JP4203903B2 - バルブゲート式金型装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば熱可塑性樹脂の射出成形などに用いられるバルブゲート式金型装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
製品成形用のキャビティへのゲートまでの材料通路内の成形材料である樹脂を加熱して常時溶融状態に保つホットランナー金型装置において、ゲートをバルブピンなどのバルブ体により機械的に開閉するバルブゲート式金型装置が知られている。なお、ホットランナー金型装置は、成形能率を高めることを目的としたものであり、ゲートを閉じるのは、型開時などにゲートから樹脂が漏れるのを防止するためである。また、バルブゲート式金型装置では、ゲートおよびピン状のバルブ体の軸方向とこのバルブ体の移動方向は、一般的に型閉時に相互間に製品形状のキャビティを形成する固定型および可動型の型開閉方向と一致させてある。すなわち、ゲートはダイレクトゲートになっている。そして、従来のバルブゲート式金型装置では、ゲートおよびこれに嵌合するバルブ体は円柱形状になっていた。
【0003】
ところで、中央部に孔部を有する環状または筒状の製品を成形する場合、その製品の軸方向を型開閉方向と一致させることになる。ところが、従来のような円柱形状のダイレクトゲートでは、環状または筒状の製品の場合、この製品の偏った位置にゲートを設けざるを得ない。しかし、このようにゲートが製品の偏った位置にあると、孔部が妨げとなって、ゲートからキャビティ内に均一に樹脂を充填できず、成形される製品の精度、特に真円度を向上させにくい問題があった。
【0004】
そこで、この問題を解決するために、中央部に孔部を有する環状または筒状の製品を成形する場合に、ゲートを、孔部を囲む環状にすることが提案されている。この場合、ゲートの形状に合わせてバルブ体は筒状に形成され、このバルブ体内には、製品の孔部に対応するピン体が通される。ここで、従来のこの種の金型装置の一例(例えば特許文献1)について説明する。型体である固定型および可動型は、型開閉方向に互いに移動して開閉し、型閉時に相互間に製品形状のキャビティを複数形成するものである。前記固定型は、キャビティを形成するキャビティブロックを埋め込んで固定した固定側型板と、この固定側型板における可動型と反対側の面にスペーサーブロックを介して固定された固定側取り付け板とを備えている。この固定側取り付け板は、射出成形機の型締用の固定側プラテンに取り付けられるものである。また、前記固定側型板と固定側取り付け板との間には、スペーサーを介在させてマニホールドが設けられている。このマニホールド内には、射出成型機のノズルが接続されるスプルーを前記各キャビティへ分岐させる材料通路であるランナーが形成されているとともに、このランナーを加熱する加熱手段としてのヒーターが設けられている。
【0005】
また、前記マニホールドにおける固定側型板側の面には、バルブ装置のバルブケーシングが接続されている。このバルブケーシングは、前記固定側型板およびキャビティブロックに形成された孔部内に挿入支持されている。また、前記キャビティブロックの孔部の先端部は、前記キャビティに臨むゲート形成孔になっている。そして、前記バルブケーシング内には、前記マニホールドのランナーに連通する材料通路が形成されている。また、バルブケーシングの外周には、材料通路を加熱する加熱手段としてのヒーターが設けられており、このヒーターは、ヒーターカバーにより外周側から覆われている。さらに、ヒーターの内側に添えて温度センサーが設けられている。
【0006】
さらに、前記材料通路内を貫通してほぼ円筒状のバルブ体としてのバルブスリーブが設けられており、このバルブスリーブ内に細長いほぼ円柱状のピン体が嵌合されている。これらバルブスリーブおよびピン体は、前記型開閉方向を軸方向としており、バルブスリーブはピン体に対して軸方向へ摺動可能である。また、ピン体は、前記ゲート形成孔内に同軸的に位置しており、その結果、これらゲート形成孔およびピン体により形成され前記材料通路をキャビティに連通させるゲートは、成形される製品の孔部を囲む環状に形成されることになる。これとともに、ピン体は、その先端面によりキャビティの一部を形成するものである。一方、前記筒状のバルブスリーブは、その軸方向に移動するものであるが、前記環状のゲートに挿脱自在に嵌合する薄肉円筒状のゲート閉塞部を先端部に有し、ゲートを開閉するものであり、バルブスリーブはバルブケーシングに支持されている。
