JP4703890B2 - 成形用金型の加熱装置及び加熱方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金型を閉じることにより形成されるキャビティ閉空間内への溶融樹脂の充填前に、溶融樹脂が接するキャビティ表面10a及び12aの温度を所望の温度まで上昇させるための成形用金型の加熱装置及び加熱方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図13、図14、図15、図16、図17に従来の成形用金型の加熱装置の概念図をそれぞれ示す。
図13に示されるものは、一般的に用いられている「熱媒体により金型全体を加熱・温調する装置」であって、金型10及び12のキャビティ表面10a及び12a近傍に、熱媒体(水や油など)を循環させる循環流路50が導設されており、循環流路50は、耐熱ホース52を介して熱媒体の温度を所望の温度に調節・制御する金型温調器54に連通している。
次に、これの動作について説明すると、金型温調器54内で所望の温度にまで加熱(または冷却)された熱媒体が、耐熱ホース52を通って循環流路50に圧送される。熱媒体が循環流路50を通過する間に、熱媒体と循環流路50の内壁面との間で熱交換が行なわれ、金型10及び12が熱媒体温度に近い温度に維持される。この熱媒体による加熱は、成形機の成形動作と同期をとらず常時行なわれる。
【0003】
また、図14に示されるものは、「成形直前に高周波誘導加熱で金型表面を選択的に加熱する装置」であって、開いた状態の金型10及び12のキャビティ表面10a及び12a間にインダクタンスコイル56が設置され、インダクタンスコイル56は高周波発振器58と接続されている。
次に、これの動作について説明すると、成形前の金型10及び12を開いた状態にあるときに、インダクタンスコイル56を両キャビティ表面10a及び12a間に挿入する。インダクタンスコイル56に高周波発振器58で生成した高周波の交流電流を印加すると、インダクタンスコイル56から磁束が発生する。この磁束のある空間に金型10及び12があるため、金型10及び12自体が持つ電気抵抗によって損失が生じ、発熱する。この発熱は、交流の周波数が高いほど表層に集中するため、金型10及び12表面(すなわちキャビティ表面10a及び12a)が選択的に加熱される。次に、キャビティ表面10a及び12aが所望の温度まで上昇すると、インダクタンスコイル56を金型10及び12の外に退避させ、この後、金型10及び12を閉じて射出成形が行なわれる。
【0004】
また、図15に示されるものは、「金型表面に導電性薄膜を形成し通電することで加熱する装置」であって、金型10にセラミックなどの絶縁板60を設け、絶縁板60の表面に設置された導電性薄膜62でキャビティ表面10aを構成する。導電性薄膜62にはこれに通電するための電極64が設けられており、電極64は導電性薄膜62に通電する図示してない電源ユニットと電線66により接続されている。
次に、これの動作について説明すると、金型10及び12を閉じることにより形成されるキャビティ閉空間14内に溶融樹脂を射出充填する直前に、導電性薄膜62に通電することで導電性薄膜62をジュール熱発熱させて所望の温度まで加熱する。キャビティ表面10a(すなわち導電性薄膜62)が所望の温度に達した後、キャビティ閉空間14内に溶融樹脂を射出充填する。
【0005】
また、図16に示されるものは、特開平8−197546号公報に示される「金型表面をふく射加熱する装置」であって、金型10及び12には、これらの深部の加熱(または冷却)のために熱媒体(水や油など)を循環させる循環流路68が設けられており、金型10及び12のキャビティ表面10a及び12a間には支持具70に支持された赤外線ランプなどの発熱体72が挿入されている。
次に、これの動作について説明すると、金型10及び12が開いた状態にあるときに、キャビティ表面10a及び12a近傍に発熱体72を挿入し、発熱体72に通電して発熱体72を発熱させ、発熱体72からのふく射伝熱でキャビティ表面10a及び12aを加熱する。キャビティ表面10a及び12aが所望の温度まで上昇すると通電を中止して発熱体72を金型10及び12外に退避させた後、金型10及び12を閉じて溶融樹脂を金型10及び12内に射出充填する。
【0006】
また、図17に示されるものは、「金型表面に断熱膜を被覆して溶融樹脂自身の熱で金型表面を加熱する装置」であって、金型10及び12のキャビティ表面10a及び12aにポリイミドやセラミックスなどの低熱伝導性膜74が被覆されている。
次に、これの動作について説明すると、キャビティ内に高温の溶融樹脂が充填されると、低熱伝導性膜74が溶融樹脂によって暖められ、金型10及び12の内部よりも低熱伝導性膜74(すなわち、キャビティ表面10a及び12a)の温度が高い状態となる。溶融樹脂充填後しばらくすると、低熱伝導性膜74は金型10及び12によって冷却され、その温度はキャビティ内の溶融樹脂を冷却固化させるに十分な温度まで低下する。これをショット毎に繰返す受動的な温度制御法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
