JP2009220554A - 多層成形品の製造方法および多層成形品 - Google Patents

多層成形品の製造方法および多層成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】反りなどの不良がなく、各層の厚みが均一であり、また層間の密着性にも優れる従来にない大型の多層成形品の製造方法、およびかかる良好な成形品を提供すること。
【解決手段】少なくとも2層の樹脂材料からなる多層成形品の製造方法であって、固定金型と可動金型とを使用し、1次成形により第1層を射出成形する工程、可動金型を移動させて2次成形用のキャビティを形成させる工程、および2次成形により前記第1層に積層する形で第2層を射出成形して第1層と第2層とが融着した多層成形品を成形する工程を含み、かつ上記射出成形工程のうち少なくとも1つが、金型固定板の角部4箇所の型締め機構で固定金型と可動金型との間の平行度を調整することにより金型間の平行度を維持する射出圧縮成形であることを特徴とする多層成形品の製造方法ならびにその方法で得られた多層成形品である。
【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも2層の樹脂材料からなる多層成形品の製造方法、およびそれにより成形される多層成形品に関する。詳しくは可動金型を固定金型に対して平行に進退移動させることで射出空間を形成するコアバック式の多層成形品の製造方法、およびこの多層成形品の製造方法により成形される多層成形品に関する。
近年、製品の高機能化や高意匠化、リサイクルや塗装レスによる省資源・環境対策等の製品の高付加価値化を図るため、製品の各層ごとに異なる機能を付与する製品設計が要望されている。このような異なる材料からなる複数種類の樹脂材料を用いた多層成形品を成形する方法としては、コアバック式やコア回転式などが一般的であり、特殊なものとしては、ダイスライドインジェクションといった多層成形法がある。コアバック式の多層成形法(特許文献1参照)においては、1つのキャビティと1つのコアとで金型を構成すればよいため、他の多色成形法に比べて金型コストを安価にできるとともに、多色成形機の動作も単純にすることができるという特長がある。
ところで、異なる材料を積層した成形品では、材料間の線膨張係数や成形収縮率の違いによって反りが問題となることがある。この反りは材料物性の違いだけに起因するのではなく、各層の厚みのばらつきや成形時に発生する残留応力なども原因となるため、多層成形品が大型になるほど反りが相対的に大きくなる傾向がある。そのため、例えば自動車のバンパー、フェンダー、サンルーフ等の大きな部材の多層成形品を従来の方法で得ることは困難であった。
大型の成形品を得るための成形方法としては、射出圧縮成形法(特許文献2参照)が、成形時に発生する残留応力を低減させる利点を有する。しかしながら、大型の多層成形品について厚みの不均一性による反りや密着不良に関する知見はこれまで開示されていなかった。
特開2005−88527号公報 特開平1−264823号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、反りなどの不良がなく、各層の厚みが均一であり、また層間の密着性にも優れる従来にない大型の多層成形品の製造方法、およびかかる良好な成形品を提供することにある。
本発明者らはこの目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、大型の多層成形品を射出成形する工程のうち少なくとも1つを、金型固定板の角部4箇所の型締め機構で固定金型と可動金型との間の平行度を調整することにより金型間の平行度を維持する射出圧縮成形とすることにより目的とする良好な製品が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、(1)少なくとも2層の樹脂材料からなる多層成形品の製造方法であって、固定金型と可動金型とを使用し、1次成形により第1層を射出成形する工程、可動金型を移動させて2次成形用のキャビティを形成させる工程、および2次成形により前記第1の部分に積層する形で第2層を射出成形して第1の部分と第2の部分とが融着した多層成形品を成形する工程を含み、かつ上記射出成形工程のうち少なくとも1つが、金型固定板の角部4箇所の型締め機構で固定金型と可動金型との間の平行度を調整することにより金型間の平行度を維持する射出圧縮成形であることを特徴とする多層成形品の製造方法である。
本発明の好適な態様の一つは(2)射出圧縮成形が、金型固定板の角部4箇所の型締め機構で可動金型が固定金型に対して平行移動するときに、検出された可動板と固定板との相対位置の検出値から可動金型と固定金型との間の平均距離を演算し、各型締め機構への指令値に各型締め機構の検出値と平均距離との差を補正量として加減算するとともに差の積分値をフィードバックして制御することにより金型間の平行度を維持する射出圧縮成形である上記構成(1)の多層成形品の製造方法である。
本発明の好適な態様の一つは、(3)射出圧縮成形が、金型固定板の角部4箇所の型締め機構で可動金型が固定金型に対して平行移動するときに、前記角部4箇所の型締め機構における型締力を検出してそれら検出型締力の平均値を演算し、各型締め機構への指令値にあらかじめ設定した型締め機構の目標型締力と前記検出型締力の平均値との差を補正量として加減算するとともに差の積分値をフィードバックして制御することで金型間の平行度を維持する射出圧縮成形である上記構成(1)の多層成形品の製造方法である。
本発明の好適な態様の一つは、(4)2次成形に使用される樹脂材料のガラス転移温度をTgとしたとき第1層のキャビティ側の表面温度が[Tg−20](℃)〜[Tg+50](℃)である上記構成(1)〜(3)のいずれかの多層成形品の製造方法である。
本発明の好適な態様の一つは、(5)射出圧縮成形が、中間型締め状態におけるキャビティ容量が最終型締め状態におけるキャビティ容量の1.1〜10.0倍の範囲であり、かつ中間型締め状態から最終型締め状態に可動金型が移動する際の移動速度が5mm/秒以上である射出圧縮成形である上記構成(1)〜(4)のいずれかの多層成形品の製造方法である。
本発明の好適な態様の一つは、(6)多層成形品を構成する各層の厚みが1mm〜50mmで、多層成形品を構成する各層における最薄部の厚み(Ta)を最厚部の厚み(Tb)で除した偏肉度(Ta/Tb)が0.7以上である上記構成(1)〜(5)のいずれかの多層成形品の製造方法である。
本発明の好適な態様の一つは、(7)多層成形品を23℃、相対湿度50%の条件で24時間静置した後の反り量が150μm/mm以下である上記構成(1)〜(6)のいずれかの多層成形品の製造方法である。
本発明の好適な態様の一つは、(8)上記構成(1)〜(7)のいずれかの多層成形品の製造方法によって得られたゲートから流動末端までの流動長が15〜300cmであり、かつその最大投影面積が200〜60,000cmであり、そして熱可塑性樹脂を用いて成形された多層成形品である。
