JP6688964B2 - 熱プレス成形方法および熱プレス成形装置 - Google Patents

熱プレス成形方法および熱プレス成形装置 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂シートの被加工材を目的の形状に熱プレス成形する方法に関するものである。
形状が転写された成形品を得る方法として、熱プレス成形方法や、射出成形方法が知られている。
図11は特許文献1などに記載されている熱プレス成形装置である。これは、被加工材14を事前に加熱し、この加熱された被加工材14を、第1金型1と第2金型2の間に設置する。次に、第1金型1を押し込みながら、第2金型2に沿うように被加工材14を変形させ、第1金型1が第2金型2と密着し被加工材14を加圧する。次に、第1金型1と第2金型2で挟んでいる被加工材14を、第1金型1と第2金型2で冷却する。この冷却の後に、第2金型2の表面形状が転写された被加工材14の成形品を、型開きして取り出す。
図12は特許文献2などに記載されている射出成形装置である。従来の射出成形方法は、第1金型1と、第2金型2を加熱し、第2金型2を移動させ、第1金型1と密着させてキャビティを形成し、溶融した樹脂を前記キャビティに射出し、その後に第1金型1と第2金型2を冷却する。この冷却の後、キャビティの形状が転写された成形品を取り出す。
特開2015−016649号 特許5015217号
しかし、従来の熱プレス成形方法では、事前に加熱された被加工材14を金型内に搬送する際に、自然冷却してしまい、形状を維持することができない。そのため特許文献1では、第1金型1と第2金型2を個別に加熱できるヒータ16と、第1金型1と第2金型2を個別に冷却できる冷却水管18を設け、成形時は、樹脂が軟化する温度まで金型を加熱し、成形後は金型を冷却し、樹脂を固化させ、成形品を取り出すことができるようにしている。
また、従来の射出成形方法では、溶融した樹脂を射出し、金型形状に追従させるが、射出した瞬間に、金型に熱が奪われるため、樹脂の流動が悪くなり、ヒケ、ウェルドといった成形不良や、成形品表面の光沢がなくなるという外観品位が悪くなってしまう。そのため特許文献2では、金型を加熱し、樹脂を射出時には金型を高温にし、射出充填後、冷却し、成形している。
成形品が、深絞り形状などの場合、特許文献1では、被加工材14と金型が接触するタイミングが場所によって変わるため、被加工材14に金型から熱伝導で供給される熱量してくる時間が場所によって変わり、被加工材14表面の軟化度合いにバラツキが生じる。冷却についても、被加工材14の表裏の温度状態により、冷却後の被加工材14の応力状態にバラツキが生じ、成形後のフィルムに反り等が発生することがある。
特許文献2では、ヒータ16間のピッチや、ヒータと金型表面方向の距離が金型形状により均等に配置できなかったり、金型材料の熱伝達ばらつきなどのため、金型表面温度は不均一になってしまい、さらに、同様に金型冷却時にも、冷却水管18間のピッチや、金型材料の熱伝達ばらつきなどのため、熱伝達バラツキにより金型表面温度が不均一になってしまうことにより、成形品表面の面内の温度分布にばらつきが生じ、外観品位が悪くなってしまう。
本発明は、熱プレス成形方法において、形状が安定した成形品を得ることができ、成形品の表面の高品質外観を得ることができる、熱プレス成形方法および装置を提供することを目的とする。
