JP3393079B2 - 軽金属射出成形方法 - Google Patents
軽金属射出成形方法Info
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Description
法に関するものである。
合金などの軽金属を射出成形する方法として、ダイカス
ト法、チクソモールディング法が挙げられる。両方法と
も、所定の溶融状態にまで加熱された溶湯を金型キャビ
ティ内に高速で充填して成形品を得るものである。溶湯
温度は合金の種類によっても異なるがおよそ600℃程
度であり、他方、金型のキャビティ表面は約150℃〜
250℃とされている。従って、溶湯と金型キャビティ
表面の温度差は極めて大きなものとなり、金型キャビテ
ィ内に流入した溶湯は数ms〜数十msという短時間の
内に凝固し流動を停止する。そして、溶湯がキャビティ
を充填完了する前に凝固、流動停止した場合には、充填
不良あるいはウエルドなどの成形欠陥が発生する。従っ
て、このような成形欠陥を抑制するためには、溶湯の凝
固時間を長くすること、すなわち溶湯と金型のキャビテ
ィ表面との温度差を小さくすることが重要であり、その
一つの方法として金型のキャビティ表面の温度を上げる
ことが有効である。
の二つの方法が挙げられる。一つは、金型内部に電気ヒ
ータと温度測定用の熱電対を内蔵するものであり、熱電
対による温度測定結果と設定温度との差からPID制御
などによりヒータ操作量を決定して、任意の電圧あるい
は時間、ヒータに通電することによって金型を設定温度
とする。もう一つは、金型内部に流路を設置して、その
中を150℃〜300℃に加熱された熱媒体油を循環さ
せることによって金型を一定の温度に保持する。なお、
これらの金型加熱方法は、金型のキャビティのみならず
主型をも含む金型全体を一定の温度に保持している。
度を上げることは、成形欠陥を抑制する上で有効な手段
である。凝固解析により、金型のキャビティ内での溶湯
の凝固時間を計算した結果を図3に示す。この図によれ
ば、金型のキャビティ表面の温度を350℃〜400℃
まで上げることによつて、溶湯の凝固時間は現状よりも
1.5〜3倍長くなる。従って、キャビティ表面の温度
を上げれば、凝固時間が長くなり、成形欠陥の発生率を
減少させることができる。さらに、凝固時間が長くなる
と、同一の成形品をより小さな射出率で成形することが
でき、より低い射出速度あるいは小型の成形機で成形す
ることができる。
た加熱方法で金型温度を350℃〜400℃まで上げる
と、次のような弊害を生じる。 (a)金型の摺動部分のかじり、または焼付き(スライ
ドコア、エジェクタピンなど) (b)キャビティ表面の離型剤のはじき (c)突き出し時の成形品の変形 上記(a)は金型全体を高温度にすることによって生じ
るものであり、金型の温度むらに起因した摺動部品間の
熱膨張差により発生する。(b)は水溶性の離型剤をキ
ャビティ表面に塗布した時に、離型剤がキャビティ表面
に液膜を形成することなく瞬時に沸騰、蒸発してしま
い、離型剤を有効に塗布することができない現象であ
る。この結果、成形品はキャビティ表面から離型不能と
なり、変形などの欠陥が発生する。(b)はマグネシウ
ム合金あるいはアルミニウム合金などの軽金属が高温度
での強度に乏しいので、突き出し時に成形品が変形す
る。
になされたものであって、成形金型の金型温度による成
形品の欠陥の発生率を低くすることができる軽金属射出
成形方法を提供することを課題とする。
ためには、金型全体の温度を従来の技術で述べたように
上げるのではなく、溶湯と直接接触する金型のキャビテ
ィ表面の温度のみを上げることが必要となる。すなわ
ち、溶湯の射出直前に金型のキャビティ表面を所定の温
度にまで上昇させ、射出充填後の冷却時間中に突き出し
可能な温度まで表面を冷却すれば、上記問題点を克服で
きる。具体的には、溶湯の射出直前に型開き状態にある
固定型と可動型の間に誘導加熱用のコイルを挿入して、
そのコイルを固定型と可動型のキャビティ表面に近接さ
せた状態で通電する。これによって、金型内に渦電流を
発生させ、キャビティ表面の温度を短時間で上昇させ
る。
づき図面を参照して説明する。
面4の温度調節に用いられる装置は、金型5のキャビテ
ィ表面4を直接加熱するために使用する誘導加熱用電源
6、コイル3、このコイル3を移動させる図示しないエ
アシリンダ等と、金型5のキャビティ表面4を予熱、冷
却するために使用する熱媒体油温度調節器7、切換用電
磁弁8等から構成される。
法および該方法を用いた軽金属射出成形方法について、
図1の(a)〜(d)に基づき、図2のフローチャート
を参照して説明する。 (a)熱媒体油の循環を開始し、金型5のキャビティ表
面4の温度が、200℃程度の時に、離型剤噴霧装置1
2からキャビティ表面4に向けて離型剤を噴霧する(ス
テップS1)。 (b)その後、溶湯の射出直前に、型開き状態にある固
定型1と可動型2の間に誘導加熱用のコイル3を挿入し
(ステップS2)、キャビティ表面4に近接する位置で
固定する。そして、このコイル3に誘導加熱用電源6か
ら適当な周波数の交流電流を通電し金型5内部に渦電流
を発生させて、キャビティ表面4から0〜5mm浸透し
た位置を直接加熱する(ステップS3)。この時、キャ
ビティ表面4から1mmの深さの位置に熱電対9を設置
しておき、その測定値が350℃〜400℃に上昇する
まで1〜30秒程度加熱する。加熱完了後速やかにコイ
ル3を金型5外ヘ移動させる(ステップS4,S5)。 (c)次いで、型閉じ、型締め、射出、保圧動作を行う
(ステップS6,S7)。保圧動作完了後の冷却工程中
に、金型5に内設された流路10に200℃程度の熱媒
体油を循環させてキャビテイ表面4および成形品11を
冷却する(ステップS8)。 (d)そして、前記した熱電対9による温度指示値が、
150℃〜250℃程度に低下したところで型を開き、
成形品11の突き出し動作を行い(ステップS9)、熱
媒体油の循環を停止して金型5の冷却を停止する(ステ
ップS10)。 以上の動作を繰り返して、キャビテイ表面4の温度を制
御しながら成形を行う。
て、マグネシウム合金のAZ91Dを使用してパソコン
ケースを従来の金型加熱方法(金型温度220℃)で成
形したところ、オーバフロー側に充填不良による成形欠
陥が多数発生し、この時の不良率は約50%であった。
そこで、本発明の方法で、射出直前の金型5のキャビテ