本発明の好適な態様の一つは、(9)上記構成(8)の多層成形品を熱曲げ加工、周縁部の除去、または塗装することによって得られた多層成形品である。
本発明によれば、薄肉層を有する射出成形による多層成形品、さらに反り等の不良もなく、また歪みや層間の密着性にも優れる多層成形品を得ることが可能となる。かかる成形法は特に、インストルメントパネルやドアパネル、バックドア、センターコンソール等の自動車分野用部品、洗面化粧台やバスカウンタ、浴槽、浴室収納パネル等の住宅設備分野用部品、バケツや衣装収納ケース等の日用品分野、テレビやパソコン用筐体等の家電OA機器分野など多層構造を有する大型製品を必要とする分野で好適に使用され、その奏する工業的効果は極めて大である。
以下、本発明の実施の形態を2層成形品の製造方法の場合について説明する。なお、本発明の成形品は2層成形品に限定されるものではない。
(成形機の構成)
図1は成形サイクルの開始時点の状態を示す型締装置の縦断面図、図2は1次成形により第1層を射出成形または射出圧縮成形する開始前の状態を示す型締装置の縦断面図、図3は第1層を射出成形または射出圧縮成形をしている状態を示す型締装置の縦断面図、図4は2次成形のため金型を開いて射出成形または射出圧縮成形の準備をしている状態を示す型締装置の縦断面図、図5は第2層を射出成形または射出圧縮成形をしている状態を示す型締装置の縦断面図、図6は型開きをして2層成形品を取出ししている状態を示す型締装置の縦断面図である。
型締装置10は、第1射出装置11と第2射出装置12とともに射出成形機を構成する。型締装置10は、固定金型13を取付ける金型固定板である固定板21、可動金型14を取付ける固定板21と対向する金型固定板である可動板22、可動板22の角部である四隅近傍に設けられ圧締室27と開放室28を備えた油圧シリンダ装置等からなる型締め機構16、型締め機構16の油圧シリンダ装置のロッドが延長されて形成されるタイバ23、タイバ23の延長上にある固定板21の四隅に設けられ、タイバ23の固定板21側端部を遊貫する貫通孔の開口部に設けられた係合装置20、固定板21の上下面又は表裏側面に一対で設けられ、可動板22を固定板21に対し接近・離隔させる油圧シリンダ装置またはサーボモータとボールネジ機構等からなる型開閉装置18、および固定板21と支持板26との間に固設されたガイド25上を摺動する位置センサー24から構成される。位置センサー24は、可動板22の各型締め機構16の近傍にそれぞれ取付けられており、各角部における固定板21に対する可動板22の距離が検出可能となっている。なお型締め機構16は、固定板21、可動板22のいずれの金型固定板に設けられたものであってもよい。
また、固定金型13及び可動金型14により金型装置15が構成される。そして前記固定金型13および可動金型14の4箇所に位置センサー24を取付けたものであってもよい。
射出成形機における第1射出装置11と第2射出装置12の配置方式としては、例えば2つの射出装置を水平に並列に配置する方法や、一方の射出装置を垂直に立てて、他方を水平に配置する方法、2つの射出装置を水平でかつ直交に配置する方法等が挙げられるが、いずれの方法も本発明において使用することができる。またいずれも各々の射出装置において独立した成形条件の設定により成形をすることが可能である。
金型内の樹脂流路の構成としては、複数の射出装置から樹脂を射出し、独立したホットランナーマニホールドと各ゲートを通じてキャビティに充填する方法の他、コールドランナーを通じてキャビティに充填する方法も使用することができる。ここでホットランナーによるゲートシステムとしては、内部加熱方式、外部加熱方式等のいずれを使用してもよく、更に外部加熱方式の場合、オープンゲート方式、ホットエッジゲート方式、バルブゲート方式等のいずれを使用することができるが、より広い成形条件幅が得られる点からバルブゲート方式が好ましい。またバルブゲート方式によるホットランナーを使用する場合、バルブゲートの摺動部から溶融熱可塑性樹脂が漏れ出ることを防ぐためにパッキング部材が用いられる。ここでパッキング部材を構成する材料として、具体的には、アクリルゴム、シリコーンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ニトリルゴム、フッ素系樹脂を例示することができるが、耐熱性に優れている点からシリコーンゴムならびにフッ素系樹脂が好ましい。
(1次成形用のキャビティ形成)
次に、2層成形品の成形例を、図1〜図6を参照しながら工程順に説明する。なお、ここでは1次成形も2次成形も射出圧縮成形する場合を示す。図1においては、成形サイクルの開始時点の状態にある。図2においては、型開閉装置18により型閉がなされ固定板21に設けられたロック装置によりタイバ23と固定板21が結合されることにより、可動金型14は、射出工程内において中間型締め状態と最終型締め状態との差である圧縮ストローク分だけ余分に開かれた中間型締め状態にあり、成形サイクルの開始時点である。ここで射出工程とは、溶融樹脂が製品に相当する金型キャビティ内へ充填されてから、該キャビティへの充填される樹脂の供給が完了するまでの工程をいう。
中間型締め状態における圧縮ストロークの幅は、中間型締め状態におけるキャビティ容量が最終型締め状態におけるキャビティ容量の好ましくは1.1〜10.0倍の範囲、より好ましくは1.2〜9.0倍の範囲、さらに好ましくは1.5〜8.0の範囲となるように設定する。中間型締め状態の圧縮ストロークの幅が、前記のように広げられているため、射出率を低下させることができ、成形品の歪み等が良好にでき、射出装置11も高速高圧射出タイプのコストの高い射出装置を使用しないでも済む。そして前記中間型締め状態におけるキャビティ容量が最終型締め状態におけるキャビティ容量の1.1倍未満では射出工程において樹脂がキャビティ内に充填される際に高圧力がゲート付近の樹脂に集中してかかるため、成形品の歪みや厚みのばらつきがおこりやすくなり、10.0倍を越えるとジェッティングの如き成形不良が生じやすくなる。
なお中間型締め状態における可動金型14の停止位置は、成形品の各層の厚みが一定以上の厚みである場合、圧縮ストローク分だけ余分に開いた中間型締め状態とすることなく、最終型締め工程まで可動金型14を前進させた位置としてもよい。そして射出工程で射出圧を受けて可動金型14が後退して、キャビティの容積が拡大することによりその後の圧縮ストロークが確保されることにより射出圧縮成形を行うことが可能となる。
(1次成形の射出工程ならびに圧縮工程)