本発明の熱プレス成形方法の共通構成は、凸形状を有する第1金型と凹形状を有する第2金型との間に被加工材を配置する配置工程と、前記第1金型と第2金型と接近させて、前記第1金型の凸形状の頂点と前記被加工材とを接触させる接触工程と、加熱した前記被加工材を、加熱した第2金型に対して下死点まで接近させて、前記被加工材を変形および加熱する変形加熱工程と、前記第1金型と前記第2金型とを冷却して、前記被加工材を冷却する冷却工程と、前記第1金型と前記第2金型とを離間させて成形が完了した前記被加工材の成形が完了した成形品を取り出す取り出し工程とを有し、前記変形加熱工程での前記第1金型の前記被加工材との接触面の温度は、前記第2金型の前記被加工材との接触面の温度より低く、前記第1金型と前記第2金型の加熱および冷却は、それぞれの複数の温度制御ゾーンに分けて個別に行うことを特徴とする。
また、本発明の熱プレス成形装置は、凸形状を有する第1金型と凹形状を有する第2金型と、前記第1金型を加熱した前記第2金型に対して下死点まで接近させて被加工材を変形および加熱する際に、前記第1金型の前記被加工材との接触面の温度を、前記第2金型の前記被加工材の接触面の温度より低くなるように温度制御する温度制御装置とを有し、前記温度制御装置による前記第1金型と前記第2金型の加熱および冷却は、各々複数のゾーンに分けて個別に行い、前記第1金型のゾーンの数は、前記第2金型のゾーンの数より少ないことを特徴とする。
この構成によると、変形加熱工程での第1金型の被加工材との接触面の温度は、第2金型の被加工材との接触面の温度より低いので、樹脂シートの被加工材の形状が安定した成形品を得ることができ、表面の外観高品位を得ることができる。
本発明の熱プレス成形方法を実行する熱プレス成形装置の構成図 この熱プレス成形装置のシーケンス図 この熱プレス成形装置の成形工程の温度プロファイル説明図 この熱プレス成形装置の温度制御の具体例の説明図 この熱プレス成形装置の温度制御の具体例の説明図 被加工材の拡大断面図 成形品形状が扇状の場合の第1金型におけるヒータの配置を示す(a)平面図と(b)断面図 成形品形状が扇状の場合の第2金型におけるヒータの配置を示す(a)平面図と(b)断面図 成形品形状が扇状の場合の第1金型におけるヒータの配置を示す(a)平面図と(b)ヒータ長さ方向でのワット密度の分布図 ヒータと金型表面までの距離が違う場合のヒータ長さ方向でのワット密度の分布を示す(a)断面図と(b)側面図 特許文献1に記載された従来の成形方法を示した図 特許文献2に記載された従来の成形方法を示した図
以下、本発明の熱プレス成形方法を実現する熱プレス成形装置を図1〜図10に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1の熱プレス成形装置を示す。
本装置は、凸型を有した第1金型1と、凹型を有した第2金型2を有している。
第1金型1には、ヒータ16aと温度センサ17aと冷却水管18aが内蔵されている。この第1金型1は複数の温度制御ゾーン、この実施の形態では第1,第2,第3温度制御ゾーン6,7,8に分割され、ヒータ16aは、各温度制御ゾーン毎に複数本内蔵されている。第1,第2,第3温度制御ゾーン6,7,8毎に温度センサ17aを内蔵している。第1,第2,第3温度制御ゾーン6,7,8毎の温度センサ17aは、温度制御装置4によって読み込まれ、加熱期間おける第1,第2,第3温度制御ゾーン6,7,8毎の温度が目標値に近付くようにヒータ16aへの通電が温度制御装置4によって制御されている。更に、冷却期間には、第1,第2,第3温度制御ゾーン6,7,8毎の温度が目標値に近付くように冷水制御装置5と冷却水バルブ19を介して温度制御装置4によって、冷却水管18aへの通水が制御されている。
同様に、第2金型2には、ヒータ16bと温度センサ17bと冷却水管18bが内蔵されている。この第2金型2は複数の温度制御ゾーン、この実施の形態では
第4,第5,第6,第7,第8温度制御ゾーン9,10,11,12,13に分割され、ヒータ16bは、各温度制御ゾーン毎に複数本内蔵されている。第4〜第8温度制御ゾーン9〜13毎に温度センサ17bを内蔵している。第4〜第8温度制御ゾーン9〜13毎の温度センサ17bは、温度制御装置4によって読み込まれ、加熱期間おける第4〜第8温度制御ゾーン9〜13毎の温度が目標値に近付くようにヒータ16bへの通電が制御されている。更に、冷却期間には、第4〜第8温度制御ゾーン9〜13毎の温度が目標値に近付くように冷水制御装置5と冷却水バルブ19を介して温度制御装置4によって、冷却水管18bへの通水が制御されている。
