JP2013147265A - キャップ組立体およびその打栓方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、ボトルの口に被せるキャップ組立体、およびそのキャップ組立体の、ボトルへの打栓方法に関し、キャップを初回に取り外すときにキャップの操作のみで中栓を開けることができる機能を備え、かつ、ボトルへの取付けを容易にする。
【解決手段】
中栓40とキャップ50を有し、それぞれが雄ネジ411cと雌ネジ541を有し、中栓40とキャップ50とを組み立てた状態のままボトル60に打栓し、キャップ50を初回に取り外す際は、先ずはキャップ50を閉める方向に回して接合部52を破壊し、その後キャップ50を開く方向に回してキャップ50とともに中栓40の蓋体42を取り外し、これにより中栓40も開かれた状態とする。
【選択図】 図5

Description

本発明は、ボトルの口に被せるキャップ組立体、およびそのキャップ組立体の、ボトルへの打栓方法に関する。
従来、例えばマヨネーズやジャム等、流動性のある食品を入れたボトルの口を中栓やシールなどで塞ぎ、その上からキャップを被せた構成の容器が多用されている。この構成の場合、そのボトルの内容物を取り出すにあたっては、先ずキャップを取り外し、その後で中栓のプルタブを開け、あるいはシールを剥がすなどの操作が必要であり、年配者にとってはプルタブを取り外すことが困難であったり、あるいはシールを剥した際にボトルの内容物が手に付いたり周囲に飛んで周囲を汚したりなど、使い勝手が悪いことが指摘されている。
これを改善するため、近年、キャップを初回に取り外す際に、キャップを一旦、取外し方向とは逆方向に回転させることで中栓を開封し、その後キャップを取外し方向に回すことで、中栓が開封された状態でキャップを取り外すことができる構造のキャップ組立体が提案されている(特許文献1,2,3参照)。この提案のキャップ組立体によれば、キャップを取り外した後で中栓を開ける必要がなく、使い勝手が格段に向上する。
国際公開第WO/2007/126062号公報 特開2011−225220号公報 特許第4581034号公報
上記提案のキャップ組立体は、ボトルに内容物を詰めて中栓を打栓した後、その中栓の打栓とは別の工程でキャップを取り付ける必要がある。また、消費者の手に渡るまでは中栓が不用意に開いてしまうことを防止するとともに、消費者に届いた後では容易に開くことができるようにするために、中栓に対するキャップの取付け位置を高精度に制御する必要がある。このような制御は、キャップ組立体のメーカでは容易に行うことができるが、キャップの取付けはボトルに内容物を充填して中栓を打栓した後に行なう必要があるため、中栓に対するキャップの高精度な取付けは、キャップ組立体のメーカ側ではなく、食品メーカに委ねられることになり、食品メーカに技術上、設備上の負担を強いる結果となる。
本発明は、上記事情に鑑み、キャップを初回に取り外す際にキャップの操作のみで中栓を開けることができる機能を備え、かつボトルへの取付けが容易なキャップ組立体とその打栓方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明のキャップ組立体は、
ボトルの口に被せられてその口を閉塞する中栓と、
その中栓を覆うようにボトルの口に被せられるキャップとを有し、
上記中栓が、
ボトルの口と連通する、上下に開口を有する中空形状であってボトルの口に下端部が差し込まれる中空部と、その中空部の下端部と共同して、ボトルの上端部の差込みを受けてボトルの上端部を銜え込む銜込部と、キャップとの螺合用の第1のネジとを有する本体と、
上記中空部を覆うようにその中空部の上方に広がる蓋部と、上記中空部の上端縁に一周に渡って接合されて蓋部とともに中空部上端の開口を閉塞する接合部とを有し、上記本体と一体の部品であって本体とともにボトルの口を閉塞し上からの押圧を受けて接合部が破壊されて本体とは別パーツとなる蓋体とを有し、
上記キャップが、
下方に開口して中空に形成され中栓を覆ってボトルの口に被せられる殻部と、
その殻部の内側上面から下方に向って円筒状に突出して下方が開口し、蓋部を内側に受け入れて蓋部の縁を取り囲む受入部と、
受入部の内周面から内向きに突出し、蓋部がこのキャップに対し相対的に下から上に向って通過する際に蓋部の縁に干渉して蓋部に受入部を押し広げさせ、蓋部が殻部上面側に通過すると受入部を元の形状に復帰させて蓋部の下方に位置し、接合部の破壊後においても蓋部を支持する突起部と、