図3においては、図2で形成されたキャビティへ第1射出装置11から溶融樹脂を射出する。この工程が射出工程であり、継続した工程、または射出工程の後半と一部が並行して継続した工程として次に圧縮工程が行われる。なお射出工程の後半に圧縮工程を並行して開始する場合は、スクリュ前進位置を検出して、スクリュ前進位置が設定位置となったら型締め機構による圧縮を開始する。圧縮工程は、射出工程で射出された溶融材料を各型締め機構16によりキャビティの容積を縮小させるように圧縮し、溶融材料をキャビティ内で展延させることでキャビティを充填して行われる。そして、第1層31が成形される。
(射出工程における溶融樹脂の射出率)
前記射出工程において、図2で形成されたキャビティへ第1射出装置11から溶融樹脂を射出する射出率は、50〜2,000cm/秒が好ましく、100〜1,800cm/秒がより好ましく、150〜1,500cm/秒が更に好ましい。射出率が50cm/秒に満たない場合、キャビティ内へ溶融樹脂を充填する時間が長くなり、射出工程から圧縮工程に移行するまでに樹脂温度が低下して溶融粘度が高くなりすぎるため、圧縮工程においてショートショットやフローマークなどの外観不良、また厚みや寸法の精度不良の発生につながりやすい。また、射出率が2,000cm/秒を超えると、得られる成形品に歪みが残りやすくなるうえに、エアの巻き込みによるシルバーストリークなどの外観不良が起こりやすくなる。なお、ここでいう射出率とは、金型キャビティに射出する樹脂容量を射出開始から射出終了までに要した時間で除したものであり、必ずしも一定速度である必要はない。
(圧縮工程における金型間の平行制御)
前記圧縮工程では、金型固定板の角部4箇所の型締め機構で固定金型と可動金型との平行度を調整することにより金型間の平行度が維持される。位置センサー24によって検出された可動板22と固定板21との相対位置の検出値から可動金型14と固定金型13との間の平均距離を演算し、各型締め機構16への指令値に各型締め機構の検出値と平均距離との差を補正量として加減算するとともに差の積分値をフィードバックして制御することで、可動金型14と固定金型13との間の平行度が維持する方法を用いることが好ましい。その結果、溶融材料がキャビティ内を高速かつ均一に流動するので、第1層31は圧縮成形の効果として低歪みとなるとともに、平行制御の効果として板厚が均一かつ高精度となる。
また、前記圧縮工程において、位置センサー24による可動板22と固定板21との相対位置の検出値をもとに金型間の平行度を維持するのではなく、各型締め機構16で可動金型14が固定金型13に対して平行移動するときに、各型締め機構16における型締力を検出してそれら検出型締力の平均値を演算し、各型締め機構16への指令値にあらかじめ設定した型締め機構の目標型締力と前記検出型締力の平均値との差を補正量として加減算するとともに差の積分値をフィードバックして制御することで金型間の平行度を維持する方法を用いることも好ましい。さらに、金型間の平行度をさらに精度よく制御するために両者を併用することも好ましい。位置制御と型締力制御(圧力制御)の両者の併用を行う場合は、中間型締め位置から可動金型14と固定金型13との間の平均距離が所定の距離まで前進するまで、或いは検出型締力の平均値が所定の圧力となるまでは、前記の位置制御による平行制御を行い、所定の距離または所定の圧力検出後は、前記の圧力制御を行うようにしてもよい。また位置制御による平行制御を行った後、位置制御と圧力制御を同時に併用するようにしてもよい。位置制御と圧力制御を同時に用いる場合は、位置制御をフィードバック制御のみに用い、圧力制御はフィードバック制御とフィードフォーワード制御の少なくとも一方を行うようにする。
そしてまた位置制御のみを行う場合についても、位置センサー24によって検出された可動板22と固定板21との相対位置の検出値から可動金型14と固定金型13との間の平均距離を演算し、各型締め機構16への指令値に各型締め機構の検出値と平均距離との差を補正量として加減算するとともに差の積分値をフィードバックして制御することに加えて、各型締め機構16へ、フィードフォーワード制御を加え、可動金型14と固定金型13との間の平行度を維持しつつ、速度も重視して型締めを行うようにしてもよい。
なお、前記圧縮工程において、金型固定板の角部4箇所の型締め機構で固定金型と可動金型との平行度を調整することにより金型間の平行度を維持するために、角部1箇所の型締め機構をマスターとし、かつ残りをそのスレイブとするマスタースレイブ方式を用いることも好ましいが、特により精度の高い平行制御を求められる大型の多層成形品の場合はマスタースレイブ方式よりも上記2つの方法がより好ましい。
本発明の圧縮工程においては、特に大型の多層成形品を成形する際に、その中間型締め状態および中間型締め状態から最終型締め状態までに至る間の金型間の平行度を維持することが重要である。大型の多層成形品を得るためには必然的に高重量の金型を可動板22と固定板21に装着して成形を行う場合が多くなり、金型重量の増加にともない成形機の各型締め機構16における平行度の維持も困難となる。また、樹脂充填時の圧力によって発生する偏荷重も成形品の厚み不均一性の原因となるが、大型の多層成形品ではこの影響が特に顕著にあらわれる。更に金型間の平行度の維持は、金型内の樹脂に対するより均一な圧力の負荷を達成する。これにより樹脂に負荷する圧力は全体として低い圧力を達成し、より歪みの少ない成形品の提供を可能とする。金型間の平行度が十分でない場合、成形中の多層成形品に負荷される圧力に局所的な差異が生じて歪み発生の要因のひとつになるとともに、多層成形品の反りの要因ともなる。また、生産性の面からみても、平行度の狂いは金型のかじりなどを生じ製品の量産を困難にする。
(圧縮工程における可動金型の移動速度)
前記圧縮工程において、各型締め機構16によりキャビティの容積を縮小させるように圧縮し、溶融材料をキャビティ内で展延させることでキャビティを充填する際の可動金型の移動速度は、5mm/秒以上が好ましく、7.5mm/秒以上がより好ましく、10mm/秒以上が更に好ましい。L/Dの高い成形品ほど高い金型容量の拡大倍率が必要となり速い移動速度が求められる。成形品の歪みを低減するためにはキャビティ内の溶融樹脂の熱的分布が狭い間に所定の最終型締め状態までの圧縮工程を終了することが重要なためである。かかる移動速度がより速いほど大きい圧縮ストロークに対応できる。したがって移動速度は可能な限り高いことが好ましいが、現時点では事実上40mm/秒程度が装置上の限界となっている。35mm/秒のレベルであれば十分に精密な速度制御が可能である。尚、かかる移動速度は中間型締め状態から最終型締め状態までの圧縮ストロークを圧縮に要した時間で除したものであり、必ずしも一定速度である必要はない。また上記の如く圧縮ストロークが大きく、金型の移動速度が大きいほど金型のかじりは生じやすくなることから、ここでも金型間の平行度の維持は重要かつ必須の条件となる。
(1次成形の保圧工程)
