JP2003191302A - 樹脂の成形方法、該成形方法で使用される金型、および該成形方法からの成形品 - Google Patents

樹脂の成形方法、該成形方法で使用される金型、および該成形方法からの成形品

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JP2003191302A JP2001393673A JP2001393673A JP2003191302A JP 2003191302 A JP2003191302 A JP 2003191302A JP 2001393673 A JP2001393673 A JP 2001393673A JP 2001393673 A JP2001393673 A JP 2001393673A JP 2003191302 A JP2003191302 A JP 2003191302A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性樹脂の圧縮成形方法、殊に射出圧縮
成形方法において、高外観、高い表面精度、および高い
形状精度を有し、かつ大型の成形品の製造可能な成形方
法およびその製造用金型を提供する。 【解決手段】 少なくともその供給完了時において目的
とする成形品容量よりも大なる容量の金型キャビティ内
に溶融した熱可塑性樹脂を供給し、その供給完了後に金
型キャビティ容量を目的とする成形品容量まで減少し、
金型キャビティ内の成形品をその取り出しが可能な温度
以下まで冷却後成形品を取り出す成形方法であって、金
型キャビティ容量の減少に伴いその面積が減少する金型
キャビティの表面部分(表面A)の少なくとも一部を母
型より高温化して金型キャビティ容量の減少を完了する
ことを特徴とする成形方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂の圧
縮成形方法とその金型に関する。更に詳しくは、高外
観、高い表面精度、および高い形状精度を有し、かつ大
型の成形品の製造可能な成形方法およびその製造用金型
に関する。
【0002】
【従来の技術】光学部品の射出成形においては、低い残
留応力や高い金型転写性が必要とされる。例えば光学レ
ンズの成形では金型内での材料の収縮によるヒケやボイ
ドを防止しなければならないことはもちろん、残留応力
による光学歪が生じないようにしなければならない。ま
たガラス窓や風防などの成形においても光学歪の低減が
求められる。近年これらの製品はより自由度の高い形状
を得る目的で、押出シートの曲げ加工から射出成形へ転
換が検討されている。一方で大型部品の射出成形には、
巨大な型締め力を有する大型成形機が必要であるが、生
産コストを低減するためには成形機のダウンサイジング
が要求される。
【0003】これら種々の要求に対して、可塑化溶融し
た熱可塑性樹脂を目的とする成形品の容量よりも大なる
金型キャビティに供給し、かかる容量の拡大された金型
キャビティを目的とする成形品の容量まで縮小し、その
後冷却する方法(かかる成形方法は射出圧縮成形法と称
されるものであるため、以下“射出圧縮成形法”と称す
る)は、通常の射出成形法(以下単に“射出成形法”と
称する)と比べると次のような利点がある。射出成形で
は閉じられた金型キャビティ内にゲートより溶融樹脂を
高圧で圧入するため、樹脂の配向や過大な歪が生じやす
い。したがって、成形品の残留歪は成形品にねじれや歪
みなどの変形を生じさせやすく、特にゲート近傍の大き
な残留歪は物性的問題を生ずる場合もある。これに対
し、射出圧縮成形法では金型を半閉鎖状態とするなどの
方法により、その容量が拡大された金型キャビティ内に
溶融樹脂を供給する。すなわち極めて自由度の高い空間
に樹脂は供給されるので、供給時の歪はほとんど生じな
いかまたは容易に緩和する。更に供給された樹脂は金型
キャビティ容量縮小時の圧力(例えば型締めによる圧
力)により、金型キャビティ面に一様に流動して賦形さ
れるので、この点においても成形品の残留歪はほとんど
なく、成形品の変形もない。更にかかる賦形に必要な圧
力は射出成形法の1/15〜1/3程度と小さくて済む
ため、型締め力のより小さい装置で成形ができる。した
がってその装置費も安価である。
【0004】しかしながら、かかる射出圧縮成形法で
は、例えば側面にゲートを有する板状成形品の場合、そ
の側面部分の一部において筋状の外観不良が発生する。
かかる外観不良が発生する部分は金型キャビティの容量
減少の開始前、すなわち圧縮工程前に、溶融樹脂がキャ
ビティ面に接した部分である。かかる側面部分の不良を
取り除くことは、側面部分の外観までも重視される製品
において特に重要である。例えば自動車などの車輌にお
いては、ドアパネル、トランクリッド、およびハッチな
どの可動する部材が挙げられる。加えてかかる部材に隣
接した部材、例えばフェンダーパネル、ピラーカバー、
およびルーフパネルなどの部材が挙げられる。これらは
部材の可動によってその成形品側面が観察可能な状態と
なるため、かかる部分においても良好な外観が求められ
る場合がある。もちろん成形品の取り付け方法などによ
り問題とされない場合もある。
【0005】更に成形品が透明な場合は表裏面から該筋
状の外観不良が、成形品内部まで入り込んだ状態である
ことが観察され、成形品の均一性や必要とされる光学特
性を損なう。したがってかかる外観不良の消失は大きな
課題である(以下、上記外観不良を“射出圧縮成形時の
側面外観不良”と称する場合がある)。
【0006】一方、透明かつ少ない歪が求められる製品
や不透明であっても良好な外観が求められる車輌用外板
製品においては、成形品の中央部にゲートやウエルド部
を有することができないことが多く、ゲートは成形品の
側面部に設けられる。射出圧縮成形時の側面外観不良は
殊に成形品が大型であるほど、また透明性が高いほど顕
著となり問題とされる場合が多い。
【0007】かかる外観不良の発生原因は、金型キャビ
ティ側面部分に接した樹脂にヒケが生じることで該樹脂
表面に凹みが生じ、更に金型キャビティ容量の縮小の際
