JP2002347094A - 成形用金型の加熱装置及び加熱方法 - Google Patents

成形用金型の加熱装置及び加熱方法

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JP2002347094A JP2001157708A JP2001157708A JP2002347094A JP 2002347094 A JP2002347094 A JP 2002347094A JP 2001157708 A JP2001157708 A JP 2001157708A JP 2001157708 A JP2001157708 A JP 2001157708A JP 2002347094 A JP2002347094 A JP 2002347094A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金型のキャビティ表面のみを均一に加熱す
る。 【解決手段】 金型10及び12を閉じた状態にして形
成されるキャビティ閉空間14を、パーティング面12
b及びエジェクタピン20に設けられたOリング22及
び26と、スプル部18に設けられた流路開閉装置24
とにより気密空間にし、このように気密空間にされたキ
ャビティ閉空間14内の気体をピストン16により圧縮
することで昇温し、高温になったキャビティ閉空間14
内の気体によりキャビティ表面10a及び12aを加熱
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金型を閉じること
により形成されるキャビティ閉空間内への溶融樹脂の充
填前に、溶融樹脂が接するキャビティ表面10a及び1
2aの温度を所望の温度まで上昇させるための成形用金
型の加熱装置及び加熱方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図13、図14、図15、図16、図1
7に従来の成形用金型の加熱装置の概念図をそれぞれ示
す。図13に示されるものは、一般的に用いられている
「熱媒体により金型全体を加熱・温調する装置」であっ
て、金型10及び12のキャビティ表面10a及び12
a近傍に、熱媒体(水や油など)を循環させる循環流路
50が導設されており、循環流路50は、耐熱ホース5
2を介して熱媒体の温度を所望の温度に調節・制御する
金型温調器54に連通している。次に、これの動作につ
いて説明すると、金型温調器54内で所望の温度にまで
加熱(または冷却)された熱媒体が、耐熱ホース52を
通って循環流路50に圧送される。熱媒体が循環流路5
0を通過する間に、熱媒体と循環流路50の内壁面との
間で熱交換が行なわれ、金型10及び12が熱媒体温度
に近い温度に維持される。この熱媒体による加熱は、成
形機の成形動作と同期をとらず常時行なわれる。
【0003】また、図14に示されるものは、「成形直
前に高周波誘導加熱で金型表面を選択的に加熱する装
置」であって、開いた状態の金型10及び12のキャビ
ティ表面10a及び12a間にインダクタンスコイル5
6が設置され、インダクタンスコイル56は高周波発振
器58と接続されている。次に、これの動作について説
明すると、成形前の金型10及び12を開いた状態にあ
るときに、インダクタンスコイル56を両キャビティ表
面10a及び12a間に挿入する。インダクタンスコイ
ル56に高周波発振器58で生成した高周波の交流電流
を印加すると、インダクタンスコイル56から磁束が発
生する。この磁束のある空間に金型10及び12がある
ため、金型10及び12自体が持つ電気抵抗によって損
失が生じ、発熱する。この発熱は、交流の周波数が高い
ほど表層に集中するため、金型10及び12表面(すな
わちキャビティ表面10a及び12a)が選択的に加熱
される。次に、キャビティ表面10a及び12aが所望
の温度まで上昇すると、インダクタンスコイル56を金
型10及び12の外に退避させ、この後、金型10及び
12を閉じて射出成形が行なわれる。
【0004】また、図15に示されるものは、「金型表
面に導電性薄膜を形成し通電することで加熱する装置」
であって、金型10にセラミックなどの絶縁板60を設
け、絶縁板60の表面に設置された導電性薄膜62でキ
ャビティ表面10aを構成する。導電性薄膜62にはこ
れに通電するための電極64が設けられており、電極6
4は導電性薄膜62に通電する図示してない電源ユニッ
トと電線66により接続されている。次に、これの動作
について説明すると、金型10及び12を閉じることに
より形成されるキャビティ閉空間14内に溶融樹脂を射
出充填する直前に、導電性薄膜62に通電することで導
電性薄膜62をジュール熱発熱させて所望の温度まで加
熱する。キャビティ表面10a(すなわち導電性薄膜6
2)が所望の温度に達した後、キャビティ閉空間14内
に溶融樹脂を射出充填する。
【0005】また、図16に示されるものは、特開平8
−197546号公報に示される「金型表面をふく射加
熱する装置」であって、金型10及び12には、これら
の深部の加熱(または冷却)のために熱媒体(水や油な
ど)を循環させる循環流路68が設けられており、金型
10及び12のキャビティ表面10a及び12a間には
支持具70に支持された赤外線ランプなどの発熱体72
が挿入されている。次に、これの動作について説明する
と、金型10及び12が開いた状態にあるときに、キャ
ビティ表面10a及び12a近傍に発熱体72を挿入
し、発熱体72に通電して発熱体72を発熱させ、発熱
体72からのふく射伝熱でキャビティ表面10a及び1
2aを加熱する。キャビティ表面10a及び12aが所
望の温度まで上昇すると通電を中止して発熱体72を金
型10及び12外に退避させた後、金型10及び12を
閉じて溶融樹脂を金型10及び12内に射出充填する。
【0006】また、図17に示されるものは、「金型表
