。
(2)プラズマ照射条件
高周波電力:1300W、圧力:133.3Pa
(3)照射方法と照射時間
プラズマエロージョン試験は、前記フッ化物溶射皮膜面が10mm×10mmの大きさの範囲が露出するように、他の部分をマスクし、20時間連続してプラズマ照射した後、エローション損傷量を減肉厚として、触針式粗さ計にて測定して評価した。
(4)試験結果
試験結果を表4に示す。この結果から明らかなように、比較例のBC溶射皮膜(No.5)はニッケルめっきを施してもエロージョン損傷量が14μmと大きく、耐プラズマエロージョン性に乏しいことが見られる。これに対し、YF溶射皮膜は、成膜の状態(No.2、4)でもBC皮膜に比較すると耐プラズマエロージョン性が向上しているが、その効果は低い。しかし、YF溶射皮膜を電気ニッケルめっき処理してニッケルを充填し封孔してなるサーメット状態の皮膜だとエロージョン損失量が激減して、損失量は1μmにとどまり、優れた耐プラズエロージョン性が確認された。この実施例の結果は、大気プラズマ溶射法と減圧プラズマ溶射法で形成されたYF系サーメット複合皮膜は、両者とも同等の損傷量であり、また、アンダーコートの存在の有無に拘わらず、優れた耐プラズマエロージョン性を発揮することが判明した。
Figure 2013147690
(実施例4)
この実施例では、ランタノイド系金属のフッ化物溶射皮膜にニッケルめっき処理を行った後、アルカリ浸漬試験と活性化されたハロゲンガス中におけるフッ化物溶射皮膜の耐食性を調査した。
(1)供試皮膜
基材としては、Al合金(A13003)(寸法:50mm×50mm×5mm)とSUS410鋼(寸法:30mm×20mm×3.2mm)を用い、下記ランタノイド系金属のフッ化物溶射皮膜を大気プラズマ溶射法によって、基材表面に直接110μmのフッ化物溶射皮膜を形成した。
皮膜材料:ScF、EuF、YF、ErF
なお、比較例の溶射皮膜として、Y、A1大気プラズマ溶射皮膜を同条件で試験した。
また成膜後のフッ化物溶射皮膜は、表1記載のワット浴により、45℃、lA/dmの条件で実施した。
(2)腐食損傷試験方法
(i)アルカリ浸漬試験
Al合金基材に形成した、供試皮膜を5%NaOH水溶液中に40℃の条件で1時間浸漬し、皮膜の表面から発生する水素ガス気泡の有無を目視観察することによって、フッ化物溶射皮膜の緻密性を調査した。この試験では、基材の露出部は耐薬品塗料を塗り、NaOH水溶液は皮膜表面から内部へ浸入するように準備した。もし、皮膜の気孔からNaOH水溶液が内部に浸入すると、基材(Al合金)と反応して水素ガスを発生するため、該皮膜の封孔の可否を判断できるからである。
Al+NaOH+HO → NaAlO+3/2H
また、耐プラズマエロージョン試験は、実施例3の場合と同じ条件で評価した。
(ii)活性ハロゲンガスによる腐食試験
腐食試験装置の構成概略を図5を示す。この試験では、電気炉52の中心部に設けられたステンレス鋼管53内部(詳細には試験片設置台56の上)に試験片51を静置した後、腐食性のガス54をステンレス鋼管53の左側から流すこのことにより行なった。なお、ステンレス鋼管53途中に設けた石英放電管55に対し、出力600Wのマイクロ波を負荷させ、腐食性ガスの活性化を促すようにしている。
この活性化した腐食性のガスは、電気炉中に導かれ、試験片設置台56の上に静置された試験片51を腐食した後、ステンレス鋼管53右側から系外に放出される。このような構成を有する腐食試験装置を用い、試験片温度120℃、腐食性ガスCFを150ml/min、Oを75ml/minを流しつつ、10時間の腐食試験を行なった。なお、この腐食試験の特徴は腐食性のCFガスがプラズマ照射によって励起され、一段と強い腐食性ガスに変化する環境における耐食性を評価しようとするものである。
(3)試験結果
試験結果を表5に示した。この結果から次に示すような供試皮膜の耐食性がわかる。
(i)アルカリ浸漬試験結果:フッ化物溶射皮膜および酸化物皮膜とも、フッ化物溶射皮膜特有の貫通気孔が存在しているため、5%NaOH液中に浸漬すると、3〜5分経過後から微細な水素気泡が発生しはじめた。これらの水素ガスの発生は、時間の経過に伴って次第に多くなり、皮膜自体が耐アルカリ性に優れていても、皮膜の貫通気孔から浸入するNaOHによって、基材が腐食され、耐久性に乏しいことが判明した。
これに対して、フッ化物溶射皮膜に電気ニッケルめっき処理を施すと(No.1、3、5、7)貫通気孔部がニッケルめっき金属によって封孔されているため、1時間浸漬後でも、水素ガスの発生は認められず、良好な緻密性を発揮した。
(ii)活性ハロゲンガス腐食試験結束:比較例の電気ニッケルめっき処理を施さない皮膜(No.2、4、6、8、9、10)では、フッ化物溶射皮膜、酸化物皮膜とも、皮嘆表面に赤錆の発生が認められた。この赤錆は、それぞれの皮膜の気孔部から浸入したハロゲンガスが基材を腐食した結果、その腐食生成物が皮膜表面にまで成長したものと思われる。
これに対して、ニッケルめっき処理を施して得られるサーメット複合皮膜(No.1、3、5、7)は、該複合皮膜のハロゲンガスが浸入する貫通気孔部にニッケルめっき金属が封孔状態となって存在しているため、腐食性ガ不の内部浸入が妨げられる結果、良好な耐食性を発揮したものと考えられる。
Figure 2013147690