第1のネジと螺合する第2のネジとを有し、
第1のネジと第2のネジが互いに螺合し、キャップが、蓋部を受入部に受け入れた状態に、中栓と組み合わされていることを特徴とする。
本発明のキャップ組立体は、中栓およびキャップがそれぞれ上記の構成を備えて互いに組み合わされた状態にあるため、食品メーカではボトルに内容物を充填した後、キャップと一体になっている中栓をボトルの口に打栓するだけで中栓とキャップ双方の取り付けが完了する。したがって食品メーカ側に技術上、設備上の多大な負担を強いる必要がなく、また、工程数も少なくて済むことからコストダウンも期待できる。
また、本発明のキャップ組立体は、中栓およびキャップがそれぞれ上記の機能を備えたものであるため、キャップを初回に取り外すときにキャップの操作のみで中栓を開けることができる機能は、そのまま維持されている。
ここで、本発明のキャップ組立体において、上記第1のネジが、中空部外周面を螺旋に周回するネジであり、上記キャップが、殻部の内側上面から下方に向って円筒状に突出して下方に開口し、内周面に上記ネジと螺合するネジが形成された螺合部を有し、上記第2のネジがその螺合部の内周面に形成されたネジであることが好ましい。
本発明にいう第1のネジおよび第2のネジは、このような構成とすることができ、中栓およびキャップを樹脂成形品として製造するのに適している。
また、本発明のキャップ組立体において、上記受入部が、その受入部内周面の、上記突起部の上側に、内向きに突出した、前記キャップの回り止め用のフックを有し、
上記蓋部が、その蓋部の、受入部内周面に向いた周面に、周回方向に並び上記フックに噛み合う複数の回止め突起を有し、
上記第1のネジと上記第2のネジが互いに螺合し、蓋部を受入部に受け入れて突起部が蓋部の下方に位置し回止め突起がフックに噛み合った状態に、キャップと中栓が組み合わされていることが好ましい。
本発明のキャップ組立体であるか、従来タイプのキャップ組立体であるかを問わず、そのキャップ組立体をボトルに取り付けた後はシュリンク包装などによりキャップと中栓との位置関係が固定される。しかしながら、本発明のキャップ組立体の場合、ボトルに取り付けるよりも前の段階でキャップと中栓が組み合わされる。このため、キャップが中栓に対し不用意に回転してしまうと、ボトルへの取り付け前にキャップが中栓から外れたり、あるいは外れないまでも、キャップと中栓との位置関係がずれてしまい正しく機能しないおそれがある。
そこで、本発明のキャップ組立体において、上記のフックと回止め突起を形成し、キャップと中栓を、それらが噛み合った状態に組み合わせることにより、回り止めのための押え部材や包装等を別途用意することなくキャップの不用意な回転が防止され、キャップと中栓が機能を発揮できる位置関係に保たれる。
あるいは、本発明のキャップ組立体において、上記受入部が、その受入部内周面の、上記突起部の下側に、内向きに突出した、前記キャップの回り止め用のフックを有し、
上記蓋部が、その蓋部の、受入部内周面に向いた周面に、周回方向に並び上記フックに噛み合う複数の回止め突起を有し、
上記第1のネジと上記第2のネジが互いに螺合し、蓋部を受入部に受け入れて突起部が蓋部の上方に位置し回止め突起がフックに噛み合った状態に、中栓と組み合わされていることも好ましい形態である。
この場合も、上記と同様、キャップの不用意な回転が防止され、キャップと中栓が機能を発揮できる位置関係に保たれる。
また、上記目的を達成する本発明のキャップ組立体の打栓方法は、本発明のキャップ組立体を構成するキャップと中栓であって、上記第1のネジと上記第2のネジが互いに螺合し蓋部を受入部に受け入れた状態にキャップと中栓が組み付けられた形態のまま、その中栓の銜込部にボトルの上縁を銜え込ませることを特徴とする。
本発明のキャップ組立体の打栓方法は、キャップと中栓とが組み合わせれた形態のままボトルの口に打栓するものであり、ボトルに内容物を充填して打栓する生産ラインでは、キャップと中栓とを高精度に組み合わせる技術や設備は不要である。また工程数を減らすことができるため、コスト低減にもつなげることができる。
以上の本発明によれば、キャップを初回に取り外す際にキャップの操作のみで中栓を開けることができる機能を備え、かつボトルへの取付けが容易なキャップ組立体とその打栓方法が実現する。