面に断熱膜を被覆して溶融樹脂自身の熱で金型表面を加
熱する装置」であって、金型10及び12のキャビティ
表面10a及び12aにポリイミドやセラミックスなど
の低熱伝導性膜74が被覆されている。次に、これの動
作について説明すると、キャビティ内に高温の溶融樹脂
が充填されると、低熱伝導性膜74が溶融樹脂によって
暖められ、金型10及び12の内部よりも低熱伝導性膜
74(すなわち、キャビティ表面10a及び12a)の
温度が高い状態となる。溶融樹脂充填後しばらくする
と、低熱伝導性膜74は金型10及び12によって冷却
され、その温度はキャビティ内の溶融樹脂を冷却固化さ
せるに十分な温度まで低下する。これをショット毎に繰
返す受動的な温度制御法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】成形品の品質(すなわ
ち、寸法、転写製、表面性状、ソリなど)、とりわけ金
型10及び12表面状態を高度に転写するには、金型1
0及び12内に射出充填された溶融樹脂が接するキャビ
ティ表面10a及び12aの温度を高くして、溶融樹脂
が金型10及び12に接触して冷却固化するまでの時間
を遅延させることが有効である。さらに、高精度な成形
品を長時間にわたって安定かつ継続して得るには、成形
ショット毎のキャビティ表面10a及び12aの温度レ
ベルを一定に維持することが有効な手段である。しかし
ながら、上記従来の成形用金型の加熱装置及び加熱方法
では、以下のような課題がある。
【0008】すなわち、図13に示されるものでは、キ
ャビティ表面10a及び12aを暖めるために金型10
及び12内に熱媒体を流すため、キャビティ表面10a
及び12aだけではなく、金型10及び12全体の温度
が高くなってしまう。この結果、溶融樹脂が冷却・固化
して成形品として取り出すことができるまでの時間(す
なわち、冷却時間)が極端に長くなるため、成形サイク
ルが長くなり、成形加工コストが高くなるという課題が
ある。また、前述のようにキャビティ表面10a及び1
2aの温度を一定に保つことは成形品の品質に強い影響
を及ぼすが、キャビティ表面10a及び12aの温度
が、金型10及び12、熱媒体、溶融樹脂、大気及び成
形機本体との熱交換の結果としてこれらの要素の相互作
用により決まるため、金型温調器54から圧送される熱
媒体の温度を一定に制御しても、大気温度など他の温度
が変動すると必ずしもキャビティ表面10a及び12a
の温度が一定に維持されない。このため、ショット毎の
成形品品質を安定に維持できないという課題がある。
【0009】また、図14に示されるものでは、キャビ
ティ表面10a及び12aの温度を高温にするために、
インダクタンスコイル56に印加しなくてはならない交
流電流は通常数十〜数百アンペアであり、成形機本体と
同等もしくはそれ以上の莫大な電源容量を必要とする。
よって、莫大な電源容量に耐えうる場所にしか高周波誘
導加熱は適用できないため、使用場所が限定されるとい
う課題がある。また、高周波誘導加熱装置は、高周波発
振器58や、各キャビティ表面10a及び12a形状に
対応した専用のコイルが必要であるなど高価なものが多
く、加えて消費電力などのランニングコストも高くなる
ため、成形加工コストが高くなるという課題がある。
【0010】また、図15に示されるものでは、導電性
薄膜62に印加する電流は、100mm×20mmの投
影面積を有する成形品に対して150A必要であり、大
型の成形品に適用しようとするとさらに大電流を印加す
る必要がある。このため、大容量電源を準備する必要が
あるとともに、消費電力などのランニングコストが高く
なるため、成形加工コストが高くなるという課題があ
る。また、現状では導電性薄膜62の耐久性に問題があ
り、長時間連続での成形に耐えるのが難しいという課題
もある。
【0011】さらには、図16に示されるものでは、ふ
く射伝熱は被加熱物に対して直線的に伝播する性質があ
るため、CDやDVDに代表される平面的な形状を有す
るキャビティ表面10a及び12aに対しては適してい
るといえるが、リブやボスなどを有する複雑な3次元形
状のキャビティ表面10a及び12aに対しては均一な
加熱ができないというふく射加熱の原理的な課題を有す
る。ふく射加熱する方法の一例として、赤外線ランプの
一種であるハロゲンランプを例にとると、光が直接的に
照射される場所にある被加熱面(キャビティ表面10a
及び12a)は加熱できるが、リブやボスの底部など光
が届かない(または届きにくい)場所は加熱効率が大幅
に低下する。これにより、一般的な3次元形状のキャビ
ティ表面10a及び12aを有する金型10及び12に
対しては、本来、溶融樹脂を充填させたい狭い場所や奥
行きのある場所ほど加熱がうまくできないという課題が
あり、場所によっては、金型10及び12表面状態を十
分に転写することができないという場合もある。また、
キャビティ表面10a及び12aに向けて照射された赤
外線の何割かは吸収されず(反射して)大気中に散乱す
るため、省エネの観点からキャビティ表面10a及び1
2aに赤外線を効率よく吸収する膜を製膜したり、キャ
ビティ表面10a及び12aに何らかの処理(例えば窒
化)をするなどが必須といえる。しかし、何れも金型の
製造コストの増大を招き、結果として、成形加工コスト
が増加するという課題が生じる。
【0012】また、図17に示されるものでは、断熱膜
74の耐久性が低いため、長時間の成形に耐えるのは困
難であるという課題がある。さらには、断熱膜74で形
成されるキャビティ表面10a及び12aの温度は、互
いに対向する金型10及び12と溶融樹脂の温度、断熱
膜74の物性とで変化する熱移動の結果として成り行き
的に決まるため、キャビティ表面10a及び12aの温
度は必ずしも一定に維持されない。このため、ショット
毎の成形品品質を一定に維持するのは困難であるという
課題がある。本発明は、このような課題を解決するため
のものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
従来の課題を解決するためのものであり、キャビティ閉
空間14内の気体を昇圧手段により圧縮して高温とする
ことによりキャビティ表面10a及び12aを所望の温
度にまで加熱して溶融樹脂をキャビティ閉空間14内に
射出充填することで、キャビティ表面10a及び12a
状態を成形品表面に高精度に転写するとともにショット
毎の成形品品質を安定に維持することができる成形用金
型の加熱装置及び加熱方法を提供することを目的とす
る。
【0014】本発明のうちで請求項1記載の発明は、金
型(10、12)を閉じた状態にして形成されるキャビ
ティ閉空間(14)内の気体を圧縮することでキャビテ
ィ表面(10a、12a)を加熱可能な温度に昇温する
昇圧手段(16、40)と、金型(10、12)のパー
ティング面(12b)、キャビティ閉空間(14)に充
填される溶融樹脂の流路であるスプル部(18)、及び
キャビティ表面(12a)に連通し成形品を押し出すエ
ジェクタピン(20)からの気体の漏れをそれぞれ防止
する漏れ防止手段(22、24、26)と、を有するこ
とを特徴とするものである。
【0015】また、本発明のうちで請求項2記載の発明
は、請求項1記載の発明において、前記キャビティ表面
(10a、12a)近傍の温度を検出する温度検出手段
(28)と、所望のキャビティ表面(10a、12a)
の温度を設定する所望温度設定手段(30)と、温度検
出手段(28)により検出された検出温度と、所望温度
設定手段(30)によりあらかじめ設定された所望温度
とを比較して、検出温度と所望温度とが一致したかどう
かを判断する判断手段(32)と、を有し、検出温度が
所望温度に一致した時点で、キャビティ閉空間(14)
内に溶融樹脂を充填するように構成されていることを特
徴とするものである。
【0016】本発明のうちで請求項3記載の発明は、請
求項1又は2記載の発明において、前記キャビティ閉空
間(14)内の気体の圧力を検出する圧力検出手段(3
4)と、所望のキャビティ閉空間(14)内の圧力を設
定する所望圧力設定手段(36)と、圧力検出手段(3
4)により検出された検出圧力と、所望圧力設定手段
(36)により設定された所望圧力とを比較して、検出
圧力が所望圧力以上であるかどうかを判断する判断手段
(32)と、該判断手段(32)において、検出圧力が
所望圧力以上であると判断された場合に、キャビティ閉
空間(14)内の圧力の開放を行う圧力開放手段(3
8)と、を有していることを特徴とするものである。
【0017】また、本発明のうちで請求項4記載の発明
は、請求項1から3のうちいずれか記載の発明におい
て、前記昇圧手段(16、40)を複数有するととも
に、キャビティ閉空間(14)とそれぞれの昇圧手段
(16、40)とを連通させる流路を切換える流路切換
手段(42)を有し、該流路切換手段(42)を切換え
ることにより、複数の昇圧手段(16、40)により連
続してキャビティ閉空間(14)内の気体を圧縮するこ
とが可能なように構成されていることを特徴とするもの
である。
【0018】本発明のうちで請求項5記載の発明は、請
求項1から4のうちいずれか記載の発明において、成形
機シリンダ(44)からの熱で前記昇圧手段(16、4
0)内の気体を予備加熱することが可能なように構成さ
れていることを特徴とするものである。
【0019】本発明のうちで請求項6記載の発明は、金
型(10、12)を閉じた状態にして形成されるキャビ
ティ閉空間(14)内の気体を圧縮することでキャビテ
ィ表面(10a、12a)を加熱可能な温度に昇温する
昇圧手段(16、40)と、金型(10、12)のパー
ティング面(12b)、キャビティ閉空間(14)に充
填される溶融樹脂の流路であるスプル部(18)、及び
キャビティに連通し成形品を押し出すエジェクタピン
(20)からの気体の漏れをそれぞれ防止する漏れ防止
手段(22、24、26)と、を有し、漏れ防止手段
(22、24、26)によりキャビティ閉空間(14)
を気密空間にし、昇圧手段(16、40)によりキャビ
ティ閉空間(14)内の気体を圧縮することで高温にし
て、その高温気体によりキャビティ表面(10a、12
a)を加熱することを特徴とするものである。
【0020】本発明のうちで請求項7記載の発明は、請
求項6記載の発明において、前記キャビティ表面(10
a、12a)近傍の温度を検出する温度検出手段(2
8)と、所望のキャビティ表面(10a、12a)の温
度を設定する所望温度設定手段(30)と、温度検出手
段(28)により検出された検出温度と、所望温度設定
手段(30)によりあらかじめ設定された所望温度とを
比較して、検出温度と所望温度とが一致したかどうかを
判断する判断手段(32)と、を有し、該判断手段(3
2)が検出温度が所望温度に一致したと判断した場合、
キャビティ閉空間(14)内に溶融樹脂を充填すること
を特徴とするものである。
【0021】本発明のうちで請求項8記載の発明は、請
求項6又は7記載の発明において前記キャビティ閉空間
(14)内の気体の圧力を検出する圧力検出手段(3
4)と、所望のキャビティ閉空間(14)内の圧力を設
定する所望圧力設定手段(36)と、圧力検出手段(3
4)により検出された検出圧力と、所望圧力設定手段
(36)により設定された所望圧力とを比較して、検出
圧力が所望圧力以上であるかどうかを判断する判断手段
(32)と、キャビティ閉空間(14)内の圧力を開放
可能な圧力開放手段(38)と、を有しており、判断手
段(32)において、検出圧力が所望圧力以上であると
判断された場合に、検出圧力が所望圧力以下になるよう
に、圧力開放手段(38)によりキャビティ閉空間(1
4)内の圧力の開放を行うことを特徴とするものであ
る。
【0022】本発明のうちで請求項9記載の発明は、請