かかる凹みを挟みこむためだと考えられる。かかる凹み
部分の表面は、金型キャビティ表面との接触による急冷
のため固化層を形成している。そしてかかる固化層はそ
の熱履歴が他の部分と異なるため、側面部分に不均一な
密度差を生じてまたは不均一な熱収縮に伴う変形を生じ
て、可視化されると考えられる。
【0008】上記の問題は金型キャビティ容量の拡大量
を小さくすることや金型キャビティ容量の縮小開始時間
を大幅に早めることによりある程度解消する。しかしか
かる対応方法では特に成形品が大きい場合には、低歪の
成形品の製造および型締め力のより小さな装置での製造
といった射出圧縮成形のメリットが得られない問題があ
る。
【0009】また、射出圧縮成形における成形品の外観
不良を解消する方法としては、特公平5−19443号
公報に、溶融樹脂が圧縮される前から接する金型部分を
少なくとも溶融樹脂が供給され、圧縮されるまでの間金
型内の熱源によって局部的に加熱する方法が提案されて
いる。この方法は成形品の表裏面に生ずるコールドマー
クの解消を可能とする。しかしながらかかる公報は射出
圧縮成形時の側面外観不良を何ら認識しておらず、その
解消方法を開示するものではなかった。すなわちかかる
公報に具体的に記載された発明は、そのゲート位置が不
明確であるものの、その成形品形状から通常成形品の底
面中央部にゲートが設けられることを考慮すると、射出
圧縮成形時の側面外観不良を発生しない成形品である。
【0010】更に特開昭63−74618号公報には、
光ディスクの成形においてそのキャビティ周囲を温度調
節する構造または該周囲に断熱材を配置した構造の金型
が提案されている。しかしながら該公報は射出圧縮成形
における特有の技術的課題を認識するものではなかっ
た。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、熱可
塑性樹脂の圧縮成形方法、殊に射出圧縮成形方法におい
て、高外観、高い表面精度、および高い形状精度を有
し、かつ大型の成形品の製造可能な成形方法およびその
製造用金型を提供することにある。
【0012】本発明者らは、上記課題を解決すべく、板
状成形品の側面に生ずる筋状の外観不良の原因を上記の
如く予想し、鋭意検討を重ねた。その結果、驚くべきこ
とに板状成形品の金型キャビティ容量の減少に伴いその
面積が減少する金型キャビティの表面部分(表面A)近
傍に熱源を設置して加熱を行った場合に、かかる筋状の
外観不良が減少すること、並びに各種の温度制御を行う
ことで完全に解消されることを見出し、本発明を完成し
た。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
「少なくともその供給完了時において目的とする成形品
容量よりも大なる容量の金型キャビティ内に溶融した熱
可塑性樹脂を供給し、その供給完了後に金型キャビティ
容量を目的とする成形品容量まで減少し、金型キャビテ
ィ内の成形品をその取り出しが可能な温度以下まで冷却
後成形品を取り出す成形方法であって、金型キャビティ
容量の減少に伴いその面積が減少する金型キャビティの
表面部分(表面A)の少なくとも一部を母型より高温化
して金型キャビティ容量の減少を完了することを特徴と
する成形方法」にかかるものである。
【0014】本発明の好適な態様の1つは、上記の熱可
塑性樹脂の供給が、射出成形により行われる上記成形方
法にかかるものである。
【0015】本発明の好適な態様の1つは、熱可塑性樹
脂のガラス転移温度をTg(℃)としたとき、上記表面
Aの少なくとも一部を、Tg+0.5〜Tg+50
(℃)の範囲で高温化する上記成形方法にかかるもので
ある。
【0016】本発明の好適な態様の1つは、上記の高温
化される部分は、表面Aのうち金型キャビティ容量の減
少を開始する前から溶融樹脂が接する部分である上記成
形方法にかかるものである。
【0017】本発明の好適な態様の1つは、上記表面A
の高温化される部分は、該部分の温度が所定の温度を超
えないよう制御するに十分な温度制御手段を備えてなる
上記成形方法にかかるものである。
【0018】本発明の好適な態様の1つは、上記表面A
を高温化する手段は加熱源によるものである上記成形方
法にかかるものである。
【0019】本発明の好適な態様の1つは、金型キャビ
ティ内の成形品をその取り出し可能な温度以下まで冷却
する間、表面Aの高温化された部分を冷却してなる上記
成形方法にかかるものである。
【0020】本発明の好適な態様の1つは、上記の金型
は、上記表面Aの高温化する部分を含む入れ子、または
該部分に近接する入れ子を備えており、該入れ子は該部
分を高温化する手段と、該部分の温度が所定の温度を超
えないよう制御するに十分な温度制御手段とを備えてな
る上記成形方法にかかるものである。
【0021】本発明の好適な態様の1つは、上記表面A
を高温化する手段は、加熱源および該加熱源から生ずる
熱が母型へ発散することを防止する断熱層を備えてなる
上記成形方法にかかるものである。更に好適には該断熱
層は、その熱伝導率が0.01〜10W/mKであり、
かつ厚みが0.5〜10mmであって、更に加熱源と断
熱層との間の距離が1〜10mmである上記成形方法に
かかるものである。
【0022】また本発明は、少なくともその供給完了時
において目的とする成形品容量よりも大なる容量の金型
キャビティ内に溶融した熱可塑性樹脂を供給し、その供
給完了後に金型キャビティ容量を目的とする成形品容量
まで減少し、金型キャビティ内の成形品をその取り出し
が可能な温度以下まで冷却後成形品を取り出す成形方法
に使用される金型であって、該金型は、金型キャビティ
容量の減少に伴いその面積が減少する金型キャビティの
表面部分(表面A)の少なくとも一部を高温化する手段
を備えることを特徴とする樹脂成形用金型にかかるもの
である。
【0023】本発明の好適な態様の1つは、熱可塑性樹
脂のガラス転移温度をTg(℃)としたとき、上記表面
Aの少なくとも一部を、Tg+0.5〜Tg+50
(℃)の範囲で高温化する手段を備える上記金型にかか
るものであり、また本発明の好適な態様の1つは、該金