なお、第1金型1には3個の温度制御ゾーン設定し、第2金型2には5個の温度制御ゾーンを設定しているが、これに限るものではない。第1金型1の温度制御ゾーン数は、第2金型2の温度制御ゾーン数より少なくしている。
ヒータ16a,16bには、本文中では棒状のカートリッジヒータで記載しているが、これに限るものではない。
この熱プレス成形装置のシーケンスは、図2(a)〜図2(h)を1サイクルとして実行されている。
図2(a)に示した配置工程では、凸形状を有する第1金型1と凹形状を有する第2金型2との間に樹脂シートの被加工材14を配置する。被加工材14の具体例としては、図6のように繊維層21を中央にしてその両面に樹脂層20,22を積層したシートや、複数の樹脂シートの積層されたシートや、繊維層を含んだシートを例に挙げることができる。
図2(b)に示した接触工程では、第1金型1を第2金型2に接近させて、第1金型1の頂点が被加工材14に接触する。
図2(c)〜図2(f)の変形加熱工程では、加熱した第1金型1を、加熱した第2金型2に対して下死点まで接近させて、被加工材14を変形および加熱する。図2(c)は変形開始工程、図2(d)は第1金型側変形工程、図2(e)は第2金型側変形工程、図2(f)は熱プレス工程の詳細は、追って説明する。
図2(g)の冷却工程では、第1金型1と第2金型2を冷却して、加工中の被加工材14を冷却する。
図2(h)の取り出し工程では、第1金型1と第2金型2とを離間させて、被加工材14が成形されて目的の形状に仕上がった成形品を取り出す。
図2(c)〜図2(f)の変形加熱工程での第1金型1と第2金型2の加熱および冷却は、第1〜第8温度制御ゾーン6〜13に分けて個別に行い、この変形加熱工程での第1金型1の被加工材14の接触面の温度は、第2金型2の被加工材14との接触面の温度より低い温度にすることにより熱プレス成形している。
熱プレス成形時の動作について詳しく述べる。
図2(a)の配置工程は、被加工材14が第2金型2に所定の位置に供給される。この時、第1金型1、第2金型2は被加工材14の樹脂材料の融点より高い所定の温度に制御されている。
図2(b)の接触工程は、移動を開始した第1金型1の凸部の頂点と被加工材14が接触する。
図2(c)の変形開始の変形加熱工程は、更に第1金型1と第2金型2を近づけて、型閉めすることにより、被加工材14を曲げ始める。
図2(d)の第1金型側変形の変形加熱工程は、第1金型1を第2金型2に更に押し込んでいくことにより、図2(e)のように第2金型2に沿うように被加工材14が更に変形する。
図2(f)の熱プレスの変形加熱工程は、第1金型1が下死点、または行き限に達した状態で被加工材14の樹脂材料の融点より高い金型温度になっている状態を一定時間保持する。
図2(g)の冷却工程は、第1金型1が下死点、または行き限に達した状態で冷却温度に一定時間保持する。なお、第1金型1を第2金型2よりも先に冷却を開始することで、変形した被加工材14の反りを安定させている。
図2(h)の取り出し工程は、第1金型1を元に戻すことにより、被加工材14が成形された成形品15を取り出す。
次に、図2(a)〜図2(h)に示した成形工程の第1金型1と第2金型2の成形動作中の温度プロファイルを図3に基づいて詳しく説明する。
Aは第4,第8温度制御ゾーン9,13の温度プロファイル、Bは第5,第7温度制御ゾーン10,12の温度プロファイル、Cは第1,第2,第3温度制御ゾーン6,7,8の温度プロファイル、Dは第6温度制御ゾーン11の温度プロファイルを示している。