比較例のキャップ組立体の縦断面図である。 図1に示す比較例について、消費者による開封時の動きを示した図である。 図1に示す比較例について、消費者による開封時の動きを示した図である。 図1に示す比較例について、消費者による開封時の動きを示した図である。 本発明の第1実施形態のキャップ組立体の縦断面図である。 図5に示す第1実施形態のキャップ組立体を構成するキャップの部分拡大断面図である。 図5に示す第1実施形態のキャップ組立体の、中栓の蓋部がキャップの受入部に受け入れられた状態の一部分を示す部分拡大断面図である。 キャップの受入部に中栓の蓋部が入り込んだ状態における蓋部を水平に切断した断面の蓋部の縁の一部分を示す部分拡大断面図である。 図5〜図8を参照して説明した第1実施形態のキャップ組立体における、中栓へのキャップの組立方法の説明図である。 図5〜図8を参照して説明した第1実施形態のキャップ組立体における、中栓へのキャップの組立方法の説明図である。 図5〜図8を参照して説明した第1実施形態のキャップ組立体における、中栓へのキャップの組立方法の説明図である。 図5〜図8を参照して説明した第1実施形態のキャップ組立体における、中栓へのキャップの組立方法の説明図である。 第1実施形態のキャップ組立体をボトルに打栓する場面の説明図である。 第1実施形態のキャップ組立体をボトルに打栓する場面の説明図である。 キャップを初回に開ける場面の説明図である。 キャップを初回に開ける場面の説明図である。 本発明の第2実施形態のキャップ組立体の縦断面図である。 図17に示す第2実施形態におけるキャップ組立体を構成するキャップの部分拡大断面図である。 図17に示す第2実施形態のキャップ組立体の、中栓の蓋部がキャップの受入部に受け入れられた状態の一部分を示す部分拡大断面図である。 キャップの受入部に中栓の蓋部が入り込んだ状態の、蓋部を水平に切断した断面の、蓋部の周縁の一部分を示した部分拡大断面図である。 第2実施形態におけるキャップを初回に開ける場面の説明図である。 第2実施形態におけるキャップを初回に開ける場面の説明図である。 第2実施形態におけるキャップを初回に開ける場面の説明図である。
以下、先ず本発明と対比される比較例について説明し、次いで本発明の実施形態を説明する。
図1は、比較例のキャップ組立体の縦断面図である。
この図1に示す比較例のキャップ組立体1Aは、中栓10とキャップ20とから構成されている。
中栓10は、ボトル30の口31に被せられてその口31を閉塞する部品である。また、キャップ20は、中栓10を覆うように中栓10の上からボトル30の口31に被せられる部品である。
この図1は、中栓20が既にボトル30の口31に打栓され、キャップ20が、その中栓10の上から被せられ、中栓10に対し正しい位置関係にある状態を示している。
中栓10は、本体11と、蓋体12とを有する。
本体11は、中空部111と銜込部112とを有する。このうち、中空部111は、ボトル30の口31と連通する、上下に開口を有する中空形状を有し、下端部111aがボトル30の口31に差し込まれている。
また、本体11を構成する銜込部112は、中空部111の、ボトル30の口31に差し込まれた下端部111aと共同して、ボトル30の上端部32の差込みを受けて、そのボトル30の上端部32を銜え込む役割りを担っている。この銜込部112には内向きに突出したリブ112aが形成されており、そのリブ112aがボトル30の凹部33に入りこむことにより銜込部112はボトル30の上端部32を固く銜え込み、ボトル30の口31から抜けない構造となっている。
また、この中栓10を構成する蓋体12は、蓋部121と接合部122とを有する。このうち、蓋部121は、中空部111を覆うようにその中空部111の上方に板状に広がる部分である。また、接合部122は、中空部111の上端縁111bに一周に渡って接合されて、蓋部121とともに中空部111の上端の開口を閉塞している。この中栓10を構成する本体11と蓋体12は、一体的に成形された1つの部品であるが、接合部122は、蓋部121が上から押されるとかなり容易に破壊され、接合部122が破壊されると蓋体12は本体11とは別パーツとなる。この点については後述する。
接合部122が不用意には破壊されないよう、できるだけ大きな安全余裕度を確保するため、蓋部121の上面に窪み121aを形成することで、蓋部121がキャップ20の上面からできるだけ離れる形状とし、キャップ20の上面に力が加わってその上面が凹んでもその力が蓋部121には及ばないよう工夫されている。
また、この比較例のキャップ組立体1Aを構成するキャップ20は、殻部21と、受入部22と、突起部23とを有する。
