JP2009202348A - 金型装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】金型表面の凹凸形状を均一に加熱昇温して成形温度を高くすることにより、金型の成形面が樹脂に高精度に転写することを可能にする。
【解決手段】加熱板1に熱源4を設け、第1金型2の表面形状の凹凸に対応させて加熱板1に凹凸形状を付与し、第1金型2が加熱板1からの輻射熱により均一に加熱されるようにする。これにより、第1金型2は均一な温度の表面を得ることができて、成形品の表面に、ムラや樹脂会合の線がない高品位の外観を有する成形品を得ることが可能になる。
【選択図】図1

Description

本発明は、金型加熱用ヒータを備え、樹脂成形において金型の成形面を樹脂に転写する金型装置に関するものである。
近年の樹脂成形品に対しては、高品位にかつ低コストということが強く要求されている。そのため成形の際、金型を加熱して高温の状態で成形しかつすばやく冷却を行い、成形サイクルを速くしたいという根強い要望がある。
樹脂を金型へ射出するとき、金型温度が樹脂のガラス転移点以上の高い温度で成形できると、樹脂が固化しないため、成形品の表面には低温で樹脂を流すときに生じる樹脂流れ跡や樹脂会合時の線が生じないため視覚的に均一な表面が得られる。その結果として、従来のような成形後の塗装が要らなくなり、低コスト化も実現できる。
しかし、高い温度を使用するためには、金型は熱容量が大きいので加熱するのにも、また冷却するのにも時間がかかり、成形サイクルが長くなる。さらに、現実には金型の加熱には蒸気を金型内に流動させ、冷却時に冷水を用いる加熱冷却方法を用いるため、莫大な設備投資を伴い、逆に高コストになるというジレンマがある。
今、前記問題を解決するために、加熱用ランプで金型表面を照らしたり、誘導加熱で金型を表面から加熱したりする方法が提案されている。
加熱用ランプで金型表面を加熱する方法では、熱源に加熱用ランプを用い金型表面に照射することにより高温に加熱させていた。また、誘導加熱で金型表面を加熱する方法では、熱源に電磁誘導を用いて金型表面を誘導加熱で昇温させていた。
図31において、16は高周波発信装置におけるインダクターであり、これを被加熱材である金型2に近接させることによって表面を加熱していた。
特公昭58−40504号公報(第1図)
上述したような金型を表面から加熱しようとする従来の技術では、加熱ランプ方式では加熱が点から広がるので光源から金型表面までの距離を常に一定に保つことができない。また、誘導加熱方式では渦電流を金型表面に均一に発生させることができない。
いずれの方式も金型表面の加熱の際、金型表面の凹凸形状に沿った加熱方法ではないので、成形品の表面状態は金型表面の温度差の影響を受けることになり、樹脂流動速度に差が生じる。このためムラになることがあり、樹脂会合時の線が消えないということが課題となっていた。
本発明は、前記従来技術の課題を解決するものであり、金型表面の凹凸形状を均一に加熱昇温し成形温度を高くすることにより、金型の成形面を樹脂に高精度に転写するために有効な金型装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の発明によれば、第1金型と第2金型とを型締めして形成した成形空間に樹脂を注入して樹脂成形品を作成する金型装置において、前記第1金型と前記第2金型とを型開きした状態で、空間を介して前記第1金型の成形面と対向する位置に、輻射熱により前記第1金型の成形面を加熱する金型加熱用ヒータを配置したことを特徴とし、この構成によって、輻射熱により金型表面を均一に加熱昇温することができ、成形温度を高くすることができる。
本発明の請求項2に記載の発明によれば、前記第1金型がゲートを有し、前記第1金型の成形面と、前記金型加熱用ヒータにおける前記第1金型の成形面と対向する表面との距離が、前記ゲートから遠ざかるに従って小さくなるように設定したことを特徴とし、この構成によって、第1金型の成形面をより均一に加熱昇温することができる。
本発明の請求項3に記載の発明によれば、前記第1金型と前記第2金型とを型開きした状態で、前記第1金型のパーティング面と前記金型加熱用ヒータの表面とを接触させることを特徴とし、この構成によって、第1金型のパーティング面からの放熱と第1金型と第2金型間の伝熱による第1金型の成形面外縁部の温度降下を補う加熱昇温を行うことが可能になり、樹脂注入時の第1金型の成形面の温度の均一化を図ることができる。