求項6から8のうちいずれか記載の発明において、前記
昇圧手段(16、40)を複数有するとともに、キャビ
ティ閉空間(14)とそれぞれの昇圧手段(16、4
0)とを連通させる流路を切換える流路切換手段(4
2)を有し、該流路切換手段(42)により複数の昇圧
手段(16、40)とキャビティ閉空間(14)とを連
続して切換え、キャビティ閉空間(14)内の気体を複
数の昇圧手段(16、40)により連続して圧縮するこ
とを特徴とするものである。
【0023】本発明のうちで請求項10記載の発明は、
請求項6から9のうちいずれか記載の発明において、成
形機シリンダ(44)からの熱で前記昇圧手段(16、
40)内の気体を予備加熱することを特徴とするもので
ある。なお、上記かっこ内の符号は、後述する実施の形
態の対応する部材を示す。
【0024】
【作用】図7に示される実験装置で本発明の基本原理を
説明する。金型のキャビティ閉空間を模擬した空間を形
成可能な容器10及び12のうち一方の容器10の図中
下方は、圧力伝播路15を介して昇圧手段の一例となる
ピストン16と連通している。圧力伝播路15の途中に
は容器内(すなわち、キャビティ閉空間に相当)14の
圧力を検出する圧力計34が設置されている。他方の容
器12には、容器内14の気体の温度を検出す熱電対2
8aと、容器12の内壁面近傍の温度を検出する熱電対
28b及び28dがそれぞれ設けられている。
【0025】本実験装置で、容器10及び12を密閉し
た状態で加圧したときの容器内14の空気の圧力と温度
を図8に示す。空気を約0.43MPaまで加圧する
と、容器内の気体の温度は約7℃上昇し、本発明の構成
によって閉空間内の気体の温度を上昇させることが可能
であることが確認できる。
【0026】このときの容器10及び12の内壁面10
a及び12aの温度変化を図9に示す。内壁面から2m
mの位置では約0.08℃の温度上昇となり、容器10
及び12の内壁面10a及び12a表層(これらは、キ
ャビティ表面10a及び12aに相当する。)のみの温
度を選択的に高くすることが可能であることが確認でき
る。
【0027】次に、図10に、図9に比べて気体の圧縮
をゆっくり行った場合の容器内壁面10a及び12aの
温度変化を示す。図9に比べて明らかに内壁面の温度上
昇幅が少ないことから、圧縮速度が加熱量を調節できる
パラメータの一つであることがわかる。
【0028】また、図11に、圧縮速度を一定にして、
圧縮量を変えながら加熱を行う場合の容器内14の空気
の圧力比(圧縮圧力P/初期圧力P0 )と温度比(圧縮
後の温度T/圧縮前の初期温度T0 )の関係を示す。圧
縮圧力を高くすることで、容器内14の空気の温度が高
くなることがわかる。
【0029】同様に、図12に、容器内壁面10a及び
12aについて圧力比と温度比の関係を示すと、圧縮量
を多くすることで内壁面10a及び12aの温度が高く
なることが確認できる。これにより、圧縮量が加熱量を
調節できるパラメータであることがわかる。
【0030】以上の結果から、閉空間の気体を圧縮・高
温にしてキャビティ表面10a及び12aを加熱するこ
とができることは明らかであり、本発明の基本原理は妥
当なものと判断できる。また、圧縮量や圧縮速度を変え
ることで加熱量を調節できることも前記結果から明らか
といえる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の第1の実施の形
態を図により説明する。図1に第1の実施の形態の成形
用金型の加熱装置の概念図を示す。なお、従来技術で説
明した構成と同様の機能を有する部分に関しては同一符
号を付してある。
【0032】固定側金型(金型)10と可動側金型(金
型)12とを閉じた状態にして形成されるキャビティ閉
空間14に連通路15を介してピストン(昇圧手段)1
6が接続されており、ピストン16はキャビティ閉空間
14内の気体を圧縮可能である。可動側金型12のパー
ティング面12bにはOリング(漏れ防止手段)22
が、また、キャビティ表面12aに連通し成形品を押し
出すエジェクタピン20にはOリング(漏れ防止手段)
26がそれぞれ設けられており、Oリング22及び26
は、パーティング面12b及びエジェクタピン20を通
ってキャビティ閉空間14から気体が漏れることをそれ
ぞれ防止可能である。また、キャビティ閉空間14に充
填される溶融樹脂の流路であるスプル部18には、流路
を開閉することが可能な流路開閉装置(漏れ防止手段)
24が設けられており、流路開閉装置24により流路を
開くと、流路開閉装置24及びスプル部18を通ってキ
ャビティ閉空間14に溶融樹脂が充填され、流路開閉装
置24を閉じると、完全な気密空間が形成される。
【0033】次に、第1の実施の形態の動作について説
明すると、固定側金型10及び可動側金型12を閉じて
キャビティ閉空間14を構成するとき、Oリング22に
より金型10及び12のパーティング面10b及び12
bの気密性が保たれるとともに、Oリング26によりエ
ジェクタピン20の周りの気密性が保たれる。この後、
流路開閉装置24を閉じてキャビティ閉空間14を完全
な気密空間に形成し、ピストン16を駆動すると、キャ
ビティ閉空間14及び連通路15内の気体が圧縮されて
高温となり、高温となった気体からキャビティ表面10
a及び12aに熱が伝わることでキャビティ表面10a
及び12a近傍(表層)が加熱され、図示してない熱媒
体などを流すことで一定の温度に保たれている金型10
及び12深部に比べて高温になる。キャビティ表面10
a及び12aを所望の温度まで加熱した時点で流路開閉
装置24を開き、流路開閉装置24及びスプル部18を
介してキャビティ閉空間14内に溶融樹脂を射出充填す
る。キャビティ表面10a及び12aでの溶融樹脂の冷
却・固化に要する時間が加熱していない場合に比べて長
くなるため、キャビティ表面10a及び12aの状態を
