JP2005329649A - 射出成形金型 - Google Patents
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Abstract
【課題】ホットランナー射出成形機において、金型温度のばらつきを極力抑制する。
【解決手段】射出機から供給された溶融樹脂をホットランナー部で加熱しつつキャビティに送る射出成形金型であって、射出機から供給された溶融樹脂を、加熱しながらキャビティ11に送るホットランナー孔を有するマニホールド2と、マニホールドを両側から挟んで支持する第1及び第2の金型構成部材7,8と、マニホールドを第1及び第2の金型構成部材に対して隙間を形成させながら保持するスペーサー18であって、マニホールドとの接触面に溝状の掘り込み形状部を有するスペーサーとを具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】射出機から供給された溶融樹脂をホットランナー部で加熱しつつキャビティに送る射出成形金型であって、射出機から供給された溶融樹脂を、加熱しながらキャビティ11に送るホットランナー孔を有するマニホールド2と、マニホールドを両側から挟んで支持する第1及び第2の金型構成部材7,8と、マニホールドを第1及び第2の金型構成部材に対して隙間を形成させながら保持するスペーサー18であって、マニホールドとの接触面に溝状の掘り込み形状部を有するスペーサーとを具備する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、射出成形金型に関するものである。
一般に、プラスチックの射出成形においては、廃材削減、および成形サイクルタイム(成形加工時間)短縮のために、ホットランナーが使用されている。ホットランナーは、数多いホットランナーメーカーの製品の中から使用用途に応じたものを選択して組込んだり、金型メーカーが自社製作したホットランナーに、ヒーターメーカーから購入した加熱用のヒーターを組込むようにして構成されている。このホットランナーは、固定金型と可動金型とで形成されて成形品が成形されるキャビティがこれら合せ部分に設けられ、固定射出機側にはホットランナー孔を形成したマニホールドが設けられ、前記マニホールドの金型方向には複数のゲートノズルが設けられて前記ホットランナー孔と連通している。
そして、成形品成形時には可動側射出機を移動して固定金型と可動金型を型締めし、可動側射出機から樹脂供給ノズルで加熱されて溶融状態となっている樹脂をホットランナー孔に供給して流通させ、各々のゲートノズルから樹脂を供給してキャビティ内に充填し、冷却固化させる。この結果、キャビティ形状の成形品を得ることができ、この後可動金型と固定金型を型開きすれば成形品を取出すことができる。
そして、前記ヒーターを備えたマニホールドはスペーサーを介して設けられている。これはマニホールドが高温状態になった際に、金型やゲートノズルに熱変形や熱膨張が生じてゲートノズルの金型に対する取り付け位置にずれが生じるなどして、ゲートノズルと金型との間に隙間が発生し、樹脂が前記隙間から漏れることを防止するためである。
図3は、従来のホットランナー射出成形金型の断面図である。この図においては、中央ラインLの左右の部分が異なる断面となっている。ホットランナー部は、溶融樹脂を射出機から受け取るノズルタッチ部分1と、溶融樹脂を各々へ送るマニホールド部分2と、溶融樹脂をキャビティへ送る部分であるゲートノズル部分3とから構成されている。
ノズルタッチ部分1にはヒーター6、マニホールド部分2にはヒーター5、ゲートノズル部分3にはヒーター4がそれぞれ組み込まれている。また、ノズルタッチ部分1は固定側取付板7に接触して位置決めされ、マニホールド部分2はバックアッププレート8に接触して位置決めされ、またゲートノズル部分3は、バックアッププレート8と固定側型板9に接触して位置決めされている。
ホットランナー部の各部分1,2,3は、ヒーター6,5,4によって使用樹脂の溶融温度以上に加熱されて、樹脂を溶融させたまま送るホットランナー孔10を形成する。一方、各部分1,2,3以外の金型部分となる固定側取付板7、バックアッププレート8、および固定側型板9は、キャビティ11内に流し込まれた溶融樹脂を固化温度以下に冷却するために、その固化温度以下に冷却されることになる。
例えば、特開平5−185471号公報(特許文献1)には、従来のホットランナー射出成形金型として、成形中に型板が撓まないようにマニホールドを確実に、しかも正確に保持する方法が開示されている。これは、マニホールドと固定側取付板および固定側型板との間に全面にわたり断熱板を配置したものである。
また、特開平4−284217号公報(特許文献2)には、スペーサーから金型への伝熱を小さくする方法も開示されている。これは、マニホールドと固定側取付板および固定側型板との間に隙間を形成させながらマニホールドを保持するスペーサーをセラミックにより成形するように構成したものである。
特開平5−185471号公報
特開平4−284217号公報
しかしながら、図3のように構成された従来のホットランナー射出成形金型にあっては、ヒーター6,5,4によって加熱されたホットランナー部と、他の金型部分との金属同士の接触部分において、伝熱が生じてしまう。この伝熱により、ホットランナー部の加熱エネルギーが他の金型部分に放出されて、ホットランナー部を昇温させるための電力が無駄に消費されることになる。
また、ホットランナー部と他の金型部分との接触面の面粗さなどのために断熱量にバラツキが生じ、金型温度のバラツキにより、樹脂の充填バランスの不良や部分的な過熱による成形品の変形などが生じることがあった。また、そのような成形品の変形を防止するためには、成形サイクルを長くしなければならなかった。さらに、前記金型温度のバラツキを生産現場において日常的に修正、調整を行う必要があり、生産性を悪くするという問題があった。