本発明に係る技術は、高度な耐ハロゲン腐食性と耐プラズマエロージョン性が要求されている半導体の精密加工装置用部材に適用することができる。具体的には、ハロゲンおよびその化合物を含む処理ガスを用いて、プラズマ処理される装置に配設されているテッポシールド、バッフルプレート、フォーカスリング、インシュレータリング、シルドリング、ベローズカバー、電極などに加え、類似のガス雰囲気の化学プラント装置用部材などの耐食皮膜として利用できる。
21 導電性基材
22 フッ化物溶射皮膜
23 Ni陽極
24 直流電源
51 供試皮膜試験片
52 電気炉
53 ステンレス鋼管
54 腐食性のガス
55 石英放電管
56 試験片設置台

Claims (13)

  1. 導電性基材と、
    その表面に被覆形成された非導電性の多孔質フッ化物溶射皮膜に対し、該溶射皮膜中の貫通気孔部をニッケルめっき金属によって充填封孔した構造を有するフッ化物系サーメット複合皮膜と、
    からなることを特徴とするフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材。
  2. 前記導電性基材とフッ化物系サーメット複合皮膜との間に、導電性の金属・合金のアンダーコートを介在させてなることを特徴とする請求項1に記載のフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材。
  3. 前記非導電性の多孔質フッ化物溶射皮膜は、Yおよび元素の周期律表の原子番号57〜71のランタノイド系金属元素のフッ化物であることを特徴とする請求項1または2に記載のフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材。
  4. 前記導電性基材は、金属または非導電性基材の表面に導電性金属膜を被覆したもののいずれかであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材。
  5. 前記導電性基材の表面に施工するアンダーコートは、Al、Al−Zn、Ni、Ni−Al、Ni−CrおよびNi−Cr−Alから選ばれるいずれか1種以上の金属・合金を用いることを特徴とする請求項11〜4のいずれか1に記載のフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材。
  6. 前記非導電性フッ化物溶射皮膜およびサーメット複合皮膜の厚さは、30〜500μm、前記アンダーコートの厚さは10〜150μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載のフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材。
  7. 導電性基材の表面に、非導電性のフッ化物溶射皮膜を被覆形成し、次いで、その多孔質なフッ化物溶射皮膜を被覆した基材を電気ニッケルめっき液中に浸漬し、該非導電性フッ化物溶射皮膜の開気孔部その他の開気孔から該皮膜内部の気孔中に浸入させた電気ニッケルめっき液からニッケルめっき金属を析出させ、そのニッケルめっき金属をフッ化物溶射皮膜の気孔や隙間中に充填して封孔することによって、該多孔質非導電性フッ化物溶射皮膜を、フッ化物系サーメット複合皮膜に変化させることを特徴とするフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材の製造方法。
  8. 前記非導電性フッ化物溶射皮膜は、貫通気孔と開気孔を含む0.2〜20vol%の気孔率を有する皮膜であることを特徴とする請求項7に記載のフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材の製造方法。
  9. 前記導電性基材とフッ化物サーメット複合皮膜との間に、導電性の金属・合金のアンダーコートを介在させてなることを特徴とする請求項7または8に記載のフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材の製造方法。
  10. 前記非導電性フッ化物溶射皮膜は、Yおよび元素の周期律表の原子番号57〜71のランタノイド系金属元素のフッ化物を溶射して形成したものであることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1に記載のフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材の製造方法。
  11. 前記導電性基材は、金属または非導電性基材の表面に導電性金属膜を被覆したもののいずれかであることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1に記載のフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材の製造方法。
  12. 前記導電性基材の表面に施工するアンダーコートは、Al、Al−Zn、Ni、Ni−Al、Ni−CrおよびNi−Cr−Alから選ばれるいずれか1種以上の金属・合金を用いることを特徴とする請求項7〜11のいずれか1に記載のフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材の製造方法。
  13. 前記非導電性フッ化物溶射皮膜およびサーメット複合皮膜の厚さは、30〜500μm、前記アンダーコートの厚さは10〜150μmであることを特徴とする請求項7〜12のいずれか1に記載のフッ化物サーメット複合皮膜被覆部材の製造方法。
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