本発明の請求項4に記載の発明によれば、前記金型加熱用ヒータにグラファイトを使用したことを特徴とし、グラファイトの輻射率は高いので金型加熱用ヒータとして有効である。
本発明の請求項5に記載の発明によれば、前記金型加熱用ヒータの表面に黒色加工した銅を設けたことを特徴とし、表面を黒色加工した銅の輻射率は高いので金型加熱用ヒータとして有効である。
本発明の請求項6に記載の発明によれば、前記金型加熱用ヒータの表面に黒色加工したアルミを設けたことを特徴とし、表面を黒色加工したアルミニウムの輻射率は高いので金型加熱用ヒータとして有効である。
本発明の請求項7に記載の発明によれば、前記金型加熱用ヒータの熱源として抵抗加熱を使用したことを特徴とする。
本発明の請求項8に記載の発明によれば、前記金型加熱用ヒータの熱源として誘導加熱を使用したことを特徴とする。
以上のように、本発明の金型加熱用ヒータを用いた金型装置によれば、均一な温度の金型表面を得ることができ、成形品の表面にはムラや樹脂会合の線がない、高品位の外観を有する樹脂成形品を得ることができる。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の金型装置における金型加熱用ヒータの構成図である。
図1に示すように、金型加熱用ヒータである加熱板1は、第1金型2と第2金型3とを型開きした状態で、ギャップ(空間)Gを介して第1金型2の成形面2aと対向した位置を輻射熱で加熱する。加熱板1は、第1金型2の凹凸形状に対応した表面形状の凹凸を有しており、加熱板1と第1金型2間のギャップGが均一なるように構成されている。かかる構成によれば、加熱板1からの輻射熱によって第1金型2を均一に加熱昇温することができる。
金型加熱用ヒータである加熱板1には、熱源4が装着されていて所定の熱量が供給される。加熱板1は熱源4からの熱の享受により加熱昇温される。第1金型2と加熱板1との間にはギャップGが均一に確保されているため、熱源4からの輻射熱が均等に第1金型2へ伝えられることになり、第1金型2を均一に加熱昇温することができる。
ここで、加熱板1の材質としては、グラファイト,銅,アルミニウムといった高熱伝導材が主なものとなる。また、加熱板1の表面の凹凸部分に黒色加工を施すことによって、第1金型2への輻射効率を上げるようにすることも可能である。
図2は第1金型の輻射状態の熱解析を説明するための図1におけるA部を拡大して示す説明図であって、図2(a)は加熱板1に第1金型2の凹凸に対応して凹凸を形成した場合の輻射状態の熱解析図であり、図2(b)は加熱板1に第1金型2の凹凸に対応する凹凸におけるコーナー部分を逃がした形状(凹部)1aを付与した場合の輻射状態の熱解析図である。
図2(a)に示すように、凹凸のコーナー部分も加熱板1と第1金型2におけるギャップGを均等にすると、輻射熱はコーナー部に集中するため温度が他の部分より上がる。よって、図2(b)に示すように、コーナー部分に逃がし形状である凹部1aを形成すること第1金型2を均一に加熱昇温させることができる。
加熱板1の突起部分5は、第1金型2への均一輻射のために、分割して熱伝導率の異なる材質で構成してもよい。加熱板1の熱源4としては抵抗加熱体,誘導加熱体の適用が可能である。また、第1金型2の材質としては、鉄,銅,アルミニウム等の金属が主な物となるが、ガラス,セラミック,カーボン等も適用可能である。
本例では、加熱板1において凹凸形状が形成されている輻射面以外の側面および反対面部分を断熱板6で被覆することにより、加熱板1の蓄熱が助長される。
第1金型2の表面は輻射効率を上げるために、図3に示すように、黒体化膜13を付加してもよい。これにより輻射率が高まり昇温時間が短縮される。また、図4に示すように、第1金型2への熱伝導を防ぐために、断熱膜17を付与することもできる。これにより第1金型2全体への熱の逃げが解消され、第1金型2の表面の昇温時間が短縮される。
黒体化膜13と断熱膜17とは、黒体化膜13を上膜にした2層構造にしてもよい。これにより輻射効率と断熱効果が高まり、昇温時間が短縮される。
また、図5に示すように、熱容量を小さくするために、第1金型2の凹凸部を入子11を装着することにより分割してもよい。この場合、入子11の材質はセラミック等の断熱材料を用いることも可能である。
なお、図1に示す構成では、熱源4として抵抗加熱体を用いた例を示したが、図6に示すような誘導加熱体(誘導加熱用コイル)14を用いることもできる。加熱板1を昇温する熱源に誘導加熱を用いることにより加熱板1の昇温時間が短縮される。