成形品の品質(すなわち、寸法、転写製、表面性状、ソリなど)、とりわけ金型10及び12表面状態を高度に転写するには、金型10及び12内に射出充填された溶融樹脂が接するキャビティ表面10a及び12aの温度を高くして、溶融樹脂が金型10及び12に接触して冷却固化するまでの時間を遅延させることが有効である。さらに、高精度な成形品を長時間にわたって安定かつ継続して得るには、成形ショット毎のキャビティ表面10a及び12aの温度レベルを一定に維持することが有効な手段である。しかしながら、上記従来の成形用金型の加熱装置及び加熱方法では、以下のような課題がある。
【0008】
すなわち、図13に示されるものでは、キャビティ表面10a及び12aを暖めるために金型10及び12内に熱媒体を流すため、キャビティ表面10a及び12aだけではなく、金型10及び12全体の温度が高くなってしまう。この結果、溶融樹脂が冷却・固化して成形品として取り出すことができるまでの時間(すなわち、冷却時間)が極端に長くなるため、成形サイクルが長くなり、成形加工コストが高くなるという課題がある。
また、前述のようにキャビティ表面10a及び12aの温度を一定に保つことは成形品の品質に強い影響を及ぼすが、キャビティ表面10a及び12aの温度が、金型10及び12、熱媒体、溶融樹脂、大気及び成形機本体との熱交換の結果としてこれらの要素の相互作用により決まるため、金型温調器54から圧送される熱媒体の温度を一定に制御しても、大気温度など他の温度が変動すると必ずしもキャビティ表面10a及び12aの温度が一定に維持されない。このため、ショット毎の成形品品質を安定に維持できないという課題がある。
【0009】
また、図14に示されるものでは、キャビティ表面10a及び12aの温度を高温にするために、インダクタンスコイル56に印加しなくてはならない交流電流は通常数十〜数百アンペアであり、成形機本体と同等もしくはそれ以上の莫大な電源容量を必要とする。よって、莫大な電源容量に耐えうる場所にしか高周波誘導加熱は適用できないため、使用場所が限定されるという課題がある。また、高周波誘導加熱装置は、高周波発振器58や、各キャビティ表面10a及び12a形状に対応した専用のコイルが必要であるなど高価なものが多く、加えて消費電力などのランニングコストも高くなるため、成形加工コストが高くなるという課題がある。
【0010】
また、図15に示されるものでは、導電性薄膜62に印加する電流は、100mm×20mmの投影面積を有する成形品に対して150A必要であり、大型の成形品に適用しようとするとさらに大電流を印加する必要がある。このため、大容量電源を準備する必要があるとともに、消費電力などのランニングコストが高くなるため、成形加工コストが高くなるという課題がある。
また、現状では導電性薄膜62の耐久性に問題があり、長時間連続での成形に耐えるのが難しいという課題もある。
【0011】
さらには、図16に示されるものでは、ふく射伝熱は被加熱物に対して直線的に伝播する性質があるため、CDやDVDに代表される平面的な形状を有するキャビティ表面10a及び12aに対しては適しているといえるが、リブやボスなどを有する複雑な3次元形状のキャビティ表面10a及び12aに対しては均一な加熱ができないというふく射加熱の原理的な課題を有する。
ふく射加熱する方法の一例として、赤外線ランプの一種であるハロゲンランプを例にとると、光が直接的に照射される場所にある被加熱面(キャビティ表面10a及び12a)は加熱できるが、リブやボスの底部など光が届かない(または届きにくい)場所は加熱効率が大幅に低下する。これにより、一般的な3次元形状のキャビティ表面10a及び12aを有する金型10及び12に対しては、本来、溶融樹脂を充填させたい狭い場所や奥行きのある場所ほど加熱がうまくできないという課題があり、場所によっては、金型10及び12表面状態を十分に転写することができないという場合もある。
また、キャビティ表面10a及び12aに向けて照射された赤外線の何割かは吸収されず(反射して)大気中に散乱するため、省エネの観点からキャビティ表面10a及び12aに赤外線を効率よく吸収する膜を製膜したり、キャビティ表面10a及び12aに何らかの処理(例えば窒化)をするなどが必須といえる。しかし、何れも金型の製造コストの増大を招き、結果として、成形加工コストが増加するという課題が生じる。
【0012】
また、図17に示されるものでは、断熱膜74の耐久性が低いため、長時間の成形に耐えるのは困難であるという課題がある。
さらには、断熱膜74で形成されるキャビティ表面10a及び12aの温度は、互いに対向する金型10及び12と溶融樹脂の温度、断熱膜74の物性とで変化する熱移動の結果として成り行き的に決まるため、キャビティ表面10a及び12aの温度は必ずしも一定に維持されない。このため、ショット毎の成形品品質を一定に維持するのは困難であるという課題がある。
本発明は、このような課題を解決するためのものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような従来の課題を解決するためのものであり、キャビティ閉空間14内の気体を昇圧手段により圧縮して高温とすることによりキャビティ表面10a及び12aを所望の温度にまで加熱して溶融樹脂をキャビティ閉空間14内に射出充填することで、キャビティ表面10a及び12a状態を成形品表面に高精度に転写するとともにショット毎の成形品品質を安定に維持することができる成形用金型の加熱装置及び加熱方法を提供することを目的とする。