型は、表面Aの高温化部分を含む入れ子、または該部分
に近接する入れ子を備え、該入れ子は、該部分を高温化
する手段と、該部分の温度が所定の温度を超えないよう
制御するに十分な温度制御手段とを備えてなる上記金型
にかかるものであり、更に本発明の好適な態様の1つ
は、上記表面Aを高温化する手段は、加熱源および該加
熱源から生ずる熱が母型へ発散することを防止する断熱
層を備えてなる上記金型にかかるものである。
【0024】そして本発明は、上記の成形方法から成形
された成形品にかかるものであり、更に好適な態様の1
つは、上記の成形方法から成形されたその成形品側面部
分にゲートを有する成形品にかかるものである。
【0025】さらに本発明は、上記の成形方法から成形
された成形品にかかるものであり、更に好適な態様の1
つは、車輌用窓ガラスおよび車輌用外板にかかるもので
ある。
【0026】以下、本発明の詳細について説明する。
【0027】上記の“少なくとも〜(中略)〜取り出す
成形方法”とは、射出圧縮成形方法を好適な態様とする
ものであるが、本発明におけるかかる技術内容をより明
確にするため以下に説明する。
【0028】上記の“その供給完了時”とは金型キャビ
ティ(以下単に“キャビティ”と称することがある)内
への樹脂の供給完了時をいう。更に樹脂の供給とは少な
くとも外見的に樹脂の流れの伴うものをいう。すなわ
ち、供給方法が射出成形であれば通常射出工程をいい、
その供給完了時とは射出工程終了時をいう。一方保圧工
程は外見的には樹脂の流れを伴わず(樹脂内部では樹脂
の流れはわずかに生ずるが)、樹脂を圧縮する工程であ
ることから本発明にいうキャビティ内への樹脂の供給に
は含まれない。また溶融樹脂の供給は射出成形方法、す
なわちシリンダー中の樹脂をピストンを用いて排出する
方法が好適であるが、その他にも溶融樹脂を輸送可能な
手段であれば使用可能である。かかる他の方法としては
例えば、スクリュー圧縮機により排出する方法やギアポ
ンプにより排出する方法などが挙げられる。
【0029】更に上記の“少なくとも”とは、樹脂の供
給完了時にキャビティ容量が目的とする成形品容量より
も大きいことのみを要件とし、樹脂の供給開始時より大
きいことは要件としないことを意味する。例えば、樹脂
の供給と共にキャビティ容量が拡大する方式により樹脂
を過剰に充填した後、キャビティ容量を減少して樹脂を
圧縮する方法であってもよい。ここで過剰の溶融樹脂は
捨てキャビ(製品以外の樹脂流入のためのキャビティ)
など別の空間に流入させることができる。また過剰の溶
融樹脂は、シリンダー側に直接逆流させることも可能で
ある。尚、目的とする成形品容量に対して予め大なる容
量とした金型キャビティに対し、溶融樹脂を過剰に供給
することも可能である。
【0030】また上記“目的とする成形品容量よりも大
なる容量の金型キャビティ”の意味するところは、キャ
ビティ容量が変化しない通常の成形方法における容量を
同一容量とする基準に基づく。すなわち通常の成形方法
においても厳密には成形品容量はキャビティ容量よりも
ごくわずかに小さいことになるが、本発明においてこの
程度の大小関係は問題にしない。本発明においてかかる
“大なる容量”の程度としては目的とする成形品容量の
1.05倍以上が好ましく、1.1倍以上がより好まし
く、1.3倍以上が更に好ましく、1.5倍以上が特に
好ましい。本発明の効果は、かかる倍率が高いほどより
有効となるが、倍率があまりに高い場合にはジェッティ
ングなどの成形不良が生ずる場合もあるため、上限とし
ては6倍以下が適切であり、4倍以下がより適切であ
る。
【0031】またキャビティの容量を拡大する方法とし
ては(逆方向の動作になれば所定の容量まで減少する方
法ともいえる)、(i)可動側金型の後退による方法、
(ii)キャビティ内の可動コアプレートの後退による
方法、および(iii)その他キャビティ内に備えられ
た可動部の後退による方法などを挙げることができる。
特に上記(i)の方法(いわゆる型圧縮法)、および
(ii)の方法(いわゆるコア圧縮法)が一般的であ
る。尚、これらキャビティ容量を拡大させる可動部分
は、該容量を所定容量まで減少させる場合に樹脂を圧縮
するため、該可動部分を以下“圧縮部”、またキャビテ
ィ容量を所定の容量まで減少させる工程を“圧縮工程”
と称する場合がある。
【0032】上記“その供給完了後に金型キャビティ容
量を目的とする成形品容量まで減少し”とは、圧縮工
程は溶融樹脂の供給完了後に完了すること、圧縮工程
の開始時期は供給完了前後のいずれでもよいこと、およ
び上述のとおりキャビティ内に供給する樹脂の量は成
形品容量より過剰であってもよいことを意味する。殊に
圧縮工程は、溶融樹脂の充填終了前に開始することが外
観および歪の少ない精度の高い成形品を得るために好ま
しい。尚、圧縮工程と溶融樹脂の充填工程が重なる時間
をオーバーラップ時間という。
【0033】次に“金型キャビティ容量の減少に伴いそ
の面積が減少する金型キャビティの表面部分(表面
A)”について説明する。例えば図1に示す板状成形品
は、板の表裏面および側面のそれぞれの面から構成され
る。該板状成形品を図2において示すように、表裏面の
法線とキャビティ容量減少のため金型圧縮方向とが平行
である場合、表裏面のキャビティ表面は面積の変化がな
いが、側面のキャビティ表面は面積が減少する。したが
ってかかる板状成形品の場合側面部分全てが表面Aに対
応する。当然成形品の不良は製品に対してのみ問題とさ
れるため、ゲートに相当する部分(図1の符号12)に
おいては本発明の条件を必ずしも満足する必要はない。
そしてかかる表面Aのうち、少なくとも圧縮工程以前に
溶融樹脂が接触した部分(図2の符号25)において特
に本発明の条件を満足する成形を行うことが重要であ
る。かかる部分において不良が最も発生しやすいためで
ある。
【0034】一方、例えば図3に示す凹型の容器をその
底面中央部分のゲートから成形する場合を考える。かか
る場合には図4に示すようにキャビティでその面積の減
少がある面(表面A)は図4の符号43の部分のみであ