成形品表面に精密に転写することができる。また、高温
気体によってキャビティ閉空間14からキャビティ表面
10a及び12aのみを加熱する方法であるため、熱媒
体によって温調されている金型10及び12深部の温度
は加熱されたキャビティ表層よりも低い温度に保たれて
いる。このように、キャビティ表面10a及び12aの
みを加熱するため、加熱終了後のキャビティ表面10a
及び12a温度は迅速に金型10及び12深部の温度ま
で低下する。したがって、成形品の冷却・固化時間は加
熱していない場合に比べれば若干長くはなるが、ほとん
ど延びることなくキャビティ表面10a及び12a状態
を成形品表面に精密に転写することができる。
【0034】図2に第2の実施の形態の成形用金型の加
熱装置の概念図を示す。これは第1の実施の形態と下記
の構成が異なるものであり、その他の構成は第1の実施
の形態と同様であるため、同じ符号を付し、説明を省略
する。固定側金型10にはキャビティ表面10a近傍の
温度を検出する温度検出手段28が設けられており、温
度検出手段28により検出された検出温度は制御装置
(判断手段)32に入力される。制御装置32には、所
望のキャビティ表面10a及び12aの温度をあらかじ
め設定する所望温度設定手段30からの信号も入力さ
れ、制御装置32は、所望温度設定手段30によりあら
かじめ設定された所望温度と検出温度とを比較して、検
出温度と所望温度とが一致したかどうかを判断し、検出
温度が所望温度に一致した時点で、溶融樹脂を射出充填
するための射出開始信号を図示してない成形機に送る。
また、制御装置32は、検出温度と所望温度とを比較し
た値に基づいて気体の圧縮方法(すなわち、圧縮率や圧
縮速度)を変更する信号をピストン16に送る。
【0035】次に、第2の実施の形態の動作について説
明するが、下記の部分以外は第1の実施の形態と同様の
動作を有する。固定側金型10と可動側金型12とを閉
じて形成されたキャビティ閉空間14内の気体を圧縮す
る際に、温度検出手段28によりキャビティ表面10a
温度を検出して、これを制御装置32に入力する。制御
装置32では、検出温度と所望温度とを比較して、この
比較値を基に気体の圧縮方法を変更する信号をピストン
16に送り、ピストン16はこの信号に基づいて駆動速
度を変更する。このように圧縮されて昇温された気体に
よりキャビティ表面10a温度が上昇して検出温度と所
望温度とが一致した時点で、制御装置32は成形機へ射
出開始信号を送り、キャビティ閉空間14内に溶融樹脂
が射出充填される。このように、気体の圧縮方法を自動
調節するとともに、キャビティ表面10a及び12aの
温度を検出して所望温度になった時点で溶融樹脂を射出
充填するため、成形ショット毎の溶融樹脂充填直前のキ
ャビティ表面10a及び12a温度を一定に保つことが
でき、成形ショット毎の成形品品質のばらつきを抑制す
ることができる。
【0036】図3に第3の実施の形態の成形用金型の加
熱装置の概念図を示す。これは第2の実施の形態と下記
の構成が異なるものであり、その他の構成は第2の実施
の形態と同様であるため、同じ符号を付し、説明を省略
する。固定側金型10には、キャビティ閉空間14内の
気体の圧力を検出する圧力検出手段34と、キャビティ
閉空間14に連通してキャビティ閉空間14内の圧力を
開放可能な圧力開放手段38と、が設けられている。圧
力検出手段34により検出された検出圧力は制御装置3
2に入力される。また、制御装置32には、所望圧力設
定手段36により設定されたキャビティ閉空間14内の
所望圧力も入力されており、検出圧力と所望圧力とを比
較して、検出圧力が所望圧力以上であるかどうかを判断
し、検出圧力が所望圧力以上であると判断された場合
に、圧力開放手段38にキャビティ閉空間14内の圧力
の開放を行う信号を送る。
【0037】次に、第3の実施の形態の動作について説
明するが、第2の実施の形態と同様の部分に関しては説
明を省略する。固定側金型10と可動側金型12とを閉
じて形成されたキャビティ閉空間14内の気体を圧縮す
る際に、キャビティ閉空間14内の圧力を圧力検出手段
34により逐次検出し、制御装置32が検出圧力と所望
圧力とを比較し、この比較結果に応じて圧力開放手段3
8に圧力開放量を送る。これにより圧力開放手段38で
はキャビティ閉空間14内の圧力を指示された量だけ開
放する。キャビティ閉空間14を昇圧したまま密閉して
溶融樹脂を充填すると、充填に伴ってキャビティ閉空間
14内の気体が角に追いやられることで更に圧縮されて
高温となり、これに接する樹脂が焼けたり変色したりす
るなどの外観不良を引き起こす場合があるが、第3の実
施の形態では、キャビティ閉空間14内の圧力が所望圧
力を越えないように逐次圧力を開放することができるの
で、樹脂が焼けたり変色したりするなどの外観不良を回
避することができる。
【0038】図4に第4の実施の形態の成形用金型の加
熱装置の概念図を示す。これは第3の実施の形態と下記
の構成が異なるものであり、その他の構成は第3の実施
の形態と同様であるため、同じ符号を付し、説明を省略
する。ピストン16に加えてピストン(昇圧手段)40
も設け、それぞれのピストン16及び40を流路切換弁
(流路切換手段)42を介して連通路15に連通させ
る。制御装置32からは、気体の圧縮方法を変更する信
号がピストン16及び40にそれぞれ送られるととも
に、流路切換弁42に流路を切換える信号が送られる。
【0039】次に、第4の実施の形態の動作について説
明するが、第3の実施の形態と同様の部分に関しては説
明を省略する。固定側金型10と可動側金型12とを閉
じて形成されたキャビティ閉空間14内の気体を圧縮す
る際に、検出温度が所望温度に到達するまで、流路切換
弁42が制御装置32からの信号に基づき、連通路15
と連通するピストン16又は40を切換える。また、連
通路15と連通したピストン16又は40は、制御装置