しかしながら、ホットランナー部と他の金型部分の断熱を確実にするためには、前記スペーサーを小さくすることが好ましいが、マニホールドを確実に、しかも正確に保持しつつ同時に、スペーサーを小さくすることはできなかった。また、熱伝導率が小さく断熱性の高い部材を使用すると部材コストや加工性の問題があり、日程・コストが上がってしまう結果となっていた。
したがって、本発明は上述した課題に鏡みてなされたものであり、その目的は、ホットランナー射出成形機において、金型温度のばらつきを極力抑制することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係わる射出成形金型は、射出機から供給された溶融樹脂をホットランナー部で加熱しつつキャビティに送る射出成形金型であって、前記射出機から供給された溶融樹脂を、加熱しながら前記キャビティに送るホットランナー孔を有するマニホールドと、該マニホールドを両側から挟んで支持する第1及び第2の金型構成部材と、前記マニホールドを前記第1及び第2の金型構成部材に対して隙間を形成させながら保持するスペーサーであって、前記マニホールドとの接触面に溝状の掘り込み形状部を有するスペーサーと、を具備することを特徴とする。
また、この発明に係わる射出成形金型において、前記スペーサーは、略円柱形状に形成されており、該円柱形状の一端面である前記マニホールドとの接触面に、放射状に形成された複数の前記溝状の掘り込み形状部を有することを特徴とする。
また、この発明に係わる射出成形金型において、前記スペーサーは、ステンレス材料から形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、ホットランナー射出成形機において、金型温度のばらつきを抑制することが可能となる。
以下、本発明の好適な一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係わる射出成形金型を示す側断面図である。この図においては、中央ラインLの左右の部分が異なる断面となっている。
図1において、ホットランナー部は、溶融樹脂を射出機から受け取るノズルタッチ部分1と、溶融樹脂を各々へ送るマニホールド部分2と、溶融樹脂をキャビティへ送る部分であるゲートノズル部分3とから構成されている。ノズルタッチ部分1にはヒーター6、マニホールド部分2にはヒーター5、ゲートノズル部分3にはヒーター4がそれぞれ組み込まれている。
また、9は固定側型板であり、この固定側型板9はバックアッププレート8、スペーサブロック12を介して固定側取付板7に取付けられている。また、固定側型板9に対向して可動側型板13が移動自在に設けられ、この可動側型板13はスペーサブロック14を介して可動側取付板15に取付けられている。さらに可動側型板13には入れ子16が設けられ、そして固定側型板9、可動側型板13及び入れ子16の対向面には成形品を形成するためのキャビティ11が設けられている。
また、固定側型板9にはキャビティ11にヒーター4を有するゲートノズル3が取付け孔17に設けられている。さらにゲートノズル3に溶融樹脂を供給するホットランナー孔10を有するマニホールド2がバックアッププレート8、固定側取付板7の間に設けられている。またマニホールド2には、このマニホールド2を所定温度に加熱、保温するためのヒーター5が設けられている。
マニホールド2には、このマニホールド2とバックアッププレート8および固定側取付板7との間にそれぞれ隙間を形成しながらマニホールド2をバックアッププレート8と固定側取付板7間に保持するための、溝状の掘り込み形状部を有するスペーサー18が取り付けられている。スペーサー18はマニホールド2の両面に設けられるものであって、例えば、ステンレス系鋼材SUS630(熱伝導率16.3W/m・K)などからなる。スペーサー18の一部はマニホールド2の面に形成された凹部に嵌合して位置決めができるようになっている。尚、固定側取付板7にはロケートリング19が設けられ、また可動側型板13、入れ子16にはエジェクタピン20が昇降可能に貫通しており、このエジェクタピン20はエジェクタプレート21により作動される。
図2は、溝状の掘り込み形状部を有するスペーサー18を示す図である。
本実施形態におけるスペーサー18には、図4に示す従来のスペーサーとは異なり、マニホールド2との接触面18aに、溝状の掘り込み形状部18bが放射状に形成されている。この溝状の掘り込み形状部18bの作用により、スペーサー18とマニホールド2との間の接触面積が減少し、マニホールド2からスペーサー18への伝熱が抑制される。
次に、上述したように構成される射出成型機の動作について説明する。
成形前にヒーター5が通電されることにより、マニホールド2は溶融樹脂が溶融状態を保持すべく所定温度に加熱され、この後所定温度に保温される。次に射出機(図示せず)から射出されてきた溶融樹脂はホットランナー孔10へ導かれる。そして型締状態後にゲートの開閉を成形サイクルに合わせて行うことにより射出開始直前にゲート部を開いて射出可能とし溶融樹脂がキャビティ11に注入、充填された後、冷却固化される。この後、可動側型板13が固定側型板9より離れて型開きし、同時にエジェクタピン20が成形品を突き上げて成形品を取出すことができる。
尚、成形前のヒーター5の通電前においては、スペーサー18はバックアッププレート8または固定側取付板7に非接触状態にあるが、ヒーター5の通電に伴いマニホールド2が熱膨脹するとスペーサー18はバックアッププレート8または固定側取付板7に接触して、溝状の掘り込み形状となっているために、僅かに滑動しながらマニホールド2を保持することができる。そしてマニホールド2が高温状態となってもスペーサー18の伝熱が小さいため、バックアッププレート8、固定側取付板7は高温状態にならず、従ってバックアッププレート8、固定側取付板7の熱膨脹が小さくホットランナー孔10の先端とゲートノズル3の樹脂通路のずれを無くすことができ、この結果溶融樹脂がホットランナー孔10の先端とゲートノズル3の樹脂通路の接合面から漏れることを防止できる。