る。図4に示す成形方法では圧縮工程が完了するまでの
間に樹脂は表面Aに接することがないため、本発明にお
いて問題とする射出圧縮成形時の側面外観不良は生じな
い。かかる部分が表面Aに相当する。一方で図3に示さ
れる成形品の成形において本発明の成形方法が特に好適
であるのは、図4に模式的に示すように拡大されたキャ
ビティ内に溶融樹脂を充満させ、圧縮工程において過剰
の樹脂をシリンダー内に逆流させる方法の場合である。
【0035】上記の如く、表面Aは圧縮部の動作方向を
その面内に含む面であり、かつその面積がキャビティ容
量の減少により減少する面である。また樹脂成形品は概
して板状であることが多いため、通常表面Aは成形品の
側面部分に相当することが多い。更にかかる側面部分の
うち圧縮工程以前に溶融樹脂が接触した部分を局部的に
加熱することが好適である。
【0036】次に“(表面A)の少なくとも一部を母型
より高温化する”とは、全ての表面A部分を高温化す
る必要はないこと、および母型(金型全体)の温度に
対して一部分をより高温とすることを意味する。尚、以
下“表面Aの少なくとも一部を母型より高温化する部
分”を単に“表面Aの高温化部分”と称する場合があ
る。かかる高温化は、実質的にヒケに伴う側面部分の凹
みと表面固化層を形成しない温度であることが必要であ
り、該温度であれば、本発明において課題とする射出圧
縮成形時の側面外観不良は解消される。該温度は、キャ
ビティ容量の拡大の程度や圧縮工程の開始時期などの他
の成形条件との兼ね合いによっても変わるが、少なくと
もDSC測定においてその熱可塑性樹脂のガラス転移に
基づく吸熱挙動の開始温度以上であることが好ましく、
更には熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg(℃))以
上とすることが好ましい。Tg以上の場合にはキャビテ
ィ容量の拡大が比較的大きい場合にも射出圧縮成形時の
側面外観不良の低減が可能である。更に好ましくはTg
+0.5〜Tg+50(℃)の範囲である。かかる範囲
においてはより良好な成形品外観が得られ、バリの発生
も抑制される。この場合より好ましい上限はTg+30
(℃)であり、更に好ましい上限はTg+20(℃)、
特に好ましい上限はTg+10(℃)である。これらの
温度より高温とする場合には、バリの発生を考慮したよ
り精密な金型が必要となる場合がある。
【0037】尚、ここでTgとは熱可塑性樹脂をJIS
K7121に準拠し、DSC装置を用いて室温から2
0℃/minの昇温速度により昇温して測定された値で
ある。また2以上のガラス転移温度が観察される場合
は、最も高いガラス転移温度を指す。更に、かかる温度
範囲に0.1秒以上あることが好ましく、0.5秒以上
あることがより好ましい。また上限としては10秒以下
が好ましい。
【0038】上記の高温化の方法としては、加熱源によ
る方法および断熱層を配したキャビティにより高温化す
る方法が挙げられ、いずれも適用可能であるが、より好
ましくは加熱源による方法である。更に加熱源として
は、電気ヒーター、赤外線ヒーター、高周波誘導加熱、
熱媒体、超音波加熱、レーザー加熱等が挙げられ、これ
らのいずれか一つまたは二つ以上の組合せが選ばれる。
好ましい加熱源としては、加熱応答性や出力制御性が良
好な電気ヒーターが挙げられる。
【0039】上記の如く表面Aの高温化部分における温
度のより好ましい態様は、比較的狭い温度範囲であるこ
とから、十分に温度制御されることが好適であり、かつ
重要である。殊に、該部分の温度が所定の温度を超えな
いことがバリ発生の抑制の点で重要である。したがっ
て、上記表面Aの高温化部分は、該部分の温度が所定の
温度を超えないよう制御するに十分な温度制御手段を備
えてなることが好ましい。かかる温度制御手段として
は、例えば加熱源として電気ヒーターを用いる場合、金
型側面に設置された熱電対により該側面の温度を監視し
ながらヒーターの電圧をPID制御装置で制御する方法
が挙げられる。温度を監視する方法としては、熱電対以
外にも例えばバイメタルや赤外線モニターなどに代表さ
れる各種の方法が可能である。またかかる温度の監視
は、必ずしも直接表面Aの高温化部分を監視する必要は
なく、かかる部分の温度を制御するに十分な箇所ではあ
ればいずれであってもよい。すなわち、表面Aの高温化
部分の温度とかかる監視部分の温度の相関関係が求めら
れていれば実質的に表面Aの高温化部分の温度を監視す
ることになる。またかかる部分の温度は熱解析のシュミ
レーションによってもほぼ予測可能であるため、温度を
監視することなく例えばヒーター出力の時間制御のみを
行うことも可能である。より好ましい方法は温度監視手
段を有する温度制御手段である。更に制御方法としては
単なるON−OFF制御なども可能であるが、より好ま
しくは精密な制御の可能なPID制御である。また表面
Aの高温化部分の温度は、キャビティ容量の減少(圧縮
工程)を完了させるまでの間、一定の温度である必要は
ないものの、ほぼ一定の温度であることが好ましい。よ
り好ましくは±5℃以内の制御であり、更に好ましくは
±3℃以内の制御であり、特に好ましくは±1℃以内の
制御である。かかる温度制御のためにも上記の温度制御
手段を有することが好ましい。また加熱源はかかる制御
の容易な容量のものを選択する。
【0040】更に上記表面Aを高温化する手段は、加熱
源および該加熱源から生ずる熱が母型へ発散することを
防止する断熱層を備えてなることが好ましい。これは加
熱源の熱が母型に発散することを防止し、表面Aの高温
化をより短時間で行うためである。またかかる高温化を
短時間で行うことは、成形条件に対する制約を減少でき
る。かかる断熱層は加熱源から表面Aの高温化部分まで
の熱流路が確保されればいかなる位置に配されたものも
よい。しかしながら後述するように、成形サイクルの短
縮のため加熱源は急速に冷却できることも求められる。
したがって冷却のための放熱流路も確保した配置が好ま
しい。通常表面Aの高温化部分と加熱源は対面させて配
置されることが多いため、かかる対面方向とは略直角方