ィ表面4の温度を350℃にし成形したところ、充填不
良が改善されて、成形欠陥が減少し、不良率は5%に減
少した。
熱媒体油を循環することによって行っているが、カート
リッジヒータを埋設することによって行ってもよい。ま
た、上記実施例では、金型の冷却は、上記熱媒体油によ
って行っているが、金型内に冷却水あるいは冷却ガスな
どを循環することによって行ってもよい。金型の予熱に
カートリッジヒータを使用する場合は、金型内に熱媒体
油又は冷却水若しくは冷却ガスなどを循環することによ
って行う。なお、金型内に冷却水あるいは冷却ガスなど
を循環する場合、別途、金型内に冷却回路を設ける必要
がある。すなわち、金型の予熱手段と冷却手段は、同一
の場合と別個の場合がある。
れているので、次のような効果を得ることができる。 (a)溶湯を射出する直前の金型のキャビティ表面の温
度が高いために、溶湯の凝固時間が長くなり、成形欠陥
の発生率を低くすることができる。 (b)金型全体の温度は、200℃程度に維持できるの
で各部は摺動可能であり、離型剤を噴霧する時のキャビ
ティ表面の温度も200℃程度であるから、離型剤のは
じきの問題も生じない。 (c)離型剤を有効に塗布できることに加え、金型に具
備された冷却回路により成形品の取り出し温度を低くで
きるため、成形品の突き出しによる変形などの問題も解
消する。 (d)金型温度を上げることによる弊害を防ぎながら、
金型のキャビティ表面のみを加熱することによって、成
形欠陥を大幅に低減できる。 (e)射出速度を低下させることができるので、バリが
低減し、後加工が容易となる。さらに、従来まで大型の
成形機を使用しなければ成形できなかった製品を小型の
成形機で成形できるようになり、コストが削減できる。
ローチャートである。
ある。
Claims (2)
- 【請求項1】 金型(5)内に設けた予熱手段でキャビ
ティ表面(4)を予熱し、キャビティ表面(4)に離型
剤を噴霧した後、溶湯の射出直前に型開き状態にある固
定型(1)と可動型(2)の間に誘導加熱用のコイル
(3)を挿入し、該コイル(3)を固定型(1)と可動
型(2)のキャビティ表面(4)に近接させた状態で通
電することによって、金型(5)内に渦電流を発生さ
せ、キャビティ表面(4)だけを短時間に所定の温度に
昇温した後、コイル(3)を金型外へ移動させて型閉じ
し、溶湯を射出、保圧後、金型(5)内に設けた冷却手
段でキャビティ表面(4)を所定温度まで冷却した後、
金型(5)を開いて成形品(11)を突き出すことを特
徴とする軽金属射出成形方法。 - 【請求項2】 前記キャビティ表面(4)の温度を、予
熱時より冷却時の方が低くなるように前記冷却手段で制
御することを特徴とする請求項1記載の軽金属射出成形
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02398799A JP3393079B2 (ja) | 1999-02-01 | 1999-02-01 | 軽金属射出成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02398799A JP3393079B2 (ja) | 1999-02-01 | 1999-02-01 | 軽金属射出成形方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000218356A JP2000218356A (ja) | 2000-08-08 |
JP3393079B2 true JP3393079B2 (ja) | 2003-04-07 |
Family
ID=12125942
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02398799A Expired - Lifetime JP3393079B2 (ja) | 1999-02-01 | 1999-02-01 | 軽金属射出成形方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3393079B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8272864B2 (en) | 2009-12-10 | 2012-09-25 | Quanta Computer Inc. | Injection mold having pre-heating device, the pre-heating device, and method for pre-heating injection mold |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA2546742A1 (en) * | 2003-11-26 | 2005-06-09 | Marie Thomas Gilles Raffle | Casting of metal artefacts |
JP5277401B2 (ja) * | 2009-06-15 | 2013-08-28 | 富士電機株式会社 | 金型の加熱方法および装置 |
FR3050390B1 (fr) * | 2016-04-26 | 2020-01-24 | Roctool | Procede et dispositif pour le moulage en coquille d’un alliage metallique |
-
1999
- 1999-02-01 JP JP02398799A patent/JP3393079B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8272864B2 (en) | 2009-12-10 | 2012-09-25 | Quanta Computer Inc. | Injection mold having pre-heating device, the pre-heating device, and method for pre-heating injection mold |
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JP2000218356A (ja) | 2000-08-08 |
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