32からの信号に基づき駆動速度を変えながら駆動し、
連続的に気体を加圧する。所望温度に到達した時点で、
溶融樹脂をキャビティ閉空間14内に射出充填する。こ
のように、連続してキャビティ閉空間14内の気体を圧
縮することができるため、鋼などの金属材料で構成され
る金型10及び12に比べて熱容量が小さいキャビティ
閉空間14内の気体でも充分に加熱することができる。
【0040】図5に第5の実施の形態の成形用金型の加
熱装置の概念図を示す。これは第3の実施の形態と下記
の構成が異なるものであり、その他の構成は第3の実施
の形態と同様であるため、同じ符号を付し、説明を省略
する。ピストン16を成形機のシリンダ44の近傍に設
置し、シリンダ44の廃熱を利用してピストン16内の
気体を予備加熱する。
【0041】次に、第5の実施の形態の動作について説
明するが、第3の実施の形態と同様の部分に関しては説
明を省略する。固定側金型10と可動側金型12とを閉
じて形成されたキャビティ閉空間14内の気体を圧縮す
る際に、ピストン16内の気体をシリンダ44の廃熱を
利用して予備加熱し、キャビティ閉空間14内に加熱さ
れた気体を挿入して圧縮する。これにより、予備加熱し
ていない気体を用いてキャビティ閉空間14内の温度を
上昇させるよりも、同じ条件下でより高い温度に到達さ
せることができる。
【0042】図6に第6の実施の形態の成形用金型の加
熱装置の概念図を示す。これは第2の実施の形態と下記
の構成が異なるものであり、その他の構成は第2の実施
の形態と同様であるため、同じ符号を付し、説明を省略
する。キャビティ閉空間14内に密閉する気体は、圧縮
して温度が上昇する気体であればいかなる気体でもよい
ため、ピストン16に気体を封入したボンベ17を接続
する。
【0043】次に、第6の実施の形態の動作について説
明するが、第2の実施の形態と同様の部分に関しては説
明を省略する。固定側金型10と可動側金型12とを閉
じて形成されたキャビティ閉空間14内の気体を圧縮す
る際に、ピストン16内の気体をボンベ17で置換した
後に圧縮する。
【0044】なお、第1〜第6の実施の形態で昇圧手段
の例として示したピストンの前後方向の駆動方法は、油
圧駆動の成形機であれば油圧シリンダ、電動式の成形機
であれば電動モータとボールネジとの組み合わせなど、
それぞれ既存の駆動源を活用すれば比較的小規模な改造
で駆動する機構を実現でき、別途の駆動源を用意すると
いった手間も回避できる。また、ピストン16及び40
を、コンロッドや公知のリンク機構を介して前後動させ
てもよい。さらには、流路開閉装置24として回転式の
弁を使用したが、流路を開閉できれば他の形態をとって
いてもよく、また、成形機シリンダのノズルをシャット
オフノズルとして密閉構造を形成してもよい。
【0045】また、第3〜第5の実施の形態において、
圧力検出手段34により検出された検出圧力と所望圧力
とを比較して制御装置32から出力された信号に基づき
圧力開放量を調節する圧力開放手段38を用いたが、こ
れに限らず、圧力開放手段38として、一定の圧力に達
した時点で圧力開放するようなリリーフ弁を用いてもよ
い。この場合、構成が簡素化されると同時に制御装置が
不要となり、コスト低減につながる。
【0046】また、前記第5の実施の形態において、シ
リンダ44近傍にヒートパイプなどを付設し、ピストン
16まで熱移動させて気体を加熱するという構成にする
こともできる。
【0047】また、前記第1〜第6の実施の形態におい
て、連通路15をリボンヒータなどの加熱手段によって
加熱して、キャビティ閉空間14内の圧縮された高温気
体が冷却されないようにすることが望ましい。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1記載の発明は、高温気体によってキャビティ閉空間
(14)からキャビティ表面(10a及び12a)のみ
を加熱する方法であるため、加熱終了後のキャビティ表
面(10a及び12a)温度は迅速に金型深部の温度ま
で低下する。したがって、成形品の冷却・固化時間は加
熱していない場合に比べても、ほとんど延ばすことなく
キャビティ表面(10a及び12a)状態を成形品表面
に高度且つ精密に転写することができる。
【0049】また、キャビティ閉空間(14)内の気体
を圧縮・高温にするため、キャビティ表面(10a及び
12a)がリブやボス、又は微細形状部を多く有してい
るような複雑3次元形状であっても、キャビティ表面
(10a及び12a)を均一に加熱できるという従来法
では達成できなかった利点を有する。
【0050】また、キャビティ表面(10a及び12
a)に導電性膜、断熱性膜又は赤外線吸収膜などの特殊
な製膜やコーティングを行う必要がないため、膜の耐久
性の観点から長時間連続成形が困難になるといった問題
も生じない。
【0051】さらには、昇圧手段(16、40)とし
て、ピストンーシリンダやコンプレッサーなどごく一般
的に知られている装置を使用してよいため、従来のよう
な高周波誘導加熱や導電性薄膜のように大容量電源装置
を必要としない。これにより、設置場所に制約を受けた
り、消費電力などのランニングコストが高額になったり
するという課題を回避することができる。
【0052】また、本発明のうちで請求項2記載の発明
は、キャビティ表面(10a及び12a)の温度を検出
して所望温度になった時点で溶融樹脂を射出充填するた
め、キャビティ表面(10a及び12a)状態を成形品
に高精度に転写することができるとともに、成形ショッ
ト毎の溶融樹脂充填直前のキャビティ表面(10a及び
12a)温度を一定に保つことができるため、成形ショ
ット毎の成形品品質のばらつきを抑制し、成形品品質を
安定に維持することができる。
【0053】また、本発明のうちで請求項3記載の発明
は、圧力開放手段(38)により、キャビティ閉空間