向に断熱層を配置することが好適である。
【0041】断熱層はその熱伝導率が0.01〜10W
/mKであることが好ましく、0.01〜3W/mKで
あることがより好ましく、0.01〜0.7W/mKで
あることが更に好ましく、0.01〜0.3W/mKで
あることが特に好ましい。かかる断熱層としては真空、
空気、セラミックス、ガラス、熱硬化性樹脂、多孔質金
属などが挙げられる。最も好ましい態様である簡便で断
熱効果の高い断熱層は空気、すなわち空洞または隙間で
あるが、金型強度が低下したり断熱層内部に溶融樹脂が
入りこむ危険がある場合、セラミックスなどを用いるこ
とができる。
【0042】また加熱源と断熱層との距離としては、1
〜10mmの範囲が好ましく、より好ましくは2〜8m
mである。また断熱層の厚みは0.5〜10mmが好ま
しく、より好ましくは1〜9mmである。かかる範囲で
あれば母型への熱の発散の抑制と金型強度が両立され
る。すなわち本発明において好ましい断熱層の態様は、
その熱伝導率が0.01〜10W/mKであり、かつ厚
みが0.5〜10mmであって、更に加熱源と断熱層と
の間の距離が1〜10mmのものである。
【0043】一方で、キャビティ内の成形品を冷却する
工程の時間を短縮するため、表面Aの高温化部分は急速
に冷却可能であることが好ましい。そのため表面Aを高
温化する手段は更にその周囲へ熱の発散を容易とする手
段も有することがより好ましい。熱の発散を容易にする
方法としては、母型の金属よりも熱伝導率の良好な部
位を該周囲に配置して熱の発散を容易にする、冷却媒
体を該周囲に通して高い温度勾配を維持し熱の発散を容
易にする、並びにおよびを組み合わせるなどの方法
を挙げることができる(これら表面Aの高温化部分を急
速に冷却可能とする手段を、以下“局所冷却手段”と称
することがある)。一方でかかる局部的冷却手段は表面
Aの高温化を妨げるため、表面Aを高温化する手段に対
するその配置は重要である。断熱層の配置において述べ
たとおり、表面Aを高温化する手段として加熱源を使用
する場合、表面Aの高温化部分と加熱源が対面し、更に
それらに対し略直角に断熱層が配置されることが好まし
いため、局所冷却手段は加熱源に対し表面Aの高温化部
分とは逆側に配置されることが好ましい。すなわち表面
Aの高温化部分とは逆側に母型よりも熱伝導率の良好な
部位や、冷却配管などを配置する。局所冷却手段として
より好ましいのは熱伝導率の良好な部位の配置であり、
これは簡便な金型構造や良好な熱効率のためである。
【0044】熱伝導率の良好な部位の熱伝導率として
は、70〜300W/mKの範囲が好ましく、100〜
200W/mKの範囲がより好ましく、150〜200
W/mKの範囲が更に好ましい。かかる部位に好適な素
材としてはベリリウム銅合金を挙げることができる。更
にかかる部位に対して外部から冷風を局所的に当てるな
どの冷却手段と組み合わせることも可能である。
【0045】上記より本発明の好ましい態様の1つとし
て、金型キャビティ内の成形品をその取り出し可能な温
度以下まで冷却する間、表面Aの高温化された部分を冷
却してなる上記成形方法が挙げられ、より好ましくはか
かる冷却する手段は加熱源の周囲に母型の金属よりも熱
伝導率の良好な部位を配置する該成形方法が挙げられ、
更に好ましくはかかる熱伝導率の良好な部位は加熱源に
対し表面Aの高温化部分とは逆側に配置されてなる該成
形方法が挙げられる。
【0046】上記の如く、表面Aの高温化部分は、表面
Aを高温化する手段と、該部分の温度が所定の温度を超
えないよう制御するに十分な温度制御手段とを備えてな
ることが好ましいが、これらの手段は入れ子として金型
に備えられることが好ましい。これはメンテナンス性が
良好であり、また故障や交換に対する対応も容易となる
ためである。これらの手段を有する入れ子は、表面Aの
高温化部分を含む構造であっても、表面Aの高温化部分
に近接する構造であってもよい。より好ましいのは表面
Aの高温化部分を含む構造である。更に好ましくは上記
の局所冷却手段も有する入れ子である。
【0047】本発明は、上述の如く特定の表面Aを高温
化する成形方法、およびかかる成形方法に使用される金
型にかかるものである。更に本発明は上記成形方法によ
り成形された成形品にかかるものであり、殊にその成形
品側面部分にゲートを有する成形品にかかるものであ
る。
【0048】更に本発明は、射出圧縮成形時の側面外観
不良がない大型成形品の提供を可能とする。成形品の大
きさは、その最大投影面積が1000cm2以上であ
り、より好ましくは2000cm2以上である。一方成
形品の大きさの上限としては50,000cm2以下が
適切であり、25,000cm2以下がより好ましい。
また成形品の厚みとしては0.5〜10mmの範囲が好
ましく、1〜8mmがより好ましく、1.5〜7mmが
更に好ましく、特に2〜6mmが好ましい。また流動長
は30cm以上が好ましく、35cm以上がより好まし
い。上限としては150cm以下が適切であり、100
cm以下がより好ましい。更に本発明は流動長が大きく
なりやすい成形品側面部分にゲートを有する射出成形品
において極めて好適な効果を有する。
【0049】本発明は、特に射出圧縮成形時の側面外観
不良が目立つ透明な成形品において有効である。すなわ
ち本発明によれば本発明の成形方法により製造された大
型の透明成形品、特に好適には車輌用の窓ガラスが提供
される。また成形品側面部分の外観も良好であることが
必要な車輌用外板において好適なものである。すなわち
本発明によれば本発明の成形方法により製造された車輌
用外板が提供される。
【0050】これら成形品に使用される熱可塑性樹脂と
しては透明性が良好で、かつ耐衝撃性も良好な芳香族ポ
リカーボネートが最も好ましい。
【0051】本発明の成形品は、更に各種のコーティン
グ(ハードコート、撥水・撥油コート、紫外線吸収コー
ト、赤外線吸収コート、耐摩耗コート、および耐チッピ
ングコートなど)、塗装、印刷、並びにメタライジング
(メッキ、および蒸着など)などの各種の表面処理を行
