JP2005088527A - 多色成形品、およびその成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 コアバック式の多色成形において、金型の耐久性を向上させるとともに、樹脂材料同士の境界部分の精度および外観品質を向上させることができる多色成形品、およびその成形方法を提供すること。
【解決手段】金型2のコアバック部5を金型本体部3,4に対して進退移動させる進退工程と、射出空間に樹脂材料を充填する複数の充填工程とを備え、コアバック部5の摺接部分が冷却されて収縮した状態で進退工程を実行することで、摺接部分の接触による摩耗を防止して、金型の寿命を長くできるとともに、前工程で充填された樹脂材料のコアバック部5への抱き付きおよび白化が防止され、外観品質が向上する。さらに、摺接部分が加熱されて膨張した状態で充填工程を実行することで、摺接部分のクリアランスが小さくなり、バリの発生が防止され、樹脂材料同士の境界部分の精度が向上できる。
【選択図】 図1
【解決手段】金型2のコアバック部5を金型本体部3,4に対して進退移動させる進退工程と、射出空間に樹脂材料を充填する複数の充填工程とを備え、コアバック部5の摺接部分が冷却されて収縮した状態で進退工程を実行することで、摺接部分の接触による摩耗を防止して、金型の寿命を長くできるとともに、前工程で充填された樹脂材料のコアバック部5への抱き付きおよび白化が防止され、外観品質が向上する。さらに、摺接部分が加熱されて膨張した状態で充填工程を実行することで、摺接部分のクリアランスが小さくなり、バリの発生が防止され、樹脂材料同士の境界部分の精度が向上できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、少なくとも二種類の樹脂を射出成形によって一体化する多色成形品、およびその成形方法に関する。詳しくは、キャビティを構成する金型本体部と、この金型本体部に対して進退移動可能に設けられたフローティングコアやスライドブロックなどのコアバック部とを備えた金型を用いて、コアバック部を進退移動させることで射出空間を形成する、コアバック式の多色成形方法により成形される多色成形品、およびその成形方法に関する。そして、本発明は、自動車分野、住設分野、日用品分野、玩具等の分野において利用可能であり、特に、ドアパネルやインストウルメントパネル、バンパー、サイドプロテクションモール等の自動車内外装部品に好適である。
従来より、異なる色や異なる材料からなる複数種類の樹脂材料を用いた多色成形(例えば、二色成形)の方法としては、コアバック式やコア回転式などが一般的であり、特殊なものとしては、DSI(ダイスライドインジェクション)といった多色成形法がある。
コアバック式の多色成形法(例えば、特許文献1参照)においては、1つのキャビティと1つのコアとで金型を構成すればよいため、他の多色成形法に比べて金型コストを安価にできるとともに、多色成形機の動作も単純にすることができるという特長がある。
コアバック式の多色成形法(例えば、特許文献1参照)においては、1つのキャビティと1つのコアとで金型を構成すればよいため、他の多色成形法に比べて金型コストを安価にできるとともに、多色成形機の動作も単純にすることができるという特長がある。
しかしながら、コアバック式の多色成形法では、スライドブロックなどのコアバック部を金型本体部に対して後退移動させるコアバックの際に、コアバック部と金型本体部とが摺動することになる。この摺動部分のクリアランスを小さくすると、コアバック部と金型本体部との間に生じる摩擦力が大きくなって、金型の耐久性が低下してしまうという問題がある。
また、摺動部分のクリアランスを大きくすると、コアバック部と金型本体部との隙間に樹脂材料が入り込んでバリが発生し、このバリが次工程で射出される樹脂材料側に突出してしまう。このため、前後の射出工程における樹脂材料同士の境界部分の精度が低下し、製品の品質を高められないという問題がある。
さらに、収縮率の大きな樹脂材料を用いた場合には、前工程で射出、充填された樹脂材料がコアバックの際にコアバック部に抱き付き、引っ張られることで、樹脂材料表面の白化等が発生し、製品の外観品質が低下してしまうという問題がある。