殻部21は、下方に開口して中空に形成され、中栓10を覆ってその中栓10の上からボトル30の口31に被せられる部分である。この殻部21の内周面には、ボトル30に設けられた雄ネジ34と螺合する雌ネジ211が形成されており、このキャップ20は、回すことによって着脱される。
また、受入部22は、殻部21の内側上面から下方に向って円筒状に突出して下方が開口し、本体11の蓋部121をその内側に受け入れて蓋部121の縁121bを取り囲む部分である。
さらに、突起部23は、受入部22の内周面から内向きに突出したリブ形状を有する部分である。この突起部23は、後述するように、蓋部121の縁121bと干渉する位置まで突出している。
この図1に示す構造のキャップ組立体1Aの場合、中栓10とキャップ20をボトル30に一度に取り付けることはできない。すなわち、このキャップ組立体1Aの場合、ボトル30に内容物を充填した後、中栓10の銜込部112にボトル30の上端部32を銜え込ませる。すなわち、中栓10をボトル30に打栓する。その打栓の後、キャップ20を被せて回転させ、図1に示す、キャップ20の突起部23が中栓20の蓋部121の直ぐ上の位置となるようにキャップを取り付ける。その後、シュリンク包装等が行われ、キャップ20は、この図1に示す位置から不用意には回転しない状態となる。
図2〜図4は、図1に示す比較例について、消費者による開封時の動きを示した図である。
図1に示す状態で消費者の手に渡った後、その消費者がキャップを初回に開けようとするときは、先ずはシュリンク包装を取り外した後、キャップ20をさらに閉める方向に回す。すると、キャップ20が図2に矢印Aで示す方向に移動し、中栓10の蓋部121の縁121bがキャップ20の突起部23に干渉して受入部22を押し広げながら、蓋部121が、図2に示すように突起部23よりも上に移動する。すると、蓋部121の縁121bとキャップ20の突起部23との干渉が解除されて受入部22は元の形状に戻り、キャップ20の突起部23は蓋部121の縁121bの下に回り込む。
キャップ20をさらに閉める方向に回してキャップ20をさらに矢印A方向に移動させると、キャップ20が蓋部121を押し、図3に示すように、接合部122が破壊される。キャップ20を閉める方向に回して図3に示す状態になるとキャップ20は閉める方向には回らなくなり、今度はキャップ20を開ける方向に回す。すると、図4に示すように、中栓10のうちの蓋体12のみが本体11から離れてキャップ20の受入部22に入りこんだまま、キャップ20とともにボトル30から取り外される。このキャップ20には突起部23が形成されているため、この蓋体20は、これ以降ずっと、キャップ20の受入部22に入りこんだままとなる。
これら図1〜図4に示す比較例の場合、キャップ20を初回に開けるときにキャップ20を一旦閉める方向に回転させることで中栓10を開けることができ、キャップを開けた後で中栓を開けるという行為は不要であり、使い勝手が大幅に向上している。
しかしながら、この比較例の場合、中栓10とキャップ20を別々に管理し、ボトル30に中栓10を打栓する工程とキャップを閉める工程とを別々に設ける必要がある。さらに、ボトル30に内容物を充填して封入する一連の工程内で、そのキャップ20が中栓10に対し、図1に示すように突起部23が蓋部121の直ぐ上に位置するまでキャップ20を閉めるという制御が必要になる。
以上の比較例の説明を踏まえ、次に本発明の実施形態を説明する。
図5は、本発明の第1実施形態のキャップ組立体の縦断面図である。
この図1に示す第1実施形態のキャップ組立体1Bは、中栓40とキャップ50とから構成されている。
中栓40は、ボトル60の口61に被せられてその口61を閉塞する部品である(図14参照)。また、キャップ50は、中栓40を覆うように中栓40の上からボトル60の口61に被せられる部品である。
中栓40は、本体41と、蓋体42とを有する。
本体41は、中空部411と銜込部412とを有する。このうち中空部411は、ボトル60の口61と連通する、上下に開口を有する中空形状を有し、打栓時にはその下端部411aがボトル60の口61(図14参照)に差し込まれる。
また、この中空部411には、その外周面に、その外周面を螺旋に周回する、キャップ50の雌ネジ541と螺合する雄ネジ411cが形成されている。
また、本体41を構成する銜込部412は、中空部411の、ボトル60の口61に差し込まれた下端部411aと共同して、ボトル60の上端部62の差込みを受けて、そのボトル60の上端部62を銜え込む役割りを担っている。この銜込部412にはリブ412aが形成されており、そのリブ412aがボトル60の凹部63(図14参照)に入りこむことにより銜込部412はボトル60の上端部62を固く銜え込み、ボトル60の口61から抜けない構造となっている。