(14)内の圧力が所望圧力を越えないように逐次圧力
を開放することができる。このため、キャビティ閉空間
(14)を昇圧したまま密閉して溶融樹脂を充填するこ
とにより発生する不具合、すなわち、充填に伴ってキャ
ビティ閉空間(14)内の気体が隅に追いやられること
で更に圧縮されて高温となり、これに接する樹脂が焼け
たり変色したりするなどの外観不良を回避することがで
きる。
【0054】また、本発明のうちで請求項4記載の発明
は、流路切換手段(42)により複数の昇圧手段(1
6、40)を昇圧中に切換えることができるので、連続
してキャビティ閉空間(14)内の気体を圧縮すること
ができ、鋼などの金属材料で構成される金型(10、1
2)に比べて熱容量が小さいキャビティ閉空間(14)
内の気体でも充分に加熱することができる。
【0055】また、本発明のうちで請求項5記載の発明
は、昇圧手段(16、40)内の気体を成形機シリンダ
(44)からの熱により予備加熱することができるの
で、昇圧後のキャビティ閉空間(14)内の気体の温度
をより高温にすることができ、キャビティ表面(10a
及び12a)の加熱をより迅速に行うことができる。こ
れにより、成形品品質の高精度化とともに、キャビティ
表面(10a及び12a)加熱のために印加したエネル
ギーが大気中に散逸するといったエネルギーのロスが少
なく、廃熱の有効利用・省エネルギー化といった観点で
も好適な効果がある。
【0056】また、本発明のうちで請求項6記載の発明
は、圧縮されて高温になった気体によりキャビティ閉空
間(14)からキャビティ表面(10a及び12a)の
みを加熱することができる
【0057】また、本発明のうちで請求項7記載の発明
は、キャビティ表面(10a及び12a)の温度を検出
し、検出温度が所望温度になった時点で溶融樹脂を射出
充填することができるため、最適な温度で射出充填を行
うことができる。
【0058】また、本発明のうちで請求項8記載の発明
は、キャビティ閉空間(14)内の圧力を検出して、検
出圧力が所望圧力を越えないように圧力開放手段(3
8)により、逐次圧力を開放することができるので、キ
ャビティ閉空間(14)を常時所望圧力に保つことがで
きる。
【0059】また、本発明のうちで請求項9記載の発明
は、流路切換手段(42)により複数の昇圧手段(1
6、40)を昇圧中に切換えることができるので、連続
してキャビティ閉空間(14)内の気体を圧縮すること
ができる。
【0060】また、本発明のうちで請求項10記載の発
明は、成形機シリンダ(44)からの熱により予備加熱
された気体を用いてキャビティ閉空間(14)内の気体
を昇圧することができるので、キャビティ閉空間(1
4)内の気体の温度を、迅速に高温にすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の成形用金型の加熱装置の概
略図である。
【図2】第2の実施の形態の成形用金型の加熱装置の概
略図である。
【図3】第3の実施の形態の成形用金型の加熱装置の概
略図である。
【図4】第4の実施の形態の成形用金型の加熱装置の概
略図である。
【図5】第5の実施の形態の成形用金型の加熱装置の概
略図である。
【図6】第6の実施の形態の成形用金型の加熱装置の概
略図である。
【図7】本発明による加熱原理の妥当性を検討した装置
構成図である。
【図8】容器を密閉した状態で加圧したときの容器内空
気の圧力と温度との関係を示す図である。
【図9】容器内壁面の温度変化を示す図である。
【図10】図9に示されるものに比べて気体の圧縮をゆ
っくり行った場合の容器内壁面の温度変化を示す図であ
る。
【図11】圧縮速度を一定にして圧縮量を変えながら加
熱を行った場合の、容器内空気の圧力比と温度比との関
係を示す図である。
【図12】容器内壁面について圧力比と温度比との関係
をまとめた図である。
【図13】従来の熱媒体により金型全体を加熱・温調す
る装置の概略図である。
【図14】従来の成形直前に高周波誘導加熱で金型表面
を選択的に加熱する装置の概略図である。
【図15】従来の金型表面に導電性被膜を形成し通電す
ることで加熱する装置の概略図である。
【図16】従来の金型表面をふく射加熱する装置の概略
図である。
【図17】従来の金型表面に断熱膜を被覆して溶融樹脂
自身の熱で金型表面を加熱する装置の概略図である。
【符号の説明】
10 固定側金型(金型) 10a キャビティ表面 12 可動側金型(金型) 12a キャビティ表面 12b パーティング面 14 キャビティ閉空間 16 ピストン(昇圧手段) 18 スプル部 20 エジェクタピン 22、26 Oリング 24 流路開閉装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 AK00 AP02 AP05 AR02 AR06 CA11 CB01 CM02 CN01 CN11 CN24 CN30 4F206 AK00 AP02 AP05 AR02 AR06 JA07 JL02 JM02 JN25 JN43 JP11 JQ81 JQ90

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型(10、12)を閉じた状態にして
    形成されるキャビティ閉空間(14)内の気体を圧縮す
    ることでキャビティ表面(10a、12a)を加熱可能
    な温度に昇温する昇圧手段(16、40)と、金型(1
    0、12)のパーティング面(12b)、キャビティ閉
    空間(14)に充填される溶融樹脂の流路であるスプル
    部(18)、及びキャビティ表面(12a)に連通し成
    形品を押し出すエジェクタピン(20)からの気体の漏
    れをそれぞれ防止する漏れ防止手段(22、24、2
    6)と、を有する成形用金型の加熱装置。
  2. 【請求項2】 前記キャビティ表面(10a、12a)