前記圧縮工程において、各型締め機構16によりキャビティの容積を縮小させるように圧縮し、溶融材料をキャビティ内で展延させることでキャビティを充填することにより、樹脂の反発力が急激に立ち上がる。この際に型締め機構16による制御を前記位置制御から前記圧力制御に切換えるようにしてもよい。そして圧力制御に切換えた際は、キャビティ内圧力(面圧)が7〜20MPaとなるように制御することが望ましい。通常は油圧シリンダまたはその配管の油圧力を検出し、型締力を成形品の投影面積で除算して面圧を求めるが、キャビティ内に樹脂圧センサを設けるようにしてもよい。
かかる反発力に打ち勝つ適正な圧力を加えた状態で最終型締め状態のキャビティ容量を維持するために、圧縮工程に継続した工程、または圧縮工程の後半と一部が並行して継続した工程として保圧工程が行われる。この保圧工程により、目的とする多層成形品容量中に極めて適正な量の樹脂が均一な密度で射出装置11により充填され、多層成形品は反りや歪みの極めて少ない好ましいものとなる。樹脂への圧力の付与(加圧)は、各型締め機構16により可動金型が前進する力によるものである。更にかかる圧力の伝達は通常これらの前進する部材と樹脂とが直接に接触することにより行われるが、流体等の圧力伝達媒体がこれらの間に介在して行われてもよい。
上記圧力の適正な保持時間としては、成形品の厚みに依存し厚みが厚くなるほど適正な時間は長くなるが、大型成形品の場合は特にその傾向が顕著になる。本発明で意図する大型成形品の場合、成形品肉厚をt(mm)とした時のかかる保持時間X(秒)は、下記式(I)を満足する範囲内が適切である。例えば本発明において好適な各層の厚みである1mm〜50mmの範囲の中間値である25mmの厚みにおいては、760±30秒の範囲が好ましい。ただし、ヒート&クール成形法などに代表される金型温度を急速加熱冷却するシステムを併用した場合はこの限りでない。
X=(30×t+10)±30(秒)(I)
(1次成形の冷却工程)
前記保圧工程に続いて1次成形の冷却工程が行われることもある。この冷却工程では、2次成形に使用される樹脂材料のガラス転移温度をTgとした場合に第1層31のキャビティ側の表面温度が好ましくは[Tg−20](℃)〜[Tg+50](℃)、より好ましくは[Tg−10](℃)〜[Tg+45](℃)になるまで冷却を行う。なお、ここでいうガラス転移温度とはJIS K7121に規定される方法にて測定されたものであり、DSCなどのチャートにおいて認識できるガラス転移温度をいう。また2次成形で使用される樹脂材料が2種以上の樹脂からなる場合など、2つ以上のガラス転移温度を示す場合には、そのうちの最も高い温度をさし、一方樹脂が単一種でガラス転移温度が1つの場合にはその温度をさす。
第1層31のキャビティ側の表面温度を前記の条件で2次成形を行った場合、2次成形に使用される樹脂材料は、第1層成形品31によって可動金型14から断熱されるため、図4における第2層32が薄肉の場合であっても樹脂の固化層の形成は遅延し、樹脂の流動抵抗を低下させて薄肉成形性が改良される。また第1層31と第2層32との界面温度は樹脂の熱が畜熱することで十分な高温となり、これによりかかる界面の密着性も改良される。
ただし、かかる第1層31のキャビティ側の表面温度は、第1層31が有する耐熱性を超えて設定することは好ましくないため、かかる第1層31のガラス転移温度より10℃以上低い温度とすることが好ましい。更に好ましくはかかるガラス転移温度より20℃以上低い場合である。かかる冷却工程中は保圧工程の圧力を保持したままでもよいし、圧力を加えない状態でもよく、さらには冷却工程中に段階的に圧力を下げていってもよい。また冷却工程の間も型締め機構16により位置制御または圧力制御により制御がなされているので、成形品の厚みが20mm〜50mm程度の厚さでヒケが発生しやすい場合でもヒケを防止することができる。
(2次成形用のキャビティ形成)
図4においては、各型締め機構16の圧締室27への圧油の供給を停止するとともに圧抜きし、開放室28に圧油を供給して可動板22を固定板21から離隔させて2次成形用のキャビティを形成させる工程を示す。これにより、可動金型14は固定金型13から所定距離離隔し、キャビティは再びその容積が拡大される。このとき、可動金型14の移動は、可動金型14と固定金型13との型合わせ面に平行に行われることが、2次成形の圧縮工程を良好に実施するうえで好ましい。このような平行制御においても、圧縮工程において使用される金型間の平行度を維持する方法を用いることが好ましい。
1次成形用のキャビティと同様に2次成形用のキャビティにおいても、可動金型14は、射出工程内において中間型締め状態と最終型締め状態との差である圧縮ストローク分だけ余分に開かれた中間型締め状態にある。中間型締め状態における圧縮ストロークの幅は、中間型締め状態におけるキャビティ容量が最終型締め状態におけるキャビティ容量の1.1〜10.0倍の範囲、より好ましくは1.2〜9.0倍の範囲、さらに好ましくは1.5〜8.0の範囲となるように設定する。
なお本実施形態では固定金型13と第1層31の間に2次成形用のキャビティ形成を行うが、固定金型13側に第1層31を残し、可動金型14と第1層31の間に2次成形用のキャビティが形成されるようにしてもよい。その場合、第2射出装置12は、可動板22の背面側に設けてもよい。その場合、可動板22にも固定板21と同様に第2射出装置12を挿入することができる孔を設ける。また更に、2次成形用のキャビティの形成方法としては、可動金型14の移動とともに金型の一部のブロックも移動させて2次成形用のキャビティを形成するものでもよい。
(2次成形)
図5においては、図4で形成されたキャビティへ第2射出装置12から溶融樹脂を射出する。この工程が2次成形の射出工程であり、以下図3におけると同様の作動により、第2層32の圧縮工程と保圧工程が行われる。なお、この工程においても1次成形の圧縮工程において使用される金型間の平行度を維持する方法を用いることが必要である。
2次成形における冷却工程では、第1層31と第2層32との図5における2層成形品33が取出し可能な温度となるまで冷却させる。通常その荷重たわみ温度以下であれば取出しが可能といえるが、大型の成形品の場合自重によりたわみが生ずる場合があるため、荷重たわみ温度から30〜60℃低い温度において取出すことが生産効率上好ましい。なお、ここでいう荷重たわみ温度とはJIS K7191−1/2に規定される方法にて測定されたものであり、第1層単独で測定した場合や第2層単独で測定した場合でなく、2層成形品33全体の荷重たわみ温度をあらわす。かかる冷却工程中は上記保圧工程の圧力を保持したままでもよいし、圧力を加えない状態でもよく、さらには冷却工程中に段階的に圧力を下げていってもよい。
(2層成形品の取出し工程)
図6においては、型締め機構16の圧締室27への圧油の供給を停止して圧抜きし開放室28に圧油を供給して成形品の離型を行った後、型開閉装置18を用いて可動板22を所定位置まで型開きする。そして可動板22が所定位置で停止後、可動板22に設けられた図示しないエジェクタ装置により2層成形品33は可動金型14から突き出されて、2層成形品33の取出し工程が行われる。