また、この中栓40を構成する蓋体42は、蓋部421と接合部422とを有する。このうち、蓋部421は、中空部411を覆うようにその中空部411の上方に板状に広がる部分である。また、接合部422は、中空部411の上端縁411bに一周に渡って接合されて、蓋部421とともに中空部411の上端の開口を閉塞している。この中栓40を構成する本体41と蓋体42は、一体的に成形された1つの部品であるが、接合部422は、蓋部421が上から押されるとかなり容易に破壊される。接合部422が破壊されると、蓋体42は本体41とは別パーツとなる。
接合部422が不用意には破壊されないよう、できるだけ大きな安全余裕度を確保するため、蓋部421の上面には窪み421aを形成してキャップ50の上面からできるだけ離れる形状とし、キャップ50の上面に力が加わってその上面が凹んでもその力が蓋部421には及ばないように工夫されている。
このキャップ50は、図5に示す殻部51と、受入部52と、突起部53と、螺合部54と、さらにフック55(図6参照)とを有する。
殻部51は、下方に開口して中空に形成され、中栓40を覆ってその中栓40の上からボトル60の口61(図14参照)に被せられる部分である。
また、受入部52は、殻部51の内側上面から下方に向って円筒状に突出して下方が開口し、本体41の蓋部421をその内側に受け入れて蓋部421の縁421bを取り囲む部分である。
さらに、突起部53は、受入部52の内周面から内向きに突出したリブ形状を有する部分である。この突起部53は、蓋部421がキャップ50に対し相対的に下から上に向って通過する際に蓋部421の縁421bと干渉する位置まで突出している。
また、螺合部54は、殻部51の内側上面から下方に向って円筒状に突出して下方に開口した形状を有する。この螺合部54の内周面には、中栓40の中空部411の外周面に形成された雄ネジ411cと螺合する雌ネジ541が形成されている。すなわち、前述の比較例では、キャップ20はボトル30に対し開閉されるが、この第1実施形態のキャップ組立体1Bの場合、キャップ50は直接的には中栓40に対し開閉される構造となっている。
図6は、図5に示す第1実施形態のキャップ組立体1Bを構成するキャップの部分拡大断面図である。
また図7は、図5に示す第1実施形態のキャップ組立体1Bの、中栓40の蓋部42がキャップ50の受入部52に受け入れられた状態の一部分を示す部分拡大断面図である。
この第1実施形態のキャップ組立体1Bの場合、図5および図7に示すように、中栓40の蓋部421は、キャップ50の受入部52の、突起部53よりも上の空間に入り込んでいる。ただし、殻部51の上部内面と蓋部422との間には、殻部51に上から力が加わって殻部51が多少凹んでもその力が蓋部421に加わらない程度に空いた空間が形成されている。
また、図6に示すように、このキャップ50の受入部50の内側の、突起部53の直ぐ上の部分には、内側に突出したフック55が形成されている。このフック55は、周回方向について間隔を空けて複数箇所に形成されている。
図8は、キャップの受入部に中栓の蓋部が入り込んだ状態における、蓋部421を水平に切断した断面の蓋部421の縁421bの一部分を示す部分拡大断面図である。
この図8に示すように、中栓40の蓋部421の周面421cには、周回方向に一周に渡って多数形成された回止め突起421dを有する。この回止め突起421dはフック55に噛み合い、キャップ50が中栓40との位置関係が所期の関係からずれることを防止している。
図9〜図12は、図5〜図8を参照して説明した第1実施形態のキャップ組立体における、中栓へのキャップの組立方法の説明図である。
先ず、図9に示すように、中栓40の形状に合った冶具70の上に中栓40を置く。中栓40には、その中空部411の内周面にリブ411eが形成されており、そのリブ411eが冶具70の窪み(図示せず)に嵌りこんで回り止めされている。
次に、図10に示すようにキャップ50を被せ、キャップ50を固定したまま、図11に示すように冶具70を矢印R1方向に回転させながら矢印U方向に上昇させる。中栓40は冶具70に対し回り止めされているため、中栓40も冶具70とともに回転し、中栓40の雄ネジ411cがキャップ50の螺合部54の雌ネジ541と螺合する。すると、キャップ50の受入部52の内周面に形成された突起部53(図6参照)に中栓40の蓋部421の縁421bが干渉して中栓40の蓋部421により受入部52が押し広げられ、蓋部421がその突起部53を越えて殻部51の上面側に通過すると受入部52は元の形状に復帰する。これにより突起部53は、蓋部421の下方に位置し、後述するようにして接合部422が破壊された後においても蓋部421を支持して、その蓋部421を受入部52の内側に留める役割りを成す。