【0007】
前記可動型は、前記固定側型板に突き当たる可動側型板を有しており、この可動側型板にコアが固定されている。これら可動側型板およびコアは、ともにキャビティを形成するものであるが、特にコアは、製品の内面および孔部を形成するものである。そして、型閉時には、前記固定型側のピン体がコアに突き当たるようになっている。
【0008】
そして、成形時には、まず固定型と可動型とを型閉してこれら固定型および可動型間にキャビティを形成する。このとき、固定型側のピン体は、可動型のコアに突き当たってキャビティの一部を形成する。そして、駆動装置である流体圧シリンダー装置の駆動によりゲートを開放し、射出成型機のノズルからスプルーに成形材料である溶融した熱可塑性樹脂を射出する。この樹脂は、マニホールドのランナーからバルブケーシング内の材料通路を通って、ゲートからキャビティ内に流入する。このキャビティ内に樹脂が充填された後、流体圧シリンダー装置の駆動によりゲートを閉塞する。さらに、キャビティ内の樹脂が冷却して固化した後、固定型と可動型とを型開してキャビティ内の樹脂すなわち成形された製品を取り出す。その後、再び型閉して以上の成形サイクルを繰り返す。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−283411
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そして、このようなホットランナー金型装置においては、上記のようにバルブケーシングの外周にヒーターを設けて、材料通路内の樹脂を加熱して常時溶融状態に保つようにしているが、ヒーターから離れた両端側が低くなる。これは、キャビティ内の樹脂を速やかに固化させるために冷却される固定型及び可動型に対して、バルブケーシングのゲート側から固定型へ熱が逃げることが一因である。そして、材料通路における最も温度の低い部分つまり両端側で、樹脂の流動性を確保できるだけの温度が得られるようにしなければ成らないが、そのため、中間部の温度は過度に高くなる。そして、温度が高すぎると、材料通路内の樹脂がヤケ(黒い焦げを生じること)を生じ、この樹脂の特性が悪くなる。しかも、上記従来技術のものは、ゲート形成孔にピン体に位置することにより、環状のゲートが形成され、このピン体が型閉時に可動型のコア体に突き当たり、ピン体がコア体により可動型に接し、ピン体に接するコア体を伝わってゲート側の熱が可動型に逃げ易い問題がある。
【0011】
本発明は、このような問題点を解決しようとするもので、ピン体を内部に貫通したバルブ体を備え、型閉時にピン体と他の型体のコア体とが接するバルブゲート式金型装置において、ピン体とコア体との間の熱伝導を抑制し、材料を均一に加熱することができるバルブゲート式金型装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、前記目的を達成するために、互いに開閉し型閉時にキャビティを相互間に形成する複数の型体と、この型体に設けられた材料通路およびこの材料通路を前記キャビティへ連通させるゲートと、このゲートを開閉するバルブ体とを備え、前記バルブ体が筒状をなすと共に、このバルブ体の先端側が前記ゲートに挿脱可能に嵌合し、前記筒状のバルブ体の内部に、先端が型閉時に他の型体のコア体に接するピン体を貫通させてなるバルブゲート式金型装置において、前記ピン体の先端に前記コア体の先端に外嵌する外嵌部を設け、前記ピン体には、その先端に開口した中空部を設け、この中空部により前記ピン体と前記コア体との接触面積が減少するように構成したものである。
【0013】
成形に際しては、複数の型体を型閉してこれらの型体間にキャビティを形成する。このとき、ピン体が他の型体のコア体に接する。そして、バルブ体によりゲートを開放し、材料通路からゲートを通してキャビティ内に成形材料を充填する。その後、バルブ体を移動させてゲートを閉じる。さらに、キャビティ内の成形材料が冷却して固化した後、型開して製品キャビティ内で固化した成形材料つまり成形された製品を取り出す。その後、再び型閉して以上の成形サイクルを繰り返す。そして、型閉時に、ピン体が他の型体のコア体に接するため、他の型体側に熱が移動するが、ピン体に設けた中空部によりピン体とコア体との接触面積が減少して熱伝導が小さくなると共に、中空部によりエアー断熱効果が得られ、ゲート側の温度低下を防止できる。