2層成形品33の取出し工程が終了した後、可動金型14が中間型締め状態と最終型締め状態との差である圧縮ストローク分だけ余分に開かれた中間型締め状態になるように可動板22が固定板21に対して前進移動して、次の1次成形の開始前の状態である図2につづく。
(各層の厚み)
本発明の多層成形品の製造方法においては、各種の成形品を製造することが可能であるが、好ましくは多層成形品を構成する各層の厚みが1〜50mmである多層成形品において適用することが好適である。各層がかかる厚みを有する多層成形品は射出圧縮成形の利点を有効に活用できるためである。また、より好ましくは多層成形品を構成する各層の厚みが2〜45mm、さらに好ましくは多層成形品を構成する各層の厚みが3〜40mmである多層成形品において適用することが好適である。なお、本発明の多層成形品の製造方法から得られる多層成形品全体としての厚みは2〜150mmが好ましく、2〜135mmがより好ましく、2〜120mmがさらに好ましい。
各層の厚みが1mm未満の場合、本発明の対象としている大型成形品においては溶融樹脂の流動抵抗が著しく高くなるため、上記射出工程ならびに圧縮工程で多層成形品に不均一な圧力がかかり、反りなどの変形や歪みを抑制することが極めて困難になる。50mmより大きい場合、冷却工程で多層成形品が取出し可能な温度になるまでに長時間を要し生産性が著しく低下するだけでなく、冷却にともなう成形品の厚み方向の収縮、いわゆるヒケを制御することが困難となり、本発明が意図する多層成形品の各層の厚み均一性が損なわれることになる。
なお、ここでいう各層の厚みとは得られた多層成形品の断面をバンドソーなどで切り出し、各層の厚みをノギスなどで10箇所以上測定し、平均値を算出したものである。
(多層成形品の厚み均一性)
本発明で得られる多層成形品は、多層成形品を構成する各層における最薄部の厚み(Ta)を最厚部の厚み(Tb)で除した偏肉度(Ta/Tb)が好ましくは0.7以上、より好ましくは0.75以上の厚み均一性を有するものである。かかる厚み均一性を備えた、例えば自動車のバンパー、フェンダー、サンルーフ等の大きな部材の多層成形品を得るためには、本発明の金型固定板の角部4箇所の型締め機構で固定金型と可動金型との間の平行度を調整することにより金型間の平行度を維持する射出圧縮成形法の利点が極めて有効である。厚み均一性をあらわす指標とした偏肉度は、偏肉度=1で各層の厚みが完全に均一となるため、1に近いほど多層成形品としての品質は優れている。また、偏肉度が0.7未満であると、厚みのばらつきに由来する反りなどの変形や歪みの影響が大きくなり、多層成形品の寸法精度が著しく損なわれることになる。
なお、ここでいう各層における最薄部の厚みおよび最厚部の厚みとは、得られた多層成形品の断面をバンドソーなどで切り出し、ノギスなどで10箇所以上測定した各層の厚みを母集団とした中から抽出した各層における最薄部および最厚部の厚みをあらわす。
(多層成形品の反り量)
本発明で得られる多層成形品は、多層成形品を23℃、相対湿度50%の条件で24時間静置した後の反り量が好ましくは150μm/mm以下、さらに好ましくは125μm/mm以下の寸法安定性を有するものである。かかる寸法安定性を備えた、例えば自動車のバンパー、フェンダー、サンルーフ等の大きな部材の多層成形品を得るためには、本発明の金型固定板の角部4箇所の型締め機構で固定金型と可動金型との間の平行度を調整することにより金型間の平行度を維持する射出圧縮成形法の利点が極めて有効である。かかる反り量が150μm/mmを超えると多層成形品の寸法精度が大きく損なわれ、さらにかかる反り量が200μm/mmを超えるとその反りに起因して各層間の界面に負荷がかかり、各層間の密着性の低下につながる。
なお、ここでいう多層成形品を23℃、相対湿度50%の条件で24時間静置した後の反り量とは、多層成形品を前記恒温恒湿下で24時間静置させた後、板状のジグを使用して多層成形品の流動末端側端辺を定盤に成形品が破断しない程度に密着させて固定し、ゲート側端辺の高さをノギスで測定することにより求めた成形品の反り量である。なお、板状のジグを使用して多層成形品の流動末端側端辺を定盤に密着させる幅は、流動末端端辺からゲート側端辺までの長さに対して流動末端端辺からゲート側端辺方向に20%が密着する幅とした。
(樹脂材料)
本発明の成形方法において使用可能な樹脂材料としては、熱可塑性樹脂が好適に用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、SMA樹脂、ポリアルキルメタクリレート樹脂等に代表される汎用プラスチックス、ポリフェニルエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアルキレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂(非晶性ポリアリレート、液晶性ポリアリレート)等に代表されるエンジニアリングプラスチックス、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド等に代表される各種熱可塑性ポリイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド等のいわゆるスーパーエンジニアリングプラスチックスなどを用いることができる。更にスチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー等に代表される熱可塑性エラストマー、発泡ポリカーボネート、発泡ポリウレタン、発泡ポリスチレン、発泡ポリプロピレン等に代表される発泡性熱可塑性樹脂も用いることができる。これらの熱可塑性樹脂はいずれも第1層、第2層などの多層成形品を構成する各層およびその他の部分に使用することが可能である。
ここでその他の部分とは、例えば、第1層を形成する樹脂成形品としてポリカーボネート樹脂の板状成形品を成形後、多色成形法を利用してその周囲にポリエステル系エラストマー等の熱可塑性エラストマーを成形し、更にその後に本発明の成形方法を利用して、ポリカーボネート樹脂層の上にポリメチルメタクリレート樹脂層を形成した場合に、かかる層構造に関係しない熱可塑性エラストマー部分に相当するものをいう。