【0014】
本発明は、金型(10、12)を閉じた状態にして形成されるキャビティ閉空間(14)内の気体を圧縮することでキャビティ表面(10a、12a)を加熱可能な温度に昇温する昇圧手段(16、40)と、金型(10、12)のパーティング面(12b)、キャビティ閉空間(14)に充填される溶融樹脂の流路であるスプル部(18)、及びキャビティ表面(12a)に連通し成形品を押し出すエジェクタピン(20)からの気体の漏れをそれぞれ防止する漏れ防止手段(22、24、26)と、を有する。
【0015】
記キャビティ表面(10a、12a)近傍の温度を検出する温度検出手段(28)と、所望のキャビティ表面(10a、12a)の温度を設定する所望温度設定手段(30)と、温度検出手段(28)により検出された検出温度と、所望温度設定手段(30)によりあらかじめ設定された所望温度とを比較して、検出温度と所望温度とが一致したかどうかを判断する判断手段(32)と、を有し、検出温度が所望温度に一致した時点で、キャビティ閉空間(14)内に溶融樹脂を充填するように構成されていることを特徴とするものである。
【0016】
また、前記キャビティ閉空間(14)内の気体の圧力を検出する圧力検出手段(34)と、所望のキャビティ閉空間(14)内の圧力を設定する所望圧力設定手段(36)と、圧力検出手段(34)により検出された検出圧力と、所望圧力設定手段(36)により設定された所望圧力とを比較して、検出圧力が所望圧力以上であるかどうかを判断する判断手段(32)と、該判断手段(32)において、検出圧力が所望圧力以上であると判断された場合に、キャビティ閉空間(14)内の圧力の開放を行う圧力開放手段(38)と、を有していることを特徴とするものである。
【0017】
また、前記昇圧手段(16、40)を複数有するとともに、キャビティ閉空間(14)とそれぞれの昇圧手段(16、40)とを連通させる流路を切換える流路切換手段(42)を有し、該流路切換手段(42)を切換えることにより、複数の昇圧手段(16、40)により連続してキャビティ閉空間(14)内の気体を圧縮することが可能なように構成されていることを特徴とするものである。
【0018】
また、成形機シリンダ(44)からの熱で前記昇圧手段(16、40)内の気体を予備加熱することが可能なように構成されていることを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明は、金型(10、12)を閉じた状態にして形成されるキャビティ閉空間(14)内の気体を圧縮することでキャビティ表面(10a、12a)を加熱可能な温度に昇温する昇圧手段(16、40)と、金型(10、12)のパーティング面(12b)、キャビティ閉空間(14)に充填される溶融樹脂の流路であるスプル部(18)、及びキャビティに連通し成形品を押し出すエジェクタピン(20)からの気体の漏れをそれぞれ防止する漏れ防止手段(22、24、26)と、を有し、漏れ防止手段(22、24、26)によりキャビティ閉空間(14)を気密空間にし、昇圧手段(16、40)によりキャビティ閉空間(14)内の気体を圧縮することで高温にして、その高温気体によりキャビティ表面(10a、12a)を加熱する。
【0020】
記キャビティ表面(10a、12a)近傍の温度を検出する温度検出手段(28)と、所望のキャビティ表面(10a、12a)の温度を設定する所望温度設定手段(30)と、温度検出手段(28)により検出された検出温度と、所望温度設定手段(30)によりあらかじめ設定された所望温度とを比較して、検出温度と所望温度とが一致したかどうかを判断する判断手段(32)と、を有し、該判断手段(32)が検出温度が所望温度に一致したと判断した場合、キャビティ閉空間(14)内に溶融樹脂を充填することを特徴とするものである。
【0021】
また、前記キャビティ閉空間(14)内の気体の圧力を検出する圧力検出手段(34)と、所望のキャビティ閉空間(14)内の圧力を設定する所望圧力設定手段(36)と、圧力検出手段(34)により検出された検出圧力と、所望圧力設定手段(36)により設定された所望圧力とを比較して、検出圧力が所望圧力以上であるかどうかを判断する判断手段(32)と、キャビティ閉空間(14)内の圧力を開放可能な圧力開放手段(38)と、を有しており、判断手段(32)において、検出圧力が所望圧力以上であると判断された場合に、検出圧力が所望圧力以下になるように、圧力開放手段(38)によりキャビティ閉空間(14)内の圧力の開放を行うことを特徴とするものである。
【0022】
また、前記昇圧手段(16、40)を複数有するとともに、キャビティ閉空間(14)とそれぞれの昇圧手段(16、40)とを連通させる流路を切換える流路切換手段(42)を有し、該流路切換手段(42)により複数の昇圧手段(16、40)とキャビティ閉空間(14)とを連続して切換え、キャビティ閉空間(14)内の気体を複数の昇圧手段(16、40)により連続して圧縮することを特徴とするものである。
【0023】
また、成形機シリンダ(44)からの熱で前記昇圧手段(16、40)内の気体を予備加熱することを特徴とするものである。