蓋部421が突起部53に乗り上げると受入部52が押し広げられて冶具70を回転させるトルクが上がり、蓋部421が突起部53を越えるとトルクが急に下がる。したがってこのトルクをモニタすることにより、蓋部421が突起部53を越えたことを検出することができる。あるいは、トルクをモニタすることに代わり、冶具70の矢印R1方向への回転角度または矢印U方向への移動量で、蓋部421が突起部53を越えたことを検出してもよい。
ここで、冶具70および中栓40を図11に示す矢印R1の方向に回すだけでは、蓋部421を突起部53を越えた直上の位置に止めるのは難しく、蓋部421は受入部52内で上に行き過ぎることになる。
そこで次に、図12に示すように、今度は冶具70を矢印R2方向に逆回転させながら冶具70を矢印D方向に下降させて、蓋部421を突起部53の直上に位置させる。蓋部421が突起部53に当たると冶具70を回転させるトルクが上昇し始めるので、そのトルクをモニタすることにより、蓋部421が突起部53の直上にまで下降してきたことを検出することができる。あるいは、冶具70の、矢印R2方向への回転角度や矢印D方向への下降量等で蓋部421が突起部53の直上に達したことを検出してもよい。
蓋部421が突起部53の直上にある状態では、図8に示すようにフック55に回止め突起421dが噛み合い、輸送時の振動程度では中栓40とキャップ50は不用意には回転せずにその位置関係が保たれる。
尚、回止め用のフック55は、図6,図7に示すように、突起部53の直上の部分にのみ設けられていて、受入部52のさらに上部には設けられていない。これは、消費者の手に渡ってキャップ50が中栓40の蓋体42とともに開けられた後、そのキャップ50を再度閉めるにあたり、回止め突起421dがフック55に噛み合ったままだとキャップ50を閉めるのが重くなってしまうからであり、キャップ50を再度閉めるときは蓋部421はフック55が設けられていない上部に移動し、キャップ50を軽い力で閉めることができる。
ここでは、冶具70と中栓40を回転や上下動させる例を説明したが、中栓40は固定したまま、キャップ50を把持する冶具(図示せず)を回転や上下動させてもよい。
次にこのキャップ組立体をボトルに打栓する場面について説明する。
図13,14は、第1実施形態のキャップ組立体をボトルに打栓する場面の説明図である。
ボトル60に内容物を充填し、このキャップ組立体1Bを、中栓40とキャップ50が組み合わされた状態のまま、図13に示すように、例えば上に平らな板80などを宛がって押し下げる。すると、図14に示すように、中栓40の中空部41の下端部411aと銜込部412との間にボトル60の上端部62が入り込み、銜込部412に形成されたリブ412aがボトル60の凹部63に入り込み、中栓40はボトル60の口61に強固に固定される。
このキャップ組立体1Bをボトル60に打栓した後はシュリンク包装が行われる。
図15,図16は、キャップを初回に開ける場面の説明図である。
消費者には、図14に示した状態で渡ることになる。
消費者は、シュリンク包装を開封した後、キャップ50を一旦閉じる方向に回す。すると、図15に示すように、キャップ50が中栓40の蓋部42を押し下げ、これにより接合部421bが破壊される。その後キャップ50を開く方向に回すと、図16に示すように、キャップ50の受入部52に中栓40の蓋部421を保持したまま、キャップ50が取り外される。その際には中栓40の口が既に開いた状態となっている。
尚、中栓40の上方の開口を取り囲む縁の、上方を向いた上端面411dは、図7に示すように、外方に向って登り勾配を有する面に形成されている。この登り勾配の上端面411dは、このボトル60を傾けて内容物を注いでボトル60を立てたときに、内容物の切れを良くし、内容物が不用意に垂れるのを防止する効果を有する。
次に、本発明の第2実施形態のキャップ組立体について説明する。この第2実施形態のキャップ組立体について、これまで説明してきた第1実施形態のキャップ組立体1Bの各要素に対応する要素には、形状等の相違があっても前述の第1実施形態のキャップ組立体1Bの図面に付した参照符号と同一の参照符号を付して示し、相違点のみについて説明する。