また、摺動部分のクリアランスを大きくすると、コアバック部と金型本体部との隙間に樹脂材料が入り込んでバリが発生し、このバリが次工程で射出される樹脂材料側に突出してしまう。このため、前後の射出工程における樹脂材料同士の境界部分の精度が低下し、製品の品質を高められないという問題がある。
さらに、収縮率の大きな樹脂材料を用いた場合には、前工程で射出、充填された樹脂材料がコアバックの際にコアバック部に抱き付き、引っ張られることで、樹脂材料表面の白化等が発生し、製品の外観品質が低下してしまうという問題がある。
本発明の目的は、コアバック式の多色成形において、金型の耐久性を向上させるとともに、樹脂材料同士の境界部分の精度および外観品質を向上させることができる多色成形品、およびその成形方法を提供することにある。
本発明の多色成形品の成形方法は、少なくとも二種類の樹脂材料を射出成形によって一体化する多色成形品の成形方法であって、金型本体部と、この金型本体部に対して進退移動可能に設けられたコアバック部とを備えた金型を用い、この金型のコアバック部を前記金型本体部に対して進退移動させる進退工程と、前記進退工程により形成される射出空間に前記樹脂材料を充填する複数の充填工程とを備え、前記コアバック部の全体、あるいは前記金型本体部との摺接部分近傍を冷却した状態で前記進退工程を実行するとともに、前記コアバック部の全体、あるいは前記金型本体部との摺接部分近傍を加熱した状態で前記充填工程を実行することを特徴とする。
ここで、金型のコアバック部としては、金型の一部分でもよく、また、金型が可動型および固定型から構成される場合において、可動型および固定型のうちの雄型となっている金型全体であってもよい。
また、樹脂材料としては、種々の熱可塑性樹脂が採用可能であるが、特に、結晶性樹脂のように収縮率の大きな材料を採用した場合に、大きな効果が期待できる。
また、冷却または加熱する位置としては、コアバック部の全体、あるいは金型本体部との摺接部分の近傍のみであってもよい。
また、樹脂材料としては、種々の熱可塑性樹脂が採用可能であるが、特に、結晶性樹脂のように収縮率の大きな材料を採用した場合に、大きな効果が期待できる。
また、冷却または加熱する位置としては、コアバック部の全体、あるいは金型本体部との摺接部分の近傍のみであってもよい。
この発明によれば、進退工程の前にコアバック部の全体、あるいは金型本体部との摺接部分近傍を冷却することで、この摺接部分が金型本体部から離れる方向に収縮し、金型本体部およびコアバック部間のクリアランスが大きくなるので、金型本体部およびコアバック部の接触による摩耗を防止して、金型の寿命を長くすることができる。さらに、コアバック部が収縮することで、前工程で射出、充填された樹脂材料(例えば、1次材)がコアバック部に抱き付くことが防止され、抱き付きに起因する樹脂材料の白化を防ぎ、外観品質を向上させることができる。
また、充填工程の前にコアバック部の全体、あるいは金型本体部との摺接部分近傍を加熱することで、この摺接部分が金型本体部に近づく方向に膨張し、金型本体部およびコアバック部間のクリアランスが小さくなるので、金型本体部とコアバック部との間の隙間が塞がれ、バリの発生が防止されて、樹脂材料同士の境界部分の精度を向上させることができる。さらに、コアバック部の表面温度が高いことで、金型から樹脂材料への転写性も向上させることができる。
また、充填工程の前にコアバック部の全体、あるいは金型本体部との摺接部分近傍を加熱することで、この摺接部分が金型本体部に近づく方向に膨張し、金型本体部およびコアバック部間のクリアランスが小さくなるので、金型本体部とコアバック部との間の隙間が塞がれ、バリの発生が防止されて、樹脂材料同士の境界部分の精度を向上させることができる。さらに、コアバック部の表面温度が高いことで、金型から樹脂材料への転写性も向上させることができる。
以上において、前記コアバック部の全体、あるいは前記金型本体部との摺接部分近傍を冷却する冷却剤として水または熱交換用冷媒を用いることが望ましい。
ここで、水や熱交換用冷媒は、チラー等の冷却装置で冷却され、所定温度に調整された状態で供給されることが望ましい。
ここで、水や熱交換用冷媒は、チラー等の冷却装置で冷却され、所定温度に調整された状態で供給されることが望ましい。