なお、上記かっこ内の符号は、後述する実施の形態の対応する部材を示す。
【0024】
【作用】
図7に示される実験装置で本発明の基本原理を説明する。
金型のキャビティ閉空間を模擬した空間を形成可能な容器10及び12のうち一方の容器10の図中下方は、圧力伝播路15を介して昇圧手段の一例となるピストン16と連通している。圧力伝播路15の途中には容器内(すなわち、キャビティ閉空間に相当)14の圧力を検出する圧力計34が設置されている。他方の容器12には、容器内14の気体の温度を検出す熱電対28aと、容器12の内壁面近傍の温度を検出する熱電対28b及び28dがそれぞれ設けられている。
【0025】
本実験装置で、容器10及び12を密閉した状態で加圧したときの容器内14の空気の圧力と温度を図8に示す。空気を約0.43MPaまで加圧すると、容器内の気体の温度は約7℃上昇し、本発明の構成によって閉空間内の気体の温度を上昇させることが可能であることが確認できる。
【0026】
このときの容器10及び12の内壁面10a及び12aの温度変化を図9に示す。内壁面から2mmの位置では約0.08℃の温度上昇となり、容器10及び12の内壁面10a及び12a表層(これらは、キャビティ表面10a及び12aに相当する。)のみの温度を選択的に高くすることが可能であることが確認できる。
【0027】
次に、図10に、図9に比べて気体の圧縮をゆっくり行った場合の容器内壁面10a及び12aの温度変化を示す。図9に比べて明らかに内壁面の温度上昇幅が少ないことから、圧縮速度が加熱量を調節できるパラメータの一つであることがわかる。
【0028】
また、図11に、圧縮速度を一定にして、圧縮量を変えながら加熱を行う場合の容器内14の空気の圧力比(圧縮圧力P/初期圧力P0 )と温度比(圧縮後の温度T/圧縮前の初期温度T0 )の関係を示す。圧縮圧力を高くすることで、容器内14の空気の温度が高くなることがわかる。
【0029】
同様に、図12に、容器内壁面10a及び12aについて圧力比と温度比の関係を示すと、圧縮量を多くすることで内壁面10a及び12aの温度が高くなることが確認できる。これにより、圧縮量が加熱量を調節できるパラメータであることがわかる。
【0030】
以上の結果から、閉空間の気体を圧縮・高温にしてキャビティ表面10a及び12aを加熱することができることは明らかであり、本発明の基本原理は妥当なものと判断できる。また、圧縮量や圧縮速度を変えることで加熱量を調節できることも前記結果から明らかといえる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の第1の実施の形態を図により説明する。
図1に第1の実施の形態の成形用金型の加熱装置の概念図を示す。
なお、従来技術で説明した構成と同様の機能を有する部分に関しては同一符号を付してある。
【0032】
固定側金型(金型)10と可動側金型(金型)12とを閉じた状態にして形成されるキャビティ閉空間14に連通路15を介してピストン(昇圧手段)16が接続されており、ピストン16はキャビティ閉空間14内の気体を圧縮可能である。可動側金型12のパーティング面12bにはOリング(漏れ防止手段)22が、また、キャビティ表面12aに連通し成形品を押し出すエジェクタピン20にはOリング(漏れ防止手段)26がそれぞれ設けられており、Oリング22及び26は、パーティング面12b及びエジェクタピン20を通ってキャビティ閉空間14から気体が漏れることをそれぞれ防止可能である。また、キャビティ閉空間14に充填される溶融樹脂の流路であるスプル部18には、流路を開閉することが可能な流路開閉装置(漏れ防止手段)24が設けられており、流路開閉装置24により流路を開くと、流路開閉装置24及びスプル部18を通ってキャビティ閉空間14に溶融樹脂が充填され、流路開閉装置24を閉じると、完全な気密空間が形成される。
【0033】
次に、第1の実施の形態の動作について説明すると、固定側金型10及び可動側金型12を閉じてキャビティ閉空間14を構成するとき、Oリング22により金型10及び12のパーティング面10b及び12bの気密性が保たれるとともに、Oリング26によりエジェクタピン20の周りの気密性が保たれる。この後、流路開閉装置24を閉じてキャビティ閉空間14を完全な気密空間に形成し、ピストン16を駆動すると、キャビティ閉空間14及び連通路15内の気体が圧縮されて高温となり、高温となった気体からキャビティ表面10a及び12aに熱が伝わることでキャビティ表面10a及び12a近傍(表層)が加熱され、図示してない熱媒体などを流すことで一定の温度に保たれている金型10及び12深部に比べて高温になる。
キャビティ表面10a及び12aを所望の温度まで加熱した時点で流路開閉装置24を開き、流路開閉装置24及びスプル部18を介してキャビティ閉空間14内に溶融樹脂を射出充填する。キャビティ表面10a及び12aでの溶融樹脂の冷却・固化に要する時間が加熱していない場合に比べて長くなるため、キャビティ表面10a及び12aの状態を成形品表面に精密に転写することができる。