第1金型1と第2金型2が開いた状態から図2(f)の熱プレス工程にかけて、第1金型1、および第2金型2の第1〜第8温度制御ゾーン6〜13毎にそれぞれ加熱し、温度を上昇させる。
図2(a)で被加工材14を供給して所定の時間経過後、または第1金型1および第2金型2のぞれぞれのゾーンが所定の温度到達後に、図2(b)の接触工程を開始し、第1金型1を第2金型2に向けて移動させ、型閉動作に入る。なお、ここで言っている所定の温度到達後とは、被加工材14の樹脂材料の融点より高い金型温度であり、金型表面全体を融点近傍にしたいため、温度センサ地点としては、融点より高い温度になる。また、あわせて、金型中央部分は、熱が集中しやすく、一般的に、設定温度は、低めでもよい。また、図1の通り、一方では、温度センサの設置場所により、温度検出感度にも差があるため、第6温度制御ゾーン11は、温度設定が低くても金型表面温度は、融点近傍に上げることができ、一方、両サイドの第4,第8温度制御ゾーン9,13は、中央部に比べて、温度上昇が遅いため、温度測定点では、高い温度にしないと、金型表面では、融点に達しない。
図2(c)の変形加熱工程,図2(d),(e)の第1金型側変形の変形加熱工程を経て、第1金型1が図2(f)の熱プレス工程で下死点、または行き限に到達すると、図2(g)の冷却工程において、加熱を停止し、第1金型1,第2金型2に冷却水を通水し、金型を冷却させる。この第1金型1が下死点、または行き限に到達した際に、第1金型1,第2金型2の表面が温度制御ゾーン毎に、所定の温度設定になるように、温度制御装置4が第1〜第8温度制御ゾーン6〜13に配置されたヒータ16a,16bを加熱制御する。
この時、成形品の形状に左右されるが、本実施例の形状の場合、凸形状を有する第1金型1の被加工材14との接触面の温度を、凹形状を有する第2金型2のシート接触面の温度よりも温度を低めに設定することで、成形品15の状態では、第1金型1側の方が凹形状になり、第2金型2側の方が凸形状となり、温度の高い第2金型2の方が、成形品表面の熱膨張が大きくでき、成形品の表裏の熱膨張差をつけることで、凹型の形状の安定性を図ることができる。
また、被加工材14が第1金型1により曲げられて変形し、第2金型2に接触するタイミングが、周辺部の第4,第8温度制御ゾーン9,13と中央部の第5,第6,第7温度制御ゾーン10,11,12では異なるため、温度制御装置4が、温度制御ゾーン毎で温度設定を変える。特に、被加工材14への供給熱量を等しくするためには、第6温度制御ゾーン11を、周辺部の第4,第8温度制御ゾーン9,13よりも低めにするとよい。形状によっては、全面を均一な温度にする。第1金型1と第2金型2の温度を同じにすることもある。
なお、第1金型1の加熱は、被加工材14が第1金型1に接した後に加熱を停止し、接する順に各温度制御ゾーン毎に加熱を停止し、第2金型2については、先に接触する端部から順に各温度制御ゾーン毎に加熱を停止し、シート表面に投入される加熱エネルギーを均等にしている。
ここで、第1金型1の場合を例に挙げて温度を均一にする場合を説明する。第2金型2の場合も同様である。
図4に、第1温度制御ゾーン6、第2温度制御ゾーン7、第3温度制御ゾーン8の温度を均一にする場合の実施例を記す。この図4は、3つのゾーンでの事例を示すが、この数や組み合わせに限るものではない。第1〜第8温度制御ゾーン6〜13においては、ヒータと金型の接触度合い、金型の材料による熱伝導率のばらつきのため、ヒータの加熱に対しての金型表面の昇温速度が場所によって異なったり、また、ヒータの昇温よりも実際の金型表面温度が遅れて昇温することがある。そのため、図4では、第1温度制御ゾーン6の昇温が早く、第3温度制御ゾーン8がヒータ加熱よりも遅れて昇温する場合、第1温度制御ゾーン6はヒータ加熱を、第2温度制御ゾーン7よりも早くヒータ加熱を停止して冷却に入り、第3温度制御ゾーン8は、ヒータ停止後、放置時間を設定し、ヒータから金型表面に熱が伝導するのを待つことで、金型表面の温度を所定の温度に制御するようにしている。