また、前記コアバック部の全体、あるいは前記金型本体部との摺接部分近傍を加熱する加熱媒体として加圧水、水蒸気、または油を用いることが望ましい。
このような構成によれば、コアバック部の内部に配管等を配設し、この配管に水や水蒸気、油等を循環させることで、コアバック部の全体、あるいは金型本体部との摺接部分近傍を冷却、または加熱することができるので、冷却や加熱のための装置を簡単に構成できる。
また、前記コアバック部の全体、あるいは前記金型本体部との摺接部分近傍を冷却した際の前記コアバック部と前記金型本体部との距離が8/100mm以上であり、前記コアバック部の全体、或いは前記金型本体部との摺接部分近傍を加熱した際の前記コアバック部と前記金型本体部との距離が5/100mm以下であることが好ましい。
このような構成によれば、冷却時において金型のコアバック部と金型本体部との間に、摩擦を防止できるだけの十分な大きさの隙間を確保することができ、かつ、加熱時において金型のコアバック部と金型本体部との隙間を十分に小さくして、バリの発生を確実に防止することができる。
このような構成によれば、冷却時において金型のコアバック部と金型本体部との間に、摩擦を防止できるだけの十分な大きさの隙間を確保することができ、かつ、加熱時において金型のコアバック部と金型本体部との隙間を十分に小さくして、バリの発生を確実に防止することができる。
また、前記コアバック部の全体、あるいは前記金型本体部との摺接部分近傍が金型の他の部分よりも熱膨張係数の大きな材料から形成されていることが好ましい。
ここで、熱膨張係数としては、12×10-6(/℃)以上とされ、15×10-6(/℃)以上とされることが好ましく、17×10-6(/℃)以上とされることがより好ましい。
このような構成によれば、冷却または加熱によって、金型のコアバック部が熱膨張係数に応じて収縮または膨張するので、上述の効果をより確実に得ることができる。
ここで、熱膨張係数としては、12×10-6(/℃)以上とされ、15×10-6(/℃)以上とされることが好ましく、17×10-6(/℃)以上とされることがより好ましい。
このような構成によれば、冷却または加熱によって、金型のコアバック部が熱膨張係数に応じて収縮または膨張するので、上述の効果をより確実に得ることができる。
一方、本発明の多色成形品は、上述したいずれかの成形方法によって成形されたことを特徴とする。
この発明によれば、上述した効果と同様の効果を得ることができる。
この発明によれば、上述した効果と同様の効果を得ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る多色成形品を成形する射出成形機1の金型2部分を示す断面図である。
金型2は、図示しない固定ダイプレートに固定された固定型3と、図示しない移動ダイプレートに設けられた可動型4と、可動型4に形成された挿通孔41に沿って摺動自在に設けられたスライドブロック5とを有して構成されている。そして、多色成形品の形状寸法に応じた雌型が形成された固定型3および可動型4の対向面同士を密接し、これらを型締めすることでキャビティ6が構成されている。スライドブロック5は、ピストンロッド51を介してシリンダ52に連結されており、シリンダ52の駆動によりスライドブロック5がキャビティ6に対して進退可能に構成されている。すなわち、固定型3および可動型4によって本発明の金型本体部が構成され、スライドブロック5によって本発明のコアバック部が構成されている。
なお、金型2を構成する固定型3、可動型4、スライドブロック5のうち、少なくともスライドブロック5は、S55C相当の強度を持つ銅合金系材料(例えば、ベリリウム銅)やアルミニウムなどから形成されている。
図1は、本発明の一実施形態に係る多色成形品を成形する射出成形機1の金型2部分を示す断面図である。
金型2は、図示しない固定ダイプレートに固定された固定型3と、図示しない移動ダイプレートに設けられた可動型4と、可動型4に形成された挿通孔41に沿って摺動自在に設けられたスライドブロック5とを有して構成されている。そして、多色成形品の形状寸法に応じた雌型が形成された固定型3および可動型4の対向面同士を密接し、これらを型締めすることでキャビティ6が構成されている。スライドブロック5は、ピストンロッド51を介してシリンダ52に連結されており、シリンダ52の駆動によりスライドブロック5がキャビティ6に対して進退可能に構成されている。すなわち、固定型3および可動型4によって本発明の金型本体部が構成され、スライドブロック5によって本発明のコアバック部が構成されている。
