JP2013091242A - メタリック樹脂成形における金型装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】メタリック樹脂成形品の表側に意匠成形面5、及びメタリック樹脂成形品の裏側に非意匠成形面6を有するキャビティ4と、非意匠成形面6に形成されたリブ成形穴7と、リブ成形穴7を閉鎖する閉鎖位置及びリブ成形穴7を開放する開放位置の間で変位可能な可動ピース8と、を備え、キャビティ4に対して溶融樹脂の充填を行う間は可動ピース8を閉鎖位置に駆動し、キャビティ4に対して溶融樹脂が充填された後、可動ピース8を開放位置に駆動する。
【選択図】図1
Description
本発明の課題は、メタリック樹脂を用いた射出成形において、意匠面における不具合の発生を抑制することである。
メタリック樹脂成形品の表側に意匠成形面、及び前記メタリック樹脂成形品の裏側に非意匠成形面を有するキャビティと、前記非意匠成形面に形成された凸部成形穴と、前記凸部成形穴を閉鎖する閉鎖位置及び前記凸部成形穴を開放する開放位置の間で変位可能な可動部材と、前記キャビティに対して溶融樹脂の充填を行う間は前記可動部材を前記閉鎖位置に駆動し、前記キャビティに対して溶融樹脂が充填された後、前記可動部材を前記開放位置に駆動する駆動機構と、を備えることを特徴とする。
前記可動部材は、前記凸部成形穴に対して進退可能な状態で嵌合し、先端面が前記非意匠成形面と面一になる進退位置が前記閉鎖位置となり、前記先端面の前記非意匠成形面からの後退距離が前記凸部の高さと一致する進退位置が前記開放位置となることを特徴とする。
このように、凸部成形穴に嵌合した可動部材を閉鎖位置と開放位置との間で進退させることで、凸部成形穴の閉鎖と開放を容易に且つ確実に行うことができる。
前記駆動機構は、前記可動部材の基端に摺接すると共に前記非意匠成形面に対して傾斜した摺接傾斜面を有し、前記摺接傾斜面の傾斜方向で前記非意匠成形面と平行に進退可能なウェッジ部材と、前記ウェッジ部材を進退させるシリンダーと、を備えることを特徴とする。
このように、ウェッジ部材を非意匠成形面と平行に進退させることで、摺接傾斜面に摺接した可動部材を容易に且つ確実に進退させることができる。
前記駆動機構は、前記可動部材の基端に摺接すると共に回転角に応じて回転中心からの距離が変化する摺接カム面を有するカム部材と、前記カム部材を回転させるモーターと、を備えることを特徴とする。
このように、カム部材を回転させることで、摺接カム面に摺接した可動部材を容易に且つ確実に進退させることができる。
前記可動部材は、回転軸を有するハブと、前記ハブの回転軸を中心にして前記ハブに形成された扇体と、を備え、前記扇体における径方向に沿った端面が前記凸部成形穴の側面に対向し、前記扇体における円弧面が前記非意匠成形面に近接するように配置され、前記端面が前記側面に当接する回転角が前記閉鎖位置となり、前記端面の前記側面からの離間距離が前記凸部の厚みと一致する回転角が前記開放位置となることを特徴とする。
このように、ハブと扇体とを備えた可動部材を、閉鎖位置と開放位置との間で回転させることで、凸部成形穴の閉鎖と開放を容易に且つ確実に行うことができる。
前記非意匠面に筒状のボスを前記凸部として成形する場合、前記可動部材は、筒状に形成され、外周面が前記可動部材の内周面に摺接し、先端面が前記非意匠成形面と面一となるように基端側が固定されたコアピンを備え、前記ウェッジ部材は、前記コアピンを貫通させる長穴が前記ウェッジ部材の進退方向に沿って形成されることを特徴とする。
このように、コアピンを貫通させる長穴をウェッジ部材に形成したことで、ウェッジ部材を進退させるときのコアピンとの干渉を避けることができる。したがって、コアピンが不動状態を維持することができ、非意匠面に筒状のボスを成形することができる。
《第一実施形態》
《構成》
図1は、金型装置1の概略構成図である。
金型装置1は、固定側金型2と、可動側金型3とを備え、これら固定側金型2と可動側金型3との間に形成された空間がキャビティ4となる。このキャビティ4に、メタリック調のアルミフレークを練り込んだ溶融樹脂を充填することで、メタリック樹脂成形品を成形する。
キャビティ4は、略平板状に形成され、メタリック樹脂成形品の表側に意匠成形面5と、メタリック樹脂成形品の裏側に非意匠成形面6と、を備える。