    近傍の温度を検出する温度検出手段(28)と、所望の
    キャビティ表面(10a、12a)の温度を設定する所
    望温度設定手段(30)と、温度検出手段(28)によ
    り検出された検出温度と、所望温度設定手段(30)に
    よりあらかじめ設定された所望温度とを比較して、検出
    温度と所望温度とが一致したかどうかを判断する判断手
    段(32)と、を有し、検出温度が所望温度に一致した
    時点で、キャビティ閉空間(14)内に溶融樹脂を充填
    するように構成されていることを特徴とする請求項1記
    載の成形用金型の加熱装置。
  3. 【請求項3】 前記キャビティ閉空間(14)内の気体
    の圧力を検出する圧力検出手段(34)と、所望のキャ
    ビティ閉空間(14)内の圧力を設定する所望圧力設定
    手段(36)と、圧力検出手段(34)により検出され
    た検出圧力と、所望圧力設定手段(36)により設定さ
    れた所望圧力とを比較して、検出圧力が所望圧力以上で
    あるかどうかを判断する判断手段(32)と、該判断手
    段(32)において、検出圧力が所望圧力以上であると
    判断された場合に、キャビティ閉空間(14)内の圧力
    の開放を行う圧力開放手段(38)と、を有しているこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の成形用金型の加熱
    装置。
  4. 【請求項4】 前記昇圧手段(16、40)を複数有す
    るとともに、キャビティ閉空間(14)とそれぞれの昇
    圧手段(16、40)とを連通させる流路を切換える流
    路切換手段(42)を有し、該流路切換手段(42)を
    切換えることにより、複数の昇圧手段(16、40)に
    より連続してキャビティ閉空間(14)内の気体を圧縮
    することが可能なように構成されていることを特徴とす
    る請求項1から3のうちいずれか記載の成形用金型の加
    熱装置。
  5. 【請求項5】 成形機シリンダ(44)からの熱で前記
    昇圧手段(16、40)内の気体を予備加熱することが
    可能なように構成されていることを特徴とする請求項1
    から4のうちいずれか記載の成形用金型の加熱装置。
  6. 【請求項6】 金型(10、12)を閉じた状態にして
    形成されるキャビティ閉空間(14)内の気体を圧縮す
    ることでキャビティ表面(10a、12a)を加熱可能
    な温度に昇温する昇圧手段(16、40)と、金型(1
    0、12)のパーティング面(12b)、キャビティ閉
    空間(14)に充填される溶融樹脂の流路であるスプル
    部(18)、及びキャビティに連通し成形品を押し出す
    エジェクタピン(20)からの気体の漏れをそれぞれ防
    止する漏れ防止手段(22、24、26)と、を有し、
    漏れ防止手段(22、24、26)によりキャビティ閉
    空間(14)を気密空間にし、昇圧手段(16、40)
    によりキャビティ閉空間(14)内の気体を圧縮するこ
    とで高温にして、その高温気体によりキャビティ表面
    (10a、12a)を加熱する成形用金型の加熱方法。
  7. 【請求項7】 前記キャビティ表面(10a、12a)
    近傍の温度を検出する温度検出手段(28)と、所望の
    キャビティ表面(10a、12a)の温度を設定する所
    望温度設定手段(30)と、温度検出手段(28)によ
    り検出された検出温度と、所望温度設定手段(30)に
    よりあらかじめ設定された所望温度とを比較して、検出
    温度と所望温度とが一致したかどうかを判断する判断手
    段(32)と、を有し、該判断手段(32)が検出温度
    が所望温度に一致したと判断した場合、キャビティ閉空
    間(14)内に溶融樹脂を充填することを特徴とする請
    求項6記載の成形用金型の加熱方法。
  8. 【請求項8】 前記キャビティ閉空間(14)内の気体
    の圧力を検出する圧力検出手段(34)と、所望のキャ
    ビティ閉空間(14)内の圧力を設定する所望圧力設定
    手段(36)と、圧力検出手段(34)により検出され
    た検出圧力と、所望圧力設定手段(36)により設定さ
    れた所望圧力とを比較して、検出圧力が所望圧力以上で
    あるかどうかを判断する判断手段(32)と、キャビテ
    ィ閉空間(14)内の圧力を開放可能な圧力開放手段
    (38)と、を有しており、判断手段(32)におい
    て、検出圧力が所望圧力以上であると判断された場合
    に、検出圧力が所望圧力以下になるように、圧力開放手
    段(38)によりキャビティ閉空間(14)内の圧力の
    開放を行うことを特徴とする請求項6又は7記載の成形
    用金型の加熱方法。
  9. 【請求項9】 前記昇圧手段(16、40)を複数有す
    るとともに、キャビティ閉空間(14)とそれぞれの昇
    圧手段(16、40)とを連通させる流路を切換える流
    路切換手段(42)を有し、該流路切換手段(42)に
    より複数の昇圧手段(16、40)とキャビティ閉空間
    (14)とを連続して切換え、キャビティ閉空間(1
    4)内の気体を複数の昇圧手段(16、40)により連
    続して圧縮することを特徴とする請求項6から8のうち
    いずれか記載の成形用金型の加熱方法。
  10. 【請求項10】 成形機シリンダ(44)からの熱で前
    記昇圧手段(16、40)内の気体を予備加熱すること
    を特徴とする請求項6から9のうちいずれか記載の成形
    用金型の加熱方法。
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