図17は、本発明の第2実施形態のキャップ組立体の縦断面図である。
このキャップ組立体1Cの場合、キャップ50は、中栓40の蓋部421がキャップ50の突起部53の直下に位置するように中栓40と組み合っている。
図18は、図17に示す第2実施形態におけるキャップ組立体1Cを構成するキャップの部分拡大断面図である。この図18は、前述の第1実施形態における図6に対応する図である。
この第2実施形態では、中栓40の蓋部421がキャップ50の突起部33の直下に位置しており、これに対応して、フック55は突起部53の直下に形成されている。
図19は、図17に示す第2実施形態のキャップ組立体1Cの、中栓40の蓋部42がキャップ50の受入部52に受け入れられた状態の一部分を示す部分拡大断面図である。この図19は、前述の第1実施形態における図7に対応する図である。
図17でも説明した通り、中栓40の蓋部421は、キャップ50の受入部52に受け入れられ、フック55が形成された、突起部53の直下で停止している。
すなわち、この第2実施形態では、前述の第1実施形態と比べ、中栓40に対するキャップ50の回転を停止させる位置が異なっている。中栓40とキャップ50をこのように組み立てるには、中栓40の蓋部42がキャップ50の突起部53に下から当たってトルクが上がり始めたことをもって停止すればよい。
図20は、キャップの受入部に中栓の蓋部が入り込んだ状態の、蓋部を水平に切断した断面の、蓋部の縁の一部分を示した部分拡大断面図である。この図20は、前述の第1実施形態における図8に対応する図である。
前述の第1実施形態と同様、この第2実施形態においても、この図20に示すように、中栓40の蓋部421の周面421cには、周回方向に一周に渡って多数形成された回止め突起421dが形成されている。この回止め突起421dはフック55に噛み合い、キャップ50が中栓40との位置関係が所期の関係からずれることを防止している。
この第2実施形態のキャップ組立体1Cの場合、図17に示す状態で取り扱われ、ボトル60に打栓される。ボトルへの打栓の場面については前述の第1実施形態の場合と同様であり、図示および説明は省略する。
次にこの第2実施形態について、キャップを初回に開ける場面について説明する。
図21〜図23は、第2実施形態におけるキャップを初回に開ける場面の説明図である。
消費者には、ボトルに打栓された後の、図17の状態のキャップ組立体が渡されることになる。
そこで、シュリンク包装を剥した後、キャップを一旦閉じる方向に回す。すると、図21に示すように、この時点で蓋部421が突起部53を越えて受入部52のさらに奥側に入り込む。キャップを閉じる方向にさらに回すと、図22に示すように中栓40の蓋部421がキャップ50で押されて接合部52が破壊される。そこで次に、キャップ50を今度は開く方向に回すと、図23に示すようにキャップ50と中栓40の蓋体42が一体となって取り外され、中栓が開いた状態となる。
このように、本発明において、蓋部421の停止位置は、突起部53の上であっても下であってもよい。
1A,1B,1C キャップ組立体
10,40 中栓
11,41 本体
12,42 蓋体
20,50 キャップ
21,51 殻部
22,52 受入部
23,53 突起部
30,60 ボトル
31,61 口
32,62 上端部
34,411c 雄ネジ
112a,412a,411e リブ
54 螺合部
55 フック
63 凹部
70 冶具
80 板
111,411 中空部
112,412 銜込部
111a,411a 下端部
111b,411b 上端縁
121,421 蓋部
121b,421b 縁
122,422 接合部
121a,421a 窪み
411d 上端面
421b 接合部
421c 周面
421d 回止め突起
541 雌ネジ

Claims (5)

  1. ボトルの口に被せられて該口を閉塞する中栓と、
    前記中栓を覆うように前記ボトルの口に被せられるキャップとを有し、
    前記中栓が、
    前記ボトルの口と連通する、上下に開口を有する中空形状であって該ボトルの口に下端部が差し込まれる中空部と、該中空部の下端部と共同して、前記ボトルの上端部の差込みを受けて該上端部を銜え込む銜込部と、前記キャップとの螺合用の第1のネジとを有する本体と、
    前記中空部を覆うように該中空部の上方に広がる蓋部と、該中空部の上端縁に一周に渡って接合されて該蓋部とともに該中空部上端の開口を閉塞する接合部とを有し、前記本体と一体の部品であって該本体とともに前記ボトルの口を閉塞し上からの押圧を受けて該接合部が破壊されて前記本体とは別パーツとなる蓋体とを有し、