一方、冷却時も同様に、第1温度制御ゾーン6,第2温度制御ゾーン7は、冷却動作に入った後、所定の温度まで下がるように冷却水を通水するが、第1温度制御ゾーン6の方が昇温が早い場合は、冷却終了後、第2温度制御ゾーン7を先に加熱開始し、第1温度制御ゾーン6は所定の放置時間終了後、加熱し、成形時に所定の温度になるように温度制御する。一方、第3温度制御ゾーン8については、金型表面温度がヒータ温度よりも遅く変化する場合、冷却動作と加熱動作を同時に行うことにより、加熱時の時間ロスを吸収している。
さらに、図5では、冷却時に、過冷却による温度低下で加熱時の昇温不足を防ぐために、さらに、または、加熱時の過昇温を防ぐために、ヒータ加熱と冷却を同時に実施するタイムチャートを示す。ここでも、図4と同様に、3つのゾーンでの事例を示すが、この数や組み合わせに限るものではない。第3温度制御ゾーン8の金型表面昇温がヒータの昇温に比べ遅い場合、過昇温を防ぐために、加熱終了前に冷却水を循環させることで、昇温を抑える効果がある。一方、冷却回路に比べ、温度制御ゾーン数が多い場合、冷却回路の冷却の影響が複数の温度制御ゾーンに及ぶことがある。そのため、過冷却により、次の成形サイクルに入ったときに、昇温が間に合わないことがある。そのため、冷却を故意に遅くするため、冷却終了前に第3温度制御ゾーン8のヒータをONにし、所定の温度以下にならないように加熱する。これにより、冷却による温度ばらつきを抑制し、加熱前の金型温度状態を一定に保つ効果がある。
図7と図8は、成形品形状が扇状の場合の温度制御ゾーンの実施例である。
図7(a)は第1金型1におけるヒータの配置を示す平面図、図7(b)は図7(a)の断面図である。第1金型1は凸部一端の幅W1が凸部の他端の幅W2よりも狭い扇状である。第1金型1の第1,第2,第3温度制御ゾーン6,7,8には、それぞれ複数本のヒータ16aが扇状の凸部に沿って埋め込まれている。複数本のヒータ16aの一端の幅W3は他端の幅W4よりも狭い。
図8(a)は第2金型2におけるヒータの配置を示す平面図、図8(b)は図8(a)の断面図である。図8(a)では金型形状が仮想線で示されており、第2金型2は凹部一端の幅W5が凹部の他端の幅W6よりも狭い扇状である。第2金型2の第4〜第8温度制御ゾーン9〜13には、それぞれ複数本のヒータ16bが扇状の凹部に沿って埋め込まれている。複数本のヒータ16bの一端の幅W7は他端の幅W8よりも狭い。
このように、ヒータ16a,16b間の幅が図中上下で違う場合、温度制御ゾーン毎で温度制御しても、温度制御ゾーン内で温度ばらつきが発生する。すなわち、複数本のヒータ16a,16bで同時に加熱した場合、ヒータ間の幅が狭いところは、温度上昇が早く、広いところは、温度上昇が遅い。
この実施例では、図9(a)(b)のように、1本のヒータ内でヒータ線の巻きピッチを変えることで、そのヒータの電力[W]をヒータ表面積[cm2]で除した単位表面あたりの電力値であるワット密度[W/cm2]を変えて、温度上昇度を所定の範囲に制御している。つまり、図9(a)に示した第1金型1の凸部の場合のように、第1金型1に埋め込まれている各ヒータ16bは、図9(b)のように扇状の凸部に対応して、凸部の最も幅広の部分のヒータ16bのワット密度P1、凸部の最も幅狭の部分のヒータ16bのワット密度P4、凸部の最も幅広の部分から最も幅狭の部分に次第に狭くなる区間のヒータ16bのワット密度P2,P3とした場合、 P1> P2> P3> P4で、凸部の最も幅広の部分に対応する区間のワット密度が最も大きい。