また本発明の樹脂材料としては、多層成形品の使用目的に応じて上記の熱可塑性樹脂を適宜選択し混合して用いることができる。さらに本発明の樹脂材料には、慣用の添加剤、例えば熱安定剤、離型剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、発泡剤、補強剤(タルク、マイカ、クレー、ワラストナイト、炭酸カルシウム、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ミルドファイバー、ガラスフレーク、炭素繊維、炭素フレーク、カーボンビーズ、カーボンミルドファイバー、金属フレーク、金属繊維、金属コートガラス繊維、金属コート炭素繊維、金属コートガラスフレーク、シリカ、セラミック粒子、セラミック繊維、アラミド粒子、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、グラファイト、導電性カーボンブラック、各種ウイスカー等)、難燃剤(ハロゲン系、リン酸エステル系、金属塩系、赤リン、シリコン系、フッ素系、金属水和物系等)、着色剤(カーボンブラック、酸化チタン等の顔料、染料)、光拡散剤(アクリル架橋粒子、シリコン架橋粒子、極薄ガラスフレーク、炭酸カルシウム粒子等)、蛍光増白剤、蓄光顔料、蛍光染料、帯電防止剤、流動改質剤、結晶核剤、無機および有機の抗菌剤、光触媒系防汚剤(微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛等)、グラフトゴムに代表される衝撃改質剤、フォトクロミック剤を配合することができる。
これらの中でも本発明では特に外観や機械的強度あるいは耐熱性に優れ、また耐擦傷性や耐溶剤性にも秀でた熱可塑性樹脂を第1層に使用することが好ましい。このような熱可塑性樹脂としては、例えばポリカーボネート樹脂単体やポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂の混合物などを挙げることができるが、耐溶剤性に優れている点からポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂の混合物がより好ましい。このような熱可塑性樹脂の製法及び特性については、例えば、特開2007−23118号公報および特開2002−265769公報等に詳しく記載されている。
また、本発明では特に衝撃吸収性に優れた熱可塑性樹脂を第2層に使用することが好ましい。このような熱可塑性樹脂としては、発泡ポリカーボネート、発泡ポリウレタン、発泡ポリスチレン、発泡ポリプロピレンなどの発泡性熱可塑性樹脂や、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマーを挙げることができるが、上記第1層に用いられる熱可塑性樹脂と良好な密着性が期待される点から発泡ポリスチレンやポリエステル系熱可塑性エラストマーが好ましく、さらにポリエステル系熱可塑性エラストマーがより好ましい。このようなポリエステル系熱可塑性エラストマーの製法及び特性については、例えば、特開平10−330605号公報に詳しく記載されている。
(多層成形品)
ここで、金型装置15により成形される多層成形品について説明する。本発明の製造方法における多層成形品は、ゲートから流動末端までの流動長が15〜300cmであり、かつその最大投影面積が200〜60,000cmであることが好ましく、本発明はかかる大型の成形品において反りが少なくかつ優れた密着性を有する多層成形品を提供する。本発明の効果を発揮する上でより好適な多層成形品は、ゲートから流動末端までの流動長が30〜250cmであり、かつその最大投影面積が1,000〜40,000cmの多層成形品である。
(多層成形品の2次加工)
本発明の多層成形品は、成形後に熱曲げまたは周縁部の除去に代表される2次加工工程を経ることにより所定の形状に成形されてもよい。
熱曲げする方法は特に限定されず、かかる方法としては、予め所望される形状に掘り込み加工が施された金型や木型あるいは樹脂型などを用いて、加熱環境下(一般的には、該合成樹脂基板のガラス転移温度近辺の温度下)のもと、加圧あるいは減圧(真空下)によって、該多層成形品を前記金型などを用いて賦形する方法が例示される。
また、周縁部を除去する方法も特に限定されず、かかる方法としては、切削加工法、切断法、および打ち抜き法のいずれも利用できる。切削加工法としては、ルーター、エンドミル、フライス、およびロータリーバイトなどの各種切削工具を用いて、NC旋盤、フライス盤、およびマシニングセンタなどにより切削加工を行う方法が例示される。切断法では、刃物による切断、砥粒による切断、せん断切断、加熱・溶融による切断、および放電切断などが利用できる。上記の中では機器が汎用されており、切削の精度および速度に優れる点で切削加工法が好ましい。また切削は、完全乾式切削、湿式切削、およびセミドライ式切削のいずれの方法において行ってもよい。
(多層成形品への表面加飾)
本発明の多層成形品は、その表面に着色層やハードコート層をはじめとする各種の機能層を設けることができる。かかる機能層としては、図柄層、導電層(発熱層、電磁波吸収層、帯電防止層)、撥水・撥油層、親水層、紫外線吸収層、赤外線吸収層、割れ防止層、並びに金属層(メタライジング層)などが例示される。これらの機能層は、ハードコート層の表面、ハードコート層とは反対側の成形品表面、多層成形品を構成する各層の層間、プライマー層と成形品表面との間の一部分、並びにプライマー層とハードコートのトップ層との間の一部分などにおいて設けることが可能である。
上記において図柄層は通常印刷により形成される。印刷方法としては、グラビヤ印刷、平板印刷、フレキソ印刷、ドライオフセット印刷、パット印刷、スクリーン印刷などの従来公知の印刷方法を製品形状や印刷用途に応じて使用することができる。
印刷で使用する印刷インキの構成としては、主成分として樹脂系と油系などを使用することが可能であり、樹脂系としては、ロジン、ギルソナイト、セラック、コパールなどの天然樹脂やフェノール系およびその誘導体、アミノ系樹脂、ブチル化尿素、メラミン樹脂、ポリエステル系アルキッド樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、飽和ポリエステル樹脂、非晶性ポリアリレート樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合物、ブチラール樹脂、メチルセルロース樹脂、エチルセルロース樹、ウレタン樹脂などの合成樹脂を使用することができる。耐熱性の高いインキ成分が必要とされる場合は、ポリカーボネート樹脂および非晶性ポリアリレート樹脂などをバインダーとした印刷インキが好ましく挙げられる。また印刷インキに顔料や染料などにより所望の色に調整することができる。
以下に実施例、比較例を用いて本発明及びその効果を更に説明するが、本発明はこれら実施例などにより何ら限定されるものではない。
(1)厚み:図7に示す形状を有する多層成形品(長さ1,800mm)のゲート側近傍から流動末端側近傍までの断面(37)をバンドソーで切り出し、ゲート側近傍から流動末端側近傍に向けて120mm間隔で各層の厚みをノギスで16箇所測定してそれらの平均値を算出した。
(2)偏肉度:多層成形品の各層の厚みの平均値を求めるために測定した上記16箇所の各層の厚みを母集団として、各層における最薄部の厚み(Ta)および最厚部の厚み(Tb)を抽出し、最薄部の厚み(Ta)を最厚部の厚み(Tb)で除すことで各層の偏肉度(Ta/Tb)を求めた。なお、偏肉度=1で各層の厚みが完全に均一となる。