(実施の形態2)
図7は本発明の実施の形態2の金型装置における金型加熱用ヒータの構成図である。
なお、以下の説明において、既に説明した実施の形態と同じ構成要素については同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
図7に示すように、実施の形態2の構成では、加熱板1の表裏に凹凸の表面形状をもち、第1金型2および第2金型3と加熱板1の間のギャップG1,G2を均一とすることにより、加熱板1からの輻射熱を均等に第1金型2と第2金型3へ伝熱するようにしている。これにより第1金型2と第2金型3を同時に均一に加熱昇温することができる。なお、第1金型2と第2金型3は、金型装置における固定側と可動側である。
ここで、加熱板1の材質としては、グラファイト,銅,アルミニウム等の高熱伝導材が主なものとなる。また、加熱板1の表面の凹凸部分に黒色加工を施すことによって、第1金型2への輻射効率を上げることも可能である。
被加熱材、すなわち、第1金型2と第2金型3の表面の凹凸を均一に加熱するために、加熱板1における凹凸について、図2にて説明した逃がし形状である凹部1aを設け、熱輻射させることにより第1金型2および第2金型3を均一に加熱昇温させることができる。
加熱板1の突起部分5は、第1金型2と第2金型3への均一輻射のために分割し、熱伝導率の異なる材質で構成してもよい。熱源4としては抵抗加熱体,誘導加熱体の適用が可能である。また、第1金型2と第2金型3の材質としては、鉄,銅,アルミニウム等の金属が主な物となるが、ガラス,セラミック,カーボン等も適用可能である。
加熱板1の輻射面以外の部分は、実施の形態1と同様に断熱板6で被覆されており、加熱板1の蓄熱が助長される。
第1金型2と第2金型3の表面は輻射効率を上げるために、図8に示すように、黒体化膜13を付加してもよい。これにより輻射率が高まり昇温時間が短縮される。また、図9に示すように、第1金型2と第2金型3への熱伝導を防ぐために、断熱膜17を設けてもよい。これにより第1金型2や第2金型3全体への熱の逃げが解消され、第1金型2と第2金型3の表面の昇温時間が短縮される。
黒体化膜13と断熱膜17とは、黒体化膜13を上膜にした2層構造にしてもよい。これにより輻射効率と断熱効果が高まり、昇温時間が短縮される。
また、図10に示すように、熱容量を小さくするために凹凸部を入子11で分割してもよい。この場合、入子11の材質はセラミック等の断熱材料を用いることも可能である。
なお、図7に示す構成では、熱源4として抵抗加熱体を用い例を示したが、図11に示すように、誘導加熱体14を用いることもできる。加熱板1を昇温する熱源に誘導加熱を使用することにより加熱板1の昇温時間が短縮される。
(実施の形態3)
図12は本発明の実施の形態3の金型装置における金型加熱用ヒータの構成図である。
図12に示すように、実施の形態3の構成では、加熱板1には熱源4が装着されており加熱板1に熱量を供給する。加熱板1は熱源4からの熱の享受により加熱昇温される。加熱板1と熱源4とで一つの加熱ユニットを構成している。第1金型2の表面の凹凸形状に対応する凹凸形状は別の固定側用加熱板8に付与されている。
加熱板1と固定側用加熱板8の間に高配向性グラファイトシート7が挟着されており、この高配向性グラファイトシートは面方向の熱伝導率が極めて大きく、加熱板1の熱が熱源4によって多少不均一でも、熱を面方向に均一化することができるようになっている。このため加熱板1の熱を固定側用加熱板8へ極めて均一に伝えることができる。この高配向性グラファイトシート7に代えて、ヒートパイプやヒートプレートも使用可能である。
第1金型2と固定側用加熱板8との間にはギャップGが均一に確保されており、固定側用加熱板8からの輻射熱が均等に第1金型2へ伝えられ、第1金型2を均一に加熱昇温することができる。ここで加熱板1と固定側用加熱板8の材質としては、グラファイト,銅,アルミニウム等の高熱伝導材が主なものとなる。また、加熱板表面の凹凸部分に黒色加工を施すことによって、第1金型2への輻射効率を上げるようにすることも可能である。
第1金型2の表面の凹凸を均一に加熱するために、固定側用加熱板8の凹凸について、図2(b)に示すような形状を付与して輻射させることにより、第1金型2を均一に加熱昇温させることができる。