以上のように、バックアッププレート8と固定側取付板7の間に設けられホットランナー孔10を有するマニホールド2を、溝状の掘り込み形状部を有するスペーサー18を介して保持したことによって、マニホールド2から固定側取付板7、バックアッププレート8、固定側型板9への伝熱を小さくして前記接合面から溶融樹脂が漏れることを防止できる。
さらに、溝状の掘り込み形状部を有するスペーサー18においては、伝熱が小さいためにスペーサー18を比較的大きくでき、このためスペーサー18とマニホールド2、バックアッププレート8および固定側取付板7との接触面積を大きくでき、したがってマニホールド2の水平度など取付け状態を正確に設定することができる。これにより、成形品の品質不良などの問題も防止できる。
しかも、溝状の掘り込み形状部を有するスペーサー18によって、ラジエーター様の作用により伝熱が小さくなることでホットランナー部分の温度分布が崩れることがないために、ホットランナー部の温度分布に関する問題を実稼働前に事前にチェックして、その後の成形作業を安定化させることができ、ホットランナー部の温度分布不良の修正、調整のための無駄な成形テストをなくし、生産性を向上させ、ヒーター4,5,6の無駄な電力の消費を抑えることができる。
しかも、それらを用いて樹脂の充填バランスの不良や部分的な過熱による成形品の変形などを防止して、精度良く、安価かつ高速に成形品を射出成形することができる効果がある。
1 ノズルタッチ部分
2 マニホールド
3 ゲートノズル部分
4 ヒーター
5 ヒーター
6 ヒーター
7 固定側取付板
8 バックアッププレート
9 固定側型板
10 ホットランナー孔
11 キャビティ
12 スペーサーブロック
13 可動側型板
14 スペーサーブロック
15 可動側取付板
16 入れ子
17 取付け孔
18 スペーサー
19 ロケートリング
20 エジェクタピン
21 エジェクタプレート
2 マニホールド
3 ゲートノズル部分
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5 ヒーター
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20 エジェクタピン
21 エジェクタプレート
Claims (3)
- 射出機から供給された溶融樹脂をホットランナー部で加熱しつつキャビティに送る射出成形金型であって、
前記射出機から供給された溶融樹脂を、加熱しながら前記キャビティに送るホットランナー孔を有するマニホールドと、
該マニホールドを両側から挟んで支持する第1及び第2の金型構成部材と、
前記マニホールドを前記第1及び第2の金型構成部材に対して隙間を形成させながら保持するスペーサーであって、前記マニホールドとの接触面に溝状の掘り込み形状部を有するスペーサーと、
を具備することを特徴とする射出成形金型。 - 前記スペーサーは、略円柱形状に形成されており、該円柱形状の一端面である前記マニホールドとの接触面に、放射状に形成された複数の前記溝状の掘り込み形状部を有することを特徴とする請求項1に記載の射出成形金型。
- 前記スペーサーは、ステンレス材料から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の射出成形金型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004150731A JP2005329649A (ja) | 2004-05-20 | 2004-05-20 | 射出成形金型 |
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Cited By (3)
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WO2007143809A1 (en) * | 2006-06-14 | 2007-12-21 | Husky Injection Molding Systems Ltd. | Rail and pillar hot runner |
CN106557620A (zh) * | 2016-11-08 | 2017-04-05 | 广东柳道热流道系统有限公司 | 热流道标准化产品的辅助出图方法 |
KR101811812B1 (ko) | 2015-06-05 | 2017-12-22 | 주식회사 유도 | 대면적 사출성형이 용이한 핫런너 시스템 |
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2004
- 2004-05-20 JP JP2004150731A patent/JP2005329649A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2007143809A1 (en) * | 2006-06-14 | 2007-12-21 | Husky Injection Molding Systems Ltd. | Rail and pillar hot runner |
KR101811812B1 (ko) | 2015-06-05 | 2017-12-22 | 주식회사 유도 | 대면적 사출성형이 용이한 핫런너 시스템 |
CN106557620A (zh) * | 2016-11-08 | 2017-04-05 | 广东柳道热流道系统有限公司 | 热流道标准化产品的辅助出图方法 |
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