なお、金型2を構成する固定型3、可動型4、スライドブロック5のうち、少なくともスライドブロック5は、S55C相当の強度を持つ銅合金系材料(例えば、ベリリウム銅)やアルミニウムなどから形成されている。
次に、図2は、図1に矢視II−II線で示す固定型3の側面図である。なお、図2には、後述する第1および第2の樹脂材料11,12が固定型3のキャビティ6に射出された状態が示されている。また、図1は、図2に矢視I−I線で示す断面図である。
図1、2において、固定型3には、キャビティ6内に樹脂材料を射出する射出装置(不図示)に接続された第1および第2材料用スプルーブッシュ31,32が設けられている。これらの第1および第2材料用スプルーブッシュ31,32は、それぞれ多色成形品を形成する第1および第2の樹脂材料11,12を射出するためのものである。第2材料用スプルーブッシュ32は、第2樹脂材料12のサイドゲート位置でキャビティ6に開口して設けられている。そして、スライドブロック5を後退させた状態で、第2材料用ゲート32の先端開口が開放され、第2樹脂材料12がキャビティ6内に射出可能になっている。
以上のように、本発明の多色成形品は、第1および第2の樹脂材料11,12から、コアバック式の多色成形法によって成形される二色成形品である。
図1、2において、固定型3には、キャビティ6内に樹脂材料を射出する射出装置(不図示)に接続された第1および第2材料用スプルーブッシュ31,32が設けられている。これらの第1および第2材料用スプルーブッシュ31,32は、それぞれ多色成形品を形成する第1および第2の樹脂材料11,12を射出するためのものである。第2材料用スプルーブッシュ32は、第2樹脂材料12のサイドゲート位置でキャビティ6に開口して設けられている。そして、スライドブロック5を後退させた状態で、第2材料用ゲート32の先端開口が開放され、第2樹脂材料12がキャビティ6内に射出可能になっている。
以上のように、本発明の多色成形品は、第1および第2の樹脂材料11,12から、コアバック式の多色成形法によって成形される二色成形品である。
スライドブロック5には、図示しない冷却装置に接続された冷却配管7が設けられている。この冷却配管7は、スライドブロック5の内部に配設されており、冷却装置から送出された冷却水をスライドブロック5内に循環させることで、スライドブロック5が冷却されるようになっている。スライドブロック5内部の冷却配管7は、スライドブロック5と可動型4の挿通孔41との摺接面53近傍に配設されており、特に摺接面53部分が冷却されるようになっている。
なお、図1では、図示を省略するが、スライドブロック5には、加熱装置に接続され、冷却配管7と同様な構成を備えた加熱配管8も別途設けられており、この加熱配管8を通して加圧水をスライドブロック5内に循環させることで、スライドブロック5が加熱されるようになっている。
なお、図1では、図示を省略するが、スライドブロック5には、加熱装置に接続され、冷却配管7と同様な構成を備えた加熱配管8も別途設けられており、この加熱配管8を通して加圧水をスライドブロック5内に循環させることで、スライドブロック5が加熱されるようになっている。
スライドブロック5は、12×10-6(/℃)以上の大きな熱膨張係数を有した材料から形成されている。なお、スライドブロック5の熱膨張係数は、15×10-6(/℃)以上でもよく、また17×10-6(/℃)以上とされていてもよい。また、このような熱膨張係数を有した材料によって、スライドブロック5全体を形成してもよく、また、摺接面53部分のみを形成してもよい。
次に本実施形態に係る射出成形機1の動作、つまり二色成形品の成形手順について、図3〜5に基づいて説明する。図3(A)〜(C)、図4(A)〜(C)、および図5(A)〜(C)は、二色成形品の成形手順を示す説明図である。