【0014】
また、請求項2の発明は、互いに開閉し型閉時にキャビティを相互間に形成する複数の型体と、この型体に設けられた材料通路およびこの材料通路を前記キャビティへ連通させるゲートと、このゲートを開閉するバルブ体とを備え、前記バルブ体が筒状をなすと共に、このバルブ体の先端側が前記ゲートに挿脱可能に嵌合し、前記筒状のバルブ体の内部に、型閉時に他の型体のコア体の先端に接するピン体を貫通させてなるバルブゲート式金型装置において、前記コア体の先端に前記ピン体の先端に外嵌する外嵌部を設け、前記コア体には、その先端に開口した中空部を設け、この中空部により前記ピン体と前記コア体との接触面積が減少するように構成したものである。
【0015】
型閉時に、ピン体が他の型体のコア体に接するため、他の型体側に熱が移動するが、コア体に設けた中空部によりピン体とコア体との接触面積が減少して熱伝導が小さくなると共に、中空部によりエアー断熱効果が得られ、ゲート側の温度低下を防止できる。
【0016】
また、請求項1の発明は、前記ピン体の先端に前記コア体の先端に外嵌する外嵌部を設けたものである。
【0017】
ピン体の外嵌部がコア体の先端に外嵌することにより、ピン体とコア体との位置決めがなされる。
【0018】
また、請求項2の発明は、前記コア体の先端に前記ピン体の先端に外嵌する外嵌部を設けたものである。
【0019】
コア体の外嵌部がピン体の先端に外嵌することにより、ピン体とコア体との位置決めがなされる。
【0020】
【発明の実施形態】
以下、本発明のバルブゲート式金型装置一実施例について、図1〜図3を参照しながら説明する。まず、バルブゲート式金型装置の構成について説明する。
【0021】
21は固定型、22は可動型で、型体であるこれら固定型21および可動型22は、図示上下方向(型開閉方向)に互いに移動して開閉し、型閉時に相互間に製品形状のキャビティ23を複数形成するものである。前記固定型21は、キャビティ23を形成するキャビティブロック26を埋め込んで固定した固定側型板27と、この固定側型板27における可動型22と反対側の面にスペーサーブロック28を介して固定された固定側取り付け板29とを備え、この固定側取り付け板29は、射出成形機の型締用の固定側プラテンに取り付けられるものである。また、前記固定側型板27と前記固定側取り付け板29との間には、マニホールド31が設けられている。このマニホールド31内には、射出成型機のノズルが接続される図示していないスプルーを前記各キャビティ23へ分岐させる材料通路であるランナー32が形成されているとともに、このランナー32を加熱する加熱手段としてのヒーター32Aが設けられている。
【0022】
また、前記マニホールド31における固定側型板27側の面には、バルブ装置33のバルブケーシング34が接続されている。このバルブケーシング34は、前記固定側型板27およびキャビティブロック26に形成された組み付け孔35,36内に挿入されている。そして、バルブケーシング34は、円筒形の本体部37のマニホールド31側の端部に径大部38が形成され、本体部37のゲート側の端部に先端に向って縮小する先端部39が形成されている。
【0023】
また、前記キャビティブロック26の組み付け孔36の先端部は、前記キャビティ23に臨むゲート形成孔41になっている。そして、前記バルブケーシング34内には、前記マニホールド31のランナー32に連通する材料通路42が形成されている。この材料通路42は前記型開閉方向に延びているが、材料通路42におけるマニホールド31側の一部には屈曲部43が形成され、この屈曲部43は後述するバルブ体から離れた位置に開口部43Aを有し、この開口部43Aと前記ライナー32が接続されている。また、バルブケーシング34の中央側たる本体部37の外周には、材料通路42を加熱する中央側加熱手段としてのヒーター44が設けられており、このヒーター44は、ヒーターカバー45により外周側から覆われている。さらに、ヒーター44の内側に添えて温度センサー46が設けられている。また、バルブケーシング34の本体部37およびヒーターカバー45と組み付け孔35,36の内面との間の多くの部分は隙間になっていて、断熱層47を形成している。