(3)多層成形品の反り量:図7に示す形状を有する多層成形品を23℃、相対湿度50%の条件で24時間静置させた後、板状のジグを使用して多層成形品の流動末端側端辺(40)を定盤に密着させて固定し、ゲート側端辺(41)の高さをノギスで測定することにより成形品の反り量を求めた。なお、板状のジグを使用して多層成形品の流動末端側端辺を定盤に密着させる幅は、流動末端端辺からゲート側端辺までの長さに対して流動末端端辺からゲート側端辺方向に20%が密着する幅とした。
(4)多層成形品の層間密着性:図7に示す形状を有する多層成形品から長さ150mm×幅150mmのテストピース(42)を切り出し、エスペック(株)製TSA−101Lを用いてMIL−STD−202G−Aに従って冷熱衝撃評価を行った。10サイクル毎にテストピースを取出し、層間の剥離の有無を目視評価した。
○:100サイクル目で層間の剥離が認められなかった。
△:50サイクル目から90サイクル目までの間に層間の剥離が認められた。
×:40サイクル目までに層間の剥離が認められた。
[実施例1]
以下の工程に従い、2層成形品を成形した。
1次成形に用いる第1層の樹脂材料としてPC/PET系アロイ樹脂のペレットを110℃で5時間乾燥させた。また2次成形に用いる第2層の樹脂材料としてTPE樹脂のペレットを80℃で5時間乾燥させた。かかる2種類の樹脂材料を4軸平行制御機構を備えた射出プレス成形可能な大型成形機((株)名機製作所製:MDIP2100、最大型締め力33540kN)を用いて射出プレス成形し、図7に示す厚み9.8mm(第1層7.0mm、第2層2.8mm)、長さ1,800mm(ゲート部分(35)を含めると1,940mm)、幅1,200mmの大型多層成形品を製造した。かかる成形機は、2種類の樹脂原料を別々に乾燥可能なホッパードライヤー設備を付帯しており、かかる乾燥後のペレットが圧空輸送により成形機供給口に供給され成形に使用された。ランナはHOTSYS社製のバルブゲート型のホットランナー(直径8mmφ)を用いた。
1次成形の成形条件は第1射出装置のシリンダ温度290℃、ホットランナー設定温度290℃、金型温度は可動側80℃、固定側70℃、射出率660cm/秒、圧縮ストローク21.0mm、中間型締め状態から最終型締め状態までの金型の移動速度10mm/秒、および保圧時間220秒であった。充填完了直前に型圧縮を開始し、オーバーラップは0.5秒とした。充填完了後直ちにバルブゲートを閉じて溶融樹脂がゲートからシリンダへ逆流しない条件とした。圧縮工程時の圧力は17.2MPaとし、保圧工程時の圧力は該圧力の半分の圧力で保持した。可動金型パーティング面は最終の前進位置において固定金型パーティング面に接触しないものとした。かかる成形条件における中間型締め状態におけるキャビティ容量は最終型締め状態におけるキャビティ容量の4.0倍であった。かかる成形条件においては保圧工程で第1層のキャビティ側の表面温度を目的とする温度の90℃まで下げることができたため、冷却工程は設けなかった。なお、第1層のキャビティ側の表面温度は、1次成形の保圧工程終了後に成形を中断して表面温度計を用いて測定した。また、かかる成形においては、その4軸平行制御機構により、傾き量および捩れ量を表すtanθは約0.000025以下で保持された。
2次成形の成形条件は第2射出装置のシリンダ温度240℃、ホットランナー設定温度240℃、射出率300cm/秒、圧縮ストローク3.5mm、中間型締め状態から最終型締め状態までの金型の移動速度5mm/秒、および保圧時間130秒であった。充填完了直前に型圧縮を開始し、オーバーラップは0.5秒とした。充填完了後直ちにバルブゲートを閉じて溶融樹脂がゲートからシリンダへ逆流しない条件とした。圧縮時のキャビティ内圧力(面圧)は10.0MPaとし該圧力で保圧時間中保持した。可動金型パーティング面は最終の前進位置において固定金型パーティング面に接触しないものとした。かかる成形条件における中間型締め状態におけるキャビティ容量は最終型締め状態におけるキャビティ容量の2.2倍であった。
得られた2層成形品を取出し、温度23℃、相対湿度50%の条件で24時間静置して十分に冷却した後、前記評価項目にしたがって評価した結果を表1に示した。
なお、表1における四軸平行制御における「相対位置」とは「圧縮工程が、金型固定板の4箇所の型締め機構で可動金型が固定金型に対して平行移動するときに、検出された可動板と固定板との相対位置の検出値から可動金型と固定金型との間の平均距離を演算し、各型締め機構への指令値に各型締め機構の検出値と平均距離との差を補正量として加減算するとともに差の積分値をフィードバックして制御することにより金型間の平行度を維持する方法」を示す。
[実施例2]
2次成形に用いる第2層の樹脂材料として発泡PC樹脂のペレットを120℃で5時間乾燥させた後使用し、圧縮工程を、金型固定板の4箇所の型締め機構で可動金型が固定金型に対して平行移動するときに、前記4箇所の型締め機構における型締力を検出してそれら検出型締力の平均値を演算し、各型締め機構への指令値にあらかじめ設定した型締め機構の目標型締力と前記検出型締力の平均値との差を補正量として加減算するとともに差の積分値をフィードバックして制御することで金型間の平行度を維持する型締力方式とし、成形条件を表1に示す条件とした以外は、すべて実施例1と同様に2層成形品の成形を行った。得られた2層成形品を評価した結果を表1に示した。
[実施例3]
1次成形に用いる第1層の樹脂材料としてPC樹脂のペレットを120℃で5時間乾燥させた後使用し、2次成形に用いる第2層の樹脂材料としてPC/PET系アロイ樹脂を110℃で5時間乾燥させた後使用し、成形条件を表1に示す条件とした以外は、すべて実施例1と同様に2層成形品の成形を行った。得られた2層成形品を評価した結果を表1に示した。
[実施例4]
第2層の成形後に可動金型を再度後退させて第1層の成形条件に準じてPC/PET系アロイ樹脂で第3層を形成させ、成形条件を表1に示す条件とした以外は、すべて実施例1と同様に3層成形品の成形を行った。得られた3層成形品を評価した結果を表1に示した。なお、かかる成形条件において2次成形の保圧工程終了後に測定した第2層のキャビティ側の表面温度は110℃であった。
[実施例5]
圧縮工程を、金型固定板の角部4箇所の型締め機構で固定金型と可動金型との平行度を調整することにより金型間の平行度を維持するために、角部1箇所の型締め機構をマスターとし、かつ残りをそのスレイブとするマスタースレイブ方式で金型間の平行度を維持する方法とし、成形条件を表1に示す条件とした以外は、すべて実施例1と同様に2層成形品の成形を行った。得られた2層成形品を評価した結果を表1に示した。
圧縮工程をマスタースレイブ方式にしたことで、多層成形品の反り量は162μm/mmとなり、実施例1〜4で得られた多層成形品の反り量よりも大きくなった。また、多層成形品の層間密着性は実施例1〜4で得られた多層成形品の密着性よりも若干劣るものであった。なお、かかる反り量や密着性は実用的には許容できる範囲である。