まず、図3(A)に示すように、固定型3および可動型4を型締めした後に、冷却装置から冷却配管7を介して冷却水を循環させてスライドブロック5を冷却する。この際、スライドブロック5の摺接面53と可動型4の挿通孔41との隙間は、8/100mm以上となるように設定されている。
そして、スライドブロック5が収縮して、スライドブロック5の摺接面53と可動型4の挿通孔41との間に隙間が形成された状態で、図3(B)に示すように、シリンダ52を駆動してスライドブロック5をキャビティ6に向かって前進させる。これにより、第1回目の進退工程が実施される。
これに続いて、図3(C)に示すように、加熱装置から加熱配管8を介して加圧水を循環させてスライドブロック5を加熱する。この加熱により、スライドブロック5が膨張して、スライドブロック5の摺接面53と可動型4の挿通孔41との間の隙間が閉じて5/100mm以下となり、摺接面53と挿通孔41とが密接されるようになっている。これにより、キャビティ6内に第1材料用の射出空間6Aが形成される。
まず、図3(A)に示すように、固定型3および可動型4を型締めした後に、冷却装置から冷却配管7を介して冷却水を循環させてスライドブロック5を冷却する。この際、スライドブロック5の摺接面53と可動型4の挿通孔41との隙間は、8/100mm以上となるように設定されている。
そして、スライドブロック5が収縮して、スライドブロック5の摺接面53と可動型4の挿通孔41との間に隙間が形成された状態で、図3(B)に示すように、シリンダ52を駆動してスライドブロック5をキャビティ6に向かって前進させる。これにより、第1回目の進退工程が実施される。
これに続いて、図3(C)に示すように、加熱装置から加熱配管8を介して加圧水を循環させてスライドブロック5を加熱する。この加熱により、スライドブロック5が膨張して、スライドブロック5の摺接面53と可動型4の挿通孔41との間の隙間が閉じて5/100mm以下となり、摺接面53と挿通孔41とが密接されるようになっている。これにより、キャビティ6内に第1材料用の射出空間6Aが形成される。
次に、図4(A)に示すように、第1材料用スプルーブッシュ31から第1材料用の射出空間6Aに第1樹脂材料11を射出し、充填する。これにより、第1回目の充填工程が実施される。
第1樹脂材料11の充填が終了し、所定時間経過後に、図4(B)に示すように、冷却装置から冷却配管7を介して冷却水を循環させてスライドブロック5を冷却する。
そして、スライドブロック5が収縮して、スライドブロック5の摺接面53と可動型4の挿通孔41との間に隙間が形成された状態で、図4(C)に示すように、シリンダ52を駆動してスライドブロック5をキャビティ6から後退させる。これにより、第2回目の進退工程が実施される。
第1樹脂材料11の充填が終了し、所定時間経過後に、図4(B)に示すように、冷却装置から冷却配管7を介して冷却水を循環させてスライドブロック5を冷却する。
そして、スライドブロック5が収縮して、スライドブロック5の摺接面53と可動型4の挿通孔41との間に隙間が形成された状態で、図4(C)に示すように、シリンダ52を駆動してスライドブロック5をキャビティ6から後退させる。これにより、第2回目の進退工程が実施される。
次に、図5(A)に示すように、加熱装置から加熱配管8を介して加圧水を循環させてスライドブロック5を加熱する。この加熱により、スライドブロック5が膨張して、スライドブロック5の摺接面53と可動型4の挿通孔41との間の隙間が閉じ、摺接面53と挿通孔41とが密接される。これにより、キャビティ6内に第2材料用の射出空間6Bが形成される。
そして、図5(B)に示すように、第2材料用スプルーブッシュ32から第2材料用の射出空間6Bに第2樹脂材料12を射出し、充填する。これにより、第2回目の充填工程が実施される。
第2樹脂材料12の充填が終了し、所定時間経過後に、図5(C)に示すように、冷却装置から冷却配管7を介して冷却水を循環させてスライドブロック5を冷却する。
そして、図5(B)に示すように、第2材料用スプルーブッシュ32から第2材料用の射出空間6Bに第2樹脂材料12を射出し、充填する。これにより、第2回目の充填工程が実施される。
第2樹脂材料12の充填が終了し、所定時間経過後に、図5(C)に示すように、冷却装置から冷却配管7を介して冷却水を循環させてスライドブロック5を冷却する。