また、高温気体によってキャビティ閉空間14からキャビティ表面10a及び12aのみを加熱する方法であるため、熱媒体によって温調されている金型10及び12深部の温度は加熱されたキャビティ表層よりも低い温度に保たれている。このように、キャビティ表面10a及び12aのみを加熱するため、加熱終了後のキャビティ表面10a及び12a温度は迅速に金型10及び12深部の温度まで低下する。したがって、成形品の冷却・固化時間は加熱していない場合に比べれば若干長くはなるが、ほとんど延びることなくキャビティ表面10a及び12a状態を成形品表面に精密に転写することができる。
【0034】
図2に第2の実施の形態の成形用金型の加熱装置の概念図を示す。
これは第1の実施の形態と下記の構成が異なるものであり、その他の構成は第1の実施の形態と同様であるため、同じ符号を付し、説明を省略する。
固定側金型10にはキャビティ表面10a近傍の温度を検出する温度検出手段28が設けられており、温度検出手段28により検出された検出温度は制御装置(判断手段)32に入力される。制御装置32には、所望のキャビティ表面10a及び12aの温度をあらかじめ設定する所望温度設定手段30からの信号も入力され、制御装置32は、所望温度設定手段30によりあらかじめ設定された所望温度と検出温度とを比較して、検出温度と所望温度とが一致したかどうかを判断し、検出温度が所望温度に一致した時点で、溶融樹脂を射出充填するための射出開始信号を図示してない成形機に送る。また、制御装置32は、検出温度と所望温度とを比較した値に基づいて気体の圧縮方法(すなわち、圧縮率や圧縮速度)を変更する信号をピストン16に送る。
【0035】
次に、第2の実施の形態の動作について説明するが、下記の部分以外は第1の実施の形態と同様の動作を有する。
固定側金型10と可動側金型12とを閉じて形成されたキャビティ閉空間14内の気体を圧縮する際に、温度検出手段28によりキャビティ表面10a温度を検出して、これを制御装置32に入力する。制御装置32では、検出温度と所望温度とを比較して、この比較値を基に気体の圧縮方法を変更する信号をピストン16に送り、ピストン16はこの信号に基づいて駆動速度を変更する。このように圧縮されて昇温された気体によりキャビティ表面10a温度が上昇して検出温度と所望温度とが一致した時点で、制御装置32は成形機へ射出開始信号を送り、キャビティ閉空間14内に溶融樹脂が射出充填される。
このように、気体の圧縮方法を自動調節するとともに、キャビティ表面10a及び12aの温度を検出して所望温度になった時点で溶融樹脂を射出充填するため、成形ショット毎の溶融樹脂充填直前のキャビティ表面10a及び12a温度を一定に保つことができ、成形ショット毎の成形品品質のばらつきを抑制することができる。
【0036】
図3に第3の実施の形態の成形用金型の加熱装置の概念図を示す。
これは第2の実施の形態と下記の構成が異なるものであり、その他の構成は第2の実施の形態と同様であるため、同じ符号を付し、説明を省略する。
固定側金型10には、キャビティ閉空間14内の気体の圧力を検出する圧力検出手段34と、キャビティ閉空間14に連通してキャビティ閉空間14内の圧力を開放可能な圧力開放手段38と、が設けられている。圧力検出手段34により検出された検出圧力は制御装置32に入力される。また、制御装置32には、所望圧力設定手段36により設定されたキャビティ閉空間14内の所望圧力も入力されており、検出圧力と所望圧力とを比較して、検出圧力が所望圧力以上であるかどうかを判断し、検出圧力が所望圧力以上であると判断された場合に、圧力開放手段38にキャビティ閉空間14内の圧力の開放を行う信号を送る。
【0037】
次に、第3の実施の形態の動作について説明するが、第2の実施の形態と同様の部分に関しては説明を省略する。
固定側金型10と可動側金型12とを閉じて形成されたキャビティ閉空間14内の気体を圧縮する際に、キャビティ閉空間14内の圧力を圧力検出手段34により逐次検出し、制御装置32が検出圧力と所望圧力とを比較し、この比較結果に応じて圧力開放手段38に圧力開放量を送る。これにより圧力開放手段38ではキャビティ閉空間14内の圧力を指示された量だけ開放する。
キャビティ閉空間14を昇圧したまま密閉して溶融樹脂を充填すると、充填に伴ってキャビティ閉空間14内の気体が角に追いやられることで更に圧縮されて高温となり、これに接する樹脂が焼けたり変色したりするなどの外観不良を引き起こす場合があるが、第3の実施の形態では、キャビティ閉空間14内の圧力が所望圧力を越えないように逐次圧力を開放することができるので、樹脂が焼けたり変色したりするなどの外観不良を回避することができる。
【0038】
図4に第4の実施の形態の成形用金型の加熱装置の概念図を示す。
これは第3の実施の形態と下記の構成が異なるものであり、その他の構成は第3の実施の形態と同様であるため、同じ符号を付し、説明を省略する。
ピストン16に加えてピストン(昇圧手段)40も設け、それぞれのピストン16及び40を流路切換弁(流路切換手段)42を介して連通路15に連通させる。制御装置32からは、気体の圧縮方法を変更する信号がピストン16及び40にそれぞれ送られるとともに、流路切換弁42に流路を切換える信号が送られる。
【0039】
次に、第4の実施の形態の動作について説明するが、第3の実施の形態と同様の部分に関しては説明を省略する。