キャビティ4に対して溶融樹脂の充填を行う間は、先端面9が非意匠成形面6と面一になる閉鎖位置まで可動ピース8を前進させ、キャビティ4に対して溶融樹脂が充填された後、保圧工程の際に、先端面9の非意匠成形面6からの後退距離がリブの高さと一致する開放位置まで可動ピース8を後退させる。
図2は、可動ピース8の動作図である。
先ず、キャビティ4に対して溶融樹脂の充填を行う前に、先端面9が非意匠成形面6と面一になる閉鎖位置まで可動ピース8を前進させておき、この状態でキャビティ4に対して溶融樹脂の充填を行う。このとき、リブ形成穴7が閉鎖(隠蔽)されていることで、溶融樹脂が意匠成形面5と非意匠成形面6とに沿って流れ、天肉部への滑らかな充填が行われる。このように、溶融樹脂の流れが乱されることなく、メタリック樹脂成形品の意匠面に良好なスキン層が形成される。
上記のように、リブ成形穴7に嵌合した可動ピース8を閉鎖位置と開放位置との間で進退させることで、リブ成形穴7の閉鎖と開放を容易に且つ確実に行うことができる。
こうして、キャビティ4及びリブ成形穴7の双方に充填された溶融樹脂は、冷却固化しメタリック樹脂成形品が成形される。その後、図示しないイジェクトピンを突出させることで、金型装置1からメタリック樹脂成形品を取出す。この離型の際に、可動ピース8を前進させて、イジェクトピンとして機能させてもよい。
以上より、リブ成形穴7が「凸部成形穴」に対応し、可動ピース8が「可動部材」に対応し、ウェッジ部材12とエアシリンダー15とが「駆動機構」に対応する。
《構成》
この第二実施形態は、可動ピース8の駆動をカム構造で行うものである。
図3は、カム構造の概略構成図である。
可動ピース8の基端は、カム部材21の摺接カム面22に摺接している。カム部材21は、回転シャフト23に形成され、回転シャフト23は、減速歯車24を介してモーター25に連結されている。摺接カム面22は、回転シャフト23の回転角に応じて回転中心からの距離が変化するように構成される。
したがって、カム部材21が正方向に回転すると、摺接カム面22に摺接した可動ピース8がリブ成形穴7に沿って非意匠成形面6へと前進する。一方、カム部材21が逆方向に回転すると、摺接カム面22に摺接した可動ピース8がリブ成形穴7に沿って非意匠成形面6から後退する。
可動ピース8の駆動手順については、前述した第一実施形態と同様である。
この第二の実施形態のように、カム部材21を回転させることで、摺接カム面22に摺接した可動ピース8を容易に且つ確実に進退させることができる。
以上より、カム部材21とモーター25とが「駆動機構」に対応する。
《構成》
この第三実施形態は、リブ成形穴7の開閉を回転ドラム構造で行うものである。
図4は、回転ドラム構造の概略構成図である。
回転ドラム31では、回転軸32を有するハブ33と、このハブ33の回転軸32を中心にしてハブ33に形成された扇体34と、を備える。そして、扇体34における径方向に沿った端面35がリブ成形穴7の側面36に対向し、且つ扇体34における円弧面37が非意匠成形面6に近接するように配置される。
扇体34には、リンク機構39が揺動可能に取付けられており、このリンク機構39が非意匠成形面6に対する面直方向に進退することによって、回転ドラム31が回転する。なお、リンク機構39に限定されるものではなく、ハブ33をモーターによって回転させる構造でもよい。
先ず、キャビティ4に対して溶融樹脂の充填を行う前に、端面35が側面36に当接する閉鎖位置まで回転ドラム31を正方向に回転させておき、この状態でキャビティ4に対して溶融樹脂の充填を行う。このとき、リブ形成穴7が閉鎖(隠蔽)されていることで、天肉部への滑らかな充填が行われる。このように、溶融樹脂の流れが乱されることなく、メタリック樹脂成形品の意匠面に良好なスキン層が形成される。
以上より、回転ドラム31が「可動部材」に対応し、リンク機構39が「駆動機構」に対応する。
《構成》
この第四実施形態は、メタリック樹脂成形品の非意匠面に筒状のボスを成形するものである。
図5は、ボスの成形例を示す図である。
図6は、ボスを成形するための可動ピース8の概略構成図である。
ここでは、可動ピース8及びウェッジ部材12の形状を変更すると共に、新たにコアピン41を追加したことを除いては、前述した第一実施形態と同様の構成を備えるため、同一部分については説明を省略する。