[比較例1]
圧縮工程を金型間の平行度の制御を行わない方法とし、成形条件を表1に示す条件とした以外は、すべて実施例1と同様に2層成形品の成形を行った。得られた2層成形品を評価した結果を表1に示した。
圧縮工程で金型間の平行度の制御を行わなかったために、中間型締め状態の樹脂充填時の圧力によって発生する偏荷重の影響で多層成形品は厚みが不均一となった。また、成形中の多層成形品に負荷される圧力に局所的な差異が生じた結果、多層成形品の反り量が大きくなった。
[比較例2]
射出圧縮成形を射出成形とし、成形条件を表1に示す条件とした以外は、すべて実施例1と同様に2層成形品の成形を行った。得られた2層成形品を評価した結果を表1に示した。
なお表1の評価結果における「ショート」とは溶融樹脂が金型の流動末端側端辺まで完全に充填しなかったために、多層成形品の一部が欠け、不完全な形状となったことを示す。
なお、上記で記号表記の各成分は下記の通りである。
PC:ポリカーボネート樹脂ペレット(帝人化成(株)製:パンライトL−1225ZL100(商品名))
PC/PET:無機フィラーとしてワラストナイト10重量部、ポリカーボネート樹脂60重量部、およびポリエチレンテレフタレート樹脂30重量部からなるPC/PET系アロイ樹脂ペレット
TPE:ポリエステル系熱可塑性エラストマー樹脂ペレット(帝人化成(株)製:ヌーベランQ4130AN(商品名))
発泡PC:ポリカーボネート樹脂ペレット(帝人化成(株)製:パンライトL−1225ZL100(商品名))100重量部に対して無機系発泡剤(三協化成(株)製:セルマルクMB9082(商品名))2.5重量部を添加してブレンドした発泡ポリカーボネート樹脂ペレット
Figure 2009220554
成形サイクルの開始時点の状態を示す型締装置の縦断面図である。 1次成形により第1層を射出成形または射出圧縮成形する開始前の状態を示す型締装置の縦断面図である。 第1層を射出成形または射出圧縮成形をしている状態を示す型締装置の縦断面図である。 2次成形のため金型を開いて射出成形または射出圧縮成形の準備をしている状態を示す型締装置の縦断面図である。 第2層を射出成形または射出圧縮成形をしている状態を示す型締装置の縦断面図である。 型開きをして2層成形品を取出ししている状態を示す型締装置の縦断面図である。 実施例で作成された多層成形品の正面概略図(7−A)およびその側面図(7−B)である。
符号の説明
10 型締装置
11 第1射出装置
12 第2射出装置
13 固定金型
14 可動金型
15 金型装置
16 型締め機構
18 型開閉装置
20 係合装置
21 固定板
22 可動板
23 タイバ
24 位置センサー
25 ガイド
26 支持板
27 圧締室
28 開放室
31 1次成形で得られた2層成形品の第1層
32 2次成形で得られた2層成形品の第2層
33 2層成形品
34 第1層のゲート部分
35 第2層のゲート部分
36 各層の厚みを測定するために断面を切り出したライン(破線)
37 各層の厚みを測定した箇所(計16箇所)
38 1次成形の樹脂充填部の位置(1次成形で生じた樹脂充填部の痕跡は第2層によって隠蔽される)
39 2次成形で生じた樹脂充填部の痕跡
40 流動末端側端辺
41 ゲート側端辺
42 テストピースを切り出した部分(斜線)

Claims (13)

  1. 少なくとも2層の樹脂材料からなる多層成形品の製造方法であって、固定金型と可動金型とを使用し、1次成形により第1層を射出成形する工程、可動金型を移動させて2次成形用のキャビティを形成させる工程、および2次成形により前記第1層に積層する形で第2層を射出成形して第1層と第2層とが融着した多層成形品を成形する工程を含み、かつ上記射出成形工程のうち少なくとも1つが、金型固定板の角部4箇所の型締め機構で固定金型と可動金型との間の平行度を調整することにより金型間の平行度を維持する射出圧縮成形であることを特徴とする多層成形品の製造方法。
  2. 射出圧縮成形が、金型固定板の角部4箇所の型締め機構で可動金型が固定金型に対して平行移動するときに、検出された可動板と固定板との相対位置の検出値から可動金型と固定金型との間の平均距離を演算し、各型締め機構への指令値に各型締め機構の検出値と平均距離との差を補正量として加減算するとともに差の積分値をフィードバックして制御することにより金型間の平行度を維持する射出圧縮成形である請求項1記載の多層成形品の製造方法。
  3. 射出圧縮成形が、金型固定板の角部4箇所の型締め機構で可動金型が固定金型に対して平行移動するときに、前記角部4箇所の型締め機構における型締力を検出してそれら検出型締力の平均値を演算し、各型締め機構への指令値にあらかじめ設定した型締め機構の目標型締力と前記検出型締力の平均値との差を補正量として加減算するとともに差の積分値をフィードバックして制御することで金型間の平行度を維持する射出圧縮成形である請求項1記載の製造方法。
  4. 2次成形に使用される樹脂材料のガラス転移温度をTgとしたとき第1層のキャビティ側の表面温度が[Tg−20](℃)〜[Tg+50](℃)である請求項1〜3のいずれかに記載の多層成形品の製造方法。
  5. 射出圧縮成形が、中間型締め状態におけるキャビティ容量が最終型締め状態におけるキャビティ容量の1.1〜10.0倍の範囲であり、かつ中間型締め状態から最終型締め状態に可動金型が移動する際の移動速度が5mm/秒以上である射出圧縮成形である請求項1〜4のいずれかに記載の多層成形品の製造方法。
  6. 多層成形品を構成する各層の厚みが1mm〜50mmである請求項1〜5のいずれかに記載の多層成形品の製造方法。
  7. 多層成形品を構成する各層における最薄部の厚み(Ta)を最厚部の厚み(Tb)で除した偏肉度(Ta/Tb)が0.7以上である請求項1〜6のいずれかに記載の多層成形品の製造方法。
  8. 多層成形品を23℃、相対湿度50%の条件で24時間静置した後の反り量が150μm/mm以下である請求項1〜7のいずれかに記載の多層成形品の製造方法。
  9. 樹脂材料が熱可塑性樹脂である請求項1〜8のいずれかに記載の多層成形品の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法によって得られた多層成形品。
  11. ゲートから流動末端までの流動長が15〜300cmであり、かつその最大投影面積が200〜60,000cmである請求項10記載の多層成形品。
  12. 請求項10または11に記載の多層成形品を熱曲げまたは周縁部の除去を実施することによって得られた多層成形品。
  13. 請求項10〜12のいずれかに記載の多層成形品を表面加飾することによって得られた多層成形品。
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