固定側金型10と可動側金型12とを閉じて形成されたキャビティ閉空間14内の気体を圧縮する際に、検出温度が所望温度に到達するまで、流路切換弁42が制御装置32からの信号に基づき、連通路15と連通するピストン16又は40を切換える。また、連通路15と連通したピストン16又は40は、制御装置32からの信号に基づき駆動速度を変えながら駆動し、連続的に気体を加圧する。所望温度に到達した時点で、溶融樹脂をキャビティ閉空間14内に射出充填する。
このように、連続してキャビティ閉空間14内の気体を圧縮することができるため、鋼などの金属材料で構成される金型10及び12に比べて熱容量が小さいキャビティ閉空間14内の気体でも充分に加熱することができる。
【0040】
図5に第5の実施の形態の成形用金型の加熱装置の概念図を示す。
これは第3の実施の形態と下記の構成が異なるものであり、その他の構成は第3の実施の形態と同様であるため、同じ符号を付し、説明を省略する。
ピストン16を成形機のシリンダ44の近傍に設置し、シリンダ44の廃熱を利用してピストン16内の気体を予備加熱する。
【0041】
次に、第5の実施の形態の動作について説明するが、第3の実施の形態と同様の部分に関しては説明を省略する。
固定側金型10と可動側金型12とを閉じて形成されたキャビティ閉空間14内の気体を圧縮する際に、ピストン16内の気体をシリンダ44の廃熱を利用して予備加熱し、キャビティ閉空間14内に加熱された気体を挿入して圧縮する。
これにより、予備加熱していない気体を用いてキャビティ閉空間14内の温度を上昇させるよりも、同じ条件下でより高い温度に到達させることができる。
【0042】
図6に第6の実施の形態の成形用金型の加熱装置の概念図を示す。
これは第2の実施の形態と下記の構成が異なるものであり、その他の構成は第2の実施の形態と同様であるため、同じ符号を付し、説明を省略する。
キャビティ閉空間14内に密閉する気体は、圧縮して温度が上昇する気体であればいかなる気体でもよいため、ピストン16に気体を封入したボンベ17を接続する。
【0043】
次に、第6の実施の形態の動作について説明するが、第2の実施の形態と同様の部分に関しては説明を省略する。
固定側金型10と可動側金型12とを閉じて形成されたキャビティ閉空間14内の気体を圧縮する際に、ピストン16内の気体をボンベ17で置換した後に圧縮する。
【0044】
なお、第1〜第6の実施の形態で昇圧手段の例として示したピストンの前後方向の駆動方法は、油圧駆動の成形機であれば油圧シリンダ、電動式の成形機であれば電動モータとボールネジとの組み合わせなど、それぞれ既存の駆動源を活用すれば比較的小規模な改造で駆動する機構を実現でき、別途の駆動源を用意するといった手間も回避できる。
また、ピストン16及び40を、コンロッドや公知のリンク機構を介して前後動させてもよい。
さらには、流路開閉装置24として回転式の弁を使用したが、流路を開閉できれば他の形態をとっていてもよく、また、成形機シリンダのノズルをシャットオフノズルとして密閉構造を形成してもよい。
【0045】
また、第3〜第5の実施の形態において、圧力検出手段34により検出された検出圧力と所望圧力とを比較して制御装置32から出力された信号に基づき圧力開放量を調節する圧力開放手段38を用いたが、これに限らず、圧力開放手段38として、一定の圧力に達した時点で圧力開放するようなリリーフ弁を用いてもよい。この場合、構成が簡素化されると同時に制御装置が不要となり、コスト低減につながる。
【0046】
また、前記第5の実施の形態において、シリンダ44近傍にヒートパイプなどを付設し、ピストン16まで熱移動させて気体を加熱するという構成にすることもできる。
【0047】
また、前記第1〜第6の実施の形態において、連通路15をリボンヒータなどの加熱手段によって加熱して、キャビティ閉空間14内の圧縮された高温気体が冷却されないようにすることが望ましい。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のうち請求項1記載の発明は、高温気体によってキャビティ閉空間(14)からキャビティ表面(10a及び12a)のみを加熱する方法であるため、加熱終了後のキャビティ表面(10a及び12a)温度は迅速に金型深部の温度まで低下する。したがって、成形品の冷却・固化時間は加熱していない場合に比べても、ほとんど延ばすことなくキャビティ表面(10a及び12a)状態を成形品表面に高度且つ精密に転写することができる。
【0049】
また、キャビティ閉空間(14)内の気体を圧縮・高温にするため、キャビティ表面(10a及び12a)がリブやボス、又は微細形状部を多く有しているような複雑3次元形状であっても、キャビティ表面(10a及び12a)を均一に加熱できるという従来法では達成できなかった利点を有する。
【0050】
また、キャビティ表面(10a及び12a)に導電性膜、断熱性膜又は赤外線吸収膜などの特殊な製膜やコーティングを行う必要がないため、膜の耐久性の観点から長時間連続成形が困難になるといった問題も生じない。
【0051】
さらには、昇圧手段(16、40)として、ピストンーシリンダやコンプレッサーなどごく一般的に知られている装置を使用してよいため、従来のような高周波誘導加熱や導電性薄膜のように大容量電源装置を必要としない。これにより、設置場所に制約を受けたり、消費電力などのランニングコストが高額になったりするという課題を回避することができる。