【0024】
また、バルブケーシング34の径大部38の外周には、材料通路42の屈曲部43を加熱する径大部加熱手段としてのヒーター51が設けられており、このヒーター51は、ヒーターカバー52により外周側から覆われている。さらに、ヒーター51の内側に添えて温度センサー(図示せず)が設けられている。そして、径大部38の先端側が組み込み孔35の径大嵌合受部53に嵌合する。
【0025】
さらに、バルブケーシング34の先端部39の外周には、支持リング61が固定され、この支持リング61はバルブケーシング34より熱伝導率の低い材質からなり、その外周には円柱外周面状の嵌合部62が形成され、この嵌合部62が嵌合するゲート側嵌合受部63が、前記組み込み孔36に形成されている。
【0026】
したがって、バルブケーシング34は、先端側(ゲート73側)の支持リング61が嵌合受部63に嵌合すると共に、基端側(反ゲート73側)の径大部38が径大嵌合受部53に嵌合することにより、固定型21の組み込み孔35,36に位置決め状態で組み込まれる。
【0027】
さらに、前記材料通路42内のほぼ中央を貫通してほぼ円筒状のバルブ体としてのバルブスリーブ71が設けられており、このバルブスリーブ71内に細長いほぼ円柱状のピン体たるセンターピン72が嵌合されている。尚、前記開口部43Aはバルブスリーブ71と離れた位置で径大部38の反ゲート73側の面に開口する。それらバルブスリーブ71およびセンターピン72は、前記型開閉方向を軸方向としており、バルブスリーブ71はセンターピン72に対して軸方向へ摺動可能である。また、センターピン72は、前記ゲート形成孔41内に同軸的に位置しており、その結果、これらゲート形成孔41およびセンターピン72の先端72Aにより形成され前記材料通路42をキャビティ23に連通させるゲート73は、成形される製品の孔部を囲む環状に形成されることになる。すなわち、ゲート形成孔41とのセンターピン72の先端72Aの間に、環状のゲート73が形成される。これとともに、センターピン72は、その先端面によりキャビティ23の一部を形成するものであって固定型21に位置固定されている。また、センターピン72の先端72Aが基端側より径大に形成されており、先端72Aに前記バルブスリーブ71の先端が摺動自在に外嵌する。
【0028】
一方、前記筒状のバルブスリーブ71は、その軸方向に移動するものであるが、前記環状のゲート73に挿脱自在に嵌合する薄肉円筒状のゲート閉塞部74を先端部に有し、ゲート73を開閉するものである。なお、バルブスリーブ71は、バルブケーシング34の径大部38内に固定されたガイドブッシュ75を摺動自在に貫通しているとともに、バルブケーシング34の材料通路42内に形成された複数の支持羽根76の内側にバルブスリーブ71が常時摺動自在に嵌合している。これにより、バルブスリーブ71がバルブケーシング34に支持されている。さらに、詳細には、3枚の支持羽根76が、材料通路42の内周面に型開閉方向に延びて一体に形成し、これら支持羽根76間が凹溝となっている。前記支持羽根76は、材料通路42の中心軸に対して120°ずつ離れて放射状に位置している。また、支持羽根76の内側縁は、ゲート73と反対の部分である基端側が凸状湾曲縁102となり、他の縁は前記型開閉方向と平行で前記バルブスリーブ71の外周面に摺動する摺動縁103となっており、それら複数の支持羽根76によりバルブスリーブ71を摺動自在に支持する。尚、前述のような支持羽根76を一体に有するバルブケーシング34は、例えば放電加工により製造できる。
【0029】
そして、前記バルブスリーブ71の駆動のために、このバルブスリーブ71は、前記マニホールド31に形成された通孔77を貫通して固定側取り付け板29に設けられた駆動装置としての油圧シリンダー装置などの流体圧シリンダー装置(図示せず)に接続されている。
【0030】