    前記キャップが、
    下方に開口して中空に形成され前記中栓を覆って前記ボトルの口に被せられる殻部と、
    前記殻部の内側上面から下方に向って円筒状に突出して下方が開口し、前記蓋部を内側に受け入れて該蓋部の縁を取り囲む受入部と、
    前記受入部の内周面から内向きに突出し、前記蓋部が当該キャップに対し相対的に下から上に向って通過する際に該蓋部の縁に干渉して該蓋部に該受入部を押し広げさせ、該蓋部が前記殻部上面側に通過すると該受入部を元の形状に復帰させて該蓋部の下方に位置し、前記接合部の破壊後においても該蓋部を支持する突起部と、
    前記第1のネジと螺合する第2のネジとを有し、
    前記第1のネジと前記第2のネジが互いに螺合し、前記キャップが、前記蓋部を前記受入部に受け入れた状態に、前記中栓と組み合わせれていることを特徴とするキャップ組立体。
  2. 前記第1のネジが、前記中空部外周面を螺旋に周回するネジであり、
    前記キャップが、前記殻部の内側上面から下方に向って円筒状に突出して下方に開口し、内周面に前記雄ネジと螺合するネジが形成された螺合部を有し、前記第2のネジが該螺合部の内周面に形成された該ネジであることを特徴とする請求項1記載のキャップ組立体。
  3. 前記受入部が、該受入部内周面の、前記突起部の上側に、内向きに突出した、前記キャップの回り止め用のフックを有し、
    前記蓋部が、該蓋部の、前記受入部内周面に向いた周面に、周回方向に並び前記フックに噛み合う複数の回止め突起を有し、
    前記第1のネジと前記第2のネジが互いに螺合し、前記蓋部を前記受入部に受け入れて前記突起部が前記蓋部の下方に位置し前記回止め突起が前記フックに噛み合った状態に、前記キャップと前記中栓が組み合わされていることを特徴とする請求項1又は2記載のキャップ組立体。
  4. 前記受入部が、該受入部内周面の、前記突起部の下側に、内向きに突出した、前記キャップの回り止め用のフックを有し、
    前記蓋部が、該蓋部の、前記受入部内周面に向いた周面に、周回方向に並び前記フックに噛み合う複数の回止め突起を有し、
    前記第1のネジと前記第2のネジが互いに螺合し、前記蓋部を前記受入部に受け入れて前記突起部が前記蓋部の上方に位置し前記回止め突起が前記フックに噛み合った状態に、前記キャップと前記中栓が組み合わされていることを特徴とする請求項1又は2記載のキャップ組立体。
  5. ボトルの口に被せられ該口を閉塞する中栓と、
    前記中栓を覆うように前記ボトルの口に被せられるキャップとを有し、
    前記中栓が、
    前記ボトルの口と連通する、上下に開口を有する中空形状であって該ボトルの口に下端部が差し込まれる中空部と、該中空部の下端部と共同して、前記ボトルの上端部の差込みを受けて該上端部を銜え込む銜込部と、前記キャップとの螺合用の第1のネジとを有する本体と、
    前記中空部を覆うように該中空部の上方に広がる蓋部と、該中空部の上端縁に一周に渡って接合されて該中空部とともに該中空部上端の開口を閉塞する接合部とを有し、前記本体と一体の部品であって該本体とともに前記ボトルの口を閉塞し上からの押圧を受けて該接合部が破壊されて前記本体とは別パーツとなる蓋体とを有し、
    前記キャップが、
    下方に開口して中空に形成され前記中栓を覆って前記ボトルの口に被せられる殻部と、
    前記殻部の内側上面から下方に向って円筒状に突出して下方が開口し、前記蓋部を内側に受け入れて該蓋部の縁を取り囲む受入部と、
    前記受入部の内周面から内向きに突出し、前記蓋部が当該キャップに対し相対的に下から上に向って通過する際に該蓋部の縁に干渉して該蓋部に該受入部を押し広げさせ、該蓋部が前記殻部上面側に通過すると該受入部を元の形状に復帰させて該蓋部の下方に位置し、前記接合部の破壊後においても該蓋部を支持する突起部と、
    前記第1のネジと螺合する第2のネジとを有し、前記中栓と前記キャップとからなるキャップ組立体の、ボトルへの打栓方法であって、
    前記第1のネジと前記第2のネジが互いに螺合し前記蓋部を前記受入部に受け入れた状態に前記キャップと前記中栓が組み付けられた形態のまま、該中栓の前記銜込部に、前記ボトルの上端部を銜え込ませることを特徴とするキャップ組立体の打栓方法。
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