上記の構成により、ウェッジ部材12を進退させるときに、このウェッジ部材12とコアピン41との干渉が回避され、ウェッジ部材12の進退に対してコアピン41が不動状態を維持する。一方、ウェッジ部材12が前進すると、摺接傾斜面13に摺接した可動ピース8が非意匠成形面6へと前進し、逆にウェッジ部材12が後退すると、摺接傾斜面13に摺接した可動ピース8が非意匠成形面6から後退する。
すなわち、ウェッジ部材12の進退に応じて、コアピン41が不動状態を維持するのに対して、可動ピース8が閉鎖位置と開放位置との間で進退する。このように、ウェッジ部材12を進退させるときのコアピン41との干渉を避けることができるので、メタリック樹脂成形品の非意匠面に筒状のボスを成形することができる。
《構成》
この第五実施形態は、メタリック樹脂成形品の非意匠面にアンダーカット形状のフックを成形するものである。
図7は、フックの成形例を示す図である。
図8は、フックを成形するためのフック茎部形成駒51とフック爪部形成角エジェクトピン52の概略構成図である。
ここでは、可動ピース8及びコアピン41の代わりにフック茎部形成駒51とフック爪部形成角エジェクトピン52を追加したことを除いては、前述した第四実施形態と同様の構成を備えるため、同一部分については説明を省略する。
上記の構成により、ウェッジ部材12を進退させるときに、このウェッジ部材12とフック爪部形成角エジェクトピン52との干渉が回避され、ウェッジ部材12の進退に対してフック爪部形成角エジェクトピン52が不動状態を維持する。一方、図8の充填状態に示すように、キャビティに溶融樹脂が充填された後、ウェッジ部材12が後退すると、図8の保圧状態に示すように、摺接傾斜面13に摺接したフック茎部形成駒51が非意匠成形面6から後退することにより生じた空間に溶融樹脂が充填されることにより、非意匠面にアンダーカット形状のフックが形成される。
Claims (6)
- メタリック樹脂成形品の表側に意匠成形面、及び前記メタリック樹脂成形品の裏側に非意匠成形面を有するキャビティと、
前記非意匠成形面に形成された凸部成形穴と、
前記凸部成形穴を閉鎖する閉鎖位置及び前記凸部成形穴を開放する開放位置の間で変位可能な可動部材と、
前記キャビティに対して溶融樹脂の充填を行う間は前記可動部材を前記閉鎖位置に駆動し、前記キャビティに対して溶融樹脂が充填された後、前記可動部材を前記開放位置に駆動する駆動機構と、
を備えることを特徴とするメタリック樹脂成形における金型装置。 - 前記可動部材は、
前記凸部成形穴に対して進退可能な状態で嵌合し、先端面が前記非意匠成形面と面一になる進退位置が前記閉鎖位置となり、前記先端面の前記非意匠成形面からの後退距離が前記凸部の高さと一致する進退位置が前記開放位置となることを特徴とする請求項1に記載のメタリック樹脂成形における金型装置。 - 前記駆動機構は、
前記可動部材の基端に摺接すると共に前記非意匠成形面に対して傾斜した摺接傾斜面を有し、前記摺接傾斜面の傾斜方向で前記非意匠成形面と平行に進退可能なウェッジ部材と、
前記ウェッジ部材を進退させるシリンダーと、を備えることを特徴とする請求項2に記載のメタリック樹脂成形における金型装置。 - 前記駆動機構は、
前記可動部材の基端に摺接すると共に回転角に応じて回転中心からの距離が変化する摺接カム面を有するカム部材と、
前記カム部材を回転させるモーターと、を備えることを特徴とする請求項2に記載のメタリック樹脂成形における金型装置。 - 前記可動部材は、
回転軸を有するハブと、前記ハブの回転軸を中心にして前記ハブに形成された扇体と、を備え、前記扇体における径方向に沿った端面が前記凸部成形穴の側面に対向し、前記扇体における円弧面が前記非意匠成形面に近接するように配置され、前記端面が前記側面に当接する回転角が前記閉鎖位置となり、前記端面の前記側面からの離間距離が前記凸部の厚みと一致する回転角が前記開放位置となることを特徴とする請求項1に記載のメタリック樹脂成形における金型装置。 - 前記非意匠面に筒状のボスを前記凸部として成形する場合、
前記可動部材は、筒状に形成され、
外周面が前記可動部材の内周面に摺接し、先端面が前記非意匠成形面と面一となるように基端側が固定されたコアピンを備え、
前記ウェッジ部材は、前記コアピンを貫通させる長穴が前記ウェッジ部材の進退方向に沿って形成されることを特徴とする請求項3に記載のメタリック樹脂成形における金型装置。
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