固定側用加熱板8の突起部分5は、第1金型2への均一輻射のために分割し、熱伝導率の異なる材質で構成してもよい。熱源4としては抵抗加熱体、誘導加熱体の適用が可能である。また、第1金型2の材質としては鉄,銅,アルミニウム等の金属が主な物となるが、ガラス,セラミック,カーボン等も適用可能である。
加熱板1,8の輻射面以外の部分は、断熱板6で被覆されており、加熱板1の蓄熱が助長される。
第1金型2の表面には、輻射効率を上げるために、図13に示すように、黒体化膜13を付加してもよい。これにより輻射率が高まり昇温時間が短縮される。また、図14に示すように、第1金型2への熱伝導を防ぐために、断熱膜17を設けてもよい。これにより第1金型2全体への熱の逃げが解消され、第1金型2の表面の昇温時間が短縮される。
黒体化膜13と断熱膜17とは、黒体化膜13を上膜にした2層構造にしてもよい。これにより輻射効率と断熱効果が高まり、昇温時間が短縮される。
図15に示すように、熱容量を小さくするために入子11で分割してもよい。この場合、入子11の材質はセラミック等の断熱材料を用いることも可能である。
熱源4は、図12に示す構成では抵抗加熱体を用いた例を示したが、図16に示すように、誘導加熱体14を用いることができる。加熱板1を昇温する熱源に誘導加熱を使用する事で加熱板1の昇温時間が短縮される。
(実施の形態4)
図17は本発明の実施の形態4の金型装置における金型加熱用ヒータの構成図である。
図17に示すように、実施の形態4の構成では、加熱板1に熱源4が装着されており加熱板1に熱量を供給する。加熱板1は熱源4からの熱の享受により加熱昇温される。加熱板1と熱源4で一つの加熱ユニットを構成している。さらに、固定側用加熱板8ならびに可動側用加熱板10には、第1金型2および第2金型3の表面凹凸形状に対応して凹凸形状が付与されている。
加熱板1と固定側用加熱板8の間および加熱板1と可動側用加熱板10の間には、それぞれ高配向性グラファイトシート7,9が挟着されており、この高配向性グラファイトシート7,9は面方向の熱伝導率が極めて大きく、加熱板1の熱が熱源4によって多少不均一でも、熱を面方向に均一化することができる。このため加熱板1の熱を固定側用加熱板8および可動側用加熱板10へ極めて均一に伝えることができる。高配向性グラファイトシート7,9に代えて、ヒートパイプやヒートプレートも使用可能である。
第1金型2と固定側用加熱板8および可動側用加熱板10と第2金型3との間にはギャップG1,G2が均一に確保されており、固定側用加熱板8および可動側用加熱板10からの輻射熱が均等に第1金型2および第2金型3へ伝えられることになり、第1金型2および第2金型3を均一に加熱昇温することができる。
加熱板1,固定側用加熱板8および可動側用加熱板10の材質としては、グラファイト,銅,アルミニウムといった高熱伝導材が主なものとなる。また、加熱板表面の凹凸部分に黒色加工を施すことによって、第1金型2および第2金型3への輻射効率を上げることも可能である。
被加熱材である第1金型2および第2金型3の表面の凹凸を均一に加熱するために、固定側用加熱板8および可動側用加熱板10の凹凸について、図2(b)に示すような形状を付与して輻射させることにより、第1金型2および第2金型3を均一に加熱昇温させることができる。
固定側用加熱板8および可動側用加熱板10の突起部分5a,5bは第1金型2および第2金型3への均一輻射のために、分割し熱伝導率の異なる材質で構成してもよい。熱源4としては抵抗加熱体,誘導加熱体の適用が可能である。また第、1金型2および第2金型3の材質としては鉄,銅,アルミニウム等の金属が主な物となるが、ガラス,セラミック,カーボン等も適用可能である。
加熱板1と固定側用加熱板8および可動側用加熱板10の輻射面以外の部分は、断熱板6で被覆されており、加熱板1の蓄熱が助長される。
第1金型2と第2金型3の表面は輻射効率を上げるために、図18に示すように、黒体化膜13を付加してもよい。これにより輻射率が高まり昇温時間が短縮される。また、図19に示すように、第1金型2や第2金型3への熱伝導を防ぐために、断熱膜17を付与することもできる。これにより第1金型2や第2金型3全体への熱の逃げが解消され、第1金型2や第2金型3の表面の昇温時間が短縮される。
黒体化膜13と断熱膜17とは、黒体化膜13を上膜にした2層構造にしてもよい。これにより輻射効率と断熱効果が高まり、昇温時間が短縮される。図20に示すように、熱容量を小さくするために入子11で分割してもよい。この場合、入子11の材質はセラミック等の断熱材料を用いることも可能である。