うことができる。そして本発明の成形品は大型成形品に
おいてもこれら表面処理を良好に行うことができる。
【0052】本発明の成形方法は、公知の他の成形方法
と組み合わせて使用することもできる。例えば上述した
特公平5−19443号公報に開示された成形方法と組
み合わせることも可能である。更には本発明の成形方法
は、ガスアシスト射出成形、発泡成形(超臨界流体の注
入によるものを含む)、インサート成形、インモールド
成形、局所高温金型成形(断熱金型成形を含む)、二色
成形、サンドイッチ成形、および超高速射出成形などと
併用することができ、かかる併用の成形方法で製造され
た成形品を提供するものである。
【0053】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明を詳細
に説明する。
【0054】図5は、図1に示す成形品を本発明に係る
射出圧縮成形方法を用いて製造する場合に使用する金型
の構成を示す概略図である(該成形品のゲート側を地側
として、上面からの図を示す)。型閉開始信号読取装置
51により型閉開始信号を読み取り、該信号をトリガー
として熱源54を加熱開始させる。成形品側面部分(表
面A)57の温度を樹脂のガラス転移温度以上に昇温し
た後、金型59および60が半閉鎖状態になったところ
で溶融樹脂58の射出を開始させ、射出中または射出が
終了したところで、好ましくは射出が終了する0.1〜
1秒程度手前から圧縮を開始する。熱源54の周囲に断
熱層53が設けられているので金型への熱拡散が抑制さ
れ、効率的に速やかに側面部分(表面A)57の表面温
度が上昇する。圧縮による加圧は、充填された樹脂が冷
却固化するまで加圧する。熱源54の加熱は、圧縮によ
る金型の移動がなくなるまで行い、側面部分(表面A)
57を樹脂のガラス転移温度以上のほぼ一定値に保持さ
せる。加熱は、側面部分(表面A)57の温度が必要以
上に高くならないように側面部分(表面A)57の温度
測定手段56により監視され、熱源へのエネルギー供給
が温度制御手段52により制御される。圧縮による金型
59の移動が終了したのち熱源の加熱を停止する。これ
により側面部分(表面A)57と反対側に設けた熱伝導
性の良好な局所冷却手段55から熱が放熱され、速やか
に樹脂が冷却され、そして成形サイクル時間の増加は抑
制される。ここで説明した成形過程の側面部分(表面
A)57の温度プロファイルは図7に示される。図7中
Tgは熱可塑性樹脂のガラス転移温度を示し、Taは圧
縮工程終了までほぼ一定に保たれる表面Aの温度を示
す。
【0055】上記の如く、供給された溶融樹脂が圧縮さ
れる前から金型に接した成形品側面部分は樹脂のガラス
転移温度以上に保たれる。これにより、樹脂の冷却収縮
により生成する冷却固化層を有するヒケが抑制され、射
出圧縮成形時の側面外観不良は消失し、外観の極めて良
好な成形品が射出圧縮成形法から得られる。
【0056】
【実施例】以下に実施例、比較例を用いて本発明及びそ
の効果を更に説明するが、本発明はこれら実施例などに
より何ら限定されるものではない。
【0057】(実施例1)成形機として型締め力127
00kNの日本製鋼所製J1300E−C5−I5A射
出成形機(型圧縮可能なように油圧回路および制御シス
テムを変更した仕様)、並びに樹脂として芳香族ポリカ
ーボネート樹脂(表1中「PC」で表示。帝人化成社
製:パンライトL−1225ZL100、ガラス転移温
度:150℃)を用いた。樹脂ペレットは120℃で5
時間熱風型乾燥機で乾燥した。またホッパーの温度は1
00℃とした。
【0058】上記図7において示した表面Aの温度プロ
ファイルを取るように表1に示す条件で図1に示す板状
成形品(寸法:450mm×450mm×3mmt、但
しランナー部分は実際にはホットランナー)を射出圧縮
成形した。ホットランナー部分の温度はシリンダー温度
に対して20℃高い温度とした。図7におけるTaに相
当する温度は約155℃であり±1℃以内で制御を行っ
た。
【0059】成形は型圧縮法で行い、樹脂の射出容量は
キャビティ容量拡大がない場合とほぼ同じとした。すな
わち、拡大されたキャビティに溶融樹脂が完全に充填さ
れない状態で型圧縮法による射出圧縮成形を行った。更
にその他の成形条件は、射出速度:50mm/sec、
プレスストローク(キャビティ容量拡大のための金型後
退幅):7mm、プレス速度(キャビティ容量減少のた
めの金型前進速度):5mm/sec、オーバーラップ
時間(キャビティ容量減少(圧縮)開始から射出工程が
終了するまでの時間):1sec、冷却時間:40se
cである。また、ランナーはモールドマスターズ社製の
ホットランナー(直径3mmφ)を用い、充填完了後直
ちにバルブゲートを閉じて型圧縮により溶融樹脂がゲー
トからシリンダーへ逆流しない条件とした。更に熱源は
電気ヒーター(外形8mmφ、200V、850W)、
並びに断熱層は電気ヒーターの両側左右対称に配置され
た溝を設け、空気によるものとした。またキャビティ側
面を所定の温度に制御するため該側面近傍に熱電対を設
置し、かかる信号から電気ヒーターをPID制御して行
った(左右の電気ヒーター制御は独立の制御としたが、
左右両側の温度差はほとんど認められなかった)。また
該熱電対と側面部表面温度との相関関係は、金型を成形
機に取り付け所定の金型温度にした状態で、側面部表面
温度を計測し熱電対により計測される温度との比較から
求めた。これらの電気ヒーター、断熱層、および熱電
対、並びに熱伝導性の良好な局所冷却手段は図5および
6に示されるように側面部(表面A)を含む入れ子とし
て一体化されたものを使用した。
【0060】成形サイクルは約70秒であり、得られた
成形品は、側面の筋状の外観不良は無く良好な外観なも
のであった。
【0061】(実施例2)熱源の周囲に配された断熱層
がない以外は、実施例1と同様の入れ子を使用して図7
において示したキャビティ側面(表面A)の温度プロフ
ァイルに基づいて成形を行った。表面Aの温度上昇に時
間を要したため成形サイクルは約100秒であったが、
得られた成形品は、側面の筋状の外観不良は無く良好な