前記可動型22は、前記固定側型板27に突き当たる可動側型板81を有しており、この可動側型板81にコア体たるコアピン82が固定されている。これら可動側型板81およびコアピン82は、ともにキャビティ23を形成するものであるが、特にコアピン82は、製品の内面および孔部を形成するものである。
【0031】
前記センターピン72には、該センターピン72の先端72Sに開口した中空部83を形成し、その先端72Sには、先端側にテーパ状に拡大する内周面を有する外嵌部84を形成し、この外嵌部84が外嵌する嵌入突部85を、前記コアピン82の先端に形成しており、嵌入突部85の外周面が外嵌部84に対応して先端側に向かって細くなるテーパ状に形成されている。そして、ゲート閉塞時のバルブスリーブ71の先端とセンターピン72の先端72Sとは型開閉方向において同位置であり、センターピン72の先端72Sより前記嵌入突部85が固定型21側に入り込んでいる。尚、センターピン72の先端72Aの外径とコアピン82の外径とは同一である。そして、型閉時には、センターピン72の外嵌部84がコアピン82の嵌入突部85に嵌合するようになっており、この嵌合状態では、外嵌部84がコアピン82に嵌合して接した状態で、コアピン82の先端中央に中空部83に位置するため、エアー断熱効果により、センターピン72からコアピン82への熱の移動が抑制される。
【0032】
また、図示していないが、可動側型板81における固定型21と反対側の面には可動側受け板が固定されており、この可動側受け板における固定型21と反対側の面にはスペーサブロックを介して可動側取り付け板が固定されている。この可動側取り付け板は、射出成形機の型締用の可動側プラテンに取り付けられるものである。
【0033】
つぎに、前記の構成について、その作用を説明する。成形時には、まず固定型21と可動型22とを型閉してこれら固定型21および可動型22間にキャビティ23を形成する。このとき、センターピン72の外嵌部84がコアピン82先端の嵌入突部85に外嵌する。そして、射出成型機のノズルからスプルーに成形材料である溶融した熱可塑性樹脂を射出する。また、バルブスリーブ71を図中上方に移動してゲート73を開成する。射出した樹脂は、マニホールド31のランナー32かバルブケーシング34内の材料通路42を通って、環状のゲート73からキャビティ23内に流入する。このキャビティ23内に樹脂が充填された後、バルブスリーブ71をゲート73側に移動し、ゲート閉塞部74によりゲート73を閉塞する。さらに、キャビティ23内の樹脂が冷却して固化した後、固定型21と可動型22とを型開してキャビティ23内の樹脂すなわち成形された製品を取り出す。その後、再び型閉して以上の成形サイクルを繰り返す。そして、全成形サイクルを通じて、ヒーター44,51の加熱により材料通路42内の樹脂は常時溶融状態に保たれる。
【0034】
このような成形において、型閉時には、環状のゲート形成孔41内にセンターピン72が位置して環状のゲート73が形成され、センターピン72の外嵌部84がコアピン82先端の嵌入突部85に外嵌する。この場合、センターピン72に設けた中空部83によりセンターピン72とコアピン82との接触面積が減少して熱伝導が小さくなると共に、中空部83によりエアー断熱効果が得られ、ゲート側の温度低下が防止される。
【0035】
このように本実施形態では、請求項1に対応して、互いに開閉し型閉時にキャビティ23を相互間に形成する複数の型体たる固定型21及び可動型22と、この固定型21に設けられた材料通路42およびこの材料通路42をキャビティ23へ連通させるゲート73と、このゲート73を開閉するバルブ体たるバルブスリーブ71とを備え、バルブスリーブ71が筒状をなすと共に、このバルブスリーブ71の先端側がゲート73に挿脱可能に嵌合し、筒状のバルブスリーブ71の内部に、先端が型閉時に他の型体たる可動型22のコア体たるコアピン82に接するピン体たるセンターピン72を貫通させてなるバルブゲート式金型装置において、ピン体たるセンターピン72の先端にコア体たるコアピン82 の先端に外嵌する外嵌部84を設け、センターピン72には、その先端72Sに開口した中空部83を設け、中空部83によりセンターピン72とコアピン82との接触面積が減少するように構成したから、固定型21及び可動型22を型閉してこれらの固定型21及び可動型22間にキャビティ23を形成する。このとき、センターピン72が可動型22のコアピン82に接する。