熱源4は、図17に示す構成では抵抗加熱体を用いた例を示したが、図21に示すように、誘導加熱体14を用いることができる。加熱板1を昇温する熱源に誘導加熱を使用する事で加熱板1の昇温時間が短縮される。
(実施の形態5)
図22は本発明の実施の形態5の金型装置における成形プロファイルを示す図である。
実施の形態5における成形条件として、図23に示すように、第1金型2ないしは第1金型の一部である入子11の温度を室温から成形品取出温度まで温調回路18による予備昇温を行う。予備昇温が完了した時点で型開し、金型加熱用ヒータで被加熱表面を輻射加熱する。その間、予備昇温していた温調機は停止(OFF)の状態にしておき、輻射熱が金型表面から温調によって奪われないようにしておく。あるいは、第1金型2の温調は動作状態(ON)にしておき、入子11の温調のみ停止(OFF)して、固定側被加熱材である第1金型2と入子11間は断熱を施しておくことも可能である。
輻射加熱により被加熱表面が最大加熱温度に達した時点で、金型加熱用ヒータによる輻射加熱が完了し型閉動作に移る。この間、被加熱表面は放熱により若干の温度下降が見られるが、ガラス転移温度以上であれば問題はない。次に樹脂を射出してキャビティー内へ充填を行う。充填完了にて冷却工程へ移行する。OFFにしていた温調をONにすることにより固定側被加熱材である第1金型2ならびに入子11の冷却を行う。
この場合、冷却温調方法として、図25に示すように、型内に設けた冷却回路15に冷媒を用いたり、図26に示すように、可動温調体12を組み込む方法がある。図26に示す方法では、被加熱部分の熱容量を小さくするために可動温調体12を組み込み、輻射加熱時、可動温調体12は第1金型2と離隔するようにしている。射出時は成形圧力を受圧するため第1金型2と接しておく。冷却工程で可動温調体12に冷媒を通せば、第1金型2の冷却が可能となる。
この場合、被加熱材側である第1金型2には、表面の黒体化,断熱膜付け,断熱材料による分割をしたり、熱源を誘導加熱体としてもよい。また冷媒としては、冷水,温水,油,フロンがあり、使用する樹脂の持つ特性によって樹脂温度,流動性,取り出し温度が異なるので、その特性にあった冷媒を用いることにより冷却効果を上げることができる。
図23に示す状態は、第1金型2と金型加熱用ヒータとのギャップを均一にしており、この状態で輻射加熱を行うと、図24(a)に示すように、第1金型2の表面は均一に昇温される。ただし、コーナー部は輻射面が複数重なっているので若干高温となる。樹脂を射出した後、図24(b)に示すように、樹脂からの熱享受によってゲート付近は、より高温になる。このため非常に精密な成形が必要な場合成形品にフローマーク,ソリ等の成形不良が生じる場合がある。
また、図27に示す構成では、ゲート19を中心として、第1金型2の成形面と、金型加熱用ヒータである加熱板1における第1金型2の成形面と対向する表面との距離が、ゲート19から遠ざかるに従って、小さくなるように加熱板1の輻射面の形状を設定している。こうすることによって、第1金型2の表面に図28(a)に示すような温度勾配をつける。この時の温度勾配はパーティング面からの放射による降温を考慮した熱量である。樹脂充填の熱享受による第1金型2の表面の温度不均一に対応することで、樹脂充填直後の第1金型2の表面の温度は図28(b)に示すように温度が均一の状態となり、成形品のフローマーク,ソリの解消に対応できる。
また、図29に示すように、第1金型2と第2金型3とを型開きした状態で、第1金型2のパーティング面と、加熱板1が接触するように配置してもよい。これは金型パーティング部は、第1金型2と第2金型3とが樹脂充填時に接触するが、この時、接触面から伝熱による降温が生じる。したがって、本例では熱量の補充をするために加熱板1と第1金型2を接触させ、接触面から熱供給が第1金型2に行われるようにしている。第1金型2表面の輻射後の表面温度は図30(a)に示すようになるが、樹脂充填直後の表面温度は図30(b)に示すようになり、240℃以上で均一になり、スーパーエンプラのガラス転移点より高い温度で、精密に温度の均一化を図ることが可能となる。このことによって高温かつ精度の高い成形が求められる成形品に用いることができる。
本発明の金型加熱用ヒータは、均一な温度の金型表面を得ることができ、成形品の表面には、ムラや樹脂会合の線がない高品位の外観を有する成形品を得ることができる効果を有し、樹脂成形において金型表面の加熱に有効なヒータとして有効である。