外観なものであった。
【0062】(実施例3)樹脂がポリメチルメタクリレ
ート樹脂(表1中「PMMA」で表示。旭化成社製:デ
ルペット80N、ガラス転移温度115℃)であり、図
7に示すTaがほぼ120℃となるようにし、乾燥温度
を90℃、ホッパー温度を75℃、および成形条件を表
1に示す条件とした以外は、ほぼ実施例1と同様の条件
で成形を行った。得られた成形品は、側面の筋状の外観
不良は無く良好な外観なものであった。
【0063】(実施例4)樹脂がポリカーボネート樹脂
と結晶性ポリエステル樹脂のアロイ(表1中「PC/P
es系」で表示。ガラス転移温度131℃)であり、図
7に示すTaがほぼ150℃となるようにし、成形条件
を表1に示す条件とした以外は、ほぼ実施例1と同様の
条件で成形を行った。得られた成形品は、側面の筋状の
外観不良は無く良好な外観なものであった。また、得ら
れた成形品に塗装を行っても良好な外観が得られた。
【0064】尚、上記アロイからなるペレットは次のよ
うに製造した。芳香族ポリカーボネート樹脂(帝人化成
(株)製パンライトL−1250WP)30重量部、P
BT樹脂(長春人造樹脂廠股ふん有限公司製11002
11S)30重量部、相溶化剤((株)クラレ製TKS
−7300)10重量部、タルク(IMI Fabi
S.p.A製 Hitalc Ultra5c)25重
量部、ゴム質重合体((株)クラレ製SEPTON20
05)5重量部、およびホスフエート系熱安定剤(旭電
化工業(株)製アデカスタブPEP−8)0.2重量部
をタンブラーで均一に混合した後、同方向ベント付き2
軸押出機((株)日本製鋼所製TEX−α、スクリュー
径30mm)にてスクリュー回転数150rpm、シリ
ンダ温度280℃、ベント吸引度30kPaで押出し、
ペレットを得た。
【0065】(比較例1)実施例1において、電気ヒー
ターのスイッチをいれることなくほぼ同様の条件で成形
を行った。得られた成形品には側面に筋状の外観不良が
発生した(尚、成形品は透明であるため、該不良の領域
は成形品表裏面からも観察できる)。
【0066】(比較例2)実施例3において、電気ヒー
ターのスイッチをいれることなくほぼ同様の条件で成形
を行った。得られた成形品には側面に筋状の外観不良が
発生した(尚、成形品は透明であるため、該不良の領域
は成形品表裏面からも観察できる)。
【0067】(比較例3)実施例4において、電気ヒー
ターのスイッチをいれることなくほぼ同様の条件で成形
を行った。得られた成形品には側面に筋状の外観不良が
発生した。さらに、得られた成形品に塗装を行った結
果、成形品側面の筋状の外観不良があるところで、塗装
外観が悪かった。
【0068】
【表1】
【0069】
【発明の効果】本発明を用いると、高外観、高い表面精
度、および高い形状精度を有する射出成形品を低コスト
で得ることができる。殊に大型の透明な射出成形品にお
いて有効である。かかる成形品は、建築物、建築資材、
農業資材、海洋資材、車両、電気・電子機器、機械、そ
の他の各種分野において、その奏する工業的効果は極め
て大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】成形品の一例、および本発明の実施例において
製造した成形品の形状の概略を示す斜視図である。
【図2】上記成形品を成形する際の金型キャビティおよ
び供給された樹脂の状態を示す概略図である。該キャビ
ティではゲート部分(三角形の部分)は、製品(正方形
の板状成形品)と同一厚みである。 [2−A]溶融樹脂の供給完了時点の状態を示す。かか
る時点ではキャビティ側面部において溶融樹脂が接触し
た部分と接触していない部分があり、キャビティ内には
溶融樹脂が未充填の部分があることを示す。 [2−B]金型を完全に閉鎖し、所定のキャビティ容量
まで圧縮を行った状態を示す。
【図3】成形品の一例を示す。凹型の容器であり底面中
央部分にダイレクトゲートを有する。
【図4】上記成形品を成形する際の金型キャビティおよ
び供給された樹脂の状態を示す概略図である。 [4−A]溶融樹脂の供給完了時点の状態を示す。かか
る時点ではキャビティ側面部において溶融樹脂は、キャ
ビティ容量の減少に伴い面積が減少するキャビティ表面
部分(表面A)には全く接触していないことを示す。 [4−B]金型を完全に閉鎖し、所定のキャビティ容量
まで圧縮を行った状態を示す。
【図5】上記図1の成形品を成形する際に使用した射出
圧縮成形用金型の概略構成図を示す。成形品ゲートは地
側にあり上面からの図となる。
【図6】上記図1の成形品を成形する際に使用した射出
圧縮成形用金型の概略構成図を示す正面図である。
【図7】成形過程における金型キャビティ側面(表面
A)の温度プロファイルを示す図である。
【符号の説明】
11 成形品本体(長さ450mm×幅450mm×厚
み3mm) 12 ゲート(厚みは全て3mm) 13 スプルー 21 可動側金型 22 固定側金型 23 供給された樹脂(網掛けで示す) 24 圧縮前の成形品本体に相当するキャビティ 25 圧縮前からキャビティ側面部(表面A)に接触し
た部分 26 圧縮前のゲートに相当するキャビティ 27 スプルー部分 28 圧縮後の成形品本体に相当するキャビティ 29 圧縮後のゲートに相当するキャビティ 31 成形品本体(凹状容器) 32 ゲート(底面にダイレクトゲート、スプルーの
み) 41 可動側金型 42 固定側金型 43 表面Aに相当する金型キャビティ表面部分 44 圧縮前の金型キャビティ 45 供給された樹脂 46 スプルー 51 型閉開始信号読取装置 52 温度制御装置 53 断熱層(幅:9mm、厚み:3mm、および長さ
は電気ヒーターと同一長さの溝、すなわち空気による断
熱層である。またヒータと該断熱層との距離は両側共に
3mm) 54 加熱源(電気ヒーター、径8.0mmφ、200
V、850W) 55 局所冷却手段(熱伝導率167W/mKのベリリ
ウム銅合金からなる部位。その端面は電気ヒーターに接
触しており、厚み8mmおよび長さは電気ヒーターと同
一である) 56 温度測定手段(製品本体の下側から100mm、