その後、図示しない移動ダイプレートを駆動して、固定型3から可動型4を離隔させ、二色成形品を金型2から取り出す。
以上により、二色成形品の成形が完了する。
なお、第2回目の充填工程の後、図4(C)〜図5(C)に示す手順を繰り返して実行することで、三種類以上の樹脂材料からなる多色成形品を成形することができるようになる。
以上により、二色成形品の成形が完了する。
なお、第2回目の充填工程の後、図4(C)〜図5(C)に示す手順を繰り返して実行することで、三種類以上の樹脂材料からなる多色成形品を成形することができるようになる。
以上の本実施形態によれば以下の効果がある。
(1)進退工程の前にスライドブロック5を冷却することで、スライドブロック5が収縮して、スライドブロック5の摺接面53と可動型4の挿通孔41との間に隙間が形成され、摺接面53および挿通孔41のクリアランスが大きくなるので、これらの接触による摩耗を防止して、金型2の寿命を長くすることができる。
(1)進退工程の前にスライドブロック5を冷却することで、スライドブロック5が収縮して、スライドブロック5の摺接面53と可動型4の挿通孔41との間に隙間が形成され、摺接面53および挿通孔41のクリアランスが大きくなるので、これらの接触による摩耗を防止して、金型2の寿命を長くすることができる。
(2)スライドブロック5が収縮することで、第1回目の充填工程で充填された第1樹脂材料11がスライドブロック5から引き離され、スライドブロック5への第1樹脂材料11の抱き付きが防止され、抱き付きに起因する第1樹脂材料11の白化を防ぎ、外観品質を向上させることができる。
(3)充填工程の前にスライドブロック5を加熱することで、スライドブロック5が膨張し、スライドブロック5の摺接面53と可動型4の挿通孔41との間の隙間が閉じ、摺接面53と挿通孔41とが密接する、すなわちクリアランスが小さくなるので、バリの発生が防止されて、第1および第2樹脂材料11,12の境界部分の精度を向上させることができる。さらに、スライドブロック5の表面温度が高い状態で第2樹脂材料12が射出、充填されることで、金型2から樹脂材料への転写性も向上させることができる。
(4)スライドブロック5が熱膨張係数の大きな材料から形成されているので、冷却または加熱によって、スライドブロック5が確実に収縮または膨張し、上述の効果をより確実に得ることができる。
(5)スライドブロック5の冷却、加熱速度を早めることにより、通常の多色成形と同等のサイクルで成形することもできる。
本発明の実施例として、下に示すような構成を採用した。
[成形材料および成形条件]
第1および第2樹脂材料としては、ポリプロピレン(出光石油化学(株)製J−950HP)を用い、第1樹脂材料を無着色で、第2樹脂材料を灰色に着色して、成形温度200℃で射出充填した。
金型温度としては、金型本体部としての固定型および可動型の金型温度を40℃とし、スライドブロックの金型温度を変更させて射出成形した。
射出成形機としては、450ton成形機を用いた。
なお、射出成形方法は、前記実施形態の成形手順の通りである。
[成形材料および成形条件]
第1および第2樹脂材料としては、ポリプロピレン(出光石油化学(株)製J−950HP)を用い、第1樹脂材料を無着色で、第2樹脂材料を灰色に着色して、成形温度200℃で射出充填した。
金型温度としては、金型本体部としての固定型および可動型の金型温度を40℃とし、スライドブロックの金型温度を変更させて射出成形した。
射出成形機としては、450ton成形機を用いた。
なお、射出成形方法は、前記実施形態の成形手順の通りである。
[評価方法]
目視にて第1および第2樹脂材料の境界部分におけるバリの有無、および製品外観を確認した。
目視にて第1および第2樹脂材料の境界部分におけるバリの有無、および製品外観を確認した。
[実施例1]
スライドブロックの金型温度として、冷却時において40℃とし、加熱時において140℃とした。
スライドブロックの金型温度として、冷却時において40℃とし、加熱時において140℃とした。
[比較例1]
スライドブロックの金型温度として、冷却時および加熱時ともに40℃で一定とした。
スライドブロックの金型温度として、冷却時および加熱時ともに40℃で一定とした。
[評価]