さらに、ヒータ16bと金型表面までの距離が違う場合も図10(a)(b)に示すように、1本のヒータ16b内でワット密度を変えることで金型表面の温度上昇度を所定の範囲に制御している。つまり、図10(a)に示した第2金型2の凹部の場合のように、埋め込まれている各ヒータ16bは、ヒータ16bから凹部の表面までの距離z1 > z2 > z3 > z4に対応して、最も距離が長い部分のヒータ16bのワット密度P1、最も距離の短い部分のヒータ16bのワット密度P4、その間の区間のヒータ16bのワット密度P2,P3とした場合、P1 > P2 > P3 > P4で、最も距離の長い部分に対応する区間のワット密度が最も大きい。ヒータ16aの場合も同様である。
このように構成することにより、シートを金型内に配置し、金型を加熱して加圧して変形させる熱プレス成形方法において、成形品の形状が安定し、かつ、または、成形品の表面の外観高品位の成形品を得ることができる。
被加工材14の具体例として図6のように繊維層21を中央にしてその両面に樹脂層20,22を積層したシートを説明したが、複数の樹脂シートの積層されたシートや、繊維層を含んだシートを例に挙げることもできる。表面側の樹脂層に対して、溶融点を越えて加熱し、成形後に急冷することにより、表面に光沢を出すことができ、成形品の品位を向上させることができる。また、表裏の樹脂シートに対して、成形時に温度差を設けることにより、膨張収縮差を利用し、成形品の反りを制御することが可能になる。
本発明の熱プレス成形方法は、シートの熱曲げ成形の成形に適用することにより、成形品の形状が安定し、外観高品位の成形品を得ることができ、各種の成形品の品質向上に寄与する。
1 第1金型
2 第2金型
4 温度制御装置
5 冷却水制御装置
6 第1温度制御ゾーン
7 第2温度制御ゾーン
8 第3温度制御ゾーン
9 第4温度制御ゾーン
10 第5温度制御ゾーン
11 第6温度制御ゾーン
12 第7温度制御ゾーン
13 第8温度制御ゾーン
14 被加工材
15 成形品
16a,16b ヒータ
17a,17b 温度センサ
18a,18b 冷却水管
19 冷却水バルブ
20 樹脂層
21 繊維層
22 樹脂層

Claims (6)

  1. 凸形状を有する第1金型と凹形状を有する第2金型との間に被加工材を配置する配置工程と、
    前記第1金型と第2金型とを接近させて、前記第1金型の凸形状の頂点と前記被加工材とを接触させる接触工程と、
    加熱した前記被加工材を、加熱した第2金型に対して下死点まで接近させて、前記被加工材を変形および加熱する変形加熱工程と、
    前記第1金型と前記第2金型とを冷却して、前記被加工材を冷却する冷却工程と、
    前記第1金型と前記第2金型とを離間させて成形が完了した前記被加工材の成形が完了した成形品を取り出す取り出し工程と、
    を有し、
    前記変形加熱工程での前記第1金型の前記被加工材との接触面の温度は、前記第2金型の前記被加工材との接触面の温度より低く、
    前記第1金型と前記第2金型の加熱および冷却は、それぞれの複数の温度制御ゾーンに分けて個別に行い、
    凸形状を有する前記第1金型の温度制御ゾーンの数は、凹形状を有する前記第2金型の温度制御ゾーンの数より少ないことを特徴とする、熱プレス成形方法。
  2. 凸形状を有する第1金型と凹形状を有する第2金型との間に被加工材を配置する配置工程と、
    前記第1金型と第2金型とを接近させて、前記第1金型の凸形状の頂点と前記被加工材とを接触させる接触工程と、
    加熱した前記被加工材を、加熱した第2金型に対して下死点まで接近させて、前記被加工材を変形および加熱する変形加熱工程と、
    前記第1金型と前記第2金型とを冷却して、前記被加工材を冷却する冷却工程と、
    前記第1金型と前記第2金型とを離間させて成形が完了した前記被加工材の成形が完了した成形品を取り出す取り出し工程と、
    を有し、