【0052】
また、本発明のうちで請求項2記載の発明は、キャビティ表面(10a及び12a)の温度を検出して所望温度になった時点で溶融樹脂を射出充填するため、キャビティ表面(10a及び12a)状態を成形品に高精度に転写することができるとともに、成形ショット毎の溶融樹脂充填直前のキャビティ表面(10a及び12a)温度を一定に保つことができるため、成形ショット毎の成形品品質のばらつきを抑制し、成形品品質を安定に維持することができる。
【0053】
また、本発明のうちで請求項3記載の発明は、圧力開放手段(38)により、キャビティ閉空間(14)内の圧力が所望圧力を越えないように逐次圧力を開放することができる。このため、キャビティ閉空間(14)を昇圧したまま密閉して溶融樹脂を充填することにより発生する不具合、すなわち、充填に伴ってキャビティ閉空間(14)内の気体が隅に追いやられることで更に圧縮されて高温となり、これに接する樹脂が焼けたり変色したりするなどの外観不良を回避することができる。
【0054】
また、本発明のうちで請求項4記載の発明は、流路切換手段(42)により複数の昇圧手段(16、40)を昇圧中に切換えることができるので、連続してキャビティ閉空間(14)内の気体を圧縮することができ、鋼などの金属材料で構成される金型(10、12)に比べて熱容量が小さいキャビティ閉空間(14)内の気体でも充分に加熱することができる。
【0055】
また、本発明のうちで請求項5記載の発明は、昇圧手段(16、40)内の気体を成形機シリンダ(44)からの熱により予備加熱することができるので、昇圧後のキャビティ閉空間(14)内の気体の温度をより高温にすることができ、キャビティ表面(10a及び12a)の加熱をより迅速に行うことができる。これにより、成形品品質の高精度化とともに、キャビティ表面(10a及び12a)加熱のために印加したエネルギーが大気中に散逸するといったエネルギーのロスが少なく、廃熱の有効利用・省エネルギー化といった観点でも好適な効果がある。
【0056】
また、本発明のうちで請求項6記載の発明は、圧縮されて高温になった気体によりキャビティ閉空間(14)からキャビティ表面(10a及び12a)のみを加熱することができる
【0057】
また、本発明のうちで請求項7記載の発明は、キャビティ表面(10a及び12a)の温度を検出し、検出温度が所望温度になった時点で溶融樹脂を射出充填することができるため、最適な温度で射出充填を行うことができる。
【0058】
また、本発明のうちで請求項8記載の発明は、キャビティ閉空間(14)内の圧力を検出して、検出圧力が所望圧力を越えないように圧力開放手段(38)により、逐次圧力を開放することができるので、キャビティ閉空間(14)を常時所望圧力に保つことができる。
【0059】
また、本発明のうちで請求項9記載の発明は、流路切換手段(42)により複数の昇圧手段(16、40)を昇圧中に切換えることができるので、連続してキャビティ閉空間(14)内の気体を圧縮することができる。
【0060】
また、本発明のうちで請求項10記載の発明は、成形機シリンダ(44)からの熱により予備加熱された気体を用いてキャビティ閉空間(14)内の気体を昇圧することができるので、キャビティ閉空間(14)内の気体の温度を、迅速に高温にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の成形用金型の加熱装置の概略図である。
【図2】第2の実施の形態の成形用金型の加熱装置の概略図である。
【図3】第3の実施の形態の成形用金型の加熱装置の概略図である。
【図4】第4の実施の形態の成形用金型の加熱装置の概略図である。
【図5】第5の実施の形態の成形用金型の加熱装置の概略図である。
【図6】第6の実施の形態の成形用金型の加熱装置の概略図である。
【図7】本発明による加熱原理の妥当性を検討した装置構成図である。
【図8】容器を密閉した状態で加圧したときの容器内空気の圧力と温度との関係を示す図である。
【図9】容器内壁面の温度変化を示す図である。
【図10】図9に示されるものに比べて気体の圧縮をゆっくり行った場合の容器内壁面の温度変化を示す図である。
【図11】圧縮速度を一定にして圧縮量を変えながら加熱を行った場合の、容器内空気の圧力比と温度比との関係を示す図である。
【図12】容器内壁面について圧力比と温度比との関係をまとめた図である。
【図13】従来の熱媒体により金型全体を加熱・温調する装置の概略図である。
【図14】従来の成形直前に高周波誘導加熱で金型表面を選択的に加熱する装置の概略図である。
【図15】従来の金型表面に導電性被膜を形成し通電することで加熱する装置の概略図である。
【図16】従来の金型表面をふく射加熱する装置の概略図である。
【図17】従来の金型表面に断熱膜を被覆して溶融樹脂自身の熱で金型表面を加熱する装置の概略図である。
【符号の説明】
10 固定側金型(金型)
10a キャビティ表面
12 可動側金型(金型)
12a キャビティ表面
12b パーティング面
14 キャビティ閉空間
16 ピストン(昇圧手段)
18 スプル部
20 エジェクタピン
22、26 Oリング
24 流路開閉装置

Claims (8)