実施例1では、第1および第2樹脂材料の境界部分にバリの無い、外観に優れた多色成形品が得られた。
比較例1では、第1および第2樹脂材料の境界部分にバリが認められた。
実施例1では、第1および第2樹脂材料の境界部分にバリの無い、外観に優れた多色成形品が得られた。
比較例1では、第1および第2樹脂材料の境界部分にバリが認められた。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態における金型2のキャビティとコアを反転させ、固定側にキャビティとコアバック部を設け、可動側にコアを設けてもよい。
また、樹脂材料を射出するゲートの位置は、前記実施形態に限定されず、任意の箇所にゲートを設置可能である。さらに、ゲートの種類として、ピンゲートやホットランナ等を適用することも可能である。
例えば、前記実施形態における金型2のキャビティとコアを反転させ、固定側にキャビティとコアバック部を設け、可動側にコアを設けてもよい。
また、樹脂材料を射出するゲートの位置は、前記実施形態に限定されず、任意の箇所にゲートを設置可能である。さらに、ゲートの種類として、ピンゲートやホットランナ等を適用することも可能である。
本発明は、自動車分野、住設分野、日用品分野、玩具等の分野において利用可能であり、特に、ドアパネルやインストウルメントパネル、バンパー、サイドプロテクションモール等の自動車内外装部品に好適である。
2 金型
3 固定型(金型本体部)
4 可動型(金型本体部)
5 スライドブロック(コアバック部)
6A 第1材料用の射出空間
6B 第2材料用の射出空間
41 挿通孔(摺接部分)
53 摺接面(摺接部分)
3 固定型(金型本体部)
4 可動型(金型本体部)
5 スライドブロック(コアバック部)
6A 第1材料用の射出空間
6B 第2材料用の射出空間
41 挿通孔(摺接部分)
53 摺接面(摺接部分)
Claims (6)
- 少なくとも二種類の樹脂材料を射出成形によって一体化する多色成形品の成形方法であって、
金型本体部と、この金型本体部に対して進退移動可能に設けられたコアバック部とを備えた金型を用い、この金型のコアバック部を前記金型本体部に対して進退移動させる進退工程と、
前記進退工程により形成される射出空間に前記樹脂材料を充填する複数の充填工程とを備え、
前記コアバック部の全体、あるいは前記金型本体部との摺接部分近傍を冷却した状態で前記進退工程を実行するとともに、前記コアバック部の全体、あるいは前記金型本体部との摺接部分近傍を加熱した状態で前記充填工程を実行することを特徴とする多色成形品の成形方法。 - 請求項1に記載の多色成形品の成形方法において、
前記コアバック部の全体、あるいは前記金型本体部との摺接部分近傍を冷却する冷却剤として水または熱交換用冷媒を用いることを特徴とする多色成形品の成形方法。 - 請求項1または請求項2に記載の多色成形品の成形方法において、
前記コアバック部の全体、あるいは前記金型本体部との摺接部分近傍を加熱する加熱媒体として加圧水、水蒸気、または油を用いることを特徴とする多色成形品の成形方法。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の多色成形品の成形方法において、
前記コアバック部の全体、あるいは前記金型本体部との摺接部分近傍を冷却した際の前記コアバック部と前記金型本体部との距離が8/100mm以上であり、
前記コアバック部の全体、或いは前記金型本体部との摺接部分近傍を加熱した際の前記コアバック部と前記金型本体部との距離が5/100mm以下であることを特徴とする多色成形品の成形方法。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の多色成形品の成形方法において、
前記コアバック部の全体、あるいは前記金型本体部との摺接部分近傍が金型の他の部分よりも熱膨張係数の大きな材料から形成されていることを特徴とする多色成形品の成形方法。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の成形方法によって成形されたことを特徴とする多色成形品。
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