かつ側面部表面から2mmの部分に配された熱電対) 57 金型キャビティの側面(表面A) 58 キャビティ内の樹脂 59 可動側金型 60 固定側金型 61 上記加熱源、断熱層、温度測定手段、および局所
冷却手段を含んで構成され、表面Aを含む金型用入れ子 62 加熱源と断熱層との間の距離(3mm、4箇所何
れも同一) 63 金型の母型から構成される部位(尚60の材質は
該62の材質と同じ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 AH18 AH23 AR06 CA11 CB01 CK18 CK43 CL01 CN01 CN05 4F206 AH18 AH23 AR06 JA07 JL02 JM02 JM04 JM05 JN11 JN21 JN31 JN44 JQ81

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともその供給完了時において目的
    とする成形品容量よりも大なる容量の金型キャビティ内
    に溶融した熱可塑性樹脂を供給し、その供給完了後に金
    型キャビティ容量を目的とする成形品容量まで減少し、
    金型キャビティ内の成形品をその取り出しが可能な温度
    以下まで冷却後成形品を取り出す成形方法であって、金
    型キャビティ容量の減少に伴いその面積が減少する金型
    キャビティの表面部分(表面A)の少なくとも一部を母
    型より高温化して金型キャビティ容量の減少を完了する
    ことを特徴とする成形方法。
  2. 【請求項2】 上記の熱可塑性樹脂の供給が、射出成形
    により行われる請求項1に記載の成形方法。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTg
    (℃)としたとき、上記表面Aの少なくとも一部を、T
    g+0.5〜Tg+50(℃)の範囲で高温化する請求
    項1または2のいずれかに記載の成形方法。
  4. 【請求項4】 上記の高温化される部分は、表面Aのう
    ち金型キャビティ容量の減少を開始する前から溶融樹脂
    が接する部分である請求項1〜3のいずれか1項に記載
    の成形方法。
  5. 【請求項5】 上記表面Aの高温化される部分は、該部
    分の温度が所定の温度を超えないよう制御するに十分な
    温度制御手段を備えてなる請求項1〜4のいずれか1項
    に記載の成形方法。
  6. 【請求項6】 上記表面Aを高温化する手段は加熱源に
    よるものである請求項1〜5のいずれか1項に記載の成
    形方法。
  7. 【請求項7】 金型キャビティ内の成形品をその取り出
    し可能な温度以下まで冷却する間、表面Aの高温化され
    た部分を冷却してなる請求項1〜6のいずれか1項に記
    載の成形方法。
  8. 【請求項8】 上記の金型は、上記表面Aの高温化する
    部分を含む入れ子、または該部分に近接する入れ子を備
    えており、該入れ子は該部分を高温化する手段と、該部
    分の温度が所定の温度を超えないよう制御するに十分な
    温度制御手段とを備えてなる請求項1〜7のいずれか1
    項に記載の成形方法。
  9. 【請求項9】 上記表面Aを高温化する手段は、加熱源
    および該加熱源から生ずる熱が母型へ発散することを防
    止する断熱層を備えてなる請求項6〜8のいずれか1項
    に記載の成形方法。
  10. 【請求項10】 上記断熱層は、その熱伝導率が0.0
    1〜10W/mKであり、かつ厚みが0.5〜10mm
    であって、更に加熱源と断熱層との間の距離が1〜10
    mmである請求項9に記載の成形方法。
  11. 【請求項11】 少なくともその供給完了時において目
    的とする成形品容量よりも大なる容量の金型キャビティ
    内に溶融した熱可塑性樹脂を供給し、その供給完了後に
    金型キャビティ容量を目的とする成形品容量まで減少
    し、金型キャビティ内の成形品をその取り出しが可能な
    温度以下まで冷却後成形品を取り出す成形方法に使用さ
    れる金型であって、該金型は、金型キャビティ容量の減
    少に伴いその面積が減少する金型キャビティの表面部分
    (表面A)の少なくとも一部を高温化する手段を備える
    ことを特徴とする樹脂成形用金型。
  12. 【請求項12】 熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTg
    (℃)としたとき、上記表面Aの少なくとも一部を、T
    g+0.5〜Tg+50(℃)の範囲で高温化する手段
    を備える請求項11に記載の樹脂成形用金型。
  13. 【請求項13】 該金型は、表面Aの高温化部分を含む
    入れ子、または該部分に近接する入れ子を備え、該入れ
    子は、該部分を高温化する手段と、該部分の温度が所定
    の温度を超えないよう制御するに十分な温度制御手段と
    を備えてなる請求項11または12のいずれかに記載の
    樹脂成形用金型。
  14. 【請求項14】 上記表面Aを高温化する手段は、加熱
    源および該加熱源から生ずる熱が母型へ発散することを
    防止する断熱層を備えてなる請求項11〜13のいずれ
    か1項に記載の樹脂成形用金型。
  15. 【請求項15】 上記請求項1〜10のいずれか1項に
    記載の成形方法から成形された成形品。
  16. 【請求項16】 上記成形品は、その成形品側面部分に
    ゲートを有するものである請求項15に記載の成形品。
  17. 【請求項17】 上記成形品が車輌用窓ガラスである請
    求項15または16のいずれかに記載の成形品。
  18. 【請求項18】 上記成形品が車輌用外板である請求項
    15または16に記載の成形品。
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