そして、バルブスリーブ71によりゲート73を開放し、材料通路42からゲート73を通してキャビティ23内に成形材料を充填する。その後、バルブスリーブ71を移動させてゲート73を閉じる。さらに、キャビティ23内の成形材料が冷却して固化した後、型開して製品キャビティ内で固化した成形材料つまり成形された製品を取り出す。その後、再び型閉して以上の成形サイクルを繰り返す。そして、型閉時に、センターピン72が可動型22のコアピン82に接するため、可動型22側に熱が移動するが、センターピン72に設けた中空部83によりセンターピン72とコアピン82との接触面積が減少して熱伝導が小さくなると共に、中空部83によりエアー断熱効果が得られ、ゲート73側の温度低下を防止できる。
【0036】
また、このように本実施形態では、請求項1に対応して、センターピン72の外嵌部84がコアピン82の先端に外嵌することにより、センターピン72とコアピン82との位置決めがなされる。
【0037】
また、実施形態上の効果として、センターピン72の先端72Sの内周面が先端側に拡大するテーパ状に形成されているから、嵌入突部85との位置決め嵌合をスムーズに行うことができる。
【0038】
図4は本発明の第2実施形態を示し、上記第1実施形態と同一部分に同一符号を付し、この例ではセンターピン72の先端72Sの外嵌部84Aは、その内周面が長さ方向に同一径に形成されており、該外嵌部84Aが外嵌する嵌合突部85Aの外周面も長さ方向に同一径に形成されている。
【0039】
そして、型閉時には、センターピン72の外嵌部84Aがコアピン82の嵌入突部85Aに嵌合し、上記第1実施形態と同様な作用・効果を奏する。
【0040】
図5及び図6は本発明の第2実施形態を示し、上記第1実施形態と同一部分に同一符号を付し、センターピン72は中実とし、前記コアピン82には、該コアピン82の先端82Sに開口した中空部83Aを形成し、その先端82Sには、先端側にテーパ状に拡大する内周面を有する外嵌部84Bを形成し、この外嵌部84Bが外嵌する嵌入突部85Bを前記センターピン72の先端に形成しており、嵌入突部85Bの外周面が外嵌部84Bに対応して先端側に向かって細くなるテーパ状に形成されている。そして、ゲート閉塞時のバルブスリーブ71の先端とセンターピン72の先端72Sとは型開閉方向において同位置であり、コアピン82の先端82Sより前記嵌入突部85Bが可動型22側に入り込んでいる。そして、型閉時には、コアピン82の外嵌部84Bがセンターピン72の嵌入突部85Bに嵌合するようになっている。
【0041】
このように本実施形態では、請求項2に対応して、互いに開閉し型閉時にキャビティ23を相互間に形成する複数の型体たる固定型21及び可動型22と、この固定型21に設けられた材料通路42およびこの材料通路42をキャビティ23へ連通させるゲート73と、このゲート73を開閉するバルブ体たるバルブスリーブ71とを備え、バルブスリーブ71が筒状をなすと共に、このバルブスリーブ71の先端側がゲート73に挿脱可能に嵌合し、筒状のバルブスリーブ71の内部に、先端が型閉時に他の型体たる可動型22のコア体たるコアピン82に接するピン体たるセンターピン72を貫通させてなるバルブゲート式金型装置において、コアピン82の先端にセンターピン72の先端に外嵌する外嵌部84Bを設け、コアピン82には、その先端82Sに開口した中空部83Aを設け、中 空部83Aによりセンターピン72とコアピン82との接触面積が減少するように構成したから、型閉時にセンターピン72が可動型22のコアピン82に接するため、可動型22側に熱が移動するが、コアピン82に設けた中空部83Aによりセンターピン72とコアピン82との接触面積が減少して熱伝導が小さくなると共に、中空部によりエアー断熱効果が得られ、ゲート73側の温度低下を防止できる。
【0042】
また、このように本実施形態では、請求項2に対応して、コアピン82の外嵌部84Bがセンターピン72の先端に外嵌することにより、センターピン72とコアピン82との位置決めがなされる。
【0043】
図7は本発明の第4実施形態を示し、上記各実施形態と同一部分に同一符号を付し、この例では上記第3実施形態で示したコアピン82の先端82Sの外嵌部84Cは、その内周面が長さ方向に同一径に形成されており、該外嵌部84Cが外嵌する嵌合突部85Cをセンターピン72の先端に設け、その嵌合突部85Cの外周面も長さ方向に同一径に形成されている。