本発明の実施の形態1の金型装置における金型加熱用ヒータの構成図 図1におけるA部を拡大して第1金型の輻射状態の熱解析を説明するための説明図 実施の形態1の変形例の構成図 実施の形態1の他の変形例の構成図 実施の形態1の他の変形例の構成図 実施の形態1の他の変形例の構成図 本発明の実施の形態2の金型装置における金型加熱用ヒータの構成図 実施の形態2の変形例の構成図 実施の形態2の他の変形例の構成図 実施の形態2の他の変形例の構成図 実施の形態2の他の変形例の構成図 本発明の実施の形態3の金型装置における金型加熱用ヒータの構成図 実施の形態3の変形例の構成図 実施の形態3の他の変形例の構成図 実施の形態3の他の変形例の構成図 実施の形態3の他の変形例の構成図 本発明の実施の形態4の金型装置における金型加熱用ヒータの構成図 実施の形態4の変形例の構成図 実施の形態4の他の変形例の構成図 実施の形態4の他の変形例の構成図 実施の形態4の他の変形例の構成図 本発明の実施の形態5の金型装置における成形プロファイルを示す図 本発明の実施の形態5の金型装置における金型加熱用ヒータの構成図 実施の形態5における第1金型の表面温度の説明図であり、(a)は輻射後の表面温度を示す図、(b)は樹脂充填直後の表面温度を示す図 実施の形態5の変形例の構成図 実施の形態5の他の変形例の構成図 実施の形態5の他の変形例の構成図 図27に示す第1金型の表面温度の説明図であり、(a)は輻射後の表面温度を示す図、(b)は樹脂充填直後の表面温度を示す図 実施の形態5の他の変形例の構成図 図29に示す第1金型の表面温度の説明図であり、(a)は輻射後の表面温度を示す図、(b)は樹脂充填直後の表面温度を示す図 従来の金型装置における金型加熱用ヒータの構成図
符号の説明
1 加熱板
1a 凹部(逃し形状)
2 第1金型
3 第2金型
4 熱源
5,5a,5b 突起部分
6 断熱板
7,9 高配向性グラファイトシート
8 固定側用加熱板
10 可動側用加熱板
11 入子
12 可動温調体
13 黒体化膜
14 誘導加熱体
15 冷却回路
17 断熱膜
18 温調回路
19 ゲート
G,G1,G2 ギャップ(空間)

Claims (8)

  1. 第1金型と第2金型とを型締めして形成した成形空間に樹脂を注入して樹脂成形品を作成する金型装置において、前記第1金型と前記第2金型とを型開きした状態で、空間を介して前記第1金型の成形面と対向する位置に、輻射熱により前記第1金型の成形面を加熱する金型加熱用ヒータを配置したことを特徴とする金型装置。
  2. 前記第1金型がゲートを有し、前記第1金型の成形面と、前記金型加熱用ヒータにおける前記第1金型の成形面と対向する表面との距離が、前記ゲートから遠ざかるに従って小さくなるように設定したことを特徴とする請求項1記載の金型装置。
  3. 前記第1金型と前記第2金型とを型開きした状態で、前記第1金型のパーティング面と前記金型加熱用ヒータの表面とを接触させることを特徴とする請求項1または2記載の金型装置。
  4. 前記金型加熱用ヒータにグラファイトを使用したことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の金型装置。
  5. 前記金型加熱用ヒータの表面に黒色加工した銅を設けたことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の金型装置。
  6. 前記金型加熱用ヒータの表面に黒色加工したアルミニウムを設けたことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の金型装置。
  7. 前記金型加熱用ヒータの熱源として抵抗加熱を使用したことを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の金型装置。
  8. 前記金型加熱用ヒータの熱源として誘導加熱を使用したことを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の金型装置。
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JP2015525157A (ja) * 2012-06-18 2015-09-03 ロックツール 特に射出成形用の金型を予熱する方法及び装置

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