  1. 金型(10、12)を閉じた状態にして形成されるキャビティ閉空間(14)内の気体を圧縮することでキャビティ表面(10a、12a)を加熱可能な温度に昇温する昇圧手段(16、40)と、金型(10、12)のパーティング面(12b)、キャビティ閉空間(14)に充填される溶融樹脂の流路であるスプル部(18)、及びキャビティ表面(12a)に連通し成形品を押し出すエジェクタピン(20)からの気体の漏れをそれぞれ防止する漏れ防止手段(22、24、26)と、前記キャビティ表面(10a、12a)近傍の温度を検出する温度検出手段(28)と、所望のキャビティ表面(10a、12a)の温度を設定する所望温度設定手段(30)と、温度検出手段(28)により検出された検出温度と、所望温度設定手段(30)によりあらかじめ設定された所望温度とを比較して、検出温度と所望温度とが一致したかどうかを判断する判断手段(32)と、を有し、検出温度が所望温度に一致した時点で、キャビティ閉空間(14)内に溶融樹脂を充填するように構成されていることを特徴とする成形用金型の加熱装置。
  2. 前記キャビティ閉空間(14)内の気体の圧力を検出する圧力検出手段(34)と、所望のキャビティ閉空間(14)内の圧力を設定する所望圧力設定手段(36)と、圧力検出手段(34)により検出された検出圧力と、所望圧力設定手段(36)により設定された所望圧力とを比較して、検出圧力が所望圧力以上であるかどうかを判断する判断手段(32)と、該判断手段(32)において、検出圧力が所望圧力以上であると判断された場合に、キャビティ閉空間(14)内の圧力の開放を行う圧力開放手段(38)と、を有していることを特徴とする請求項1記載の成形用金型の加熱装置。
  3. 前記昇圧手段(16、40)を複数有するとともに、キャビティ閉空間(14)とそれぞれの昇圧手段(16、40)とを連通させる流路を切換える流路切換手段(42)を有し、該流路切換手段(42)を切換えることにより、複数の昇圧手段(16、40)により連続してキャビティ閉空間(14)内の気体を圧縮することが可能なように構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の成形用金型の加熱装置。
  4. 成形機シリンダ(44)からの熱で前記昇圧手段(16、40)内の気体を予備加熱することが可能なように構成されていることを特徴とする請求項1からのうちいずれか記載の成形用金型の加熱装置。
  5. 金型(10、12)を閉じた状態にして形成されるキャビティ閉空間(14)内の気体を圧縮することでキャビティ表面(10a、12a)を加熱可能な温度に昇温する昇圧手段(16、40)と、金型(10、12)のパーティング面(12b)、キャビティ閉空間(14)に充填される溶融樹脂の流路であるスプル部(18)、及びキャビティに連通し成形品を押し出すエジェクタピン(20)からの気体の漏れをそれぞれ防止する漏れ防止手段(22、24、26)と、前記キャビティ表面(10a、12a)近傍の温度を検出する温度検出手段(28)と、所望のキャビティ表面(10a、12a)の温度を設定する所望温度設定手段(30)と、温度検出手段(28)により検出された検出温度と、所望温度設定手段(30)によりあらかじめ設定された所望温度とを比較して、検出温度と所望温度とが一致したかどうかを判断する判断手段(32)と、を有し、漏れ防止手段(22、24、26)によりキャビティ閉空間(14)を気密空間にし、昇圧手段(16、40)によりキャビティ閉空間(14)内の気体を圧縮することで高温にして、その高温気体によりキャビティ表面(10a、12a)を加熱し、前記判断手段(32)が検出温度が所望温度に一致したと判断した場合、キャビティ閉空間(14)内に溶融樹脂を充填することを特徴とする成形用金型の加熱方法。
  6. 前記キャビティ閉空間(14)内の気体の圧力を検出する圧力検出手段(34)と、所望のキャビティ閉空間(14)内の圧力を設定する所望圧力設定手段(36)と、圧力検出手段(34)により検出された検出圧力と、所望圧力設定手段(36)により設定された所望圧力とを比較して、検出圧力が所望圧力以上であるかどうかを判断する判断手段(32)と、キャビティ閉空間(14)内の圧力を開放可能な圧力開放手段(38)と、を有しており、判断手段(32)において、検出圧力が所望圧力以上であると判断された場合に、検出圧力が所望圧力以下になるように、圧力開放手段(38)によりキャビティ閉空間(14)内の圧力の開放を行うことを特徴とする請求項記載の成形用金型の加熱方法。
  7. 前記昇圧手段(16、40)を複数有するとともに、キャビティ閉空間(14)とそれぞれの昇圧手段(16、40)とを連通させる流路を切換える流路切換手段(42)を有し、該流路切換手段(42)により複数の昇圧手段(16、40)とキャビティ閉空間(14)とを連続して切換え、キャビティ閉空間(14)内の気体を複数の昇圧手段(16、40)により連続して圧縮することを特徴とする請求項5又は6記載の成形用金型の加熱方法。
  8. 成形機シリンダ(44)からの熱で前記昇圧手段(16、40)内の気体を予備加熱することを特徴とする請求項からのうちいずれか記載の成形用金型の加熱方法。
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