【0044】
そして、型閉時には、コアピン82の外嵌部84Cがセンターピン72の嵌入突部85Cに嵌合し、上記各実施形態と同様な作用・効果を奏する。
【0045】
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、ピン体の先端とコア体の先端にそれぞれ中空部を設けるようにしてもよい。また、ピン体及びコア体は全長を中空にしてもよいし、先端側のみを中空としてもよい。
【0046】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、ピン体には、その先端に開口した中空部を設けたから、ピン体とコア体との接触面積が減少して熱伝導が小さくなると共に、中空部によりエアー断熱効果が得られ、ゲート側の温度低下を防止できる。
【0047】
請求項2の発明によれば、コア体には、その先端に開口した中空部を設けたから、ピン体とコア体との接触面積が減少して熱伝導が小さくなると共に、中空部によりエアー断熱効果が得られ、ゲート側の温度低下を防止できる。
【0048】
また、請求項1の発明によれば、ピン体の先端に前記コア体の先端に外嵌する外嵌部を設けたから、ピン体の外嵌部がコア体の先端に外嵌することにより、ピン体とコア体との位置決めがなされる。
【0049】
また、請求項2の発明によれば、コア体の先端に前記ピン体の先端に外嵌する外嵌部を設けたから、コア体の外嵌部がピン体の先端に外嵌することにより、ピン体とコア体との位置決めがなされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバルブゲート式金型装置の第1実施形態を示すゲート周りの断面図である。
【図2】同上、外嵌部周りの断面図である。
【図3】同上、全体断面図である。
【図4】本発明のバルブゲート式金型装置の第2実施形態を示す外嵌部周りの断面図である。
【図5】本発明のバルブゲート式金型装置の第3実施形態を示すゲート周りの断面図である。
【図6】同上、外嵌部周りの断面図である。
【図7】本発明のバルブゲート式金型装置の第4実施形態を示す外嵌部周りの断面図である。
【符号の説明】
21 可動型(型体)
22 固定型(型体)
23 キャビティ
32 ランナー(材料通路)
33 バルブ装置
42 材料通路
71 バルブスリーブ
72 センターピン(ピン体)
72S 先端
73 ゲート
82 コアピン(コア体)
82S 先端
83,83A 中空部
84,84A,84B,84C 外嵌部
85,85A,85B,85C 嵌入突部
Claims (2)
- 互いに開閉し型閉時にキャビティを相互間に形成する複数の型体と、この型体に設けられた材料通路およびこの材料通路を前記キャビティへ連通させるゲートと、このゲートを開閉するバルブ体とを備え、前記バルブ体が筒状をなすと共に、このバルブ体の先端側が前記ゲートに挿脱可能に嵌合し、前記筒状のバルブ体の内部に、先端が型閉時に他の型体のコア体に接するピン体を貫通させてなるバルブゲート式金型装置において、前記ピン体の先端に前記コア体の先端に外嵌する外嵌部を設け、前記ピン体には、その先端に開口した中空部を設け、この中空部により前記ピン体と前記コア体との接触面積が減少するように構成したことを特徴とするバルブゲート式金型装置。
- 互いに開閉し型閉時にキャビティを相互間に形成する複数の型体と、この型体に設けられた材料通路およびこの材料通路を前記キャビティへ連通させるゲートと、このゲートを開閉するバルブ体とを備え、前記バルブ体が筒状をなすと共に、このバルブ体の先端側が前記ゲートに挿脱可能に嵌合し、前記筒状のバルブ体の内部に、型閉時に他の型体のコア体の先端に接するピン体を貫通させてなるバルブゲート式金型装置において、前記コア体の先端に前記ピン体の先端に外嵌する外嵌部を設け、前記コア体には、その先端に開口した中空部を設け、この中空部により前記ピン体と前記コア体との接触面積が減少するように構成したことを特徴とするバルブゲート式金型装置。
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