    前記変形加熱工程での前記第1金型の前記被加工材との接触面の温度は、前記第2金型の前記被加工材との接触面の温度より低く、
    前記第1金型と前記第2金型の加熱および冷却は、それぞれの複数の温度制御ゾーンに分けて個別に行い、
    前記接触工程は、
    前記第1金型の加熱は、前記被加工材が第1金型に接した後に加熱を停止し、接する順に前記各温度制御ゾーン毎に加熱を停止し、第2金型については、先に接触する端部から順に前記各温度制御ゾーン毎に加熱を停止し、シート表面に投入される加熱エネルギーを均等にすることを特徴とする、熱プレス成形方法。
  3. 凸形状を有する第1金型と凹形状を有する第2金型との間に被加工材を配置する配置工程と、
    前記第1金型と第2金型とを接近させて、前記第1金型の凸形状の頂点と前記被加工材とを接触させる接触工程と、
    加熱した前記被加工材を、加熱した第2金型に対して下死点まで接近させて、前記被加工材を変形および加熱する変形加熱工程と、
    前記第1金型と前記第2金型とを冷却して、前記被加工材を冷却する冷却工程と、
    前記第1金型と前記第2金型とを離間させて成形が完了した前記被加工材の成形が完了した成形品を取り出す取り出し工程と、
    を有し、
    前記変形加熱工程での前記第1金型の前記被加工材との接触面の温度は、前記第2金型の前記被加工材との接触面の温度より低く、
    前記第1金型と前記第2金型の加熱および冷却は、それぞれの複数の温度制御ゾーンに分けて個別に行い、
    前記変形加熱工程は、
    加圧圧縮開始時に前記各温度制御ゾーン毎に所定の温度に制御され、前記第2金型または前記第1金型を、前記被加工材の融点以上に加熱し、加熱圧縮後に、冷却させることを特徴とする、熱プレス成形方法。
  4. 凸形状を有する第1金型と凹形状を有する第2金型との間に被加工材を配置する配置工程と、
    前記第1金型と第2金型とを接近させて、前記第1金型の凸形状の頂点と前記被加工材とを接触させる接触工程と、
    加熱した前記被加工材を、加熱した第2金型に対して下死点まで接近させて、前記被加工材を変形および加熱する変形加熱工程と、
    前記第1金型と前記第2金型とを冷却して、前記被加工材を冷却する冷却工程と、
    前記第1金型と前記第2金型とを離間させて成形が完了した前記被加工材の成形が完了した成形品を取り出す取り出し工程と、
    を有し、
    前記変形加熱工程での前記第1金型の前記被加工材との接触面の温度は、前記第2金型の前記被加工材との接触面の温度より低く、
    前記第1金型と前記第2金型の加熱および冷却は、それぞれの複数の温度制御ゾーンに分けて個別に行い、
    前記冷却工程は、前記第1金型を前記第2金型よりも先に冷却を開始することを特徴とする、熱プレス成形方法。
  5. 前記冷却工程は、
    前記第1金型および前記第2金型内で、それぞれ金型毎に冷却しながら、あわせて前記ゾーン毎で同時に加熱を入り切りすることにより、冷却時に所定の温度を維持し、一定の冷却速度で冷却することを特徴とする、請求項に記載の熱プレス成形方法。
  6. 凸形状を有する第1金型と凹形状を有する第2金型と、
    前記第1金型を加熱した前記第2金型に対して下死点まで接近させて被加工材を変形および加熱する際に、前記第1金型の前記被加工材との接触面の温度を、前記第2金型の前記被加工材の接触面の温度より低くなるように温度制御する温度制御装置とを有し、
    前記温度制御装置による前記第1金型と前記第2金型の加熱および冷却は、各々複数のゾーンに分けて個別に行い、
    前記第1金型のゾーンの数は、前記第2金型のゾーンの数より少ないことを特徴とする、熱プレス成形装置。
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